JP3506539B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物およびその組成物を用いた容器 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物およびその組成物を用いた容器

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JP3506539B2
JP3506539B2 JP15506995A JP15506995A JP3506539B2 JP 3506539 B2 JP3506539 B2 JP 3506539B2 JP 15506995 A JP15506995 A JP 15506995A JP 15506995 A JP15506995 A JP 15506995A JP 3506539 B2 JP3506539 B2 JP 3506539B2
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博 古橋
良治 岩▲崎▼
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日本ポリオレフィン株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性と耐衝撃性の優
れるポリプロピレン系樹脂組成物およびその組成物を用
いた透明性と耐衝撃性の優れる食料品、日用雑貨品用お
よび医療用等に適した高透明性容器に関する。
【0002】
【従来の技術】梅干し、漬物などの食料品や種々の日用
雑貨品用の容器または医療用輸液容器などにおいては、
内容物が良く見えるように透明性が良く、耐衝撃性に優
れ、しかも調理、殺菌等が可能なように耐熱性が要求さ
れている。従来、このような用途には透明性の良いラン
ダム共重合ポリプロピレン樹脂が用いられることが多い
が衝撃強度が十分ではないという問題を有している。こ
のような欠点を改良するために、該ランダム共重合ポリ
プロピレン樹脂にエチレン−プロピレン共重合体ゴム
(EPR)や低密度ポリエチレン(LDPE)などを混
合すること(例えば特開昭58−11536号、特開昭
52−72744号、特開昭52−95759号)が行
われている。しかし、このような組成物では透明性や耐
熱性が低下してしまうなどの欠点があった。これらを解
決するためチグラー触媒による超低密度の線状ポリエチ
レンを混合することも行われているが、透明性の低下を
抑え衝撃強度の改良を行うためには密度の低い線状ポリ
エチレンを混合する必要がある。密度の低い線状ポリエ
チレンは融点が低く耐熱性が低下したり高分岐度低分子
量成分が多く内容物への溶出が多くなる等、これらの組
成物は必ずしも十分満足のいく改良がなされていなかっ
た。また、耐熱性、溶出成分の低下を抑えるために密度
の高い線状低密度ポリエチレンを混合する方法もある
が、透明性が低下してしまう欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
らの要求を満たすために透明性と耐衝撃性に優れるポリ
プロピレン系樹脂組成物を提供することにある。他の目
的は、前記の組成物を用い、衛生上等の点から内容物が
確認できるように透明性が良く、樹脂成分が内容物に移
行しないように樹脂の溶出成分が少なく、殺菌、調理の
ための煮沸に耐える程度の耐熱性を有し、かつ耐衝撃性
の優れた容器を提供することにあり、該容器は食料品、
日用雑貨品、医療用などの容器として活用される。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
に沿って鋭意検討した結果、プロピレン系重合体に分子
量分布や組成分布の狭いエチレン重合体あるいはエチレ
ン・α−オレフィン共重合体と造核剤、さらに必要によ
りこれらとは異なる他のエチレン系重合体を配合するこ
とにより、透明性、耐熱性を保ちつつ耐衝撃性の優れた
ポリプロピレン樹脂組成物が得られ、それを用いること
により前記の要求を満たす食料品、日用雑貨品、医療用
などの容器が得られることを見いだし本発明に到達し
た。
【0005】すなわち、本発明は第1に、(A)プロピ
レン系重合体98〜50重量%、(B)(イ)シクロペ
ンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV
族の遷移金属化合物を必須成分として含む触媒の存在下
に、エチレンを単独重合させるかまたはエチレンと炭素
数3〜20のα−オレフィンとを(共)重合させること
により得られる、(ロ)密度0.86〜0.97g/c
、(ハ)メルトフローレート0.1〜50g/10
分、(ニ)分子量分布パラメーターMw/Mn1.5〜
5.0、(ホ)組成分布パラメーターCb1.2以下で
あるエチレン重合体あるいはエチレン・α−オレフィン
共重合体2〜50重量%、(C)他のエチレン系重合体
0〜48重量%を含む樹脂成分100重量部および
(D)造核剤0.01〜2重量部を配合したことを特徴
とするポリプロピレン系樹脂組成物である。
【0006】本発明は(A)プロピレン系重合体第2
に、前記のポリプロピレン系樹脂組成物からなる容器で
ある。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
(A)プロピレン系重合体とは、ポリプロピレン単独重
合体、プロピレンとα−オレフィンのブロック共重合
体、プロピレンとα−オレフィンのランダム共重合体等
である。共重合体とはプロピレンと炭素数2〜8(但し
炭素数3を除く)のα−オレフィンの1種または2種以
上との共重合体であり、特にプロピレン・エチレンラン
ダム共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1ラン
ダム共重合体、プロピレン・ブテン−1ランダム共重合
体が透明性に優れ好ましいものである。またポリプロピ
レン単独重合体は透明性や耐衝撃性をそれほど重視せず
剛性を要求される用途に用いられ、プロピレン・エチレ
ンブロック共重合体は透明性をそれほど重視せず耐衝撃
性、剛性のバランスを要求される用途に用いられる。な
お該プロピレン系重合体は、公知技術によりチグラー・
ナッタ型触媒を用いて重合される。
【0008】上記のうちプロピレン・エチレンランダム
共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体にお
