JP3506076B2 - 多重モード誘電体共振器装置、フィルタ、デュプレクサおよび通信装置 - Google Patents

多重モード誘電体共振器装置、フィルタ、デュプレクサおよび通信装置

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JP3506076B2
JP3506076B2 JP33340499A JP33340499A JP3506076B2 JP 3506076 B2 JP3506076 B2 JP 3506076B2 JP 33340499 A JP33340499 A JP 33340499A JP 33340499 A JP33340499 A JP 33340499A JP 3506076 B2 JP3506076 B2 JP 3506076B2
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    • H01P7/10Dielectric resonators
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P1/00Auxiliary devices
    • H01P1/20Frequency-selective devices, e.g. filters
    • H01P1/207Hollow waveguide filters
    • H01P1/208Cascaded cavities; Cascaded resonators inside a hollow waveguide structure
    • H01P1/2084Cascaded cavities; Cascaded resonators inside a hollow waveguide structure with dielectric resonators
    • H01P1/2086Cascaded cavities; Cascaded resonators inside a hollow waveguide structure with dielectric resonators multimode

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  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多重モードで動
作する誘電体共振器装置、それを用いたフィルタ、デュ
プレクサおよびこれらを用いた通信装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、キャビティ内に誘電体コアを配置
してなる誘電体共振器は、TE01δモードやTM01
δモードが利用されている。このような誘電体コアを用
いた誘電体共振器によって複数段の誘電体共振器装置を
構成する場合、キャビティ内に複数の誘電体コアを配列
することになる。
【0003】ところが、このような単一の誘電体コアに
生じる単一の共振モードを利用する構造では、共振器を
多段化すると全体に大型化し、しかも複数の誘電体コア
を高精度に位置決め固定しなければならないため、特性
の揃った誘電体フィルタなどの誘電体共振器装置の製造
が困難であった。
【0004】そこで、本願出願人は、特開平11−14
5704号にて、単一の誘電体コアを用いながら多重化
数を増した誘電体共振器装置に関して出願している。上
記出願に係る誘電体共振器装置では、共振空間をx,
y,zの直角座標形で表した場合に、x,y,zのそれ
ぞれの軸方向に電界ベクトルが向くTMx,TMy,T
Mzモードと、x,y,zのそれぞれの軸に垂直な面方
向に電界ベクトルがループを描くTEx,TEy,TE
zモードを生じさせて、最大6つのモードを利用できる
ようにするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記出願に係る多重モ
ード誘電体共振器装置においては、所定の共振モード間
を結合させるために、その結合すべき2つの共振モード
の電界が集中する部分に溝または孔を設けることによっ
て摂動をかけ、2つの共振モード間でエネルギーの授受
を行わせるものであった。しかし、このような構造でT
MモードとTEモードとを結合させる場合、両者の電界
が基本的に垂直に交わるため、強い結合が得難い。ま
た、強く結合させるためには、結合用の溝や孔を深く形
成する必要があるが、その影響により、各共振モードの
電界の分布形状が乱れるため、共振周波数が上昇し、さ
らにフィルタ特性の調整が困難になるという問題も生じ
る。
【0006】この発明の目的は、共振周波数を上昇させ
ることなく、TEモードとTMモード間で強い結合を得
られるようにし、且つ特性の調整を容易にした多重モー
ド誘電体共振器装置と、それを用いたフィルタ、デュプ
レクサ、およびをこれらを用いた通信装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の多重モード誘
電体共振器装置は、キャビティ内に誘電体コアを配置し
たものであって、少なくとも1つのTMモードが使用周
波数帯で共振し、他のTMモードが使用周波数帯より高
い周波数で共振するように、主としてTMモードの共振
周波数を定めるTMモード用誘電体コア部分と、多重の
TEモードのそれぞれのTEモードが使用周波数帯で共
振するように、主としてTEモードの共振周波数を定め
るTEモード用誘電体コア部分とによって誘電体コアを
