JP3502093B2 - 抗体の製造 - Google Patents

抗体の製造

Info

Publication number
JP3502093B2
JP3502093B2 JP50245793A JP50245793A JP3502093B2 JP 3502093 B2 JP3502093 B2 JP 3502093B2 JP 50245793 A JP50245793 A JP 50245793A JP 50245793 A JP50245793 A JP 50245793A JP 3502093 B2 JP3502093 B2 JP 3502093B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
human
chain
cdna
cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP50245793A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07502882A (ja
Inventor
クロー、ジェームズ・スコット
ルイス、アラン・ピーター
Original Assignee
ザ・ウエルカム・ファウンデーション・リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=27265765&utm_source=***_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3502093(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Priority claimed from GB919115284A external-priority patent/GB9115284D0/en
Priority claimed from GB919116594A external-priority patent/GB9116594D0/en
Priority claimed from GB929206284A external-priority patent/GB9206284D0/en
Application filed by ザ・ウエルカム・ファウンデーション・リミテッド filed Critical ザ・ウエルカム・ファウンデーション・リミテッド
Publication of JPH07502882A publication Critical patent/JPH07502882A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3502093B2 publication Critical patent/JP3502093B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/08Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from viruses
    • C07K16/10Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from viruses from RNA viruses
    • C07K16/1009Picornaviridae, e.g. hepatitis A virus
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/20Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin
    • C07K2317/21Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin from primates, e.g. man

