JP3497636B2 - 抄紙用スパイラルカンバス - Google Patents

抄紙用スパイラルカンバス

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JP3497636B2 JP27786595A JP27786595A JP3497636B2 JP 3497636 B2 JP3497636 B2 JP 3497636B2 JP 27786595 A JP27786595 A JP 27786595A JP 27786595 A JP27786595 A JP 27786595A JP 3497636 B2 JP3497636 B2 JP 3497636B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抄紙機のドライパ
ートで使用する抄紙用スパイラルカンバスに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】抄紙機ドライパートにおけるカンバスの
役割は、プレスパート(圧搾部)から受けとった湿紙を
保持し運搬しながら乾燥シリンダに圧着させ、効率よく
乾燥を促進し、所定の水分および品質をもった紙に仕上
げてカレンダおよびリール(巻取り)へ送り出すことに
ある。このような役割を果たすため、この種カンバスに
は、一般に、次のような特性が要求される。すなわち、
耐久性(抗張力性)、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性が優
れていること。長手方向および幅方向において寸法安定
性が良好であること。紙の品質を良くするため表面が平
滑あるいは柔軟であること。乾燥を良くするため通気性
が良好であること。走行安定性が良好であること等。
【0003】上記のような抄紙機ドライパートで使用さ
れるカンバスとして、複数のスパイラルコイルをカンバ
ス長手方向に並列配置し、それぞれの隣接したターン部
を相互に噛み合わせて形成した共通孔に芯線を挿通した
構造のスパイラルカンバスがある。スパイラルカンバス
が抄紙機ドライパートで使用されるのは、構造的に高張
力、高通気性で、表面平滑性が良く、しかも屈曲走行性
が優れており、継手部を特に必要としないためである。
【0004】スパイラルカンバスとしては、例えば、西
独国特許公開2419751号公報に記載された構成が
知られている。同公報記載のスパイラルカンバスは、右
巻きのスパイラルコイルと左巻きのスパイラルコイルと
を、スパイラルコイルの側面の反発力を利用して交互に
組合せ、その組合せにより形成された空間部(共通孔)
に芯線を挿通して、カンバス長手方向に所要長さの無端
状に連結したものである。しかしながら、この構成のス
パイラルカンバスは、抄紙機用途で使用するにあたっ
て、寸法安定性に不充分な点があった。
【0005】そこで、寸法安定性を向上するため、例え
ば、特公平4−5797号公報記載のリンクベルトが提
案されている。同公報記載のリンクベルトは次のような
構成を有する。
【0006】図11に示すように、螺旋状コイル11を
複数個指組み状に配置し、かつ、隣接するコイル11の
指組み状ターン部11a内にそれぞれヒンジワイヤ12
を挿通して(ヒンジワイヤ12は図13に示す共通孔1
1bに挿通する。)、隣接するコイル11を互いに連結
することにより、ヒンジベルト13が先ず形成される。
【0007】次に、ヒンジベルト13は緊張状態にさ
れ、コイル11(及び/又は)ヒンジワイヤ12の構成
材料が変形する程度の且つこの変形をもたらすに充分な
程度の時間に亘り熱処理される。その結果、図12に示
すように、コイル11が当初の一定横断面形状から変形
された状態で熱固定され、この変形によってコイル11
が、コイル11とヒンジワイヤ12とが近接する範囲に
おいて、ヒンジワイヤ12の軸線方向に長い形の略々長
円形断面形状を呈し、この長円形断面形状部分がヒンジ
ワイヤ12を掴んで密接係合することにより、ヒンジベ
ルト13に寸法安定性が付与される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特公平4−5797号
公報記載のリンクベルトは、寸法安定性の点では優れて
いると言えるが、抄紙機ドライパート用途で使用するに
際し、屈曲性、耐久性の点で次のような心配がある。
【0009】先ず、ドライヤロール等での屈曲時におけ
る、長手方向(図11、図12におけるL方向)の屈曲
性について考えると、リンクベルト13(スパイラルカ
ンバス)は、本来、ヒンジワイヤ12(芯線)の中心を
支点として回転し屈曲するのであるが、コイル11のタ
ーン部11aがヒンジワイヤ12を掴んで密接係合した
構造では、ターン部11aとヒンジワイヤ12との接触
部分の滑り摩擦抵抗が大きく、しかも、ターン部11a
が適度な弾性を有しないために、屈曲に必要なターン部
11aの回転が得られず、リンクベルト13がスムーズ
に屈曲しないことが懸念される。また、ターン部11a
