JP3503565B2 - 弁及びそれを用いた原子力発電プラント - Google Patents

弁及びそれを用いた原子力発電プラント

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な摺動部に耐
食・耐摩耗合金を拡散接合した弁及びそれを用いた原子
力発電プラントに関する。
【0002】
【従来の技術】グローバルバルブ,ゲートバルブ,バタ
フライバルブ等の弁類は、実運転中の弁座付近での流体
によるエロージョン損傷を防止するため、或いは弁作動
時のかじり防止のために、耐食・耐摩耗性に優れた高硬
度のコバルト(Co)基合金,ニッケル(Ni)基合
金,鉄(Fe)基合金等の表面溶着合金を弁の摺動部に
肉盛して用いている。
【0003】しかし、近年、タービン発電設備等では循
環水の水質調整のために循環水系統に過酸化水素水等の
薬剤が注入されるようになり、該薬剤の注入点より下流
の溶存酸素量が増加し、その結果、弁の弁座面等にエロ
ージョン・かじりによる損傷が発生している。これは弁
の摺動部に肉盛しているコバルト(Co)基合金等の共
晶炭化物が選択的に腐食損傷するためである。高速流体
中では前記共晶炭化物の腐食損傷に続いて、鋳造組織の
基材部(マトリックス)が脱落し、エロージョンが発生
する場合がある(「火力原子力発電」:30巻,No.
5,67頁,「機械の損害」:1982年,No.2,9
0頁,及び「材料と環境」:47巻,No.3,207
頁)。
【0004】従来、弁類の摺動部にエロージョン防止・
かじり防止のために、高硬度のCo基合金,Ni基合
金,Fe基合金等が表面溶着合金として肉盛されてい
る。
【0005】しかし、溶存酸素量の多い高温高圧の水・
蒸気雰囲気下で、Co基合金等を肉盛した弁等を使用す
ると、鋳造組織の基材部(マトリックス)と網目状に鋳
造組織の基材部を包み込んでいる共晶炭化物のうち網目
状の共晶炭化物が選択的に腐食され、弁座の面荒れが著
しくなると共に、鋳造組織の基材部も流れによって容易
に脱落する可能性がある。このため、弁の耐漏洩性能が
低下したり、制御特性や作動特性が変化する等の不具合
を生じる可能性がある。
【0006】又、原子力発電設備においては、炉水と接
する摺動部及び炉内に冷却水を供給する系統設備の弁類
ではこれらの部位に肉盛されている高硬度のCo基合金
等は、腐食・エロージョンによって系統中に混入する。
【0007】なお、従来の弁類の摺動部ベースメタルと
しては炭素鋼,構造用合金鋼,低合金鋼等が多く用いら
れており、これら炭素鋼,構造用合金鋼や低合金鋼等の
表面にCo基合金,Ni基合金,Fe基合金等の表面溶
着合金を肉盛すると、炭素鋼,構造用合金鋼や低合金鋼
表面が急熱・急冷を受けるために(1)残留応力の発生,
(2)形状寸法の変化,(3)破壊靭性や衝撃値の低下,
(4)各種の腐食に対する耐食性や疲労特性の低下が生じ
る可能性がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、摺動
部の耐食性・耐エロージョン性を向上させた弁及びそれ
を用いた原子力発電プラントを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、フェライトと
パーライトを主にした炭素鋼、構造用合金鋼,低合金鋼
からなる基材部の摺動部表面に、共晶炭化物を有する合
金中の前記共晶炭化物を複数の粒状又は複数の球状に集
合形成して、粒径約30μm以下、好ましくは10μm
以下の共晶炭化物を非連続分布とした耐食・耐摩耗コバ
ルト基合金,ニッケル基合金あるいは鉄基合金からなる
部材に接合されている弁である。コバルト基合金は、重
量で、C0.6 〜3%,Si2%以下,Cr25〜32
%,W15%以下、好ましくは4〜15%、Fe0〜3
%,Ni0〜3%,Mo0〜6%を含むものが好まし
い。ニッケル基合金は、重量で、C1%以下、好ましく
は0.2〜0.5%、Si3〜7%以下,Cr7〜18
%,W3%以下、好ましくは0.5 〜2%、B3%以下
を含むものが好ましい。また、Fe基合金は、重量で、
C1.5以下、好ましくは0.3〜1.0%、Si4%以
下、好ましくは0.5〜3%、Cr15〜27%,W3
%以下、好ましくは0.5 〜2%を含むものが好まし
い。
【0010】本発明は、接合後の冷却速度を制御するこ
とにより摺動部のベース金属の組織をフェライト及びパ
ーライトを主にした組織にするものである。その硬さは