構成し、所定のTMモードの電界が分布する領域に、該
TMモードの電界と同方向成分のTEモードの電界が発
生するように、TMモード用誘電体コア部分を板状と
し、TEモード用誘電体コア部分を板状部分の上下面か
らそれぞれ膨出させた形状とし、且つ上下の膨出量に差
をもたせることによって、所定のTMモードとTEモー
ドとを結合させる。
【0008】このように、誘電体コアにTMモードとT
Eモードとの結合用の溝や孔を設けずに、TMモードと
TEモード間で結合をとることにより、共振周波数を上
昇させることなく、強い結合を得る。また結合用の溝や
孔による各モードの電界分布の乱れを少なくし、すなわ
ちTMモードとTEモード間の結合構造が他の共振モー
ドに影響を与えないようにして特性調整を容易にする。
【0009】
【0010】また、この発明の多重モード誘電体共振器
装置は、TMモード用誘電体コア部分およびTEモード
用誘電体コア部分をキャビティ内に支持する誘電体部材
を、誘電体コアに対して非対称に配置して、TMモード
用誘電体コア部分とTEモード用誘電体コア部分の支持
形状に非対称性をもたせる。このように誘電体コアをキ
ャビティ内に支持する支持用の部材を利用して非対称性
をもたせることにより、誘電体コア自体を対称形にし
て、その製造を容易にする。また他の共振モードの電磁
界分布の乱れを抑える。
【0011】また、この発明の多重モード誘電体共振器
装置は、TMモード用誘電体コア部分とTEモード用誘
電体コア部分をキャビティ内にそれぞれ独立に支持し、
いずれか一方または両方の誘電体コアのキャビティ内に
おける位置を定めることにより、TMモード用誘電体コ
ア部分とTEモード用誘電体コア部分との非対称性をも
たせる。この構造により、TMモード用誘電体コア部分
とTEモード用誘電体コア部分との相対位置関係、およ
びそれらのキャビティ内における位置を、装置を組み立
てた状態で、または組み立てる時にTMモードとTEモ
ード間の結合の強さを広範囲にわたって定められるよう
にし、また、その結合調整も可能にする。
【0012】また、この発明の多重モード誘電体共振器
装置は、TEモード用誘電体コア部分を、TMモード用
誘電体コア部分である板状部分の中心から、該板状部分
の面方向にずれた位置に設けて前記非対称性をもたせ
る。この構造により、TMモード用誘電体コア部分であ
る板状の面に沿って電界ループを描くTEモードと、T
Eモード用誘電体コア部分のずれた方向に直交する向き
に電界ベクトルが向くTMモードとを結合させる。
【0013】また、この発明の多重モード誘電体共振器
装置は、前記誘電体コアを、キャビティの中心から、前
記TMモード用誘電体コア部分である板状部分の面方向
にずれた位置に設けることによって前記非対称性をもた
せる。この構造により、TMモード用誘電体コア部分に
おけるTMモードの電界ベクトルの対称性を崩して、板
状部分の面方向にループを描くTEモードとの間に摂動
を生じさせて両モードを結合させる。
【0014】この発明のフィルタは、上記構造の多重モ
ード誘電体共振装置と、その所定の共振モードに結合す
る入出力手段とから成る。
【0015】また、この発明のフィルタは、上記誘電体
共振器装置と、その所定の共振モードに結合する同軸共
振器または半同軸共振器と、該共振器に結合する入出力
手段とから構成する。この構造により、半同軸共振器ま
たは同軸共振器に対して外部結合をとり、結合ループに
よる強い外部結合により広帯域化を図る。また上記多重
モードの誘電体共振器によるスプリアスモードを、半同
軸共振器または同軸共振器により抑圧し、全体のスプリ
アス特性を改善する。さらに、多重モード誘電体共振器
における入出力手段を小さくして、入出力間の信号の直
接パスを少なくし、直接パスによる特性の劣化を防止で
きるようにする。
【0016】この発明のデュプレクサは、上記フィルタ
を2組設けて構成する。
【0017】さらに、この発明の通信装置は、上記フィ
ルタまたはデュプレクサを用いて、高周波回路部におい
て送信信号または受信信号を帯域通過させたり、アンテ
ナ共用器として設けて、通信装置を構成する。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明の第1の実施形態に係る
多重モード誘電体共振器装置の構成を図1〜図6を参照
して説明する。図1は多重モード誘電体共振器装置の基
本構成部分の斜視図である。10は誘電体コア、2は誘
電体コア10を内部に収めるキャビティである。誘電体
コア10は、板状を成すTMモード用誘電体コア部分1
1と、この部分から球状に膨出したTEモード用誘電体
コア部分12とからなる。キャビティ2は、誘電体セラ
ミックス製の角筒状部材の外側面に導電体膜を形成した
ものである。このキャビティ2の図における上下の開口
面には、導電体膜を形成した誘電体板または金属板を配
置して、略直方体形状のシールド空間を構成する。な
お、この図1ではキャビティ内における誘電体コアの配
置構造を明瞭に示すために、誘電体コア10をキャビテ
ィ内に支持する支持体および外部との間で信号の入出力
を行う入出力手段については省略している。
【0019】図2の(A)は図1に示した多重モード誘
電体共振器装置の上面図、(B)は(A)におけるB−
B部分の断面図である。図2において、3はそれぞれ誘
電体コアのTMモード用誘電体コア部分11の一部とキ
ャビティ2の内壁面との間を連結する支持体であり、誘
電体コア10より低誘電率材料から成る。15は、主と
