JP3501869B2 - 円筒状体または円柱状体の洗浄方法および装置 - Google Patents
円筒状体または円柱状体の洗浄方法および装置Info
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Description
の表曲面を洗浄する方法および装置に関するものであ
り、特に被洗浄物表面に対する均一性が高く要求される
精密洗浄に適した方法および装置に関するものである。
密洗浄しようとする場合、図3に示すように被洗浄物1
を中心軸2が鉛直方向になるように配置して、中心軸2
を軸として回転させながら、被洗浄物1より実質的に長
尺である円柱状の擦り洗浄材3をその中心軸4が被洗浄
物1の中心軸2と同様に鉛直方向になるよう配置して中
心軸4を軸として接触回転させ、接触部に連続的に洗浄
液を供給するような擦り洗浄方式が用いられる。
浄物の液切れを良くすること、洗浄後の塵埃付着を抑制
すること、搬送機構が簡潔にできること等の理由によ
る。なお、擦り洗浄材としてはブラシ、スポンジ、布等
が用いられている。
擦り洗浄材の回転軸が実質的に平行な位置関係にある場
合、擦り洗浄材の特定部分が被洗浄物の特定部分に選択
的に接触することにより、擦り洗浄材側の不均一さが被
洗浄物に転写される問題が生じる。すなわち、一般に使
用されている洗浄装置では、被洗浄物と擦り洗浄材の回
転軸が厳密な意味で平行ではない場合が多いことから、
被洗浄物の回転軸方向に擦り洗浄材の押し付け圧力分布
が生じて洗浄ムラとなる場合がある。
いる場合、厳密な意味でブラシの植え込み密度や各部で
の毛足の長さを均一にすることが一般的には考慮されな
いことから被洗浄物の回転軸方向に圧力分布が生じるこ
とは不可避であり、洗浄ムラが生じたり接触圧力の高い
箇所では被洗浄物に傷が付くなどの問題が生じやすい。
当然これらの問題はブラシ以外の擦り洗浄材でも生じ得
る。
必ずしも同一ではなく、異なった被洗浄材を洗浄するこ
とにより擦り洗浄材の摩耗は回転軸方向に不均一に生
じ、これによっても洗浄ムラが生じやすい。仮にこの問
題を考慮した擦り洗浄材を作成する場合、擦り洗浄材は
少なくとも対象とする最長の被洗浄物以上の長さが必要
であり、さらに接触面全面が均質であることが必要であ
ることから、製造に際しては相当の技術と細心の注意が
要求されコストを押し上げることになるが、これは消耗
品としてふさわしくないことである。また、摩耗等に起
因する欠陥が一部に生じるだけで使用不可となることも
コストを押し上げる一因となる。
が鉛直に近い場合に、被洗浄物の汚れとともに流れ落ち
る洗浄液が擦り洗浄材の下部に溜まることにより被洗浄
物が再汚染されることも生じる問題等、多岐に渡る問題
が生じている。すなわち、以上述べたような従来式の洗
浄方法では、円筒状体および円柱状体を均一に洗浄する
ことは実質的に困難であり、新しい洗浄方式の開発が望
まれていた。
れらの問題を解決する新規の精密洗浄法に関して鋭意検
討した結果、円筒状および円柱状である被洗浄物の回転
軸に対して、擦り洗浄材の回転軸を幾何学的にねじれの
関係あるいは交差する位置関係に配置し、互いに接触回
転させながら相対的に擦り洗浄材を被洗浄物の回転軸方
向に移動することで、前記問題点を克服し均一な精密洗
浄を実現できることを見出し、本発明に到達した。
たは円柱状体の表曲面を擦り洗浄する方法において、中
心軸が実質的に鉛直方向を向いている円筒状体または円
柱状体をその中心軸を回転軸として回転させ、擦り洗浄
材を前記中心軸と幾何学上実質的にねじれの関係にある
軸を回転軸として回転させ、かつ円筒状体または円柱状
体の表曲面に接触させながら円筒状体または円柱状体の
回転軸方向に相対的に下向きに移動させることを特徴と
する洗浄方法を要旨とするものである。
の中心軸を実質的に鉛直方向に向け一方から内面把持
し、かつその被洗浄物の中心軸を回転軸として回転させ
る手段と、擦り洗浄材を前記中心軸と幾何学上実質的に
ねじれの関係にある軸を回転軸として回転させる手段お
よび擦り洗浄材を円筒状体の表曲面に接触させながら円
筒状体の回転軸方向に相対的に下向きに移動させる手段
を備えてなる円筒状体の表曲面を擦り洗浄する装置を要
旨とするものである。
図1および図2は、本発明の実施例を示す説明図である
が、図1および図2において1は円筒状または円柱状の
被洗浄物、2は被洗浄物の回転軸、3は擦り洗浄材、4
は擦り洗浄材の回転軸、5は擦り洗浄材の相対的な移動
方向、6は接触部分を示す。
状が円筒状体の場合は内部ないしは端部で、円柱状体の