Hv100〜250程度とするのが好ましい。
【0011】前記の鋳造組織基材部と共晶炭化物とを有
する合金に鍛造又は圧延による塑性加工や加熱処理を加
えて前記共晶炭化物を非連続分布とした耐食・耐摩耗合
金が拡散接合により摺動部に接合されていることが好ま
しい。
【0012】更に言えば、前記の拡散接合が母材より低
融点のインサート材を接合界面に挿入し融点降下元素を
母材中に拡散させ凝固・接合を進行させる液相拡散接合
であることが好ましく、前記インサート材が重量で、S
i1〜8%,B1〜5%、好ましくはSi3〜6%,B
2〜4%を含むニッケル基合金或いはこれにさらにCr
5〜20%を含有するニッケル基合金が好ましい。
【0013】従来、網目状に連続して分布する共晶炭化
物を粒状又は球状として不連続化するための一方法とし
て、肉盛用の表面溶着合金に鍛造・圧延等の塑性加工と
加熱処理(焼鈍)を行う方法あるいは高湿で熱間鍛造・
熱間圧延を行う方法等があるが、これに限定するもので
はない。
【0014】共晶炭化物を不連続化した耐食・耐摩耗合
金の摺動部への接合は拡散接合、なかでも液相拡散接合
によって容易に実現することができる。液相拡散接合で
は、母材(非接合材)よりも融点の低いインサート材を
接合界面に挿入し、接合(加熱)時にインサート材に含
有されるB,Si,P等の融点降下元素を母材中に拡散
させることで凝固・接合を進行させるために、いわゆる
固相拡散接合に比較して接合時の加圧力を小さくするこ
とができ、接合による変形も少ない。また、接合面の機
械加熱仕上げ精度もRmax 20μm程度でも良好な接合
が可能である。本発明は、高温での拡散接合後における
室温までの冷却速度を制御することにある。従来の表面
溶着合金を肉盛する方法では、摺動部ベースメタルの炭
素鋼,構造用合金鋼や低合金鋼の表面が急熱・急冷を受
けるためにベースメタル肉盛部のミクロ組織中にマルテ
ンサイトやベイナイト等が存在して、大きな残留応力の
発生,破壊靭性や衝撃値の低下,耐食性や疲労特性の低
下等の問題点を生ずることがあった。これに対して本発
明では、拡散接合後の温度−時間曲線すなわち冷却曲線
が、摺動部ベースメタルである炭素鋼,構造用合金鋼や
低合金鋼の連続冷却変態(CCT)図におけるマルテン
サイトあるいはベイナイトを含む領域を横切らないよう
に制御することにより、フェライトとパーライトを主体
としたミクロ組織とHv250以下の硬さを実現し、上
記問題点を解決した。硬さがHv250以下であれば、
たとえばH2S を含む環境下でのベースメタルの耐食性
・耐応力が腐食割れ性等が大きく向上する。
【0015】なお、液相を介して母材(非接合材)を接
合する方法として、従来からろう接が知られているが、
ろう接では主にろう材と母材との間の化学的結合力と物
理的粘着力とを利用しており、ろう材・母材間の相互拡
散は液相拡散接合に比較して少なく、従って接合強度等
接合部の信頼性も液相拡散接合が優れている。
【0016】本発明によれば、これを各種機器及び弁類
の摺動部に拡散接合することにより、過酸化水素水等の
注入によって生じた溶存酸素がもたらす共晶炭化物の腐
食損傷を抑制し、同時に機器・弁類の摺動部の摩擦抵抗
の増加や弁座面等の荒れによる耐漏洩性能の低下も抑制
し、耐衝撃性・保守性能に優れた各種機器・弁類を提供
することができる。
【0017】又、本発明によれば、鍛造又は圧延等の塑
性加工と加熱処理(焼鈍)を施した板材・棒材から切り
出した粒状又は球状の共晶炭化物を有するCo基,Ni
基,Fe基等の耐食・耐摩耗合金を弁座等に拡散接合、
特に液相拡散接合することで、溶融酸素がもたらす弁座
等の腐食損傷やエロージョン損傷を低減した耐衝撃性の
良好な安全弁,仕切り弁,玉型弁等を提供することがで
きる。
【0018】さらに、本発明によれば、原子力発電設備
の弁類に使用されるCo基合金の腐食・エロージョン・
摩耗等によるCoの飛散・拡散を抑制することで、保守
性に優れた原子力発電プラントを提供できる。
【0019】本発明のCo基耐食・耐摩耗合金では、鍛
造・圧延等の塑性加工とその後の加熱処理(焼鈍)等、
あるいは高温で熱間鍛造・熱間圧延を行う等により、共
晶炭化物は鋳造組織基材部中に粒状又は球状に不連続に
分布しており、溶存酸素による炭化物の腐食損傷は溶存
酸素に接する面の炭化物にのみ限られ、鋳造組織基材部
の脱落も少ない。
【0020】
【発明の実施の形態】〔実施例1〕1050〜1100
