JP2004312287A - 誘電体共振器、誘電体フィルタ、複合誘電体フィルタおよび通信装置 - Google Patents
誘電体共振器、誘電体フィルタ、複合誘電体フィルタおよび通信装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】2つの共振モード間の結合量の調整を減少方向へも調整可能とし、結合量調整を容易にし、誘電体共振器製造時の良品率を向上させる。またその誘電体共振器を備えた誘電体フィルタ、複合誘電体フィルタおよび通信装置を提供する。
【解決手段】互いに平行且つ非対角関係にある稜部に第1の欠落部11aおよび第2の欠落部11bを設ける。また必要に応じてそれらの対角位置にも欠落部11a′,11b′を設ける。この第1・第2の欠落部の容積の差によって2つの共振モード(TE01δxモード,TE01δyモード)を結合させる。そして、容積の小さい方の欠落部11b,11b′を拡張することによって結合量を減少方向に調整する。
【選択図】 図6
【解決手段】互いに平行且つ非対角関係にある稜部に第1の欠落部11aおよび第2の欠落部11bを設ける。また必要に応じてそれらの対角位置にも欠落部11a′,11b′を設ける。この第1・第2の欠落部の容積の差によって2つの共振モード(TE01δxモード,TE01δyモード)を結合させる。そして、容積の小さい方の欠落部11b,11b′を拡張することによって結合量を減少方向に調整する。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多重モードで動作する誘電体共振器、それを備えた誘電体フィルタ、複合誘電体フィルタおよび通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、1個の誘電体ブロックを複数の共振モードで共振させるようにした多重モードの誘電体共振器が用いられている(例えば特許文献1)。
特許文献1の誘電体共振器は、略直方体形状の誘電体ブロックの稜部の少なくとも一部に斜平面を設けて2つの共振モード同士を結合させるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−151906公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に示されている誘電体共振器の場合、隣り合う2つの面が交わってできる稜部に面取り形状の斜平面を形成した場合、その隣り合う2つの面にそれぞれ平行な方向に電界が回る2つのTE01δモード同士が結合する。
【0005】
ところが、上記斜平面を誘電体共振器のプレス成型により予め形成するにしても、成型後に切削加工により形成するにしても、その斜平面を大きくするほどすなわち大きく面取りするほど、上記2つの共振モード同士の結合量が増大する。従って2つの共振モードの結合量を増す方向にしか結合量調整を行うことができない。その為、上記斜平面を大きく形成しすぎた場合に所定の結合量に戻すことができないので、結合量調整が容易でないという問題を備えている。換言すると、結合量の実質的な調整が不能となる誘電体共振器ができてしまい、誘電体共振器製造時の良品率を上げにくいという問題があった。
【0006】
この発明の目的は、上述の問題を解消して、2つの共振モード間の結合量を減少方向へも調整可能とし、その調整を行った誘電体共振器を提供すること、およびその誘電体共振器を備えた誘電体フィルタ、複合誘電体フィルタおよび通信装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、キャビティ内に配置される、全体が略直方体形状をなすTE01δ多重モードの誘電体共振器において、誘電体共振器の互いに平行且つ非対角関係にある稜部または該稜部に沿った近傍に第1・第2の欠落部を設けるとともに、第1・第2の欠落部の容積を異ならせたことを特徴としている。
【0008】
この構造により、一方の稜部を交わる箇所に含む2つの面に対してそれぞれ平行に電界が回る2つの共振モード同士が結合する。そして、第1・第2の欠落部のうち一方を他方に比べてその容積を大きくすることによって結合量が増し、第1・第2の欠落部の容積差が小さくなるほど結合量が小さくなる。従って、第1・第2の欠落部の容積差が小さくなるように一方の欠落部の欠落量を大きくすれば結合量を減少方向に調整することができる。
【0009】
また、この発明は、前記誘電体共振器の対角関係にある2つの稜部または該2つの稜部に沿った近傍に第1の欠落部を設け、前記2つの稜部に対してそれぞれ平行で互いに非対角関係にある2つの稜部または該2つの稜部に沿った近傍に第2の欠落部を設けるとともに、第1・第2の欠落部の容積を異ならせたことを特徴としている。
【0010】
この構造によれば、2つの共振モードの結合量を増減させるための欠落部の合計容積が増すので、より広い範囲に亘って結合量調整が可能となる。
【0011】
また、この発明は、前記誘電体共振器の互いに平行且つ対角関係にある2つの稜を含む第1の仮想面に沿って、第1の仮想面と交わる前記誘電体共振器の面に第1の溝を形成し、前記2つの稜に平行且つ互いに対角関係にある他の2つの稜を含む第2の仮想面に沿って、第2の仮想面と交わる前記誘電体共振器の面に第2の溝を形成するとともに、第1の溝と第2の溝の容積を異ならせたことを特徴としている。
【0012】
この構造の場合、上記溝に沿った方向に電界が回る一方の結合モードと、それに直交する方向に電界が回る他方の結合モードとの周波数に差が生じて、2つの共振モードが結合する。そして、第1・第2の溝のうち一方を他方に比べてその容積を大きくすることによって結合量が増し、第1・第2の溝の容積差が小さくなるほど結合量が小さくなる。従って、第1・第2の溝の容積差が小さくなるように一方の溝の欠落量を大きくすれば結合量を減少方向に調整することができる。
【0013】
また、この発明は、前記誘電体共振器の互いに平行且つ対角関係にある2つの稜を含む第1の仮想面と、前記2つの稜とは異なる互いに対角関係にある他の2つの稜を含む第2の仮想面との交差位置から離れた位置で、第1の仮想面に沿って第1の穴を設け、第2の仮想面に沿って第2の穴を設けるとともに、第1の穴と第2の穴の容積を異ならせたことを特徴としている。
【0014】
この構造によって、第1の穴と第2の穴の容積を異ならせることにより上記2つの仮想面に沿って電界が回る2つの結合モードの周波数が変化し、2つの共振モードが結合する。そして、第1の穴と第2の穴の容積の差が小さくなる方向に一方の穴を大きくすることによって結合量を減少方向に調整することが可能となる。
【0015】
また、この発明は、上記誘電体共振器と、該誘電体共振器に外部結合する外部結合手段とを備えて誘電体フィルタを構成したことを特徴としている。
