JP3506990B2 - シガレット製造装置 - Google Patents
シガレット製造装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、量目制御されて連
続供給される刻みたばこを長手方向に連続して棒状に巻
き上げる長尺の巻紙のピンポール欠陥の有無および巻紙
の継目、更には規定幅に満たない巻紙部分を簡易に、且
つ精度良く検出し、ピンホール欠陥または巻紙の継目を
含む巻紙部分や、幅狭の巻紙部分にて巻き上げられたシ
ガレットを確実に排除して、その製造品質を高めること
のできるシガレット製造装置に関する。 【０００２】 【関連する背景技術】シガレットを製造する場合、刻み
たばこを連続して巻き上げる巻紙のピンホール欠陥また
は巻紙の継目を含む巻紙の不良部分にて巻き上げられた
シガレットを確実に排除して、その製造品質を高めるこ
とが重要である。 【０００３】シガレットは、一般的には量目制御されて
連続供給される刻みたばこを、長尺の巻紙にて、その長
手方向に連続して巻き上げて棒状の、所謂棒巻きたばこ
を形成し、この棒巻きたばこを所定長毎に切断して製造
される。また棒巻きたばこから切断した所定長のシガレ
ットの一端にフィルタを装着することも行われる。特に
このようなシガレットの製造処理速度は、益々高速化さ
れる傾向にあり、巻紙による刻みたばこの巻き上げ速度
自体も非常に高速化している。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】ところで巻紙の品質
は、シガレットにおける空気の流れを左右し、その燃焼
性のみならず喫味にも影響を与える。例えば巻紙に、所
謂スキムラに起因する薄い部分や直径１ｍｍ程度のピン
ホールが存在しても、喫煙時におけるシガレット内での
空気の流れが変化し易い。これ故、高品質なシガレット
を製造するに際しては、巻紙の品質を十分に管理するこ
とが必要である。 【０００５】ちなみに上記巻紙は、例えば幅２７ｍｍ程
度の長尺なもので、ロールとして巻回された状態で提供
される。そして巻紙は、上記ロールから巻き戻しながら
所定の搬送路を介して高速度に走行させてシガレット製
造装置、特に刻みたばこの巻き上げ部（巻管部）に連続
供給される。これ故、巻紙を高速度に走行させた状態に
おいて、巻紙に存在するピンホール欠陥をリアルタイム
に確実に検出する必要がある。この際、その高速走行に
伴って巻紙が振れ易くなるので、一般的にはピンホール
欠陥を高精度に検出することが困難であり、仮に巻紙の
供給（走行）を高精度に制御してその振れを抑えるよう
にすると、巻紙供給部の構成が相当大掛かりで複雑なも
のとなることが否めない。 【０００６】またシガレットを連続して製造する場合、
巻紙の長さに限りがあることから、その終端に次の巻紙
の先端を重ね合わせて連結し、これによって巻紙を連続
供給することが行われる。しかしながらその継目を含む
巻紙部分を巻き上げられたシガレットは、品質上、問題
がないと雖も見た目に悪く、これを製品とするには問題
がある。これ故、前述したピンホール欠陥や継目を含む
巻紙部分で巻き上げられたシガレットを、その製造ライ
ンから確実に排除することが重要となる。 【０００７】 本発明はこのような事情を考慮してなさ
れたもので、その目的は、高速度に供給される長尺の巻
紙におけるピンホール欠陥やその継目を、簡易にしかも
確実に検出し、ひいてはピンホール欠陥や巻紙の継目を
含む巻紙部分にて巻き上げられたシガレットを確実に排
除してその製造品質を高めることのできるシガレット製
造装置を提供することにある。また同時に本発明は、巻
紙の規定幅に満たない幅狭部分で巻き上げられたシガレ
ットについても確実に排除することのできるシガレット
製造装置を提供することにある。 【０００８】 【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明は、量目制御されて連続供給される刻みたば
こを長尺の巻紙にて長手方向に連続して巻き上げて棒巻
きたばこを形成し、該棒巻きたばこを所定長毎に切断し
てシガレットを製造するシガレット製造装置に係り、特
に(1) 前記刻みたばこの巻き上げに供される前記巻紙の
供給経路に設けられる光センサであって、巻紙の両縁部
を除く領域に照射されて該巻紙を透過した光を受光する
光センサと、(2) 前記巻紙の供給経路に設けられて該巻紙の両縁部
にそれぞれ照射した光の該巻紙により遮られなかった光
を受光する一対の補助光センサと、 (3) 前記 光センサにより求められた受光量が第１の閾
値Ｖ ref1 を上回るとき、前記巻紙の両縁部を除く領域に
ピンホール欠陥が存在すると判断する第１の比較器と、 (4) 前記光センサにより求められた受光量が第２の閾
値Ｖ ref2 （＜Ｖ ref1 ）を下回るとき、前記巻紙の継ぎ目
であると判断する第２の比較器と、 (5) 前記一対の補助光センサによりそれぞれ求められ
た受光量の和が第３の閾値Ｖ ref3 を上回るとき、前記巻
紙が規定の幅よりも狭いとして判定する第３の比較器
と、 (6) 前記第１および第２の比較器にて前記巻紙のピン
ホール欠陥または継目が検出されたとき、および／また
は前記第３の比較器にて前記巻紙の幅狭部分が検出され
たとき、 その検出結果を前記シガレットの排除指令とし
て前記巻紙による刻みたばこの巻上動作に関連して出力
する巻紙品質検査部とを具備したことを特徴としてい
る。 【０００９】即ち、本発明は、巻紙に照射されて該巻紙
を透過する光の量が、ピンホール欠陥を通過した場合に
は多くなり、これに反して巻紙の後端と次の巻紙の先端
とを重ね合わせて連結した継目においては少なくなるこ
とに着目したもので、光センサによる受光量の変化から
ピンポール欠陥の存在、およびその継目部分を確実に検
出し、これらのピンホール欠陥や継目が検出されたと
き、該ピンホール欠陥や継目を含む巻紙部分にて巻き上
げられたシガレットを排除するべく、その検出結果をシ
ガレットの排除指令として前記巻紙による刻みたばこの
巻上動作に関連して出力するようにしたことを特徴とし
ている。 【００１０】 また巻紙の幅が規定の幅である場合に
は、高速に走行する巻紙がその幅方向に多少変位して
も、補助センサにより検出される受光量の和が変わるこ