いては共重合体中のエチレンやブテン−1の含量はそれ
ぞれ1〜15重量%が好ましい。α−オレフィンの含量
が1重量%未満の場合は衝撃強度が十分ではない。ま
た、α−オレフィンの含量が15重量%を越える場合は
剛性が低く容器等として適さなくなる虞が生じる。
【0009】本発明の(A)プロピレン系重合体のメル
トフローレート(MFR)は0.1〜70g/10mi
n、さらに好ましくは0.5〜60g/10minのも
のが用いられる。MFRが0.1g/10min未満の
場合は流動性が悪く成形が難しくなる。また70g/1
0minを超える場合は衝撃強度が弱く容器として不適
当である。これらのMFRは重合された重合体を有機過
酸化物とともに加熱分解し調製したものであっても差し
支えない。
【0010】本発明の(B)エチレン重合体またはエチ
レン・α−オレフィン共重合体の製造は前記(イ)シク
ロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第
IV族の遷移金属化合物と必要により助触媒および有機
アルミニウム化合物および/または担体とを含む触媒の
存在下にエチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィ
ンとを共重合させることにより得られる。また、上記触
媒に予めエチレンおよび/または前記α−オレフィンを
予備重合させて得られるものを触媒に供してもよい。
【0011】上記α−オレフィンとしては、炭素数が3
〜20、好ましくは3〜12のものであり、具体的には
プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘ
キセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1
などが挙げられる。また、これらのα−オレフィンの含
有量は、通常30モル%以下、好ましくは20モル%の
範囲で選択されることが望ましい。
【0012】本発明の上記(B)エチレン重合体または
エチレン・α−オレフィン共重合体を製造する触媒であ
る(イ)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含
む周期律表第IV族の遷移金属化合物のシクロペンタジ
エニル骨格とは、シクロペンタジエニル基、置換シクロ
ペンタジエニル基等である。置換シクロペンタジエニル
基としては、炭素数3〜10の炭化水素基、シリル基、
シリル置換アルキル基、シリル置換アリール基、シアノ
基、シアノアルキル基、シアノアリール基、ハロゲン
基、ハロアルキル基、ハロシリル基等から選ばれた少な
くとも1種の置換基を有する置換シクロペンタジエニル
基等である。該置換シクロペンタジエニル基の置換基は
2個以上有していてもよく、また係る置換基同志が互い
に結合して環を形成してもよい。
【0013】上記炭素数1〜10の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル
基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シク
ロアルキル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリ
ル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフィル基等のア
ラルキル基等が例示される。これらの中でもアルキル基
が好ましい。
【0014】置換シクロペンタジエニル基の好適なもの
としては、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシク
ロペンタジエニル基、n−ヘキシルシクロペンタジエニ
ル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,
3−n−ブチルメチルシクロペンタジエニル基、1,3
−n−プロピルメチルエチルシクロペンタジエニル基な
どが具体的に挙げられる。本発明の置換シクロペンタジ
エニル基としては、これらの中でも炭素数3以上のアル
キル基が置換したシクロペンタジエニル基が好ましく、
特に1,3−置換シクロペンタジエニル基が好ましい。
【0015】置換基同志すなわち炭化水素同志が互いに
結合して1または2以上の環を形成する場合の置換シク
ロペンタジエニル基としては、インデニル基、炭素数1
〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置
換された置換インデニル基、ナフチル基、炭素数1〜8
の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換さ
れた置換ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アル
キル基等)等の置換基により置換された置換フルオレニ
ル基等が好適なものとして挙げられる。
【0016】前記(イ)シクロペンタジエニル骨格を有
する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物の
遷移金属として、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等
が挙げられ、特にジルコニウムが好ましい。
【0017】該遷移金属化合物は、シクロペンタジエニ
ル骨格を有する配位子としては通常1〜3個を有し、ま
た2個以上有する場合は架橋基により互いに結合してい
てもよい。なお、係る架橋基としては炭素数1〜4のア
ルキレン基、アルキルシランジイル基、シランジイル基
などが挙げられる。
【0018】周期律表第IV族の遷移金属化合物におい
てシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位
子としては、代表的なものとして、水素、炭素数1〜2
0の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール
基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基
等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基など
が挙げられる。
【0019】これらの具体例としては以下のものがあ
る。ジアルキルメタロセンとして、ビス(シクロペンタ
