JP3504680B2 - 光学素子及び光ビーム走査装置 - Google Patents

光学素子及び光ビーム走査装置

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JP3504680B2
JP3504680B2 JP644993A JP644993A JP3504680B2 JP 3504680 B2 JP3504680 B2 JP 3504680B2 JP 644993 A JP644993 A JP 644993A JP 644993 A JP644993 A JP 644993A JP 3504680 B2 JP3504680 B2 JP 3504680B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ビームの集光位置を補
正するための光学素子及びこの光学素子を用いて集光位
置を補正した光ビームを被照射体上に走査する光ビーム
走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ビームによって文字、画像等を記録材
料に記録する装置として、例えばコンピュータ出力情報
に基づいてレーザビームを走査してマイクロフィルム等
の記録材料に文字等の情報を直接記録するレーザコンピ
ュータアウトプットマイクロフィルマー(レーザCO
M)が知られている(特開昭55-67722号公報)。このよ
うなレーザビーム記録装置では、レーザビームを回転多
面鏡(ポリゴンミラー)やガルバノメータミラー等の走
査手段によって走査させた後にf・θレンズ等の走査レ
ンズによって記録材料の記録面上に結像させ、記録材料
に文字、画像等を記録するようにしている。
【0003】ところで、走査レンズには一般に像面湾曲
が残存しており、つまり、理想的な(波面収差のない)
レーザビームが走査レンズに入射しても、ビームウエス
ト位置が記録材料の記録面に一致しないという現象があ
る。さらに、走査レンズの曲率が一様でない等の理由に
より、走査手段によって走査され走査レンズを通過した
レーザビームはビームウエスト位置が必ずしも記録面に
一致しない(所謂オフセット)。また、特に半導体レー
ザ及び光学系は非点収差を有しており、レーザビームと
して半導体レーザから射出されたレーザビームを用いた
場合、半導体レーザ及び光学系の非点収差によってレー
ザビームの主走査方向(メリジオナル方向)のビームウ
エスト位置と副走査方向(サジタル方向)のビームウエ
スト位置とにずれ(所謂非点隔差)が生ずる。
【0004】例えば図8に示すように、半導体レーザ1
50から射出されコリメータ152でコリメートされた
レーザビームをポリゴンミラー154によって走査方向
(図8矢印C方向)に沿って走査させ、f・θレンズ1
56によって記録材料の記録面158上に結像させる
と、図9に示すように、レーザビームのメリジオナル方
向(図9矢印M方向)のビームウエスト位置WM とサジ
タル方向(図9矢印S方向)のビームウエスト位置WS
に非点隔差が生じ、レーザビームの走査に伴って、メリ
ジオナル方向のビームウエスト位置は図8に破線で示す
軌跡を辿り、サジタル方向のビームウエスト位置は図8
に一点鎖線で示す軌跡を辿る(このようなビームウエス
ト位置の軌跡を以下像面という)。
【0005】図8より明らかなように、レーザビームの
メリジオナル方向の像面160及びサジタル方向の像面
162は記録面158に対して湾曲し、かつ湾曲の具合
が像面160と像面162とで異なっており、これに伴
い記録面158に照射されるレーザビームの形状に歪み
が生じ、記録面に記録される文字、画像等が部分的に不
鮮明になる等の不都合が発生する。近年、より大きいサ
イズの画像を記録できるレーザビーム記録装置に対する
要求が高まってきており、記録画像の大サイズ化に伴っ
て上記現象による画質低下が大きな問題となっている。
【0006】上記問題を解決するためには、レーザビー
ムのメリジオナル方向のビームウエスト位置及びサジタ
ル方向のビームウエスト位置を各々補正する必要があ
る。これを実現するために、特開平1-230017号公報に
は、光ビームが入射されるPLZT等の電気光学媒体
に、前記光ビームを一方向に沿って屈折させる形状及び
配置で電極対を貼付した光学素子が提案されている。
【0007】この光学素子では電気光学媒体の形状が方
形とされており、媒体内部の屈折率も一定であるので、
電極対に電圧が印加されていない場合にはレンズ作用は
生じない(焦点距離が無限大)。電極対に電圧が印加さ
れると電気光学媒体中に電界が生じ、媒体内部の屈折率
が変化するが、前記電極の形状及び配置により前記一方
向に沿った電界の強度は一様ではなく、媒体内部の電界
強度の高い部分では屈折率が大きく変化する。これによ
り、仮想的には電気光学媒体内に前記一方向に沿ってレ
ンズ作用を有するシリンドリカルレンズが形成されたに
等しい屈折率の分布が生じ、レンズパワーが発生して前
記一方向の焦点距離が有限となる。
【0008】このレンズパワーにより、例えば電気光学
媒体に平行光束の光ビームが入射された場合、この光ビ
ームは前記方向に沿って屈折されて射出され、前記方向
にビームウエストが生ずる。また、ビームウエスト位置
は電極対に印加される電圧の大きさに応じて変化する。
従って、電極対に印加する電圧を制御することで光ビー
ムの所定方向のビームウエスト位置を補正することがで
きる。一例として特開平3-265817号公報には、上記の光
学素子を光ビーム走査装置に適用し、温度変化による光
ビームのビームウエスト位置のずれ、像面湾曲等を補正
することが記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記光
学素子では、電圧を印加したときに電気光学媒体内部に
生ずる屈折率の分布が理想的な屈折率の分布に一致する
ように電極の形状、配置を定めることは困難であり、収
差が発生することになる。この収差は、光学素子から射
出された光ビームのビームウエスト位置までの距離(焦
点距離)を短くしようとしたとき、すなわち印加電圧を
大きくして前記仮想的なシリンドリカルレンズによるレ
ンズパワーを大きくしたときに特に大きな影響を及ぼ
し、ビームウエスト位置におけるビーム径が大きくなる
という問題があった。
【0010】これにより、上記光学素子を光ビーム記録
装置に適用する際に、例えば焦点距離変化を大きくする
ために前記光学素子の焦点距離を短くすると、ビームウ
エスト位置、すなわち照射面におけるビーム径が大きく
なり、例えば、照射面に配置された記録材料に前記光ビ