とがないことに着目し、補助センサにより検出される受
光量の和が所定の閾値よりも大きくなったとき、この状
態を巻紙の幅が狭くなったと判定してその幅狭部分にて
巻き上げられたシガレットを排除することを特徴として
いる。そして巻紙に対する欠陥検査部の構成の簡素化を
図ると共に、巻紙のピンホール欠陥やその継目、更には
幅狭部分を確実に検出してシガレットの製造品質を高め
ることを特徴としている。 【００１１】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態に係るシガレット製造装置について説明する。
シガレット製造装置の全体的な構成について簡単に説明
すると、このシガレット製造装置は、概略的には図１に
示すように、主軸１により速度制御されて送り駆動され
る無端状のガニチャーテープ２を備えた巻管部（紙巻
部）３を主体とし、上記ガニチャーテープ２上において
ロールＲから連続供給される長尺の巻紙Ｐを用いて、刻
み給送装置４から供給される刻みたばこＴkを棒状に連
続的に巻き上げるように構成される。 【００１２】尚、刻み給送装置４は、ホッパ５内に供給
された刻みたばこＴkを上方に向けて空気搬送するチム
ニー部６と、このチムニー部６の上方位置と前記巻管部
３との間に張架されて前記主軸１の回転に同期して走行
駆動される無端状のたばこバンド７とを備え、このたば
こバンド７の表面に刻みたばこＴkを吸着して前記巻管
部３に搬送する。このたばこバンド７の表面への刻みた
ばこＴkの吸着は、サクション部８により該たばこバン
ド６の裏面側に負圧を供給することにより行われる。 【００１３】また刻み給送装置４の上記チムニー部６か
ら巻管部３に向かうたばこバンド７の走行路の途中に
は、前記主軸１の回転に同期して作動するエクレターデ
ィスク９が設けられている。このエクレターディスク９
は、たばこバンド７の表面に吸着されて巻管部３に搬送
される刻みたばこＴkの余剰分を掻き落とすことで、そ
の吸着量（層厚み）を制御し、前記巻管部３にて巻き上
げられる棒巻たばこＴrにおける刻みたばこＴkの充填量
（量目）を調整する役割を担う。 【００１４】一方、巻管部３において刻みたばこＴkを
長尺の巻紙Ｐを用いて連続して巻き上げて形成された棒
巻たばこＴrは、切断部１０に導かれ、切断ナイフ１０
ａにより所定長毎に切断される。この切断ナイフ１０ａ
は、前記主軸１の回転に同期して前記棒巻たばこＴrの
巻上長に関連して回転駆動されるもので、これによって
棒巻きたばこＴrが、例えばシガレット２本分の長さの
所謂ダブル巻たばこＴwとして切断され、次工程である
フィルタアタッチメント部１１に供給される。そしてこ
のフィルタアタッチメント部１１において、上記ダブル
巻たばこＴwが２等分され、その端部にフィルタが装着
されてシガレットが製造される。 【００１５】また前記巻管部３の出口部には、例えば放
射線検出器からなる量目センサ１２が設けられており、
棒巻たばこＴrの長手方向の各部における刻みたばこＴk
の充填量（充填密度）が連続的に検出されている。量目
判定部１３は、上記センサ１２によって検出された刻み
たばこＴkの充填量（充填密度）から、例えばシガレッ
ト１本当たりの刻みたばこＴkの総充填量や、長手方向
各部における刻みたばこＴkの充填密度を監視し、その
過不足を判定している。そして量目判定部１３は、刻み
たばこＴkの充填量不足または充填量過剰の部位が検出
されたとき、当該部分を含んで前記棒巻きたばこＴrか
ら切り出されるシガレットを排除するべく、前記フィル
タアタッチメント部１１に設けられた不良品排除部１４
に対して排除指令を発するものとなっている。 【００１６】さて全体的には上述した如く構成されるシ
ガレット製造装置において、本発明が特徴とするところ
は、特にロールＲから管巻部３に向けて長尺の巻紙Ｐを
連続して供給する巻紙搬送路の途中に、該巻紙Ｐにおけ
るピンホール欠陥の有無およびその継目を検出するため
の光センサ２１を設け、巻紙品質検査部２２において上
記光センサ２１からの出力（受光量）に基づいて巻紙Ｐ
の品質や状態を監視するようにした点にある。そして巻
紙Ｐ中にピンホール欠陥が検出されたとき、或いは巻紙
Ｐの継目が検出されたとき、巻紙Ｐによって順に巻き上
げられる棒巻きたばこＴrから順に切り出されるシガレ
ット中の、前記ピンホール欠陥や継目を含む巻紙部分に
て巻き上げられたシガレットを排除するべく、巻紙品質
検査部１５から前記不良品排除部１４に対して排除指令
を与えるように構成したことを特徴としている。 【００１７】上記光センサ２１は、例えば図２に示すよ
うに巻紙Ｐをその両面から挟んで所定の間隙を隔てて対
向配置された一対の発光部２１ａと受光部２１ｂとを備
え、前記発光部２１ａから照射されて巻紙Ｐを透過した
光を前記受光部２１ｂにて受光し、その受光量に相当し
た信号を出力する、所謂透過型の光センサからなる。
尚、発光器２は、例えば巻紙Ｐの両縁部を除く中央部領
域に所定の幅（例えば２５ｍｍ）に亘って光を照射する
ランプからなる。また受光器２３は巻紙Ｐの幅方向に亘
る受光面を備えて巻紙Ｐを透過した光を受光する、所謂
ラインセンシング・タイプの受光素子からなる。 【００１８】尚、ラインセンシング・タイプの受光素子
に代えて、所定の大きさの受光面を持つ複数の受光素子
を、その受光領域が巻紙Ｐの幅方向に途切れることがな
いように、或いは受光領域の一部が互いに重なるように
千鳥状に配列したものを用いることも可能である。この
場合、各受光素子の受光領域の大きさにもよるが、その
大きさが２.５ｍｍ角程度であれば、１５個程度の受光
素子を用いて巻紙Ｐの略全幅における透過光を検出する
ようにすれば良い。 【００１９】即ち、光センサ２１は、巻紙Ｐの両縁部を
それぞれ除く領域の巻紙Ｐの状態、つまり後述するよう
にピンホール欠陥の有無やその継目を検出する為のもの
であって、図３に示すように巻紙Ｐがその搬送路の中心
を通って供給されるとき、該巻紙Ｐの両縁部の幅１ｍｍ
の領域を除く中央部の領域に対峙するように設けられ
る。そして巻紙Ｐが、仮にその搬送振れによって幅方向
に１ｍｍ程度ずれた場合であっても、光センサ２１にて
常に巻紙Ｐの主たる面（中央部領域）を確実にセンシン
グし得るように設定されている。 【００２０】またこの実施形態に係るシガレット製造装