の回転が得られない場合には、リンクベルト13はコイ
ル11の素材変形によって屈曲姿勢を取ろうとするの
で、コイル11の特にターン部11aに過大な繰り返し
応力が作用し、これが耐久性低下をきたす要因となり易
い。
【0010】次に、幅方向(図12bにおけるW方向)
の屈曲性について考えると、コイル11のターン部11
aがヒンジワイヤ12を掴んで密接係合した構造では、
ターン部11aが適度な弾性を有しないために、屈曲
時、隣接したターン部11aが互いに強固に干渉し合
い、リンクベルト13がスムーズに屈曲しないことが懸
念される。この種のカンバスでは、カンバスの両側縁の
耳部は湿紙が介在しないため、湿紙が介在する中央本体
部とそうでない耳部とでは屈曲時(乾燥シリンダの表面
を走行する時など)の回転半径が湿紙の厚み分だけ相違
する。そのため、幅方向の屈曲性が良好でないと、この
回転半径の差をスムーズに吸収できなくなり、耳部がた
れ下る現象が発生する。また、湿紙の介在しない耳部は
乾燥シリンダの表面と直接接触し、かつ高温の蒸気に直
接晒されるため、中央本体部に比較して熱の影響を大き
く受けやすい。特に、スパイラルカンバスの場合は、通
常の織カンバスとは違って長手方向に連続した糸がない
ため、この影響を非常に受け易く、耳部がたれ下る現象
が発生し易い傾向にある。
【0011】本発明の目的は、良好な寸法安定性を有
し、しかも、屈曲性、耐久性に優れた抄紙用スパイラル
カンバスを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、合成樹脂製の複数のスパイラルコイル
をカンバス長手方向に並列配置し、それぞれの隣接した
ターン部を相互に噛み合わせて形成した共通孔に芯線を
挿通し、この芯線とスパイラルコイルのターン部とをヒ
ートセットにより変形適合させた構成において、芯線の
横断面形状を六角形状とし、芯線とスパイラルコイルの
ターン部とが適合する領域において、両者が部分的に接
触する構成とした。
【0013】ここで、「ヒートセット(Heat Settin
g)」は、一般に、繊維を加熱処理して、その寸法を安
定させたり、形状を固定させたりする加工方法である。
加工条件は、用途、使用条件、素材等によって異なる
が、合成樹脂製カンバスの場合は、通常、所定の張力下
に所定温度(熱可塑性樹脂の場合は、通常、その樹脂材
料の粘着温度以下、ガラス転移点以上の温度)で、所定
時間に亘って熱処理する場合が多い。本発明において、
ヒートセットは、複数のスパイラルコイルと芯線とを所
要長さの無端状に組み上げた後になされ、ヒートセット
により、芯線とスパイラルコイルのターン部とが相適合
した状態で熱固定される。芯線の横断面形状はは六角形
状であり、芯線とスパイラルコイルのターン部とが適合
する領域において、両者が部分的に接触することによ
り、カンバスに良好な寸法安定性が付与される。
【0014】「部分的に接触」は、一部の領域のみが
接触していること、その他の領域は接触していないこ
と、つまり、その他の領域においては芯線とスパイラル
コイルのターン部との間に隙間が存在すること、の2つ
の意味をもち、図2〜図4に示すように、芯線の角部の
みがスパイラルコイルのターン部と接触した状態(請求
項2)、図6〜図8に示すように、芯線の角部および辺
部がスパイラルコイルのターン部と接触した状態(請求
項3)が含まれる。ここでの「部分的に接触」は、ヒー
トセットにより、芯線およびスパイラルコイルのターン
部のうち少なくとも一方がそのような状態を呈する程度
に変形して熱固定されることによって生じる。
【0015】上記のような「部分的に接触」した構成
は、特に、カンバスの良好な屈曲性、耐久性を確保する
上で、次のような重要な役割をもつ。先ず、一部の領
域のみが接触することにより、従来構成(特公平4−5
797号)に比べ、芯線とスパイラルコイルのターン部
との接触面積が小さくなり、接触部分の滑り摩擦抵抗が
減少するので、屈曲時におけるターン部のスムーズな回
転が確保される。また、隙間が介在することにより、
スパイラルコイルのターン部に適度な弾性が付与される
ので、幅方向の屈曲もスムーズになり、また、ターン部
に耐久性低下をきたすような無理な素材変形が生じにく
い。
【0016】芯線の横断面形状を「六角形状」にしたの
は次のような理由による。上述したように、本発明は、
カンバスの寸法安定性を確保すると同時に、屈曲性およ
び耐久性を向上させることを目的とし、その目的を達成
するための手段として、ヒートセットにより芯線とスパ
イラルコイルのターン部とを部分的に接触させた構成を
採用している。それ故、芯線の断面形状はそのような部
分的な接触状態が得られる形状であれば良く、一般的に
は「多角形状」とすることができよう。ただ、横断面形
状が非対称形状である芯線は製作が困難で、また、実用
性に乏しい。そこで、横断面形状が正四角形状、正六角
形状、正八角形状、正十二角形状の各種芯線を試作し、
検討を行なった。検討の結果、正四角形状では充分な寸
