JP3507420B2 - 反射型光変調パネルと投射型表示装置 - Google Patents

反射型光変調パネルと投射型表示装置

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JP3507420B2 JP2000257940A JP2000257940A JP3507420B2 JP 3507420 B2 JP3507420 B2 JP 3507420B2 JP 2000257940 A JP2000257940 A JP 2000257940A JP 2000257940 A JP2000257940 A JP 2000257940A JP 3507420 B2 JP3507420 B2 JP 3507420B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクティブマトリ
ックス液晶パネルを用いてテレビ映像などをスクリーン
上に投射表示する投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、映像ソフト供給環境の充実とハイ
ビジョン等にみられる映像の高精細化に伴って、高画素
数で大画面表示を可能にする投射型表示装置に対する要
求が高まっている。
【0003】液晶パネルの映像を拡大表示する液晶プロ
ジェクターにおいても、高画素数化のために高密度液晶
パネルの開発が行われており、例えば、テレビジョン学
会技術報告vol.13,No.58,pp.49〜5
4に報告されている、アクティブマトリックス方式の反
射型液晶パネルがある。この液晶パネルは、図2に示す
ように、ガラス基板20上にスイッチングトランジスタ
21と反射画素電極22を設けた構成のマトリックス基
板と、光遮蔽膜26と透明電極25を有する透明ガラス
板24と、それらにより挟持された液晶層23により構
成されている。反射画素電極22はアルミニウム金属で
あり、またスイッチングトランジスタ21への光照射を
防ぐ光遮蔽膜26は、一般にクロム金属で形成される。
【0004】この反射型液晶パネルでは、透明ガラス板
24側から入射した光束が液晶層23で変調され、そし
て反射画素電極22で反射されるので、変調光は反射光
として取り出される。反射型では、さらに従来の技術で
ある、スイッチングトランジスタと透過画素電極をパネ
ル面で並列に形成した構造の透過型液晶パネルとは違っ
て、反射画素電極をスイッチングトランジスタ上に形成
することが出来る。従って、同じ画素数ではパネルサイ
ズをかなり小さくでき、またパネル面内での光変調部の
割合を比較的大きくとれるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
反射型液晶パネルでは多くの問題点がある。一つは光利
用効率の低いことである。反射画素電極のアルミニウム
表面の反射率が約88%と低く、また光遮蔽膜はスイッ
チングトランジスタへの光照射を十分に防ぐため、反射
画素電極に幾らか重なるように配置させるので、そのぶ
ん光利用効率が低くなる。例えば、反射画素電極として
銀のような反射率の高い金属を用いたとしても光遮蔽膜
による効率低下をなくすことは難しい。また反射画素電
極がアルミニウムの場合、材料が脆いため表面を平坦化
するのが困難であり、表面の凹凸による正反射効率の低
さも効率低下の要因となる。
【0006】もう一つの問題点は、パネルの温度上昇を
防ぐために冷却が必要なことである。反射画素電極のア
ルミニウムが約12%の可視光吸収率を持ち、光遮蔽層
のクロムが60%程度の可視光吸収率を持つので、液晶
パネルの温度が上昇する。そうすると、スイッチングト
ランジスタのオフ抵抗が低下し、また液晶材料の比抵抵
抗や配列状態が変化するため、表示品質が低下する。こ
れを防ぐために液冷や空冷等のクーリングが必要であ
り、結果として騒音が増え、装置が大型となり、消費電
力が増す。
【0007】さらに、高パワーの光束を扱う場合には、
上記問題点に加えてコントラスト比低下の問題点が生じ
る。図3は、図2と同様の反射型光変調パネルについ
て、パネル照度とコントラスト比の関係を示した図であ
