JP3498579B2 - システム制御装置 - Google Patents

システム制御装置

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JP3498579B2
JP3498579B2 JP20371298A JP20371298A JP3498579B2 JP 3498579 B2 JP3498579 B2 JP 3498579B2 JP 20371298 A JP20371298 A JP 20371298A JP 20371298 A JP20371298 A JP 20371298A JP 3498579 B2 JP3498579 B2 JP 3498579B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力される調整量
により、この調整量に対応する状態に向けて制御系の状
態を変化させる被制御システム、例えば無段変速機等に
対して制御を行うシステム制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用の無段変速機として、ベル
ト式無段変速機(CVT)が知られている。このベルト
式無段変速機を制御するための制御装置は、プーリ位置
やプライマリ回転数(駆動プーリの回転数)を制御対象
として、無段変速機の変速比を、車両の運転状態に適合
する変速比となるように制御していた。
【0003】この変速比の調整のために、前記ベルト式
無段変速機においては、入力トルクに応じてセカンダリ
油圧(従動プーリのベルト挟持力調整のための油圧)を
設定するセカンダリ油圧制御系と、入力トルクおよびセ
カンダリ油圧に応じて、所定の変速比を得るのに必要な
プライマリ油圧(駆動プーリのプーリ位置調整のための
油圧)を設定する変速比制御系とを備えていた。
【0004】ここで、変速比制御系では目標変速比を実
現するために、対応する目標プーリ位置あるいは、目標
プライマリ回転数が演算され、これらプーリ位置あるい
はプライマリ回転数の実値との偏差に基づいてフィード
バック制御によるプライマリ油圧が演算され、このプラ
イマリ油圧となるように油圧が調整された。
【0005】このようなフィードバック制御を行うにあ
たっては、各種走行モード(発進、定常、キックダウ
ン、手動変速、ブレーキなど)に応じて制御ゲインを調
整、あるいは、目標値の補正を行うことにより、変速比
のハンチングを防止して、変速制御の応答性、収束性の
適正化が図られていた。
【0006】この種の無段変速機において、制御ゲイン
を調整するものとしては、例えば、特許第250542
0号公報記載の制御が挙げられる。この公報では、急ブ
レーキ時には通常の走行モードより制御ゲインを大きく
して変速比が大側に移動する速度を上げ、それ以外の場
合は制御ゲインを小さく維持する技術が開示されてい
る。
【0007】また、目標値の補正を行うものとしては、
たとえば、特開平7−167234号公報が挙げられ
る。この公報では、スロットルが急閉された場合など、
目標のプライマリ回転数が急減したときに、PID制御
器の過剰な積分制御により、実プライマリ回転数がアン
ダーシュートすることで変速比のハンチングが生じるの
を防止するために、目標のプライマリ回転数の減少速度
にリミッタをかける技術が開示されている。
【0008】しかし、上記先行技術においては、基本的
にはPID制御であることからロバスト性が低いととも
に、以下の様な不具合がある。すなわち、(1)各種走
行モード毎に、制御ゲインを調整、あるいは、目標値の
補正を行うために、制御ソフトウエアが複雑化する。
(2)各種走行モード毎に、最適な制御ゲインや目標値
の補正量を設定する必要があるために制御ソフトウエア
の開発に時間がかかる。
【0009】このようなPID制御の欠点を補うフィー
ドバック制御として、ロバスト性が高く、前記(1)、
(2)の問題が少ない、スライディングモード制御が知
られている(例えば特開平8−249067号公報、特
開昭61−271509号公報、特開昭61−2715
10号公報、特開平2−297602号公報等参照)。
【0010】このスライディング制御とは、制御対象の
状態をある位相空間で表現し、設計者の所望するシステ
ム過渡的な状態を、システムの状態点を表現する関数s
が0となる切換面にて設定し、システムの状態を切換面
に拘束するように制御することにより、状態を切換面に
沿った漸近的に位相空間の原点に収束させ、これによっ
て、所望の過渡的状態を満たしつつ、制御対象の制御を
行う手法である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この様なス
ライディングモード制御では、状態点sを偏差及び偏差
微分によって構成した場合、定常偏差が表れることがあ
る。この対策としては、本発明者らの知見によれば、状
態点sに偏差の積分を付加することにより解消できるこ
とが分かっている。
【0012】しかしながら、この様に構築された状態点
sを用いるスライディングモード制御の場合には、調整
量が制御対象の構造的な限界で制限された場合、例えば
何等かの原因でプライマリ油圧が算出された調整量と異
なり、そのまま偏差が継続して発生する様な場合には、
積分演算値が過大となり、その後の制御結果が悪化する
という問題が生じていた。
【0013】例えば制御対象をCVTとすると、図17