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、DNA技術による組み換え型霊長類抗体の製
造、真核細胞系におけるこれらの発現、及び人の治療及
び予防処置におけるこの様な抗体の使用に関する。
〔背景技術〕
抗体、即ち免疫グロブリンは、だんぱく様の二官能性
分子である。異なった抗体間で非常に変化し得る一つの
領域は、例えば身体が遭遇する多くの異なった病原菌の
ような抗原への結合の原因となり得る。一方、第二の領
域、即ちC領域(定常領域)は細胞のFcレセプターへの
結合の原因となり、また補体、即ち細胞溶解の原因とな
り得る蛋白質の複合系も活性化する。この点で、抗体
は、外来微生物及びウイルスを破壊する哺乳類の免疫応
答における決定的に重要な成分である。
抗体は、C領域の構造に基づいて異なったクラスに分
類される。例えばヒトでは、5種の主構造クラスが免疫
グロブリンG(即ちIgG)、IgM、IgA、IgD及びIgEが同
定され得る。各々のクラスは、免疫系の免疫グロブリン
の機能に関連したその物理的及び生物学的特徴を基にし
て識別される。IgG種は、更に生物学的挙動に差を与え
るH鎖のアミノ酸組成及びジスルフィド結合(以下の説
明を参照)の違いによって4つのサブクラス:IgG1、IgG
2、IgG3及びIgG4に分類される。クラス及びサブクラス
の記述は、Ivan Roittによる「Essential Immunology
(Blackwell Scientific Publications)」に説明され
ている。
抗体は、2本のL鎖と2本のH鎖から構成されてお
り、これらは鎖間ジスルフィド結合によって互いに保持
されている。各々のL鎖は、ジスルフィド結合によって
H鎖と結合し、2つのH鎖はお互いにジスルフィド結合
で結合している。各々のH鎖は、一端に可変ドメイン
(variable domein)を有し、これには多くの定常ドメ
イン(constant domein)が続く。また、各々のL鎖は
一端に可変ドメインを有し、多の一端に定常ドメインを
有する。L鎖の可変ドメインは、H鎖の可変ドメインに
対して整列される。L鎖の定常ドメインは、H鎖の最初
の定常ドメインに整列される。H鎖の残りの定常ドメイ
ンはお互いに対して整列される。L鎖及びH鎖の定常ド
メインは、抗原への抗体の結合には直接に関与しない。
L鎖及びH鎖の各対の可変ドメインは、抗体結合部位
を形成する。これらは、同様の一般的な構造を有してお
り、各々のドメインは4つのフレームワーク領域を含有
している。これらの領域の配列は比較的一定に保たれ、
3つの相補性決定領域(CDRs)によって結合されてい
る。4つのフレームワーク領域は、広くβ−シートコン
ホーメーションを取っている。また、CDRsはループ接合
を形成しており、ある場合にはβ−シート構造をその一
部に含有している。CDRsはフレームワーク領域によって
近接して保持されており、他のドメインからのCDRsと共
に抗原結合部位の形成に寄与している。
抗体鎖は、異なった染色体上の3つの分離された遺伝
子座で、遺伝子によってコード化される。1つの遺伝子
座はH鎖のアイソタイプをコード化し、κ及びλL鎖に
対する分離された遺伝子座があるが、Bリンパ球はこれ
らのL鎖遺伝子座の1つのみを転写するる。抗体の可変
ドメインをコード化する遺伝子は、V、D及びJ遺伝領
域の連結を含む再結合過程によってBリンパ球の固体発
生の間に産生される。単一のBリンパ球は、確実に1種
類の抗原特異性のみを有するように、再結合された一つ
のH鎖可変ドメイン及び一つのL鎖可変ドメインを使用
するのみである。この結果、H鎖の1つの対立遺伝子及
びL鎖の1つの対立遺伝子のみが、単一のBリンパ球に
よって発現される。これは、対立遺伝子排除として知ら
れている。
感染又は免疫処理によって動物を抗原にさらすことに
より、異なった特異性と親和性を有する異なった抗体が
産生される。従って、免疫処理された動物から得られる
抗血清は、不均一であり、多くの異なったリンパ球クロ
ーンによって産生される抗体のプールを含有する。この
ようにして得られる抗体はポリクローナル抗体といわ
れ、このポリクローナルな特徴には、治療への応用及び
診断としてのアッセイに抗体を使用する際に大きな欠点
がある。
Kohler及びMilstein(Nature,1975,256,495−497)
が、抗原で免疫されたマウスからの脾臓細胞とマウスの
ミエローマ系細胞との融合の成功を報告した1975年に、
大きな飛躍的進歩が起こった。生じた雑種細胞(これは
ハイブリドーマといわれる)は、脾臓細胞から誘導され
る抗体産生能と、ミエローマ細胞から誘導される連続増
殖性を有する。個々のハイブリドーマは、もとの抗原の
特有の決定因子に対する単一の抗体を合成し、分泌す
る。培養中の全ての細胞が同一であること、即ち、これ
らの細胞が特有の抗体種を合成するために要求される遺
伝情報を含むことを保証するために、細胞融合で生じた
ハイブリドーマはクローン化及びサブクローン化され
る。こうして、クローン化されたハイブリドーマは、脾
臓細胞に由来するもとの動物種の均一な抗体を産生す
る。
モノクローナル抗体を産生できることによって、多く
の疾病の診断は根本的に改革され、非常に多くの病理学
的な疾患の予防及び免疫療法の可能性が提供された。あ
いにく、外来抗体、即ちマウスやラットのような非ヒト
種の抗体は、予防接種又は治療のためにヒトに繰り返し
投与されると、個体の免疫系によって認識され、望まな
い抗グロブリン反応を起こすらしい。この抗体反応は、
外来起源の定常ドメイン及び4つのフレームワーク領域
が原因になっている。この反応は、治療用の抗体の中和
を起こし、有害なアナフィラキシー反応又はアレルギー
反応の引き金となるらしい。更に、ヒト以外のモノクロ
ーナル抗体は、ヒトの補体に特に良く結合せず、抗体の
定常領域のエフェクター作用の違いを考慮すれば、抗体
依存性細胞障害(ADCC)の様な細胞クリアランスの非特
異的メカニズムの引き金になることは少ないようであ
る。従って、ヒト以外のモノクローナル抗体は、感染細
胞又は疾患細胞の除去に関しては、ヒト抗体程に効果的
ではない。従って、治療用の抗体として効果的であり、
且つ抗−抗体反応を起こすことなく循環に残るために
は、患者の免疫系による認識を回避できなければならな
い。
この問題の1つの解決策は、Morrisonら(P.N.A.S.,1
984,81,6851−6855)及びNeubergerら(Nature,1985,31
4,268−270)が開示しているように、キメラ抗体を形成
することである。このキメラ抗体では、上述のハイブリ
ドーマから誘導される外来種の可変領域をヒト抗体の定
常領域に移植する。しかし、この場合に、可変領域は受
容体に対して外来種であり、従って、これは認識され
得、免疫抗原性の問題をまだ十分に有している。Jones
ら(Nature,1986,321,522−525)及びRiechmannら(Nat
ure,1988,332,323−327)は、外来抗体種のCDRsをヒト
抗体フレームワーク上に移植することを開示し、抗体の
ヒト化はこれらの多くの問題を緩和した。しかし、抗体
のCDR移植は複雑な工程であり、生じた抗体はその結合
親和性を維持するために更に修飾が必要であり得る。従
って、ヒト免疫系による認識を回避するためには、抗体
の最適型はヒト抗体又はヒト抗体と実質的に同一の抗体
であることは明かである。
未公開レポート(anecdotal reports)は、研究室動
物として一般的に用いられる類人猿(例えばチンパンジ
ー)及び猿(例えば、シノモルグス(cynomolgus)、レ
ースス(rhesus)、アオツス(aotus))が、ヒトの免
疫応答に十分密接な免疫応答を有し、感染の良いモデル
となることを示唆している。また、これらの抗体は、ヒ
ト抗体に対して十分に相同性であり、例えば鼠の抗体で
直面する幾つかの問題を回避できることが示唆されてい
る。この証拠は報告されておらず、何れかのヒト以外の
霊長類細胞系が試験に利用される場合にも幾つかの証拠
しかない。従ってこのような抗体を得る工程は非常に問
題となる。ヒトリンパ球から細胞系が産生されている
が、このような系は安定性が低く、より安定であり得る
ハイブリッドを容易には形成しない。また、試験管内で
培養される場合、抗体の収量は通常低い。霊長類細胞は
また、例えばウイルスの様な外来感染性の核酸を有して
おり、これは治療される人に交差感染する問題を有して
いる。これらから産生される抗体を、ヒトに投与するた
めの許容な形態にする前に、長い精製及び/又は殺菌手
段を適用しなければならない。
欧州特許出願No.314161には、真核性宿主細胞にヒト
免疫グロブリンを産生させるためのプロセスが開示され
ている。この宿主細胞に、ヒトH鎖の可変領域及び定常
領域をそれぞれコードする、機能し得るように連結され
た第一及び第二の遺伝子を移入する。宿主細胞はまた、
ヒトL鎖の可変領域及び定常領域をコードする機能し得
るように連結された遺伝子も形質導入される。この形質
導入された細胞が培養され、所望の結合特異性の可変領
域を有する組換え型ヒト免疫グロブリンが細胞培養から
回収され得る。しかし、この工程は、多くの問題を有し
ている。
i)この工程を行うのに十分なゲノムDNAを回収するた
めには、大量のリンパ球を必要とする。この明細書には
12×108のリンパ球を必要とすることが開示されていお
り、このリンパ球から121μgのゲノムDNAが回収され
る。
ii)4種の対立遺伝子(H鎖に対して2種及びL鎖に対
して2種)は全てゲノムDNAに回収され、更に加工する
ための遺伝子の機能対合(H鎖に対して1種及びL鎖に
対して1種)を得るために、クローニング、発現、及び
結合試験による広範囲な塩基配列の決定及び選別が必要
となる。
iii)開示された工程によって形質導入された宿主細胞
は、培養による抗体の発現レベルが低い。この明細書で
は6.7〜34.5μg/m(平均すれば20μg/mになる)の
収量と、サイトメガロウイルス(CMV)発現エンハンサ
ーをわずか1μg/m含有する構成物を使用することが
開示されている。
国際特許出願WO91/04336にも、ゲノムDNAの回収を経
るヒトモノクローナル抗体の産生のためのプロセスが開
示されている。このプロセスが、EP314161に対して先に
示したのと同様の欠点を有することは明らかである。
PCRの登場によって、少量の細胞から誘導されるmRNA
からcDNAクローンの生成が可能になった。PCRは非常に
強力な手法であるが、標的cDNA配列の5'及び3'末端の配
列情報が必要であることが、多様な配列を有する蛋白
質、特にヒト抗体ファミリーのような異なったリーダー
配列を有する分泌された生成物をコードするmRNAからcD
NAクローンを生成するためにこの技術を使用することが
妨げられている。多くのヒトH鎖配列が報告されており
[Kabat E.A.ら、「免疫学的に興味のある蛋白の配列」
第4版、US Dept.of Health and Human Services、US G
ovt.Printing Service 1987]、PCRプライマーは、これ
らのコンセンサス配列からデザインされるが、3'塩基が
Taqポリメラーゼによる伸長に適合しないために、全て
のヒトV領域がこれらのプライマーを用いて増幅される
わけではない。
従って、本発明は、完全なヒトH鎖及びL鎖抗体遺伝
子を取り出し、機能的な抗体を永続させるための高レベ
ルの真核性発現ベクターを用いて上記遺伝子を真核細胞
中で発現させることを容易にするために、従来の組換え
型cDNAクローニング技術を包含した新規なプロセスを提
供する。
更に、本発明によれば、ヒト以外の霊長類末梢血リン
パ球からクローン化されたcDNA及びそれから生成される
抗体鎖が、実際に、ヒト抗体鎖シーケンスに対する十分
な相同性を有し、有用な治療剤を潜在的に提供すること
も示される。従って、本発明には、上述のようなヒト以
外の霊長類のH鎖及びL鎖抗体遺伝子の取り出しのため
の方法並びにそれらの発現が含まれる。
従って、本発明は、以下のステップを含む組換え型の
霊長類抗体の製造方法を提供する。
(i)所望の抗体を発現することができる霊長類リンパ
球由来の細胞系を選別すること、 (ii)該細胞系からRNAを単離し、こうして単離された
他のRNAからmRNAを分離すること、 (iii)該mRNAからcDNAを合成し、該cDNAをクローニン
グベクターに挿入すること、 (iv)該cDNAを含有するベクターで宿主細胞を形質転換
し、ライブラリーを得ること、 (v)抗体のH鎖及びL鎖遺伝子をコードするcDNAにつ
いて、前記ライブラリーをスクリーニングすること、 (vi)該遺伝子をコードするcDNAを発現ベクターに挿入
すること、 (vii)該cDNAを含有する発現ベクターを宿主細胞に形
質導入すること、及び (viii)該形質導入された宿主細胞を培養し、所望の抗
体を単離すること。
「霊長類」という語は、原猿(例えばレムルス(Lemu
rs))、アメリカ猿(new world monkeys;例えばオータ
ス(aotus))、尾なしザル(例えばチンパンジー)及
び人を意味する。
霊長類リンパ球由来の細胞系という表現は、単一の抗
体を産生するであろう単一の霊長類リンパ球から誘導さ
れた細胞系を意味する。該細胞系は、RNAを回収できる
ように十分安定でなければならず、そのためには従来の
ウイルス性の形質転換及び/又はハイブリドーマ技術
(「ハイブリドーマ形質転換の方法」Bartal及びHirsau
t編Humana Press、Clifton、N.H.1985年で開示されてい
るようなもの)を用いて安定化又は不死化することが好
ましい。このような細胞系は、American Type Culture
Collection of Rockville MD,USAのような寄託機関から
得ることができる。
上記の細胞系は、末梢血リンパ節、又は例えば疾患状
態から回復したこと若しくは疾患状態からの寛解にある
ことがわかっている個体(ヒト又はヒト以外の霊長類)
の脾臓から;病原性微生物に冒されていること、又は癌
若しくは自己免疫疾患にかかっていることがわかってい
るが、完全には疾患の症状が現れていない個体から;抗
原でワクチン化若しくは接種され、抗体応答を備えた個
体から;または健康な個体から、リンパ球(即ちリンパ
芽球細胞若しくはB−リンパ球)を、取り出し、次いで
有用な抗体をスクリーニングすることによって生産され
得る。疾患状態の例には、病原性微生物(例えばウイル
ス又はバクテリア)による感染が含まれる。この場合、
リンパ球の取り出しは、回復の後2から3カ月の期間、
若しくは高抗体価の段階で行われることが好ましい。或
いは、又疾患状態の例には、抗原(例えば病原性微生物
の抗原)に対するワクチン接種を受けている個体が含ま
れる。この場合、リンパ球の取り出しは、免疫の後2か
ら3カ月の期間に行われることが好ましい。ウイルスの
ような病原性微生物が検出され得るが、完全な疾患の状
態にまでは進行していない個体も、非常に有用な抗体産
生細胞源になり得る。明らかに、人のワクチン接種にし