る。十分な強制空冷の条件に於ても、パネルへの入射光
量の増大に従ってパネル温度が上昇し、それに従ってコ
ントラスト比は低下していく。また光量の増加に伴っ
て、光遮蔽膜と反射画素電極の間を通り抜ける僅かな光
束のスイッチングトランジスタへの照射が無視できなく
なり、半導体の光伝導現象によってコントラスト比が低
下する。プレゼンテーション用の投射型表示装置におい
ては明るいところでも視認できることが必要であり、シ
アター用の投射型表示装置では多人数で観賞できるなど
の要件があり、それぞれ非常に高出力を必要とするの
で、このコントラスト比低下の問題点は一層顕著とな
る。
【0008】最近、高分子中に液晶を分散させ入射光を
散乱度で変調するPDLC(Polymer Disp
ersed Liquid Cristal)といわれ
る新モードの光変調材料があり、光利用効率が高いので
非常に注目されている。このような光を散乱の程度で変
調するような材料を、従来の反射型光変調パネルに用い
ることが考えられるが、この場合、散乱光が光遮蔽膜と
反射電極の間を容易に通り抜け、スイッチングトランジ
スタのオフ抵抗を低下させるので、この組合せでは使用
する事が難しい。
【0009】本発明による反射型光変調パネルと投射型
液晶表示装置は、このような問題点を解決するもので、
その目的とするところは、高出力で高効率、しかも表示
が高品質で騒音の少ない投射型表示装置を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の反射型光変調パ
ネルは、透明電極を有する第1の支持板と、マトリック
ス状に配置される複数の画素電極とこの画素電極を制御
するスイッチング素子を有する第2の支持板と、該第1
及び第2の支持板に挟まれた光変調層とを含み、ドライ
バ回路により前記スイッチング素子を介して画素電極に
信号電圧を書き込み、前記透明電極と前記画素電極間の
前記光変調層を変調し、前記第1支持板側からの入射光
を前記光変調層を経て反射してなる反射型光変調パネル
において、前記第2支持板の前記複数の画素電極と前記
光変調層との間には、前記第1支持板側から入射される
光の波長域を選択的に反射する作用を有する誘電体多層
膜鏡を配置してなり、前記誘電体多層膜鏡の表面は平坦
化されていることを特徴とする。
【0011】また、本発明の反射型光変調パネルは、透
明電極を有する第1の支持板と、マトリックス状に配置
される複数の画素電極とこの画素電極を制御するスイッ
チング素子を有する第2の支持板と、該第1及び第2の
支持板に挟まれた光変調層とを含み、ドライバ回路によ
り前記スイッチング素子を介して画素電極に信号電圧を
書き込み、前記透明電極と前記画素電極間の前記光変調
層を変調し、前記第1支持板側からの入射光を前記光変
調層を経て反射してなる反射型光変調パネルにおいて、
前記第2支持板の前記複数の画素電極上に平坦化された
誘電体膜を配置し、前記誘電体膜上に配置されて表面が
平坦化された、前記第1支持板側から入射される光の波
長域を選択的に反射する作用を有する誘電体多層膜鏡を
備えたことを特徴とする。
【0012】また、本発明の反射型光変調パネルは、透
明電極を有する第1の支持板と、マトリックス状に配置
される複数の画素電極とこの画素電極を制御するスイッ
チング素子を有する第2の支持板と、該第1及び第2の
支持板に挟まれた光変調層とを含み、ドライバ回路によ
り前記スイッチング素子を介して画素電極に信号電圧を
書き込み、前記透明電極と前記画素電極間の前記光変調
層を変調し、前記第1支持板側からの入射光を前記光変
調層を経て反射してなる反射型光変調パネルにおいて、
前記第2支持板の前記複数の画素電極を平坦化し、平坦
化された前記画素電極により表面が平坦化された、前記
第1支持板側から入射される光の波長域を選択的に反射
する作用を有する誘電体多層膜鏡を備えたことを特徴と
する。
【0013】また、本発明の反射型光変調パネルは、投
射型表示装置に備えられることを特徴とする。
【0014】
【0015】
【0016】
【実施例】以下、本発明の反射型光変調パネルと投射型
表示装置について、図面に基づき詳細に説明する。