に示す様に、線aの目標変速比が線bの実変速比bに対
して与えられるとき、調整量(駆動側プーリ油圧)は線
cの値をとり、ベルトスリップやバルブの構造的な問題
によって決まる調整量の下限値の線dに達し、線cの値
で制御される。
【0014】この場合、積分演算を実施しても、実際の
積分値の減少分が反映されないためと、積分成分に応じ
た偏差の収束が行われないためとにより、線eの積分項
において、斜線fに示す過剰な成分が溜ってしまう。つ
まり、調整量が下限値より大きな値を示したときに、過
剰に溜った積分値により、斜線gに示す様な、変速比の
オーバーシュートが発生し、制御性(追従性)が悪化す
る。
【0015】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、積分演算値が過大となる
ことを抑制して、制御性を向上することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】(1)請
求項1の発明は、入力される調整量により該調整量に対
応する状態に向けて制御系の状態を変化させる被制御シ
ステムに対して制御を行う制御装置であって、前記被制
御システムの状態を検出する状態検出手段と、前記状態
検出手段の検出結果に基づいて、前記被制御システムの
状態の目標値を演算する目標値演算手段と、前記目標値
演算手段にて演算された目標値と前記状態検出手段にて
検出された実値との偏差に基づいて、状態点sを下記式
[A]のごとく定義した場合に、該状態点sに基づいて
非線形フィードバック項を算出して、スライディングモ
ード制御の制御量を演算するスライディングモード制御
量演算手段と、 s=k1・err’+k2・err+k3・ierr … [A] 但し、k1、k2、k3は0または有限の実数値、er
rは偏差、err´はerrの微分量、ierrはer
rの積分値 前記スライディングモード制御量演算手段にて演算され
た制御量に基づいて、前記調整量を演算するスライディ
ングモード調整量演算手段と、を備え、前記調整量が、
予め設定された範囲を外れた場合には、前記式[A]に
おける偏差の積分演算を停止することを特徴とするシス
テム制御装置を要旨とする。
【0017】前記状態点sを用いるスライディングモー
ド制御の場合には、調整量(例えば目標プライマリ油
圧)が制御対象の構造的な限界や設計者が予め設定した
値で制限された場合には、そのまま偏差が継続して積分
演算値が過大となって、その後の制御結果が悪化する。
【0018】そこで、本発明では、調整量が予め設定さ
れた範囲を外れた場合には、前記式[A]における偏差
の積分演算を停止するのである。つまり、調整量が予め
設定された範囲を外れ、例えば下限値より小さくなった
り、上限値より大きくなった場合には、偏差の積分演算
を停止している。そのため、その後偏差が継続していた
としても、積分値が停止時点よりも大きくなることはな
い。
【0019】よって、積分演算の停止後は、それ以上の
過大な積分演算値に基づた制御が行われないので、制御
性が向上する。つまり、目標値(例えば目標変速比)に
好適に追従した実値(例えば実減速比)が得られること
になる。 (2)請求項2の発明は、前記状態点sを非線形関数f
(s)で写像した値と、非線形フィードバックゲインと
の積を、前記非線形フィードバック項とすることを特徴
とする前記請求項1に記載のシステム制御装置を要旨と
する。
【0020】本発明は、スライディングモード制御の内
容を具体的に示したものであり、この場合は、前記式
[A]に示す様に、微分項「k1・err’」、比例項
「k2・err」、及び積分項「k3・ierr」を合
計した後に、非線形関数f(s)にて写像している。
【0021】よって、この非線形関数f(s)で状態点
sを写像した値と非線形フィードバックゲインとを積算
することにより、非線形フィードバック項を求めること
ができる。 (3)請求項3の発明は、前記スライディングモード制
御を用いたシステム制御装置において、前記積分演算の
停止時に、それまでに演算された積分値を保つことを特
徴とする前記請求項1又は2に記載のシステム制御装置
を要旨とする。
【0022】本発明は、積分演算の停止時における処理
を例示したものであり、ここでは、積分演算の停止時
に、それまでに演算された積分値を保っている。従っ
て、その後の制御においては、偏差をそれ以上積分する
ことなく、保持した積分値に基づいて制御を行なうの
で、高い制御性を確保でき、追従性に優れている。
【0023】(4)請求項4の発明は、前記スライディ
ングモード制御を用いたシステム制御装置において、前
記積分演算の停止時に、それまでに演算された積分値を
クリアすることを特徴とする前記請求項1又は2に記載
のシステム制御装置を要旨とする。
【0024】本発明は、積分演算の停止時における処理
を例示したものであり、ここでは、積分演算の停止時
に、それまでに演算された積分値をクリア(消去)して
いる。従って、その後の制御においては、積分値が0で
あるとして制御を行なうので、即ち制御において大きく
ずれた積分値を使用しないので、高い制御性を確保で
き、追従性に優れている。
【0025】(5)請求項5の発明は、前記スライディ
ングモード制御を用いたシステム制御装置において、前
記積分演算の停止解除後の所定時期の前記積分の記憶値
を、次回の積分演算の停止解除後の初期値とすることを