ばしば用いられる微生物の希釈された形態を用いるより
も、むしろ人以外の霊長類を病原性微生物で接種する方
が可能性がある。この微生物に対する免疫応答は、非常
に大きくなり得るであろうから、ワクチン接種された個
体よりも優れた抗体産生細胞源になり得る。
細胞系はまた、癌若しくは自己免疫疾患のような疾患
状態に悩まされていることがわかっており、且つ癌細胞
若しくは自己抗原に対して抗体反応し得ることが示され
得る個体から、リンパ球を取り出すことによっても生産
される。リンパ球はまた、癌の自然寛解を示すとみなさ
れる個体、又は癌抗原でワクチン接種され、抗体反応を
備えた個体からも得られ得るる。有用なリンパ球を同定
するための他のアプローチには、特定の環境因子にさら
されたこと、又は例えば個体群内で癌の平均発生率より
も大きい発生率を示す「癌ファミリー」のような遺伝的
個体素因のため、癌を発生させる危険を有することがわ
かっている個体のコホートをスクリーニングすることが
含まれる。これらのコホートは、特に個体の能力の結果
として癌抗体に対する抗体を生成するために癌を発生し
ない個体に対してスクリーニングされる。癌性細胞が全
ての個体に存在し、一般に免疫系は抗体の産生によっ
て、癌の状態に到達する前に突然変異した細胞を除去す
るように応答し得るという理論に基づいて、抗癌抗体に
ついて健康な個体をスクリーニングすることも可能であ
る。もしそうであれば、有用なリンパ球は何れの個体か
らも得られる。このように同定されたリンパ球は、次に
ウイルス性形質転換及び/又は融合によって、以下に示
すように安定化される。
ウイルス性形質転換は、好ましくはEpstein Barr Vir
us(EBV)を用いて行われる。ほとんどの末梢血B−リ
ンパ球はEBVに対するレセプターを有しており、ウイル
スによって感染されたとき、これらの細胞はEBV核抗原
(EBNA)の付随する発現で形質転換される。しかし、約
20%の細胞のみが試験管内で「不死化」され、これらは
一般に少量の不活性化B−細胞のみである。プラズマ細
胞(活性化B細胞)は、EBVレセプターを欠いているの
で、このルートによるウイルス性の形質転換の有効性を
減少するような成熟を伴い、回収されたリンパ球が成熟
したときはEBV感染に対する抵抗性が増加するようであ
る。
従って、EBVを用いたウイルス性の形質転換に対して
は、非プラズマ細胞性の末梢血リンパ球を用いることが
好ましい。細胞系を確立するためには、B95.8(Miller
ら、1972年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 69 383−387)の
様なウイルスを生産する細胞系から得られる上清は、一
般には十分な感染性ウイルス粒子を含有する。実際に
は、107個までの細胞のペレットが、約1mのウイルス
細胞培養上清に懸濁され、37℃で約1時間インキュベー
トされる。これによってウイルスは、B細胞上の特異的
なレセプターに結合し、細胞に挿入する沈殿を防止する
ために、容器を穏やかに撹拌するのが好ましい。このよ
うにして感染された細胞は、培養され、所望の抗体に対
する遺伝子をクローン化し得る。
ウイルス性形質転換に対する別法又は追加のステップ
は、ミエローマ細胞に融合させて、安定化することであ
る(Crawford,D.H.1985年、ヒトハイブリドーマ及びモ
ノクローナル抗体、E.G.Engelman,S.K.H.Foung,J.Larri
ck及びA.Raubitschek編、37〜50頁、又はRoder J.C.
ら、Epstein−Barrウイルス−ハイブリドーマ技術、同
書55〜67頁)。ミエローマは、任意に、好ましくはマウ
ス/ヒト起源のヘテロハイブリドーマであってもよい。
適切なヘテロハイブリドーマは、例えばHT01のような抗
体分泌細胞系から生成され得る。適切な細胞は、ヒポキ
サンチンアミノプテリン及びチミジンに対するこれらの
感受性に基づき、該細胞がアミノプテリン感受性である
ので8−アザグアニンを含有する培地により、該細胞を
連続して継代することによって選別される。
このようなヘテロハイブリドーマを用いるためには、
内因性のヒトH鎖及びL鎖をコードする遺伝子を削除し
なければならない。さもなければ、最終の細胞系は2以
上の抗体を生成し得、所望の抗体のみのH鎖及びL鎖を
含有しないことになるだろう。これは、細胞に90%致死
量の紫外線を照射し、抗ヒトIgでの細胞質染色(cytopl
asmic staining)、及び染色体数(即ち60から140の間
のマウスの染色体を有する多倍数体)によって、適切な
クローンを選別することによって達成され得る。
活発に増殖する細胞を選別することも有利である。こ
れは、2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン(又はプ
リスタン)感作されたマウスの腹腔よって継代すること
により達成される。
次に、増殖性、核型及び融合性(このうち融合性が最
も重要である)についての最終選別が行われ得る。理想
的なヘテロハイブリドーマは、主にマウスの染色体を含
有する。
標的リンパ球細胞系の選別は、所望の抗原に対して親
和性を有する抗体の産生、及び抗体の機能性についての
スクリーニングによって行われ得る。
親和性の試験は、免疫測定技術、例えば放射線免疫測
定又は酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって達成
され得る。このような免疫測定技術は、抗体と抗原との
特異的な相互作用を利用し、抗原特異性に関する情報を
提供する。放射線免疫測定法は、放射性の抗原と複合体
を形成する抗体の容量を決定すること、又は不溶性の抗
原製剤に結合する抗体の量を測定することの何れかによ
って、抗体のレベルを検定する。ELISA法は、抗原又は
抗体に酵素を結合することを含む。酵素は通常、簡単な
動力学を基にして選択され、着色された反応生成物は例
えば分光光度法によって測定し得る。好ましい酵素に
は、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダー
ゼ及びホースラディッシュペルオキシダーゼが含まれ
る。ELISAは、一次結合アッセイ又は競争結合アッセイ
として使用される。例えば、ウイルスによって感染され
た個体から単離されたリンパ球は、完全な若しくは中空
のウイルス粒子の形態の適切にラベルされたウイルス抗
原の存在下において、1つのリンパ球細胞系からの上清
培地をインキュベートすることによって選別され得る。
抗体/抗原複合体は、次に、上述のように同定され得、
個々のリンパ球細胞系が更に研究するために選別され
る。
感染性物質の場合の抗体の機能性の試験には、例えば
ウイルスの中和のような中和に対する競争試験が含まれ
る。中和試験は、放射性同位元素免疫焦点測定法(Radi
oimmunofocussing Assay)(RIFA)を用いて行われ得
る。この場合、固定濃度の純粋な抗体が同容積の10倍希
釈のウイルスと共にインキュベートされ、次いでウイル
ス価が検定される。別の試験は、補体を使用して細胞溶
解を試験するものであり得る。
ヒト/又はヒト以外の霊長類のIgG種(即ちIgG1、IgG
2若しくはIgG3)、IgM、IgA、IgD、又はIgEを分泌する
細胞を得ることができる。これらはオクタロニー寒天二
重拡散法又はELISAによって選別される。
所望の特異性を有する機能性抗体を発現するリンパ球
細胞系の選別に続いて、Chomczynski及びSacchi(1987
年、Anal.Biochem.162,156−159)の方法のような標準
の組換え技術を用いて、全細胞のRNAが単離され得る。
また、抗体をコードする特異的なメッセンジャーRNA(m
RNA)を単離するために、標準的な技術も使用される。
これには例えば、分子クローニング:Maniatisら、Cold
Spring Horbor Laboratory pressによる研究室指針に開
示されているようなものがある。
次に、相補型DNA(cDNA)が、例えば先述の分子クロ
ーニングマニュアルで開示されているような標準的な組
換え技術によってmRNAから合成される。
全細胞RNAを単離するために、1〜3×104から1〜3
×107個の間のリンパ球を使用することができる。しか
し、本発明は更に、不安定な抗体産生ハイブリドーマ又
は安定性が知られていないEBV形質転換B細胞に必要と
される、非常に少ない数の細胞から完全な長さの抗体遺
伝子をクローニングする方法を提供する。従って、この
方法は、不安定な細胞からヒト若しくはヒト以外の霊長
類抗体を取り出すために特に有用である。しかし、この
方法は、任意の抗体のH鎖及び/又はL鎖遺伝子を取り
出すのに使用し得る。これは、従来のcDNAクローニング
のための市販の酵素及びベクター系の再現性及び品質に
関する進歩、並びにミクロRNA単離技術の導入によって
可能となる。
この改良された方法は、1000個程度の量しかないハイ
ブリドーマ細胞から、大きさの選択されたcDNAライブラ
リーを創製することによって達成される。次に、このラ
イブラリー又はその画分は、免疫グロブリン鎖について
スクリーニングされ得る。
従って、本発明は次のステップを具備した完全な長さ
の抗体遺伝子をクローニングする方法を提供する:i)約
1000の細胞からのミクロRNAの調製、ii)大きさを選択
されたcDNAライブラリーの生成、iii)H鎖及びL鎖を
コードするcDNAについて、該ライブラリーをスクリーニ
ングすること、iv)前記H鎖及びL鎖をコードするcDNA
を単離すること。
また本発明は下記のステップを具備した、組換抗体の
製造方法を提供する。
i)約1000の細胞からのミクロRNAの調製、 ii)大きさを選択されたcDNAライブラリーの生成、 iii)H鎖及びL鎖をコードするcDNAについて、該ライ
ブラリーをスクリーニンし、これを単離すること、 iv)H鎖及びL鎖をコードするcDNAを発現ベクターに挿
入すること、 v)前記cDNAを含有する発現ベクターを宿主細胞に形質
導入すること、及び vi)形質導入された宿主細胞を培養し、所望の抗体を単
離すること。
抗体のH鎖及びL鎖の蛋白をコードするcDNAクローン
の同定は、再製可能なベクター、例えばプラスミドにcD
NAをクローニングし、宿主細胞、例えばE.Coliのような
原核生物を形質転換することによって達成される。次
に、生じたライブラリーを、以下の手順に従って、抗体
のL鎖及びH鎖cDNAについてスクリーニングする。
スクリーニングは、検出ラベルを有するH鎖及びL鎖
のDNAプローブ、並びに例えばD.M.Gloverによる遺伝子
クローニング(Chapman及びHall Ltd Londonによって発
行)で開示されているような検出方法を用いて行われ
る。これらの技術には、放射性ラベル化及びラジオグラ
フィー法による検出、又は例えばジゴキシゲニン11dUTP
のような非放射性ラベル及び検出キット、例えばBoehri
nger Mannheimから入手できる非放射性DNAラベリング及
び検出キットが含まれる。このスクリーニング法はま
た、完全には分類されていない抗体を、混合プローブ
(例えばヒトγ、μ及びαH鎖プローブ又はκ及びλL
鎖プローブ)を用いて、そのアイソタイプについてのス
クリーニングを可能にする。
クローンは選別され得、所望であれば抗体のH鎖及び
L鎖の配列を決定し得る。発現のためのベクターの調製
に先立つこの段階で、抗体cDNAを修飾することも可能で
ある。これには、単一のコドン若しくは全範囲の修飾が
含まれ得る。例えば、抗体アイソタイプのクラス又は種
のスイッチングが起こり得る(即ち、キメラ抗体が形成
され得る)。これは、単離されたV領域と選ばれたアイ
ソタイプ由来のcDNAとの融合を起こさせることによって
達成され得る。
一度適切な細胞コロニーが選別されると、L鎖及びH
鎖遺伝子のcDNAシーケンスは、発現のための宿主細胞に
挿入するのに適切なベクター中にサブクローンされ得
る。発現ベクターの構築は、当分野で公知の手順に従っ
て行われ得る。(分子クローニング:研究室指針、第2
版、Maniatisら、Cold Springs Harbor) 宿主細胞は、機能的な形態で抗体を発現できなければ
ならない。従って、宿主細胞は哺乳類の細胞(例えばミ
エローマ)又はチャイニースハムスターの卵巣(CHO)
細胞のような真核細胞であって、翻訳後の修飾、特に抗
体の定常領域の機能性に不可欠な鎖の正確な折り畳み及
びグリコシル化を行うことができるものであるべきであ
る。真核細胞は試験管内で非常にうまく培養され得、機
能性抗体を発現することが知られている。酵母又は昆虫
の細胞もまた、所望の翻訳の後の修飾を行い得るので宿
主細胞として役立つ。
H鎖及びL鎖のcDNAはWO87/04462に開示されているよ
うな単一のベクターに形質導入されるか、又は以下に示
されるような2種のベクターに共形質導入(co−transf
ection)される。発現ベクターを用いた宿主細胞系の形
質転換に関する以前及び以後の言及には、共形質転換に
のみ関連することが文脈から明らかでない限り、その意
味として、2以上のベクターを使用する宿主細胞の共形
質転換が包含される。
共形質転換のためのベクター類は、好ましくは選別マ
ーカーを独立に含有しており、従って生じたコロニーは
両マーカーで選別され得る。2重のフェノタイプを現す
コロニーは、一般にL鎖及びH鎖の両方を共に発現する
ことができる。選別マーカーは、優性のものであっても
よく、そうでなくてもよい。選別マーカーの例には、ア
デノシンデアミナーゼ(KaufmanらP.N.A.S.,1989,83 31
36−40)、アスパラギンシンセターゼ(Cartierら、Mo
l.Cell Biol.,1987,,1623−28)、E.Coli trpB遺伝子
及びSalmonella hisD遺伝子(Hartmanら、P.N.A.S.,198
8,85,8407−51)、M2マウスリボ核酸リダクターゼ(The
landerら、EMBO J,1989,,2475−79)、ヒト多薬物耐
性遺伝子(KaneらGene,1989,84,439−446)、グルタミ
ンシンセターゼ(BebbingtonらDNAクローニング,vol II
I,1987,Ed.D.M.Glover,163−188,IRL Press)、キサン
チングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(gp
t)(MulliganらScience,1980,209,1422−27)、ヒグロ
マイシンB(SanterreらGene,1984,30,147−156)、ネ
オマイシン遺伝子(Southernら、J.Mol.Appl.Genet.,19
82,,327 341)及びジヒドロホレートリダクターゼ(S
ubramaniらMol.Cell Biol.,1981,,854−868)が含ま
れる。
ベクター類の一つについて使用するための好ましい選
別マーカーは、dhfrフェノタイプの親のチャイニーズハ
ムスターの卵巣(CHO)細胞系と共に通常用いられるdhf
