JP3497156B1 - 研磨シート用発泡体、その製造方法、研磨シート、及び研磨パッド - Google Patents

研磨シート用発泡体、その製造方法、研磨シート、及び研磨パッド

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Abstract

【要約】 【課題】 スクラッチの発生を効果的に抑制することの
できる研磨シート及び研磨パッドを提供すること。ま
た、該研磨シート及び研磨パッドに用いられる発泡体、
その製造方法、並びに半導体デバイスの製造方法を提供
すること。 【解決手段】 ケミカルメカニカルポリシングに用いら
れる研磨シート用発泡体の製造方法であって、少なくと
も原料の計量工程、混合工程、発泡工程、注型工程、及
び硬化工程を、0.3μm以上の微粒子が1000個以
下/ft3 の環境下で行うことを特徴とする研磨シート
用発泡体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエハ表面の凹凸
をケミカルメカニカルポリシング(CMP)で平坦化す
る際に使用される研磨シート及び研磨パッドに関し、詳
しくは、異物を極めて低減させた研磨シート及び研磨パ
ッドに関する。また、前記研磨シート及び研磨パッドに
用いられる発泡体、その製造方法、及び半導体デバイス
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置を製造する際には、ウエハ表
面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィー、エッチ
ング等をすることにより配線層を形成する形成する工程
や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行わ
れ、これらの工程によってウエハ表面に金属等の導電体
や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路
の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進
んでいるが、これに伴い、ウエハ表面の凹凸を平坦化す
る技術が重要となってきた。
【0003】ウエハ表面の凹凸を平坦化する方法として
は、一般的にCMP法が採用されている。CMPは、ウ
エハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態
で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下、スラ
リーという)を用いて研磨する技術である。CMPで一
般的に使用する研磨装置は、例えば、図1に示すよう
に、研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、被研磨材
(半導体ウエハ)4を支持する支持台(ポリシングヘッ
ド)5とウエハの均一加圧を行うためのバッキング材
と、研磨剤3の供給機構を備えている。研磨パッド1
は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨
定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それ
ぞれに支持された研磨パッド1と被研磨材4が対向する
ように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えてい
る。また、支持台5側には、被研磨材4を研磨パッド1
に押し付けるための加圧機構が設けてある。
【0004】このようなCMPプロセスを行なう上で、
研磨パッド(研磨シート)を用いるが、この研磨パッド
にはこれまで様々のものが開発され実用化されている。
例えば、下記に示す研磨パッドである。
【0005】(1)弾性ポリウレタン層に研磨層である
合成皮革層が積層されたもの(米国特許3,504,4
57号明細書) (2)発泡ポリウレタン層にポリウレタン含浸不織布を
貼り合わせた構成のもの(特開平6−21028号公
報) (3)研磨表面が設けられており、研磨表面に隣接し選
択した厚さ及び剛性の剛性要素が設けられており、剛性
要素へ実質的に一様な力を付与するために剛性要素に隣
接して弾性要素が設けられており、剛性要素及び弾性要
素が研磨表面へ弾性的屈曲力を付与して研磨表面に制御
した屈曲を誘起させ、それが加工物の表面の全体的な形
状に適合し、且つ加工物表面の局所的な形状に関して制
御した剛性を維持することを特徴とする研磨用パッド
(特開平6−077185号公報) (4)縦弾性係数EAの大きい表層Aと、縦弾性係数E
Bの小さい下層Bとを有し、両層A、Bとの間に上記B
層よりも少なくとも縦弾性係数の大きい中間層Mを設け
たことを特徴とする研磨布(特開平10−156724
号公報) (5)研磨層と、研磨層より弾性の高い中間層と、柔ら
かい下地層の構成で、中間層が分割されているパッド
(特開平11−48131号公報)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の各種研
磨パッドでは、スクラッチの発生を抑制することができ
ない。本発明の目的は、上記課題を解決するものであっ
て、スクラッチの発生を効果的に抑制することのできる
研磨シート及び研磨パッドを提供することにある。ま
た、該研磨シート及び研磨パッドに用いられる発泡体、
その製造方法、並びにそれらを用いた半導体デバイスの
製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述のよ
うな現状に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の環境下
で製造した発泡体を用いた研磨パッド(研磨シート)に
より上記課題を解決できることを見出した。
【0008】 即ち、本発明は、ケミカルメカニカルポ
リシングに用いられる研磨シート用発泡体の製造方法で