特徴とする前記請求項1又は2に記載のシステム制御装
置を要旨とする。
【0026】本発明は、積分演算の停止時における処理
を例示したものであり、ここでは、積分演算の停止解除
後の所定時期の積分の記憶値を、次回の積分演算の停止
解除後の初期値としている。つまり、停止解除後とは、
好適にスライディングモード制御が行われている状態で
あり、目標値に実値が好適に追従していると考えられる
ので、停止解除後の所定時期の積分値を、次回の積分演
算の停止解除後の初期値として採用すれば、好ましい制
御状態を速やかに実現することができる。
【0027】(6)請求項6の発明は、前記システム制
御装置における制御対象が、ベルト式無段変速機であ
り、その調整量が駆動側プーリ油圧であることを特徴と
する前記請求項1〜5のいずれかに記載のシステム制御
装置を要旨とする。
【0028】本発明は、システム制御装置を例示したも
のであり、ここでは、システム制御装置として、ベルト
式無段変速機が挙げられ、その調整量としては、駆動側
プーリ油圧(プライマリ油圧)が挙げられる。このベル
ト式無段変速機(CVT)は、例えば、ベルトに対する
駆動プーリの挟持位置およびベルトに対する従動プーリ
の挟持位置を調整することにより変速比が制御されるベ
ルト式無段変速機である。
【0029】(7)請求項7の発明は、前記積分の記憶
値が、前記ベルト式無段変速機を備えた装置において、
エンジントルクと実変速比に応じた値であることを特徴
とする前記請求項6に記載のシステム制御装置を要旨と
する。
【0030】前記積分値は、変速状態、詳しくは、エン
ジントルク(従って例えばスロットル開度)と実変速比
に応じて変化するので、エンジントルクと実変速比に応
じて、例えば予め実験等によって求めたマップ等によ
り、積分値を設定するのである。
【0031】尚、上述した様なシステム制御装置の各手
段をコンピュータシステムにて実現する機能は、例え
ば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとし
て備えることができる。このようなプログラムの場合、
例えば、フロッピーディスク、光磁気ディスク、CD−
ROM、ハードディスク等の機械読み取り可能な記録媒
体に記憶し、必要に応じてコンピュータシステムにロー
ドして起動することにより用いることができる。この
他、ROMやバックアップRAMを機械読み取り可能な
記録媒体として前記プログラムを記憶しておき、このR
OMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステ
ムに組み込んで用いても良い。
【0032】
【発明の実施の形態】次に、本発明のシステム制御装置
が適用された発明の実施の形態について、図面に基づい
て説明する。 [実施の形態1]a)図1は、上述した発明が適用され
た実施の形態1の無段変速機2、制御装置4、および周
辺装置の概略構成を表すブロック図である。
【0033】これらベルト式無段変速機(以下単にCV
T)2および制御装置4は、自動車の無段変速機2およ
び制御装置4として構成されている。無段変速機2は、
可動円錐盤6と固定円錐盤8とからなる駆動側のプライ
マリプーリ10(駆動プーリに相当する。)、可動円錐
盤12と固定円錐盤14とからなる従動側のセカンダリ
プーリ16(従動プーリに相当する。)、駆動側のプラ
イマリプーリシリンダ18、従動側のセカンダリプーリ
シリンダ20、およびプライマリプーリ10とセカンダ
リプーリ16との間に掛け渡された金属ベルト22、内
燃機関としてのエンジンEにより駆動されるオイルポン
プ24、プライマリ油圧制御アクチュエータ26、セカ
ンダリ油圧制御アクチュエータ28、エンジンEからの
トルクの伝達を調整するトルクコンバータ等の発進デバ
イス30を備えている。
【0034】制御装置4は、電子制御回路から成るコン
トロールユニット32、プライマリプーリ10の回転数
を検出するプライマリ回転センサ34、セカンダリプー
リ16の回転数を検出するセカンダリ回転センサ36、
エンジンEへの吸入空気量を調整するスロットル開度を
検出するスロットル開度センサ38、およびエンジンE
の回転数を検出するエンジン回転センサ40を備えてい
る。
【0035】コントロールユニット32は、CPUを中
心とするマイクロコンピュータとして構成され、状態検
出手段としての、プライマリ回転センサ34、セカンダ
リ回転センサ36、スロットル開度センサ38、および
エンジン回転センサ40の検出データに基づいて目標変
速比を設定し、この目標変速比となるように、プライマ
リ油圧制御アクチュエータ26を調整して、オイルポン
プ24にて発生しプライマリプーリシリンダ18に供給
される油圧を制御している。また、コントロールユニッ
ト32は、金属ベルト22がスリップを生じないよう
に、セカンダリ油圧制御アクチュエータ28を調整し
て、オイルポンプ24にて発生しセカンダリプーリシリ
ンダ20に供給される油圧を制御している。
【0036】ここで、コントロールユニット32により
実行される詳細な制御を、図2,図3の制御ブロック図
により説明する。図2は、セカンダリプーリ16側の制
御ブロック図であり、セカンダリプーリシリンダ20の
セカンダリ油圧制御アクチュエータ28の調整を実行し
て、セカンダリプーリ16に対して金属ベルト22が滑
らないように、可動円錐盤12と固定円錐盤14との挟