rである(UrlaubらP.N.A.S.,1980,77,4216−4220)。う
まく形質導入されたCHO細胞は、dhfr+フェノタイプを有
し、チミジン及びヒポキサンチンを含まず、任意にメト
トレキセート(MTX)を含有する培地上でコロニーを培
養することによって容易に選別され得る。他のベクター
類について使用するための好ましい選別マーカーは、ネ
オマイシン(neo)のような優性の耐性マーカーであ
る。このマーカーでうまく形質導入されたCHO細胞は、
抗生物質、ジェネチシン(Geneticin)、ネオマイシン
の類縁体を含有する培地中でのコロニーを培養すること
によって容易に選別される。
CHO又はミエローマ細胞について使用するための他の
発現系は、WO87/04462に開示されたグルタミンシンセタ
ーゼ(GS)増幅系である。この文献の方法は、参照とし
てこの明細書の一部を構成する。この系には、GS酵素を
コードする遺伝子及び所望の抗体のH鎖及びL鎖遺伝子
を用いたグルタミン依存性細胞の形質転換が含まれる。
次に、グルタミンを含まない培地で増殖する細胞が選別
される。これらの選別されたクローンは、次にメチオニ
ンスルホキシイミン(Msx)を用いてGS酵素の阻害に掛
けられる。生存するために、細胞は抗体をコードする遺
伝子の増幅と共に、GS遺伝子を増幅するであろう。
先に説明したように、GSのような選別マーカーもま
た、好ましくはL鎖及びH鎖をコードする遺伝子が増幅
され得る基礎を与える。細胞系の形質転換では、ベクタ
ーDNAがしばしば同じ遺伝子座で細胞の染色体に組み込
まれる。従って、増幅の基礎としての選別マーカーの使
用は、通常、両遺伝子のコピー数の同時増加をもたら
す。同様に、dhfrは、阻害剤MTXの濃度を増加して使用
することにより所望の増幅を可能にする選別マーカーで
ある。
選別マーカー類はもちろんこれらの発現を与えるよう
にDNAの調節要素の制御下にある。調節要素は、好まし
くはDNA癌ウイルスのようなウイルス由来である。特に
好ましいのは、SV40又はアデノウイルスの主要な後期プ
ロモーターである。この点において、プロモーターから
エンハンサー要素を取り出し、これを効果的に「クリッ
ピング」するのが特に有利である。この修飾は、そうで
ない場合には強力なプロモーターが使用された場合に起
こるであろうよりも、それぞれの阻害剤の濃度における
遺伝子増幅レベルの増加を可能にする。選別マーカーと
してGSを使用する場合、適切なプロモーターの例は、PC
T特許出願番号WO89/01036で開示されたマウスのメタロ
チオネインプロモーター又は好ましくは、ヒトサイトメ
ガロウイルス(hCMV)−MIEプロモータである。
抗体のL鎖及びH鎖遺伝子もまた、これらを発現する
ために与えられたDNAの調節要素の制御下にある。両方
の鎖に対して同じ調節要素を使用することは、これらの
発現が実質的に両方で等しくなるので好ましい。調節要
素はウイルス起源であり得、この例には、選別マーカー
としてのdfhr又はGSの発現に関連して先に述べたものが
含まれる。他の例には、β−アクチンプロモータ及び同
起源のβ−アクチンポリアデニル化シグナルの使用があ
る。
1つ又は両方のベクターは、例えばCOS細胞における
迅速な一過性試験によってベクター構造をチェックする
ために、SV40起源の複製が含まれ得る。
発現ベクターを用いた細胞系の共形質転換は、等モル
量の両ベクターと、リン酸カルシウム沈澱又はリポフェ
クチンのような標準的な形質転換手順を使用して簡単に
行い得る。所望の共形質転換された細胞系の選別は、特
定の選別マーカーについての公知の標準的な手段に従っ
て行い得る。
従って、本発明には、霊長類抗体のH鎖及びL鎖をコ
ードするcDNAを含有する、宿主細胞の形質転換に適した
ベクターが含まれる。
従って、本発明には、霊長類抗体のH鎖及びL鎖を発
現するためのcDNAで形質転換された真核細胞系が含まれ
る。
更に本発明には、霊長類抗体のH鎖及びL鎖をコード
するcDNAを発現するための方法であって、前記cDNAの発
現に適した1以上のベクターで、真核性宿主細胞を形質
転換することを具備した方法が含まれる。
細胞系の培養は、血清を含有するか、好ましくは血清
を含有しない培地で行われ得る。蛋白を含まない培地が
使用される場合、これは精製の間に特に有利である。細
胞系がCHOdhfr+形質転換系である場合、培地は、ヒポキ
サンチン及びチミジンをを欠き、任意にMTXを含有する
ことが好ましい。GS系を使用する場合、グルタミン依存
細胞系及びグルタミンを含まない培地を用いることが有
効である。実質的に等モル比で両方の鎖が発現すること
によって、機能性抗体の最適な収率を得ることができ
る。2つの鎖は細胞内で組み立てられ、次いで機能性抗
体として培養培地中に分泌される。得られた組換え型抗
体は精製され、標準的な手順に従って製剤化される。
本発明の1つの側面には、組換え型のヒト以外の霊長
類抗体、特に組換え型のチンパンジー抗体又はオールド
ワールドモンキー(old world monkey)抗体、例えば組
換え型のシノモルグスモンキー(cynomolgus monkey)
抗体が含まれる。
更に本発明は、以下の手順によって製造された、若し
くは製造され得る組換え型の霊長類抗体を包含する。
i)所望の抗体を発現することができる霊長類リンパ球
由来の細胞系を選別すること、 ii)該細胞系からRNAを単離し、こうして単離された他
のRNAからmRNAを分離すること、 iii)該mRNAからcDNAを合成し、このcDNAをクローニン
グベクターに挿入すること、 iv)前記cDNAを含有するベクターで宿主細胞を形質転換
し、ライブラリーを得ること、 v)該ライブラリーを、前記抗体のH鎖及びL鎖遺伝子
をコードするcDNAについてスクリーニングすること、 vi)遺伝子をコードするcDNAを発現ベクターに挿入する
こと、 vii)前記cDNAを含有する発現ベクターを宿主細胞に形
質導入すること、及び viii)該形質導入された宿主細胞を培養し、所望の抗体
を単離すること。
cDNAを形質導入された真核正細胞系を使用することに
よって、50μg/mの抗体、好ましくは250μg/mまで
若しくはそれ以上の抗体を生じることが期待される。
本発明の更なる側面には、霊長類抗体のH鎖及びL鎖
をコードするcDNAを発現できる真核性宿主細胞系を培養
する方法によって製造された、若しくは該方法で製造さ
れ得る組変え型霊長類抗体が含まれる。
得られた抗体は、その特異性に従って医療に使用され
得る。後述される1例は、A型肝炎感染の治療に使用す
るためのヒト抗A肝炎抗体である。他の肝炎ウイルス
(例えばB型肝炎又はC型肝炎)又はヘルペスウイル
ス:ヘルペスシンプレックスウイルス、チトメグロウイ
ルス、Epstein Barrウイルス、バリセタゾステルウイル
スのようなウイルスを標的とする他の抗ウイルス性抗体
も得ることができる。本発明に従えば、抗HIV抗体類が
得られる。これらの抗体は、エイズを治療するため、HI
V陽性若しくはARC患者においてエイズの発病を阻止し又
は遅らせるため、又は例えば針状の棒での傷を通してウ
イルスに接触した個体において予防的に使用し得る。他
の使用としては、妊娠中又は分娩中おける。HIV陽性の
母親から彼女の幼児へのウイルスの伝染を阻止すること
である。これには、出産の前、出産中及び/又は出産後
に当該抗体で処置することが含まれる。
バクテリア、原生動物等の他の病原性の微生物を標的
とする抗体も得られ得る。癌性細胞も、ヒト抗体の標的
になり得る。或は抗体は化学的又は生物学的物質を供給
するターゲッティング成分として使用される。抗体はフ
ァゴサイドーシスによって細胞内に取り込まれ、これら
は毒性であるか、又は代謝されて毒物を形成するので、
細胞を殺滅する。本発明の抗体は、自己免疫疾患(例え
ば多重スクレローシス)に存在し、又は例えば関節炎の
ような炎症症状に存在するような、他の抗自己抗原を標
的にし得る。抗Rhesus・D抗体は動物モデルで作ること
はできない。従って、ヒト抗体は血液型の診断方法とし
て大きな価値を有し、及び/又は治療に使用し得る。Rh
esus陰性の母親は、彼女が胎児に対する抗体を産生する
のを防止するために、妊娠中若しくは出産時、又はその
後の妊娠中に抗RhD抗体が投与され得る。従って、本発
明の更なる側面には、Rhマイナスの個体がRhD抗体にさ
らされることに対する治療又は予防において、組換え型
のヒト抗体を使用することが含まれる。
本発明に従って取り出された抗体は、一般的な診断方
法に使用される。
本発明は主に完全な抗体H鎖及びL鎖遺伝子の取り出
しに関係しているが、F(ab)、F(ab)及びFVのよ
うなそのフラグメントが取り出され、発現され、別々に
使用され得る事が明細書の開示から明らかである。この
ようなフラグメントは「抗体」の定義に含まれる。
従って、本発明は、上述の疾患や症状の治療のための
医薬の製造における、霊長類抗体の使用を提供する。従
って、本発明は、有効量の霊長類抗体をヒトに投与する
ことを具備した上記のようなヒトの疾患及び/又は症状
の予防及び/又は治療のための方法にまで拡大される。
このような方法には診断方法が含まれる。
抗体の投与量は、治療される症状及び治療を受ける者
によって変化するが、成人患者に対しては、1日に1〜
約100mg、好ましくは1〜10mgの範囲で、通常1〜30日
間投与される。1〜5mgが1〜5日投与され、次いで6
〜15mgが更に5〜10日投与されるような、2期に分けた
投与管理が好ましい。
また、本発明に含まれるものには、組換え型霊長類抗
体を含有する薬学的製剤がある。このような製剤には、
好ましくは、抗体に加えて、他の抗体及び/又は抗生物
質のような他の薬剤と混合し得る生理学的に許容し得る
希釈剤又は担体を含有する。適切な担体は、特に制限さ
れないが、生理学的食塩水、リン酸緩衝食塩水、グルコ
ース及び緩衝食塩水が含まれる。別法としては、抗体を
凍結乾燥(フリーズドライ)し、必要なときに、先に述
べたバッファー水溶液を添加して使用のために再構成し
てもよい。投与経路は、ルーチンに静脈内、筋肉内、皮
下、及び腹腔内への注射又は投薬を含む非経腸投与であ
る。
〔図面の簡単な説明〕
図1.多倍数体モード数のマウス染色体及び多くのヒト
染色体を示すHTO1細胞の核型分析。
図2及び3.抗体DのH鎖及びL鎖のそれぞれのヌクレ
オチド配列及び推定アミノ酸配列。pH210H2挿入物の完
全な配列が示される。シグナルペプチド及びCDR配列に
は下線がひかれており、予想されるポリアデニル化シグ
ナルには上線が引かれている。アミノ酸にはKabatら(1
987年)に従って番号をふった。
図4.ヒト、ウサギ及びマウスの配列を有するシノモル
グスκL鎖可変領域のヌクレオチド配列。CDRが指示さ
れ、ドットはヒトウォーカー配列に対する同一性を示
す。コドンには、Kabatらに従って番号をふった。
図5.ヒト、ウサギ及びマウスの配列を有するシノモル
グスκL鎖可変領域のアミノ酸配列。CDRが指示され、
ドットはヒトウォーカー配列に対する同一性を示す。ア
ミノ酸残基には、Kabatらに従って番号をふった。
図6.ヒト、ウサギ及びマウスの配列を有するシノモル
グスκL鎖定常領域のヌクレオチド配列。ドットはヒト
生殖細胞系の配列に対する同一性を示す。コドンには、
Kabatらに従って番号をふった。10の猿の配列の1つ
が、下線を引いたヌクレオチド位置にGを有する。
図7.ヒト、ウサギ及びマウスの配列を有するシノモル
グスκL鎖定常領域のアミノ酸配列。ドットはヒト生殖
細胞系の配列に対する同一性を示す。アミノ酸残基に
は、Kabatらに従って番号をふった。
〔実施例〕
ハイブリダイゼーションのためのヒト/マウス・キメラ
細胞の調製 例1:ヒト抗A型肝炎抗体の取り出し a)細胞系HTO1の調製 破傷風菌トキソイドで追加抗原免疫化した7日後に、
健康なヒト供血者から50mの血液を採取し、抗凝結剤
として防腐剤を含まないヘパリンと混合した。Ficoll/H
ypaque(Boyum A.1986 Scand.J.Clin.Invest.21,77−8
9)上で分離された単核細胞を、Hanksの緩衝生理食塩水
で洗浄し、以下のような従来の技術によってマウスミエ
ローマ細胞系と融合した。
NS−Oマウスミエローマ細胞(Galfre G.及びMilstei
n C(1982)Immunology 45,125−128)を対数相培養物
から採取した。単核細胞(4.7×107)及びNS−O細胞
(6×107)を混合し、50mの試験管中で遠心した。次
に細胞のペレットを1mの50%ポリエチレングリコール
溶液に再懸濁し、1分間室温で穏やかに混合した。融合
された細胞は10%のウシ胎児血清を含むRPMI培地に再懸
濁され、24穴のプレートのウェルに分注された該増殖培
地の1mアリコート(60個)中に滴下した。
24時間後、ヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミ
ジン(HAT)及び1×106Balb/cマウス脾臓細胞を含有す
る1mの培地を各ウェルに加えた。プレートを5%CO2
中37℃でインキュベートした。
融合の20日後に、ヒト抗破傷風トキソイド抗体につい
て、ラジオイムノアッセイで上清をスクリーニングし
た。細胞(約20)の1つの小さなコロニーを含有する1
つのウェルを同定した。このコロニーはゆっくり増殖し
たが、これは特徴は、ヒト染色体が高く保持されること
による抗体分泌の長期の安定性に付随した特徴である。
これらの細胞を新しいウェルに移し、3週間後、限界
希釈(LD)によってクローン化した。試験されたサブク
ローンは全て、ラジオイムノアッセイ(RIA)に陽性で
あった。
1つのクローン(PB47 1.Al.B9.E10)はHTO1と命名
され、細胞は完全に凍結された。これらの細胞はヒトIg
M抗破傷風トキソイド抗体を合成した。
核型分析は、該細胞が多倍体モード数のマウス染色体
及び多くのヒト染色体(図1を参照)を含むことを示し
た。これらの細胞は、さらにハイブリドーマを調製する
ための多培体融合のパートナーを産生するために、出発
材料として選択された。
ヒトIgM抗破傷風抗体を分泌する細胞系HTO1が、多倍
体融合のパートナーを産生する出発材料として使用され
た。HATに鋭敏な細胞が、アミノプテリン耐性HTO1細胞
を、1μg〜20μg/mの8−アザグアニンを含有する
培地で連続的に継代することによって選別された。
ヒト抗体H鎖及びL鎖遺伝子の損失を刺激するため
に、細胞のサンプルに90%致死線量の紫外線照射を行っ
た。照射された細胞は限界希釈でクローン化され、多数
のコロニーが、抗ヒトIgでの細胞質染色を欠くこと及び
染色体数と相関する核の大きさを基にして選別された。
一つのコロニー(HTO1.A)は、核型分析によってそれが
60から140の間のマウス染色体を有する多倍体であるこ
とが示された後に選別された。
激しく増殖するHTO1.A細胞の選別は、サンプルをプリ
スタンで前処理されたマウスの腹腔を通すことによって
達成された(プリスタンは2,4,10,14−テトラメチルペ
ンタデカンであり、アルドリッチから入手される)。生
き残ったこれらの細胞は、ミクロタイタープレート上で