ームにより画像を記録する等の場合には、光ビームによ
って記録される画像品質が低下する等の不都合となる。
【0011】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、光ビームの所定方向の集光位置を補正可能で、かつ
集光位置までの距離を短くした場合にもビームウエスト
径が大きくなることを防止できる光学素子を得ることが
目的である。
【0012】また本発明は、照射面に対する光ビームの
集光位置のずれを補正することができ、照射面に照射さ
れる光ビームのビームウエスト径が大きくなることを防
止できる光ビーム走査装置を得ることが目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明に係る光学素子は、所定の平面形
状を、その平面に垂直な方向に延伸させることで形成さ
れた、一対の平行平面を持つ柱形状とされると共に、所
定方向にレンズパワーを有し、印加される電界によって
屈折率が一様に変化するように形成された電気光学効果
を有する電気光学媒体と、前記電気光学媒体内部の前記
一対の平行平面間に一様な電界が加わるように、前記一
対の平行平面の各々に設けられた前記所定形状に対応す
る形状の電極と、を有している。
【0014】また、請求項1記載の発明において、前記
電気光学媒体はPLZTであることが好ましい。
【0015】請求項3記載の発明に係る光ビーム走査装
置は、光ビームを射出する光ビーム射出手段と、請求項
1または請求項2記載の光学素子で構成され、前記レン
ズパワーを有する方向が、光ビームの光軸方向に直交す
る第1の所定方向に一致するように光ビームの光路上に
配置された第1の光学素子と、請求項1または請求項2
記載の光学素子で構成され、前記レンズパワーを有する
方向が、光ビームの光軸方向に直交しかつ前記第1の所
定方向に直交する第2の所定方向に一致するように配置
された第2の光学素子と、前記第1の光学素子及び第2
の光学素子を透過した光ビームを被照射体上に走査する
走査光学系と、前記走査光学系による走査方向に沿った
各位置における基準面に対する像面ずれを予め求めて、
前記像面ずれを補正するための補正データを前記各位置
に対応させて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶
された前記補正データに基づいて、前記被照射体に照射
された光ビームの第1の所定方向の集光位置及び第2の
所定方向の集光位置が各々被照射体の照射面に一致する
ように、前記第1の光学素子の電極及び第2の光学素子
の電極に印加する電圧の大きさを各々制御する制御手段
と、を含んで構成している。
【0016】請求項4記載の発明に係る光ビーム走査装
置は、光ビームを射出する光ビーム射出手段と、請求項
1または請求項2記載の光学素子で構成され、前記レン
ズパワーを有する方向が、光ビームの光軸方向に直交す
る第1の所定方向に一致するように光ビームの光路上に
配置された光学素子と、光ビームの光路上に配置され入
射された光ビームの光路長を変更可能な光路長変更手段
と、前記光学素子及び前記光路長変更手段を透過した光
ビームを被照射体上に走査する走査光学系と、前記走査
光学系による走査方向に沿った各位置における基準面に
対する像面ずれを予め求めて、前記像面ずれを補正する
ための補正データを前記各位置に対応させて記憶する記
憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記補正データに
基づいて、前記被照射体に照射された光ビームの前記第
1の所定方向の集光位置及び光ビームの光軸方向に直交
しかつ第1の所定方向に直交する第2の所定方向の集光
位置が各々被照射体の照射面に一致するように、前記光
学素子の電極に印加する電圧の大きさ及び前記光路長変
更手段により変更する光路長を各々制御する制御手段
と、を含んで構成している。
【0017】請求項1記載の発明では、電気光学効果を
有する電気光学媒体を、所定の平面形状を、その平面に
垂直な方向に延伸させることで形成された、一対の平行
平面を持つ柱形状とされると共に、所定方向にレンズパ
ワーを有し、印加される電界によって屈折率が一様に変
化するように形成し、電気光学媒体内部の前記一対の平
行平面間に一様な電界が加わるように前記一対の平行平
面の各々に、前記所定形状に対応する形状の電極を設け
て光学素子を構成している。従って、電極に電圧を印加
すれば平行平面間に電界が加わり、さらに印加電圧の大
きさを変化させれば前記電界の強さが変化することによ
って電気光学媒体の前記所定方向の屈折率が変化し、前
記レンズパワーの大きさを変更することができる。
【0018】一般に、光ビームが所定方向にレンズパワ
ーを有する光学素子を透過したときの、前記光ビームの
前記所定方向の集光位置(レーザビームではビームウエ
スト位置)と前記光学素子との距離を短くし、さらに光
ビームの像面湾曲等に応じて前記集光位置を補正する場
合には、前記光学素子の所定方向のレンズパワーを高く
する必要がある。
【0019】しかしながら、本発明では電界を加えてい
ない状態で、電気光学媒体の形状により電気光学媒体が
予め所定のレンズパワーを有している。このため、前記
のように光ビームの集光位置と光学素子との距離を短く
しさらに集光位置を補正する場合には、電気光学媒体の
形状を大きなレンズパワーを有する形状としておき、さ
らに電極間に印加する電圧の大きさを変化させれば、集
光位置の像面湾曲等に応じて所定方向の屈折率及び焦点
距離、すなわちレンズパワーを変化させることができ
る。
【0020】これにより、光ビームの所定方向の集光位
置と光学素子との距離を全体的に短くする際に、従来の
ようにレンズパワーが生じていない状態から電気光学効
果によって所定の屈折率分布を生じさせて高いレンズパ
ワーを得る場合と比較して、電極に印加する電圧を低く
できると共に、電気光学媒体の内部に所定の屈折率分布
を生じさせる必要がなくなるので、生じさせた屈折率分
布と理想的な屈折率分布との差による収差の影響を排除
することができ、光学素子と集光位置との距離を短くし
た場合にもビームウエスト径が大きくなることが防止さ
れる。
【0021】なお、請求項1記載の発明において、電気
光学媒体がPLZTであることが好ましい。PLZTは
チタン酸ジルコン酸鉛に酸化ランタンを固溶させたもの
であり、電気光学効果を有しており、かつ二次電気光学
係数(カー係数ともいう)の値が大きい。電極に印加す
る電圧を変化させたときの電気光学媒体の屈折率及び焦
点距離の変化は二次電気光学係数に比例する。従って、