【0017】本発明の反射型光変調パネルは、特にスイ
ッチングトランジスタを用いたアクティブマトリックス
方式で駆動される。この場合のパネル上の等価回路とそ
の周辺部の構成を図1に示す。一画素毎に、スイッチン
グトランジスタ10が形成されており、Yドライバーに
よってオン状態となっている時に、Xドライバーによっ
て液晶容量11に信号電圧が書き込まれる。また、液晶
のリーク等による電圧の低下を防ぐために、保持容量1
2が液晶容量11と並列に設けられている。アクティブ
マトリックス方式には、この他に、画素毎にMIM素子
を設けたものや、ダイオード素子を設けたものがあり、
本発明はこれらに対しても使用可能である。
【0018】本発明による反射型光変調パネルの第1の
実施例を、図4に示す。ガラス板20上にスイッチング
トランジスタ40と画素電極41等を有する構成のマト
リックス基板と、透明電極25を有する透明ガラス板2
4と、それらによって狭持された液晶材料を含む光変調
層23により構成されており、画素電極41上には表面
を平坦化した誘電体膜42と誘電体多層膜鏡43が形成
されている。
【0019】スイッチングトランジスタ40を通して画
素電極41に信号電位を加えると、透明電極25と画素
電極41の間に電位差が生じ、その電圧は液晶材料を含
む光変調層23と誘電体多層膜鏡43と誘電体膜42で
容量分割され、光変調層23にかかる電圧に応じて、液
晶分子の配列方向が変化する。透明ガラス板24側から
読みだし光束が入射されると、光変調層23を通過する
間に、液晶分子によって変調され、誘電体多層膜鏡43
に反射されて後、再び光変調層23に変調されてから取
り出される。誘電体多層膜鏡43は、適当な設計によっ
て、反射率を99%以上にすることができるので、本構
成の反射型光変調パネルは光の吸収が無視でき、温度上
昇が殆ど無い。また、スイッチングトランジスタ40へ
の光照射も非常に少ない。
【0020】光変調層23には、液晶材料あるいは液晶
複合材料が用いられる。液晶材料の場合は、例えば、ネ
マチック液晶を捻れ構造や基板に対してほぼ垂直方向の
構造で配向させるものがあり、偏光光を入射させてその
偏光状態を光変調層のリタデーションの増減によって変
化させる。液晶複合材料とは、液晶を高分子材料や無機
物と複合させたもので、例えばPDLCのような、光を
散乱と透過で変調するものがある。
【0021】反射型光変調パネルのモードとしては、電
圧無印加時に黒表示で、電圧印加で白表示となる、いわ
ゆるノーマリ黒モードが適している。ノーマリ白モード
を用いると、画素電極41が離散的であるために、黒表
示の場合に光変調層23全体に電圧を印可することが困
難であり、表示のコントラスト比が低くなる。
【0022】画素電極41同士間の下部にX−ドライバ
ーからの信号線を通すと、他の画素への信号電位が、画
素電極41間に対応する光変調層23に電圧を加え、表
示の品質を悪化させる。そこで、本構成においては、画
素電極の下部に信号線を通す方が良い。但しこの場合
は、他の画素電極への信号が画素電極41に影響し、ク
ロストークや上下むらを生じるので、特別な駆動方法と
して、水平ラインごとに極性を反転して駆動するライン
反転駆動を用いる。ライン反転駆動では、他の画素に与
える映像信号からの影響が周波数の高い交流電界とな
り、液晶分子の応答速度よりも変化が速いので、表示に
は殆ど影響しない。
【0023】誘電体膜42は、例えば窒化シリコン(S
34),酸化シリコン(SiO2)のような絶縁物で、
その上に形成される誘電体多層膜鏡43が平坦に形成さ
れるように、表面を研磨によって平坦化する。平坦化が
十分でないと、誘電体多層膜鏡の正反射効率が低くな
り、結果として光変調効率が低くなる。
【0024】この誘電体膜42を、強誘電体のような誘
電率の高い物質、例えば酸化チタン(TiO2)やチタ
ン酸バリウム(BaTiO3)で形成すると、容量分割
によって誘電体膜42に印加される電圧が低くなり、全
体としての必要電圧が減少する。また、電極41の凹凸
の影響で光変調層23に印加される電圧が、一画素内で
むらを生じるが、誘電率の高い物質を用いることでかな