あって、少なくとも原料の計量工程、混合工程、発泡工
程、注型工程、及び硬化工程を、0.3μm以上の微粒
子が35315個/m 3 以下(1000個以下/f
3 )の環境下で行うことを特徴とする研磨シート用発
泡体の製造方法、に関する。
【0009】近年の半導体の配線パターンは極めて微細
化されており、その半導体ウエハ表面を研磨する研磨パ
ッドに異物が含まれている場合には、微細な配線パター
ンをスクラッチによって破壊してしまう恐れがある。本
発明は、研磨シートに用いられる発泡体に含まれる異物
を低減させるために前記環境下にて製造することを特徴
とする。このような環境下で製造された発泡体を用いた
研磨シートは、スクラッチの発生を効果的に抑制するこ
とができ、微細化された配線パターンを有する半導体ウ
エハの研磨に好適に用いられる。
【0010】 特に、0.3μm以上の微粒子が176
57個/m 3 以下(500個以下/ft3 )の環境下で
行うことが好ましい。
【0011】前記環境を達成する手段は特に制限されな
いが、HEPAフィルターを備えたクリーンルーム、あ
るいは、同じくHEPAフィルターを備えたクリーンブ
ースの元で各工程を行なうことが好ましい。
【0012】本発明においては、前記発泡体がポリウレ
タン発泡体であることが好ましい。
【0013】前記ポリウレタン発泡体の製造方法におい
ては、前記発泡工程がイソシアネート基含有化合物を含
む第1成分を非反応性気体の存在下で撹拌して気泡分散
液とする工程であり、前記混合工程が該気泡分散液に鎖
延長剤を添加、混合して発泡反応液とする工程であり、
前記注型工程が該発泡反応液を金型に流し込む工程であ
り、前記硬化工程が金型に流し込まれた発泡反応液を反
応硬化させる工程であることが好ましい。
【0014】また、前記第1成分がイソシアネートプレ
ポリマーとシリコーン系界面活性剤とを含有することが
好ましい。
【0015】前記方法により製造されるポリウレタン発
泡体は、均一な微細発泡を有し、該ポリウレタン発泡体
を用いた研磨パッドは、平坦化特性にも優れている。
【0016】本発明は、前記方法により製造される研磨
シート用発泡体、に関する。
【0017】また、本発明は、前記発泡体からなる研磨
シート、に関する。
【0018】また、本発明は、前記研磨シートとクッシ
ョンシートとを貼り合わせてなる研磨パッド、に関す
る。
【0019】さらに、本発明は、前記研磨シート又は研
磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を
含む半導体デバイスの製造方法、に関する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明における研磨シートの原料
である発泡体は特に限定されるものではない。発泡体の
主な形成材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、
ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンな
ど)、ポリスチレン、オレフィン系樹脂(ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなど)、エポキシ樹脂、及び感光性
樹脂などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。ポリウレタン樹脂は、耐摩
耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより、所望の
物性を有したポリマーが得られる素材であるため特に好
ましい。
【0021】本発明の研磨シート用ポリウレタン樹脂
は、イソシアネート基含有化合物を含む第1成分と活性
水素基含有化合物を含む第2成分を主成分としている。
【0022】本発明に使用するイソシアネート基含有化
合物としては、ポリウレタンの分野において公知のイソ
シアネート化合物を特に限定なく使用できる。特に、ジ
イソシアネート化合物とその誘導体、とりわけイソシア
ネートプレポリマーの使用が、得られるポリウレタン樹
脂の物理的特性が優れており、好適である。ちなみにポ
リウレタン樹脂の製造方法としては、プレポリマー法、
ワンショット法が知られているが、本発明においてはい
ずれの方法も使用可能である。
【0023】本発明に使用可能な有機イソシアネートと
しては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−
トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フ
ェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシア
ネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリ
レンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、
エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレ
ンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、
1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−
ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソフォロ
ンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等
の脂環式ジイソシアネート類等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】有機イソシアネートとしては、上記ジイソ
シアネート化合物の他に、3官能以上の多官能ポリイソ
シアネート化合物も使用可能である。多官能のイソシア