電気光学媒体にPLZTを適用した場合には、電極に印
加する電圧に対する屈折率及び焦点距離の変化が大きく
なり、レンズパワーを所定量変化させるために電極に印
加する電圧の変化の大きさを小さくすることができる。
【0022】なお、電気光学媒体を形成するための電気
光学材料としては、PLZT以外に液晶、チタン酸バリ
ウム(BaTiO3 )、タンタル酸カリウム(KTaO
3 )、ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )、BNN(B
2 NaNb5 15)等を適用することができる。
【0023】請求項3記載の発明では、請求項1または
請求項2記載の光学素子を、光ビームの光路上にレンズ
パワーを有する方向が、光ビーム射出手段から射出され
た光ビームの光ビームの光軸方向に直交する第1の所定
方向に一致するように配置して第1の光学素子とすると
共に、請求項1または請求項2記載の光学素子を、光ビ
ームの光路上にレンズパワーを有する方向が、光ビーム
の光軸方向に直交しかつ前記第1の所定方向に直交する
第2の所定方向に一致するように配置して第2の光学素
子としている。
【0024】上記配置により、第1の光学素子の電極に
電圧を印加しこの電圧の大きさを変化させると、走査光
学系により被照射体の照射面に照射される光ビームの第
1の所定方向の集光位置が変化する。また第2の光学素
子に電圧を印加しこの電圧の大きさを変化させると、光
ビームの第2の所定方向の集光位置が変化する。従っ
て、走査光学系による走査方向に沿った各位置における
基準面に対する像面ずれを予め求めて、像面ずれを補正
するための補正データを各位置に対応させて記憶手段に
記憶しておき、記憶手段に記憶された補正データに基づ
いて、制御手段により光ビームの第1の所定方向の集光
位置及び第2の所定方向の集光位置が各々被照射体の照
射面に一致するように第1の光学素子の電極及び第2の
光学素子の電極に印加する電圧の大きさを各々制御する
ことにより、照射面に対する光ビームの集光位置のずれ
を補正することができる。
【0025】また、光ビームの集光位置までの距離を短
くする場合に、請求項1の発明の作用の項でも説明した
ように、従来と比較して電気光学媒体の内部に所定の屈
折率分布を生じさせる必要がなく、印加する電圧も低く
することができるので、光ビームのビームウエスト径が
大きくなることを防止できる。これにより、例えば被照
射体としての記録材料に光ビームを照射して画像を記録
する等の場合にも、光ビームのビームウエスト径が大き
いことにより画像品質が低下する等の不都合が発生する
ことなない。
【0026】請求項4記載の発明では、請求項1または
請求項2記載の光学素子を、光ビームの光路上にレンズ
パワーを有する方向が、光ビーム射出手段から射出され
た光ビームの光軸方向に直交する第1の所定方向に一致
するように配置すると共に、入射された光ビームの光路
長を変更可能な光路長変更手段を光ビームの光路上に配
置している。上記構成により、光学素子の電極に電圧を
印加しこの電圧の大きさを変化させると、走査光学系に
より被照射体の照射面に照射される光ビームの第1の所
定方向の集光位置が変化する。また、光路長変更手段に
より光ビームの光路長を変更すると、光ビームの第1の
所定方向の集光位置及び第2の所定方向の集光位置が共
に変化する。
【0027】従って、走査光学系による走査方向に沿っ
た各位置における基準面に対する像面ずれを予め求め
て、像面ずれを補正するための補正データを各位置に対
応させて記憶手段に記憶しておき、記憶手段に記憶され
た補正データに基づいて、制御手段により光ビームの第
1の所定方向の集光位置及び第2の所定方向の集光位置
が各々被照射体の照射面に一致するように光学素子の電
極に印加する電圧の大きさ及び光路長変更手段により変
更する光路長を各々制御することにより、照射面に対す
る光ビームの集光位置のずれを補正することができる。
上記制御は、より具体的には、光ビームの第1の所定方
向の集光位置と第2の所定方向の集光位置とが一致する
ように光学素子の電極に印加する電圧の大きさを制御
し、前記一致させた集光位置が被照射体の照射面に一致
するように光路長変更手段により変更する光路長を制御
すればよい。
【0028】また、光ビームの集光位置までの距離を短
くする場合についても、請求項3の発明と同様に、電気
光学媒体の内部に所定の屈折率分布を生じさせる必要が
なく、印加する電圧も低くすることができるので、照射
面に照射される光ビームのビームウエスト径が大きくな
ることを防止できる。
【0029】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0030】〔第1実施例〕まず、請求項1の発明に対
応する第1実施例について説明する。図1には本第1実
施例に係る光学素子10が示されている。光学素子10
は電気光学媒体12を備えている。電気光学媒体12は
PLZTで形成されており、円柱を該円柱の軸線に平行
な平面に沿って切断した形状とされている。すなわち、
前記一対の平行平面は円弧と弦とで囲まれた形状とされ
ている。従って、電気光学媒体12は上記形状により図
1矢印X方向にはレンズパワーを有しておらず、矢印Y
方向にのみレンズパワーを有している。またPLZTで
形成されることにより電気光学効果を有している。
【0031】電気光学媒体12のY方向の焦点距離fY
は、電気光学媒体12の屈折率をn 0 、前記平行平面の
円弧状部の曲率半径をrとすると、次の(1)式により
求められる。
【0032】 fY =r÷(n0 −1) …(1) なお、電気光学媒体12のX方向の焦点位置は無限遠点
である。これにより、後述する電極14A、14B間に
電圧が印加されていない状態で、例えば電気光学媒体1
2に、平行光束の光ビームが矢印Z方向に沿って入射さ
れると、この光ビームは前記レンズパワーにより矢印Y
及び矢印Zを含む平面内で屈折され、この屈折により前
記平面上の焦点距離fY の位置にY方向の光ビームが集
光される。なお、以下では光ビームの偏光方向を、PL
ZTから成る電気光学媒体12の屈折率変化の大きいX
方向に一致させた光ビームを考える。
【0033】また、電気光学媒体12の前記一対の平行
平面には、各々電極14A、14Bが全面に設けられて
いる。これにより、電源16等によって電極14A、1
4B間に電圧が印加されると、電極14A、14B間、
すなわち電気光学媒体12内部の平行平面間に一様な電
界が加わる。ここで、電極14A、14B間に電圧Vを