り軽減することが出来る。また誘電率が高いと、電界の
回り込みが大きくなり、画素電極41上を僅かに外れた
部分においても液晶分子に電圧が印加され、実際の光変
調部が増加し、変調効率が高くなる。
【0025】先に述べたように、誘電体多層膜鏡43に
よって読みだし光のほとんどが反射によって取り出され
るが、誘電体多層膜鏡の反射率を完全に100%には出
来ないので、僅かの光束がスイッチングトランジスタ4
0に照射される。画素電極41として反射率の高いアル
ミニウム金属膜を用いれば、照射光量がかなり減少する
ものの、非常に多量の光束が照射されると、画素電極間
を通り抜けた光束がスイッチングトランジスタ40のオ
フ抵抗を下げて、表示品質を低下させる。そこで、誘電
体膜42として、可視光吸収率の高い材料、例えばテル
ル化カドミウム(CdTe)やマンガン酸プラセオジム
(PrMnO3)や酸化ニオブ(NbO)を用いれば、
完全に照射光をカットすることが出来る。特に光変調層
23が、PDLCのような光を散乱の度合で変調する材
料である場合には、誘電体多層膜鏡の角度依存性のため
に、散乱光が透過しやすいので、可視光吸収率の高い材
料を用いることの効果は非常に大きくなる。
【0026】本発明による反射型液晶ライトバルブの第
2の実施例を図5に示す。この構成においては、第1の
実施例の誘電体多層膜鏡43と誘電体膜42の間に可視
光吸収率の高い誘電体膜50を挿入している。効果とし
ては、第1実施例における誘電体膜42について可視光
吸収率の高い物質を用いた場合と同じである。ただ、こ
の場合は可視光吸収率の高い誘電体膜50を平坦化する
必要がないので、可視光吸収率の高い誘電体膜50の材
料選択自由度が大きい。例えば顔料を分散させた有機物
や染色されたゼラチンような、研磨出来ないものであっ
ても使用することが出来る。また、画素電極41に対す
る付着強度の低い黒色物であっても使用することができ
る。
【0027】本発明による反射型光変調パネルの第3の
実施例を、図6に示す。この場合は、平坦化された画素
電極41上に可視光吸収率の高い誘電体膜50と誘電体
多層膜鏡43が積層されている。画素電極41としてア
ルミニウムを用いると、アルミニウムは比較的脆くて研
磨しやすいので作製が容易である。また、第2実施例と
較べると、図5における誘電体膜42がないので、その
ぶん光変調層23にかかる電圧が増加し、必要な最大電
圧を小さくすることが出来る。加えて、画素内の光変調
層23に加えられる電界が均一となるので、表示品質が
良い。図6では、可視光吸収率の高い誘電体膜50が示
されているが、スイッチングトランジスタ40への光リ
ークが問題にならなければ省略してよい。
【0028】本発明の反射型光変調パネルにおける第4
の実施例を、図7に示す。上述の他の実施例において
は、マトリックス基板として、ガラス板上に薄膜トラン
ジスタを形成したものを用いていたが、本実施例では単
結晶シリコン基板70を使用している。単結晶シリコン
基板70を用いてつくられたスイッチングトランジスタ
71は、その特性が非常に良いものの、光に対する特性
の劣化が起こりやすいという傾向がある。けれども本構
成においては、入射光の殆どすべてが誘電体多層膜鏡4
3と可視光吸収率の高い誘電体膜50によって遮蔽され
るので、特性の劣化は起こらない。また、単結晶シリコ
ン基板70上には、図2に示されているX−ドライバー
とY−ドライバーをつくり込むことが可能であり、パネ
ルまわりの構造が非常に単純になる。
【0029】画素電極上に形成される誘電体多層膜鏡
は、一般に、高屈折率の誘電体膜と低屈折率の誘電体膜
を交互に積層した構造をしており、反射させる中心波長
に対し各々の膜の光学的厚さが1/4波長となってい
る。図8、図9、図10は、それぞれ緑色光、赤色光、
青色光を反射する誘電体多層膜鏡の波長−反射率特性の
例を示す図である。高屈折率膜にはTiO2を、低屈折
率膜にはSiO2を用い、合わせてせて15層を積層し
た場合の特性が示されている。反射率を増加させるため
には層数を増やせばよく、例えば20層にすると反射中
心波長の前後50nmの範囲において、反射率が99.