【0016】
また、この発明は、上記誘電体フィルタを複数組備えるとともに、それぞれの誘電体フィルタの一方の外部結合手段を共用して複合誘電体フィルタを構成したことを特徴としている。
【0017】
また、この発明は、上記誘電体フィルタまたは複合誘電体フィルタを高周波回路部に備えて通信装置を構成したことを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に係る誘電体共振器について図1〜図6を基に説明する。
図1はキャビティ内に配置する誘電体共振器の基本形と、それを備えた誘電体共振器装置の主要部の構成を示す分解斜視図である。この例では、誘電体コア10をキャビティ1の内部に配置して誘電体共振器装置を構成している。誘電体コア10の外形は略立方体形状を成している。この誘電体コア10は支持板3に接合している。支持板3としては低誘電率で且つ誘電体コア10と線膨張係数が近似しているセラミック板を用いる。誘電体コア10は支持板3に対して接着剤により接着するか、ガラスグレースの焼付けによって接合する。
【0019】
キャビティ1は金属の成型体であり、その内面は略直方体形状を成している。このキャビティの内外面に銀電極などの導体膜を形成している。キャビティ1の内底面には4つの支持柱2を配置し、この支持柱2を介して上記支持板3を支持するようにしている。キャビティ1の上部開口面にはカバーを取り付ける。
【0020】
このようにして、キャビティ1の中央部に誘電体共振器10を配置する。図中ループ状の記号は、この誘電体共振器10に生じる3つの共振モードの電界分布の形を象徴している。すなわちx軸に垂直な面に沿って電界が回るTE01δxモード、y軸に垂直な面に沿って電界が回るTE01δyモード、z軸に垂直な面に沿って電界が回るTE01δzモードの3つの共振モードが生じる。勿論これらの共振モードの高次共振モードも生じるが、ここでは基本モードを利用する。
【0021】
図2〜図4は上記3つの共振モードの電磁界分布の例を示している。図2はTE01δxモード、図3はTE01δyモード、図4はTE01δzモードについてそれぞれ示している。これらの図中の実線の矢印は電気力線、破線の矢印は磁力線をそれぞれ表している。なお、図1の場合と同様にこれらの図についてもキャビティは省略している。
【0022】
図1〜図4に示した例では、誘電体共振器10が立方体形状であるとすると、3つの共振モードの電磁界分布は互いに直交しているので、それらは独立している。また、3つの共振モードの共振周波数はそれぞれ等しい。この3つの共振モードのうち2つの共振モードを結合させるためには次のように構成する。
【0023】
図5の(A)はTE01δxモードとTE01δyモードの電界の回る方向を面で表している。また(B)はこの2つの共振モードの結合モードであるTE01δx+yモード(偶モード)とTE01δx−yモード(奇モード)の電界の回る方向について示している。
【0024】
図6は上記2つの共振モードであるTE01δxモードとTE01δyモードの結合量を定めた誘電体共振器の構造を示している。図6の(A)に示す例では、隣り合う2つの主面Sx,Syが交わってできる稜部にテーパー状の欠落部11aを形成している。この欠落部11aは、図5の(B)に示した2つの結合モードのうち一方のTE01δx+yモードの周波数を他方のTE01δx−yモードの周波数に比べて相対的に高めることになるので、2つの結合モードの周波数に差が生じて、TE01δxモードとTE01δyモードとの間に結合が生じる。
【0025】
上記欠落部11aの容積(図1に示した基本形から差し引かれたと見なされる欠落部分の容積)を大きくするほど、上記2つの結合モード間の周波数差が大きくなって、2つの共振モード同士の結合量が増す。
【0026】
図6の(B)に示す構造では、隣り合う2つの主面Sx,Syが交わってできる稜部にテーパー状欠落部11aを形成するとともに、その稜部に対して非対角位置で且つ平行な他の稜部にもテーパー状欠落部11bを形成している。この欠落部11bは、図5の(B)に示したTE01δx−yモードの周波数を上昇させる方向に作用する。すなわち欠落部11aの作用を打ち消す方向に作用する。従って第1の欠落部11aによってTE01δxモードとTE01δyモードとの結合量を定めた後、その結合量を減少させる場合に、第2の欠落部11bを設けることによって、またその欠落部11bの容積を増すことによって、上記結合量を減少方向に定めることができる。
【0027】
図6の(C)に示す例では、第1の欠落部11aの対角関係にある稜部にもう1つの第1の欠落部11a′を形成している。同様に、第2の欠落部11bの対角位置にもう1つの第2の欠落部11b′を形成している。
【0028】
第1の欠落部11a,11a′は図5の(B)に示したTE01δx+yモードの周波数を上昇させる方向に作用し、第2の欠落部11b,11b′はTE01δx−yモードの周波数を上昇させる方向に作用する。従って図6の(B)に示した構造の誘電体共振器の場合と同様に、第1・第2の欠落部の一方の欠落部の容積を増大させた時に2つの共振モード(TE01δxモード,TE01δyモード)の結合量が増大する条件の時、他方の欠落部の容積を大きくすることによってその結合量を減少方向に調整することができる。特に図6の(C)に示したように、欠落部を対角位置に対を成すように設ければ、誘電体共振器全体の形状を大きく変化させることなく欠落部の合計容積を大きくすることができ、広範囲に亘って結合量の設定・調整が可能となる。
【0029】
次に、第2の実施形態に係る誘電体共振器について、図7・図8を基に説明する。
図7に示す例では、誘電体共振器10の隣り合う主面Sx,Syが交わってできる稜部にテーパー状の欠落部11aを形成し、この欠落部11aを形成した稜部に平行で且つ非対角位置の稜部に欠落部11bを形成している。この欠落部11a,11bは図6の(B)に示したものと同様である。図7の例では、更に隣り合う主面Sx,Szが交わってできる稜部にテーパー状欠落部12aを形成し、この欠落部12aを形成した稜部に平行で且つ非対角位置の稜部に欠落部12bを形成している。
【0030】
欠落部11a,11bは第1の実施形態の場合と同様に、TE01δxモードとTE01δyモードとの結合量を定める。欠落部12a,12bはTE01δxモードとTE01δzモードとの結合量を定める。すなわち、欠落部12aと12bの容積に差があると、TE01δxモードとTE01δzモードによる2つの結合モードの周波数に差が生じて上記2つのモード(TE01δxモード,TE01δzモード)が結合する。そして、欠落部12a,12bの容積の差が小さくなると結合量が減少するので、例えば欠落部12aの容積が12bの容積より大きい状態で、欠落部12bの容積を増大させることにより、結合量を減少方向に調整することができる。