印加したときに電極14A、14B間に加わる電界の強
さEは、電極14A、14B間の距離をdとすると、 E=V÷d …(2) であり、電界の方向は図1矢印A方向である。この電界
により、電気光学媒体12を構成する電気光学材料の二
次電気光学係数(カー係数)をR33としたときの、電気
光学媒体12のX方向の屈折率は屈折率n0 から次の
(3)式に示す屈折率nのように変化する。
【0034】
【数1】
【0035】(3)式より、電気光学媒体12の屈折率
は、電界の強さEの自乗、すなわち電極14A、14B
間に印加する電圧Vの自乗に比例して変化する。なお、
このときの電界は一様な電界であるので、電気光学媒体
12のX方向の屈折率も一様に変化する。この屈折率の
変化により、電極14A、14B間に電圧Vが印加され
たときの電気光学媒体12のY方向の焦点距離fY も、
【0036】
【数2】
【0037】(4)式に示すように変化する。従って、
電極14A、14B間に印加する電圧を変化させること
によって電気光学媒体12のレンズパワーが変化し、光
学素子10を透過した光ビームの所定方向(図1ではY
方向)の集光位置が変更される。
【0038】このように、光学素子10では電極14
A、14B間に電圧を印加していない状態で、電気光学
媒体12が図1Y方向に予め所定のレンズパワーを有し
ているので、光ビームの所定方向の集光位置と光学素子
との距離を全体的に短くする際に、電極14A、14B
間に印加する電圧を低くできると共に、電気光学媒体1
2の内部に所定の屈折率分布を生じさせる必要がないの
で、生じさせた屈折率分布と理想的な屈折率分布との差
による収差の影響を排除することができ、光学素子10
と光ビームの集光位置との距離を短くした場合にもビー
ムウエスト径が大きくなることが防止される。
【0039】次に本発明に係る光学素子の他の例につい
て説明する。図2(A)に示す光学素子20では、電気
光学媒体20Aの形状が、所謂ロッドレンズのように平
行平面の形状が円形とされた円柱状とされており、図2
の矢印Y方向にレンズパワーを有している。従って、図
2矢印Z方向に沿って光ビームが入射された場合、該光
ビームは矢印Yと矢印Zを含む所定平面内で屈折され
る。また、電気光学媒体20の円柱状の両底面には、そ
の全面に電極20B、20Cが設けられている。従っ
て、電極20B、20C間に電圧を印加すると両底面間
に一様な電界が加わり、電圧の大きさを変化させること
により、前記光ビームの前記所定平面内での集光位置を
変更することができる。
【0040】また、図2(B)に示す光学素子22で
は、電気光学媒体22Aの形状が、平行平面の形状が楕
円とされた楕円柱状とされており、光学素子22の電気
光学媒体22Aと同様に図2の矢印Y方向にレンズパワ
ーを有している。また、楕円柱状の両底面には全面に電
極22B、22Cが設けられている。従って、電極22
B、22C間に電圧を印加すると両底面間に一様な電界
が加わり、電圧の大きさを変化させることにより、前記
光ビームの前記所定平面内での集光位置を変更すること
ができる。
【0041】また、図2(C)に示す光学素子では、電
気光学媒体24Aの平行平面の形状がフレネルレンズの
断面のような形状とされており、前記電気光学媒体24
Aはこの平行平面を底面とする柱状とされている。この
ため、電気光学媒体24は、上記と同様に図2の矢印Y
方向にレンズパワーを有している。また、両底面には全
面に電極24B、24Cが設けられている。従って、電
極24B、24C間に電圧を印加すると両底面間に一様
な電界が加わり、前記電圧の大きさを変化させることに
より、前記光ビームの前記所定平面内での集光位置を変
更することができる。
【0042】このように、本発明に係る光学素子は、上
記のように電気光学媒体の形状が一対の平行平面を備え
かつ所定方向にレンズパワーを有するように形成されて
いればよい。
【0043】〔第2実施例〕図3には本第2実施例に係
るレーザビーム記録装置30が示されている。レーザビ
ーム記録装置30は、詳細は後述するが略平行な光束の
レーザビームを射出するレーザビーム射出装置32を備
えている。レーザビーム射出装置32の射出側には面倒
れ補正用のシリンドリカルレンズ31、ポリゴンミラー
46が配設されている。ポリゴンミラー46は駆動制御
回路47によって回転が制御される。
【0044】ポリゴンミラー46の近傍には、同期用の
レーザビームを射出する同期用半導体レーザ48が配置
されている。同期用半導体レーザ48のレーザビーム射
出側にはコリメータレンズ50が配置されている。同期
用半導体レーザ48から射出されたレーザビームは、コ
リメータレンズ50で平行光束とされた後にポリゴンミ
ラー46に入射される。レーザビーム射出装置32から
射出された記録用レーザビームと、コリメータレンズ5
0から射出された同期用レーザビームと、はポリゴンミ
ラー46のほぼ同じ部位に照射され、ポリゴンミラー4
6の回転に伴って主走査方向に同じように偏向されてポ
リゴンミラー46のレーザビーム射出側に配置されたf
・θレンズ52に入射される。
【0045】f・θレンズ52を透過した記録用レーザ
ビームの光路上には、レーザビームの走査方向に沿って
面倒れ補正用のシリンドリカルレンズ33、ドラム54
が順次配置されている。ドラム54は図示しない感光材
料が巻付けられており、記録用レーザビームは感光材料
の記録面上に照射され、ポリゴンミラー46による偏向
により図3に破線で示す範囲を走査される。また、ドラ
ム54が回転されることにより、感光材料へのレーザビ
ームの照射位置が副走査方向にも移動し、感光材料に画
像が記録される。
【0046】なお、以下ではポリゴンミラー46、f・
θレンズ52等の走査光学系を透過してドラム54に照
射されるレーザビームの主走査方向(図1矢印M方向)
に対応する方向をメリジオナル方向といい、副走査方向
(図1矢印S方向)に対応する方向をサジタル方向とい
う。また、レーザビームの光軸方向とメリジオナル方向
とを含む平面をメリジオナル平面といい、光軸方向とサ
ジタル方向とを含む平面をサジタル平面という。
【0047】一方、同期用レーザビームの光路上には、
同期用レーザビームの走査方向に沿って反射ミラー56
が配置されており、反射ミラー56のレーザビーム射出
側にはリニアエンコーダ58が配設されている。前記レ
ーザビームはポリゴンミラー46によって図3に一点鎖
線で示す範囲を走査するように偏向される。リニアエン
コーダ58は、透明な板材に、不透明で一定幅の帯状の
不透明部が一定ピッチで多数形成されて構成されてい
る。