してTEzモードの共振周波数を上昇方向に設定する溝
である。
【0020】図3は、この多重モード誘電体共振器装置
で用いる5つの共振モードの電界分布の例を示してい
る。ここで(A)はTMxモード、(B)はTMyモー
ドについてそれぞれ示している。このようにTMxモー
ドは、キャビティの外面に形成されている一方の導電体
膜からそれに対向する他方の導電体膜にかけて、x軸方
向に電界ベクトルが向き、同様にTMyモードはy軸方
向に電界ベクトルが向く。また図3において(C)はT
Ezモード、(D)はTEyモード、(E)はTExモ
ードについてそれぞれ示している。TEzモードは、z
軸に垂直な面方向に電界ベクトルがループを描き、TE
yモードはy軸に垂直な面方向に電界ベクトルがループ
を描き、さらにTExモードはx軸に垂直な面方向に電
界ベクトルがループを描く。
【0021】なお、z軸方向に電界ベクトルが向くTM
zモードも生じるが、板状を成すTMモード用誘電体コ
ア部分11の厚み方向寸法が、他方向の寸法より小さい
ため、TMzモードの共振周波数は、他のモードの共振
周波数すなわち使用周波数帯より高く離れている。
【0022】図4は上記TMxモードとTEyモードと
の結合の様子を示している。図中の曲線で示す矢印はT
MxモードとTEyモードの電界ベクトルを表してい
る。(A)に示すモードを偶モード、(B)に示す状態
を奇モードとすれば、板状のTMモード用誘電体コア部
分11に対する球状のTEモード用誘電体コア部分の膨
出量が上下非対称であるため、TMxモードとTEyモ
ードにおける電界強度の分布に摂動が与えられることに
なる。これによりTMxモードとTEyモードとの間で
エネルギーの授受が行われ、この2つのモードが結合す
る。
【0023】図4に示した例は、誘電体コアの中心を通
るxz面での断面について表したが、誘電体コアの中心
を通るyz面の断面についてもTMyモードとTExモ
ードの電界ベクトルが同様のパターンとなり、同様にし
てTMyモードとTExモードとが結合する。
【0024】図5は、TMモード用誘電体コア部分を成
す板状部分に対するTEモード用誘電体コア部分を成す
球状部分のZ軸方向へのずれ量と、上記のTMモードと
TEモード間の結合係数との関係を示している。このよ
うに、ずれ量が0の時、TMxモードとTEyモードと
の結合係数、およびTMyモードとTExモードとの結
合係数は0であるが、上記ずれ量が大きくなるにしたが
って、両モードの結合係数が大きくなる。この関係を利
用して、所定の結合係数となるように上記ずれ量を定め
る。
【0025】なお、誘電体コア10の中央部は上記TM
モードとTEモードの各モードの電磁界が共存するた
め、この部分はTMモード用誘電体コア部分11でもあ
り、且つTEモード用誘電体コア部分12でもある。仮
にこの2つの部分を形式的に完全に分離しようとすれ
ば、図6の(A)に示すように、板状のTMモード用誘
電体コア部分11と2つの半球状のTEモード用誘電体
コア部分12a,12bとに分けるか、(B)に示すよ
うに、中央部に孔を設けた板状のTMモード用誘電体コ
ア部分11と、その孔に挿入される球状のTEモード用
誘電体コア部分12とに分けることになる。しかし、
(A)の場合でも、TMモード用誘電体コア部分11に
TEモードの電界ベクトルが通り、(B)の場合でも、
TEモード用誘電体コア部分12にTMモードの電界ベ
クトルが通る。この発明に係るTMモード用誘電体コア
部分とTEモード用誘電体コア部分のそれぞれの一部
は、誘電体コアの中央部において、TMモードとTEモ
ードに共用するものであることに注意すべきである。
【0026】次に、他の異なった形状を有する誘電体コ
アを用いた多重モード誘電体共振器装置の構成を図7〜
図12を参照して説明する。これらの図において(A)
は図2に示した形態と同様に上面図、(B)はその断面
図である。
【0027】図7に示す例では、TEモード用誘電体コ
ア部分12を、言わば階段ピラミッド形状に設けてい
る。すなわちTMモード用誘電体コア部分11から上下
方向に四角錐台を階段状に形成したものである。
【0028】図8に示す例では、TMモード用誘電体コ
ア部分11の上下に四角錐形状のTMモード用誘電体コ
ア部分12を膨出させている。
【0029】図9に示す例では、TMモード用誘電体コ
ア部分11の上下に四角柱形状のTMモード用誘電体コ
ア部分12を膨出させている。
【0030】図10に示す例では、TMモード用誘電体
コア部分11の上下に円柱形状のTMモード用誘電体コ
ア部分12を膨出させている。
【0031】図11に示す例では、TMモード用誘電体
コア部分11の上下に六角柱形状のTMモード用誘電体
コア部分12を膨出させている。
【0032】図12に示す例では、TMモード用誘電体
コア部分11の上下に八角錐台形状のTMモード用誘電
体コア部分12を膨出させている。
【0033】これらの他にも、多角柱形状、多角錐形
状、多角錐台形状およびその他の多面体形状の膨出部を
TEモード用誘電体コア部分として設けてもよい。
【0034】これらのいずれの形状においても、板状を
成すTMモード用誘電体コア部分11とキャビティとが
主としてTMxモードおよびTMyモードの共振器とし
て作用し、TEモード用誘電体コア部分12が主として
TEx,TEy,TEzモードの共振器として作用し、
TMモード用誘電体コア部分11に対するTEモード用
誘電体コア部分12の上下の膨出量を非対称にすること