置においては、巻紙Ｐの縁部の欠陥を検査するための２
つの補助光センサ２２ａ,２２ｂが設けられている。こ
れらの補助光センサ２２ａ,２２ｂは、基本的には前述
した光センサ２１と同様に構成されるものであるが、前
記巻紙Ｐの供給方向の同一位置において該巻紙Ｐの両縁
部の領域をそれぞれセンシングするべく、特にそのセン
シングエリアＡ,Ｂが上記巻紙Ｐの両縁部の幅１ｍｍの
領域を、例えば半分程度含むようにそれぞれ配置されて
いる。そして仮に巻紙Ｐが搬送振れに起因して幅方向に
１ｍｍ程度ずれた場合であっても、巻紙Ｐの両縁部をそ
れぞれ確実にセンシングし得るように設定されており、
後述するように巻紙Ｐの幅が狭くなった部位（狭幅欠
陥）を検出するものとなっている。 【００２１】尚、前記光センサ２１にて検出され、前記
巻紙Ｐの両端部を除く領域（主面）を透過した光の量
（受光量）に相当した信号は、センシングアンプ２３を
介して第１および第２の比較器２４,２５にそれぞれ与
えられて所定の閾値Ｖref1,Ｖref2と比較される。そし
て第１の比較器２４は、光センサ２１の出力（受光量）
が上記閾値Ｖref1を上回るとき、これを後述するように
巻紙Ｐにおいてピンホール欠陥が存在するとして判定
し、このピンホール欠陥を含む巻紙部分にて巻き上げら
れたシガレットを排除するべく排除指令信号を発する。
また第２の比較器２５は、光センサ２１の出力（受光
量）が上記閾値Ｖref2を下回るとき、これを後述するよ
うに巻紙Ｐの継目が検出されたと判定する。そしてこの
判定結果を得たとき、継目を含む巻紙部分にて巻き上げ
られたシガレットを排除するべく排除指令信号を発して
いる。 【００２２】これに対して一対の補助光センサ２２ａ,
２２ｂにより巻紙Ｐの両縁部をそれぞれ介して検出され
る受光量に相当する信号は、センシングアンプ２６ａ,
２６ｂを介してそれぞれ増幅された後、加算器２７にて
加算される。そしてその加算信号（受光量の加算値）
は、第３の比較器２８に与えられて所定の閾値Ｖref3と
比較されるようになっている。この第３の比較器２８
は、上記一対の補助光センサ２２ａ,２２ｂによりそれ
ぞれ検出される受光量の和（加算値）が、前記閾値Ｖre
f3を上回るとき、後述するように巻紙Ｐの幅が規定の幅
を満たしていないとして判定する。そしてこの巻紙Ｐの
狭幅部分にて巻き上げられたシガレットについては、そ
の巻き上げが不完全である虞があるとして、当該狭幅部
分にて巻き上げられたシガレットを排除するべく排除指
令信号を発するものとなっている。 【００２３】ちなみにこれらの第１〜第３の比較器２
４,２５,２８からそれぞれ発せられる排除指令信号は、
論理和ゲート２９を介して前述した不良品排除部１４に
出力される。特に論理和ゲート２９から不良品排除部１
４に対して出力される排除指令信号は、巻紙Ｐによる刻
みたばこＴkの巻き上げ動作、更には棒巻きたばこＴrか
らシガレットを切り出して送り出すタイミングに同期さ
せて、上述した如く検出された不良個所を含む巻紙部分
にて巻き上げられたシガレットが、その排除位置に導か
れるタイミングとなるように所定の遅延制御を施して行
われる。 【００２４】ここで前述した光センサ２１が検出する巻
紙Ｐを透過する光の量について説明すると、巻紙Ｐにピ
ンホール欠陥が存在しない場合、発光部２１ａから巻紙
Ｐに対して照射される一定光量の光は、巻紙Ｐの透過に
よる一定の減衰を受けるだけなので略一定である。しか
も光センサ２１は、巻紙Ｐの両縁部を除く中央部の領域
を透過した光だけを受光するので、巻紙Ｐの幅方向への
振れ（ずれ）に拘わりなく、略一定の光量を受光する。 【００２５】しかしながら巻紙Ｐに、例えば直径１ｍｍ
程度の微小なピンホール欠陥が存在すると、このピンホ
ール欠陥が光センサ２１のセンシング領域を通過する
際、前記発光部２１ａから照射された光の一部がピンホ
ールを素通りするので、これによって巻紙Ｐを透過する
光量が増大する。従って図４に例示するようにピンホー
ル欠陥の存在により受光部２１ｂにおける受光量が一時
的に増大する。前述した第１の比較器２４は、このよう
にして光センサ２１にて受光される光量の変化を閾値Ｖ
ref1で弁別することで、そのセンシング領域における巻
紙Ｐ上のピンホール欠陥の有無を検出している。 【００２６】これに対して巻紙Ｐの後端に次の巻紙Ｐの
先端を重ね合わせて連結した継目においては、巻紙Ｐが
二重となっているので発光部２１ａから照射された光
は、少なくとも２倍の減衰を受けて該継目部分を透過す
る。この結果、巻紙Ｐを透過する光量が減少し、図４に
例示するように受光部２１ｂにおける受光量が一時的に
減少する。前述した第２の比較器２５は、このようにし
て光センサ２１にて受光される光量の変化を閾値Ｖref2
で弁別することで、そのセンシング領域における巻紙Ｐ
上の継目を検出している。 【００２７】一方、巻紙Ｐの両縁部の領域の情報を検出
する一対の補助光センサ２２ａ,２２ｂは、巻紙Ｐの縁
部により遮られることのない光をそれぞれ受光する。従
って図５(ａ)(ｂ)(ｃ)に模式的に示すように、仮に巻紙
Ｐが幅方向にΔだけずれたとしても、巻紙Ｐの一方の縁
部により光を遮る領域が増大する分、他方の縁部により
光を遮る領域が減少するので、両縁部によって遮られる
光の量が変わることがない。これ故、巻紙Ｐに欠陥がな
い場合には、巻紙Ｐの幅方向のずれに拘わりなく一対の
光センサ２２ａ,２２ｂによる受光量Ｓa,Ｓbの和Ｋは一
定となる。 【００２８】しかしながら図３(ｄ)に示すように巻紙Ｐ
の幅が部分的に狭くなっているような欠陥が存在する
と、その分、光を遮る量が少なくなる。すると巻紙Ｐの
幅方向へのずれに起因して光センサ２２ａ,２２ｂによ
る個々の受光量Ｓa,Ｓb自体が変化する。ところがその
受光量は、上記巻紙Ｐの幅方向の変化によっても変化す
るので、このままでは巻紙Ｐの端部の欠陥を捉えること
はできない。しかし前述したように前記受光量Ｓa,Ｓb
の和Ｋに着目すれば、本来的には上述したように一定で
ある筈なので、前述した第３の比較器２８を用いてその
受光量の和（Ｓa＋Ｓb）を所定の閾値Ｖref3と比較する
ことにより、巻紙Ｐの両縁部における欠陥の有無を検出
することが可能となる。特に巻紙Ｐの高速走行に伴う幅
方向のずれに影響されることなく、その欠陥の有無を検