【0048】リニアエンコーダ58のレーザビーム射出
側には図示しない光電変換器が配置されており、レーザ
ビームがリニアエンコーダ58上を走査すると、透明部
を透過したレーザビームが前記光電変換器で受光され、
光電変換器からパルス信号が出力される。
【0049】次に、レーザビーム射出装置32について
説明する。図4(A)及び(B)に示すように、レーザ
ビーム射出装置32は半導体レーザ34を備えている。
半導体レーザ34は図示しない変調装置により、前記パ
ルス信号に同期したタイミングで記録する画像に応じて
変調され、記録する画像に応じたレーザビームを射出す
る。なお、この半導体レーザ34に代えてHe−Neレ
ーザ、Arレーザ等の気体レーザを用い、気体レーザか
ら射出されたレーザビームをAOM、EOM等の変調器
を用いて変調するようにしてもよい。
【0050】半導体レーザ34の射出側にはコリメータ
レンズ36が配設されており、半導体レーザ34から射
出されたレーザビームはコリメータレンズ36で平行光
とされて射出される。コリメータレンズ36のレーザビ
ーム射出側には本発明に係る光学素子38が配設されて
いる。
【0051】光学素子38は電気光学媒体38Aを備
え、この電気光学媒体38Aは、第1実施例の光学素子
10と同一の形状、すなわち、円柱を該円柱の軸線に平
行な平面に沿って切断した形状とされており、電気光学
材料としてのPLZTで形成され、電気光学効果を有し
ている。また、電気光学媒体38Aの平行平面には、そ
の全面に各々電極38B、38Cが蒸着されて形成され
ている。
【0052】また、図4(A)及び(B)に示すように
光学素子38は、電気光学媒体38Aのレンズパワーを
有する方向が、入射されたレーザビームのサジタル平面
に沿うように配置されている。従って、光学素子38に
入射されたレーザビームは、該レーザビームのサジタル
平面内でのみ屈折されて射出される。ここで、レーザビ
ームの偏光方向は図4矢印M方向に一致される。
【0053】光学素子38のレーザビーム射出側には1
/2波長板40、光学素子42が順に配置されている。
光学素子38から射出されたレーザビームは、1/2波
長板40を透過することによって偏光角が90°回転さ
れて偏光方向が図4矢印S方向に一致され、光学素子4
2に入射される。光学素子42は光学素子38と同様の
構成とされており、円柱を該円柱の軸線に平行な平面に
沿って切断した形状の電気光学媒体42Aを備え、この
電気光学媒体42Aの平行平面の全面に、各々電極42
B、42Cが形成されて構成される。
【0054】光学素子42は電気光学媒体42Aのレン
ズパワーを有する方向が、メリジオナル平面に沿うよう
に配置されている。従って、光学素子42に入射された
レーザビームは、該レーザビームのメリジオナル平面内
でのみ屈折されて射出される。光学素子42のレーザビ
ーム射出側にはエキスパンダレンズ43、44が配置さ
れている。光学素子42から射出されたレーザビーム
は、エキスパンダレンズ43、44によって一旦集光さ
れてビームウエストが形成された後にビーム径が拡大さ
れて平行光束とされ、レーザビーム射出装置32から射
出されてポリゴンミラー46に入射される。
【0055】なお、エキスパンダレンズ43とエキスパ
ンダレンズ44との間のレーザビームのビームウエスト
が生じる位置には、スペイシャルフィルタ45が配置さ
れている。スペイシャルフィルタ45は不透明な板材に
ピンホールが穿設されて構成されており、レーザビーム
の散乱光成分をカットするようになっている。光ビーム
がPLZTを透過したときに生じる散乱光成分が無視で
きないことは周知の事実であり、例えば「オプトテクノ
ロジーと高機能材料」のP274〜P285(1985年 2月25日発
行)等に記載されている。
【0056】一方、図3に示すように、駆動制御回路4
7は焦点位置制御装置62に接続されている。駆動制御
回路47は焦点位置制御装置62に主走査方向に沿った
レーザビームの照射位置を表す信号を出力する。焦点位
置制御装置62は図5に示すように構成される。すなわ
ち、駆動制御回路47から入力された信号は制御部68
に入力される。制御部68は、CPU、RAM及びRO
M等がデータバス、アドレスバス等のバスによって互い
に接続されて成るマイクロコンピュータによって構成さ
れている。この制御部68には記憶装置70が接続され
ている。
【0057】本第2実施例のレーザビーム記録装置30
では、レーザビームをドラム54に巻付けられた感光材
料に照射したときのレーザビームのメリジオナル方向及
びサジタル方向のビームウエスト位置を、照射位置を主
走査方向に沿って移動させながら順次測定し、図6に示
すようにメリジオナル方向の像面100及びサジタル方
向の像面102を表すデータを予め得ている。
【0058】そして、主走査方向に沿った各位置におけ
る基準面(感光材料の記録面)に対するサジタル方向の
像面102のずれΔZS を求め、求めたずれΔZS と前
記(4)式とに基づいて光学素子38により前記ずれΔ
S を補正するための補正データを演算し、該補正デー
タを前記各位置を対応させて第1のテーブルとして記憶
装置70に記憶している。
【0059】また、主走査方向に沿った各位置における
基準面(感光材料の記録面)に対するメリジオナル方向
の像面100のずれΔZM を求め、求めたずれΔZM
前記(4)式とに基づいて光学素子42により前記ずれ
ΔZM を補正するための補正データを演算し、該補正デ
ータを前記各位置を対応させて第2のテーブルとして記
憶装置70に記憶している。
【0060】制御部68の出力側にはデジタルアナログ
変換器(D/A変換器)72A、72Bが接続されてい
る。制御部68は駆動制御装置47から信号に基づい
て主走査方向に沿ったレーザビームの照射位置を判断
し、前記記憶装置70に記憶された第1のテーブルから
前記照射位置に対応する補正データを取り込んでD/A
変換器72Aに出力すると共に、前記第2のテーブルか
ら照射位置に対応する補正データを取り込んでD/A変
換器72Bに出力する。
【0061】D/A変換器72Aの出力端には増幅回路
74A、光学素子38の電極38Bが順次接続されてい
る。なお、電極38Cは接地されている。制御部68か
ら出力された補正データは、D/A変換器72Aで前記
補正データの値に応じた電圧レベルのアナログ信号に変
換され、増幅回路74Aで増幅され昇圧されて電極38
Bに供給される。従って、電極38B、38C間には制
御部68から出力された補正データの大きさに応じたレ
ベルの電圧が印加されることになる。なお、D/A変換