単一のコロニーとして増殖した。これらを培養し、増殖
性、核型及び融合性を評価した。モード数135のマウス
染色体及び3つのヒト染色体に基づいて、HTO1.A.P1と
名付けられたものが最終的に選別された。この細胞系
が、A型肝炎ウイルスに血清学的に陽性な供血体から得
た抹消血リンパ球との融合パートナーとして使用され
た。
b)抗体分泌細胞の取り出しと安定化 UKにおいて汚染された食品によりA型肝炎に感染した
約4カ月後の、A型肝炎ウイルス(HAV)に対する血清
陽性の供血者からの血液サンプル(30m)を得た。
抹消血リンパ球は、リンフォルレップグラジェント
(lymophoprep gradient)(Flow Labs)で分離され、E
pstein Barrウイルス(EBV)で形質変換され、フェトヘ
マグルチニン及び10%ウシ胎児血清を含有する培地で10
日間培養された。次にこれらを、先に説明したように、
PEG 1500を用いて適切なヒト/マウスキメラ細胞と融合
し、2mのウェル中のHAT及び10-5Mのウアバイン(ouab
in)で培養した。融合の10日後に明瞭なコロニーが顕微
鏡下に観測されたとき、抗HAV活性について上清培地を
サンドイッチELISAによってスクリーニングした。個々
のコロニーを陽性のウェルから採取し、単一の細胞から
限界希釈で2回クローニングすることによって、これら
のコロニーから単クローン性細胞系を確立した。元の42
個の2mのウェルの内の17個が、広範なリフィーディン
グ(re−feeding)に続く最初のELISAのスクリーニング
において強く陽性であった。しかし、分泌する単クロー
ン系は、これらの内の4つからうまく確立されたのみで
あった。他のものは、おそらく異種ハイブリッドに固有
の染色体の不安定性によって、単離又はクローニング
(2回のクローニング後を含む)の種々の段階で抗体の
分泌を停止した。
c)ハイブリドーマの選別 ELISAでの研究 上述の細胞系から得られた4種の抗体(A、B、C及
びD)を、サンドイッチELISA及び直接ELISAの両方で、
完全なHAV粒子及び天然の中空HAV粒子に対して力価測定
した。この力価は、最大吸収プラトーの50%を示すよう
なくり返し希釈のlog10として表され、表1aに示されて
いる。サンドイッチ試験における天然の粒子に対する個
々の抗体の力価を基準にしたパーセンテージとして表さ
れた値が表1bに与えられている。
d)競争試験 お互いの抗体及びマウスの抗体をウイルスへの結合か
ら阻害する抗体の能力を、固相ラジオイムノアッセイ
(RIA)及びELISA技術用いて試験した。これらの方法
は、最終段階でのみ異なる。その結果は、抗体対間で得
られる最大競争(%)として表2に示されており、この
結果は以下のことを示している。
I)抗体A及びBは区別できない。またマウス抗体K24F
2と同様である(MacGregor A.ら1983年、J.Clin.Micro
b.18 1237頁)。
II)抗体Dは、その性質においてマウス抗体B5B3(Stap
leton J.T.及びLemmon S.M.1987 J.Virol.p419)に近似
しており、繰り返し試験で約30%の最大値まで抗体Aを
妨害するのみである。
III)抗体Cは、機能的に抗体AとDの中間であると思
われる。
IV)抗体A及び抗体Dは両方とも、非常に効果的に、個
々的にヒトHAVポリクローナル血清の結合を個々に阻害
し得る(Lemmon S.M.ら1983 J.Clinical.Microb.17834
頁、即ち、Foxwell及びChulay)。
抗体A及びBでのB5B3に対する高い競争値は、10倍に
濃縮された抗体で得られた。一方、組織培養上清では、
わずか20%以下の競争値を示すのみであった。対照的
に、同じ上清が、K24F2抗体及びK34C抗体(MacGregor
A.ら1983、J.Clin.Microb.18 1237頁)に対する完全な
競争曲線を得るためには、抗体Dの上清がB5B3に対して
そうであったように、実質的に希釈されなければならな
い。
e)RIFA研究 最初のELISAのスクリーニングで検出された全ての抗
体は、18fウイルスに対する放射性同位元素焦点免疫法
においても陽性であった(Daemar R.J.ら(1981)Infec
& Immunol.32 388頁;及びStaplenton J.T.及びLemmo
n S.M.(1987)J.Virol Vol 61 492頁;及びPing L.A.
ら85 821頁)。等容積かつ固定濃度(1mg/m)のアフ
ィニティーで精製された抗体と、10倍希釈の18f及び43c
ウイルス系(43c系はマウスモノクローナルの影響下に
継代することによって18fから誘導される)との反応か
ら得られた、ウイルスのRIFA力価の減少が表3にまとめ
てある。これらは、突然変異体43cは何れの抗体によっ
ても非常に中和されにくいが、ポリクローナルなFoxwel
血清では低いけれども、有意に中和されることを示して
いる。
両抗体は、ポリクローナルな血清よりもはるかに低い
有効性で18fウイルスを「中和」するようである。これ
は主に、各々のウイルスの希釈で生き残ったほぼ一定の
残存プラーク数によって、結果的にSpearman−Karberの
力価計算を歪めるためである。しかし、ポリクローナル
血清との反応は、全てのプラーク形成を無くした。競争
試験での、ポリクローナル血清に対する抗体類の同様の
反応スロープ並びにそれらの全体に渡るエライザの反応
性は、これらが低い親和性の抗体を表すという兆候を与
えなかった。
f)抗A型肝炎ウイルスモノクローナル抗体DのH鎖及
びL鎖のクローニング及び配列決定 方法1 全RNAを、1×107個の細胞当たり1mの抽出溶液を用
いて、Chomczynsky及びSacchi(1987年Anal.Biochem.16
2,156−159)の方法(1)に従って2.5×107個の抗体D
発現細胞から単離した。得られたRNAペレットは、50μ
のジエチルピロカーボネート(DEPC)処置された蒸留
水で再溶解され、4.4μg/μの濃度であることが分光
光度法的に決定された。ダイナビーズオリゴ(dT)
25(Dynal Winal,UK)を使用し、製造者のプロトコルを
使用して75μgの全RNAからポリアデニル化されたRNAを
抽出した。
方法2 ポリアデニル化されたRNAを単離するための別の方法
(2)には、製造者によって推奨されている方法に従
い、マイクロ−ファーストトラックmRNA単離システム
(Invertrogen,San Diego,USA)を使用して、103個の抗
体Dスクリーニング細胞から直接単離することが含まれ
る。
限られた数の細胞からヒト抗体遺伝子をクローン化す
るための能力が研究された。cDNAライブラリーは、上記
方法2を用いて1000個の抗体D分泌細胞から単離された
ポリアデニル化RNAを用いて作成された。このライブラ
リーは、サイズで選別された(>500bp)約2000のcDNA
挿入物の可能性を有すると計算された。このライブラリ
ーの半分をプレーティングし、ヒトκL鎖についてスク
リーニングし、2種類の陽性クローンを検出した。部分
的な配列決定によって、両クローンはシグナルペプチド
配列が組み込まれた完全なL鎖遺伝子を有することが確
認された。このライブラリーは、H鎖プローブについて
はスクリーニングされなかったが、最初のcDNAライブラ
リーから得られるH鎖の陽性頻度(2/500)から計算さ
れるように、完全な長さのH鎖挿入物が存在するはずで
ある。
cDNA合成のためのSUPERSCRIPTプラスミドシステム及
びプラスミドクローニングキット(GIBCO/BRL,Pais−le
y,UK)を用い、製造者によって推奨されている方法に従
って、cDNAが単離されたmRNAから合成され、プラスミド
pSPORT−1中にクローン化された。Esherica coliのMAX
EFFICIENCY DH5αCompetemt Cells(GIBCO/BRL)
を、上記で得られたcDNA/pSPORT−1ライゲション生成
物で形質転換した。約4500のコロニーがハイボンド−N
ナイロンフィルター(Amersham)上でつり上げられ、Bu
luwelaら(Neucleic Acid Res,1989 17 452)の方法に
従って細胞溶解され、変成され、固定された。このフィ
ルターををプロテイナーゼK(55℃で30分、50μg/m
の0.2×SSC、0.1%SDS中)で処理し、次いで過剰の断片
をティシューで除去した。H鎖及びL鎖プローブを用い
て、ライブラリーをヒト抗体H鎖及びL鎖シーケンスに
ついてスクリーニングした。
H鎖プローブは、ヒトIgG1抗体cDNA挿入物であり(ヒ
トの「新」IgG1抗体H鎖上にリシェープされたラットCA
MPATH−1[Campathは、Wellcome Foundation Limited
の登録商標である]抗体H鎖CDR;Riechmannら、1988
年、Nature 382 323−327)、この挿入物は非放射性のD
NAラベリング及び検出キット(Boehringer Mannheim)
を用いてジゴキシゲニン−11−dUTPでラベルされ、製造
者のプロトコルに従って、抗体DのH鎖について、約50
0のつり上げられたコロニーを有するフィルターをスク
リーニングするために使用された。2種類の可能な陽性
コロニーが検出され、更に分析するために選別された。
プラスミドDNAが、QIAGEN プラスミドキット(DIAGEN,
DUSSELDORF,FRG)又はDel Salら(1988年、Nucleic Ac
ids Res 16 9878)を用いて調製され、両方の可能な陽
性クローンが共に、ヒト免疫グロブリンH鎖DNAについ
て予想される大きさの挿入物を含有することが見いださ
れた。クローンpH21OH2が選別され、シーケンスキット
(United States Bioichemicals−USB Cleveland)プロ
トコールに従って、ジデオキシチェインターミネータ法
(Sangerら、Proc.Natl.Acad Sci USA,1977 74 5463−5
467)に従うプラスミドプライミングによって両方向に
シーケンスされた。H鎖のC領域は、γ1であると決定
された。可変領域のシーケンスを図2に示した。
L鎖プローブは、ヒト・ラムダcDNA(ヒト化された抗
CD3mAB λL鎖挿入物[ヒトλKern-Oz-AbL鎖でリシェ
イプされたラット抗CD3mAB L鎖CDR:E Routledge Eur.
J.Immunol.1991;21;2127)と、Campath−1HκL鎖cDNA
挿入物(ヒトREIKABLl鎖上にリシェイプされたラットCa
mpath−1 mAb L鎖CDR;Page及びSydenham Bio/technolog
y 1991;9;64;)であって、非放射性DNAラベリング及び
検出キット(Boehringer Mannheim,Lewes,UK)を用いて
ジゴキシゲニン−11−dUTPでラベルされたものであり、
製造者のプロトコールに従って、抗体DのL鎖につい
て、約4000個のつり上げたコロニーを有するフィルター
をスクリーニングするために使用された。21種の可能な
陽性コロニーが検出され、10種が更に分析するために選
別された。DNAをQIAGENプラスミドキット(DIAGEN,Duss
eldorf,FRG)又はDel Salら(1988年)を用いてプラス
ミドが調製され、8種がヒト抗体L鎖cDNAについて予想
される大きさの挿入物を含有していた。クローンpH21OL
2が選別され、シーケンスキット(USB Cleveland,US
A)プロトコールに従って、ジデオキシチェインターミ
ネータ法(Sangerら、1977年)に従うプラスミドプライ
ミングによって両方向にシーケンスされた。L鎖は、λ
シーケンスであると決定された。その可変領域を図3に
示した。
g)発現構築物の組立 例g i) 発現ベクターpRDN1を、以下のようにしてpLD9プラス
ミドから取り出した(Page,M.及びSydenham,M.A.(199
1)Biotechnology ,64−68に開示されている)。SV4
0の複製起源を挿入するためにHind III部位を使用し
た。FHFRコーディングシーケンスに対する他のHind III
5'部位はHind III消化によって破壊され、DNAポリメラ
ーゼのKlenowフラグメントで埋められ、再連結された。
両限定部位を欠くクローンはEcoR Iで消化され、Klenow
酵素で埋められ、再連結された。こうして得られた全て
の内部Hind III及びEcoR1部位を欠くプラスミドが、DHF
R転写単位の下流にヒトβアクチン発現カセットを挿入
するために使用された。このプラスミドは、機能性のSV
40複製起源を有し、またpRDN1はβアクチンプロモータ
の下流に特有のHind III及びEcoR1制限部位を有する。
採用されたpRDN1ベクターはEcoR1で消化され、Klenow酵
素で鈍端化され、ウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン
酸化された。抗体DのH鎖及びL鎖挿入物は、Hindd II
I及びEcoR1を用いて、これらの各々のクローン、即ちpH
21OH2及びpH21OL2から切り出され、Klenow酵素で鈍端化
された。鈍端化された挿入物はpRDN1中に連結され、Esc
hericha coli MAX Efficiency DH5 Cometent Cell(Bet
hesda Research Labs BRL)を形質転換するために使用
された。小スケールのプラスミドの調製(Del Sal,G.ら
(1988)Nucleic Acids Res.169878)が、得られた多数
のコロニーで、並びに適切な制限消化用いて配向された
挿入物について行われた。プラスミドDNAは、QIAGEN
(登録商標)カラム(Hybaid)を用い、製造者のプロト
コールに従って、一本のH鎖及び一本のL鎖クローン
(それぞれpRDHH9及びpRDHL27)から調製された。
COS細胞の形質転換 2×105COS細胞が、12−ウェルの組織培養皿のそれぞ
れのウェル中のD−MEM(プラス血清)に置かれた。24
時間後、製造者によって推奨されているように、細胞の
単層を血清を含まない培地で2回洗浄し、次いで1μg
の各DNA構成物(pRDHH9及びpRDHL27)及び5μgのTRAN
SFECTAM(Northumbria Biologicals Limited)を含有す
る0.5mの血清を含まない培地で洗浄した。更に6時間
インキュベートした後、形質転換培地を吸引し、1mD
−MEM(プラス血清)で置き換えた。48〜72時間後に培
地を除去し、ヒト抗体についてアッセイした。
ヒト抗体のELISAアッセイ COS細胞の形質転換からの培地を、ヒト抗体の存在に
ついてアッセイした。L鎖合成がない場合には、H鎖は
細胞から分泌されず、内部で分解される(Hendershot
L.らImmunol.Today 111−114)。従って、抗体は、
培養培地中のH鎖を検出することによってアッセイされ