【0031】
図8に示す例では、図7に示した欠落部11a,11b,12a,12bのそれぞれの対角位置の稜部にそれぞれ欠落部を形成したものである。従って、図6の(C)に示した場合と同様に、欠落部11aと11a′はTE01δxモードとTE01δyモード間の結合量増減に対して同方向に作用し、欠落部11b,11b′もTE01δxモードとTE01δyモード間の結合量増減に対して同方向に作用する。また、欠落部12a,12a′はTE01δxモードとTE01δzモード間の結合量の増減に対して同方向に作用し、欠落部12b,12b′もTE01δxモードとTE01δzモード間の結合量の増減に対して同方向に作用する。このような構造によれば、2つの共振モード間の結合量の増減量を大きくすることができ、また誘電体共振器10の対称性を大きく崩すことが無いのでスプリアスの発生量を抑えることができる。
【0032】
次に、第3の実施形態に係る誘電体共振器について図9〜図11を基に説明する。
図9の(A)に示す例では、誘電体共振器10の隣り合う2つの主面Sx,Syが交わってできる稜部にステップ状の、または断面V字型の欠落部11aを形成した状態を示している。欠落部がこのような形状であっても、2つの共振モード(TE01δx,TE01δy)が結合する。従って、欠落部11aを形成した稜部に平行で且つ非対角位置の稜部にステップ状または断面V字型の欠落部11bを形成すれば、この欠落部11bの容積が欠落部11aの容積より小さな状態で、欠落部11bを拡大することによって、2つの共振モードの結合量を減少方向に調整することができる。
【0033】
同様に、図9の(B)に示すように欠落部11a,11bを形成した稜部の対角関係にある稜部に欠落部11a′,11b′をそれぞれ形成してもよい。この構造は、図6の(C)に示した場合と同様の効果を持つことになる。
【0034】
図10は、図7に示した構造の誘電体共振器の欠落部の形状をステップ状または断面V字型に置き換えたものである。このような構造であっても図7の場合と同様に、互いに直交する3つの共振モードのうち、2つの共振モード同士の結合量を任意に定めることができる。
【0035】
図11に示す例では、欠落部11a,11b,12a,12bのそれぞれを断面U字型の形状としている。すなわち所定の稜部に断面U字型の溝を形成している。このような構造であっても図7・図10の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0036】
次に、第4の実施形態に係る誘電体共振器について図12・図13を基に説明する。
第1〜第3の実施形態では、何れも誘電体共振器10の稜部に欠落部を形成したが、この第4の実施形態では、稜部に沿った近傍に図12に示すように断面コ字溝型の欠落部を形成している。このように欠落部を稜部の近傍に設ければ、結合させるべき共振モードによる2つの結合モードのうち、一方の共振周波数を増減させるように作用するので、第1〜第3の実施形態の場合と同様にして結合量調整を行うことができる。図12の(A)は欠落部11bを11aに対して線対称の位置に形成した例である。(B)は、欠落部11bを11aに対して90°回転対称位置に形成した例である。また(C)は欠落部11a,11bに対してそれぞれ対角位置(180°回転対称位置)に対を成す欠落部11a′,11b′を形成している。
【0037】
図13は、図7に示した欠落部11a,11b,12a,12bをそれぞれ断面コ字型の溝に置換し、且つそれらの溝を稜部に沿って稜部近傍に形成したものである。但し、この例では欠落部12a,12bを図において下方に配置している。このような構造によっても図7に示した場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0038】
次に、第5の実施形態に係る誘電体共振器について図14を基に説明する。
図14の(A)に示す例では、誘電体共振器10の、互いに平行且つ対角関係にある2つの稜E4とその対角位置の稜を含む仮想面に沿って誘電体共振器10の上面に第1の溝13aを形成している。同様に、誘電体共振器10の、互いに平行且つ対角関係にある2つの稜E1,E3を含む仮想面に沿って上面に第2の溝13bを形成している。
第1の溝13aは、図5の(B)に示したように、TE01δx+yの周波数を上昇させる方向に作用し、第2の溝13bはもう1つの結合モードであるTE01δx−yモードの周波数を上昇させる方向に作用する。従って第1の溝13aと第2の溝13bの容積を異ならせることによって、TE01δxモードとTE01δyモードとを結合させることができる。そして、例えば第1の溝13aを第2の溝13bより深く(または広く)形成しておけば、第2の溝13bを深く(または広く)するに伴って上記2つの共振モード間の結合量を減少方向に調整することができる。
【0039】
図14の(B)に示す例は、第1の溝13aと第2の溝13bの長さを短くして、誘電体共振器の角部分にまで達しない範囲で形成した例を示している。このような構造によれば、第1・第2の溝13a,13bの容積は溝の深さや幅だけでなく長さによっても調整することができる。
【0040】
次に、第6の実施形態に係る誘電体共振器について図15・図16を基に説明する。
図15の(A)に示す例では、平行且つ対角関係にある2つの稜E1,E3を含む仮想面VS1に沿って、且つ仮想面VS1の中央から離れた位置に第1の穴15aを形成している。また稜E4とそれに平行且つ対角関係にあるもう1つの稜を含む仮想面VS2に沿って、且つその仮想面VS2の中央部から離れた位置に第2の穴15bを設けている。第1の穴15aは図5の(B)に示した関係から明らかなように、TE01δx−yモードの周波数を上昇させる方向に作用し、第2の穴15bはTE01δx+yモードの周波数を上昇させる方向に作用する。従って、誘電体共振器10がTE01δx+yモードとTE01δx−yモードに対して対称形であるとき、第1の穴15aと第2の穴15bの容積に差があると、2つの共振モード(TE01δx,TE01δy)同士が結合する。そして、第1の穴15aの容積が第2の穴15bの容積より大きい状態で、第2の穴15bを拡大していくことによって、上記2つの共振モード間の結合量を減少方向に調整することができる。
【0041】
図15の(B)に示す例では、2つの仮想面VS1とVS2の交わってできる線を対称軸として、略線対称の位置に第1の溝15a,15a′設け、同様に第2の溝15b,15b′を設けている。この構造によれば、上記2つの共振モード間の結合量の調整範囲を広げることができる。また誘電体共振器10の対称性を大きく崩すことが無いので、スプリアスの発生を抑えることができる。