器72Bの出力端にも上記と同様に増幅回路74B、電
極42Bが順次接続されると共に電極42Cが接地され
ており、上記と同様に電極42B、42C間に電圧が印
加される。
【0062】次に本第2実施例の作用を説明する。半導
体レーザ34から射出されたレーザビームは、コリメー
タレンズ36、光学素子38、1/2波長板40、光学
素子42、エキスパンダレンズ43、スペイシャルフィ
ルタ45、エキスパンダレンズ44を順次透過してレー
ザビーム射出装置32から射出される。
【0063】レーザビーム射出装置32から射出された
記録用レーザビームは、同期用レーザビームと共にポリ
ゴンミラー46によって主走査方向に沿って偏向され、
感光材料の記録面を走査される。また、同期用レーザビ
ームはリニアエンコーダ58の受光面上を走査される。
この走査によりリニアエンコーダ58の透明部を透過し
たレーザビームが図示しない光電変換器で受光され、光
電変換器から駆動制御回路47にパルス信号が入力され
る。駆動制御回路47では主走査方向に沿ったレーザビ
ームの照射位置を表す信号を焦点位置制御回路62の制
御部68へ出力する。
【0064】制御部68では入力された信号に基づい
て、主走査方向に沿ったレーザビームの照射位置の移動
に応じて、対応する補正データを第1のテーブル及び第
2のテーブルから順次取り込んで、D/A変換器72
A、72Bへ出力する。これにより、光学素子38の電
極38B、38C間にはD/A変換器72A、増幅回路
74Aを介して前記第1のテーブルから取り込んだ補正
データに応じたレベルの電圧が印加され、光学素子42
の電極42B、42C間にはD/A変換器72B、増幅
回路74Bを介して前記第2のテーブルから取り込んだ
補正データに応じたレベルの電圧が印加される。
【0065】光学素子38の電極38B、38C間に電
圧が印加された場合、光学素子30の電気光学媒質38
Aには印加された電圧の値に応じた一様な電界が加わ
る。光学素子38の電気光学媒体38Aを形成するPL
ZTは二次電気光学係数(カー係数)R33の符号が正で
ある。従って、(3)式からも明らかなように、前記電
圧の印加により電気光学媒体38Aのレンズパワーを有
する方向の屈折率は印加電圧の自乗に比例して低下し、
レンズパワーが低下されることになる。
【0066】光学素子38は、電気光学媒体38Aのレ
ンズパワーを有する方向がレーザビームのサジタル平面
に沿うように配置されているので、レーザビーム射出装
置32から射出されてドラム54に照射されるレーザビ
ームのサジタル方向のビームウエスト位置は、光学素子
38の電極38B、38C間に印加された電圧の大きさ
に応じてf・θレンズ52から離間する方向に移動す
る。また、印加されていた電圧が低くなった場合には、
前記ビームウエスト位置はf・θレンズ52に接近する
方向に移動する。
【0067】前述のように、焦点位置制御回路62では
駆動制御回路47から出力される信号に基づいて第1の
テーブルから補正データを取込み、取り込んだ補正デー
タをアナログ信号に変換し、増幅して光学素子38の電
極38B、38C間に印加するので、ドラム54に照射
されるレーザビームは、主走査方向の一端から他端に亘
り、ずれΔZS が実質的に「0」とされ、サジタル方向
の像面102がドラム54に巻き付けられた感光材料の
記録面に一致されることになる。
【0068】一方、光学素子42の電極42B、42C
間に電圧が印加された場合にも、電気光学媒体42Aの
レンズパワーを有する方向の屈折率が印加電圧の自乗に
比例して低下し、レンズパワーが低下される。光学素子
42は、電気光学媒体42Aのレンズパワーを有する方
向がレーザビームのメリジオナル平面に沿うように配置
されているので、レーザビーム射出装置32から射出さ
れてドラム54に照射されるレーザビームのメリジオナ
ル方向のビームウエスト位置は、光学素子42の電極4
2B、42C間に印加された電圧の大きさに応じてf・
θレンズ52から離間する方向に移動する。また、印加
されていた電圧が低くなった場合には、前記ビームウエ
スト位置はf・θレンズ52に接近する方向に移動す
る。
【0069】前述のように、焦点位置制御回路62では
駆動制御回路47から出力される信号に基づいて第2の
テーブルから補正データを取込み、取り込んだ補正デー
タをアナログ信号に変換し、増幅して光学素子42の電
極42A、42B間に印加するので、ドラム54に照射
されるレーザビームは、主走査方向の一端から他端に亘
り、ずれΔZM が実質的に「0」とされ、メリジオナル
方向の像面100がドラム54に巻き付けられた感光材
料の記録面に一致されることになる。
【0070】このように、f・θレンズ52に入射され
たレーザビームは、光学素子38、42のレンズパワー
の変化によってビームウエスト位置が移動され、この移
動によって走査方向の一端から他端に亘ってレーザビー
ムのメリジオナル方向及びサジタル方向のビームウエス
ト位置が常に感光材料の記録面に一致されることにな
る。従って、感光材料に記録される画像が部分的に不鮮
明になる等の不都合が生ずることはなく、高品質の画像
が得られる。
【0071】また、本第2実施例では光学素子38、4
2の電気光学媒体38A、42Aが、電界が加えられて
いない状態で所定のレンズパワーを有しているので、内
部に所定の屈折率分布を生じさせる必要がなく、例えば
f・θレンズ52とドラム54との距離を短くした場合
にも、電気光学媒体38A、42Aの形状を、さらに大
きなレンズパワーを有する形状としておけば、電極間に
印加する電圧を大きくする必要がないので、感光材料に
照射するレーザビームのビームウエスト径が大きくなる
ことが防止される。従って、高品質かつ高密度で画像を
記録することができる。
【0072】また、本発明の従来技術として、特開平 3
-35211号公報にはシリンドリカルレンズを移動させて像
面湾曲を補正することが記載されているが、本発明は上
記のように光学素子38、42を移動させる必要がな
く、また、PLZT等の電気光学材料は加えられた電界
の強さの変化に対する屈折率の変化の速度が速いので、
例えばレーザビームの走査速度を高速とした場合にも光
ビームの集光位置の補正を追従させることが容易であ
る。
【0073】〔第3実施例〕次に本発明の第3実施例に
ついて説明する。なお、第2実施例と同一の部分には同
一の符号を付し、説明を省略する。
【0074】図7に示すように、本第3実施例に係るレ
ーザビーム射出装置32は、光学素子38のレーザビー
ム射出側にシリンドリカルレンズ80が配設されてい