法安定性が得られず、また、正八角形状、正十二角形状
では良好な屈曲性が得られないことがわかった。一方、
正六角形状では寸法安定性、屈曲性とも良好な結果が得
られた。これは、芯線(横断面)の角数が少なすぎる
と、ターン部との接触面積が過小になり、そのために良
好な寸法安定性が得られず、逆に、角数が多すぎると、
ターン部との接触面積が過大になると同時に、ターン部
に適度な弾性が与えられず、そのために良好な屈曲性が
得られないからであると考えられる。したがって、寸法
安定性の要請と屈曲性および耐久性の要請との均衡を図
ることのできる最適な角数が存在し、その角数が「六」
であることが実験的に確認された。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1に示すように、合成樹脂製のモノフィ
ラメントをスパイラル状に巻いた複数のスパイラルコイ
ル1をカンバス長手方向Lに並列配置し、それぞれの隣
接したターン部1aを相互に噛み合わせて形成した共通
孔に合成樹脂製のモノフィラメントからなる芯線2を挿
通して、隣接するスパイラルコイル1を互いに連結する
ことにより、無端状のスパイラルカンバス3が先ず形成
される。芯線2の横断面形状は正六角形状であり、ま
た、この実施形態において、芯線2は、その角部2aが
カンバス厚さ方向Hに位置するように共通孔に挿通され
る。スパイラルコイル1の当初形状(ヒートセット前の
形状)は、図1(a)に示すような楕円形状の他、円形
状、扁平断面形状等とすることができる。
【0018】次に、上記のようなスパイラルカンバス3
に寸法安定性を付与するため、所定張力下で、所定温度
にてヒートセット加工が施される。その結果、図2〜図
4に示すように、芯線2とスパイラルコイル1のターン
部1aとが変形適合し、芯線2の角部2aがターン部1
aと接触することにより、スパイラルカンバス3に良好
な寸法安定性が付与される。スパイラルコイル1および
芯線2の構成素材に関して、適当な物理的性質を有する
ものを選択することによって、スパイラルコイル1およ
び芯線2の一方又は双方に変形を生じせしめて、種々の
異なる態様によって寸法安定性を付与することができ
る。
【0019】図2に示す態様では、芯線2の角部2aが
スパイラルコイル1のターン部1aによって圧縮され、
丸みを帯びた状態でターン部1aと接触している。芯線
2の辺部2bとターン部1aとの間には僅かな隙間Sが
存在している。また、図3{図2(a)のA−A断面}
に示すように、変形したターン部1a同士が密接して、
隣接するスパイラルコイル1を互いに連結することによ
り良好な寸法安定性が付与される。
【0020】芯線2の角部2aのみがスパイラルコイル
1のターン部1aと接触することにより、芯線2とター
ン部1aとの接触面積が小さくなり、接触部分の滑り摩
擦抵抗が減少するので、長手方向の屈曲時におけるター
ン部1aのスムーズな回転が確保される。特に、この実
施形態では、芯線2の角部2aが丸みを帯びた状態で接
触しているので、ターン部1aの回転はよりスムーズに
なされる。そのため、このスパイラルカンバス3は長手
方向の屈曲性がきわめて良好である。また、芯線2の辺
部2bとターン部1aとの間には隙間Sが存在し、ター
ン部1aが適度な弾性を有するので、幅方向の屈曲性も
きわめて良好である。
【0021】図1(a)において、スパイラルコイル1
をD1=0.7mmのポリエステルモノフィラメント
(横断面形状:円形形状)、芯線2をt1=0.9mm
のポリエステルモノフィラメント(横断面形状:正六角
形状)とし、張力=8kgf/cm、温度=190°C
でヒートセット加工を行ない、芯線2の角部2aの形状
変化を観察した。観察の結果、芯線2の角部2aが比較
的大きな円弧状の丸みを帯び、スパイラルコイル1のタ
ーン部1aと密接した状態で熱固定されることが分かっ
た。このことから、芯線2の横断面形状は六角形状が最
良であることが確認された。
【0022】図4に示す態様では、芯線2の角部2aが
スパイラルコイル1のターン部1aに僅かに入り込んだ
状態で接触している。そのため、寸法安定性がより一層
向上する。
【0023】上述した実施形態は、芯線2の角部2aの
みをスパイラルコイル1のターン部1aと接触させたも
のであるが、次に、芯線2の角部2aおよび辺部2bを
スパイラルコイル1のターン部1aと接触させた実施形
態について説明する。
【0024】図5に示すように、合成樹脂製のモノフィ
ラメントをスパイラル状に巻いた複数のスパイラルコイ
ル1をカンバス長手方向Lに並列配置し、それぞれの隣
接したターン部1aを相互に噛み合わせて形成した共通
孔に合成樹脂製のモノフィラメントからなる芯線2を挿
通して、隣接するスパイラルコイル1を互いに連結する
ことにより、無端状のスパイラルカンバス3’が先ず形
成される。芯線2の横断面形状は正六角形状であり、ま
た、この実施形態において、芯線2は、その辺部2bが
カンバス厚さ方向Hに位置するように共通孔に挿通され