ジエニル)チタニウムジメチル、ビス(シクロペンタジ
エニル)チタニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジフェニル、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ハフニウムジメチル、ビス(シクロペンタジ
エニル)ハフニウムジフェニルなどがある。モノアルキ
ルメタロセンとしては、ビス(シクロペンタジエニル)
チタニウムメチルクロライド、ビス(シクロペンタジエ
ニル)チタニウムフェニルクロライド、ビス(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムメチルクロライド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルクロラ
イドなどがある。
【0020】またモノシクロペンタジエニルチタノセン
であるペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムト
リクロライド、ペンタエチルシクロペンタジエニルチタ
ニウムトリクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペン
タジエニル)チタニウムジフェニルなどが挙げられる。
【0021】置換ビス(シクロペンタジエニル)チタニ
ウム化合物としては、ビス(インデニル)チタニウムジ
フェニルまたはジクロライド、ビス(メチルシクロペン
タジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライ
ド、ジアルキル、トリアルキル、テトラアルキル、また
ペンタアルキルシクロペンタジエニルチタニウム化合物
としては、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ビス
(1,2−ジエチルシクロペンタジエニル)チタニウム
ジフェニルまたはジクロライドまたは他のジハライド錯
体、シリコン、アミンまたは炭素連結シクロペンタジエ
ン錯体としてはジメチルシリルジシクロペンタジエニル
チタニウムジフェニルまたはジクロライド、メチレンジ
シクロペンタジエニルチタニウムジフェニルまたはジク
ロライド、他のジハライド錯体が挙げられる。
【0022】ジルコノセン化合物としては、ペンタメチ
ルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、
ペンタエチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリク
ロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジフェニル、アルキル置換シクロペンタジ
エンとしては、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジメチル、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(n−ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジメチル、それらのハロア
ルキルまたはジハライド錯体、ジアルキル、トリアルキ
ル、テトラアルキルまたはペンタアルキルシクロペンタ
ジエンとしてはビス(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(1,2−ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、およびそ
れらのジハライド錯体、シリコン、炭素連結シクロペン
タジエン錯体としては、ジメチルシリルジシクロペンタ
ジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライド、メチ
レンジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチルまた
はジハライド、メチレンジシクロペンタジエニルジルコ
ニウムジメチルまたはジハライドなどが挙げられる。
【0023】さらに他のメタロセンとしては、ビス(シ
クロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス
(シクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ビス
(シクロペンタジエニル)バナジウムジクロライドなど
が挙げられる。
【0024】本発明の他の周期律表第IV族の遷移金属
化合物の例として、下記一般式で示されるシクロペンタ
ジエニル骨格を有する配位子とそれ以外の配位子および
遷移金属原子が環を形成するものも挙げられる。
【0025】
【式1】
【0026】式中、Cpは前記シクロペンタジエニル骨
格を有する配位子、Xは水素、ハロゲン、炭素数1〜2
0のアルキル基、アリールシリル基、アリールオキシ
基、アルコキシ基、アミド基、シリルオキシ基等を表
し、Yは−O−、−S−、−NR−、−PR−またはO
R、SR、NR、PRからなる群から選ばれる2価
中性リガンド、ZはSiR、CR、SiRSiR
、CRCR、CR=CR、SiRCR、BR
、BRからなる群から選ばれる2価基を示す。ただ
し、Rは水素または炭素数1〜20のアルキル基、アリ
ール基、シリル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化
アリール基、またはY、ZまたはYとZの双方からの2
個またはそれ以上のR基は縮合環系を形成するものであ
る。Mは周期律表第IV族の遷移金属原子を表す。
【0027】式1で表される化合物の例としては、(t
−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライ
ド、(t−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタ
ジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロライ
ド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエ
ニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライ
ド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエ
ニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、
(エチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)メチレンタンジクロライド、(t−ブチルアミド)
ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シラン
チタンジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル
(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジルコニ
ウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラ
メチルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロライ
ド、(フェニルホスフイド)ジメチル(テトラメチルシ
クロペンタジエニル)シランチタンジクロライドなどが
挙げられる。
【0028】本発明でいう助触媒としては、前記周期律
表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効にな
しうる、または触媒的に活性化された状態のイオン性電
荷を均衡させうるものをいう。
【0029】本発明において用いられる助触媒として
は、有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン可溶のア
ルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミニウムオキシ
化合物、ホウ素化合物、酸化ランタンなどのランタノイ
ド塩、酸化スズ等が挙げられる。これらの中でもアルミ
ノキサンが最も好ましい。
【0030】また、触媒は無機または有機化合物の担体
に担持して使用されてもよい。該担体としては無機また
は有機化合物の多孔質酸化物が好ましく、具体的にはS
iO、Al、MgO、ZrO、TiO、B
、CaO、ZnO、BaO、ThO等またはこ
れらの混合物が挙げられ、SiO−Al、Si
−V、SiO−TiO、SiO−Mg
O、SiO−Cr等が挙げられる。
【0031】有機アルミニウム化合物として、トリエチ
ルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のト
リアルキルアルミニウム;ジアルキルアルミニウムハラ
イド;アルキルアルミニウムセスキハライド;アルキル
アルミニウムジハライド;アルキルアルミニウムハイド
ライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げられ
る。
【0032】本発明の(B)エチレン重合体またはエチ
レン・α−オレフィン共重合体の製造方法は、前記触媒
の存在下、実質的に溶媒の存在しない気相重合法、スラ
リー重合法、溶液重合法等で製造され、実質的に酸素、
水等を断った状態で、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン等の脂環族炭化水素等に例示される不活性炭
化水素溶媒の存在下または不存在下で製造される。重合
条件は特に限定されないが、重合温度は通常15〜35
0℃、好ましくは20〜200℃、さらに好ましくは5
0〜110℃であり、重合圧力は低中圧法の場合通常常
圧〜70kg/cmG、好ましくは常圧〜20kg/
cmGであり、高圧法の場合通常1500kg/cm
G以下が望ましい。重合時間は低中圧法の場合通常3
分〜10時間、好ましくは5分〜5時間程度が望まし
い。高圧法の場合、通常1分〜30分、好ましくは2分
〜20分程度が望ましい。また、重合は一段重合法はも
ちろん、水素濃度、モノマー濃度、重合圧力、重合温
度、触媒等の重合条件が互いに異なる2段階以上の多段
重合法など特に限定されるものではない。
【0033】上記触媒で得られる本発明の特定の(B)
エチレン重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合
体は、従来のチーグラー型触媒やフィリップス型触媒
(総称してチーグラー型触媒という)で得られるこれら
のエチレン・α−オレフィン共重合体とは性状が異なる
ものである。すなわち、上記触媒で得られる本発明の特
待の(B)エチレン重合体またはエチレン・α−オレフ
ィン共重合体は、触媒の活性点が均一であるため分子量
分布が狭くなることと、組成分布が狭くなるものであ
る。このため透明性や強度が強く、また短鎖分岐量が極
めて多い成分や低分子量成分が少ないため樹脂表面への
にじみ出しが少なく、(A)成分に2〜50重量%混合
することにより耐衝撃強度が改良され、特に2〜30重
量%では透明性の低下が少なく透明性と耐衝撃性のバラ
ンスを要求される用途に用いられ、30〜50重量%で
は耐衝撃性を重視する用途に用いられる。
【0034】前記エチレン重合体またはエチレン・α−
オレフィン共重合体(B)は密度(ロ)は0.86〜
0.97g/cm、好ましくは0.89〜0.94g
/cmの範囲であり、0.86g/cm未満では、
曲げ弾性率が低く、耐熱性が損なわれ、0.97g/c
を超える場合には、耐衝撃性が損なわれる虞が生じ
る。また(ハ)メルトフローレートが、0.01〜50
g/分、好ましくは0.1〜20g/分、さらに好まし
くは0.5〜10g/10分の範囲である。また(ニ)
分子量分布の広さMw/Mnは、1.5〜5.0、好ま
しくは1.8〜4.5の範囲である。Mw/Mnが1.
5未満のものは加工性が悪くなり、5.0を超えるもの
は衝撃強度の改良効果が少ない。また組成分布の広さを
表す尺度である(ホ)組成分布パラメーター(Cb)は
1.2以下である。この値が1.2を超える場合は、透
明性、強度の改良効果が劣る。
【0035】本発明のエチレン重合体またはエチレン・
α−オレフィン共重合体(B)の組成分布パラメーター
(Cb)の測定法は下記の通りである。すなわち、酸化
防止剤を加えたODCB溶媒に試料を濃度が0.2重量
%となるように135℃で加熱溶解した後、けい藻土
(セライト545)を充填したカラムに移送した後、
0.1℃/minの冷却速度で25℃まで冷却し、共重
合体試料をセライト表面に沈着する。次に、この試料が
沈着されているカラムにODCBを一定流量で流しなが