出することが可能となる。 【００２９】かくして上述した如く構成されたシガレッ
ト製造装置によれば、連続して供給される長尺の巻紙Ｐ
の、例えば直径１ｍｍ程度の微小なピンホール欠陥を光
センサ２１を用いて高精度に、且つ確実に検出すること
ができ、また巻紙Ｐの継目についても上記光センサ２１
を用いて確実に検出することができる。また巻紙Ｐの狭
幅欠陥については、一対の補助センサ２２ａ,２２ｂを
用いて確実に検出することができる。特に巻紙Ｐを高速
度に走行させて巻き上げ部（巻管部３）に供給しなが
ら、その走行振れの影響を受けることなしにピンホール
欠陥や継目、更には狭幅欠陥を簡易に、しかも確実に検
出し、巻紙Ｐに欠陥のあるシガレットを確実に排除する
ことが可能となる。 【００３０】従って高速巻き上げによるシガレットの生
産性を犠牲にすることなく、不良品を確実に排除して、
最終的なシガレットの製造品質を効果的に高めることが
可能となる。しかも上述したように汎用の光センサ２
１,２２ａ,２２ｂを効果的に用い、その受光量を所定の
閾値Ｖref1,Ｖref2,Ｖref3と弁別すると言う簡単な構成
の処理回路を用いて欠陥検出することができるので、そ
の実用的利点が多大である。 【００３１】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではない。例えば巻紙Ｐの両縁部における欠陥に
ついては、その両縁部が糊付けによって互いに重ね合わ
せられる領域であり、当該領域においてピンホールが発
生することが極めて希であることから、これを省略して
装置構成、特に巻紙欠陥検出部の簡素化を図ることも可
能である。また光センサ２１については、その受光器の
個数や配列形態等を種々変更することができる。その
他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して
実施することができる。 【００３２】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、巻
紙の供給経路に設けられて該巻紙の両縁部を除く領域に
照射されて該巻紙を透過した光を光センサにて受光し、
この光センサにより求められた受光量の変化からピンホ
ール欠陥の有無および前記巻紙の継目をそれぞれ判定す
るので、高速度に走行される巻紙の幅方向の振れの影響
を受けることなしに、ピンホール欠陥およびその継目を
簡易にして確実に、しかもリアルタイムに検出すること
ができる。しかも１つの光センサを有効に活用してピン
ホール欠陥およびその継目を検出することができるの
で、その構成の簡素化を図り、巻紙の供給経路に組み込
むことも容易である等の効果が奏せられる。また巻紙の
両端部にそれぞれ照射され、巻紙により遮られなかった
光をそれぞれ受光する補助センサの受光量の和をモニタ
して巻紙が所定の規定幅以上であるか否かを判定してい
るので、高速走行される巻紙が横振れする場合であって
も巻紙の幅狭部分を簡易に、しかも検出することができ
る。 【００３３】 そしてピンホール欠陥または巻紙の継目
が検出されたとき、および／または巻紙の幅狭部分が検
出されたとき、その検出結果を前記シガレットの排除指
令として前記巻紙による刻みたばこの巻上動作に関連し
て出力するので、欠陥有りと判定された部位の巻紙部分
にて巻き上げられたシガレットを排除することができる
ので、シガレットの巻き上げ速度を犠牲にすることな
く、その製造品質を高めることができる等の多大なる効
果が奏せられる。
続供給される刻みたばこを長手方向に連続して棒状に巻
き上げる長尺の巻紙のピンポール欠陥の有無および巻紙
の継目、更には規定幅に満たない巻紙部分を簡易に、且
つ精度良く検出し、ピンホール欠陥または巻紙の継目を
含む巻紙部分や、幅狭の巻紙部分にて巻き上げられたシ
ガレットを確実に排除して、その製造品質を高めること
のできるシガレット製造装置に関する。 【０００２】 【関連する背景技術】シガレットを製造する場合、刻み
たばこを連続して巻き上げる巻紙のピンホール欠陥また
は巻紙の継目を含む巻紙の不良部分にて巻き上げられた
シガレットを確実に排除して、その製造品質を高めるこ
とが重要である。 【０００３】シガレットは、一般的には量目制御されて
連続供給される刻みたばこを、長尺の巻紙にて、その長
手方向に連続して巻き上げて棒状の、所謂棒巻きたばこ
を形成し、この棒巻きたばこを所定長毎に切断して製造
される。また棒巻きたばこから切断した所定長のシガレ
ットの一端にフィルタを装着することも行われる。特に
このようなシガレットの製造処理速度は、益々高速化さ
れる傾向にあり、巻紙による刻みたばこの巻き上げ速度
自体も非常に高速化している。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】ところで巻紙の品質
は、シガレットにおける空気の流れを左右し、その燃焼
性のみならず喫味にも影響を与える。例えば巻紙に、所
謂スキムラに起因する薄い部分や直径１ｍｍ程度のピン
ホールが存在しても、喫煙時におけるシガレット内での
空気の流れが変化し易い。これ故、高品質なシガレット
を製造するに際しては、巻紙の品質を十分に管理するこ
とが必要である。 【０００５】ちなみに上記巻紙は、例えば幅２７ｍｍ程
度の長尺なもので、ロールとして巻回された状態で提供
される。そして巻紙は、上記ロールから巻き戻しながら
所定の搬送路を介して高速度に走行させてシガレット製
造装置、特に刻みたばこの巻き上げ部（巻管部）に連続
供給される。これ故、巻紙を高速度に走行させた状態に
おいて、巻紙に存在するピンホール欠陥をリアルタイム
に確実に検出する必要がある。この際、その高速走行に
伴って巻紙が振れ易くなるので、一般的にはピンホール
欠陥を高精度に検出することが困難であり、仮に巻紙の
供給（走行）を高精度に制御してその振れを抑えるよう
にすると、巻紙供給部の構成が相当大掛かりで複雑なも
のとなることが否めない。 【０００６】またシガレットを連続して製造する場合、
巻紙の長さに限りがあることから、その終端に次の巻紙
の先端を重ね合わせて連結し、これによって巻紙を連続
供給することが行われる。しかしながらその継目を含む
巻紙部分を巻き上げられたシガレットは、品質上、問題