により、TMxモードとTEyモード間の結合およびT
MyモードとTExモード間の結合を同時にとる。
【0035】図13は図2の(B)に示した形態と同様
の断面図であり、形状の異なった誘電体コアの2つの例
を示している。以上に示した例では、TMモード用誘電
体コア部分を成す板状部分に対するTEモード用誘電体
コア部分を成す膨出部分の上下方向の膨出量を定めて、
所定の誘電体コアを構成した例であったが、この図13
に示すように、TMモード用誘電体コア部分11に対し
て、元々上下対称形であったTEモード用誘電体コア部
分12を一部削除したような形状とすることによって非
対称性をもたせてもよい。
【0036】図14も同様に図2の(B)に示した形態
と同様の断面図である。この例ではTMモード用誘電体
コア部分11に支持体3′を取り付け、キャビティ2と
支持体3′との間を他の支持体3により支持したもので
ある。この構造により、TMモード用誘電体コア部分1
1の上下に存在する誘電体部材の対称性が崩れて、各共
振モードの電磁界が誘電体部材が多く存在する側に寄
り、各共振モードに電磁界的な非対称性をもたせること
ができる。これによりTMxモードとTEyモードとの
結合およびTMyモードとTExモードとの結合が生じ
る。したがって、その結合量を支持体3′,3の比誘電
率の大きさと取り付け位置などにより定める。
【0037】次に、上記5つの共振モードを順に結合さ
せたフィルタの例を図15を参照して説明する。図15
の(A)は図2に示した形態と同様に、フィルタの上面
図、(B)はその断面図である。図15において、5
a,5bはそれぞれ同軸コネクタであり、それらの中心
導体にはキャビティ2内に突出するプローブ4a,4b
を取り付けている。14a,14a′はTEyモードと
TEzモードとの結合溝、さらに14b,14b′はT
ExモードとTEzモードとの結合溝である。
【0038】図16は上記結合溝14b,14b′の作
用を示す図である。図16の(A)はTExモードとT
Ezモードの電界ベクトルを斜視図として表したもの、
(B)はxz面での断面における2つのモードの電界ベ
クトルを示している。ここでTExモードとTEzモー
ドとを足し合わせたモード(TEx+zモード)を考え
ると、このモードは(C)に示すように、x+z軸方向
に垂直な面に電界ベクトルがループを描くモードとな
る。また、TExモードとTEzモードの差のモード
(TEx−zモード)の電界ベクトルは(D)に示すよ
うに、x−z軸方向に垂直な面にループを描くモードと
なる。
【0039】結合溝14b,14b′はTEx−zモー
ドの電界ベクトルのループが通る位置にあるため、TE
x−zモードの電界を弱める方向に作用し、この摂動に
よってTExモードとTEzモードとが結合する。
【0040】同様に、図15において結合溝14a,1
4a′はTEy+zモードとTEy−zモードに摂動を
与えて、TEyモードとTEzモードとを結合させる。
【0041】このようにして、TMモード用誘電体コア
とTEモード用誘電体コアの上下比対称性によりTMx
モード→TEyモードの結合と、TExモード→TMy
モードの結合が生じ、結合溝14aによりTEyモード
→TEzモードの結合が生じ、結合溝14bによりTE
z→TExモードの結合が生じるため、結局、TMx→
TEy→TEz→TEx→TMyの順に、5つの共振器
が結合した5重モード共振器として作用する。
【0042】図15において、プローブ4aは初段の共
振器であるTMxモードと電界結合し、プローブ4bは
終段の共振器であるTMyモードと電界結合するため、
同軸コネクタ5a−5bの間が、5段の共振器による帯
域通過フィルタ特性を示すフィルタを構成する。
【0043】次に、いわゆるとび結合を設けたフィルタ
の例を図17〜図20を参照して説明する。図17はそ
れぞれキャビティの上部の蓋を取り除いた状態でのフィ
ルタの上面図である。(A)に示す例では、TMモード
用誘電体コア部分11の中心をキャビティ12の中央に
設け、TEモード用誘電体コア部分12の中心をTMモ
ード用誘電体コア部分11の中心からy軸方向にシフト
させている。
【0044】図18は、図17の(A)に示した状態で
のTMxモードとTEzモードとの結合の様子を示す図
である。このように、TMモード用誘電体コア部分11
とTEモード用誘電体コア部分12とを非対称にするこ
とにより、TMxモードとTEzモードの電界分布に摂
動が生じ、両モードが結合する。この2つの共振モード
は、1段目と3段目の共振器であるので、1段目と3段
目がとび結合することになる。同様に図17の(B)に
示すようにTEモード用誘電体コア部分12をx軸方向
にシフトさせることにより、TMyモードとTEzモー
ドの電界分布に摂動が生じ、両モードが結合する。この
2つの共振モードは、3段目と5段目の共振器であるの
で、3段目と5段目がとび結合することになる。
【0045】また、図17の(C)に示すように、TE
モード用誘電体コア部分12をx軸方向とy軸方向にそ
れぞれシフトさせることにより、TMxモードとTEz
モードとが結合し、同時にTMyモードとTEzモード
とが結合する。したがって、1段目と3段目がとび結合
し、さらに3段目と5段目がとび結合することになる。
【0046】さらに、図17の(D)に示す例は、同軸
コネクタ5aの中心導体に接続したプローブ4aをx+
y軸方向に向け、TMモード用誘電体コア部分11の角
部に設け、同軸コネクタ5bの中心導体に接続したプロ
ーブ4bをx−y軸方向に向けて、TMモード用誘電体