【0042】
図16は誘電体共振器10に生じる3つの共振モードの2組の共振モード間の結合をとるようにした例を示している。仮想面VS1,VS2に沿って穴15a,15a′,15b,15b′を形成した構造は図15の(B)と同様である。これと同様にして仮想面VS3に沿って第1の穴16a,16a′を設け、仮想面VS4に沿って第2の穴16b,16b′を設けている。従ってこれらの穴16a,16a′,16b,16b′によってTE01δzモードとTE01δyモードとの結合量を定めることができる。
【0043】
次に、第7の実施形態に係る誘電体フィルタの構成を図17を基に説明する。
図17はキャビティ内における誘電体共振器およびそれに結合する結合ループとの位置関係を示している。この誘電体共振器10は図7に示した誘電体共振器と同一である。図中キャビティは省略している。結合ループKy,Kzはそれぞれの一端を、キャビティに取り付けた同軸コネクタの中心導体に接続していて、他端をキャビティの内面にそれぞれ接続している。結合ループKyはそのループ面をx−z面に向けている。結合ループKzはそのループ面をx−y面に向けている。従って結合ループKyはTE01δyモードに磁界結合し、結合ループKzはTE01δzモードに磁界結合する。
【0044】
図7を用いて既に説明したように、TE01δxモードはTE01δyモードと結合し、同時にTE01δzモードとも結合するので、2つの結合ループKy,Kz間に、TE01δyモード共振器→TE01δxモード共振器→TE01δzモード共振器の順に結合した3つの共振器が等価的に存在する。これにより3段の共振器から成る帯域通過フィルタ特性を有するフィルタを構成することができる。
【0045】
次に、第8の実施形態に係る複合誘電体フィルタおよび通信装置の構成を図18に示す。
ここで、デュプレクサは送信フィルタと受信フィルタとから構成している。この送信フィルタと受信フィルタは、いずれも、前述した構成のフィルタである。送信フィルタの出力ポートと受信フィルタの入力ポートとの間は、送信信号が受信フィルタ側へ回り込まないように、また、受信信号が送信フィルタ側へ回り込まないように、位相調整を行っている。このデュプレクサの送信信号入力ポートには送信回路を、受信信号出力ポートには受信回路をそれぞれ接続している。また、アンテナポートにはアンテナを接続している。このようにして、この発明に係る誘電体共振器を備えた通信装置を構成する。
【0046】
【発明の効果】
この発明によれば、誘電体共振器の互いに平行且つ非対角関係にある稜部または該稜部に沿った近傍に設けた第1・第2の欠落部のうち一方を大きくすれば結合量を減少方向に調整することができる。そのため、結合量調整が容易となり、誘電体共振器製造時の良品率を向上させることができる。
【0047】
また、この発明によれば、誘電体共振器の対角関係にある2つの稜部にまたは該2つの稜部に沿った近傍に第1の欠落部を設け、前記2つの稜部に対して平行且つ非対角関係にある2つの稜部または該2つの稜部に沿った近傍に第2の欠落部を設けることにより、2つの共振モードの結合量を増減させるための欠落部の合計容積が増すので、より広い範囲に亘って結合量調整が可能となる。
【0048】
また、この発明によれば、誘電体共振器の互いに平行且つ対角関係にある2つの稜を含む第1の仮想面に沿って、第1の仮想面と交わる誘電体共振器の面に第1の溝を形成し、2つの稜に平行且つ互いに対角関係にある他の2つの稜を含む第2の仮想面に沿って、第2の仮想面と交わる誘電体共振器の面に第2の溝を形成するようにしたので、第1・第2の溝のうち一方を大きくすれば結合量を減少方向に調整することができる。そのため、結合量調整が容易となり、誘電体共振器製造時の良品率を向上させることができる。
【0049】
また、この発明によれば、前記第1の仮想面に沿って、且つ該第1の仮想面の中央部から離れた位置に第1の穴を設け、前記第2の仮想面に沿って、且つ当該仮想面の中央部から離れた位置に第2の穴を設けるようにしたので、第1・第2の穴のうち一方を大きくすれば結合量を減少方向に調整することができる。そのため、結合量調整が容易となり、誘電体共振器製造時の良品率を向上させることができる。
【0050】
また、この発明によれば、上記の誘電体共振器装置と、それに外部結合する外部結合手段を備えて、所望の帯域通過特性を有する誘電体フィルタおよび複合誘電体フィルタが容易に得られる。
【0051】
また、この発明によれば、上記誘電体フィルタまたは複合誘電体フィルタを高周波回路部に備えて、低コストな通信装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る誘電体共振器の基本的な構造を示す斜視図
【図2】TE01δxモードの電磁界分布を示す図
【図3】TE01δyモードの電磁界分布を示す図
【図4】TE01δzモードの電磁界分布を示す図
【図5】2つの共振モードとその結合モードの電界の向きを示す図
【図6】2つの共振モード同士を結合させるための構造を示す図
【図7】第2の実施形態に係る誘電体共振器の斜視図
【図8】第2の実施形態に係る別構造の誘電体共振器の斜視図
【図9】第3の実施形態に係る誘電体共振器の斜視図
【図10】第3の実施形態に係る別構造の誘電体共振器の斜視図
【図11】第3の実施形態に係る別構造の誘電体共振器の斜視図
【図12】第4の実施形態に係る誘電体共振器の斜視図
【図13】第4の実施形態に係る別構造の誘電体共振器の斜視図
【図14】第5の実施形態に係る誘電体共振器の斜視図
【図15】第6の実施形態に係る誘電体共振器の斜視図
【図16】第6の実施形態に係る別構造の誘電体共振器の斜視図
【図17】第7の実施形態に係る誘電体フィルタの主要部の構成を示す斜視図
【図18】第8の実施形態に係る複合誘電体フィルタおよび通信装置の構成を示す図
【符号の説明】
10−誘電体共振器
11a,11a′,12a,12a′−第1の欠落部
11b,11b′,12b,12b′−第2の欠落部
13a−第1の溝
13b−第2の溝
15a,15a′,16a,16a′−第1の穴
15b,15b′,16b,16b′−第2の穴
Sx,Sy−誘電体共振器の主面
E1〜E4−稜
VS1,VS2−仮想面
Ky,Kz−結合ループ
【発明の属する技術分野】
この発明は、多重モードで動作する誘電体共振器、それを備えた誘電体フィルタ、複合誘電体フィルタおよび通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、1個の誘電体ブロックを複数の共振モードで共振させるようにした多重モードの誘電体共振器が用いられている(例えば特許文献1)。
