JP3499362B2 - 残響制御装置 - Google Patents

残響制御装置

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JP3499362B2
JP3499362B2 JP04615896A JP4615896A JP3499362B2 JP 3499362 B2 JP3499362 B2 JP 3499362B2 JP 04615896 A JP04615896 A JP 04615896A JP 4615896 A JP4615896 A JP 4615896A JP 3499362 B2 JP3499362 B2 JP 3499362B2
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    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10KSOUND-PRODUCING DEVICES; METHODS OR DEVICES FOR PROTECTING AGAINST, OR FOR DAMPING, NOISE OR OTHER ACOUSTIC WAVES IN GENERAL; ACOUSTICS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10K15/00Acoustics not otherwise provided for
    • G10K15/08Arrangements for producing a reverberation or echo sound
    • G10K15/12Arrangements for producing a reverberation or echo sound using electronic time-delay networks

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Stereophonic System (AREA)
  • Reverberation, Karaoke And Other Acoustics (AREA)
  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、残響音の繰り返
し感を無くし、繰り返し周期毎の不整合感を緩和させる
ことにより、自然音に近い残響効果を得るようにした残
響制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ピアノ等の打弦楽器から発生する音に
は、弦が振動することにより最初に発せられる直接音、
その直接音が弦を収納するエンクロージャーの内壁で反
射して外部に放射される初期反射音、及び当該楽器が設
置されている室内壁から反射して来る後期残響音等が混
在している。従って、電子楽器においても、このような
残響音を生じさせることにより、自然音に近い楽音を発
生させることが従来より行われている。このように電子
的に残響音を発生させる装置としては、例えば特公平1
−57799号公報に示される反射残響音付加装置があ
る。この装置は、直接音に相当するサンプリング信号を
初期反射音生成用の遅延手段と後期残響音生成用の遅延
手段とを用いて遅延させることにより、初期反射音と後
期残響音とを生成する。
【0003】さらに、この従来装置では、図9に示すよ
うに、それぞれ異なる短いディレイタイムX1、X2、
X3を有するフィードバック式の遅延回路1、2、3が
直列に接続された後期残響音形成回路を備えている。こ
れにより、従来装置では後期残響音の発生密度を高めて
人工的な残響効果を作り出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】自然音の残響音は室内
壁に反射された不規則な遅延時間を有する多数の反射音
の集合である。しかし、上記従来装置では図10に示す
ように、各遅延回路1、2、3のディレイタイムX1、
X2、X3毎にフィードバックが行われるため、ディレ
イタイムX1、X2、X3毎に遅延が行われる。すなわ
ち、ディレイタイムX1、X2、X3が残響音のループ
タイムとなる。このため短いループタイムX1、X2、
X3毎に同じ楽音波形の残響音が繰り返し発音される。
【0005】このように、同じ楽音波形の残響音がルー
プタイムX1、X2、X3毎に繰り返された場合、ルー
プタイムX1、X2、X3の終了時点と次のループタイ
ムX1、X2、X3の開始時点との境界において音感の
不整合が生じる。この音感の不整合は、図6の後期残響
音列SS1と後期残響音SS2との境界での音量、周波
数成分の不連続な変化である。また、この周期的な不連
続が聴者には自然な残響音とは異なったうなり音のよう
に聞こえる。
【0006】また、音楽ホールのような広い室内におけ
る残響音を作り出すためには、ディレイタイムの長い遅
延回路を用いることが望ましい。しかし、ディレイタイ
ムの長いフィードバック式の遅延回路を図9のように単
純に直列に接続すれば、ディレイタイムが短い場合より
も残響音の繰り返しが顕著に聞こえるようになるだけで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、2以上の残響音生成手段によって楽音をル
ープタイム毎に繰り返し遅延させ、2以上の残響音列を
生成し、これらの残響音列の遅延周期の位相を互いにず
らして発音するようにしたものである。
【0008】
【作用】上記遅延周期の位相がずれた2以上の残響音列
は重なり合って聴者の耳に到達する。これは聴者または
音源からの距離が異なる室内壁から反射された残響音が
同時に聴者の耳に到達したことに相当する。従って、聴
者には、残響音列がループタイム毎に繰り返し発生して
いるようには聞こえず、異なる遅延時間で反射して来る
多数の残響音の集合音として聞こえる。これにより、残
響音のループタイム毎の音感の不整合感および繰り返し
感が解消される。
【0009】
【発明の実施の形態】
1.全体回路 図1は電子楽器の全体回路を示す。キーボード1の各キ
ーは、楽音の発音/消音の操作を行うものであり、キー