ネート化合物としては、デスモジュール−N(バイエル
社製)や商品名デュラネート(旭化成工業社製)として
一連のジイソシアネートアダクト体化合物が市販されて
いる。これら3官能以上のポリイソシアネート化合物
は、単独で使用するとプレポリマー合成に際して、ゲル
化しやすいため、ジイソシアネート化合物に添加して使
用することが好ましい。
【0025】本発明において第1成分として使用が好適
なイソシアネート基含有化合物は、上記のイソシアネー
ト化合物と活性水素基含有化合物との反応物であるイソ
シアネートプレポリマーである。このような活性水素基
含有化合物としては、後述するポリオール化合物や鎖延
長剤が使用され、イソシアネート基(NCO)と活性水
素(H* )の当量比NCO/H* が1.2〜5.0、好
ましくは1.6〜2.6の範囲で加熱反応して、イソシ
アネート基末端のオリゴマーであるイソシアネートプレ
ポリマーが製造される。
【0026】本発明に使用する活性水素基含有化合物
は、少なくとも2以上の活性水素原子を有する有機化合
物であり、ポリウレタンの技術分野において通常ポリオ
ール化合物、鎖延長剤と称される化合物である。
【0027】活性水素基とは、イソシアネート基と反応
する水素を含む官能基であり、水酸基、第1級もしくは
第2級アミノ基、チオール基(SH)などが例示され
る。
【0028】ポリオール化合物としては、ポリウレタン
の技術分野において、通常用いられるものを挙げること
ができる。例えば、ポリテトラメチレンエ−テルグリコ
−ル、ポリエチレングリコール等に代表されるポリエ−
テルポリオール、ポリブチレンアジペ−トに代表される
ポリエステルポリオ−ル、ポリカプロラクトンポリオ−
ル、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコ−
ルとアルキレンカ−ボネ−トとの反応物などで例示され
るポリエステルポリカ−ボネ−トポリオ−ル、エチレン
カ−ボネ−トを多価アルコ−ルと反応させ、次いでえら
れた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエ
ステルポリカ−ボネ−トポリオ−ル、ポリヒドロキシル
化合物とアリ−ルカ−ボネ−トとのエステル交換反応に
より得られるポリカ−ボネ−トポリオ−ルなどが挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
【0029】なお、これらポリオール化合物の数平均分
子量は、特に限定されないが、得られるポリウレタン発
泡体の弾性特性等の観点から、500〜2000程度で
あることが望ましい。ポリオール化合物の数平均分子量
が500未満であると、これを用いて得られるポリウレ
タン発泡体は十分な弾性特性を有さず、脆いポリマーと
なり易く、このポリウレタン発泡体からなる研磨シート
が硬くなりすぎ、研磨対象加工物の研磨面のスクラッチ
の原因となる場合がある。また摩耗しやすくなるため、
研磨シートの寿命の観点からも好ましくない。一方、数
平均分子量が2000を超えると、これを用いて得られ
るポリウレタン発泡体からなる研磨シートが軟らかくな
り、十分に満足できるプラナリティーが得られにくいた
め好ましくない。
【0030】また、ポリオール化合物としては、上述し
た高分子量ポリオールの他に、エチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン
等の低分子量ポリオールを併用しても構わない。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0031】活性水素基含有化合物のうちで、鎖延長剤
と称されるものは、分子量が500程度以下の化合物で
ある。具体的には、エチレングリコール、1,2−プロ
ピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメ
チロールプロパン等に代表される脂肪族系低分子グリコ
ールやトリオール類、1,4−ビス(2−ヒドロキシエ
トキシ)ベンゼン、m−キシリレンジオール等に代表さ
れる芳香族系ジオール類、4,4’−メチレンビス(o
−クロロアニリン)、2,6−ジクロロ−p−フェニレ
ンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロ
ロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−
トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,
6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−
2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6
−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノ
ベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチ
オ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル
−5,5’−ジメチルジフェニルメタン等に代表される
ポリアミン類等を挙げることができる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0032】本発明における有機イソシアネート、ポリ
オール化合物、鎖延長剤の比は、各々の分子量やこれら
から製造される研磨パッドの所望物性などにより種々変
え得る。所望する研磨特性を有する研磨パッドを得るた
めには、ポリオール化合物と鎖延長剤の合計官能基数に
対する有機イソシアネートのイソシアネート基数は、
0.95〜1.15の範囲が好ましく、さらに好ましく
は0.99〜1.10である。
【0033】ポリウレタン樹脂は、溶融法、溶液法など