がないと雖も見た目に悪く、これを製品とするには問題
がある。これ故、前述したピンホール欠陥や継目を含む
巻紙部分で巻き上げられたシガレットを、その製造ライ
ンから確実に排除することが重要となる。 【０００７】 本発明はこのような事情を考慮してなさ
れたもので、その目的は、高速度に供給される長尺の巻
紙におけるピンホール欠陥やその継目を、簡易にしかも
確実に検出し、ひいてはピンホール欠陥や巻紙の継目を
含む巻紙部分にて巻き上げられたシガレットを確実に排
除してその製造品質を高めることのできるシガレット製
造装置を提供することにある。また同時に本発明は、巻
紙の規定幅に満たない幅狭部分で巻き上げられたシガレ
ットについても確実に排除することのできるシガレット
製造装置を提供することにある。 【０００８】 【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明は、量目制御されて連続供給される刻みたば
こを長尺の巻紙にて長手方向に連続して巻き上げて棒巻
きたばこを形成し、該棒巻きたばこを所定長毎に切断し
てシガレットを製造するシガレット製造装置に係り、特
に(1) 前記刻みたばこの巻き上げに供される前記巻紙の
供給経路に設けられる光センサであって、巻紙の両縁部
を除く領域に照射されて該巻紙を透過した光を受光する
光センサと、(2) 前記巻紙の供給経路に設けられて該巻紙の両縁部
にそれぞれ照射した光の該巻紙により遮られなかった光
を受光する一対の補助光センサと、 (3) 前記 光センサにより求められた受光量が第１の閾
値Ｖ ref1 を上回るとき、前記巻紙の両縁部を除く領域に
ピンホール欠陥が存在すると判断する第１の比較器と、 (4) 前記光センサにより求められた受光量が第２の閾
値Ｖ ref2 （＜Ｖ ref1 ）を下回るとき、前記巻紙の継ぎ目
であると判断する第２の比較器と、 (5) 前記一対の補助光センサによりそれぞれ求められ
た受光量の和が第３の閾値Ｖ ref3 を上回るとき、前記巻
紙が規定の幅よりも狭いとして判定する第３の比較器
と、 (6) 前記第１および第２の比較器にて前記巻紙のピン
ホール欠陥または継目が検出されたとき、および／また
は前記第３の比較器にて前記巻紙の幅狭部分が検出され
たとき、 その検出結果を前記シガレットの排除指令とし
て前記巻紙による刻みたばこの巻上動作に関連して出力
する巻紙品質検査部とを具備したことを特徴としてい
る。 【０００９】即ち、本発明は、巻紙に照射されて該巻紙
を透過する光の量が、ピンホール欠陥を通過した場合に
は多くなり、これに反して巻紙の後端と次の巻紙の先端
とを重ね合わせて連結した継目においては少なくなるこ
とに着目したもので、光センサによる受光量の変化から
ピンポール欠陥の存在、およびその継目部分を確実に検
出し、これらのピンホール欠陥や継目が検出されたと
き、該ピンホール欠陥や継目を含む巻紙部分にて巻き上
げられたシガレットを排除するべく、その検出結果をシ
ガレットの排除指令として前記巻紙による刻みたばこの
巻上動作に関連して出力するようにしたことを特徴とし
ている。 【００１０】 また巻紙の幅が規定の幅である場合に
は、高速に走行する巻紙がその幅方向に多少変位して
も、補助センサにより検出される受光量の和が変わるこ
とがないことに着目し、補助センサにより検出される受
光量の和が所定の閾値よりも大きくなったとき、この状
態を巻紙の幅が狭くなったと判定してその幅狭部分にて
巻き上げられたシガレットを排除することを特徴として
いる。そして巻紙に対する欠陥検査部の構成の簡素化を
図ると共に、巻紙のピンホール欠陥やその継目、更には
幅狭部分を確実に検出してシガレットの製造品質を高め
ることを特徴としている。 【００１１】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態に係るシガレット製造装置について説明する。
シガレット製造装置の全体的な構成について簡単に説明
すると、このシガレット製造装置は、概略的には図１に
示すように、主軸１により速度制御されて送り駆動され
る無端状のガニチャーテープ２を備えた巻管部（紙巻
部）３を主体とし、上記ガニチャーテープ２上において
ロールＲから連続供給される長尺の巻紙Ｐを用いて、刻
み給送装置４から供給される刻みたばこＴkを棒状に連
続的に巻き上げるように構成される。 【００１２】尚、刻み給送装置４は、ホッパ５内に供給
された刻みたばこＴkを上方に向けて空気搬送するチム
ニー部６と、このチムニー部６の上方位置と前記巻管部
３との間に張架されて前記主軸１の回転に同期して走行
駆動される無端状のたばこバンド７とを備え、このたば
こバンド７の表面に刻みたばこＴkを吸着して前記巻管
部３に搬送する。このたばこバンド７の表面への刻みた
ばこＴkの吸着は、サクション部８により該たばこバン
ド６の裏面側に負圧を供給することにより行われる。 【００１３】また刻み給送装置４の上記チムニー部６か
ら巻管部３に向かうたばこバンド７の走行路の途中に
は、前記主軸１の回転に同期して作動するエクレターデ
ィスク９が設けられている。このエクレターディスク９
は、たばこバンド７の表面に吸着されて巻管部３に搬送
される刻みたばこＴkの余剰分を掻き落とすことで、そ
の吸着量（層厚み）を制御し、前記巻管部３にて巻き上
げられる棒巻たばこＴrにおける刻みたばこＴkの充填量
（量目）を調整する役割を担う。 【００１４】一方、巻管部３において刻みたばこＴkを
長尺の巻紙Ｐを用いて連続して巻き上げて形成された棒
巻たばこＴrは、切断部１０に導かれ、切断ナイフ１０
ａにより所定長毎に切断される。この切断ナイフ１０ａ
は、前記主軸１の回転に同期して前記棒巻たばこＴrの
巻上長に関連して回転駆動されるもので、これによって
棒巻きたばこＴrが、例えばシガレット２本分の長さの
所謂ダブル巻たばこＴwとして切断され、次工程である
フィルタアタッチメント部１１に供給される。そしてこ
のフィルタアタッチメント部１１において、上記ダブル
巻たばこＴwが２等分され、その端部にフィルタが装着
されてシガレットが製造される。 【００１５】また前記巻管部３の出口部には、例えば放
射線検出器からなる量目センサ１２が設けられており、
棒巻たばこＴrの長手方向の各部における刻みたばこＴk