ボードスキャン回路2によってスキャンされ、キー操
作、すなわちキーオン、キーオフを示すデータが検出さ
れ、CPU5によってRAM6に書き込まれる。そし
て、それまでRAM6に記憶されていた各キーのオン、
オフの状態を示すデータと比較され、各キーのオンイベ
ント、オフイベントの判別が、CPU5によって行われ
る。これにより、オン/オフに係るキーのポジションが
検出される。また、スキャンは周期的に行われるので、
キーのオン/オフのタイミングも検出される。なお、上
記キーボード1は、電子弦楽器、電子管(リード)楽
器、電子打(パッド)楽器、コンピュータのキーボード
等で代用される。このキーボード1とキーボードスキャ
ン回路2では、キーオン、キーオフ、音高の検出のほ
か、打鍵の遅速または強弱(タッチ)が検出されてタッ
チデータとしてCPU5へ送られる。
【0010】パネルスイッチ群3の各スイッチは、パネ
ルスキャン回路4によってスキャンされる。このスキャ
ンにより、各スイッチのオン、オフを示すデータが検出
され、CPU5によってRAM6に書き込まれる。そし
て、それまでRAM6に記憶されていた各スイッチのオ
ン、オフの状態を示すデータと比較され、各スイッチの
オンイベント、オフイベントの判別が、CPU5によっ
て行われる。
【0011】上記キーオン、キーオフ、オンイベント、
オフイベント、各スイッチのオンイベント、オフイベン
トのデータは、MIDI(ミュージカル・インスツルメ
ント・デジタル・インターフェイス)回路(図示略)を
介して、他の処理装置(電子楽器)からも発生され受け
取られ、または他の処理装置(電子楽器)へも発生され
送られる。
【0012】上記パネルスイッチ群3の各スイッチのオ
ン/オフに応じた楽音制御信号と、上記キーボード1の
各キーのオン/オフに応じた楽音データは、トーンジェ
ネレータ8へ送られる。トーンジェネレータ8には、複
数チャンネル分、例えば32チャンネル分の楽音生成系
が時分割処理により生成されており、楽音をポリフォニ
ックに発音させることができる。上記32チャンネルの
楽音生成系は、キーボード1の1つのオンキーに対して
2チャンネルずつ割り当てられる。この2チャンネルは
ステレオ楽音を実現するためのものであり、この2チャ
ンネルのうち一方のチャンネルに右音源の楽音データが
割り当てられ、他方のチャンネルに左音源の楽音データ
が割り当てられる。
【0013】これら各チャンネルに割り当てられた各楽
音の楽音データに応じて生成された各楽音波形データ
は、右音源の楽音波形データと左音源の楽音波形データ
とに分けられ、左右の楽音波形データが、それぞれパン
ポット回路9へ送られる。トーンジェネレータ8で生成
された楽音の波形データは、自然音における直接音に相
当する楽音の波形データである。パンポット回路9から
は右音源の楽音波形データと左音源の楽音波形データと
が区別されて出力され、右音源の楽音波形データは、右
音源用の反射・残響装置10Rによって初期反射音と後
期残響音が付加されて、右音源用のサウンドシステム1
1Rへ送られる。
【0014】パンポット回路9では、右音源と左音源の
楽音波形データのレベル制御(音量制御)または位相制
御が行われ、ステレオ楽音化が行われる。左音源の楽音
波形データは、左音源用の反射・残響装置10Lによっ
て初期反射音と後期残響音が付加されて、左音源用のサ
ウンドシステム11Lへ送られる。サウンドシステム1
1R、11Lは、D−A変換器で楽音の波形データをア
ナログ信号に変換し、増幅器で増幅したのちスピーカか
ら可聴音として楽音を発音する。
【0015】2.初期反射音及び後期残響音 上記トーンジェネレータ8から発生された左右の音源の
波形データを直接音データSとする。この直接音データ
Sは、自然音における直接音に相当する楽音を表す楽音
波形データである。そして、本実施例では図2に示すよ
うに、直接音データSから3つの前の初期反射音データ
SA、SB、SCが生成される。次にこれらの前の初期
反射音データSA、SB、SCから3群の後の初期反射
音群データSa、Sb、Scが生成される。さらに、前
の初期反射音データSA、SB、SCと後の初期反射音
群データSa、Sb、Scとから後期残響音列データS
SA、SSBが生成される。上記直接音データSは、図
2では1本の線で示されているが、実際には楽音波形に
エンベロープ波形が合成されており、アタック→ディケ
イ→サスティン→リリースの時間幅を持っている。
【0016】従って、前の初期反射音データSA、S
B、SC、後の初期反射音群データSa、Sb、Sc、
及び後期残響音列データSSA、SSBも同様の時間幅
を持っている。また、右音源用の反射・残響装置10R
によって、右音源の楽音波形データについて、前の初期
反射音データSA、SB、SC、後の初期反射音群デー
タSa、Sb、Sc、及び後期残響音列データSSが生
成され、左音源用の反射・残響装置10Lによって、左
音源の楽音波形データについて、前の初期反射音データ
SA、SB、SC、後の初期反射音群データSa、S
b、Sc、及び後期残響音列データSSA、SSBが生
成される。
【0017】3.データテーブル(ROM7) ROM7には図2に示すようなディレイタイムデータD
T1、DT2、DT3、DT4と減衰率データL、M、
N、A、B、C、a、b、cのデータテーブル16が記
憶されている。これらのデータは、音楽的ファクタ毎、
及び発音開始からの経過時間毎、エンベロープレベルま
たはエンベロープフェーズ毎に多層的に記憶されてい
る。
【0018】発音経過時間は音長を表し、発音開始(キ
ーオン)からの経過時間、エンベロープ等である。音楽
的ファクタは、音高的ファクタ、音色的ファクタ、タッ
チ的ファクタ、パート的ファクタ、エフェクト的ファク
タ、リズム的ファクタ、クオンタイズ情報、音像情報
(ステレオ的ファクタ)、変調情報、テンポ情報、音量
情報、フォルマント情報、またはエンベロープ情報(エ
ンベロープレベル)等である。
【0019】上記音高的ファクタは、例えば音高、音域
等である。上記音色的ファクタは、例えば楽器(ピア
ノ、バイオリン、フルート、ドラム等)の種類、高調波
成分、ノイズ成分、楽音波形の形状(正弦波、三角波、
鋸波、またはピアノの楽音波形やフルートの楽音波形等