得る。マイクロタイタープレートは抗ヒトIgGでコート
され、培養培地でインキュベートされた。抗体は、抗ヒ
トガンマ鎖特異性のペルオキシダーゼ複合体で視覚化す
ることによって検出された。
例g ii) H鎖及びL鎖をエンコードするDNAは、pEE6hCMV発現
ベクター(Stephens及びCockett Nucl.Acids Res.M:711
0 1989;BebbingtonらBiotechnology10 169 1992)及びp
EE12発現ベクター(Rolfe 未発表)にそれぞれクローン化された。プラスミドpEE1
2は、pSv2.GS(Bebbington及びHentschel、DNAクローニ
ング、III巻New York Academic、Glover DM編1987)か
ら得られるSV40の早期プロモータ及びSV40のスプライシ
ング及びポリアデニル化シグナルの制御下にある、ハム
スターのグルタミンシンセターゼ遺伝子(GS:有毒なグ
ルタメート類似体、L−メチオニンスルホキシイミン
[MSX]を用いて選別され、増幅され得るマーカー)を
コードするcDNAを含んでいる。この選別カセットの下流
は、ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)の主要な即時型
初期遺伝子由来の完全なエンハンサー、プロモーター及
び5'UTRである。これは抗体遺伝子の発現を駆動するた
めに使用される。その付随する複製起源及びβ−ラクタ
マーゼ遺伝子を有するこの発現カセットは、pEE6.HCMV
(Stephens及びCockett NUcl.Acads Res.17:7110 198
9)から得られる。従ってベクター、pEE6hCMV及びpEE12
で形質転換された細胞は、グルタミンマイナス培地で増
殖することができる。プラスミドpEE6hCMV及びpEE12
は、Celltech Ltd(Slough,Berkshire,SL1 4EN,UK)か
ら得られた。
組換え型プラスミド(それぞれ5μg)は、形質転換
剤(Promega,Southampton,UK)を用い、製造者によって
推奨される条件下で、5×105COS−1細胞又は107YOミ
エローマ細胞に形質導入された。その結果、選別はpEE1
2プラスミドについてのみであり、効果的な発現は2種
のプラスミドの共同化(co−integration)に依存して
いる。
H鎖及びL鎖は、この構成がフレーム中に正しく挿入
され、効果的に転写され、翻訳されること、並びに生じ
たヒト抗体が適切に分泌されることを確実にするよう
に、COS細胞中に共形質導入される。ELISAによって抗体
の一時的な発現を確認するために、プラスミドをYOミエ
ローマ細胞に共形質導入した。
ストックしたCOS−1細胞(Source ECACC,Porton Dow
n,UK)が、10%ウシ胎児血清(APP,Dudley,UK)を追加
したDMEM培地(Flow,Irvine,UK)で維持された。COS細
胞の形質転換が、DMEM培地(Flow,Irvine,UK)中で行わ
れた。
ストックされたYO細胞(Soure ECACC,Porton Down,U
K)が、DMEM培地(Flow,Irvine,UK;グルタミンと硝酸鉄
を含まないが、ピルビン酸ナトリウム[110mg/L]を含
む;GIBCO/BRL,Paisley,UK)、1×非必須アミノ酸及び1
0%ウシ胎児血清(APP,Dudley,UK)を含有する完全培地
中で維持された。形質転換された細胞は、96穴のプレー
トに、50μの完全培地中における3×105、7.5×104
及び1.5×104細胞/mの密度で移され、37℃で24時間イ
ンキュベートされた。引き続いて、ヒト抗体遺伝子を含
有する形質転換されたプラスミドを組み込まれたクロー
ンを選択するために、グルタメート(60ug/m)、アス
パラギン(60μg/m;Sigma,Poole,UK)、1×非必須ア
ミノ酸、7mg/Lのアデノシン、シチジン、グアノシンお
よびウリジン、2.4mg/Lのチミジン(Sigma,Poole,U
K)、10%胎児牛血清(APP,Dudley,UK)及び4μMMSX
(YO細胞のエンドジーナスグルタミンシンセターゼ酵素
をタイトレートして取り出すために)を追加されたDMEM
培地(Flow,Irvine,UK;グルタミンと硝酸鉄を含まない
が、ピルビン酸ナトリウム[110mg/L]を含む;GIBCO/BR
L,Paisley,UK)を含有する100μの選択培地を加え
た。
形質転換の4日後のCOS−1細胞から得た増殖培地、
及びプラスミドの組み込みを選別するための培地中で増
殖されたYO細胞から得られた増殖培地を、捕獲抗体とし
てポリクローナル抗ヒトIgGでコートした柔らかいマイ
クロタイタープレート(Falcon,Becton−Dickinson,Ply
mouth,UK)を用いて、サンドイッチELISAアッセイによ
ってアッセイした。アッセイするサンプルを添加し、抗
ヒトガンマ鎖特異性ペルオキシダーゼ結合物(Sigma,Po
ole,UK)及び基質としてのオルトフェニレンジアミン−
HCl(Sigma,Poole,UK)を用いて検出を行った。陽性の
クローンを、更に選択培地中で繁殖させるために24穴の
プレートに移した。
形質転換されていないYO細胞に対して有毒なMSXレベ
ルにおいて増殖することができる、3種のクローンが得
られた。ELISAアッセイで測定されたとき、これらの内
の2種がヒト抗体を分泌していた。一方、他の系は、疑
似陽性であると思われる。
例2:シノモルガスモンキーの抗体鎖配列の決定 a) オクタロニー免疫拡散 ヒト蛋白配列と霊長類の免疫グロブリン間に存在して
いるかもしれない類似性を示すために、チンパンジー・
シノモルガスおよびアオタス・モンキー由来の血清を使
用して、オクタロニー免疫拡散試験がおこなわれた。
マイクロ・オクタロニプレート −−−The Binding Siteによって提供された。
ヒツジの抗ヒトIgG1,IgG2,IgG3,およびIgG4 −−−The Binding Site提供 ヤギの抗ヒトIgMおよびヤギ抗ヒトIgA −−−Sigma提供 ヒツジの抗ヒトIg,κ軽鎖 −−−Serotec ヒツジの抗ヒトIg,λ軽鎖 −−−Serotec シノモルガス・モンキー(旧世界)、アオタス・モン
キー(新世界)、およびチンパンジ(類人サル)由来の
血清の一連の抗ヒト免疫イムノグロビンに対する反応に
ついて、テストが行なわれた。無希釈のヒツジ抗ヒト抗
体(10μl)がオクタロニプレートの中央ウエルに入れ
られ、霊長類血清(10μl)がその周囲外側のウエルに
入れられた。製造業者推奨法に準拠して、全血清がPBS
で希釈された。陽性対照として作用するヒト血清と同
様、ウサギおよびマウスの血清がその分析に含められ
た。プレートは、加湿状態下に室温で一晩、または沈降
素バンドが可視化されるまでインキュベートされた。
沈降素バンドは、チンパンジ血清と全抗ヒトサブクラ
スとの間で形成された。全部でははないが数種のヒトIg
クラス、即ちIgG1,IgM,IgA,および、κおよびλ軽鎖
が、シノモルガスモンキー血清との間で沈降素バンドを
形成した。アオタス・モンキー血清(新世界サル)が最
少のヒト抗体で認識され、κおよびλ軽鎖のみで強反応
が見られた。驚いたことに、ウサギ血清が抗ヒトλ軽鎖
と反応した。これは、ウサギとヒトとのIg蛋白配列の間
に、認識を生じる共通のエピトープがあるかも知れない
ことを示唆する。マウス血清は、どのヒトIgクラスもま
ったく認識しなかった。このテストは、人間に対する各
々の種の進化的関係(すなわち、新世界モンキーは、ヒ
トに対してかなりの蛋白相同性を示す旧世界モンキーよ
りも初期に多様化したこと)を考慮すれば、予測された
結果を与えた。霊長類とヒトIg遺伝子との間のヌクレオ
チドの相同性の程度を研究するために、旧世界シノモル
ガス・モンキー由来のκ軽鎖遺伝子がこの研究のために
選ばれた。
b)シノモルガス・モンキーの全RNAが、10mlの末梢血
液リンパ球から、REF抽出のグアニジウムチオシアネー
ト法を使用して調整された。
最初の一本鎖cDNAが、BRL SUPERSCRIPTシステム(BR
L)を使用して、全RNAから合成された。容量13μl中の
全RNA(5μg)をオリゴdTプライマ1μlに添加し、7
0℃で10分間加熱してから、氷上で冷却することにより
アニ−リングさせた。
最初の一本鎖cDNAは、2μlの反応緩衝液、1μlの
dNTPS、2μlのDTT、および1μlの逆転写酵素を添加
することにより逆転写された。反応液は室温で10分間、
次いで42℃で50分間、インキュベートされた。反応は、
90℃で5分間加熱してから氷上に10分間載置することに
よって停止された。mRNAの鋳型は、37℃で20分間、RNas
e H 1μlで消化分解された。
c) 最初の一本鎖cDNAのPCR増幅 PCRプライマ類 151−ヒトVκ1の5′末端と相同 5′GACATTCAGCTCACCCAGTCTCCA 配列認識番号1 301−ヒトCκ(Hind III制限部位を含む)の3′末端
と相同 5′GATCAAGCTTCTAACACTCTCCCC 配列認識番号2 これらのプライマ、および引続く全PCRプライマおよ
び記載されたシークエンスプライマは、オリゴデオキシ
ヌクレオチド合成機で合成され、200ng/μl濃度で使用
された。
最初の一本鎖cDNAが、プライマ151および301を使用し
て、二番目の一本鎖の合成を必要とせずにPCRで直接増
幅された。前者は、ヒトκ1軽鎖の可変領域(FRI)の
5′末端に特異的であり、後者はヒトκ軽鎖の定常領域
の3′末端に特異的である。
軽鎖は下記反応で増幅された:完全な最初の一本鎖cD
NA反応混合物が、21μlのdH2O、8μlの合成緩衝液
(Boehringer)、4μlのプライマ301、4μlのプラ
イマ151および0.5μlのTaqポリメラーゼに添加され
た。この混合物上に鉱質油を載せ、上記に述べたプログ
ラムを使用して20サイクルのPCRに供した。反応を、前
述のように1%アガロースゲルでチェックした。
d)シノモルガスκ軽鎖のクローニング PCRプライマ260−−−ヒトVκ(Hind III制限部位を
含む)5′末端と相同 5′GATCAAGCTTGACATTCAGCTGACCCAGTCTCCA配列認識番号
3 i) 軽鎖断片の片側末端へのHind III部位の導入 先のPCRから得たシノモルガス・モンキーのκ軽鎖cDN
Aが、pUR18のHind III部位にクローンされた(Maniatis
T.et al J.Molecular Cloning(Cold Spring Harbour L
aboratory Press 1989)。増幅された軽鎖は、プライマ
301の配列に起因するHind III部位を定常領域の3′末
端に含んでいるが、5′末端にはそのような部位が無
い。従って、軽鎖をpUC18に直接クローン化させること
を可能にするために、プライマ260及び301を用いた二回
目のPCRにより、可変領域の5′末端にHind III部位が
導入された。前者はプライマ151と同に配列であるが、H
ind III部位を5′末端に有している。
この反応は、最終容量100μl中における1μlのシ
ノモルガスcDNA(PCR混合物から)を使用して、既述し
たようにして始められた。DNAがPCRの20サイクルで増幅
され、次いで1%アガロースゲルでチェックされた。ゲ
ルは増幅された軽鎖について予測されるバンド以外に
も、多数のバンドを示した。これら小バンドの幾つか
は、プライマがお互いにアニールして所謂プライマーダ
イマを形成することによるものであろう。
ii) PCR生成物の精製 軽鎖は、pUC18にクローニングされる前に、下記の方
法でPCR混合物から精製された;PCR反応物は−20℃で凍
結され、液体鉱質油が吸引除去された。次いで、DNAは
フェノール/クロロフォルムで二回抽出され、続いてク
ロロフォルム単独で一回抽出された。溶液は5mM EDTA,1
0mM Tris pH8,0.5% SDSに調整され、プロテアーゼKが
50μg/mlで添加された。反応物は、37℃で30分間、次い
で68℃で10分間インキュベートされた。二回目のフェノ
ール/クロロフォルム抽出。1/10容量の3M酢酸ナトリウ
ム及び2.5容量の無水エタノール(1μlの硫化デキス
トランが担体として加えられている)を添加することに
より、DNAが沈殿された。該DNAは30分間−20℃に置か
れ、エペンドルフ遠心分離でペレット化された。該ペレ
ットは70%エタノールで洗浄され、乾燥され、17μlの
水中に再懸濁された。この精製工程により、DNAに結合
して残留するTaqポリメラーゼが制限酵素活性を阻害す
る問題が克服される。
iii) Hind III断片のクローニング用調整 次に、pUC18のHind III部位にクローニングするため
に、軽鎖DNAが制限酵素Hind IIIで消化分解された。17
μlの軽鎖DNAに、2μlの緩衝液Bおよび1μlの高
濃度のHind IIIが添加され、37℃で1時間インキュベー
トされた。消化分解物は1%アガロースゲルで分離さ
れ、軽鎖に対応するバンドがゲルから切り出された。DN
AがPrep−a−gene精製キット(Biorad Ltd)を使用し
て、製造業者の指示書に従ってアガロースより精製され
た。
e)PUC18へのシノモルガス軽鎖の連結 精製されたHind III断片を、pUC18のHind III部位に
下記の方法を使用してクローニングした;20μlのシノ
モルガスDNA(80μlの容量から)が、1μlのHind II
Iで消化分解されたpUC18(50μg/μl,Pharmacia),3μ
lのリガーゼ緩衝液(Boehringer),3μlのT4 DNAリガ
ーゼ(Boehringer)および3μlの蒸留水に加えられ
た。反応物は15℃で3時間インキュベートされた。
f)pUC18−κ鎖によるDH5コンピテント細胞の形質転換 大腸菌DH5α最大効率細胞(BRL)が、軽鎖プラスミド
で形質転換された。100μlの細胞が−70℃で徐々に解
凍され、5μlの連結反応物と静かに混合され、氷上で
30分間保持された。細胞は42℃で45秒間インキュベート
され、次いで氷上で2分間冷却された。1mlのSOC培地
(1リットル中、20gのバクトトリプトン、5gの酵素抽
出物5g、0.5gのNaCl、10mlの250mMのKCl,5mlの2mM MgC
l,20mMのグルコース)を添加し、37℃で1時間インキュ
ベートした。形質転換反応物は、100μg/mlのアンピシ
リンを含む5つのLBプレート(LBアガ−プレート:1リッ
トル中、12gのトリプトン、24gの酵素抽出物、4mlのグ
リセロール、100mlのリン酸緩衝液、15gのバクトアガ
−)上に塗布され、37℃で1時間インキュベートされ
た。プレート当たりのコロニー数が計測され、形質転換
効率が計算された。
5つのコロニーがプレートから釣りあげられ、軽鎖挿
入の有無がPCRによってチェックされた。各コロニーは6
5.5μlの蒸留水中に再懸濁され、標準反応混合物中の
プライマ260および301を使用したPCRの20サイクルに供