℃での熱間鍛造や同じ温度の熱間圧延によって共晶炭化
物を粒径30μm以下の粒状又は球状とした1.0重量
%C−30.0重量%Cr−4.5 重量%Wを含む高硬
度の耐食・耐摩耗Co基合金板3を液相拡散接合によっ
て、図1に示す溶存酸素雰囲気下で使用する仕切り弁の
弁箱1及び弁体2に接合した。図1(a)は仕切弁本体
の断面図、(b)は弁体2の断面図、(c)は弁箱1の
断面図である。仕切り弁の弁体・弁座・弁箱表面を洗浄
した後、弁体・弁箱の弁座面上に接合用インサート材を
置き、次いで該材料の上に共晶炭化物を粒状又は球状と
した厚さ約7mmのリング板形状の上記Co−C−Cr−
W耐食・耐摩耗合金を置いて液相拡散接合を行った。接
合に用いた厚さ約40μmのインサート材は、7重量%
Cr−3重量%Fe−4.5重量%Si−3.2重量%B
を含むNi基合金で、約1040℃で完全に溶融する。
液相拡散接合条件は、接合温度:1100℃,保持時
間:1h,真空度:1〜2×10-4Torr,加圧力:約8
0g/cm2 とした。また、接合後の冷却は1100℃か
ら650℃までを約150℃/h,650℃から425
℃までを約100℃/h,425℃以下を空冷とした。
なお、弁体・弁座ベースメタルの材質は高温圧力容器用
合金鋼鍛鋼SFVA F11A であり、接合後室温まで冷却した
場合の硬さはおよそHv170であった。
【0021】接合後に接合界面近傍の断面光学顕微鏡観
察を実施したところ、ピンホールをボイド等の接合欠陥
はほとんど認められず、良好な接合状態を示していた。
また、弁体・弁座ベースメタルSFVA F11A のミクロ組織
はフェライトとパーライトを主体とするものであった。
本発明の方法で作製した仕切り弁では、溶存酸素による
共晶炭化物の連続的な腐食発生が抑制され、鋳造組織の
基材部の脱落が抑制されるために、弁座1の腐食・エロ
ージョンの進行が抑止され、耐漏洩性能の低下が防止さ
れる。
【0022】〔実施例2〕実施例1と同様の液相拡散接
合及びその後の冷却プロセスで作製したCo−C−Cr
−W合金/SFVA F11A 接合体及びSFVA F11A 上へのCo
−C−Cr−W合金のガス溶接による肉盛溶接で作製し
た従来のCo−C−Cr−W/SFVA F11A肉盛体のそれ
ぞれから、Vノッチ衝撃試験片を切り出して、接合部あ
るいは肉盛部近傍のベースメタルSFVA F11A の衝撃値を
比撃した。肉盛条件は、予熱温度:約630℃,ガス:
酸素・アセチレン混合ガスとした。ガス溶接に用いた肉
盛溶接材の化学組成はCo−1.0重量%C−28.0重
量%Cr−4.0 重量%Wである。これらの試料につい
て0℃における衝撃試験を行った。本発明の方法では衝
撃値が約15kgf・mとベースメタルの切欠靭性が良好な
のに対し、従来のガス溶接による肉盛ままでは約5kgf・
mと 切欠靭性が劣る。なお、従来法について、溶接継手
部等おいて溶接部の性能を改善し、溶接残留応力等の有
害な影響を除去するために実施されると同様の後熱処理
をガス溶接肉盛の後に施した場合にも、やはり衝撃値は
約7kgf・mと本発明の方法におけるより小さく、本発明
によるものは機器及び弁類、特にその摺動部の耐衝撃性
が向上することが明らかである。本発明においては、炭
素鋼,構造用合金鋼あるいは低合金鋼からなる摺動部ベ
ースメタルのミクロ組織をフェライトとパーライト主体
とすること以外に、その硬さをHv250以下とするこ
とも要点の一つである。硬さがHv250以下であれ
ば、たとえばH2S を含む環境下等においても、良好な
耐食性・耐応力腐食を有する摺動部ベースメタルを得る
ことができる。
【0023】なお、上記実施例1及び実施例2ではイン
サート材として低融点のNi基合金を用いたが、Fe基
又はCo基の低融点インサート材を用いることもでき
る。また、本発明の方法は上記仕切り弁のみならず、逆
止弁,安全弁,玉型弁等の弁座部等の摺動部に適用する
ことで、耐漏洩性能の低下、制御性・作動性能の低下を
抑制する効果がある。
【0024】〔実施例3〕本実施例では、1050〜1
100℃での熱間鍛造によって粒径30μm以下の共晶
炭化物を粒状又は球状とした高硬度の1.1重量%C−
29.7重量%Cr−4.5 重量%Wを含む耐食・耐摩
耗Co基合金板3を、液相拡散接合によって、溶存酸素
雰囲気下で使用する逆止弁の弁箱1及び弁体2に接合し
た。本実施例における逆止弁本体は実施例1と同じベー
ス金属によって構成されている。
【0025】図2は逆止弁の縦断面図である。