特許文献1の誘電体共振器は、略直方体形状の誘電体ブロックの稜部の少なくとも一部に斜平面を設けて2つの共振モード同士を結合させるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−151906公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に示されている誘電体共振器の場合、隣り合う2つの面が交わってできる稜部に面取り形状の斜平面を形成した場合、その隣り合う2つの面にそれぞれ平行な方向に電界が回る2つのTE01δモード同士が結合する。
【0005】
ところが、上記斜平面を誘電体共振器のプレス成型により予め形成するにしても、成型後に切削加工により形成するにしても、その斜平面を大きくするほどすなわち大きく面取りするほど、上記2つの共振モード同士の結合量が増大する。従って2つの共振モードの結合量を増す方向にしか結合量調整を行うことができない。その為、上記斜平面を大きく形成しすぎた場合に所定の結合量に戻すことができないので、結合量調整が容易でないという問題を備えている。換言すると、結合量の実質的な調整が不能となる誘電体共振器ができてしまい、誘電体共振器製造時の良品率を上げにくいという問題があった。
【0006】
この発明の目的は、上述の問題を解消して、2つの共振モード間の結合量を減少方向へも調整可能とし、その調整を行った誘電体共振器を提供すること、およびその誘電体共振器を備えた誘電体フィルタ、複合誘電体フィルタおよび通信装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、キャビティ内に配置される、全体が略直方体形状をなすTE01δ多重モードの誘電体共振器において、誘電体共振器の互いに平行且つ非対角関係にある稜部または該稜部に沿った近傍に第1・第2の欠落部を設けるとともに、第1・第2の欠落部の容積を異ならせたことを特徴としている。
【0008】
この構造により、一方の稜部を交わる箇所に含む2つの面に対してそれぞれ平行に電界が回る2つの共振モード同士が結合する。そして、第1・第2の欠落部のうち一方を他方に比べてその容積を大きくすることによって結合量が増し、第1・第2の欠落部の容積差が小さくなるほど結合量が小さくなる。従って、第1・第2の欠落部の容積差が小さくなるように一方の欠落部の欠落量を大きくすれば結合量を減少方向に調整することができる。
【0009】
また、この発明は、前記誘電体共振器の対角関係にある2つの稜部または該2つの稜部に沿った近傍に第1の欠落部を設け、前記2つの稜部に対してそれぞれ平行で互いに非対角関係にある2つの稜部または該2つの稜部に沿った近傍に第2の欠落部を設けるとともに、第1・第2の欠落部の容積を異ならせたことを特徴としている。
【0010】
この構造によれば、2つの共振モードの結合量を増減させるための欠落部の合計容積が増すので、より広い範囲に亘って結合量調整が可能となる。
【0011】
また、この発明は、前記誘電体共振器の互いに平行且つ対角関係にある2つの稜を含む第1の仮想面に沿って、第1の仮想面と交わる前記誘電体共振器の面に第1の溝を形成し、前記2つの稜に平行且つ互いに対角関係にある他の2つの稜を含む第2の仮想面に沿って、第2の仮想面と交わる前記誘電体共振器の面に第2の溝を形成するとともに、第1の溝と第2の溝の容積を異ならせたことを特徴としている。
【0012】
この構造の場合、上記溝に沿った方向に電界が回る一方の結合モードと、それに直交する方向に電界が回る他方の結合モードとの周波数に差が生じて、2つの共振モードが結合する。そして、第1・第2の溝のうち一方を他方に比べてその容積を大きくすることによって結合量が増し、第1・第2の溝の容積差が小さくなるほど結合量が小さくなる。従って、第1・第2の溝の容積差が小さくなるように一方の溝の欠落量を大きくすれば結合量を減少方向に調整することができる。
【0013】
また、この発明は、前記誘電体共振器の互いに平行且つ対角関係にある2つの稜を含む第1の仮想面と、前記2つの稜とは異なる互いに対角関係にある他の2つの稜を含む第2の仮想面との交差位置から離れた位置で、第1の仮想面に沿って第1の穴を設け、第2の仮想面に沿って第2の穴を設けるとともに、第1の穴と第2の穴の容積を異ならせたことを特徴としている。
【0014】
この構造によって、第1の穴と第2の穴の容積を異ならせることにより上記2つの仮想面に沿って電界が回る2つの結合モードの周波数が変化し、2つの共振モードが結合する。そして、第1の穴と第2の穴の容積の差が小さくなる方向に一方の穴を大きくすることによって結合量を減少方向に調整することが可能となる。
【0015】
また、この発明は、上記誘電体共振器と、該誘電体共振器に外部結合する外部結合手段とを備えて誘電体フィルタを構成したことを特徴としている。
【0016】
また、この発明は、上記誘電体フィルタを複数組備えるとともに、それぞれの誘電体フィルタの一方の外部結合手段を共用して複合誘電体フィルタを構成したことを特徴としている。
【0017】
また、この発明は、上記誘電体フィルタまたは複合誘電体フィルタを高周波回路部に備えて通信装置を構成したことを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に係る誘電体共振器について図1〜図6を基に説明する。
図1はキャビティ内に配置する誘電体共振器の基本形と、それを備えた誘電体共振器装置の主要部の構成を示す分解斜視図である。この例では、誘電体コア10をキャビティ1の内部に配置して誘電体共振器装置を構成している。誘電体コア10の外形は略立方体形状を成している。この誘電体コア10は支持板3に接合している。支持板3としては低誘電率で且つ誘電体コア10と線膨張係数が近似しているセラミック板を用いる。誘電体コア10は支持板3に対して接着剤により接着するか、ガラスグレースの焼付けによって接合する。
【0019】
キャビティ1は金属の成型体であり、その内面は略直方体形状を成している。このキャビティの内外面に銀電極などの導体膜を形成している。キャビティ1の内底面には4つの支持柱2を配置し、この支持柱2を介して上記支持板3を支持するようにしている。キャビティ1の上部開口面にはカバーを取り付ける。
【0020】
このようにして、キャビティ1の中央部に誘電体共振器10を配置する。図中ループ状の記号は、この誘電体共振器10に生じる3つの共振モードの電界分布の形を象徴している。すなわちx軸に垂直な面に沿って電界が回るTE01δxモード、y軸に垂直な面に沿って電界が回るTE01δyモード、z軸に垂直な面に沿って電界が回るTE01δzモードの3つの共振モードが生じる。勿論これらの共振モードの高次共振モードも生じるが、ここでは基本モードを利用する。
【0021】