の楽器の種類に応じた楽音波形等)等である。上記タッ
チ的ファクタは、例えばキー操作の速さまたは強さ、イ
ニシャルタッチ、アフタータッチ、ベロシティ等であ
る。上記パート的ファクタは、具体的には、メロディ、
伴奏、コード、ベース等の演奏パート、楽器の種類等の
楽器的ファクタに応じた楽音パート、ピアノの上鍵盤、
下鍵盤、足鍵盤のように楽器の部分に応じた楽器パート
である。
【0020】また、上記音像情報(ステレオ的ファク
タ)は、音像ポジションを決めるデータであって、例え
ば各チャンネルの楽音のレベルを設定するレベル設定デ
ータ、各チャンネルの楽音の位相を設定する位相設定デ
ータであって、これらのデータによって音像の位置(方
向)、大きさ等が設定される。
【0021】ディレイタイムデータDT1は上記前の初
期反射音SA、SB、SCのディレイタイムを決定し、
ディレイタイムデータDT2は上記後の初期反射音群S
a、Sb、Scのディレイタイムを決定し、ディレイタ
イムデータDT3及びDT4は上記後期残響音列SS
A、SSBのディレイタイムを決定する。減衰率データ
Lは前の初期反射音SA、SB、SCの減衰率を表し、
減衰率データMは後の初期反射音Sa、Sb、Scの減
衰率を表し、減衰率データNは後期残響音列SSA、S
SBの減衰率を表す。
【0022】減衰率データAは前の初期反射音SAの減
衰率を表し、減衰率データBは前の初期反射音SBの減
衰率を表し、減衰率データCは前の初期反射音SCの減
衰率を表す。減衰率データaは後の初期反射音Saの減
衰率を表し、減衰率データbは後の初期反射音Sbの減
衰率を表し、減衰率データcは後の初期反射音Scの減
衰率を表す。また、0<L、M、N、A、B、C、a、
b、c<1である。なお、減衰率は入力レベルに対する
出力レベルの変化率でも良い。これら各データDT1〜
3、L、M、N、A、B、C、a、b、cの各値は何れ
かが同じであっても良いし、全て異なっていても良い。
【0023】4.第1実施例の反射・残響装置10R、
10L 図4は右音源用の反射・残響装置10Rであり、図5は
左音源用の反射・残響装置10Lである。右音源用の反
射・残響装置10Rは、2つのタップディレイ回路20
R、21Rとフィードバックディレイ回路22Rと3つ
のクロックジェネレータ23R、24R、25Rとレジ
スタ26Rを備えている。また、左音源用の反射・残響
装置10Lは、2つのタップディレイ回路20L、21
Lとフィードバックディレイ回路22L、ディレイ回路
28と、4つのクロックジェネレータ23L、24L、
25L、27とレジスタ26Lを備えている。
【0024】タップディレイ回路20R、20L、21
R、21L、フィードバックディレイ回路22R、22
L及びディレイ回路28は、例えばCCD(Charge Cou
pleddevice)またはBB D(Bucket Brigade Device)
で構成されている。CPU5によってROM7のデータ
テー ブルからディレイタイムデータDT1、DT2、
DT3と、減衰率データL、M、N、A、B、C、a、
b、cが読み出されて、右音源用の反射・残響装置10
Rへ送られる。また、CPU5によってROM7のデー
タテーブルからディレイタイムデータDT1、DT2、
DT3、DT4と、減衰率データL、M、N、A、B、
C、a、b、cが読み出されて、左音源用の反射・残響
装置10Lへ送られる。これらのディレイタイムデータ
と減衰率データは、発音経過時間と音楽的ファクタに応
じてROM7から読み出される。
【0025】タップディレイ回路20R、20L、21
R、21Lはマルチタップディレイ回路であり、少なく
とも3つのタップを備えている。タップディレイ回路2
0R、20Lは前の初期反射音SA、SB、SCを生成
するための回路であり、タップディレイ回路21R、2
1Lは後の初期反射音群Sa、Sb、Scを生成するた
めの回路であり、フィードバックディレイ回路22R、
22Lは後期残響音列SSを生成するための回路であ
る。クロックジェネレータ23R、23L、24R、2
4L、25R、25L、27はプログラマブル・クロッ
クジェネレータである。CPU5によってROM7から
読み出されたディレイタイムデータDT1、DT2、D
T3、DT4がプログラムデータとして入力され、これ
によってクロックジェネレータ23R、23L、24
R、24L、25R、25L、27からはディレイタイ
ムデータDT1、DT2、DT3、DT4に応じた周期
のクロック信号φ1、φ2、φ3、φ4が出力される。
【0026】レジスタ26R、26Lには、CPU5に
よってROM7のデータテーブルから読み出された減衰
率データL、M、N、A、B、C、a、b、cが記憶さ
れ、これらの減衰率データは所定タイミングで乗算器3
0R〜38R、30L〜38Lへ送られる。
【0027】前の初期反射音生成回路ER1内のタップ
ディレイ回路20R、20Lはクロック信号φ1に同期
して入力データを遅延させ、出力タイミングが異なる3
つのタップからこの入力データを出力する。タップディ
レイ回路20R、20Lへ入力されるデータは、乗算器
30R、30Lによって上記直接音データSに減衰率デ
ータLが乗じられたデータである。タップディレイ回路
20R、20Lからの3つの出力信号には、乗算器31
R、31L、32R、32L、33R、33Lによって
それぞれ減衰率データA、B、Cが乗算されることによ
り、前の初期反射音データSA、SB、SCが得られ
る。前の初期反射音データSA、SB、SCは加算器4
0R、40Lで加算され、さらに乗算器34R、34L
で減衰率データMが乗算された後にタップディレイ回路
21R、21Lへ入力される。また加算器40R、40
Lの出力データ(SA+SB+SC)は分岐線L1R、
L1Lを介して加算器42R、42Lへも入力される。
【0028】後の初期反射音生成回路ER2内のタップ
ディレイ回路21R、21Lはクロック信号φ2に同期
して入力信号を遅延させ、出力タイミングが異なる3つ
のタップから出力する。タップディレイ回路21R、2
1Lからの3つの出力信号には、乗算器35R、35
L、36R、36L、37R、37Lによってそれぞれ
減衰率データa、b、cが乗算され、これにより後の初