持力を十分に発生させるための制御処理を示している。
この内、入力トルク推定部42および目標セカンダリ油
圧演算部44はコントロールユニット32のCPUが実
行するプログラムとして実現されている。また、セカン
ダリ油圧制御器46はコントロールユニット32内に備
えられた、セカンダリ油圧制御アクチュエータ28を駆
動するための駆動回路である。
【0037】制御が開始されると、入力トルク推定部4
2は、スロットル開度センサ38から検出されたスロッ
トル開度θとエンジン回転センサ40から検出されたエ
ンジン回転数NEとに基づいて、図4に示すエンジン回
転数NEおよびスロットル開度θと入力トルクTinと
の関係を表すマップから入力トルクTinを推定する。
この入力トルクTinは、エンジンEで発生し、エンジ
ンEから発進デバイス30を介して無段変速機2へ入力
されるトルクである。
【0038】次に、目標セカンダリ油圧演算部44が、
入力トルク推定部42にて求められた入力トルクTin
と、後述する目標変速比設定部48にて求められた目標
変速比TRtとに基づいて、目標セカンダリ油圧PSt
を演算する。この目標セカンダリ油圧PStは、金属ベ
ルト22がセカンダリプーリ16に対してスリップする
こと無くトルクを伝達できる油圧であり、図5に示す3
次元マップから求められる。
【0039】こうして求められた目標セカンダリ油圧P
Stの信号に基づいて、セカンダリ油圧制御器46に
て、セカンダリ油圧制御アクチュエータ28が駆動制御
され、ベルトスリップしないセカンダリ油圧PSが実現
する。図3は、プライマリプーリ10側の制御ブロック
図であり、駆動側のプライマリプーリシリンダ18のプ
ライマリ油圧制御アクチュエータ26の調整を実行し
て、プライマリプーリ10に対して、セカンダリプーリ
16との間で金属ベルト22を介して行われる変速を、
目標変速比TRtにする制御処理を示している。この
内、目標変速比設定部48、変速比−プーリ位置変換部
50、プライマリ油圧フィードフォワード項演算部5
2、スライディングモード制御部54、実変速比検出部
58、および変速比−プーリ位置変換部60は、コント
ロールユニット32のCPUが実行するプログラムとし
て実現されている。また、プライマリ油圧制御器56は
コントロールユニット32内に備えられた、プライマリ
油圧制御アクチュエータ26を駆動するための駆動回路
である。
【0040】制御が開始されると、目標変速比設定部4
8は、スロットル開度センサ38から検出されるスロッ
トル開度θ、およびセカンダリ回転センサ36から検出
されるセカンダリ回転数NS等の、各種センサから得ら
れる無段変速機2および無段変速機2を駆動するエンジ
ンEの状態に基づいて、所定のマップから目標変速比T
Rtを求める。
【0041】次に、この目標変速比TRt、目標セカン
ダリ油圧PSt、および入力トルクTinとに基づい
て、プライマリ油圧フィードフォワード項演算部52
は、目標プライマリ油圧フィードフォワード項P1の演
算を行う。この演算は、まず、目標セカンダリ油圧PS
tに基づいて、図6に示す、予め測定されているセカン
ダリ油圧PSと入力トルクTinとの関係を表すテーブ
ルにより、セカンダリプーリ16にて金属ベルト22が
スリップせずに伝達可能な最大トルクTmaxが求めら
れる。次に入力トルクTinと最大トルクTmaxとの
比から、トルク比Tin/Tmaxが演算される。
【0042】次に、このトルク比Tin/Tmaxか
ら、図7に示すプライマリ油圧フィードフォワード項演
算マップに基づいて、該当する変速比TRのラインから
油圧比(PP:プライマリ油圧/PS:セカンダリ油
圧)を求め、この油圧比と目標セカンダリ油圧PStと
の積を計算し、その値をプライマリ油圧フィードフォワ
ード項P1とする。
【0043】具体的には、例えばトルク比Tin/Tm
ax=0.25、目標変速比TRt=2.0であった場
合には、図7に示すごとく、油圧比(PP/PS)=
0.41が求まり、P1=0.41・PStにて、プラ
イマリ油圧フィードフォワード項P1が求まる。なお、
図7は一例であり、無段変速機2の種類により異なるマ
ップとなる。
【0044】一方、目標変速比設定部48で得られた目
標変速比TRtは変速比−プーリ位置変換部50により
目標プーリ位置xt、すなわちプライマリプーリ10の
可動円錐盤6の目標位置xtに変換される。次に、実変
速比検出部58が、実際に無段変速機2のプライマリ回
転センサ34とセカンダリ回転センサ36との検出から
得られるプライマリ回転数NPおよびセカンダリ回転数
NSの比から実変速比TRrを得、変速比−プーリ位置
変換部60がこの実変速比TRrを実プーリ位置xr、
すなわち、プライマリプーリ10の可動円錐盤6の実位
置xrに変換する。
【0045】変速比−プーリ位置変換部50からの目標
プーリ位置xtと変速比−プーリ位置変換部60からの
実プーリ位置xrとの偏差errが、次式[1]のごと
く演算されて、この偏差errがスライディングモード
制御部54に入力する。 err = xr − xt … [1] スライディングモード制御部54では、この偏差err
に基づいて、スライディングモード制御によるプライマ
リ油圧フィードバック項P2を演算して出力する。
【0046】次に、スライディングモード制御部54に
て、偏差errに基づいて実行されるスライディングモ
ード制御演算について説明する。ここで、まず、プライ