の充填量（充填密度）が連続的に検出されている。量目
判定部１３は、上記センサ１２によって検出された刻み
たばこＴkの充填量（充填密度）から、例えばシガレッ
ト１本当たりの刻みたばこＴkの総充填量や、長手方向
各部における刻みたばこＴkの充填密度を監視し、その
過不足を判定している。そして量目判定部１３は、刻み
たばこＴkの充填量不足または充填量過剰の部位が検出
されたとき、当該部分を含んで前記棒巻きたばこＴrか
ら切り出されるシガレットを排除するべく、前記フィル
タアタッチメント部１１に設けられた不良品排除部１４
に対して排除指令を発するものとなっている。 【００１６】さて全体的には上述した如く構成されるシ
ガレット製造装置において、本発明が特徴とするところ
は、特にロールＲから管巻部３に向けて長尺の巻紙Ｐを
連続して供給する巻紙搬送路の途中に、該巻紙Ｐにおけ
るピンホール欠陥の有無およびその継目を検出するため
の光センサ２１を設け、巻紙品質検査部２２において上
記光センサ２１からの出力（受光量）に基づいて巻紙Ｐ
の品質や状態を監視するようにした点にある。そして巻
紙Ｐ中にピンホール欠陥が検出されたとき、或いは巻紙
Ｐの継目が検出されたとき、巻紙Ｐによって順に巻き上
げられる棒巻きたばこＴrから順に切り出されるシガレ
ット中の、前記ピンホール欠陥や継目を含む巻紙部分に
て巻き上げられたシガレットを排除するべく、巻紙品質
検査部１５から前記不良品排除部１４に対して排除指令
を与えるように構成したことを特徴としている。 【００１７】上記光センサ２１は、例えば図２に示すよ
うに巻紙Ｐをその両面から挟んで所定の間隙を隔てて対
向配置された一対の発光部２１ａと受光部２１ｂとを備
え、前記発光部２１ａから照射されて巻紙Ｐを透過した
光を前記受光部２１ｂにて受光し、その受光量に相当し
た信号を出力する、所謂透過型の光センサからなる。
尚、発光器２は、例えば巻紙Ｐの両縁部を除く中央部領
域に所定の幅（例えば２５ｍｍ）に亘って光を照射する
ランプからなる。また受光器２３は巻紙Ｐの幅方向に亘
る受光面を備えて巻紙Ｐを透過した光を受光する、所謂
ラインセンシング・タイプの受光素子からなる。 【００１８】尚、ラインセンシング・タイプの受光素子
に代えて、所定の大きさの受光面を持つ複数の受光素子
を、その受光領域が巻紙Ｐの幅方向に途切れることがな
いように、或いは受光領域の一部が互いに重なるように
千鳥状に配列したものを用いることも可能である。この
場合、各受光素子の受光領域の大きさにもよるが、その
大きさが２.５ｍｍ角程度であれば、１５個程度の受光
素子を用いて巻紙Ｐの略全幅における透過光を検出する
ようにすれば良い。 【００１９】即ち、光センサ２１は、巻紙Ｐの両縁部を
それぞれ除く領域の巻紙Ｐの状態、つまり後述するよう
にピンホール欠陥の有無やその継目を検出する為のもの
であって、図３に示すように巻紙Ｐがその搬送路の中心
を通って供給されるとき、該巻紙Ｐの両縁部の幅１ｍｍ
の領域を除く中央部の領域に対峙するように設けられ
る。そして巻紙Ｐが、仮にその搬送振れによって幅方向
に１ｍｍ程度ずれた場合であっても、光センサ２１にて
常に巻紙Ｐの主たる面（中央部領域）を確実にセンシン
グし得るように設定されている。 【００２０】またこの実施形態に係るシガレット製造装
置においては、巻紙Ｐの縁部の欠陥を検査するための２
つの補助光センサ２２ａ,２２ｂが設けられている。こ
れらの補助光センサ２２ａ,２２ｂは、基本的には前述
した光センサ２１と同様に構成されるものであるが、前
記巻紙Ｐの供給方向の同一位置において該巻紙Ｐの両縁
部の領域をそれぞれセンシングするべく、特にそのセン
シングエリアＡ,Ｂが上記巻紙Ｐの両縁部の幅１ｍｍの
領域を、例えば半分程度含むようにそれぞれ配置されて
いる。そして仮に巻紙Ｐが搬送振れに起因して幅方向に
１ｍｍ程度ずれた場合であっても、巻紙Ｐの両縁部をそ
れぞれ確実にセンシングし得るように設定されており、
後述するように巻紙Ｐの幅が狭くなった部位（狭幅欠
陥）を検出するものとなっている。 【００２１】尚、前記光センサ２１にて検出され、前記
巻紙Ｐの両端部を除く領域（主面）を透過した光の量
（受光量）に相当した信号は、センシングアンプ２３を
介して第１および第２の比較器２４,２５にそれぞれ与
えられて所定の閾値Ｖref1,Ｖref2と比較される。そし
て第１の比較器２４は、光センサ２１の出力（受光量）
が上記閾値Ｖref1を上回るとき、これを後述するように
巻紙Ｐにおいてピンホール欠陥が存在するとして判定
し、このピンホール欠陥を含む巻紙部分にて巻き上げら
れたシガレットを排除するべく排除指令信号を発する。
また第２の比較器２５は、光センサ２１の出力（受光
量）が上記閾値Ｖref2を下回るとき、これを後述するよ
うに巻紙Ｐの継目が検出されたと判定する。そしてこの
判定結果を得たとき、継目を含む巻紙部分にて巻き上げ
られたシガレットを排除するべく排除指令信号を発して
いる。 【００２２】これに対して一対の補助光センサ２２ａ,
２２ｂにより巻紙Ｐの両縁部をそれぞれ介して検出され
る受光量に相当する信号は、センシングアンプ２６ａ,
２６ｂを介してそれぞれ増幅された後、加算器２７にて
加算される。そしてその加算信号（受光量の加算値）
は、第３の比較器２８に与えられて所定の閾値Ｖref3と
比較されるようになっている。この第３の比較器２８
は、上記一対の補助光センサ２２ａ,２２ｂによりそれ
ぞれ検出される受光量の和（加算値）が、前記閾値Ｖre
f3を上回るとき、後述するように巻紙Ｐの幅が規定の幅
を満たしていないとして判定する。そしてこの巻紙Ｐの
狭幅部分にて巻き上げられたシガレットについては、そ
の巻き上げが不完全である虞があるとして、当該狭幅部
分にて巻き上げられたシガレットを排除するべく排除指
令信号を発するものとなっている。 【００２３】ちなみにこれらの第１〜第３の比較器２
４,２５,２８からそれぞれ発せられる排除指令信号は、
論理和ゲート２９を介して前述した不良品排除部１４に
出力される。特に論理和ゲート２９から不良品排除部１
４に対して出力される排除指令信号は、巻紙Ｐによる刻
みたばこＴkの巻き上げ動作、更には棒巻きたばこＴrか
らシガレットを切り出して送り出すタイミングに同期さ
せて、上述した如く検出された不良個所を含む巻紙部分