期反射音データSa、Sb、Scが得られる。右音源用
の反射・残響装置10Rでは、後の初期反射音データS
a、Sb、Scは加算器41Rで加算され、さらに加算
器42Rを介してフィードバックディレイ回路22Rへ
入力される。また、左音源用の反射・残響装置10Lで
は、後の初期反射音データSa、Sb、Scは加算器4
1Lで加算され、さらに加算器42を介してディレイ回
路28へ入力される。このディレイ回路28では、クロ
ック信号φ4に同期して入力データが遅延され、加算器
44を介してフィードバックディレイ回路22Lへ送ら
れる。
【0029】第1後期残響音生成回路RV1内のフィー
ドバックディレイ回路22Rと、第2後期残響音生成回
路RV2内のフィードバックディレイ回路22Lは、ク
ロック信号φ3に同期して入力データを遅延させてフィ
ードバックを行う。フィードバックループには乗算器3
8R、38Lが介在されており、フィードバックデータ
に減衰率データNが乗じられ、加算器42R、44によ
って入力データに加算される。フィードバックディレイ
回路22R、22Lの出力データは後期残響音列データ
SSA、SSBである。そして、直接音データSと、前
の初期反射音データSA、SB、SCと、後の初期反射
音データSa、Sb、Scと、後期残響音列データSS
A、SSBとが加算器43R、43Lで合成されてサウ
ンドシステム11R、11Lへ送られる。
【0030】5.発音動作 キーボード1のキーが打鍵されると、キーボードスキャ
ン回路2から打鍵されたキーのオンイベント信号がCP
U5へ送られる。CPU5は、キーオンイベントがあっ
たキーのキーナンバデータとパネルスキャン回路4から
送られるスイッチのオン/オフデータや数値データに応
じた楽音制御データをRAM6から読み出してトーンジ
ェネレータ8へ送る。トーンジェネレータ8は、パネル
スイッチ群3において設定された音楽的ファクタ及びキ
ーナンバデータに応じた基本楽音波形データをRAM6
から読み出す。そして、この基本楽音波形データにエン
ベロープを付加したり、楽音制御データに応じた変調を
行って波形を整形する等の信号処理を行う。
【0031】これにより、自然音における直接音に相当
する楽音の左右の音源の楽音波形データ、すなわち上記
直接音データSが生成される。この直接音データSはパ
ンポット回路9へ送られる。パンポット回路9では、パ
ネルスイッチ群3において設定されたまたは自動演奏デ
ータ内の音像位置データに応じて、左右の音源の楽音波
形データのレベル制御または位相制御が行われる。パン
ポット回路9からの左右の音源の楽音波形データは、反
射・残響装置10R、10Lへ送られる。これらステレ
オシステムのレベル制御(音量制御)または位相制御は
特願平3−204404号の明細書及び図面が参照され
る。
【0032】反射・残響装置10R、10Lでは、タッ
プディレイ回路20R、20Lと乗算器30R〜33
R、30L〜33Lによって直接音データSを1回遅延
させ、減衰させた前の初期反射音データSA、SB、S
Cが生成される。前の初期反射音データSAは、直接音
データSに減衰率Lと減衰率Aを乗じたレベルの楽音デ
ータであり、クロック信号φ1の整数倍の遅延時間T1
後に出力される。前の初期反射音データSBは、直接音
データSに減衰率Lと減衰率Bを乗じたレベルの楽音デ
ータであり、クロック信号φ1の整数倍の遅延時間T2
後に出力される。前の初期反射音データSCは、直接音
データSに減衰率Lと減衰率Cを乗じたレベルの楽音デ
ータであり、クロック信号φ1の整数倍の遅延時間T3
後に出力される。ここで、T1<T2<T3である。
【0033】次段のタップディレイ回路21R、21L
と乗算器34R〜37R、34L〜37Lによって前の
初期反射音データSA、SB、SCを1回遅延させ、減
衰させた後の初期反射音群データSa、Sb、Scが生
成される。後の初期反射音群データSaは、前の初期反
射音データSA、SB、SCに減衰率Mと減衰率aを乗
じたレベルの楽音データであり、クロック信号φ2の整
数倍の遅延時間T4後に出力される。後の初期反射音群
データSbは、前の初期反射音データSA、SB、SC
に減衰率Mと減衰率bを乗じたレベルの楽音データであ
り、クロック信号φ2の整数倍の遅延時間T5後に出力
される。後の初期反射音群データScは、前の初期反射
音データSA、SB、SCに減衰率Mと減衰率cを乗じ
たレベルの楽音データであり、クロック信号φ2の整数
倍の遅延時間T6後に出力される。ここで、T3<T4
<T5<T6である。
【0034】そして、右音源用の反射・残響装置10R
においては、フィードバックディレイ回路22Rと乗算
器38Rによって前の初期反射音データSA、SB、S
Cと後の初期反射音群データSa、Sb、Scを繰り返
し遅延させ、減衰させた後期残響音列データSSAが生
成される。フィードバックディレイ回路22Rは、クロ
ック信号φ3に同期した遅延時間T7毎にフィードバッ
ク動作を開始し、1回のフィードバック毎にフィードバ
ック信号に減衰率Nが乗じられる。従って、遅延時間T
7後の第1回目のフィードバック動作によって生成され
る後期残響音列データSS1は、前の初期反射音データ
SA、SB、SCと後の初期反射音群データSa、S
b、Scに減衰率Nを乗じたレベルの楽音データであ
る。
【0035】次に遅延時間2×T7後に第2回目のフィ
ードバック動作によって後期残響音列データSS2が生
成される。この後期残響音列データSS2は、前の初期
反射音データSA、SB、SCと後の初期反射音群デー
タSa、Sb、ScにNの2乗の減衰率を乗じたレベル
の楽音データである。以後、前の初期反射音データS
A、SB、SCと後の初期反射音群データSa、Sb、
ScにNのn乗(nは3以上の自然数)の減衰率を乗じ
たレベルの楽音データが遅延時間n×T7毎に生成され
る。そして、直接音データSと、前の初期反射音データ
SA、SB、SCと、後の初期反射音群データSa、S
b、Scと、後期残響音列データSSAは、加算器43
Rで合成されてサウンドシステム11Rへ送られる。
【0036】また、フィードバックディレイ回路22R
の遅延時間T7は、自然音の残響音に近い残響音を生成