公知のウレタン化技術を応用して製造することができる
が、本発明のポリウレタン発泡体に関しては、気孔(気
泡)をポリウレタン中に取り込む必要があること、さら
にコスト、作業環境などを考慮して溶融法で製造するこ
とが好ましい。
【0034】本発明のポリウレタン樹脂は、イソシアネ
ート基含有化合物を含む第1成分及び活性水素基含有化
合物を含む第2成分を混合して硬化させるものである。
プレポリマー法では、イソシアネートプレポリマーがイ
ソシアネート基含有化合物となり、鎖延長剤が活性水素
基含有化合物となる。ワンショット法では、有機イソシ
アネートがイソシアネート基含有化合物となり、鎖延長
剤及びポリオール化合物が活性水素基含有化合物とな
る。なお、必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤、滑
剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を加え
ても差し支えない。
【0035】ポリウレタン樹脂の発泡体の製造方法とし
ては、中空ビーズを添加させる方法、機械的発泡法、化
学的発泡法等により発泡体とする方法などが挙げられる
が、これらには限定されない。各方法を併用してもよい
が、ポリアルキルシロキサンとポリエーテルの共重合体
であって活性水素基を有しないシリコーン系界面活性剤
を使用した機械的発泡法がより好ましい。かかるシリコ
ーン系界面活性剤としては、SH−192(東レダウコ
ーニングシリコン製)等が好適な化合物として例示され
る。
【0036】研磨シートを構成する独立気泡タイプのポ
リウレタン発泡体を製造する方法の例について以下に説
明する。かかるポリウレタン発泡体の製造方法は、以下
の工程を有する。
【0037】1)イソシアネートプレポリマーの気泡分散
液を作製する発泡工程 イソシアネートプレポリマーにシリコーン系界面活性剤
を添加し、非反応性気体の存在下で撹拌し、非反応性気
体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。プレ
ポリマーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、
溶融して使用する。 2)硬化剤(鎖延長剤)混合工程 上記の気泡分散液に鎖延長剤を添加、混合、撹拌して発
泡反応液とする。 3)注型工程 上記の発泡反応液を金型に流し込む。 4)硬化工程 金型に流し込まれた発泡反応液を加熱し、反応硬化させ
る。
【0038】 本発明においては、少なくとも原料の計
量工程、混合工程、発泡工程、注型工程、及び硬化工程
をを0.3μm以上の微粒子が35315個/m 3 以下
(1000個以下/ft3 )の環境下で行う。特に、微
粒子が17657個/m 3 以下(500個以下/f
3 )の環境下で行うことが好ましい。該製造工程を
0.3μm以上の微粒子が35315個/m 3 (100
0個/ft3 )を上回る環境下で行った場合には、作製
された発泡体中に含まれる異物の数が増え、このような
発泡体を用いた研磨パッド(研磨シート)の使用は、ウ
エハ表面に多くのスクラッチを発生させる原因となる。
【0039】また、発泡体の製造工程において、発泡体
原料と直接接触する表面が金属でない計量容器、重合容
器、撹拌翼、及び注型容器を用いて製造することが好ま
しい。例えば、フッ素樹脂のようなポリマーで表面をコ
ーティングしたものが挙げられる。これらを用いること
により発泡体に混入する金属量を低減させることがで
き、該発泡体からなる研磨シートを使用した場合には、
研磨後のウエハの金属汚染を効果的に防止することがで
きる。
【0040】前記微細気泡を形成するために使用される
非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、
具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン
等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水
分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
【0041】非反応性気体を微細気泡状にしてシリコー
ン系界面活性剤を含むイソシアネートプレポリマーに分
散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置は特に限定
なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディ
ゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサ
ー)等が例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限
定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用にて微細気
泡が得られ好ましい。
【0042】なお、発泡工程において気泡分散液を作成
する撹拌と、混合工程における鎖延長剤を添加して混合
する撹拌は、異なる撹拌装置を使用することも好ましい
態様である。特に混合工程における撹拌は気泡を形成す
る撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌
装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、
遊星型ミキサーが好適である。発泡工程と混合工程の撹
拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要
に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調
整を行って使用することも好適である。
【0043】該ポリウレタン発泡体の製造方法において
は、発泡反応液を型に流し込んで流動しなくなるまで反