8%以上となる。
【0030】次に、前述の反射型光変調パネルを用いた
投射型表示装置について説明する。図11は、本発明の
投射型表示装置における第1の実施例を示す構成斜視図
である。本構成は、反射型光変調パネルの光変調層とし
て、PDLCのような光を散乱度合で変調するものを用
いた場合に対して考案されたものである。光源装置11
0は、ハロゲンランプ,メタルハライドランプ,キセノ
ンランプのような光源ランプからの光束を、放物面リフ
レクタによってほぼ平行な光束として、赤外線や紫外線
など不用な波長域をフィルタによって除去した後に、射
出する。光線分離プリズム111は、二つの三角柱プリ
ズムの斜面同士をわずかの空隙を介して配置されたもの
で、光源装置110からの光束に対しては、一方の三角
柱プリズムの斜面で全反射し、色光分離プリズム112
に入射させる。図11に示した色光分離プリズム112
は、四つの三角柱プリズムを張り合わせた四角柱形状
で、内部に赤反射多層膜干渉フィルターと青反射多層膜
干渉フィルターを十字状に有しているので、入射する光
束の三原色光は三方向に分離される。分離された原色光
は、それぞれが反射型液晶パネル113(色光分離プリ
ズム112の向こう側にもう1枚の反射型光変調パネル
がある)に向い、変調された後に再び色光分離プリズム
112に入射し、先とは逆方向の経路をたどって合成さ
れる。そして光線分離プリズム111のはじめに全反射
された斜面に到達するが、このときの斜面に対する入射
角ははじめよりも小さくなっているので、ほとんどの光
束が透過し、もう一方の三角柱プリズムでも同様にほと
んどが透過する。光線分離プリズム111を通過した変
調光は投射レンズ114に入射して、スクリーン115
に投射される。入射光束を散乱度合で変調する反射型光
変調パネル113で変調された光束のうち、正反射され
た光はスクリーン115上に到達するが、散乱された光
は投射レンズ114に入射しないか、あるいは入射した
としても投射レンズ114内の絞りによって遮られるの
で、スクリーン115には到達しない。
【0031】PDLCのような、光を散乱度合で変調す
る光変調層を反射型光変調パネルに用いる場合に問題と
なるのは、光変調パネルに用いられるガラス板等からの
表面反射光が、表示のコントラスト比を低下させること
である。このような光学系では、反射型光変調パネル1
13,色光分離プリズム112,光線分離プリズム11
1のそれぞれの硝材部分を、屈折率を整合させたオイル
や光学糊で密着させると、界面の反射光が無くなって高
コントラスト比を得やすい。
【0032】本発明の投射型表示装置の第2の実施例
を、図12に示す。本構成は、反射型光変調パネルの光
変調層として、例えばECB(electricall
y controlled birefringenc
e)モードのような光を偏光方向の変化で変調するもの
を用いた場合用に、設計されたものである。光源装置1
10から射出されたほぼ平行な光束は、偏光ビームスプ
リッター120によって、p−偏光は透過しs−偏光は
反射されて色光分離プリズム121に入射する。色光分
離プリズム121に入射した三原色光を含むs−偏光の
うち、緑色光は透過して緑色用反射型光変調パネル12
2Gに到達し、赤色光と青色光は、色光分離プリズム1
21に含まれる多層膜干渉フィルターや硝材と空気の界
面によって反射され、それぞれ赤色用反射型光変調パネ
ル122R,青色用反射型光変調パネル122Bに入射
する。そして偏光状態を変調され反射された各原色光
は、色光分離プリズム121によって合成され、そして
偏光ビームスプリッター120でp−偏光のみ透過し、
検光される。この検光された光束は投射レンズ114を
通って投射され、スクリーン上にカラー映像を結像させ
る。
【0033】
【発明の効果】以上、実施例に基づいて述べてきたよう
に、本発明の反射型光変調パネルと投射型表示装置では
以下に述べるような、主に三つの効果がある。
【0034】パネルへの入射光の反射率が高くて、高開
口率であり、しかも液晶複合体のような光利用率の高い
光変調材料を利用できるので、総合的な光利用効率がと
ても高い。ひいては投射型表示装置の消費電力を小さく
できる。
【0035】光変調パネルに吸収される光束が殆どない
ので、パネルのクーリングが不要となり、騒音が少な
い。
【0036】光変調パネルの温度上昇やスイッチングト
ランジスタへの光照射による表示品質低下の問題がなく
なるので、光変調パネルに高パワーの光束を入力でき、
従って明るい場所でも容易に視認出来るような、高出力
の投射型表示装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スイッチングトランジスタを用いたアクティブ
マトリックス方式の光変調パネル上の等価回路とその周
辺部の構成を示したブロック図。
【図2】従来の反射型光変調パネルの構成を示す断面模
式図。
【図3】従来の反射型光変調パネルにおける、パネル照
度と表示のコントラスト比の関係を示した図。
【図4】本発明による反射型光変調パネルの第1の実施
例を示す断面模式図。
【図5】本発明による反射型光変調パネルの第2の実施
例を示す断面模式図。
【図6】本発明による反射型光変調パネルの第3の実施