コア部分11の角部に設けている。したがって、プロー
ブ4aはTMx+yモードと結合し、プローブ4bはT
Mx−yモードと結合する。この誘電体コアによる5重
の共振モードは、TMx+y→TEx−y→TEz→T
Ex+y→TMx−yの順に結合する。この例では、T
Eモード用誘電体コア部分12が誘電体コアの中心より
y軸方向にシフトしているため、TMx+yモードとT
Ezモードのそれぞれの電界分布に摂動が生じて両モー
ドが結合する。同様にTMx−yモードとTEzモード
のそれぞれの電界分布に摂動が生じて両モードが結合す
る。したがって、1段目と3段目および3段目と5段目
にそれぞれとび結合が生じる。
【0047】図19は、キャビティ内における誘電体コ
アの位置によって、所定のTMモードとTEモード間を
結合させて、とび結合を生じさせるようにした例を示す
ものである。図19の(A)に示す例では、誘電体コア
10全体をキャビティ2の中心からy軸方向にシフトさ
せた位置に配置している。
【0048】図20は図19の(A)に示した状態での
TMxモードとTEzモードとの結合の様子を示す図で
ある。このようにキャビティ内における誘電体コアの位
置によって、TMxモードの電界ベクトルがキャビティ
の壁面側に引き寄せられるので、このTMxモードとT
Mzモードとに摂動が生じて、TMxモードとTEzモ
ードが結合し、1段目と3段目がとび結合する。同様
に、図19の(B)に示すように誘電体コア10をx軸
方向にシフトさせることにより、TMyモードとTEz
モードとが結合し、3段目と5段目がとび結合する。さ
らに図19の(C)に示すように、誘電体コア10をx
軸方向とy軸方向にそれぞれシフトさせることによっ
て、TMxモードとTEzモードおよびTEzモードと
TMyモードがそれぞれ結合し、1段目と3段目および
3段目と5段目がそれぞれとび結合する。
【0049】さらに、図19の(D)に示す例では、図
17の(D)の場合と同様に、プローブ4aはTMx+
yモードと結合し、プローブ4bはTMx−yモードと
結合し、誘電体コアによる5重の共振モードは、TMx
+y→TEx−y→TEz→TEx+y→TMx−yの
順に結合する。この例では、誘電体コア10がキャビテ
ィの中心よりy軸方向にシフトしているため、TMx+
yモードとTEzモードのそれぞれの電界分布に摂動が
生じて両モードが結合する。同様にTMx−yモードと
TEzモードのそれぞれの電界分布に摂動が生じて両モ
ードが結合する。したがって、1段目と3段目および3
段目と5段目にそれぞれとび結合が生じる。
【0050】以上のようにして1箇所または2箇所でと
び結合させることにより、そのとび結合に応じて1つま
たは2つの減衰極を生じさせる。例えば5段の共振器に
よる通過帯域の低域側、高域側またはその両方に減衰極
を生じさせて、帯域通過特性の通過域から減衰域にかけ
ての特性を急峻にする。
【0051】次に、これまでに示したものとは異なった
構造の誘電体コアを用いた多重モード誘電体共振器装置
を図21を参照して説明する。図21の(A)は多重モ
ード誘電体共振器装置の中央高さの横断面、(B)は中
心を通る縦断面をそれぞれ示している。すなわち(A)
は(B)におけるA−A部分の断面図、(B)は(A)
におけるB−B部分の断面図である。
【0052】図21において11は、中央部を円形にく
り抜いた誘電体板状を成すTMモード用誘電体コア部
分、12は上記開口部に挿入される球状を成すTEモー
ド用誘電体コア部分である。誘電体コア部分11は、そ
の四方の角部が支持体3a〜3dによってキャビティに
支持される。また誘電体コア12は、その上下が支持体
3e,3fによって、キャビティ2の上下の開口面を覆
う蓋部分6に支持される。これらの支持体3a〜3fは
いずれも低誘電率材料から成る。誘電体コア部分11,
12の固定前の状態では、支持体3はキャビティ2およ
び蓋6に対して可動状態に設けている。したがって、誘
電体コア部分11はxy面方向に一定量の範囲で移動で
き、所定位置で支持体3a〜3dをキャビティ2の壁面
に固定することによって、キャビティ2内における誘電
体コア部分11の位置を決定することができる。また誘
電体コア部分12についても蓋6に対して支持体3e,
3fを固定する前はz軸方向に移動自在であり、これを
所定位置に配置した状態で支持体3e,3fを蓋6に固
定することによって、誘電体コア部分11に対する誘電
体コア部分12の相対位置を定める。
【0053】このようにTMモード用誘電体コア部分1
1に対するTEモード用誘電体コア部分12のz軸方向
の相対位置を可変としたことにより、TMxモードとT
Eyモードとの結合およびTMyモードとTExモード
との結合の強さを広範囲にわたって任意に設定でき、そ
の調整も可能となる。またTEモード用誘電体コア部分
12およびキャビティ2に対する、TMモード用誘電体
コア部分11のxy面内での位置を可変としたことによ
り、TEzモードとTMxモードまたはTMyモードと
結合の強さを任意に設定でき、その調整も可能となる。
【0054】次に、多重モード誘電体共振器装置に他の
共振器を組み合わせてなるフィルタの構成例を図22を
参照して説明する。図22の(A)は、上部の蓋を取り
除いた状態での上面図、(B)は(A)におけるB−B
部分の断面図である。図22において20は図15に示
した5重モード共振器の誘電体コアを、板状のTMモー
ド用誘電体コア部分と階段ピラミッド状のTEモード用