る。スパイラルコイル1の当初形状(ヒートセット前の
形状)は、図5(a)に示すような楕円形状の他、円形
状、扁平断面形状等とすることができる。
【0025】次に、上記のようなスパイラルカンバス
3’に寸法安定性を付与するため、所定張力下で、所定
温度にてヒートセット加工が施される。その結果、図6
〜図8に示すように、芯線2とスパイラルコイル1のタ
ーン部1aとが変形適合し、芯線2の角部2aおよび辺
部2bがターン部1aと接触することにより、スパイラ
ルカンバス3’に良好な寸法安定性が付与される。スパ
イラルコイル1および芯線2の構成素材に関して、適当
な物理的性質を有するものを選択することによって、ス
パイラルコイル1および芯線2の一方又は双方に変形を
生じせしめて、種々の異なる態様によって寸法安定性を
付与することができる。
【0026】図6に示す態様では、芯線2の上下の辺部
2bがスパイラルコイル1のターン部1aによって圧縮
された状態で、ターン部1aと接触している。芯線2の
側方の辺部2bとターン部1aとの間には僅かな隙間S
が存在している。また、図7{図6(a)のB−B断
面)に示すように、変形したターン部1a同士が密接し
て、隣接するスパイラルコイル1を互いに連結すること
により良好な寸法安定性が付与される。
【0027】この実施形態のスパイラルカンバス3’
は、芯線2の角部2aおよび上下の辺部2bがスパイラ
ルコイル1のターン部1aと接触するので、上述したス
パイラルカンバス3に比べ、寸法安定性がより一層向上
すると同時に、厚さHが小さくなるという利点がある。
尚、このスパイラルカンバス3’においても、芯線2と
ターン部1aとが部分的に接触し、両者の間に隙間Sが
存在するので、上述したスパイラルカンバス3と同様の
良好な屈曲性が得られる。
【0028】図8に示す態様では、芯線2の上下の辺部
2bがスパイラルコイル1のターン部1aに僅かに入り
込んだ状態で接触している。そのため、寸法安定性がよ
り一層向上する。
【0029】本発明を適用したスパイラルカンバスにお
いて、通気度を低くしたい場合は、例えば、図9に示す
ように、スパイラルコイル1の空間部1bに扁平状帯片
4(テープ状のもの、糸状のもの等でも良い。)を配置
したり、あるいは、図10に示すように、横断面形状が
長手方向Lに扁平な六角形状の芯線2’を使用すると良
い。尚、図10に示す実施形態から明らかなように、本
発明において、芯線2の横断面形状は正六角形状に限定
されるものではない。
【0030】以上に説明した実施形態において、ヒート
セットの加工条件はスパイラルカンバスを使用する抄紙
機のドライパートの条件、スパイラルコイル1および芯
線2の構成素材等を考慮して適宜決定すれば良いが、通
常、張力については1〜15kgf/cm程度、温度に
ついては120〜250°C程度である。また、スパイ
ラルコイル1および芯線2の構成素材については、少な
くとも一方が熱可塑性の合成樹脂であれば良い。熱可塑
性の合成樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリエ
チレン、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリプロピレ
ン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテ
ルケトン等を例示することことができる。さらに、スパ
イラルコイル1の横断面形状は円形形状に限らず、種々
の形状例えば楕円形状、角形状、扁平形状等とすること
ができ、スパイラルコイル1および芯線2の寸法も種々
の範囲とすることができる。また、スパイラルコイル1
を形成する素材の形状も横断面形状が円形形状に限ら
ず、例えば扁平形状等とすることができ、寸法も種々の
範囲とすることができる。
【0031】尚、以上に説明したスパイラルカンバスを
基布として、その片面又は両面にウェッブを積層してニ
ードルカンバスとすることも可能なことは勿論である。
また、隣接する各スパイラルコイル1は、反対の巻き回
し方向(例えば、右巻きと左巻きのもの)を組み合わせ
ることにより、スパイラルコイル1を互いに良好に連結
することができる。
【0032】
【実施例】図1〜図3に示す形態のスパイラルカンバス
3を次のような仕様で製作した。スパイラルコイル1
は、横断面形状が円形形状、直径D1=0.7mmのポ
リエステルモノフィラメント糸を使用して製作した。出
来上がった各スパイラルコイル1の幅{図1(a)にお
けるL方向の寸法}は7mm、高さ{図1(a)におけ
るH方向の寸法}は4mmであった。芯線2は、横断面
形状が正六角形状、t1=0.9mmのポリエステルモ
ノフィラメント糸を使用して製作した。
【0033】そして、複数のスパイラルコイル1をカン
バス長手方向Lに並列配置し、それぞれの隣接したター
ン部1aを噛み合わせて形成した共通孔に芯線2を挿通
して、図1に示す無端状のスパイラルカンバス3を形成
した。この場合の密度は、スパイラルコイル1は16.