応した発泡体を、加熱、ポストキュアすることは、発泡
体の物理的特性を向上させる効果があり、極めて好適で
ある。金型に発泡反応液を流し込んで直ちに加熱オーブ
ン中に入れてポストキュアを行う条件としてもよく、そ
のような条件下でもすぐに反応成分に熱が伝達されない
ので、気泡径が大きくなることはない。硬化反応は、常
圧で行うことが気泡形状が安定するために好ましい。
【0044】該ポリウレタン発泡体において、第3級ア
ミン系、有機スズ系等の公知のポリウレタン反応を促進
する触媒を使用してもかまわない。触媒の種類、添加量
は、混合工程後、所定形状の型に流し込む流動時間を考
慮して選択する。
【0045】該ポリウレタン発泡体の製造は、容器に各
成分を計量して投入し、撹拌するバッチ方式であって
も、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供
給して撹拌し、気泡分散液を送り出して成形品を製造す
る連続生産方式であってもよい。
【0046】本発明において、研磨シートを作製する方
法は特に制限されるものではなく一般的な方法を用いる
ことができる。例えば、研磨シートの原料となるプレポ
リマーを反応容器に入れ、硬化剤を投入、撹拌後、所定
の大きさの注型に流し込みブロックを作製し、そのブロ
ックを鉋状、あるいはバンドソー状のスライサーを用い
てスライスする方法、又は前述の注型の段階で、薄いシ
ート状にしても良い。また、原料となる樹脂を溶解し、
Tダイから押し出し成形し直接シート状の発泡体を得て
も良い。
【0047】本発明において、前記発泡体の平均気泡径
は、70μm以下であることが好ましい。この範囲から
逸脱する場合は、研磨後の被研磨材のプラナリティ(平
坦性)が低下する傾向にある。
【0048】本発明において、前記発泡体の比重は、
0.5〜1.0g/cm3 であることが好ましい。比重
が0.5g/cm3 未満の場合、研磨シートの表面強度
が低下し、被研磨材のプラナリティが低下する傾向にあ
る。また、1.0g/cm3 より大きい場合は、研磨シ
ート表面の気泡数が少なくなり、プラナリティは良好で
あるが、研磨速度が低下する傾向にある。
【0049】本発明において、前記発泡体の硬度は、ア
スカーD硬度計にて、45〜65度であることが好まし
い。アスカーD硬度が45度未満の場合には、被研磨材
のプラナリティが低下し、また、65度より大きい場合
は、プラナリティは良好であるが、被研磨材のユニフォ
ーミティ(均一性)が低下する傾向にある。
【0050】本発明において、前記発泡体の圧縮率は、
0.5〜5.0%であることが好ましい。前記範囲に圧
縮率があることにより、研磨後の被研磨材のプラナリテ
ィとユニフォミティを両立させることが可能となる。
【0051】本発明において、前記発泡体の圧縮回復率
は、50〜100%であることが好ましい。圧縮回復率
が50%未満の場合には、被研磨材による繰り返しの荷
重が研磨中に研磨シートにかかるにつれて、研磨シート
の厚みに大きな変化が現れ、研磨特性の安定性が低下す
る傾向にある。
【0052】本発明において、前記発泡体の貯蔵弾性率
は、測定温度40℃、測定周波数1Hzにおいて、20
0MPa以上であることが好ましい。貯蔵弾性率とは、
発泡体に、動的粘弾性測定装置を用いて引っ張り試験用
治具を用い、正弦波振動を加えて測定した弾性率のこと
をいう。貯蔵弾性率が200MPa未満の場合には、研
磨シートの表面強度が低下し、研磨後の被研磨材のプラ
ナリティが低下する傾向にある。
【0053】本発明の研磨シートの被研磨材と接触する
研磨表面には、スラリーを保持・更新する表面形状を有
することが好ましい。発泡体からなる研磨シートは、研
磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持・更新する
働きを持っているが、更なるスラリーの保持性とスラリ
ーの更新を効率よく行うため、また被研磨材との吸着に
よる被研磨材の破壊を防ぐためにも、研磨表面に凹凸構
造を有することが好ましい。凹凸構造は、スラリーを保
持・更新する形状であれば特に限定されるものではな
く、例えば、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通し
ていない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放
射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられ
る。また、これらの凹凸構造は規則性のあるものが一般
的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものに
するため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を
変化させることも可能である。
【0054】前記凹凸構造の作製方法は特に限定される
ものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような
治具を用い機械切削する方法、所定の表面形状を有した
金型に樹脂を流しこみ、硬化させることにより作製する
方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレス
し作製する方法、フォトリソグラフィを用いて作製する
方法、印刷手法を用いて作製する方法、炭酸ガスレーザ
ーなどを用いたレーザー光による作製方法などが挙げら
れる。
【0055】また、前記研磨シートの厚みバラツキは1
00μm以下であることが好ましい。厚みバラツキが1
00μmを越えるものは、研磨シートに大きなうねりを
持ったものとなり、被研磨材に対する接触状態が異なる
部分ができ、研磨特性に悪影響を与える。また、研磨シ
ートの厚みバラツキを解消するため、一般的には、研磨
初期に研磨シート表面をダイヤモンド砥粒を電着、融着
させたドレッサーを用いてドレッシングするが、上記範