図2〜図4は上記3つの共振モードの電磁界分布の例を示している。図2はTE01δxモード、図3はTE01δyモード、図4はTE01δzモードについてそれぞれ示している。これらの図中の実線の矢印は電気力線、破線の矢印は磁力線をそれぞれ表している。なお、図1の場合と同様にこれらの図についてもキャビティは省略している。
【0022】
図1〜図4に示した例では、誘電体共振器10が立方体形状であるとすると、3つの共振モードの電磁界分布は互いに直交しているので、それらは独立している。また、3つの共振モードの共振周波数はそれぞれ等しい。この3つの共振モードのうち2つの共振モードを結合させるためには次のように構成する。
【0023】
図5の(A)はTE01δxモードとTE01δyモードの電界の回る方向を面で表している。また(B)はこの2つの共振モードの結合モードであるTE01δx+yモード(偶モード)とTE01δx−yモード(奇モード)の電界の回る方向について示している。
【0024】
図6は上記2つの共振モードであるTE01δxモードとTE01δyモードの結合量を定めた誘電体共振器の構造を示している。図6の(A)に示す例では、隣り合う2つの主面Sx,Syが交わってできる稜部にテーパー状の欠落部11aを形成している。この欠落部11aは、図5の(B)に示した2つの結合モードのうち一方のTE01δx+yモードの周波数を他方のTE01δx−yモードの周波数に比べて相対的に高めることになるので、2つの結合モードの周波数に差が生じて、TE01δxモードとTE01δyモードとの間に結合が生じる。
【0025】
上記欠落部11aの容積(図1に示した基本形から差し引かれたと見なされる欠落部分の容積)を大きくするほど、上記2つの結合モード間の周波数差が大きくなって、2つの共振モード同士の結合量が増す。
【0026】
図6の(B)に示す構造では、隣り合う2つの主面Sx,Syが交わってできる稜部にテーパー状欠落部11aを形成するとともに、その稜部に対して非対角位置で且つ平行な他の稜部にもテーパー状欠落部11bを形成している。この欠落部11bは、図5の(B)に示したTE01δx−yモードの周波数を上昇させる方向に作用する。すなわち欠落部11aの作用を打ち消す方向に作用する。従って第1の欠落部11aによってTE01δxモードとTE01δyモードとの結合量を定めた後、その結合量を減少させる場合に、第2の欠落部11bを設けることによって、またその欠落部11bの容積を増すことによって、上記結合量を減少方向に定めることができる。
【0027】
図6の(C)に示す例では、第1の欠落部11aの対角関係にある稜部にもう1つの第1の欠落部11a′を形成している。同様に、第2の欠落部11bの対角位置にもう1つの第2の欠落部11b′を形成している。
【0028】
第1の欠落部11a,11a′は図5の(B)に示したTE01δx+yモードの周波数を上昇させる方向に作用し、第2の欠落部11b,11b′はTE01δx−yモードの周波数を上昇させる方向に作用する。従って図6の(B)に示した構造の誘電体共振器の場合と同様に、第1・第2の欠落部の一方の欠落部の容積を増大させた時に2つの共振モード(TE01δxモード,TE01δyモード)の結合量が増大する条件の時、他方の欠落部の容積を大きくすることによってその結合量を減少方向に調整することができる。特に図6の(C)に示したように、欠落部を対角位置に対を成すように設ければ、誘電体共振器全体の形状を大きく変化させることなく欠落部の合計容積を大きくすることができ、広範囲に亘って結合量の設定・調整が可能となる。
【0029】
次に、第2の実施形態に係る誘電体共振器について、図7・図8を基に説明する。
図7に示す例では、誘電体共振器10の隣り合う主面Sx,Syが交わってできる稜部にテーパー状の欠落部11aを形成し、この欠落部11aを形成した稜部に平行で且つ非対角位置の稜部に欠落部11bを形成している。この欠落部11a,11bは図6の(B)に示したものと同様である。図7の例では、更に隣り合う主面Sx,Szが交わってできる稜部にテーパー状欠落部12aを形成し、この欠落部12aを形成した稜部に平行で且つ非対角位置の稜部に欠落部12bを形成している。
【0030】
欠落部11a,11bは第1の実施形態の場合と同様に、TE01δxモードとTE01δyモードとの結合量を定める。欠落部12a,12bはTE01δxモードとTE01δzモードとの結合量を定める。すなわち、欠落部12aと12bの容積に差があると、TE01δxモードとTE01δzモードによる2つの結合モードの周波数に差が生じて上記2つのモード(TE01δxモード,TE01δzモード)が結合する。そして、欠落部12a,12bの容積の差が小さくなると結合量が減少するので、例えば欠落部12aの容積が12bの容積より大きい状態で、欠落部12bの容積を増大させることにより、結合量を減少方向に調整することができる。
【0031】
図8に示す例では、図7に示した欠落部11a,11b,12a,12bのそれぞれの対角位置の稜部にそれぞれ欠落部を形成したものである。従って、図6の(C)に示した場合と同様に、欠落部11aと11a′はTE01δxモードとTE01δyモード間の結合量増減に対して同方向に作用し、欠落部11b,11b′もTE01δxモードとTE01δyモード間の結合量増減に対して同方向に作用する。また、欠落部12a,12a′はTE01δxモードとTE01δzモード間の結合量の増減に対して同方向に作用し、欠落部12b,12b′もTE01δxモードとTE01δzモード間の結合量の増減に対して同方向に作用する。このような構造によれば、2つの共振モード間の結合量の増減量を大きくすることができ、また誘電体共振器10の対称性を大きく崩すことが無いのでスプリアスの発生量を抑えることができる。
【0032】
次に、第3の実施形態に係る誘電体共振器について図9〜図11を基に説明する。
図9の(A)に示す例では、誘電体共振器10の隣り合う2つの主面Sx,Syが交わってできる稜部にステップ状の、または断面V字型の欠落部11aを形成した状態を示している。欠落部がこのような形状であっても、2つの共振モード(TE01δx,TE01δy)が結合する。従って、欠落部11aを形成した稜部に平行で且つ非対角位置の稜部にステップ状または断面V字型の欠落部11bを形成すれば、この欠落部11bの容積が欠落部11aの容積より小さな状態で、欠落部11bを拡大することによって、2つの共振モードの結合量を減少方向に調整することができる。
【0033】
同様に、図9の(B)に示すように欠落部11a,11bを形成した稜部の対角関係にある稜部に欠落部11a′,11b′をそれぞれ形成してもよい。この構造は、図6の(C)に示した場合と同様の効果を持つことになる。