ら、カラム温度を5℃きざみに120℃まで段階的に昇
温して行く。すると各温度に対応した溶出成分を含んだ
溶液が採取される。この溶液にメタノールを加え、試料
を沈殿後、ろ過、乾燥し、各温度における溶出試料を得
る。各試料の、重量分率および分岐度(炭素数1000
個あたりの分岐数)を測定する。分岐度(測定値)は1
3C−NMRにより測定し求める。
【0036】このような方法で30℃から90℃で採取
した各フラクションについては次のような、分岐度の補
正を行う。すなわち、溶出温度に対して測定した分岐度
をプロットし、相関関係を最小自乗法で直線に近似し、
検量線を作成する。この近似の相関係数は十分大きい。
この検量線により求めた値を各フラクションの分岐度と
する。なお、溶出温度95℃以上で採取したフラクショ
ンについては溶出温度と分岐度に必ずしも直線関係が成
立しないのでこの補正は行わない。
【0037】次にそれぞれのフラクションの重量分率w
を、溶出温度5℃当たりの分岐度bの変化量(b
−bi−1)で割って相対濃度Cを求め、分岐度に対
して相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。この
組成分布曲線を一定の幅で分割し、次式により組成分布
パラメーターCbを算出する。
【0038】
【式2】
【0039】ここで、Cとbはそれぞれj番目の区
分の相対濃度と分岐度である。組成分布パラメーターC
bは試料の組成が均一である場合に1.0となり、組成
分布が広がるに従って値が大きくなる。
【0040】なお、エチレン・α−オレフィン共重合体
の組成分布を表現する方法は多くの提案がなされてい
る。例えば特開昭60−88016号では、試料を溶剤
分別して得た各分別試料の分岐数に対して、累積重量分
率が特定の分布(対数正規分布)をすると仮定して数値
処理を行い、重量平均分岐度(Cw)と数平均分岐度
(Cn)の比を求めている。この近似計算は、試料の分
岐数と累積重量分率が対数正規分布からずれると精度が
下がり、市販のLLDPEについて測定を行うと相関係
数Rはかなり低く、値の精度は充分でない。また、こ
のCw/Cnの測定法および数値処理法は、本発明のC
bのそれと異なるが、あえて数値の比較を行えば、Cw
/Cnの値は、Cbよりかなり大きくなる。
【0041】本発明の(C)他のエチレン系重合体は、
(B)成分とともに(A)成分の衝撃強度を改良するも
ので(A)+(B)+(C)を100重量%とした場
合、これら全樹脂成分の48重量%以下必要に応じて混
合される。(B)が2重量%未満であるとポリプロピレ
ンの改質効果がなく、機械的特性が不良であり、50重
量%を超えると剛性が低くなりすぎる。また(C)成分
が48重量%を超えるとポリプロピレンの特性が薄れ剛
性が低くなりすぎる。
【0042】前記(C)成分の一つである(C1)密度
0.86〜0.97g/cmのチグラー触媒によるエ
チレン重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合
体は従来のイオン重合法により重合されるものでありい
わゆるチグラー型触媒の他にフィリップス触媒により重
合される共重合体も含むものであり、具体的には高密度
ポリエチレン(HDPE)、線状中密度ポリエチレン
(MDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)等が挙げら
れる。
【0043】本発明の高密度ポリエチレン(HDPE)
は密度が0.95〜0.97g/cmであり、線状中
・低密度ポリエチレン(MDPE、LLDPE)とは、
密度が0.91〜0.95g/cm、好ましくは0.
91〜0.94g/cm(LLDPE)の範囲であ
り、MFRが0.1〜20g/10min、好ましくは
0.5〜15g/10min、さらに好ましくは0.7
〜10g/10minの範囲で選択される。溶融張力は
0.3〜15.0g、好ましくは0.4〜8.0g。さ
らに好ましくは0.5〜7.5gである。Mw/Mnは
2.5〜5、好ましくは3〜4.5である。
【0044】本発明の超低密度ポリエチレン(VLDP
E)とは、密度が0.86〜0.91g/cm未満、
好ましくは0.88〜0.905g/cm、MFRは
0.1〜20g/10min、好ましくは0.5〜10
g/10minの範囲で選択される。該超低密度ポリエ
チレン(VLDPE)は、直線状低密度ポリエチレン
(LLDPE)とエチレン・α−オレフィン共重合体ゴ
ム(EPR、EPDM)との中間の性状を示すポリエチ
レンを有しており、示差走査熱量測定法(DSC)によ
る最大ピーク温度(Tm)60℃以上、かつ沸騰n−ヘ
キサン不溶分10重量%以上の性状を有する特定のエチ
レン・α−オレフィン共重合体であり、少なくともチタ
ンおよび/またはバナジウムを含有する固体触媒成分と
有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いて重合さ
れ、直鎖状低密度ポリエチレンが示す高結晶部分とエチ
レン・α−オレフィン共重合体ゴムが示す非晶部分とを
合わせ持つ樹脂であって、前者の特徴である機械的強
度、耐熱性などと、後者の特徴であるゴム状弾性、耐低
温衝撃性などがバランスよく共存している。
【0045】上記(C1)エチレン・α−オレフィン共
重合体のα−オレフィンとしては、炭素数3〜12、好
ましくは3〜10の範囲であって、具体的にはプロピレ
ン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−
1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1等を挙げ
ることができる。これらα−オレフィンの含有量は40
モル%の範囲で選択されることが好ましい。
【0046】本発明の第2のC成分は、(C2)高圧ラ
ジカル重合による低密度ポリエチレン、エチレン・ビニ
ルエステル共重合体、エチレン・α、β−不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体との共重合体である。
【0047】上記低密度ポリエチレン(LDPE)は、
MFR(メルトフローレート)は0.1〜20g/10
min、好ましくは0.5〜15g/10min、さら
に好ましくは1.0〜10g/10minである。この
範囲内であれば組成物の溶融張力が適切な範囲となりフ
ィルムやシートの場合では成形がし易い。また密度は