囲を超えたものは、ドレッシング時間が長くなり、生産
効率を低下させるものとなる。
【0056】研磨シートの厚みのバラツキを抑える方法
としては、所定厚みにスライスした研磨シート表面をバ
フィングする方法が挙げられる。また、バフィングする
際には、粒度などが異なる研磨材で段階的に行うことが
好ましい。
【0057】また、研磨シートは光透過領域を有してい
てもよい。光透過領域とは、CMPプロセスにおいて、
研磨中に希望の表面特性や厚さが得られた時点を検知す
るために研磨シートの一部に設けられる窓のことであ
る。光透過領域の形成材料及び製造方法は特に制限され
ず公知の材料及び方法を用いて製造することができる。
【0058】本発明の研磨パッドは、前記研磨シートと
クッションシートとを貼り合わせてなるものである。
【0059】前記クッションシート(クッション層)
は、研磨シートの特性を補うものである。クッションシ
ートは、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプ
ラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるため
に必要なものである。プラナリティとは、パターン形成
時に発生する微小凹凸のある被研磨材を研磨した時のパ
ターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、被研
磨材全体の均一性をいう。研磨シートの特性によって、
プラナリティを改善し、クッションシートの特性によっ
てユニフォーミティを改善する。本発明の研磨パッドに
おいては、クッションシートは研磨シートより柔らかい
ものを用いる。
【0060】前記クッションシートに使用されるものと
しては、研磨シートより柔らかいものであれば特に限定
されるものではない。例えば、ポリエステル不織布、ナ
イロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布やポリ
ウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含
浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォー
ムなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレ
ンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられ
る。
【0061】研磨シートとクッションシートとを貼り合
わせる手段としては、例えば、研磨シートとクッション
シートとを両面テープで挟みプレスする方法が挙げられ
る。
【0062】前記両面テープは、不織布やフィルム等の
基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するもの
である。クッションシートへのスラリーの浸透等を防ぐ
ことを考慮すると、基材にフィルムを用いることが好ま
しい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接
着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの
含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン
含有量が少ないため好ましい。また、研磨シートとクッ
ションシートは組成が異なることもあるため、両面テー
プの各接着層の組成を異なるものとし、各層の接着力を
適正化することも可能である。
【0063】本発明の研磨パッドは、クッションシート
のプラテンと接着する面に両面テープが設けられていて
もよい。該両面テープとしては、上述と同様に基材の両
面に接着層を設けた一般的な構成を有するものを用いる
ことができる。基材としては、例えば不織布やフィルム
等が挙げられる。研磨パッドの使用後のプラテンからの
剥離を考慮すれば、基材にフィルムを用いることが好ま
しい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接
着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの
含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン
含有量が少ないため好ましい。また、クッションシート
とプラテンは組成が異なることが多く、両面テープの各
接着層の組成を異なるものとし、クッションシート、及
びプラテンへの接着力を適正化することも可能である。
【0064】半導体デバイスは、前記研磨シート又は研
磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を
経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウ
エハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半
導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例
えば、図1に示すように研磨パッド(研磨シート)1を
支持する研磨定盤2と、半導体ウエハ4を支持する支持
台(ポリシングヘッド)5とウエハへの均一加圧を行う
ためのバッキング材と、研磨剤3の供給機構を備えた研
磨装置などを用いて行われる。研磨パッド1は、例え
ば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に
装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支
持された研磨パッド1と半導体ウエハ4が対向するよう
に配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。ま
た、支持台5側には、半導体ウエハ4を研磨パッド1に