例を示す断面模式図。
【図7】本発明による反射型光変調パネルの第4の実施
例を示す断面模式図。
【図8】緑色光を反射する誘電体多層膜鏡の波長−反射
率特性を示す図。
【図9】赤色光を反射する誘電体多層膜鏡の波長−反射
率特性を示す図。
【図10】青色光を反射する誘電体多層膜鏡の波長−反
射率特性を示す図。
【図11】本発明の投射型表示装置の第1の実施例を示
す構成斜視図。
【図12】本発明の投射型表示装置の第2の実施例を示
す構成斜視図。
【符号の説明】
10,21,40,71・・・スイッチングトランジス
タ 11・・・液晶容量 12・・・保持容量 20・・・ガラス板 22・・・反射画素電極 23・・・光変調層 24・・・透明ガラス板 25・・・透明電極 26・・・光遮蔽膜 41・・・画素電極 42・・・誘電体膜 43・・・誘電体多層膜鏡 50・・・可視光吸収率の高い誘電体膜 70・・・単結晶シリコン基板 110・・・光源装置 111・・・光線分離プリズム 112,121・・・色光分離プリズム 113・・・反射型光変調パネル 114・・・投射レンズ 115・・・スクリーン 120・・・偏光ビームスプリッタ 122R・・・赤色用反射型光変調パネル 122G・・・緑色用反射型光変調パネル 122B・・・青色用反射型光変調パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03B 21/00 G03B 21/28 21/28 33/12 33/12 G09F 9/00 360D G09F 9/00 360 9/30 349D 9/30 349 H04N 9/31 B H04N 9/31 G02F 1/136 500 (56)参考文献 特開 昭64−7021(JP,A) 特開 平3−107818(JP,A) 特開 平2−253235(JP,A) 特表 平2−501334(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1335,1/13,1/133 G02F 1/1333,1/1334

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明電極を有する第1の支持板と、マト
    リックス状に配置される複数の画素電極とこの画素電極
    を制御するスイッチング素子を有する第2の支持板と、
    該第1及び第2の支持板に挟まれた光変調層とを含み、
    ドライバ回路により前記スイッチング素子を介して画素
    電極に信号電圧を書き込み、前記透明電極と前記画素電
    極間の前記光変調層を変調し、前記第1支持板側からの
    入射光を前記光変調層を経て反射してなる反射型光変調
    パネルにおいて、 前記第2支持板の前記複数の画素電極と前記光変調層と
    の間には、前記第1支持板側から入射される光の波長域
    を選択的に反射する作用を有する誘電体多層膜鏡を配置
    してなり、前記誘電体多層膜鏡の表面は平坦化されてい
    ることを特徴とする反射型光変調パネル。
  2. 【請求項2】 透明電極を有する第1の支持板と、マト
    リックス状に配置される複数の画素電極とこの画素電極
    を制御するスイッチング素子を有する第2の支持板と、
    該第1及び第2の支持板に挟まれた光変調層とを含み、
    ドライバ回路により前記スイッチング素子を介して画素
    電極に信号電圧を書き込み、前記透明電極と前記画素電
    極間の前記光変調層を変調し、前記第1支持板側からの
    入射光を前記光変調層を経て反射してなる反射型光変調
    パネルにおいて、 前記第2支持板の前記複数の画素電極上に平坦化された
    誘電体膜を配置し、前記誘電体膜上に配置されて表面が
    平坦化された、前記第1支持板側から入射される光の波
    長域を選択的に反射する作用を有する誘電体多層膜鏡を
    備えたことを特徴とする反射型光変調パネル。
  3. 【請求項3】 透明電極を有する第1の支持板と、マト
    リックス状に配置される複数の画素電極とこの画素電極
    を制御するスイッチング素子を有する第2の支持板と、
    該第1及び第2の支持板に挟まれた光変調層とを含み、
    ドライバ回路により前記スイッチング素子を介して画素
    電極に信号電圧を書き込み、前記透明電極と前記画素電
    極間の前記光変調層を変調し、前記第1支持板側からの
    入射光を前記光変調層を経て反射してなる反射型光変調
    パネルにおいて、 前記第2支持板の前記複数の画素電極を平坦化し、平坦
    化された前記画素電極により表面が平坦化された、前記
    第1支持板側から入射される光の波長域を選択 的に反射
    する作用を有する誘電体多層膜鏡を備えたことを特徴と
    する反射型光変調パネル。
  4. 【請求項4】 光源と、該光源からの光を変調する請求
    項1乃至3のいずれかに記載の反射型光変調パネルと、
    該変調された光を投射する投射レンズとを備えることを
    特徴とする投射型表示装置。
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