マリ油圧フィードフォワード項P1とプーリ位置xtと
が対応しているものと考え、更に図1の構成に対する実
験データから、プライマリ油圧フィードバック項P2と
errとの間には次の近似式[2]が成り立つと考える
ことができる。
【0047】 d(err)/dt = A・err + B・P2 … [2] ここでA,Bの値は、セカンダリ油圧PS、入力トルク
Ti、変速比TRに依存する。定常偏差を無くするため
に、次式[3]の偏差積分計算にて定義される変数ie
rrを導入する。
【0048】 ierr = ∫err・dt … [3] スライディングモード制御における状態点s(切換え面
はs=0に該当する。)を、次式[4]のように定義す
る。 s = s1・ierr + err … [4] 上述した式[4]に基づいて、プライマリ油圧フィード
バック項P2を、次式[5]のごとく求める。
【0049】 P2=(−1/B0)・((s1+A0)・err+k・sat(s)) … [5] なお、A0,B0は、それぞれ変動する数であるA,B
の公称値である。また、飽和関数sat()は図8に示
す関数であり、図8におけるdは、図9に示す位相空間
における切換え面(s=0)の両側に存在する境界層の
幅である。kは非線形フィードバック項ゲイン(別名、
ロバストネスパラメータと言う。)である。
【0050】A,Bが変動し、それぞれA0,B0とは
異なる値をとった場合に、目標プーリ位置xtに実プー
リ位置xrが追従するためには、kの値は次の不等式
[6]を満足する必要がある。 k>max(| dA・err |) + max(| dB・P2 |) … [6] ただし、dA=| A−A0 |、dB=| B−B0 |
である。max()は最大値をとることを示す。
【0051】前記式[6]は、次のようにして導出され
る。前記式[2]において、A=A0+dA、B=B0
+dBとすれば、式[2]は次式[7]のごとくとな
る。 d(err)/dt=(A0+dA)・err+(B0+dB)・P2 =A0・err+B0・P2+dA・err+dB・P2 … [7] このとき、切換え面を表す式[4]を微分すると、次式
[8]のごとくとなる。
【0052】 s′=s1・d(ierr)/dt + d(err)/dt =s1・err+A0・err+B0・P2+dA・err+dB・P2 … [8] 前記式[8]に前記式[5]を代入すれば、s′は次式
[9]のごとくとなる。
【0053】 s′=s1・err+A0・err −(s1+A0)・err−k・sat(s) +dA・err+dB・P2 =−k・sat(s)+dA・err+dB・P2 … [9] ここで、スライディングモードが存在するためには、
s′・s<0を満足する必要があることから、式[9]
がすべてのdA,dBに対して、sと異符号になるため
には前記式[6]が成立すれば十分であることが判る。
【0054】上述のごとく、プライマリ油圧フィードバ
ック項P2が求まり、プライマリ油圧フィードフォワー
ド項演算部52にて求められているプライマリ油圧フィ
ードフォワード項P1と加算され、目標プライマリ油圧
PPtとされる。この目標プライマリ油圧PPtの信号
に基づいて、プライマリ油圧制御器56にて、プライマ
リ油圧制御アクチュエータ26が駆動制御され、ベルト
スリップしないプライマリ油圧PPが実現するととも
に、無段変速機2の実変速比TRrが目標変速比TRt
へ向けて調整される。
【0055】本実施の形態1では、スライディングモー
ド制御部54(スライディングモード制御量演算手段に
相当する。)が行うスライディングモード制御による制
御量(プライマリ油圧フィードバック項P2)とは、別
個に、プライマリ油圧フィードフォワード項演算部52
にて制御量(プライマリ油圧フィードフォワード項P
1)が演算されている。
【0056】従って、無段変速機2では、スライディン
グモード制御によるプライマリ油圧フィードバック項P
2と、フィードフォワード制御によるプライマリ油圧フ
ィードフォワード項P1との加算に基づいて調整量(目
標プライマリ油圧PPt)が求められ、その目標プライ
マリ油圧PPtでプライマリ油圧制御アクチュエータ2
6が調整される。
【0057】b)次に、上述した構成を有する本実施の
形態1における制御処理について説明する。本実施の形
態1では、調整量、即ち目標プライマリ油圧(駆動側プ
ーリ油圧)PPtが下限値に保持(ホールド)されてい
る間は、積分値をホールドする制御を行なう。
【0058】まず、積分値ierr演算ルーチンにつ
いて、図10のフローチャートに基づいて説明する。図
10のステップ100では、偏差err及びリミッター
フラグFを読み込む。この偏差errとは、目標プーリ
位置xtと実プーリ位置xrとの偏差errである。ま
た、リミッターフラグFとは、目標プライマリ油圧PP
tが所定の範囲内、即ち実際に取りうる範囲内であるか
否かを示すものであり、範囲内であれば0にセットさ
れ、範囲外であれば1にセットされる。
【0059】続くステップ110では、リミッターフラ
グFが0か否か、即ち、目標プライマリ油圧PPtが目
標プライマリ油圧PPtの上限値と下限値の間の所定の
範囲内であるか否かを判定する。ここで肯定判断される
と、ステップ120に進む。ステップ120では、目標
プライマリ油圧PPtは前記所定の範囲内であるので、
前回までの積分値ierrに今回の偏差errを加え