【0026】接合に用いたインサート材は7重量%Cr
−3重量%Fe−4.5 重量%Si−3.2 重量%Bを
含むNi基合金で、その固相線温度及び液相線温度はそ
れぞれ約970℃及び約1000℃である。液相拡散接
合条件は、接合温度:1090℃,保持時間:1h,真空
度:2×10-4Torr,加圧力:50g/cm2 とした。
【0027】接合後に接合界面の断面観察を実施したと
ころ、ボイド等の接合欠陥はほとんど認められず、良好
な接合状態を示した。
【0028】また、本実施例で作製した逆止弁は溶存酸
素による共晶炭化物の連続的な腐食発生が抑制され、鋳
造組織の基材部の脱落が抑制されるために、弁座1の腐
食が抑止され、耐漏洩性能の低下が防止される。
【0029】なお、本実施例2ではインサート材として
低融点のNi基合金を用いたが、Fe基又はCo基等の
低融点インサート材を用いることもできる。また、イン
サート材には耐食性に有効なCrを含有させることが好
ましく、これによって接合部の耐食性、特に溶存酸素の
多い高温高圧の水・蒸気雰囲気下での接合部の耐食性を
保持できる。
【0030】〔実施例4〕図3は実施例1〜3に記載の
仕切弁及び逆止弁を給水系に用いた原子力プラントの配
管系統図の例である。これらの本発明に係る弁は給水系
配管に非常に多く存在しているので、図示は省略する。
【0031】原子炉圧力容器14で得られた高温高圧蒸
気は主蒸気管15を通って高圧タービン18に導入され
る。次いで、高圧タービン18から排出蒸気は低圧ター
ビン19に導入され発電機20を駆動する。高圧タービ
ン18及び低圧タービン19からの排出蒸気はグランド
蒸気復水器26を経た後、本発明の弁を有する給水弁系
6により給水ポンプ30,高圧給水加熱器31を経て給
水管9を通って原子炉圧力容器14に往復水する。
【0032】本発明は、原子力発電プラント内の機器や
弁の寿命が延命に効果があり、プラント内の作業員の放
射線被曝を低減することができる。
【0033】また、本発明の仕切り弁や逆止弁のみなら
ず、安全弁,玉型弁等の弁座部の摺動部に適用すること
で、耐漏洩性能の低下、制御性・作動性能の低下を抑制
する効果がある。
【0034】以上の弁を組み合わせて使用することで、
タービン発電設備等のプラント設備で行われている、水
質調整の目的からの過酸化水素水の注入等による溶存酸
素の影響による弁類の弁座等の摺動部の腐食・エロージ
ョンを抑制でき、タービン発電設備等のプラント設備の
安全性向上に効果がある。
【0035】特に、原子力発電設備においては炉水の接
する摺動部及び炉内に冷却水を供給する系統設備の弁の
弁座・ケージ等のCo基合金の共晶炭化物の腐食脱落と
それに伴う、共晶炭化物内のCoの系統内への流出・拡
散を抑制すると共に、共晶炭化物の腐食脱落によって耐
エロージョン性能の低下したCoを主成分とする鋳造組
織の基材部の脱落を抑制でき、原子力発電所内での作業
者の被曝の低減を顕著に図ることができる。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明の機器及び弁によ
れば、流体中の溶存酸素による共晶炭化物の腐食損傷に
伴う弁の摺動部又は弁座部の荒れが少なく、摺動部や弁
座部での摩擦抵抗の増加抑制や弁座部での漏洩の防止を
確実に維持できる。
【0037】また、本発明の原子力発電プラントは、そ
のプラント内の機器や弁の寿命が延命される。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕切弁の断面図及び弁座部の拡大図である。
【図2】逆止弁の断面図、及び弁座部の拡大図である。
【図3】本発明の弁を給水系に用いた原子力プラントの
配管系統図である。
【符号の説明】
1…弁箱、2…弁体、3…耐食・耐摩耗Co基合金板、
5…冷却材浄化系熱交換器、6…給水弁系、7…給水加
熱器、8…再循環系配管、9…給水管、10…主復水
器、11…SLCタンク、12…SLCポンプ、13…
格納容器、14…原子炉圧力容器、15…主蒸気管、1
6…給水管、17…分湿分分析器、18…高圧タービ
ン、19…低圧タービン、20…発電機、21…主変圧
器、22…排気管、23…オフガス処理系、24…空気
抽出器、25…低圧復水ポンプ、26…グランド蒸気復
水器、27…復水貯蔵槽、28…復水ろ過装置、29…
復水脱塩装置、30…給水ポンプ、31…高圧給水加熱
器、32…制御棒駆動系、33,36…熱交換器、34