る。シリンドリカルレンズ80は所定方向に光学素子3
8の電気光学媒体38Aと同程度のレンズパワーを有し
ており、このレンズパワーを有する方向が、入射された
レーザビームのメリジオナル平面に沿うように配置され
ている。
【0075】シリンドリカルレンズ80のレーザビーム
射出側には、光路長変更手段としての光路長変更素子8
2が配置されている。この光路長変更素子82は電気光
学媒体82Aを備えている。電気光学媒体82AはPL
ZTから成り方形状に形成されている。また、電気光学
媒体82A表面には、電気光学媒体82Aを挟みかつ入
射されたレーザビームのメリジオナル方向に沿って対向
するように電極82B、82Cが設けられている。
【0076】前記電極82Bは、図示は省略するが第2
実施例の光学素子42の電極42Bに代えて増幅回路7
4Bの出力端に接続されており、電極82Cは接地され
ている。電極82B、82C間に電圧が印加されると、
電気光学媒体82Aの屈折率が変化し、光路長変更素子
82に入射されたレーザビームのメリジオナル方向の光
路長及びサジタル方向の光路長が同じように変化する。
【0077】また光路長変更素子82のレーザビーム射
出側には、第2実施例と同様にエキスパンダレンズ4
3、スペイシャルフィルタ45、エキスパンダレンズ4
4が順に配置されている。
【0078】一方、本第3実施例の記憶装置70に第1
のテーブル及び第2のテーブルとして記憶されている補
正データは、第2実施例と異なっている。すなわち、本
第3実施例では、主走査方向に沿った各位置におけるメ
リジオナル方向の像面100に対するサジタル方向の像
面102のずれ(非点隔差)を求め、求めたずれと前記
(4)式とに基づいて光学素子38により前記ずれを補
正するための補正データを演算し、該補正データを前記
各位置を対応させて第1のテーブルとして記憶してい
る。
【0079】また、同様に主走査方向に沿った各位置に
おける基準面(感光材料の記録面)に対するメリジオナ
ル方向の像面100のずれ(オフセット)を求め、求め
たずれと前記(4)式とに基づいて光路長変更素子82
により前記ずれを補正するための補正データを演算し、
該補正データを前記各位置を対応させて第2のテーブル
として記憶している。
【0080】次に本第3実施例の作用を説明する。半導
体レーザ34から射出されたレーザビームは、光学素子
38を透過することによってサジタル平面内で屈折さ
れ、シリンドリカルレンズ80を透過することによって
メリジオナル平面内で屈折される。ここで、焦点位置制
御回路62では駆動制御回路47から出力される信号に
基づいて第1のテーブルから補正データを取込み、取り
込んだ補正データをアナログ信号に変換し増幅して光学
素子38の電極38B、38C間に印加する。
【0081】これにより、ドラム54に照射されるレー
ザビームのサジタル方向のビームウエスト位置がメリジ
オナル方向のビームウエスト位置に一致するように光学
素子38のレンズパワーが順次変更されることになり、
レーザビームは、主走査方向の一端から他端に亘ってサ
ジタル方向の像面102がメリジオナル方向の像面10
0に一致され、非点収差が補正される。
【0082】また、焦点位置制御回路62では駆動制御
回路47から出力される信号に基づいて第2のテーブル
から補正データを取込み、取り込んだ補正データをアナ
ログ信号に変換し、増幅して光路長変更素子82の電極
82B、82C間に印加する。これにより、前記一致さ
れたレーザビームのメリジオナル方向及びサジタル方向
のビームウエスト位置が感光材料の記録面に一致するよ
うに、光路長変更素子82の電気光学媒体82Aの屈折
率が変更されてレーザビームのメリジオナル方向及びサ
ジタル方向の光路長が順次変更されることになる。
【0083】従って、ドラム54に照射されるレーザビ
ームのオフセットが補正され、メリジオナル方向の像面
100及びサジタル方向の像面102が、ドラム54に
巻き付けられた感光材料の記録面に、主走査方向の一端
から他端に亘って一致され、第2実施例と同様の効果が
得られる。
【0084】なお、光路長変更素子82はレーザビーム
のメリジオナル方向及びサジタル方向の光路長を変更で
きればよいので、従来のように電気光学媒体82Aに屈
折率の分布を形成させる必要はなく、理想的な屈折率の
分布が形成されないことによる収差の影響を受けること
はない。
【0085】また、光路長変更手段としては光路長変更
素子82に限定されるものではなく、本出願人が特願平
4-188407号で既に提案しているように、回転可能とされ
透過する光ビームの光路長を変更する光路長変更部が回
転方向に沿って分布されたディスクを適用してもよい。
また、本出願人が特願平4-188408号公報で既に提案して
いるように、レーザビームを反射するミラーをピエゾ素
子等のアクチュエータにより前記レーザビームの光軸に
沿って移動させることで、レーザビームの光路長を変更
するようにしてもよい。
【0086】また、上記実施例では予め補正データを求
めて記憶装置70に記憶しておき、画像を記録する際に
記憶装置70から補正データを取り込んで記録面に対す
るメリジオナル方向及びサジタル方向のビームウエスト
位置の補正を行うようにしていたが、本発明はこれに限
定されるものではなく、画像を記録する際にビームウエ
スト位置のずれを測定し、前記ずれが0となるように光
学素子38と光学素子42、または光学素子38と光路
長変更素子82をリアルタイムで制御するようにしても
よい。
【0087】また、上記では画像の記録を例に説明した
が、光ビームによって画像、文字等の読み取りを行う場
合に本発明を適用することも可能である。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
に係る光学素子では、一対の平行平面を備えかつ所定方
向にレンズパワーを有するように形成された電気光学効
果を有する電気光学媒体に、電圧が印加されたときに電
気光学媒体内部の平行平面間に一様な電界が加わるよう
に一対の平行平面の各々に電極を設けたので、光ビーム
の所定方向の集光位置を補正可能で、かつ集光位置まで
の距離を短くした場合にもビームウエスト径が大きくな
ることを防止できる、という優れた効果が得られる。
【0089】請求項3記載の発明に係る光ビーム走査装
置では、第1の光学素子を、レンズパワーを有する方向
が光ビームの光軸方向に直交する第1の所定方向に一致
するようにように光ビームの光路上に配置すると共に、
第2の光学素子を、レンズパワーを有する方向が光ビー
ムの光軸方向に直交しかつ前記第1の所定方向に直交す