0.91〜0.94g/cm、好ましくは0.912
〜0.935g/cm、さらに好ましくは0.912
〜0.930g/cmであり、溶融張力は1.5〜2
5g、好ましくは3〜20g、さらに好ましくは3〜1
5gである。また、Mw/Mnは3.0〜10、好まし
くは4.0〜8.0である。
【0048】本発明のエチレン・ビニルエステル共重合
体とは、高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主
成分とするプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン
酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステ
アリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニル
エステル単量体との共重合体である。これらの中でも特
に好ましいものとしては、酢酸ビニルを挙げることがで
きる。すなわち、エチレン50〜99.5重量%、ビニ
ルエステル0.5〜50重量%、他の共重合可能な不飽
和単量体0〜49.5重量%からなる共重合体が好まし
い。特にビニルエステル含有量は3〜20重量%、好ま
しくは5〜15重量%の範囲である。
【0049】これら共重合体のMFRは、0.1〜20
g/10min、好ましくは0.3〜10g/10mi
nであり、溶融張力は2.0〜25g、好ましくは3〜
20gである。
【0050】本発明のエチレンとα,β−不飽和カルボ
ン酸もしくはその誘導体との共重合体の代表的な共重合
体としては、エチレン・(メタ)アクリル酸またはその
アルキルエステル共重合体が挙げられ、これらのコモノ
マーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸
メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタ
クリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プ
ロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプ
ロピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−
ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シク
ロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等を挙
げることができる。この中でも特に好ましいものとして
(メタ)アクリル酸のメチル、エチル等のアルキルエス
テルを挙げることができる。特に(メタ)アクリル酸エ
ステル含有量は3〜20重量%、好ましくは5〜15重
量%の範囲である。
【0051】これら共重合体のMFRは、0.1〜20
g/10min、好ましくは0.3〜10g/10mi
nであり、溶融張力は2.0〜25g、好ましくは3〜
20gである。
【0052】 本発明でいう(D)造核剤とはポリオレ
フィン用の造核剤として透明性、剛性等を改良するため
に用いられるものであり、本発明においてはソルビトー
ル化合物または芳香族リン酸エステル系化合物が用いら
れる。
【0053】ソルビトール化合物としては例えばジベン
ジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(メチルベ
ンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−(エチル
ベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−(メト
キシベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−
(エトキシベンジリデン)ソルビトールなどを挙げられ
る。
【0054】
【0055】 本発明における造核剤としては、芳香族
リン酸エステル系化合物が臭気も少なく最も好ましく用
いられる。
【0056】芳香族リン酸エステル系化合物としては具
体的には以下の(化2〜8)の一般式で表される構造を
有するものである。
【0057】
【式3】
【0058】(式中、R、Rは水素原子あるいは炭
素数1〜9のアルキル基を示し、Mは周期律表第I族
の金属原子を示す。)
【0059】
【式4】
【0060】(式中、R、Rは水素原子または炭素
数1〜9のアルキル基を示しRは水素原子あるいは炭
素数1〜4のアルキル基を示す。また、Mは周期律表
第I族、第II族、第III族の金属原子を示し、aは
の原子価を示す。)
【0061】
【式5】
【0062】(式中、Rは水素原子または炭素数1〜
4のアルキル基を示し、R、Rはそれぞれ水素原子
あるいは炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基またはアラルキル基を示す。)
【0063】
【式6】
【0064】(式中、Xは直接結合、アルキレン基また
はアルキリデン基を示し、R、R10、R11、R
12、R13はそれぞれ水素原子あるいは炭素数1〜1
2のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または
アラルキル基を示す。またAはアンモニウムイオンまた
は有機アンモニウムイオンを示し、mおよびnはそれぞ
れ1〜6を示す。)
【0065】
【式7】
【0066】(式中、R14はそれぞれ水素原子あるい
は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R15、R16
水素原子あるいは炭素数1〜12のアルキル基を示し、
は周期律表第III族、第IV族の金属原子を示
し、YはMが周期律表第III族の時−OH基を、M
が周期律表第IV族の時=OH基および−(OH)
基を示す。)
【0067】
【式8】
【0068】(式中、R17はそれぞれ水素原子あるい
は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R18、R19
水素原子あるいは炭素数1〜12のアルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基、アラルキル基を示し、Zは−
OH基あるいは−ONH 基を示す。)