誘電体コア部分から構成し、且つ入出力の向きをxy面
内で45°回転させたものである。したがって、この誘
電体コアによる5重の共振モードは、TMx+y→TE
x−y→TEz→TEx+y→TMx−yの順に結合す
る。また21,22はそれぞれ半同軸共振器である。こ
の半同軸共振器21,22は、キャビティ内に中心導体
8を備え、周波数調整ネジ9の下端部と中心導体8の上
端部との間に生じる静電容量と中心導体8の長さ等によ
って共振周波数を定めている。同軸コネクタ5aの中心
導体とキャビティの内面との間には結合ループ7aを設
けていて、この結合ループによって外部結合をとってい
る。同様に同軸コネクタ5bの中心導体とキャビティの
内面との間には結合ループ7dを設けていて、この結合
ループによって外部結合をとっている。また共振器20
のプローブ4a,4bには結合ループ7b,7cをそれ
ぞれ接続していて、結合ループ7b,7cを半同軸共振
器21,22にそれぞれ磁界結合させている。
【0055】以上の構成により、初段と終段の共振器
と、その間の5段の誘電体共振器によって、合計7段の
共振器から成る帯域通過特性を有するフィルタとして作
用することになる。このように初段と終段の共振器を半
同軸共振器とし、結合ループにより強い外部結合をとる
ようにしたため、広帯域特性が容易に得られる。また5
重モードの共振器20によるスプリアスモードが、半同
軸共振器21,22により抑圧されるため、全体のスプ
リアス特性が改善される。さらに、外部と直接結合させ
る必要が無くなることによって、5重モード共振器20
におけるプローブ4a,4bは小さくてすみ、これによ
り入出力間の信号の直接パスも少なくなり、直接パスに
よる特性の劣化も生じない。
【0056】なお、図22に示した例では半同軸共振器
を用いたが、同様にして初段と終段に同軸共振器を用い
ることができ、同様の効果を奏する。
【0057】次に、デュプレクサの構成例を図23を参
照して説明する。図23において、20TX,20RX
はそれぞれ図22に示したものと同様の5重モード共振
器、21TX,22TX,21RX,22RXはそれぞ
れ図22に示したものと同様の半同軸共振器である。こ
の2つの半同軸共振器21TX,22TXおよび5重モ
ード共振器20TXによって送信フィルタ部分を構成
し、同様に2つの半同軸共振器21RX,22RXおよ
び5重モード共振器20RXによって受信フィルタ部分
を構成している。
【0058】なお、同軸コネクタ5aの中心導体に接続
している結合ループ7eは半同軸共振器22TXおよび
21RXにそれぞれ磁界結合し、送信信号と受信信号を
分岐する。このようにしてアンテナ共用器としてのデュ
プレクサを構成する。
【0059】図24は上記デュプレクサを用いた通信装
置の構成を示すブロック図である。このように、送信フ
ィルタの入力ポートに送信回路、受信フィルタの出力ポ
ートに受信回路をそれぞれ接続し、デュプレクサの入出
力ポートにアンテナを接続することによって、通信装置
の高周波部を構成する。
【0060】この例以外に、上記5重モード共振器を単
独の帯域通過フィルタとして設けてもよい。
【0061】なお、各実施形態では、誘電体コアの正方
形板状部分でTMxモードとTMyモードを生じさせ
て、その両方を用いる例を示したが、これを長方形板状
にすることにより、例えばTMxモードのみを使用周波
数帯で共振させ、TMyモードとTMzモードの共振周
波数を使用周波数帯より高めて、単一のTMモードのみ
を利用するようにしてもよい。また、実施形態ではTE
モードの3つのモードをすべて用いたが、このうち2つ
のTEモードのみを用いるようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、誘電体
コアに結合用の溝や孔を設けずにTMモードとTEモー
ド間で結合をとることができるので、共振周波数の上昇
もなく、強い結合が得られる。また結合用の溝や孔によ
る各モードの電界分布の乱れが少ないため、すなわちT
MモードとTEモード間の結合構造が他の共振モードに
影響を与えないため特性調整も容易となる。
【0063】 また、TMモード用誘電体コア部分とT
Eモード用誘電体コア部分との非対称性を容易にもたせ
ることができ、TMモードの電界分布領域とTEモード
の電界分布領域とが比較的明確に区分されるので、設計
が容易となる。
【0064】 請求項に記載の発明によれば、誘電体
コアをキャビティ内に支持する支持用の部材を利用して
非対称性をもたせるため、誘電体コア自体は対称形とす
ることができ、製造が容易となり、また他の共振モード
の電磁界分布の乱れを抑えることができる。
【0065】 請求項に記載の発明によれば、TMモ
ード用誘電体コア部分とTEモード用誘電体コア部分と
の相対位置関係、およびそれらのキャビティ内における
位置を、装置を組み立てた状態で、または組み立てる時
に定められるため、TMモードとTEモード間の結合の
強さを広範囲にわたって定めることができ、また、その
結合調整も可能となる。
【0066】 請求項4,5に記載の発明によれば、T
Mモード用誘電体コア部分とTEモード用誘電体コア部
分との非対称性を容易にもたせることができ、設計が容
易となる。また、他の非対称性によるTMモードとTE
モードとの結合に組み合わせることにより、多重モード
による複数の共振器を順次結合させた中にとび結合を容
易に設けることができる。
【0067】 さらに請求項に記載の発明によれば、
板状を成すTMモード用誘電体コア部分の面方向におけ