て、今回の積分値ierrとし、一旦本処理を終了す
る。
【0060】一方、前記ステップ110で否定判断され
ると、目標プライマリ油圧PPtは前記所定の範囲外で
あるので、偏差errを積分することなく、ステップ1
20をパスして一旦本処理を終了する。つまり、この場
合は、前回までの積分値ierrをホールドするのであ
る。
【0061】次に、リミッター処理リーチンについ
て、図11のフローチャートに基づいて説明する。この
リミッター処理ルーチンは、前記図10のステップ11
0の判定に使用するリミッターフラグFを設定するため
のルーチンである。
【0062】図11のステップ200に示す様に、目標
プライマリ油圧PPt、目標プライマリ油圧PPtの上
限値及び下限値を読み込む。続くステップ210では、
目標プライマリ油圧PPtが目標プライマリ油圧PPt
の上限値を下回るか否かを判定する。ここで肯定判断さ
れるとステップ220に進み、一方否定判断されるとス
テップ240に進む。
【0063】ステップ240では、目標プライマリ油圧
PPtが目標プライマリ油圧PPtの上限値に達したと
判断して、リミッターフラグFを1にセットし、一旦本
処理を終了する。一方、ステップ220では、目標プラ
イマリ油圧PPtが目標プライマリ油圧PPtの下限値
を上回るか否かを判定する。ここで肯定判断されるとス
テップ230に進み、一方否定判断されるとステップ2
50に進む。
【0064】ステップ250では、目標プライマリ油圧
PPtが目標プライマリ油圧PPtの下限値に達したと
判断して、リミッターフラグFを1にセットし、一旦本
処理を終了する。一方、ステップ230では、目標プラ
イマリ油圧PPtが目標プライマリ油圧PPtの上限値
と下限値の間の所定の範囲内であると判断して、リミッ
ターフラグFを0にセットし、一旦本処理を終了する。
【0065】次に、上述した制御による状態を、図1
2のタイミングチャートに示す。図12に示す様に、本
実施の形態1では、調整量cである目標プライマリ油圧
PPtが下限値dにホールドされている間、積分値eは
領域hに示す様にホールドされているので、過剰な積分
補償成分が存在しない。それにより、実変速比bは、目
標変速比aに対してオーバーシュートすることなく、好
適に制御することができる。
【0066】つまり、本実施の形態1では、リミッター
フラグFによる積分演算の停止時には、それまでに演算
された積分値ierrを保つようにしている。従って、
その後の制御においては、保持した積分値ierrに基
づいて制御を行なうので、それ以降の過剰な積分補償成
分の影響を排除でき、よって、高い制御性(追従性)を
実現できる。
【0067】[実施の形態2]次に、実施の形態2につ
いて説明する。本実施の形態2は、前記実施の形態1と
は、ハード構成は同じであるが、その制御処理のみが異
なるので、以下では、制御処理を説明する。
【0068】本実施の形態2では、調整量、即ち目標プ
ライマリ油圧(駆動側プーリ油圧)PPtが下限値にホ
ールドされている間は、積分を停止するが、この積分停
止期間では、積分値をクリアする制御を行行なう。 まず、積分値ierr演算ルーチンについて、図13
のフローチャートに基づいて説明する。
【0069】図13のステップ300では、偏差err
及びリミッターフラグFを読み込む。この偏差err及
びリミッターフラグFは、前記実施の形態1と同様であ
る。続くステップ310では、リミッターフラグFが0
か否か、即ち、目標プライマリ油圧PPtが目標プライ
マリ油圧PPtの上限値と下限値の間の所定の範囲内で
あるか否かを判定する。ここで肯定判断されると、ステ
ップ320に進み、一方否定判断されるとステップ33
0に進む。
【0070】ステップ320では、目標プライマリ油圧
PPtは前記所定の範囲内であるので、前回までの積分
値ierrに今回の偏差errを加えて、今回の積分値
ierrとし、一旦本処理を終了する。一方、前記ステ
ップ330では、目標プライマリ油圧PPtは前記所定
の範囲外であるので、偏差errを積分することなく、
積分値ierrを0にセットし、一旦本処理を終了す
る。つまり、この場合は、積分値ierrをクリアする
のである。
【0071】尚、リミッターフラグFを設定するための
リミッター処理リーチンについては、前記実施の形態1
と同様であるので、その説明は省略する。 次に、上述した制御による状態を、図14のタイミン
グチャートに示す。図14に示す様に、本実施の形態2
では、調整量cである目標プライマリ油圧PPtが下限
値dにホールドされている間、積分値eは領域iに示す
様にクリアされているので、過剰な積分補償成分が存在
しない。それにより、実変速比bは、目標変速比aに対
してオーバーシュートすることなく、好適に制御するこ
とができる。
【0072】つまり、本実施の形態2では、リミッター
フラグFによる積分演算の停止時には、それまでに演算
された積分値をクリアしている。従って、その後の制御
においては、過剰な積分補償成分のない状態、即ち積分
値ierr=0として制御を行なうので、高い制御性
(追従性)を実現できる。
【0073】[実施の形態3]次に、実施の形態3につ
いて説明する。本実施の形態3は、前記実施の形態1,
2とは、ハード構成は同じであるが、その制御処理のみ
が異なるので、以下では、制御処理を説明する。
【0074】本実施の形態3では、調整量、即ち目標プ