【0069】上記化2〜8で表される芳香族リン酸エス
テル系化合物の市販されているものの代表例としては、
旭電化工業(株)の商品名MARK NA−10、MA
RKNA−11、MARK NA−21などが挙げら
れ、これらは単独あるいは2種類以上混合して用いられ
る。
【0070】これら造核剤の添加量は樹脂混合物100
重量部に対して0.01〜2重量部、好ましくは0.0
3〜1重量部である。0.01重量部未満では透明性の
改良が十分でなく、2重量部を超えると添加量を増やし
た割に効果が変わらず不経済であるのみならず臭いが強
くなるなどの弊害が生じる。
【0071】本発明における容器とは、上記組成物から
成形されるものであって、耐衝撃性等に優れる高透明性
容器であり、例えば梅干し、漬物、菓子などの食料品な
どの食品容器、衣料、事務用品などの日用雑貨品容器、
輸血、輸液用容器や注射筒など医療用容器等に利用され
る。また、該容器の成形方法は、射出成形法、押出成形
法、中空成形法、シート成形法など、特に制限はないが
中でも射出成形法が最も望ましいものである。
【0072】本発明においては、発明の特性を本質的に
損なわない範囲において、必要に応じて酸化防止剤は勿
論のこと滑剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、紫外線吸収
剤、分散剤、酸吸収剤などの公知の添加剤を添加するこ
とができる。
【0073】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお本実施例に用いた試験法は以下の通りである。
【0074】 (物性試験方法) ポリプロピレンおよび組成物 MFR :JIS K6758に準拠した。 曲げ弾性率 :ASTM D790に準拠した。 アイゾット衝撃試験 :JIS K6758に準拠した。 デュポン衝撃試験 :厚さ2mm直径50mmの試験片を射出成形し東洋精 機(株)製デュポン衝撃試験機にて測定した。 ヘイズ :厚さ2mm直径50mmの試験片を射出成形しJIS K7105の規定による直読ヘイズコンピューター (商品名:HGH−2DP、スガ試験機(株)製)で 測定した曇り度を示す。 耐熱註(熱変形温度):JIS K7207に準拠した。 臭気 :組成物の臭いを嗅いで調べた。 ○:臭気なし △:臭気ややあり エチレン・α−オレフィン共重合体 密度 :JIS K6760に準拠した。 MFR :JIS K6760に準拠した。 Mw/Mn :GPC ウォータース150型 溶媒 :ODCB 135℃ カラム:東ソー(株)製GMM HR−H(S) 検量線:PS標準試料による。
【0075】 (射出成形機による成形条件) 射出成形機 :(株)日本製鋼所製 JSW100 型締力100TON 成形樹脂温度 :220℃ クッション成形 金型温度 :50℃
【0076】使用した成分は以下の通り。 (A)ポリプロピレン (A1)プロピレン・エチレンランダム共重合体(RP
Pと称す) MFR:32g/10min.,エチレン含有量:4.
3重量% (A2)プロピレン・単独重合体(HPPと称す) MFR:30g/10min. (A3)プロピレン・エチレンブロック共重合体(BP
Pと称す) MFR:45g/10min.、エチレン含有量:7.
7重量%
【0077】(B)エチレン・α−オレフィン共重合体 (B1〜B3)以下の方法で重合した。 <エチレン・α−オレフィン共重合体の重合> 1)エチレン・ブテン−1共重合体(B1,B2)の重
合 攪拌機を付したステンレス製オートクレーブを窒素置換
し精製トルエンを入れた。次いで、ブテン−1を添加
し、更にビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロライド(Zrとして0.02mモル)メ
チルアルモキサン〔MAO〕(MAO/Zr=500
〔モル比〕)の混合溶液を加えた後、80℃に昇温し
た。次にエチレンを張り込み重合を開始した。エチレン
を連続的に重合しつつ全圧を維持して1時間重合を行っ
た。なお、後述の実施例に必要量はこれらの重合を繰り
返し製造した。なお、得られたエチレン・ブテン−1共
重合体の物性は以下の通りであった。
【0078】2)エチレン・オクテン−1(B3)共重
合体の重合 攪拌機を付したステンレス製オートクレーブを窒素置換
し精製トルエンを入れた。次いで、オクテン−1を添加
し140℃まで加熱した。次にエチレンを張り込み、つ
いでトルエンに溶解した(tert−ブチルアミド)ジ
メチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジ
ルコニウムジクロライド(Zrとして0.02mモル)
メチルアルモキサン〔MAO〕(MAO/Zr=500
〔モル比〕)の混合溶液を加えた。15分後に重合を停
止させ、ポリマーを得た。なお、後述の実施例に必要量
はこれらの重合を繰り返し製造した。得られたエチレン
・オクテン−1共重合体の物性は以下の通りであった。 MFR : 2,0g/10min 密度 : 0.920g/cm 分子量分布(Mw/Mn) : 2.4 Cb : 1.04
【0079】(C)他のエチレン系(共)重合体 (C1)低密度線状ポリエチレン(LLDPEと称す) 四塩化チタン、トリエチルアルミニウム触媒を用い気相
法にてエチレンと1−ブテンを共重合して得た。(MF
R:2.0g/10min、密度:0.920g/cm
) (C2)超低密度線状ポリエチレン(VLDPEと称
す) 四塩化チタン、トリエチルアルミニウム触媒を用い気相
法にてエチレンと1ーブテンを共重合して得た。(MF
R:1.0g/10min、密度:0.900g/cm
) (C3)低密度ポリエチレン(HPLDPEと称す) 日石レクスロンF31(日本石油化学(株)製)MF
R:2g/10min、密度:0.924g/cm
【0080】(D)造核剤 (D1)ソルビトール系化合物 新日本理化(株) ゲルオールMD(DBSと称す) (D2)芳香族リン酸エステル化合物 旭電化(株) MARK NA−10(NA−10と称
す) 旭電化(株) MARK NA−21(NA−21と称
す)
【0081】実施例1〜7 表1に示したようにプロピレン・エチレンランダム共重
合体に、上記重合例に示したメタロセン触媒によるエチ
レン・α−オレフィン共重合体あるいは、他のエチレン
系重合体および酸化防止剤としてチバガイギー(株)製
イルガフォス168を0.05重量%、帯電防止剤とし
て理研ビタミン(株)製リケマール S−100A0.