するために、長めに設定されている。本実施例では、こ
の遅延時間T7は、後の初期反射音Scの遅延時間T6
よりも長い。このように、前の初期反射音データSA、
SB、SC及び後期残響音データSa、Sb、Scの残
響音データからなる同じ楽音波形データの組み合わせ
を、遅延時間T7毎に繰り返し発生させることにより、
後期残響音列データSSAが生成される。
【0037】他方、左音源用の反射・残響装置10Lに
おいては、ディレイ回路28によって前の初期反射音デ
ータSA、SB、SCと後の初期反射音群データSa、
Sb、Scを遅延させた後、さらにフィードバックディ
レイ回路22Lと乗算器38Lによって前の初期反射音
データSA、SB、SCと後の初期反射音群データS
a、Sb、Scを繰り返し遅延させ、減衰させた後期残
響音列データSSが生成される。ディレイ回路28は、
クロック信号φ4に同期した遅延時間T8で入力データ
を遅延させる。フィードバックディレイ回路22Lは、
クロック信号φ3に同期した遅延時間T7毎にフィード
バック動作を開始し、1回のフィードバック毎にフィー
ドバックデータに減衰率Nが乗じられる。
【0038】従って、遅延時間T7後の第1回目のフィ
ードバック動作によって生成される後期残響音列データ
SS1は、前の初期反射音データSA、SB、SCと後
の初期反射音群データSa、Sb、Scに減衰率Nを乗
じたレベルの楽音データである。次に遅延時間2×T7
後に第2回目のフィードバック動作によって後期残響音
列データSS2が生成される。この後期残響音列データ
SS2は、前の初期反射音データSA、SB、SCと後
の初期反射音群データSa、Sb、ScにNの2乗の減
衰率を乗じたレベルの楽音データである。以後、前の初
期反射音データSA、SB、SCと後の初期反射音群デ
ータSa、Sb、ScにNのn乗(nは3以上の自然
数)の減衰率を乗じたレベルの楽音データが遅延時間n
×T7毎に生成される。そして、直接音データSと、前
の初期反射音データSA、SB、SCと、後の初期反射
音群データSa、Sb、Scと、後期残響音列データS
Sは、加算器43Lで合成されてサウンドシステム11
Lへ送られる。
【0039】また、フィードバックディレイ回路22L
は、上記フィードバックディレイ回路22Rの遅延時間
T7に等しい遅延時間T7でフィードバックディレイ回
路を行う。上記ディレイ回路28の遅延時間T8は、フ
ィードバックディレイ回路22Lの遅延時間T7の2分
の1である。以下の説明では、ディレイ回路28の遅延
時間T8をイニシャルディレイタイム、フィードバック
ディレイ回路22R、22Lの遅延時間T7をループタ
イムと言う。
【0040】このような動作により、図2に示すように
直接音データSが生成された時間T0から遅延時間T
1、T2、T3後に前の初期反射音データSA、SB、
SCが発生される。これらの前の初期反射音データS
A、SB、SCは、例えば直接音が楽器自体に1回反射
して放出される初期反射音に相当する。そして、直接音
データSが生成された時間T0から遅延時間T4、T
5、T6後に後の初期反射音群データSa、Sb、Sc
が発生される。
【0041】これらの後の初期反射音群データSa、S
b、Scは、例えば前の初期反射音が楽器自体に複数回
反射して放出される初期反射音に相当する。さらに、前
の初期反射音データSA、SB、SCと後の初期反射音
群データSa、Sb、Scが生成された後に、後期残響
音列データSSA、SSBが生成される。この後期残響
音列データSSA、SSBは、例えば前の初期反射音と
後の初期反射音が室内壁に反射した残響音に相当する。
【0042】このように、前の初期反射音SA、SB、
SCと後期残響音列SSA、SSBとの間に、前の初期
反射音SA、SB、SCを遅延させた後の初期反射音S
a、Sb、Scを生成させることによって、初期反射音
と後期残響音との間に不連続感や違和感が感じられるこ
とが無くなる。また、後期残響音列SSA、SSBが前
の初期反射音SA、SB、SCと後の初期反射音Sa、
Sb、Scのフィードバックディレイ回路によって生成
された楽音であるから、後期残響音を初期反射音に基づ
いて生成することができ、初期反射音と後期残響音との
連続感と協調感が増加し、より自然音に近い残響効果を
得ることができる。
【0043】すなわち、自然音の場合には、直接音と初
期反射音が室内壁に反射して後期残響音が発生するので
あるから、後期残響音は初期反射音の反射音を含まなけ
れば自然音に近い残響音は得られない。また、初期反射
音は楽器自体の内部でも複数回反射して楽器外部へ放出
されるので、楽器自体の内部で最初に反射して放出され
た前の初期反射音に続いて後の初期反射音が発生するこ
とを考慮しなければならない。本実施例では、この後の
初期反射音を生成することによって、より自然音に近い
反射・残響効果を得ることができる。
【0044】6.残響ループの位相のずれ また、図6に示すように、右音源の後期残響音列SSA
に対して、左音源の後期残響音列SSBがイニシャルデ
ィレイタイムT8だけ遅れて発生する。2つのフィード
バックディレイ回路22R、22LのループタイムT7
は等しいので、左音源の後期残響音列SSBは、右音源
の後期残響音列SSAに対して常にイニシャルディレイ
タイムT8だけ遅れて生成される。これにより、右音源
の後期残響音列SSAのループタイムT7と左音源の後
期残響音列SSBのループタイムT7との開始時点及び
終了時点、つまり両方の位相が時間的にずれる。
【0045】すなわち、前の初期反射音SAの残響音の
発生タイミング、前の初期反射音SBの残響音の発生タ
イミング、前の初期反射音SCの残響音の発生タイミン
グ、後の初期反射音Saの残響音の発生タイミング、後
の初期反射音Sbの残響音の発生タイミング、及び後の
初期反射音Scの残響音の発生タイミングは、全て左音
源の残響音SSBの方が右音源の残響音SSAよりもイ
ニシャルディレイタイムT8だけ位相遅延して、ずれて
いる。
【0046】聴者には左右の後期残響音列SSA、SS
Bが重なって聞こえるから、左右音源の残響音列SS
A、SSB中の異なる初期反射音の残響音が同時に重な
って聞こえる。これは聴者または音源からの距離が異な