4本/2.54cm、芯線2は4.9本/2.54cm
であった。
【0034】このスパイラルカンバス3を張力8kgf
/cm→1kgf/cmとして、190°Cの熱風下で
ヒートセット加工を施した。ヒートセット後のスパイラ
ルコイル1の幅は7.4mm、通気度は35、000c
c/min/cm2、厚さは2.9mmであった。
【0035】この結果、芯線2の角部2aがスパイラル
コイル1のターン部1aによって圧縮され、丸みを帯び
た状態でターン部1aと接触した状態になり、良好な寸
法安定性が付与されると同時に、長手方向及び幅方向に
良好な屈曲性を有することが試験の結果確認された。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
芯線の横断面形状を六角形状とし、芯線とスパイラルコ
イルのターン部とを部分的に接触させた構成を採用した
ので、良好な寸法安定性と、ドライヤロール等の屈曲部
でも弾性力を保ちながらスムーズに屈曲できる良好な屈
曲性と耐久性とを兼ね備えた抄紙用ドライヤカンバスを
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のヒートセット前の状態を示
す断面図(図a)、平面図(図b)である。
【図2】図1に示す実施形態のヒートセット後の一態様
を示す断面図(図a)、芯線の周辺部を示す拡大断面図
(図b)である。
【図3】図2(a)におけるA−A断面図である。
【図4】図1に示す実施形態のヒートセット後の他の態
様を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態のヒートセット前の状態
を示す断面図(図a)、平面図(図b)である。
【図6】図5に示す実施形態のヒートセット後の一態様
を示す断面図(図a)、芯線の周辺部を示す拡大断面図
(図b)である。
【図7】図6(a)におけるB−B断面図である。
【図8】図5に示す実施形態のヒートセット後の他の態
様を示す拡大断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態のヒートセット後の状態
を示す断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態のヒートセット後の状
態を示す断面図である。
【図11】従来構成のヒートセット前の状態を示す断面
図である。
【図12】従来構成のヒートセット後の状態を示す断面
図(図a)、図(a)におけるC−C断面図(図b)で
ある。
【図13】従来構成の芯線を挿通する前の状態を示す図
である。
【符号の説明】
1 スパイラルコイル 1a ターン部 2 芯線 2a 角部 2b 辺部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21F 7/08 - 7/10 D21F 1/10 - 1/12 B65G 15/30 - 15/58 F16G 3/00 - 3/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂製の複数のスパイラルコイルを
    カンバス長手方向に並列配置し、それぞれの隣接したタ
    ーン部を相互に噛み合わせて形成した共通孔に芯線を挿
    通し、この芯線と上記スパイラルコイルのターン部とを
    ヒートセットにより変形適合させた抄紙用スパイラルカ
    ンバスにおいて、 上記芯線の横断面形状が六角形状であり、上記芯線と上
    記スパイラルコイルのターン部とが適合する領域におい
    て、両者が部分的に接触することを特徴とする抄紙用ス
    パイラルカンバス。
  2. 【請求項2】 上記芯線の角部のみが上記スパイラルコ
    イルのターン部と接触することを特徴とする請求項1記
    載の抄紙用スパイラルカンバス。
  3. 【請求項3】 上記芯線の角部および辺部が上記スパイ
    ラルコイルのターン部と接触することを特徴とする請求
    項1記載の抄紙用スパイラルカンバス。
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