るTEモード用誘電体コア部分の位置自体は対称形とす
ることができるので、製造が容易となり、また他の共振
モードの電磁界分布の乱れを抑えることができる。
【0068】 請求項に記載の発明によれば、単一の
誘電体コアおよび単一のキャビティを用いながら多段の
共振器による小型で低損失なフィルタとして用いること
ができる。
【0069】 請求項に記載の発明によれば、半同軸
共振器または同軸共振器に対して外部結合をとるため、
結合ループによる磁界結合で強い外部結合が得られ、広
帯域化が図れる。また上記多重モードの誘電体共振器に
よるスプリアスモードが、半同軸共振器または同軸共振
器により抑圧されるため、全体のスプリアス特性が改善
される。さらに、半同軸共振器または同軸共振器と多重
誘電体共振器間とは強く結合させる必要がないため、多
重モード誘電体共振器における入出力手段は小さくてす
み、入出力間の信号の直接パスも少なくなり、直接パス
による特性の劣化も生じない。
【0070】 請求項に記載の発明によれば、全体に
小型で低損失なデュプレクサが得られ、アンテナ共用器
として用いることができる。
【0071】 請求項に記載の発明によれば、全体に
小型で低損失な通信装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る多重モード誘電体共振器
装置の基本部分の構成を示す斜視図
【図2】同共振器装置の上面図および断面図
【図3】同共振器装置の各モードにおける電界分布を示
す図
【図4】TMxモードとTEyモードとの結合の様子を
示す図
【図5】TMモード用誘電体コア部分を成す板状部分に
対するTEモード用誘電体コア部分を成す球状部分のず
れ量と、TMモードとTEモード間の結合係数との関係
を示す図
【図6】TMモード用誘電体コア部分とTEモード用誘
電体コア部分との関係を説明するための図
【図7】TEモード用誘電体コア部分の他の形状の例を
示す図
【図8】TEモード用誘電体コア部分の他の形状の例を
示す図
【図9】TEモード用誘電体コア部分の他の形状の例を
示す図
【図10】TEモード用誘電体コア部分の他の形状の例
を示す図
【図11】TEモード用誘電体コア部分の他の形状の例
を示す図
【図12】TEモード用誘電体コア部分の他の形状の例
を示す図
【図13】TEモード用誘電体コア部分の形状を異なら
せた2つの例を示す図
【図14】誘電体コアのキャビティ内における支持構造
の他の例を示す図
【図15】各共振モードを順に結合させて成る5重モー
ド共振器を用いたフィルタの例を示す図
【図16】TExモードとTEzモードとの結合の様子
を示す図
【図17】他の5重モード共振器を用いたフィルタの例
を示す図
【図18】TEzモードとTMxモードとの結合の様子
を示す図
【図19】他の5重モード共振器を用いたフィルタの例
を示す図
【図20】TEzモードとTMxモードとの結合の様子
を示す図
【図21】誘電体コアのキャビティ内における支持構造
の他の例を示す図
【図22】半同軸共振器と5重モード共振器を用いたフ
ィルタの構成例を示す図
【図23】デュプレクサの構成例を示す図
【図24】通信装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
2−キャビティ 3,3′−支持体 4−プローブ 5−同軸コネクタ 6−蓋 7−結合ループ 8−中心導体 9−周波数調整ネジ 10−誘電体コア 11−TMモード用誘電体コア部分 12−TEモード用誘電体コア部分 14−結合溝 15−周波数設定溝 20−5重モード共振器 21−半同軸共振器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊勢 智之 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (56)参考文献 特開2000−68708(JP,A) 特開 平11−145705(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/20 - 1/219 H01P 7/00 - 7/10

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性を有するキャビティ内に誘電体コ
    アを配置して成る誘電体共振器において、 少なくとも1つのTMモードが使用周波数帯で共振し、
    他のTMモードが使用周波数帯より高い周波数で共振す
    るように、主としてTMモードの共振周波数を定めるT
    Mモード用誘電体コア部分と、多重のTEモードのそれ
    ぞれのTEモードが使用周波数帯で共振するように、主
    としてTEモードの共振周波数を定めるTEモード用誘
    電体コア部分とによって前記誘電体コアを構成し、 所定のTMモードの電界が分布する領域に、該TMモー
    ドの電界と同方向成分のTEモードの電界が発生するよ
    うに、前記TMモード用誘電体コア部分を板状とし、前
    記TEモード用誘電体コア部分を前記板状部分の上下面
    からそれぞれ膨出させた形状とし、且つ上下の膨出量に
    差をもたせることによって、前記所定のTMモードとT
    Eモードとを結合させた多重モード誘電体共振器装置。
  2. 【請求項2】 導電性を有するキャビティ内に誘電体コ
    アを配置して成る誘電体共振器において、 少なくとも1つのTMモードが使用周波数帯で共振し、
    他のTMモードが使用周波数帯より高い周波数で共振す