【0034】
図10は、図7に示した構造の誘電体共振器の欠落部の形状をステップ状または断面V字型に置き換えたものである。このような構造であっても図7の場合と同様に、互いに直交する3つの共振モードのうち、2つの共振モード同士の結合量を任意に定めることができる。
【0035】
図11に示す例では、欠落部11a,11b,12a,12bのそれぞれを断面U字型の形状としている。すなわち所定の稜部に断面U字型の溝を形成している。このような構造であっても図7・図10の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0036】
次に、第4の実施形態に係る誘電体共振器について図12・図13を基に説明する。
第1〜第3の実施形態では、何れも誘電体共振器10の稜部に欠落部を形成したが、この第4の実施形態では、稜部に沿った近傍に図12に示すように断面コ字溝型の欠落部を形成している。このように欠落部を稜部の近傍に設ければ、結合させるべき共振モードによる2つの結合モードのうち、一方の共振周波数を増減させるように作用するので、第1〜第3の実施形態の場合と同様にして結合量調整を行うことができる。図12の(A)は欠落部11bを11aに対して線対称の位置に形成した例である。(B)は、欠落部11bを11aに対して90°回転対称位置に形成した例である。また(C)は欠落部11a,11bに対してそれぞれ対角位置(180°回転対称位置)に対を成す欠落部11a′,11b′を形成している。
【0037】
図13は、図7に示した欠落部11a,11b,12a,12bをそれぞれ断面コ字型の溝に置換し、且つそれらの溝を稜部に沿って稜部近傍に形成したものである。但し、この例では欠落部12a,12bを図において下方に配置している。このような構造によっても図7に示した場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0038】
次に、第5の実施形態に係る誘電体共振器について図14を基に説明する。
図14の(A)に示す例では、誘電体共振器10の、互いに平行且つ対角関係にある2つの稜E4とその対角位置の稜を含む仮想面に沿って誘電体共振器10の上面に第1の溝13aを形成している。同様に、誘電体共振器10の、互いに平行且つ対角関係にある2つの稜E1,E3を含む仮想面に沿って上面に第2の溝13bを形成している。
第1の溝13aは、図5の(B)に示したように、TE01δx+yの周波数を上昇させる方向に作用し、第2の溝13bはもう1つの結合モードであるTE01δx−yモードの周波数を上昇させる方向に作用する。従って第1の溝13aと第2の溝13bの容積を異ならせることによって、TE01δxモードとTE01δyモードとを結合させることができる。そして、例えば第1の溝13aを第2の溝13bより深く(または広く)形成しておけば、第2の溝13bを深く(または広く)するに伴って上記2つの共振モード間の結合量を減少方向に調整することができる。
【0039】
図14の(B)に示す例は、第1の溝13aと第2の溝13bの長さを短くして、誘電体共振器の角部分にまで達しない範囲で形成した例を示している。このような構造によれば、第1・第2の溝13a,13bの容積は溝の深さや幅だけでなく長さによっても調整することができる。
【0040】
次に、第6の実施形態に係る誘電体共振器について図15・図16を基に説明する。
図15の(A)に示す例では、平行且つ対角関係にある2つの稜E1,E3を含む仮想面VS1に沿って、且つ仮想面VS1の中央から離れた位置に第1の穴15aを形成している。また稜E4とそれに平行且つ対角関係にあるもう1つの稜を含む仮想面VS2に沿って、且つその仮想面VS2の中央部から離れた位置に第2の穴15bを設けている。第1の穴15aは図5の(B)に示した関係から明らかなように、TE01δx−yモードの周波数を上昇させる方向に作用し、第2の穴15bはTE01δx+yモードの周波数を上昇させる方向に作用する。従って、誘電体共振器10がTE01δx+yモードとTE01δx−yモードに対して対称形であるとき、第1の穴15aと第2の穴15bの容積に差があると、2つの共振モード(TE01δx,TE01δy)同士が結合する。そして、第1の穴15aの容積が第2の穴15bの容積より大きい状態で、第2の穴15bを拡大していくことによって、上記2つの共振モード間の結合量を減少方向に調整することができる。
【0041】
図15の(B)に示す例では、2つの仮想面VS1とVS2の交わってできる線を対称軸として、略線対称の位置に第1の溝15a,15a′設け、同様に第2の溝15b,15b′を設けている。この構造によれば、上記2つの共振モード間の結合量の調整範囲を広げることができる。また誘電体共振器10の対称性を大きく崩すことが無いので、スプリアスの発生を抑えることができる。
【0042】
図16は誘電体共振器10に生じる3つの共振モードの2組の共振モード間の結合をとるようにした例を示している。仮想面VS1,VS2に沿って穴15a,15a′,15b,15b′を形成した構造は図15の(B)と同様である。これと同様にして仮想面VS3に沿って第1の穴16a,16a′を設け、仮想面VS4に沿って第2の穴16b,16b′を設けている。従ってこれらの穴16a,16a′,16b,16b′によってTE01δzモードとTE01δyモードとの結合量を定めることができる。
【0043】
次に、第7の実施形態に係る誘電体フィルタの構成を図17を基に説明する。
図17はキャビティ内における誘電体共振器およびそれに結合する結合ループとの位置関係を示している。この誘電体共振器10は図7に示した誘電体共振器と同一である。図中キャビティは省略している。結合ループKy,Kzはそれぞれの一端を、キャビティに取り付けた同軸コネクタの中心導体に接続していて、他端をキャビティの内面にそれぞれ接続している。結合ループKyはそのループ面をx−z面に向けている。結合ループKzはそのループ面をx−y面に向けている。従って結合ループKyはTE01δyモードに磁界結合し、結合ループKzはTE01δzモードに磁界結合する。
【0044】
図7を用いて既に説明したように、TE01δxモードはTE01δyモードと結合し、同時にTE01δzモードとも結合するので、2つの結合ループKy,Kz間に、TE01δyモード共振器→TE01δxモード共振器→TE01δzモード共振器の順に結合した3つの共振器が等価的に存在する。これにより3段の共振器から成る帯域通過フィルタ特性を有するフィルタを構成することができる。
【0045】
次に、第8の実施形態に係る複合誘電体フィルタおよび通信装置の構成を図18に示す。