場合は端部で把持機構により拘束され、図1および図2
の2に示す被洗浄物の中心軸を回転軸として外部駆動機
構により回転する。図3に示した従来式の洗浄法では、
被洗浄物はその母線全体に擦り洗浄材より力を受けるた
め、被洗浄物の両端部を支持する必要があるが、図1お
よび図2に示す本発明の洗浄法では、洗浄部位が限定さ
れるため被洗浄物に加わる力が弱く、一端側からのみで
支持することが可能となり、機構が簡略化できる利点が
ある。
質は、実質的に被洗浄物に比較して柔かく、接触部にお
いて変形することで物理的洗浄力を与えるものであり、
例えばブラシ、スポンジ等が、コスト面や製造が容易な
点から好適なものとして挙げられる。擦り洗浄材の形状
は図1および図2の4の回転軸周りに回転対称であるこ
とが望ましい。大きさは実質的に被洗浄体より小さく、
回転軸方向各部の直径Dは最大部においてD≦10c
m、回転軸方向の長さLはL≦10cmであることが回
転又は移動の構造を複雑にすることがないので望まし
い。
が、このように擦り洗浄材を小型軽量化することにより
高速回転が実現でき、処理速度の向上が可能となる。回
転数は、要求される洗浄処理速度や被洗浄物表面への影
響あるいは擦り洗浄材の摩耗等の諸条件を考慮して適切
な値を決定するものとする。擦り洗浄材の回転方向は、
被洗浄物との接触部分において擦り洗浄材の掃引方向が
実質的に鉛直方向下向きとなるように定めることが、汚
れの再付着を防止する意味でより望ましい。
的にねじれの関係にあるが、接触部分において被洗浄物
の移動方向と擦り洗浄材の移動方向が交差することによ
り、擦り洗浄材の不均質さに起因した洗浄ムラが抑制で
きるという考えから、2軸のなす角度を実質的に90°
とすることが好ましい。図2において2と4の2軸は交
差しておればよいが、接触部分における擦り洗浄材各部
の移動方向を複雑にすることにより、擦り洗浄材の不均
質さに起因した洗浄ムラが抑制できるという考えから、
2軸のなす角度を実質的に90°とすることが好まし
い。
対移動方向は、図1および図2の2の被洗浄物の回転軸
と平行であり、擦り洗浄材と被洗浄体は実質的に常時等
距離に保たれることから、部位によらず均一な接触状態
が得られる。なお、工業的には被洗浄物側を移動する方
がより現実的で好ましいが、擦り洗浄材側を移動するあ
るいは被洗浄物と擦り洗浄材両方を移動しても構わな
い。
洗浄物の回転軸方向に関して一端から他の一端までを含
むようなものとする。相対移動の向きは、被洗浄物に対
して擦り洗浄材が実質的に鉛直方向下向きとなるような
方向に定めることが望ましい。相対移動速度Vは、被洗
浄物において不接触部が存在しないように、すなわち、
被洗浄物における接触面の回転軸方向長さの最大値を1
とし、被洗浄物の回転速度をωとするとき、V<1ωな
る範囲で定めることが好ましい。ただし、揺動を伴う等
特殊な移動方式とする場合にはこの規制範囲外の速度と
することもありうる。
擦り洗浄処理を1回の洗浄処理とすると、処理回数は基
本的に1回とするが、複数回処理をしても構わない。複
数回処理する場合にも、擦り洗浄材と被洗浄体の相対移
動方向は鉛直方向下向きとして繰り返すことが往復運動
させるよりも好ましい。しかし、生産性を考慮して最終
回が鉛直方向下向きとなるような往復運動としても構わ
ない。
洗浄物の接触箇所には洗浄液を供給することが好まし
く、さらに液供給は実質的に連続であることが好ましい
が、乾式としたり間欠供給とすることも必要に応じて実
施して構わない。洗浄液の供給方法としては洗浄部位に
選択的に供給する方法や、接触部位を洗浄液中に置いて
洗浄する方法等があるが、汚れ再付着の防止対策上前者
の供給方法が好ましく、さらには洗浄部位より上方から
供給して、洗浄液の流れを実質的に鉛直方向下向きにす
ることがより好ましい。なお、使用する洗浄液としては
水、水系洗浄剤、有機系洗浄剤、有機溶剤等が挙げられ
るが、これらに限定するものではない。
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。洗浄の均一化の程度を定量的に評価比較することは
困難であるため、被洗浄物の材質より実質的に硬度が高
い材質からなる被洗浄材を用いて乾式の擦り洗浄操作を
行い、生じる傷の均一さを目視観察することによって洗
浄の均一化の程度を評価した。
62mm、肉厚1mmであるA6063製の鏡面切削円
管を用いた。従来型洗浄法を図4に示す。被洗浄物1は
両端部を把持具7によって把持され外部駆動装置8によ