…ろ過脱塩器、35…原子炉隔離時冷却系。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16K 15/03 F22B 1/16 C F22B 1/16 C22C 19/03 K // C22C 19/03 19/07 K 19/07 38/00 302Z 38/00 302 B23K 103:18 B23K 103:18 G21D 1/00 V (72)発明者 加藤 隆彦 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 原子力事業部内 (72)発明者 千葉 良照 茨城県日立市弁天町三丁目10番2号 日 立協和エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開2003−48076(JP,A) 特開2003−28315(JP,A) 特開2003−183701(JP,A) 特開2002−48264(JP,A) 特開2001−288521(JP,A) 特開2000−273573(JP,A) 特開 昭60−121088(JP,A) 特開 平8−193246(JP,A) 特開 平7−18365(JP,A) 特開 平11−62503(JP,A) 特開 平9−225681(JP,A) 特開 平2−182854(JP,A) 国際公開02/101204(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21D 1/00 B23K 20/00 F16K 3/12 F16K 15/03 F22B 1/16 C22C 19/03 C22C 19/07 C22C 38/00 B23K 103:18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェライト及びパーライトを主にした組織
    を有する炭素鋼又は低合金鋼からなる基材の表面に、共
    晶炭化物を有し、該共晶炭化物の粒径が30μm以下で
    あるコバルト基合金,ニッケル基合金あるいは鉄基合金
    のいずれかからなる部材が接合されていることを特徴と
    する弁。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記部材は熱間鍛造又
    は圧延による塑性加工が施され、前記共晶炭化物が基地
    に非連続的に分散しており、拡散接合により前記基材の
    表面に接合されていることを特徴とする弁。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記拡散接合は母材よ
    りも低融点のインサート材を接合界面に挿入し、融点降
    下元素を母材中に拡散させ凝固・接合を進行させる液相
    拡散接合であることを特徴とする弁。
  4. 【請求項4】原子炉炉水の循環系統内にフェライト及び
    パーライトを主にした組織を有する炭素鋼又は低合金鋼
    からなる給水弁を有する機器が配置された原子力プラン
    トにおいて、前記弁の表面に、共晶炭化物を有し、該共
    晶炭化物の粒径が30μm以下であるコバルト基合金,
    ニッケル基合金あるいは鉄基合金のいずれかからなる部
    材が接合されていることを特徴とする原子力プラント。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記部材は熱間鍛造又
    は圧延による塑性加工が施され、前記共晶炭化物が基地
    に非連続的に分散しており、拡散接合により前記基材の
    表面に接合されていることを特徴とする原子力プラン
    ト。
  6. 【請求項6】原子力プラントの原子炉の炉水と接触する
    フェライト及びパーライトを主にした組織を有する炭素
    鋼又は低合金鋼からなる給水弁の表面に、粒径が30μ
    m以下の共晶炭化物が分散したコバルト基合金,ニッケ
    ル基合金あるいは鉄基合金のいずれかからなる部材が液
    相拡散接合により接合されていることを特徴とする原子
    力発電プラント。
JP2000095219A 2000-03-29 2000-03-29 弁及びそれを用いた原子力発電プラント Expired - Fee Related JP3503565B2 (ja)

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