    るように、主としてTMモードの共振周波数を定めるT
    Mモード用誘電体コア部分と、多重のTEモードのそれ
    ぞれのTEモードが使用周波数帯で共振するように、主
    としてTEモードの共振周波数を定めるTEモード用誘
    電体コア部分とによって前記誘電体コアを構成し、 所定のTMモードの電界が分布する領域に、該TMモー
    ドの電界と同方向成分のTEモードの電界が発生するよ
    うに、前記TMモード用誘電体コア部分および前記TE
    モード用誘電体コア部分を前記キャビティ内に支持する
    誘電体部材を、前記TMモード用誘電体コア部分に対し
    て非対称に配置することによって、前記所定のTMモー
    ドとTEモードとを結合させた多重モード誘電体共振器
    装置。
  3. 【請求項3】 導電性を有するキャビティ内に誘電体コ
    アを配置して成る誘電体共振器において、 少なくとも1つのTMモードが使用周波数帯で共振し、
    他のTMモードが使用周波数帯より高い周波数で共振す
    るように、主としてTMモードの共振周波数を定めるT
    Mモード用誘電体コア部分と、多重のTEモードのそれ
    ぞれのTEモードが使用周波数帯で共振するように、主
    としてTEモードの共振周波数を定めるTEモード用誘
    電体コア部分とによって前記誘電体コアを構成し、 所定のTMモードの電界が分布する領域に、該TMモー
    ドの電界と同方向成分のTEモードの電界が発生するよ
    うに、前記TMモード用誘電体コア部分および前記TE
    モード用誘電体コア部分を、前記キャビティ内にそれぞ
    れ独立に支持し、前記非対称性をもたせるように、いず
    れか一方または両方の誘電体コア部分のキャビティ内に
    おける位置を定めることによって、前記所定のTMモー
    ドとTEモードとを結合させた多重モード誘電体共振器
    装置。
  4. 【請求項4】 導電性を有するキャビティ内に誘電体コ
    アを配置して成る誘電体共振器において、 少なくとも1つのTMモードが使用周波数帯で共振し、
    他のTMモードが使用周波数帯より高い周波数で共振す
    るように、主としてTMモードの共振周波数を定めるT
    Mモード用誘電体コア部分と、多重のTEモードのそれ
    ぞれのTEモードが使用周波数帯で共振するように、主
    としてTEモードの共振周波数を定めるTEモード用誘
    電体コア部分とによって前記誘電体コアを構成し、 所定のTMモードの電界が分布する領域に、該TMモー
    ドの電界と同方向成分のTEモードの電界が発生するよ
    うに、前記TMモード用誘電体コア部分を板状とし、前
    記TEモード用誘電体コア部分を前記板状部分の上下面
    からそれぞれ膨出させた形状とし、前記TEモード用誘
    電体コア部分を、前記TMモード用誘電体コア部分であ
    る板状部分の中心から、該板状部分の面方向にずれた位
    置に設けることによって、前記所定のTMモードとTE
    モードとを結合させた多重モード誘電体共振器装置。
  5. 【請求項5】 導電性を有するキャビティ内に誘電体コ
    アを配置して成る誘電体共振器において、 少なくとも1つのTMモードが使用周波数帯で共振し、
    他のTMモードが使用周波数帯より高い周波数で共振す
    るように、主としてTMモードの共振周波数を定めるT
    Mモード用誘電体コア部分と、多重のTEモードのそれ
    ぞれのTEモードが使用周波数帯で共振するように、主
    としてTEモードの共振周波数を定めるTEモード用誘
    電体コア部分とによって前記誘電体コアを構成し、 所定のTMモードの電界が分布する領域に、該TMモー
    ドの電界と同方向成分のTEモードの電界が発生するよ
    うに、前記TMモード用誘電体コア部分を板状とし、前
    記TEモード用誘電体コア部分を前記板状部分の上下面
    からそれぞれ膨出させた形状とし、前記TEモード用誘
    電体コア部分を、キャビティの中心から、前記TMモー
    ド用誘電体コア部分である板状部分の面方向にずれた位
    置に設けることによって、前記所定のTMモードとTE
    モードとを結合させた多重モード誘電体共振器装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうちいずれかに記載の多
    重モード誘電体共振器装置と、該多重モード誘電体共振
    器装置の所定の共振モードに結合する入出力手段とから
    成るフィルタ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のうちいずれかに記載の多
    重モード誘電体共振器装置と、該多重モード誘電体共振
    器装置の所定の共振モードに結合する同軸共振器または
    半同軸共振器と、該共振器に結合する入出力手段とから
    成るフィルタ。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載のフィルタを、
    2組設けて成るデュプレクサ。
  9. 【請求項9】 請求項6もしくは7に記載のフィルタま
    たは請求項8に記載のデュプレクサを用いた通信装置。
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