にて巻き上げられたシガレットが、その排除位置に導か
れるタイミングとなるように所定の遅延制御を施して行
われる。 【００２４】ここで前述した光センサ２１が検出する巻
紙Ｐを透過する光の量について説明すると、巻紙Ｐにピ
ンホール欠陥が存在しない場合、発光部２１ａから巻紙
Ｐに対して照射される一定光量の光は、巻紙Ｐの透過に
よる一定の減衰を受けるだけなので略一定である。しか
も光センサ２１は、巻紙Ｐの両縁部を除く中央部の領域
を透過した光だけを受光するので、巻紙Ｐの幅方向への
振れ（ずれ）に拘わりなく、略一定の光量を受光する。 【００２５】しかしながら巻紙Ｐに、例えば直径１ｍｍ
程度の微小なピンホール欠陥が存在すると、このピンホ
ール欠陥が光センサ２１のセンシング領域を通過する
際、前記発光部２１ａから照射された光の一部がピンホ
ールを素通りするので、これによって巻紙Ｐを透過する
光量が増大する。従って図４に例示するようにピンホー
ル欠陥の存在により受光部２１ｂにおける受光量が一時
的に増大する。前述した第１の比較器２４は、このよう
にして光センサ２１にて受光される光量の変化を閾値Ｖ
ref1で弁別することで、そのセンシング領域における巻
紙Ｐ上のピンホール欠陥の有無を検出している。 【００２６】これに対して巻紙Ｐの後端に次の巻紙Ｐの
先端を重ね合わせて連結した継目においては、巻紙Ｐが
二重となっているので発光部２１ａから照射された光
は、少なくとも２倍の減衰を受けて該継目部分を透過す
る。この結果、巻紙Ｐを透過する光量が減少し、図４に
例示するように受光部２１ｂにおける受光量が一時的に
減少する。前述した第２の比較器２５は、このようにし
て光センサ２１にて受光される光量の変化を閾値Ｖref2
で弁別することで、そのセンシング領域における巻紙Ｐ
上の継目を検出している。 【００２７】一方、巻紙Ｐの両縁部の領域の情報を検出
する一対の補助光センサ２２ａ,２２ｂは、巻紙Ｐの縁
部により遮られることのない光をそれぞれ受光する。従
って図５(ａ)(ｂ)(ｃ)に模式的に示すように、仮に巻紙
Ｐが幅方向にΔだけずれたとしても、巻紙Ｐの一方の縁
部により光を遮る領域が増大する分、他方の縁部により
光を遮る領域が減少するので、両縁部によって遮られる
光の量が変わることがない。これ故、巻紙Ｐに欠陥がな
い場合には、巻紙Ｐの幅方向のずれに拘わりなく一対の
光センサ２２ａ,２２ｂによる受光量Ｓa,Ｓbの和Ｋは一
定となる。 【００２８】しかしながら図３(ｄ)に示すように巻紙Ｐ
の幅が部分的に狭くなっているような欠陥が存在する
と、その分、光を遮る量が少なくなる。すると巻紙Ｐの
幅方向へのずれに起因して光センサ２２ａ,２２ｂによ
る個々の受光量Ｓa,Ｓb自体が変化する。ところがその
受光量は、上記巻紙Ｐの幅方向の変化によっても変化す
るので、このままでは巻紙Ｐの端部の欠陥を捉えること
はできない。しかし前述したように前記受光量Ｓa,Ｓb
の和Ｋに着目すれば、本来的には上述したように一定で
ある筈なので、前述した第３の比較器２８を用いてその
受光量の和（Ｓa＋Ｓb）を所定の閾値Ｖref3と比較する
ことにより、巻紙Ｐの両縁部における欠陥の有無を検出
することが可能となる。特に巻紙Ｐの高速走行に伴う幅
方向のずれに影響されることなく、その欠陥の有無を検
出することが可能となる。 【００２９】かくして上述した如く構成されたシガレッ
ト製造装置によれば、連続して供給される長尺の巻紙Ｐ
の、例えば直径１ｍｍ程度の微小なピンホール欠陥を光
センサ２１を用いて高精度に、且つ確実に検出すること
ができ、また巻紙Ｐの継目についても上記光センサ２１
を用いて確実に検出することができる。また巻紙Ｐの狭
幅欠陥については、一対の補助センサ２２ａ,２２ｂを
用いて確実に検出することができる。特に巻紙Ｐを高速
度に走行させて巻き上げ部（巻管部３）に供給しなが
ら、その走行振れの影響を受けることなしにピンホール
欠陥や継目、更には狭幅欠陥を簡易に、しかも確実に検
出し、巻紙Ｐに欠陥のあるシガレットを確実に排除する
ことが可能となる。 【００３０】従って高速巻き上げによるシガレットの生
産性を犠牲にすることなく、不良品を確実に排除して、
最終的なシガレットの製造品質を効果的に高めることが
可能となる。しかも上述したように汎用の光センサ２
１,２２ａ,２２ｂを効果的に用い、その受光量を所定の
閾値Ｖref1,Ｖref2,Ｖref3と弁別すると言う簡単な構成
の処理回路を用いて欠陥検出することができるので、そ
の実用的利点が多大である。 【００３１】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではない。例えば巻紙Ｐの両縁部における欠陥に
ついては、その両縁部が糊付けによって互いに重ね合わ
せられる領域であり、当該領域においてピンホールが発
生することが極めて希であることから、これを省略して
装置構成、特に巻紙欠陥検出部の簡素化を図ることも可
能である。また光センサ２１については、その受光器の
個数や配列形態等を種々変更することができる。その
他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して
実施することができる。 【００３２】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、巻
紙の供給経路に設けられて該巻紙の両縁部を除く領域に
照射されて該巻紙を透過した光を光センサにて受光し、
この光センサにより求められた受光量の変化からピンホ
ール欠陥の有無および前記巻紙の継目をそれぞれ判定す
るので、高速度に走行される巻紙の幅方向の振れの影響
を受けることなしに、ピンホール欠陥およびその継目を
簡易にして確実に、しかもリアルタイムに検出すること
ができる。しかも１つの光センサを有効に活用してピン
ホール欠陥およびその継目を検出することができるの
で、その構成の簡素化を図り、巻紙の供給経路に組み込
むことも容易である等の効果が奏せられる。また巻紙の
両端部にそれぞれ照射され、巻紙により遮られなかった
光をそれぞれ受光する補助センサの受光量の和をモニタ
して巻紙が所定の規定幅以上であるか否かを判定してい
るので、高速走行される巻紙が横振れする場合であって
も巻紙の幅狭部分を簡易に、しかも検出することができ