ライマリ油圧(駆動側プーリ油圧)PPtが下限値にホ
ールドされている間は、積分を停止するが、この積分停
止期間では、例えば実施の形態1の様に、ホールドした
値を積分値として用いる。そして、予め、通常走行時
に、エンジントルクを発生させるためのスロットル開度
θと実変速比TRrとに応じた積分値を記憶しておき、
積分演算再開時には、この記憶値を積分値の初期値とし
て使用する制御を行なう。
【0075】まず、積分値ierr演算ルーチンにつ
いて、図15のフローチャートに基づいて説明する。図
15のステップ400では、偏差err、リミッターフ
ラグF、スロットル開度θ、実変速比TRrを読み込
む。この偏差err及びリミッターフラグFは、前記実
施の形態1と同様であり、スロットル開度θ及び実変速
比TRrは、各々スロットル開度センサ38及び実変速
比検出部58からの出力から得る。
【0076】続くステップ410では、リミッターフラ
グFが0か否か、即ち、目標プライマリ油圧PPtが目
標プライマリ油圧PPtの上限値と下限値の間の所定の
範囲内であるか否かを判定する。ここで肯定判断される
と、ステップ420に進み、一方否定判断されると一旦
本処理を終了する。
【0077】続くステップ420では、1ステップ前の
リミッターフラグFが0か否か、即ち、前回も目標プラ
イマリ油圧PPtが所定の範囲内であったか否かを判定
する。ここで肯定判断されると、ステップ430に進
み、一方否定判断されるとステップ450に進む。
【0078】ステップ430では、前記ステップ410
及び420で肯定判断されて、前回も今回も目標プライ
マリ油圧PPtが前記所定の範囲内、即ち通常走行時で
あると判断されているので、ここでは、前回までの積分
値ierrに今回の偏差errを加えて、今回の積分値
ierrとする。
【0079】続くステップ440では、通常走行時にお
けるデータを、後の使用するマップに保存する処理を行
ない、一旦本処理を終了する。具体的には、予め設定し
た時間前から現時点までのスロットル開度θ及び実変速
比TRrの平均値(即ち予め設定した時間内での走行状
態)を演算し、今回の積分値ierrをスロットル開度
θ及び実変速比TRrのマップに保存する。これによ
り、積分値ierrとスロットル開度θと実変速比TR
rの3次元マップを作成する。
【0080】一方、ステップ450では、前記ステップ
410で肯定判断され且つステップ420で否定判断さ
れ、今回初めて目標プライマリ油圧PPtが前記所定の
範囲から外れたと判断されたので、ここでは、前記ステ
ップ440で作成したマップを参照して、制御に使用す
る積分値ierrを設定し、一旦本処理を終了する。
【0081】具体的には、前記マップを参照し、スロッ
トル開度θ及び実変速比TRrから積分値ierrを求
め、この積分値ierrを以降の制御の積分値ierr
の初期値と使用して、以降の制御を行う。尚、リミッタ
ーフラグFを設定するためのリミッター処理リーチンに
ついては、前記実施の形態1と同様であるので、その説
明は省略する。
【0082】次に、上述した制御による状態を、図1
6のタイミングチャートに示す。図16に示す様に、本
実施の形態3では、調整量cである目標プライマリ油圧
PPtが下限値dにホールドされている間、積分値eは
領域jに示す様にホールドされている。また、積分再開
時には、通常走行時に設定したスロットル開度θ及び実
変速比TRrのマップから積分値ierrを求め、この
積分値ierrを積分値ierrの初期値と使用する。
これにより、過剰な積分補償成分が存在しないので、実
変速比bは、目標変速比aに対してオーバーシュートす
ることなく、好適に制御することができる。
【0083】つまり、本実施の形態3では、リミッター
フラグFによる積分演算の停止時には、それまでに演算
された積分値をホールドし、積分再開時には、通常走行
時に設定したマップから求めた積分値ierrの初期値
として使用するので、積分演算の中止時だけでなくその
後の制御においても、過剰な積分補償成分のない状態を
実現でき、よって、高い制御性(追従性)を得ることが
できる。
【0084】尚、本発明は前記実施の形態の例になんら
限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲にお
いて種々の態様で実施しうることはいうまでもない。例
えば前記実施の形態3では、エンジントルクに対応する
値として、スロットル開度を使用したが、それ以外に、
例えばアクセル開度を使用してもよく、または、その他
のエンジントルク推定の手段を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1としての、無段変速機、制御装
置、および周辺装置の概略構成を表すブロック図であ
る。
【図2】 実施の形態1におけるセカンダリプーリの制
御ブロック図である。
【図3】 実施の形態1におけるプライマリプーリの制
御ブロック図である。
【図4】 実施の形態1におけるエンジン回転数NEお
よびスロットル開度θと入力トルクTinとの関係を表
すマップである。
【図5】 実施の形態1における入力トルクTinと目
標変速比TRtとに基づいて、目標セカンダリ油圧PS
tを求めるための3次元マップである。
【図6】 実施の形態1におけるセカンダリ油圧PSと
入力トルクTinとの関係を表すグラフである。
【図7】 実施の形態1における変速比TRに応じたト