ここで、デュプレクサは送信フィルタと受信フィルタとから構成している。この送信フィルタと受信フィルタは、いずれも、前述した構成のフィルタである。送信フィルタの出力ポートと受信フィルタの入力ポートとの間は、送信信号が受信フィルタ側へ回り込まないように、また、受信信号が送信フィルタ側へ回り込まないように、位相調整を行っている。このデュプレクサの送信信号入力ポートには送信回路を、受信信号出力ポートには受信回路をそれぞれ接続している。また、アンテナポートにはアンテナを接続している。このようにして、この発明に係る誘電体共振器を備えた通信装置を構成する。
【0046】
【発明の効果】
この発明によれば、誘電体共振器の互いに平行且つ非対角関係にある稜部または該稜部に沿った近傍に設けた第1・第2の欠落部のうち一方を大きくすれば結合量を減少方向に調整することができる。そのため、結合量調整が容易となり、誘電体共振器製造時の良品率を向上させることができる。
【0047】
また、この発明によれば、誘電体共振器の対角関係にある2つの稜部にまたは該2つの稜部に沿った近傍に第1の欠落部を設け、前記2つの稜部に対して平行且つ非対角関係にある2つの稜部または該2つの稜部に沿った近傍に第2の欠落部を設けることにより、2つの共振モードの結合量を増減させるための欠落部の合計容積が増すので、より広い範囲に亘って結合量調整が可能となる。
【0048】
また、この発明によれば、誘電体共振器の互いに平行且つ対角関係にある2つの稜を含む第1の仮想面に沿って、第1の仮想面と交わる誘電体共振器の面に第1の溝を形成し、2つの稜に平行且つ互いに対角関係にある他の2つの稜を含む第2の仮想面に沿って、第2の仮想面と交わる誘電体共振器の面に第2の溝を形成するようにしたので、第1・第2の溝のうち一方を大きくすれば結合量を減少方向に調整することができる。そのため、結合量調整が容易となり、誘電体共振器製造時の良品率を向上させることができる。
【0049】
また、この発明によれば、前記第1の仮想面に沿って、且つ該第1の仮想面の中央部から離れた位置に第1の穴を設け、前記第2の仮想面に沿って、且つ当該仮想面の中央部から離れた位置に第2の穴を設けるようにしたので、第1・第2の穴のうち一方を大きくすれば結合量を減少方向に調整することができる。そのため、結合量調整が容易となり、誘電体共振器製造時の良品率を向上させることができる。
【0050】
また、この発明によれば、上記の誘電体共振器装置と、それに外部結合する外部結合手段を備えて、所望の帯域通過特性を有する誘電体フィルタおよび複合誘電体フィルタが容易に得られる。
【0051】
また、この発明によれば、上記誘電体フィルタまたは複合誘電体フィルタを高周波回路部に備えて、低コストな通信装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る誘電体共振器の基本的な構造を示す斜視図
【図2】TE01δxモードの電磁界分布を示す図
【図3】TE01δyモードの電磁界分布を示す図
【図4】TE01δzモードの電磁界分布を示す図
【図5】2つの共振モードとその結合モードの電界の向きを示す図
【図6】2つの共振モード同士を結合させるための構造を示す図
【図7】第2の実施形態に係る誘電体共振器の斜視図
【図8】第2の実施形態に係る別構造の誘電体共振器の斜視図
【図9】第3の実施形態に係る誘電体共振器の斜視図
【図10】第3の実施形態に係る別構造の誘電体共振器の斜視図
【図11】第3の実施形態に係る別構造の誘電体共振器の斜視図
【図12】第4の実施形態に係る誘電体共振器の斜視図
【図13】第4の実施形態に係る別構造の誘電体共振器の斜視図
【図14】第5の実施形態に係る誘電体共振器の斜視図
【図15】第6の実施形態に係る誘電体共振器の斜視図
【図16】第6の実施形態に係る別構造の誘電体共振器の斜視図
【図17】第7の実施形態に係る誘電体フィルタの主要部の構成を示す斜視図
【図18】第8の実施形態に係る複合誘電体フィルタおよび通信装置の構成を示す図
【符号の説明】
10−誘電体共振器
11a,11a′,12a,12a′−第1の欠落部
11b,11b′,12b,12b′−第2の欠落部
13a−第1の溝
13b−第2の溝
15a,15a′,16a,16a′−第1の穴
15b,15b′,16b,16b′−第2の穴
Sx,Sy−誘電体共振器の主面
E1〜E4−稜
VS1,VS2−仮想面
Ky,Kz−結合ループ
Claims (7)
- キャビティ内に配置される、全体が略直方体形状をなすTE01δ多重モードの誘電体共振器において、
前記誘電体共振器の互いに平行且つ非対角関係にある稜部または該稜部に沿った近傍に第1・第2の欠落部を設けるとともに、第1・第2の欠落部の容積を異ならせたことを特徴とする誘電体共振器。 - キャビティ内に配置される、全体が略直方体形状をなすTE01δ多重モードの誘電体共振器において、
前記誘電体共振器の対角関係にある2つの稜部または該2つの稜部に沿った近傍に第1の欠落部を設け、前記2つの稜部に対してそれぞれ平行で互いに非対角関係にある2つの稜部または該2つの稜部に沿った近傍に第2の欠落部を設けるとともに、第1・第2の欠落部の容積を異ならせたことを特徴とする誘電体共振器。 - キャビティ内に配置される、全体が略直方体形状をなすTE01δ多重モードの誘電体共振器において、
前記誘電体共振器の互いに平行且つ対角関係にある2つの稜を含む第1の仮想面に沿って、第1の仮想面と交わる前記誘電体共振器の面に第1の溝を形成し、前記2つの稜に平行且つ互いに対角関係にある他の2つの稜を含む第2の仮想面に沿って、第2の仮想面と交わる前記誘電体共振器の面に第2の溝を形成するとともに、第1の溝と第2の溝の容積を異ならせたことを特徴とする誘電体共振器。 - キャビティ内に配置される、全体が略直方体形状をなすTE01δ多重モードの誘電体共振器において、
前記誘電体共振器の互いに平行且つ対角関係にある2つの稜を含む第1の仮想面と、前記2つの稜とは異なる互いに対角関係にある他の2つの稜を含む第2の仮想面との交差位置から離れた位置で、第1の仮想面に沿って第1の穴を設け、第2の仮想面に沿って第2の穴を設けるとともに、第1の穴と第2の穴の容積を異ならせたことを特徴とする誘電体共振器。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の誘電体共振器と、該誘電体共振器に外部結合する外部結合手段とを備えてなる誘電体フィルタ。
- 請求項5に記載の誘電体フィルタを複数組備えるとともに、それぞれの誘電体フィルタの一方の外部結合手段を共用した複合誘電体フィルタ。
- 請求項5に記載の誘電体フィルタまたは請求項6に記載の複合誘電体フィルタを高周波回路部に備えた通信装置。
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