る。 【００３３】 そしてピンホール欠陥または巻紙の継目
が検出されたとき、および／または巻紙の幅狭部分が検
出されたとき、その検出結果を前記シガレットの排除指
令として前記巻紙による刻みたばこの巻上動作に関連し
て出力するので、欠陥有りと判定された部位の巻紙部分
にて巻き上げられたシガレットを排除することができる
ので、シガレットの巻き上げ速度を犠牲にすることな
く、その製造品質を高めることができる等の多大なる効
果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態に係るシガレット製造装置
の概略構成図。 【図２】本発明の一実施形態に係るシガレット製造装置
における巻紙の欠陥検出部の構成例を示す図。 【図３】欠陥検出部に組み込まれる光センサの概略構成
を示す図。 【図４】巻紙のピンホール欠陥およびその継目による光
センサの出力（受光量）の変化を示す図。 【図５】欠陥検出部に組み込まれた一対の補助光センサ
による巻紙の両縁部の欠陥検出の作用を説明する為の
図。 【符号の説明】 Ｐ 巻紙 Ｔk 刻みたばこ Ｔr 棒巻きたばこ １４ 不良品排除部 ２１ 光センサ ２２ａ,２２ｂ 補助光センサ ２４,２５,２８ 比較器 ２７ 加算器 ２９ 論理和ゲート
の概略構成図。 【図２】本発明の一実施形態に係るシガレット製造装置
における巻紙の欠陥検出部の構成例を示す図。 【図３】欠陥検出部に組み込まれる光センサの概略構成
を示す図。 【図４】巻紙のピンホール欠陥およびその継目による光
センサの出力（受光量）の変化を示す図。 【図５】欠陥検出部に組み込まれた一対の補助光センサ
による巻紙の両縁部の欠陥検出の作用を説明する為の
図。 【符号の説明】 Ｐ 巻紙 Ｔk 刻みたばこ Ｔr 棒巻きたばこ １４ 不良品排除部 ２１ 光センサ ２２ａ,２２ｂ 補助光センサ ２４,２５,２８ 比較器 ２７ 加算器 ２９ 論理和ゲート
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フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
A24C 5/345
A24C 5/34
A24C 5/14
A24C 5/18
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 量目制御されて連続供給される刻みたば
こを長尺の巻紙にて長手方向に連続して巻き上げて棒巻
きたばこを形成し、該棒巻きたばこを所定長毎に切断し
てシガレットを製造するシガレット製造装置において、 前記刻みたばこの巻き上げに供される前記巻紙の供給経
路に設けられて該巻紙の両縁部を除く領域に照射した光
の該巻紙を透過した光を受光する光センサと、前記巻紙の供給経路に設けられて該巻紙の両縁部にそれ
ぞれ照射した光の該巻紙により遮られなかった光を受光
する一対の補助光センサと、 前記 光センサにより求められた受光量が第１の閾値Ｖ re
f1 を上回るとき、前記巻紙の両縁部を除く領域にピンホ
ール欠陥が存在すると判断する第１の比較器と、 前記光センサにより求められた受光量が第２の閾値Ｖ re
f2 （＜Ｖ ref1 ）を下回るとき、前記巻紙の継ぎ目である
と判断する第２の比較器と、 前記一対の補助光センサによりそれぞれ求められた受光
量の和が第３の閾値Ｖ ref3 を上回るとき、前記巻紙が規
定の幅よりも狭いとして判定する第３の比較器と、 前記第１および第２の比較器にて前記巻紙のピンホール
欠陥または継目が検出されたとき、および／または前記
第３の比較器にて前記巻紙の幅狭部分が検出されたと
き、 その検出結果を前記シガレットの排除指令として前
記巻紙による刻みたばこの巻上動作に関連して出力する
巻紙品質検査部とを具備したことを特徴とするシガレッ
ト製造装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000020172A JP3506990B2 (ja) | 2000-01-28 | 2000-01-28 | シガレット製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000020172A JP3506990B2 (ja) | 2000-01-28 | 2000-01-28 | シガレット製造装置 |
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|---|---|
| JP2001204455A JP2001204455A (ja) | 2001-07-31 |
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ID=18546779
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Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3506990B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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|---|---|---|---|---|
| CN109230757B (zh) * | 2018-08-20 | 2020-05-08 | 山东中烟工业有限责任公司 | 高速卷接机的水松纸和盘纸拼接头检测装置及方法 |
| CN113693269A (zh) * | 2021-07-15 | 2021-11-26 | 红云红河烟草(集团)有限责任公司 | 一种在线烟支综合质量检测装置 |
| CN116681644B (zh) * | 2023-02-03 | 2024-01-12 | 红云红河烟草(集团)有限责任公司 | 基于变分贝叶斯推理的烟支外观缺陷检测方法 |
-
2000
- 2000-01-28 JP JP2000020172A patent/JP3506990B2/ja not_active Expired - Fee Related
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