ルク比Tin/Tmaxと油圧比PP/PSとの関係を
表すマップである。
【図8】 実施の形態1における飽和関数sat(s)
を示すグラフである。
【図9】 実施の形態1における制御系の位相空間にお
ける切換え面(s=0)の両側に存在する境界層を示す
グラフである。
【図10】 実施の形態1における積分値演算ルーチン
を示すフローチャートである。
【図11】 実施の形態1におけるリミッター処理ルー
チンを示すフローチャートである。
【図12】 実施の形態1における制御の状態を示すタ
イミングチャートである。
【図13】 実施の形態2における積分値演算ルーチン
を示すフローチャートである。
【図14】 実施の形態2における制御の状態を示すタ
イミングチャートである。
【図15】 実施の形態3における積分値演算ルーチン
を示すフローチャートである。
【図16】 実施の形態3における制御の状態を示すタ
イミングチャートである。
【図17】 従来技術の説明図である。
【符号の説明】
E…エンジン 2…無段変速機 4…制御装置 6…可動円錐盤 8…固定円錐盤 10…プライ
マリプーリ 12…可動円錐盤 14…固定円錐盤 16…セカ
ンダリプーリ 18…プライマリプーリシリンダ 20…セカンダリ
プーリシリンダ 22…金属ベルト 24…オイルポンプ 26…プライマリ油圧制御アクチュエータ 28…セカンダリ油圧制御アクチュエータ 30…発
進デバイス 32…コントロールユニット 34…プライマリ回転
センサ 36…セカンダリ回転センサ 38…スロットル開度
センサ 40…エンジン回転センサ 42…入力トルク推定部 44…目標セカンダリ油圧演算部 46…セカンダリ
油圧制御器 48…目標変速比設定部 50…変速比−プーリ位置
変換部 52…プライマリ油圧フィードフォワード項演算部 54…スライディングモード制御部 56…プライマ
リ油圧制御器 58…実変速比検出部 60…変速比−プーリ位置変
換部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 101:02 F16H 101:02 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 63/48

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力される調整量により該調整量に対応
    する状態に向けて制御系の状態を変化させる被制御シス
    テムに対して制御を行う制御装置であって、 前記被制御システムの状態を検出する状態検出手段と、 前記状態検出手段の検出結果に基づいて、前記被制御シ
    ステムの状態の目標値を演算する目標値演算手段と、 前記目標値演算手段にて演算された目標値と前記状態検
    出手段にて検出された実値との偏差に基づいて、状態点
    sを下記式[A]のごとく定義した場合に、該状態点s
    に基づいて非線形フィードバック項を算出して、スライ
    ディングモード制御の制御量を演算するスライディング
    モード制御量演算手段と、 s=k1・err’+k2・err+k3・ierr … [A] 但し、k1、k2、k3は0または有限の実数値、er
    rは偏差、 err´はerrの微分量、ierrはerrの積分値 前記スライディングモード制御量演算手段にて演算され
    た制御量に基づいて、前記調整量を演算するスライディ
    ングモード調整量演算手段と、 を備え、 前記調整量が、予め設定された範囲を外れた場合には、
    前記式[A]における偏差の積分演算を停止することを
    特徴とするシステム制御装置。
  2. 【請求項2】 前記状態点sを非線形関数f(s)で写
    像した値と、非線形フィードバックゲインとの積を、前
    記非線形フィードバック項とすることを特徴とする前記
    請求項1に記載のシステム制御装置。
  3. 【請求項3】 前記スライディングモード制御を用いた
    システム制御装置において、 前記積分演算の停止時に、それまでに演算された積分値
    を保つことを特徴とする前記請求項1又は2に記載のシ
    ステム制御装置。
  4. 【請求項4】 前記スライディングモード制御を用いた
    システム制御装置において、 前記積分演算の停止時に、それまでに演算された積分値
    をクリアすることを特徴とする前記請求項1又は2に記
    載のシステム制御装置。
  5. 【請求項5】 前記スライディングモード制御を用いた
    システム制御装置において、 前記積分演算の停止解除後の所定時期の前記積分の記憶
    値を、次回の積分演算の停止解除後の初期値とすること
    を特徴とする前記請求項1又は2に記載のシステム制御
    装置。
  6. 【請求項6】 前記システム制御装置における制御対象
    が、ベルト式無段変速機であり、その調整量が駆動側プ
    ーリ油圧であることを特徴とする前記請求項1〜5のい
    ずれかに記載のシステム制御装置。
  7. 【請求項7】 前記積分の記憶値が、前記ベルト式無段
    変速機を備えた装置において、エンジントルクと実変速
    比に応じた値であることを特徴とする前記請求項6に記
    載のシステム制御装置。
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