る室内壁から反射された残響音が同時に聴者の耳に到達
したことに相当する。従って、聴者には、前の初期反射
音SA、SB、SC及び後の初期反射音Sa、Sb、S
cの残響音が、ループタイムT7毎に繰り返し発生して
いるようには聞こえず、異なる遅延時間で反射して来る
多数の残響音の集合音として聞こえる。これにより、聴
者にループタイムT7毎に音感の不整合感および同じ楽
音波形の組み合わせが繰り返し聞こえるように感じられ
ることが無くなる。
【0047】7.第2実施例 上記第1実施例では、右音源の後期残響音列SSAに対
して、左音源の後期残響音列SSBの全体をイニシャル
ディレイタイムT8だけ遅延させている。第2実施例で
は、右音源用の反射・残響装置10Rと左音源用の反射
・残響装置10Lとに、上記第1後期残響音生成回路R
V1と第2後期残響音生成回路RV2とが設けられてい
る。すなわち、図7に示す回路が、右音源用の反射・残
響装置10Rと左音源用の反射・残響装置10Lとのそ
れぞれに設けられている。前の初期反射音生成回路ER
1、後の初期反射音生成回路ER2、右音源用の反射・
残響装置10R、および左音源用の反射・残響装置10
Lの動作は第1実施例の場合と同じである。また、クロ
ック信号φ4を発生するクロックジェネレータ27R、
27Lは、左右の反射・残響装置10R、10Lにそれ
ぞれ一つずつ設けられている。
【0048】前の初期反射音データSA、SB、SCと
後の初期反射音データSa、Sb、Scは、第1後期残
響音生成回路RV1と第2後期残響音生成回路RV2と
に入力されている。直接音データS、前の初期反射音デ
ータSA、SB、SC、後の初期反射音データSa、S
b、Sc、第1後期残響音生成回路RV1から発生され
た後期残響音SSA、第2後期残響音生成回路RV2か
ら発生された後期残響音SSBは、加算器45で合成さ
れてサウンドシステム11Rまたは11Lへ送られる。
これにより、右音源用の反射・残響装置10Rから、右
音源についての、直接音データS、前の初期反射音デー
タSA、SB、SC、後の初期反射音データSa、S
b、Sc、後期残響音列データSSA、及び後期残響音
列データSSBが出力される。また、左音源用の反射・
残響装置10Lから、左音源についての、直接音データ
S、前の初期反射音データSA、SB、SC、後の初期
反射音データSa、Sb、Sc、後期残響音列データS
SA、及び後期残響音列データSSBが出力される。
【0049】そして、右音源の後期残響音列データSS
Bは、右音源の後期残響音列データSSAよりもイニシ
ャルディレイタイムT8だけ遅延されるから、右音源用
のサウンドシステム11Rから発音される後期残響音
は、後期残響音列データSSAから作られた後期残響音
と、後期残響音列データSSBから作られた後期残響音
とが重なり合った楽音になる。従って、上記第1実施例
の場合と同様に、右音源の後期残響音についてループタ
イムT7毎の繰り返し感が解消される。同様にして、左
音源の後期残響音列データSSBは、左音源の後期残響
音列データSSAよりもイニシャルディレイタイムT8
だけ遅延されるから、左音源用のサウンドシステム11
Lから発音される後期残響音は、後期残響音列データS
SAから作られた後期残響音と、後期残響音列データS
SBから作られた後期残響音とが重なり合った楽音にな
る。従って、上記第1実施例の場合と同様に、左音源の
後期残響音についてもループタイムT7毎の音感の不整
合および繰り返し感が解消される。
【0050】8.第3実施例 上記第2実施例では、第1後期残響音生成回路RV1と
第2後期残響音生成回路RV2とが、左右の反射・残響
装置10R、10Lに設けられているが、第3実施例で
は、図8に示すように、第1後期残響音生成回路RV1
は省略して、第2後期残響音生成回路RV2を左右の反
射・残響装置10R、10Lに設ける。そして、ディレ
イ回路28を迂回するバイパスL4を設ける。このバイ
パスL4によってフィードバックディレイ回路22Lに
は、ディレイ回路28によって遅延されない楽音データ
が入力される。すなわち、バイパスL4によってフィー
ドバックディレイ回路22Lに入力された前の初期反射
音データSA、SB、SC、後の初期反射音データS
a、Sb、Scは、ループタイムT7毎に繰り返し遅延
されて出力される。
【0051】従って、フィードバックディレイ回路22
Lは、第1後期残響音生成回路RV1中のフィードバッ
クディレイ回路22Rと第2後期残響音生成回路RV2
中のフィードバックディレイ回路22Lとを併せた動作
を行う。従って、フィードバックディレイ回路22Lか
ら出力される後期残響音データは、後期残響音列データ
SSAと後期残響音列データSSBである。これによ
り、第3実施例では、一つの後期残響音生成回路RV2
を用いて第2実施例と同じ残響音列データSSA、SS
Bを出力することができる。
【0052】9.変形例 なお、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の趣旨
を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、残響
音には、後期残響音のほかに、初期反射音が含まれる。
また、本発明がステレオシステムに適用される場合に
は、ステレオチャンネル数は左右の2チャンネルに限ら
れず、左右上下等の3チャンネル以上であっても良い。
また、本発明はモノラルシステムにも適用できる。さら
に、パンポット回路9が省略され、同じ楽音波形データ
が左右の反射・残響装置10R、10Lに入力されても
良い。
【0053】また、遅延時間を決定するためのクロック
ジェネレータ23R、23L、24R、24L、25
R、25L、27R、27Lは、左右の反射・残響装置
10R、10Lについて共通のものとしても良い。同様
に、減衰率データを供給するためのレジスタ26R、2
6Lも、左右の反射・残響装置10R、10Lについて
共通のものとしても良い。
【0054】さらに、上記イニシャルディレイタイムT
8の長さは、ループタイムT7の1/2のほか、ループ
タイムT7の1/3、2/3、1/4、3/4…等、ル
ープタイムT7以下の範囲であれば良い。また、イニシ