15重量%と花王石鹸(株)製カルコール80を0.1
重量%、酸吸収剤としてステアリン酸カルシウム0.0
8重量%、離型剤であるオレイン酸アミド0.13重量
%と造核剤を0.3重量部を加えヘンシェルミキサーで
約30秒間均一になるよう混合した後射出成形をおこな
った。結果を表1に示す。曲げ弾性率、アイゾット衝撃
値、デュポン衝撃値、透明性、耐熱姓、臭いのいずれも
良好である。
【0082】
【表1】
【0083】実施例8 A成分として(RPP)60重量%、B成分として(B
1)40重量%、D成分として(NA−21)を0.3
重量部加え、実施例1と全く同様の操作を行った。組成
物はMFR:22g/10min、曲げ弾性率:6,9
00kgf/cm、アイゾット衝撃強度:19kgf
・cm/cm、デュポン衝撃強度:300kgf・c
m以上、熱変形温度:72℃、臭気:良好であり衝撃強
度が優れた組成物である。
【0084】実施例9 A成分として(BPP)80重量%、B成分として(B
1)20重量%、D成分として(NA−21)を0.3
重量部加え、実施例1と全く同様の操作を行った。組成
物はMFR:38g/10min、曲げ弾性率:12,
300kgf/cm、アイゾット衝撃強度:12kg
f・cm/cm、デュポン衝撃強度:300kgf・
cm以上、熱変形温度:103℃、臭気:良好であり曲
げ弾性率と衝撃強度のバランスが良い組成物である。
【0085】実施例10 A成分として(HPP)80重量%、B成分として(B
1)20重量%、D成分として(NA−21)を0.3
重量部加え、実施例1と全く同様の操作を行った。組成
物はMFR:26g/10min、曲げ弾性率:15,
300kgf/cm、熱変形温度:115℃、臭気:
良好であり曲げ弾性率が大きく耐熱性の優れた組成物で
ある。
【0086】比較例1 樹脂成分としてプロピレン・エチレンランダム共重合体
のみを用い実施例1と同様の試験を行った。結果を表2
に示した。衝撃強度が不良である。
【0087】比較例2 造核剤を加えずその他は実施例1と同様の試験を行っ
た。結果を表2に示す。透明性が不十分である。
【0088】比較例3 (B)成分としてチグラー触媒による(LLDPE)を
用い、その他は実施例1と同様の試験を行った。結果を
表2に示す。透明性が不良である。
【0089】比較例4 (B)成分としてチグラー触媒による(VLDPE)を
用い、その他は実施例1と同様の試験を行った。結果を
表2に示す。曲げ弾性率が低めであるという割りには透
明性、アイゾット衝撃値が不十分である。
【0090】比較例5 (B)成分として高圧ラジカル重合による(HPLDP
E)を用い、その他は実施例1と同様の試験を行った。
結果を表2に示す。特にデュポン衝撃強度が悪く、透明
性も不十分である。
【0091】
【表2】
【0092】
【発明の効果】プロピレン系重合体に分子量分布と組成
分布の狭い特定のエチレン・α−オレフィン共重合体あ
るいはエチレン重合体および造核剤を配合することによ
りプロピレン系重合体の透明性、耐熱性と衝撃強度のバ
ランスの良い組成物を提供することが可能となる。また
該組成物を用いた容器は透明性、耐熱性、耐衝撃性に優
れ、また樹脂成分の溶出も少ないものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 23:08)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)プロピレン系重合体98〜50重
    量% (B)(イ)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
    を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物を必須成分とし
    て含む触媒の存在下にエチレンまたはエチレンと炭素数
    3〜20のα−オレフィンを(共)重合させることによ
    り得られる、(ロ)密度0.86〜0.97g/cm
    3 、(ハ)メルトフローレート0.1〜50g/10
    分、(ニ)分子量分布パラメーターMw/Mn1.5〜
    5.0、(ホ)組成分布パラメーターCb1.2以下で
    あるエチレン重合体あるいはエチレン・α−オレフィン
    共重合体2〜50重量%、および (C)他のエチレン系重合体0〜48重量% を含む樹脂成分100重量部に対し、 (D)芳香族リン酸エステル系化合物またはソルビトー
    ル化合物0.01〜2重量部を配合したことを特徴とす
    るポリプロピレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記(C)他のエチレン系重合体が、下
    記の重合体から選択された少なくとも1種であることを
    特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成
    物。 〔エチレン系重合体〕 (C1)密度0.86〜0.97g/cm3 のチグラー
    触媒によるエチレン・α−オレフィン共重合体 (C2)高圧ラジカル重合による低密度ポリエチレン、
    エチレン・ビニルエステル共重合体またはエチレンと
    α,β−不飽和カルボン酸もしくはその誘導体との共重
    合体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のポリプロピレ
    ン系樹脂組成物からなる容器。
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