る第2の所定方向に一致するように光ビームの光路上に
配置し、光ビームの第1の所定方向の集光位置及び第2
の所定方向の集光位置が各々被照射体の照射面に一致す
るように第1の光学素子の電極及び第2の光学素子の電
極に印加する電圧の大きさを各々制御するようにしたの
で、照射面に対する光ビームの集光位置のずれを補正す
ることができ、照射面に照射される光ビームのビームウ
エスト径が大きくなることを防止できる、という優れた
効果が得られる。
【0090】請求項4記載の発明に係る光ビーム走査装
置では、光学素子を、レンズパワーを有する方向が光ビ
ームの光軸方向に直交する第1の所定方向に一致するよ
うに光ビームの光路上に配置すると共に、光路長変更手
段を光ビームの光路上に配置し、光ビームの第1の所定
方向の集光位置及び光ビームの光軸方向に直交しかつ第
1の所定方向に直交する第2の所定方向の集光位置が各
々被照射体の照射面に一致するように、光学素子の電極
に印加する電圧の大きさ及び光路長変更手段により変更
する光路長を各々制御するようにしたので、照射面に対
する光ビームの集光位置のずれを補正することができ、
照射面に照射される光ビームのビームウエスト径が大き
くなることを防止できる、という優れた効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る光学素子の一例を示す斜視図
である。
【図2】(A)乃至(C)は、光学素子の他の例を示す
斜視図である。
【図3】第2実施例に係るレーザビーム記録装置の概略
構成を示す斜視図である。
【図4】(A)及び(B)は第2実施例に係るレーザビ
ーム射出装置の概略構成を示す平面図である。
【図5】焦点位置制御装置の概略構成を示すブロック図
である。
【図6】メリジオナル方向及びサジタル方向の像面、非
点隔差及びオフセットを説明するための概念図である。
【図7】(A)及び(B)は第3実施例に係るレーザビ
ーム射出装置の概略構成を示す平面図である。
【図8】従来のレーザビーム記録装置の概略構成及びメ
リジオナル方向及びサジタル方向の像面の湾曲を説明す
る説明図である。
【図9】非点隔差を説明するための斜視図である。
【符号の説明】 10 光学素子 20 光学素子 22 光学素子 24 光学素子 12 電気光学媒体 14 電極 30 レーザビーム記録装置 32 レーザビーム射出装置 38 光学素子 42 光学素子 62 焦点位置制御回路 82 光路長変更素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−251718(JP,A) 特開 平3−174680(JP,A) 特開 平2−254409(JP,A) 特開 平2−53035(JP,A) 実開 平4−129124(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 26/10,27/00 G02F 1/29

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の平面形状を、その平面に垂直な方
    向に延伸させることで形成された、一対の平行平面を持
    つ柱形状とされると共に、所定方向にレンズパワーを有
    し、印加される電界によって屈折率が一様に変化する
    うに形成された電気光学効果を有する電気光学媒体と、 前記電気光学媒体内部の前記一対の平行平面間に一様な
    電界が加わるように、前記一対の平行平面の各々に設け
    られた前記所定形状に対応する形状の電極と、 を有する光学素子。
  2. 【請求項2】 前記電気光学媒体はPLZTであること
    を特徴とする請求項1記載の光学素子。
  3. 【請求項3】 光ビームを射出する光ビーム射出手段
    と、 請求項1または請求項2記載の光学素子で構成され、前
    記レンズパワーを有する方向が、光ビームの光軸方向に
    直交する第1の所定方向に一致するように光ビームの光
    路上に配置された第1の光学素子と、 請求項1または請求項2記載の光学素子で構成され、前
    記レンズパワーを有する方向が、光ビームの光軸方向に
    直交しかつ前記第1の所定方向に直交する第2の所定方
    向に一致するように配置された第2の光学素子と、 前記第1の光学素子及び第2の光学素子を透過した光ビ
    ームを被照射体上に走査する走査光学系と、前記走査光学系による走査方向に沿った各位置における
    基準面に対する像面ずれを予め求めて、前記像面ずれを
    補正するための補正データを前記各位置に対応させて記
    憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶された前記補正データに基づいて、
    前記被照射体に照射された光ビームの第1の所定方向の
    集光位置及び第2の所定方向の集光位置が各々被照射体
    の照射面に一致するように、前記第1の光学素子の電極
    及び第2の光学素子の電極に印加する電圧の大きさを各
    々制御する制御手段と、 含む光ビーム走査装置。
  4. 【請求項4】 光ビームを射出する光ビーム射出手段
    と、 請求項1または請求項2記載の光学素子で構成され、前
    記レンズパワーを有する方向が、光ビームの光軸方向に
    直交する第1の所定方向に一致するように光ビームの光
    路上に配置された光学素子と、 光ビームの光路上に配置され入射された光ビームの光路
    長を変更可能な光路長変更手段と、 前記光学素子及び前記光路長変更手段を透過した光ビー
    ムを被照射体上に走査する走査光学系と、前記走査光学系による走査方向に沿った各位置における
    基準面に対する像面ずれを予め求めて、前記像面ずれを
    補正するための補正データを前記各位置に対応させて記
    憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶された前記補正データに基づいて、
    前記被照射体に照射された光ビームの前記第1の所定方
    向の集光位置及び光ビームの光軸方向に直交しかつ第1
    の所定方向に直交する第2の所定方向の集光位置が各々
    被照射体の照射面に一致するように、前記光学素子の電
    極に印加する電圧の大きさ及び前記光路長変更手段によ
    り変更する光路長を各々制御する制御手段と、 含む光ビーム走査装置。
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