ャルディレイタイムT8は、ループタイムT7の1+1
/3、1+2/3、1+1/4、1+3/4…、2+1
/3、2+2/3、2+1/4、2+3/4…、3+1
/3…のように、ループタイムT7の整数倍にループタ
イムT7以下の値を加えた長さでも良い。また、上記第
1後期残響音生成回路RV1のフィードバックディレイ
回路22Rのループタイムと、第2後期残響音生成回路
RV2のフィードバックディレイ回路22Lのループタ
イムとは、同一であっても良いし、異なっていても良
い。
【0055】また、上記前の初期反射音生成回路ER1
と後の初期反射音生成回路ER2は省略されても良い。
この場合には、直接音データSが第1後期残響音生成回
路RV1と第2後期残響音生成回路RV2へ入力され、
残響音列データSSA、SSBが生成される。
【0056】また、図4、5中の想像線で示す分岐線L
2、L3の何れか一方または両方を付加しても良い。こ
れにより、さらに自然音に近い反射・残響効果を得るこ
とができる。また、分岐線L1を省略しても良い。さら
に、図4に示した反射・残響装置10R、10L内の乗
算器30R〜38R、30L〜38L、加算器40R〜
43R、40L〜43L、及び加算器44、45の一部
は省略されて簡略化されても良い。また、前の初期反射
音生成回路ER1と後の初期反射音生成回路ER2の一
方または両方を省略しても良いし、さらに初期反射音生
成回路を付加しても良い。同様に、後期残響音生成回路
RV1、RV2のフィードバックディレイ回路22R、
22Lの段数を2段以上にしても良い。
【0057】また、前の初期反射音または後の初期反射
音の数は3以外でも良い。例えば、タップディレイ回路
20R、20L、21R、21Lの出力タップの全部か
らディレイデータが出力され、ゲート回路によって所望
のディレイデータが選択されて加算器40R、40L、
41R、41Lへ送られても良い。これにより、初期反
射音の数やディレイタイムを任意に変更することができ
る。この場合、どのゲートの開閉を制御するかを示すゲ
ートコントロールデータはROM7のデータテーブルに
記憶されてCPU5によって音楽的ファクタに応じたゲ
ートコントロールデータが読み出される。また、上記デ
ィレイタイムデータDT1、DT2、DT3、DT4ま
たは減衰率L、M、N、A、B、C、a、b、cの値を
可変としても良い。また、上記反射・残響装置10R、
10Lは、DSP(Digital Signal Processor)または
マイクロコンピュータLSIに置き換えられても良く、
上記の動作をソフトウェアによる処理によって行っても
良い。本件特許出願の出願当初の特許請求の範囲は以下
のとおりであった。 [1]楽音を発生する楽音発生手段と、 この楽音発生
手段から発生された楽音を繰り返し遅延させて残響音を
生成する第1の残響音生成手段と、 この第1の残響音
生成手段によって遅延される楽音の遅延内容を決定する
第1の遅延決定手段と、 上記楽音発生手段から発生さ
れた楽音を繰り返し遅延させて残響音を生成する第2の
残響音生成手段と、 この第2の残響音生成手段によっ
て遅延される楽音の遅延内容を決定する第2の遅延決定
手段と、 上記第1の残響音生成手段によって遅延され
る楽音の遅延周期の位相と上記第2の残響音生成手段に
よって遅延される楽音の遅延周期の位相とをずらす遅延
位相制御手段とを備えたことを特徴とする残響制御装
置。 [2]上記遅延位相制御手段は、上記楽音発生手段から
発生された楽音をそのまま上記第1の残響音生成手段へ
送るとともに、上記楽音発生手段から発生された楽音を
遅延させて上記第2の残響音生成手段へ送り、この遅延
の時間は上記第1の残響音生成手段の遅延周期より小さ
いことを特徴とする請求項1記載の残響制御装置。 [3]上記第1の残響音生成手段における遅延周期は、
上記第2の残響音生成手段における遅延周期とほぼ等し
いことを特徴とする請求項1または2記載の残響制御装
置。 [4]上記第1の残響音生成手段によって遅延される楽
音と、上記第2の残響音生成手段によって遅延される楽
音とは、それぞれステレオシステムの異なるチャンネル
に供給されることを特徴とする請求項1、2または3記
載の残響制御装置。 [5]上記第1の遅延決定手段と第2の遅延決定手段と
は、同じものであることを特徴とする請求項1、2、3
または4記載の残響制御装置。 [6]上記第1の遅延決定手段または上記第2の遅延決
定手段によって決定される遅延内容における、遅延され
る楽音の減衰率または遅延率は、音高的ファクタ、音色
的ファクタ、タッチ的ファクタ、音長的ファクタ、ステ
レオ的ファクタまたは設定エフェクト量に応じて変更さ
れ異なっていることを特徴とする請求項1、2、3、4
または5記載の残響制御装置。 [7]自然音における直接音に相当する楽音信号を発生
する直接音信号発生手段と、 初期反射音に相当する楽
音信号を発生する初期反射音信号発生手段と、上記直接
音に相当する楽音信号または上記初期反射音に相当する
楽音信号、または上記直接音に相当する楽音信号及び上
記初期反射音に相当する楽音信号をループタイム毎に繰
り返し遅延させて第1の残響音列を生成する第1の残響
音生成手段と、 この第1の残響音生成手段によって遅
延される楽音の遅延時間および減衰率を手動入力または
音楽的ファクタに応じた演算により決定する第1の遅延
決定手段と、 上記直接音に相当する楽音信号または上
記初期反射音に相当する楽音信号、または上記直接音に
相当する楽音信号及び上記初期反射音に相当する楽音信
号をループタイム毎に繰り返し遅延させて第2の残響音
列を生成する第2の残響音生成手段と、 この第2の残
響音生成手段によって遅延される楽音の遅延時間および
減衰率を手動入力または音楽的ファクタに応じた演算に
より決定する第2の遅延決定手段と、 上記第2の残響
音生成手段に与えられる上記直接音に相当する楽音信号
または上記初期反射音に相当する楽音信号、または上記
直接音に相当する楽音信号及び上記初期反射音に相当す
る楽音信号を所定の遅延時間だけ遅延させることによ
り、上記第1の残響音生成手段によって遅延される楽音
の遅延周期の位相と上記第2の残響音生成手段によって
遅延される楽音の遅延周期の位相とをずらす遅延位相制