り中心軸を回転軸2として回転し、円柱状の擦り洗浄材
3は外部駆動装置9によりその中心軸を回転軸4として
回転する。被洗浄物1と擦り洗浄材3は、両者の回転軸
2と4が鉛直方向を向き実質的に平行な状態を保ちなが
ら接触する。ここで、洗浄材3はナイロン製ブラシであ
り、ブラシ線径は80μm、ブラシ外径は52mm、毛
足長さは18mm、ブラシ部長さは375mm、ブラシ
回転数50rpm、接触代は5mm、円管回転数は5r
pmである。
物1は内拡式把持具7によって拘持され、外部駆動装置
8により中心軸を回転軸12として回転し、円柱状の擦
り洗浄材3は外部駆動装置9によりその中心軸を回転軸
4として10の方向、すなわち、接触部における掃引方
向が鉛直方向下向きに回転する。ここでそれぞれの回転
軸12と4は両者のなす角度が実質的に90°となるよ
うなねじれの位置関係にある。被洗浄物1は回転しなが
ら擦り洗浄材3の下方から上方に向かう11の方向に移
動し、擦り洗浄材3と接触する。ここで被洗浄物1の移
動方向11はその回転軸12と平行である。ここで、擦
り洗浄材3はポリプロピレン製の円筒形の回転ブラシで
あって、ブラシ線径は200μm、ブラシ外径は80m
m、ブラシ部長さは80mm、ブラシ回転数は500r
pm、接触代は5mm、円管回転数は240rpm、円
管引き上げ速度は10mm/秒である。
6.2秒間、すなわち図5の装置において1パス分行っ
た後、蛍光灯下において被洗浄物表面の傷の付き方を目
視観察したところ、従来型洗浄法によって得られた被処
理品には回転軸方向の各部位において傷の密度ムラが見
られたが、本発明に示す方法によって得られた被処理品
には部位によらず傷が均一に分布しており、所期の効果
が得られることが判明した。
述べた従来洗浄法での課題が解決可能となる。すなわ
ち、擦り洗浄材における実質的な同一部位が接触状態を
一定に保ちながら被洗浄物全面を走査することにより、
被洗浄物表面の均質洗浄が実現できる。
て小型軽量の擦り洗浄材が使用できることから、コスト
面で優れることや擦り洗浄材の高速回転の結果として、
接触面付近での遠心力増大による物理的洗浄力の向上や
擦り洗浄材自身の自浄効果などがある。
Claims (9)
- 【請求項1】 被洗浄物である円筒状体または円柱状体
の表曲面を擦り洗浄する方法において、中心軸が実質的
に鉛直方向を向いている円筒状体または円柱状体をその
中心軸を回転軸として回転させ、擦り洗浄材を前記中心
軸と幾何学上実質的にねじれの関係にある軸を回転軸と
して回転させ、かつ円筒状体または円柱状体の表曲面に
接触させながら円筒状体または円柱状体の回転軸方向に
相対的に下向きに移動させることを特徴とする洗浄方
法。 - 【請求項2】 被洗浄物である円筒状体または円柱状体
の回転軸と擦り洗浄材の回転軸が幾何学上交差している
請求項1に記載の洗浄方法。 - 【請求項3】 被洗浄物である円筒状体または円柱状体
と擦り洗浄材との接触部における擦り洗浄材の掃引方向
が実質的に鉛直方向下向きである請求項1または2に記
載の洗浄方法。 - 【請求項4】 洗浄液を接触部に向けて擦り洗浄材の上
方から供給する請求項1乃至3のいずれかに記載の洗浄
方法。 - 【請求項5】 被洗浄物である円筒状体をその中心軸を
実質的に鉛直方向に向け一方から内面把持し、かつその
被洗浄物の中心軸を回転軸として回転させる手段と、擦
り洗浄材を前記中心軸と幾何学上実質的にねじれの関係
にある軸を回転軸として回転させる手段および擦り洗浄
材を円筒状体の表曲面に接触させながら円筒状体の回転
軸方向に相対的に下向きに移動させる手段を備えてなる
円筒状体の表曲面を擦り洗浄する装置。 - 【請求項6】 被洗浄物である円筒状体の回転軸と擦り
洗浄材の回転軸が幾何学上交差している請求項5記載の
装置。 - 【請求項7】 擦り洗浄材がブラシである請求項5また
は6に記載の装置。 - 【請求項8】 洗浄液を円筒状体と擦り洗浄材の接触部
に向けて擦り洗浄材の上方から供給する手段を備えた請
求項5乃至7のいずれかに記載の装置。 - 【請求項9】 被洗浄物である円筒状体をその中心軸を
実質的に鉛直方向に向け一方から内面把持し、中心軸を
回転軸として回転させ、鉛直方向に上下動させる手段お
よび円筒状体の表曲面に接触しながら回転する擦り洗浄
材を備え、表曲面を擦り洗浄した被洗浄物である円筒状
体は上方に取り出すようになされた円筒状体の表曲面を
擦り洗浄する装置。
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