された。PCR反応物は、前記のようにしてゲル上を泳動
された。5つのコロニーの内の4つが、クローニングが
成功裡に行われたことを示す挿入物を含んでいることが
わかった。
g)PUC18 κ鎖のプラスミドのミニ調製 5つの形質転換プレートから20コロニーが釣り上げら
れ、100μg/mlのアンンピシリンを含む2ml容量のLブロ
ス(Lブロスはアガ−の無しのLBプレート)に接種され
た。培養物は37℃で一晩、振盪しながらインキュベート
された。各培養物の1.5mlを遠心分離し、細胞ペレット
を、200μlのSTET(0.1MNaCl,10mM Tris HCl pH8,1mM
EDTA,5%Triton−X−100)中に、1mg/mlのリゾチーム
と共に再懸濁させた。試験管は室温で5分間インキュベ
ートされ、次いで45秒間煮沸され、10分間遠心分離され
た。その結果得られたペレットが滅菌ヨウジで取り出さ
れ、8μlの8%CTABが上澄液に添加された。プラスミ
ドをペレット化するために、試験管は5分間遠心分離さ
れた。DNAはその後、300μlの1.2Mの塩化ナトリウム中
にボルテックスで再懸濁された。750μlのエタノール
添加によりDNAを沈殿させ、真空乾燥し、20μlのTE緩
衝液(TE−10mM Tris pH7.4,1mM EDTA)中に再懸濁させ
た。
このミニ調整物は、制限酵素消化分解(Hind III制限
酵素および10u/μlの緩衝液B、Boehringer)によっ
て、軽鎖の有無をチェックされた。各々のDNAの2μl
が、5μlの緩衝液B、1μlの蒸留水、1μlのRNas
e A(500μg/ml Boeringer)、および0.5μlのHind II
Iに添加された。消化分解物は37℃で1.5時間インキュベ
ートされ、1%ゲル上で泳動された。約700塩基対の断
片によって、軽鎖の存在が示された。
h)κ軽鎖のシーケンス シーケンス用プライマ M13後進プライマ −−−pUC18の−ve鎖とポリクローニング部位下流でア
ニールする。Pharmacia提供; 5′AACAGCTATGACCATG 配列認識番号4 −40前進プライマ−−−pUC18の+ve鎖とポリクロー
ニング部位下流でアニールする。USB提供; 5′GTTTTCCCAGTCACGAC 配列認識番号5 299 ヒトCκ領域プライマ 5′GCGTCAGGCTGCTGCTGAGG 配列認識番号6 106 ヒトCκ領域プライマ(5′末端) 5′GGCGGGAAGATGAAGACAGA 配列認識番号7 151および260 CおよびD段階を参照 261 ヒトCκ領域プライマ 5′TTCAGCAGGCACACAACAGA 配列認識番号8 i) 前段階からの10クローン(1,2,4,5,9,12,14,15,1
8および20)が、ジデオキシチェインターミネーション
法によるシークエンス用に選択された。ミニ調整物DNA
の残りの18μlが2μl NaOH(2M)に添加され、DNAを
変性させるために68℃で20分間加熱された。DNAは冷却
され、8μlの5M酢酸アンモニウム(pH5.4)及び100μ
のエタノールを添加することにより、ドライアイス上で
5分間沈殿させた。DNAはペレット化され、70%のエタ
ノールで洗浄され、真空乾燥され、20μlの蒸留水中に
再懸濁された。
DNAのアリコート(7μl)が2μlの反応緩衝液お
よび1μlの適宜なプライマに添加され、65℃で2分間
インキュベートされ、次いで30℃未満でゆっくり冷却さ
れて、プライマと鋳型とがアニールされた。全κ軽鎖を
シークエンスするためには異なったプライマを数個使用
する必要があり、その詳細は上記に与えられている。こ
の鋳型/プライマに、下記がもの添加された:1μlのDT
T(0.1m USB)、2μlのラベリングミックス(5 x US
B)、0.5μlの35S−dATP(10μCi/μl Amersham)、お
よび2μlのシークエンス酵素。この反応物は、35S標
識されたリーダー配列を合成するために、室温で5分間
インキュベートされた。ラベリング反応が完了したとき
に、2.5μlのddGTP,ddATP,ddTTP,及びddCTPを含むマル
チウエルプレートの4つのウエルに、3.5μlのラベリ
ングミックスが添加された。4μlの停止溶液を各ウエ
ルに添加する前に、37℃で5分間、チェインターミネー
ション反応が進められた。この反応物は、必要とされる
まで氷上で貯蔵された。
8%のアクリルアミドゲル(超純粋アクリルアミドゲ
ルミックス8、BRL提供)が、シリコーン化された2枚
のガラス板の間に注入され、TBE(0.09M TMS−borate,p
H8,0.002MEDTA)を泳動緩衝液として使用して、40mAで
1時間、予備泳動させた。予備泳動の前後に、ウエルを
緩衝液で洗浄して空気の泡および尿素を除去した。試料
は、ゲルに負荷する前に95℃で2分間加熱され、各試料
からの4μlがゲルに負荷された。試料は40mAで1.5時
間泳動され、次に二回目の負荷をゲルに施し、更に1.5
時間泳動させた。これにより、各一組の試料について短
時間泳動および長時間泳動が与えられた。ゲルを3MMペ
ーパーに移す前に、プレートが外され、ゲルが10%の酢
酸/10%メタノールに入れられた。ゲルは80℃で1.5時間
乾燥され、室温で一晩、X線フィルムに接触させられ
た。オートラジオグラフが現像され、単時間泳動および
長時間泳動をオーバーラップさせながら、配列が下から
上へと読まれた。
j) シクエンスデータの比較 10クローンの完全な軽鎖配列が、異なるプライマ使用
した一連のシクエンス反応を泳動させることによって得
られた。シークエンスデータの比較が図4から7に示さ
れる。クローン14及び5が、短縮型軽鎖配列を含んでい
ることがわかった。これは、mRNAの逆転写またはcDNAの
PCR増幅によって生じた人工生成物である可能性が高
い。mRNAまたはcDNAが、適宜な酵素で判読出来ない二次
構造を形成し、それで部分配列がもたらされたのかもし
れない。クロ−ン15が選ばれ、既知の軽鎖配列と更に比
較して同定がなされ、ヒト、ウサギ、マウスの軽鎖と比
較してヌクレオチドおよびアミノ酸相同性が決定され
た。その結果が表4−7に見られる。
シノモルガス軽鎖の定常領域が、ヒトゲノム系Cκ遺
伝子(Hieter,P.A.et al Cell 22,197(1980))、マウ
スMOPC21CκmRNA(Hamlyn,P.A.et al Nucl.Acids.Res.9
4485(1981))、及びウサギCκmRNA(17D9)(McCar
tney−Francis N.et al Proc.Natl.Acad.Sci.81 1794,1
984)と比較された。シノモルガス可変領域は、ヒトリ
ンパ球系のWalker(Klobek,H.G.et al Nucl.Acids.Res.
12 6995,1984)と比較された。この細胞系はVκ1族に
属し、J5遺伝子部分を利用する軽鎖遺伝子を発現する。
17D9ウサギの配列は、S107ASマウスVκ1配列(Kwan
S.P.et al J.Exp.Med.153,1366(1981))のように、シ
ノモルガス可変領域配列と比較するために使用された。
これは、マウスJ1遺伝子部分を利用するホスホコリン結
合性のIgA κ骨髄腫である。クローン15の可変領域もま
た、ヒト抗体Daudi(Klobek 1984)と比較された。この
軽鎖遺伝子はVκ1族に属し、J5遺伝子部分を使用す
る。シノモルガス抗体κ軽鎖の定常領域配列は、ヌクレ
オチド(91.6%)及びアミノ酸レベル(81.3%)におい
て、ヒトCκ遺伝子との高い相同性を示す。マウスのC
κ遺伝子は、ウサギよりもシノモルガスモンキーまたは
ヒトCκの何れかに対して、より高い相同性を示すよう
である。しかしながら、相同性のパーセンテージは、ヒ
トおよびモンキーをウサギおよびマウスと比較したとき
(または実際にはウサギをマウスと比較したとき)、劇
的に違うということはないようだ。
表5および6は、クローン15の各フレームワーク領域
および各CDRについての相同性パ−センテ−ジを示す。
予想されるように、かなりの変異があるCDRsと比較し
て、フレームワーク領域は種間で比較的保存されてい
る。例えば、クローン15は、フレームワーク1と3にお
いて、ヒトと90−96%のアミノ酸配列相同性を有する
が、CDR3内では22%の相同性しかない。クローン15は、
WalkerおよびDaudiヒト軽鎖配列に対して、特にフレー
ムワーク1および3において高度の相同性を示すが、Da
udiよりもWalkerに対して高い相同性を示す。ウサギV
κ配列は、マウスよりもヒトおよびモンキ−配列の両者
対して、より高い相同性を示す。この結果は、オクタロ
ニ−テストにおいて、ウサギ血清では抗ヒト抗体との反
応が見られるのに、何故マウス血清では見られないのか
を説明できるであろう。
フロントページの続き (31)優先権主張番号 9206284.3 (32)優先日 平成4年3月23日(1992.3.23) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (72)発明者 ルイス、アラン・ピーター イギリス国、ビーアール3・3ビーエ ス、ケント、ベッケンハム、ラングレ イ・コート(番地なし) (56)参考文献 特開 平2−138989(JP,A) 国際公開91/04336(WO,A1) 国際公開87/01131(WO,A1) 国際公開91/07492(WO,A1) 米国特許4296024(US,A) BIO/TECHNOLOGY,1989 年 9月,vol.7,no.9,p. 934−938 Gene,1987年,vol.54,n o.2−3,p.167−173 BIO/TECHNOLOGY,1989 年,vol.7,p.799−804 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 PubMed BIOSIS/WPI(DIALOG)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組換え型霊長類抗体の製造方法であって、 (i)所望の抗体を発現することができる霊長類リンパ
    球由来の細胞系を選別すること、 (ii)該細胞系からmRNAを単離すること、 (iii)該mRNAからcDNAを合成し、該cDNAをクローニン
    グベクターに挿入すること、 (iv)該cDNAを含有するベクターで宿主細胞を形質転換
    し、ライブラリーを得ること、 (v)抗体の完全な長さのH鎖及びL鎖遺伝子をコード
    するcDNAについて、前記ライブラリーをスクリーニング
    すること、 (vi)工程(v)の遺伝子をコードするcDNAを発現ベク
    ターに挿入すること、 (vii)該cDNAを含有する発現ベクターを宿主細胞に形
    質導入すること、及び (viii)該形質導入された宿主細胞を培養し、所望の抗
    体を単離すること、 を具備した方法。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項に記載した方法であっ
    て、前記霊長類がヒトである方法。
  3. 【請求項3】請求の範囲第1項に記載した方法であっ
    て、前記霊長類がチンパンジー又はオールドワールドモ
    ンキー(oldworld monkey)である方法。
  4. 【請求項4】請求の範囲第1項から第3項の何れかに記
    載の方法であって、前記細胞系が、疾患状態から回復し
    たことがわかっている個体、又は疾患状態からの寛解に
    あることがわかっている個体からのリンパ球から生産さ
    れる方法。
  5. 【請求項5】請求の範囲第1項から第3項の何れかに記
    載の方法であって、前記細胞系が、病原性微生物に感染
    したことがわかっている個体、又は癌若しくは自己免疫
    疾患にかかっていることがわかっているが、完全には疾
    患の症状が現れていない個体からのリンパ球から生産さ
    れる方法。
  6. 【請求項6】請求の範囲第4項又は5項に記載の方法で
    あって、前記個体がウイルスによって感染されている方
    法。
  7. 【請求項7】請求の範囲第1項から第3項の何れかに記
    載の方法であって、前記細胞系が、抗原でワクチン化若
    しくは接種され、且つ抗体応答を備えた個体からのリン
    パ球から生産される方法。
  8. 【請求項8】請求の範囲第1項から第7項の何れかに記
    載の方法であって、前記細胞系が安定化されているか、
    又は不死化されている方法。
  9. 【請求項9】請求の範囲第1項から第8項の何れかに記
    載の方法であって、前記細胞系が、所望の抗原に対して
    親和性を有する抗体の産生についてスクリーニングする
    ことにより選別される方法。
  10. 【請求項10】組換え型抗原の製造方法であって、 i)ハイブリドーマ細胞からのRNAの調製、 ii)大きさを選択されたcDNAライブラリーの生成、 iii)完全な長さのH鎖及びL鎖をコードするcDNAにつ
    いて、該ライブラリーをスクリーニングし、これを単離
    すること、 iv)前記cDNAを発現ベクターに挿入すること、 v)前記cDNAを含有する発現ベクターを宿主細胞に形質
    導入すること、及び vi)形質導入された宿主細胞を培養し、所望の抗体を単
    離すること を具備した方法。
  11. 【請求項11】請求項1で定義した完全な長さのH鎖及
    びL鎖遺伝子をコードするcDNAを含有した、宿主細胞の
    形質転換に適したベクター。
  12. 【請求項12】請求項11で定義したベクターで形質転換
    された真核細胞系。
  13. 【請求項13】請求項1で定義した完全な長さのH鎖及
    びL鎖をコードするcDNAを発現するための方法であっ
    て、請求項11で定義したベクターで真核宿主細胞を形質
    転換することを具備した方法。
JP50245793A 1991-07-15 1992-07-14 抗体の製造 Expired - Lifetime JP3502093B2 (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB9115284.3 1991-07-15
GB919115284A GB9115284D0 (en) 1991-07-15 1991-07-15 Production of antibodies
GB919116594A GB9116594D0 (en) 1991-08-01 1991-08-01 Production of antibodies
GB9116594.4 1991-08-01
GB929206284A GB9206284D0 (en) 1992-03-23 1992-03-23 Production of antibodies
GB9206284.3 1992-03-23
PCT/GB1992/001282 WO1993002190A1 (en) 1991-07-15 1992-07-14 Production of antibodies