御手段とを備えたことを特徴とする残響制御装置。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は2以上の
残響音生成手段によって楽音をループタイム毎に繰り返
し遅延させて、2以上の残響音列を生成し、これらの残
響音列の遅延周期の位相を互いにずらして発音するよう
にしたものである。これにより、残響音のループタイム
毎の音感の不整合感および繰り返し感が解消され、より
自然な残響音を作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電子楽器の全体回路を示す図である。
【図2】 前の初期反射音、後の初期反射音および後期
残響音の生成タイミングとレベルを示す図である。
【図3】 ROM7内のディレイタイムデータと減衰率
データを記憶したデータテーブル16を示す図である。
【図4】 右音源用の反射・残響装置10Rのブロック
図である。
【図5】 左音源用の反射・残響装置10Lのブロック
図である。
【図6】 第1残響音生成回路RV1により生成される
後期残響音列データSSAと第2残響音生成回路RV2
により生成される後期残響音列データSSBとの生成タ
イミングを示す図である。
【図7】 第2実施例における反射・残響装置10R、
10Lのブロック図である。
【図8】 第3実施例における反射・残響装置10R、
10Lのブロック図である。
【図9】 従来装置における残響音形成回路のブロック
図である。
【図10】従来装置によって生成される残響音の生成タ
イミングとレベルを示す図である。
【符号の説明】
1…キーボード、3…パネルスイッチ群、5…CPU、
6…RAM、7…ROM、8…トーンジェネレータ、9
…パンポット回路、10R、10L…反射・残響装置、
11R、11L…サウンドシステム、20R、20L、
21R、21L…タップディレイ回路、22R、22L
…フィードバックディレイ回路、23R、23L、、2
4R、24L、25R、25L、27、27R、27L
…クロックジェネレータ、26R、26L…レジスタ、
28…ディレイ回路、30R〜38R、30L〜38L
…乗算器、40R〜43R、40L〜43L、44、4
5…加算器。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−14898(JP,A) 特開 昭53−29101(JP,A) 特開 平7−248764(JP,A) 特開 平6−202634(JP,A) 特開 平6−118980(JP,A) 特開 平6−14400(JP,A) 特開 平5−257489(JP,A) 特開 平5−249967(JP,A) 特開 平5−165485(JP,A) 特開 平5−73082(JP,A) 特開 平4−56600(JP,A) 特開 平4−39694(JP,A) 特開 平2−68597(JP,A) 実開 昭64−32599(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/00 - 7/12 G10K 15/21

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 楽音を発生する楽音発生手段と、 この楽音発生手段から発生された楽音に、音像を形成す
    るための音像情報に基づいて、音像を形成するための制
    御を行うとともに、複数のステレオチャンネルの楽音を
    発生する音像形成手段と、 この音像形成手段で音像が形成された、一つのチャンネ
    ルの楽音を、 繰り返し遅延させて残響音を生成する第1
    の残響音生成手段と、 この第1の残響音生成手段によって繰り返し遅延される
    楽音の繰り返しの遅延周期を決定する第1の遅延決定手
    段と、上記音像形成手段で音像が形成された、他のチャンネル
    の楽音を、 繰り返し遅延させて残響音を生成する第2の
    残響音生成手段と、 この第2の残響音生成手段によって繰り返し遅延される
    楽音の繰り返しの遅延周期を決定する第2の遅延決定手
    段と、 上記第1の残響音生成手段によって遅延される楽音の上
    記遅延周期の位相と上記第2の残響音生成手段によって
    遅延される楽音の上記遅延周期の位相とをずらすととも
    に、両遅延周期を等しくし、かつこの位相ずれを当該遅
    延周期より小さくする遅延位相制御手段であって、当該
    位相ずれを「当該遅延周期×n/m倍(m=2、3、
    4、…、1≦n≦m−1)+上記遅延周期×p倍(p=
    0、1、2、3、…)」とし、 上記第1の残響音生成手段によって繰り返し遅延される
    楽音と、上記第2の残響音生成手段によって繰り返し遅
    延される楽音とを、それぞれステレオシステムの異なる
    チャンネルに供給して音像を形成する音像形成手段と、上記音像を形成するための音像情報に基づいて 、上記第
    1の残響音生成手段及び第2の残響音生成手段の遅延周
    期をともに変更するとともに、当該音像情報に基づい
    て、上記第1の遅延決定手段の遅延周期と上記第2の遅
    延決定手段の遅延周期との上記位相ずれを変更する変更
    手段とを備えたことを特徴とする残響制御装置。
  2. 【請求項2】上記第1の遅延決定手段及び上記第2の遅
    延決定手段における上記遅延周期は、タッチ的ファクタ
    に応じて変更されることを特徴とする請求項1記載の残
    響制御装置。
  3. 【請求項3】上記第1の遅延決定手段及び上記第2の遅
    延決定手段における上記遅延周期は、音高的ファクタに
    応じて変更されることを特徴とする請求項1または2記
    載の残響制御装置。
  4. 【請求項4】上記第1の遅延決定手段の遅延周期と上記
    第2の遅延決定手段の遅延周期との上記位相ずれは、音
    高的ファクタ、音色的ファクタ、タッチ的ファクタ、音
    長的ファクタまたは設定エフェクト量に応じて変更され
    ることを特徴とする請求項1、2または3記載の残響制
    御装置。
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