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07502882A JPH07502882A (ja) 1995-03-30
JP3502093B2 true JP3502093B2 (ja) 2004-03-02

Family

ID=27265765

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50245793A Expired - Lifetime JP3502093B2 (ja) 1991-07-15 1992-07-14 抗体の製造

Country Status (16)

Country Link
US (1) US5876961A (ja)
EP (1) EP0523949B1 (ja)
JP (1) JP3502093B2 (ja)
KR (1) KR100255717B1 (ja)
AT (1) ATE243747T1 (ja)
AU (1) AU662752B2 (ja)
CA (1) CA2111858A1 (ja)
DE (1) DE69233104T2 (ja)
ES (1) ES2199216T3 (ja)
FI (1) FI940144A0 (ja)
HU (1) HU220355B (ja)
IE (1) IE922287A1 (ja)
IL (1) IL102490A0 (ja)
NZ (1) NZ243558A (ja)
TW (1) TW373023B (ja)
WO (1) WO1993002190A1 (ja)

Families Citing this family (68)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9022545D0 (en) 1990-10-17 1990-11-28 Wellcome Found Culture medium
GB9022543D0 (en) * 1990-10-17 1990-11-28 Wellcome Found Antibody production
US5756096A (en) * 1991-07-25 1998-05-26 Idec Pharmaceuticals Corporation Recombinant antibodies for human therapy
US6136310A (en) 1991-07-25 2000-10-24 Idec Pharmaceuticals Corporation Recombinant anti-CD4 antibodies for human therapy
CZ289472B6 (cs) * 1991-07-25 2002-01-16 Idec Pharmaceuticals Corporation Chimérická protilátka, nukleová kyselina, která ji kóduje, způsob její produkce a farmaceutická kompozice, která ji obsahuje
MX9204374A (es) * 1991-07-25 1993-03-01 Idec Pharma Corp Anticuerpo recombinante y metodo para su produccion.
US6010861A (en) * 1994-08-03 2000-01-04 Dgi Biotechnologies, Llc Target specific screens and their use for discovering small organic molecular pharmacophores
US20020122807A1 (en) * 1998-07-07 2002-09-05 Dan Michael D. Antigen binding fragments, designated 4B5, that specifically detect cancer cells, nucleotides encoding the fragments, and use thereof for the prophylaxis and detection of cancers
US20030180284A1 (en) * 1998-11-05 2003-09-25 Board Of Trustees Of Leland Stanford Junior University Prevention and treatment of HCV infection employing antibodies directed against conformational and linear epitopes
WO2001066754A1 (en) 2000-03-03 2001-09-13 Cambridge Antibody Technology Limited Human antibodies against eotaxin and their use
US6946546B2 (en) 2000-03-06 2005-09-20 Cambridge Antibody Technology Limited Human antibodies against eotaxin
US20040253242A1 (en) * 2000-12-05 2004-12-16 Bowdish Katherine S. Rationally designed antibodies
EP1642910B1 (en) * 2000-12-05 2012-02-08 Alexion Pharmaceuticals, Inc. Rationally designed antibodies
US7396917B2 (en) * 2000-12-05 2008-07-08 Alexion Pharmaceuticals, Inc. Rationally designed antibodies
US20160279239A1 (en) 2011-05-02 2016-09-29 Immunomedics, Inc. Subcutaneous administration of anti-cd74 antibody for systemic lupus erythematosus and autoimmune disease
ES2442615T5 (es) 2002-07-18 2023-03-16 Merus Nv Producción recombinante de mezclas de anticuerpos
USRE47770E1 (en) 2002-07-18 2019-12-17 Merus N.V. Recombinant production of mixtures of antibodies
US20100069614A1 (en) 2008-06-27 2010-03-18 Merus B.V. Antibody producing non-human mammals
EP1639009B1 (en) 2003-05-30 2013-02-27 Merus B.V. Fab library for the preparation of a mixture of antibodies
DK1737971T3 (da) 2004-01-20 2017-11-13 Merus Nv Blandinger af bindingsproteiner
MX2007000103A (es) 2004-07-06 2007-05-11 Bioren Inc Bibliotecas de anticuerpos universales.
US20160355591A1 (en) 2011-05-02 2016-12-08 Immunomedics, Inc. Subcutaneous anti-hla-dr monoclonal antibody for treatment of hematologic malignancies
ITRM20050297A1 (it) * 2005-06-08 2006-12-09 Univ Siena Anticorpi diretti contro la proteina basica della mielina che riconoscono un epitopo del cd64 e uso di essi come immunodepressivi.
AU2007294731B2 (en) 2006-09-13 2014-04-17 Abbvie Inc. Cell culture improvements
US8911964B2 (en) 2006-09-13 2014-12-16 Abbvie Inc. Fed-batch method of making human anti-TNF-alpha antibody
WO2008094316A2 (en) 2006-09-22 2008-08-07 Stowers Institute Of Medical Research Novel branchiostoma derived fluorescent proteins
EP2098536A1 (en) 2008-03-05 2009-09-09 4-Antibody AG Isolation and identification of antigen- or ligand-specific binding proteins
CN105349517B (zh) 2008-11-14 2021-05-04 维赛特公司 源于人多能干细胞的胰腺细胞的包封
US9079942B2 (en) 2009-02-09 2015-07-14 Epitomics, Inc. CDR-anchored amplification method
US20100317539A1 (en) * 2009-06-12 2010-12-16 Guo-Liang Yu Library of Engineered-Antibody Producing Cells
US8293483B2 (en) 2009-09-11 2012-10-23 Epitomics, Inc. Method for identifying lineage-related antibodies
US10585098B2 (en) 2009-11-23 2020-03-10 The Johns Hopkins University Optimizing diagnostics for galactofuranose containing antigens
US10288611B2 (en) 2009-11-23 2019-05-14 The Johns Hopkins University Lateral flow device for diagnosing microbial infections
WO2012149197A2 (en) 2011-04-27 2012-11-01 Abbott Laboratories Methods for controlling the galactosylation profile of recombinantly-expressed proteins
WO2012151199A1 (en) 2011-05-02 2012-11-08 Immunomedics, Inc. Ultrafiltration concentration of allotype selected antibodies for small-volume administration
US9067990B2 (en) 2013-03-14 2015-06-30 Abbvie, Inc. Protein purification using displacement chromatography
WO2013158273A1 (en) 2012-04-20 2013-10-24 Abbvie Inc. Methods to modulate c-terminal lysine variant distribution
US9334319B2 (en) 2012-04-20 2016-05-10 Abbvie Inc. Low acidic species compositions
NZ630551A (en) 2012-04-20 2017-11-24 Merus Nv Methods and means for the production of ig-like molecules
WO2013176754A1 (en) 2012-05-24 2013-11-28 Abbvie Inc. Novel purification of antibodies using hydrophobic interaction chromatography
AU2013285355A1 (en) 2012-07-06 2015-01-29 Genmab B.V. Dimeric protein with triple mutations
KR20150043523A (ko) 2012-09-02 2015-04-22 애브비 인코포레이티드 단백질 불균일성의 제어 방법
US9512214B2 (en) 2012-09-02 2016-12-06 Abbvie, Inc. Methods to control protein heterogeneity
NZ630563A (en) 2012-09-27 2017-04-28 Merus Nv Bispecific igg antibodies as t cell engagers
SG11201507230PA (en) 2013-03-12 2015-10-29 Abbvie Inc Human antibodies that bind human tnf-alpha and methods of preparing the same
US9017687B1 (en) 2013-10-18 2015-04-28 Abbvie, Inc. Low acidic species compositions and methods for producing and using the same using displacement chromatography
WO2014151878A2 (en) 2013-03-14 2014-09-25 Abbvie Inc. Methods for modulating protein glycosylation profiles of recombinant protein therapeutics using monosaccharides and oligosacharides
WO2014159579A1 (en) 2013-03-14 2014-10-02 Abbvie Inc. MUTATED ANTI-TNFα ANTIBODIES AND METHODS OF THEIR USE
JP6205175B2 (ja) 2013-05-16 2017-10-04 株式会社Resvo 精神・神経疾患バイオマーカー
US9598667B2 (en) 2013-10-04 2017-03-21 Abbvie Inc. Use of metal ions for modulation of protein glycosylation profiles of recombinant proteins
US9085618B2 (en) 2013-10-18 2015-07-21 Abbvie, Inc. Low acidic species compositions and methods for producing and using the same
US9181337B2 (en) 2013-10-18 2015-11-10 Abbvie, Inc. Modulated lysine variant species compositions and methods for producing and using the same
US8946395B1 (en) 2013-10-18 2015-02-03 Abbvie Inc. Purification of proteins using hydrophobic interaction chromatography
WO2015073884A2 (en) 2013-11-15 2015-05-21 Abbvie, Inc. Glycoengineered binding protein compositions
US10107822B2 (en) 2013-12-16 2018-10-23 The Johns Hopkins University Interferon-gamma release assays for diagnosis of invasive fungal infections
RS61129B1 (sr) 2014-02-28 2020-12-31 Merus Nv Antitelo koje vezuje erbb-2 i erbb-3
US10844127B2 (en) 2014-02-28 2020-11-24 Merus N.V. Antibodies that bind EGFR and ErbB3
LT3115376T (lt) 2015-07-10 2018-11-12 Merus N.V. Antikūnai, kurie jungiasi su žmogaus cd3
MX2018004988A (es) 2015-10-23 2018-11-09 Merus Nv Moleculas de union que inhibe el crecimiento de cancer.
BR112019020508A2 (pt) 2017-03-31 2020-08-04 Merus N.V. anticorpos biespecíficos de ligação a erbb-2 e erbb3 para utilização no tratamento de células que possuem um gene de fusão nrg1
EP3606964A4 (en) 2017-04-03 2020-12-09 Immunomedics, Inc. SUBCUTANE ADMINISTRATION OF ANTIBODY DRUG CONJUGATES FOR CANCER THERAPY
JP2020530028A (ja) 2017-08-09 2020-10-15 メルス ナムローゼ フェンノートシャップ EGFR及びcMETに結合する抗体
WO2019070047A1 (ja) 2017-10-06 2019-04-11 小野薬品工業株式会社 二重特異性抗体
TW202340257A (zh) 2018-02-09 2023-10-16 日商小野藥品工業股份有限公司 雙特異性抗體
TW202102544A (zh) 2019-04-04 2021-01-16 日商小野藥品工業股份有限公司 雙特異性抗體
JP6881658B2 (ja) 2019-07-05 2021-06-02 小野薬品工業株式会社 Pd−1/cd3二重特異性タンパク質による血液がん治療
CA3149309A1 (en) 2019-07-30 2021-02-04 Ono Pharmaceutical Co., Ltd. Bispecific antibody
US20220332825A1 (en) 2019-08-08 2022-10-20 Ono Pharmaceutical Co., Ltd. Bispecific protein

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4296024A (en) * 1974-12-09 1981-10-20 Merck & Co., Inc. Human immune serum globulin with high hepatitis A antibody titer
US4394443A (en) * 1980-12-18 1983-07-19 Yale University Method for cloning genes
CH652145A5 (de) * 1982-01-22 1985-10-31 Sandoz Ag Verfahren zur in vitro-herstellung von hybridomen welche humane monoklonale antikoerper erzeugen.
JPS6054687A (ja) * 1983-07-19 1985-03-29 スロ−ン−ケツタリング インステイテユ−ト フオ− キヤンサ− リサ−チ ヒト モノクロ−ン抗体の製法
US4777245A (en) * 1984-01-06 1988-10-11 Genelabs Incorporated Non-human primate monoclonal antibodies and methods
US4997764A (en) * 1987-04-23 1991-03-05 New York University Transformation of human B-lympocytes with Epstein Barr virus and c-myc containing vectors
WO1989000607A1 (en) * 1987-07-09 1989-01-26 The United States Of America, As Represented By Th Preparation of human monoclonal antibodies of selected specificity and isotypes
FI884924A (fi) * 1987-10-28 1989-04-29 Oncogen Humanimmuglobulin som producerats med hybrid-dna-teknik.
IE64966B1 (en) * 1988-10-19 1995-09-20 Dow Chemical Co A novel family of high affinity modified antibodies for cancer treatment
DE3921211C1 (ja) * 1989-06-28 1990-11-29 Idt Ag Fuer In Vivo Diagnostik Und Therapie, Zuerich, Ch
EP0493433B1 (en) * 1989-09-19 1996-01-10 Centocor, Inc. Method for improving human monoclonal antibody production and cells used therein
GB8925590D0 (en) * 1989-11-13 1990-01-04 Central Blood Lab Authority Monoclonal antibodies
DE4002897A1 (de) * 1990-02-01 1991-08-08 Behringwerke Ag Herstellung und verwendung von genbanken synthetischer menschlicher antikoerper ("synthetische human-antikoerper-bibliotheken")
ES2225816T5 (es) * 1990-02-01 2014-08-21 Siemens Healthcare Diagnostics Products Gmbh Producción y utilización de bancos de genes de anticuerpos humanos ("bibliotecas de anticuerpos humanos")
CZ289472B6 (cs) * 1991-07-25 2002-01-16 Idec Pharmaceuticals Corporation Chimérická protilátka, nukleová kyselina, která ji kóduje, způsob její produkce a farmaceutická kompozice, která ji obsahuje

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
BIO/TECHNOLOGY,1989年 9月,vol.7,no.9,p.934−938
BIO/TECHNOLOGY,1989年,vol.7,p.799−804
Gene,1987年,vol.54,no.2−3,p.167−173

Also Published As

Publication number Publication date
FI940144A (fi) 1994-01-12
IE922287A1 (en) 1993-01-27
CA2111858A1 (en) 1993-02-04
EP0523949B1 (en) 2003-06-25
WO1993002190A1 (en) 1993-02-04
FI940144A0 (fi) 1994-01-12
ES2199216T3 (es) 2004-02-16
NZ243558A (en) 1994-06-27
IL102490A0 (en) 1993-01-14
EP0523949A1 (en) 1993-01-20
TW373023B (en) 1999-11-01
ATE243747T1 (de) 2003-07-15
HUT69798A (en) 1995-09-28
HU220355B (hu) 2001-12-28
AU2279892A (en) 1993-02-23
AU662752B2 (en) 1995-09-14
DE69233104T2 (de) 2004-05-13
JPH07502882A (ja) 1995-03-30
HU9400110D0 (en) 1994-05-30
KR100255717B1 (ko) 2000-05-01
US5876961A (en) 1999-03-02
DE69233104D1 (de) 2003-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3502093B2 (ja) 抗体の製造
JP3048640B2 (ja) ヒトの治療のための組換え抗体
EP0931162B1 (en) Production of a multimeric protein by cell fusion method
US6294654B1 (en) Modified immunoglobulin molecule incorporating an antigen in a non-CDR loop region
US20020034765A1 (en) Method for reducing the immunogenicity of antibody variable domains
ES2362874T3 (es) Diseño de anticuerpos monoclonales desinmunizados para la protección contra la exposición al vih y el tratamiento de la infección por vih.
JP2006526414A (ja) 脱免疫化抗cd3抗体
KR19990022645A (ko) Rsv f-단백질에 특이적인 고친화성 인간 단일클론성 항체
JPH05502384A (ja) 抗体の調製
JPH05500312A (ja) Cdr―移植された抗体
US7635476B2 (en) Anti-hepatitis a virus antibodies
JPH05336989A (ja) 抗体誘導体
EP2370469B1 (en) Anti-rhd monoclonal antibodies
WO2012155819A1 (zh) Hbv特异性抗体
JP5033298B2 (ja) C型肝炎ウイルスe2糖蛋白質に対するヒトモノクローナル抗体
EP0511308B2 (en) Chimeric immunoglobulin for cd4 receptors
KR20030083698A (ko) 물질
US7037496B2 (en) Chimeric immunoglobulin for CD4 receptors
RU2170256C2 (ru) Рекомбинантное антитело, специфичное к cd4, способ его получения и фармацевтическая композиция для лечения псориаза
WO2009124378A1 (en) Chimeric anti-measles antibody

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031204

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071212

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081212

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081212

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091212

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101212

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101212

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121212

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121212

Year of fee payment: 9