押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際して
は、研磨定盤2と支持台5とを回転させつつ半導体ウエ
ハ4を研磨パッド1に押し付け、スラリーを供給しなが
ら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回
転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整し
て行う。
【0065】これにより半導体ウエハ4の表面の突出し
た部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイ
シング、ボンディング、パッケージング等することによ
り半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演
算処理装置やメモリー等に用いられる。
【0066】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。なお、実施例等における評価
項目は下記のようにして測定した。
【0067】(平均気泡径測定)作製したポリウレタン
発泡体を厚み1mm以下になるべく薄くミクロトームカ
ッターで平行に切り出したものを平均気泡径測定用試料
とした。試料をスライドガラス上に固定し、画像処理装
置(東洋紡社製、Image AnalyzerV1
0)を用いて、任意の0.5mm×0.6mm範囲の全
気泡径を測定し、平均気泡径を算出した。測定結果を表
1に示す。
【0068】(比重測定)JIS Z8807−197
6に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を4
cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出した
ものを比重測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度5
0%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計
(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。測定結
果を表1に示す。
【0069】(硬度測定)JIS K6253−199
7に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を2
cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出したもの
を硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%
±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を
重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計
器社製、アスカーD型硬度計)を用い、硬度を測定し
た。測定結果を表1に示す。
【0070】(圧縮率及び圧縮回復率測定)研磨シート
を直径7mmの円(厚み:任意)に切り出したものを圧
縮率及び圧縮回復率測定用試料とし、温度23℃±2
℃、湿度50%±5%の環境で40時間静置した。測定
には熱分析測定器 TMA(SEIKO INSTRU
MENTS製、SS6000)を用い、圧縮率と圧縮回
復率を測定した。測定結果を表1に示す。なお、圧縮率
と圧縮回復率の計算式を下記に示す。
【0071】 圧縮率(%)={(T1―T2)/T1}×100 T1:研磨シートに無負荷状態から30KPa (300
g/cm2 )の応力負荷を60秒間保持した時の研磨シ
ートの厚み T2:T1の状態から180KPa (1800g/cm
2 )の応力負荷を60秒間保持した時の研磨シートの厚
み 圧縮回復率(%)={(T3―T2)/(T1―T
2)}×100 T1:研磨シートに無負荷状態から30KPa (300
g/cm2 )の応力負荷を60秒間保持した時の研磨シ
ートの厚み T2:T1の状態から180KPa (1800g/cm
2 )の応力負荷を60秒間保持した時の研磨シートの厚
み T3:T2の状態から無負荷状態で60秒間保持し、そ
の後、30KPa (300g/cm2 )の応力負荷を6
0秒間保持した時の研磨シートの厚み (貯蔵弾性率測定)JIS K7198−1991に準
拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を3mm×
40mmの短冊状(厚み;任意)に切り出したものを動
的粘弾性測定用試料とし、23℃の環境条件で、シリカ
ゲルを入れた容器内に4日間静置した。切り出した後の
各シートの正確な幅および厚みの計測は、マイクロメー
タにて行った。測定には動的粘弾性スペクトロメーター
(岩本製作所製、現アイエス技研)を用い、貯蔵弾性率
E’を測定した。その際の測定条件を下記に示す。ま
た、測定結果を表1に示す。 <測定条件> 測定温度 :40℃ 印加歪 :0.03% 初期荷重 :20g 周波数 :1Hz (研磨特性の評価)研磨装置としてSPP600S(岡
本工作機械社製)を用い、作製した研磨パッドを用い
て、研磨特性の評価を行った。研磨速度は、8インチの
シリコンウエハに熱酸化膜を1μm製膜したものを、約
0.5μm研磨して、このときの時間から算出した。酸
化膜の膜厚測定には、干渉式膜厚測定装置(大塚電子社
製)を用いた。研磨条件としては、スラリーとして、シ
リカスラリー(SS12 キャボット社製)を研磨中に
流量150ml/min添加した。研磨荷重としては3
50g/cm2 、研磨定盤回転数35rpm、ウエハ回
転数30rpmとした。平坦化特性の評価では、8イン
チシリコンウエハに熱酸化膜を0.5μm堆積させた
後、所定のパターニングを行った後、p−TEOSにて
酸化膜を1μm堆積させ、初期段差0.5μmのパター
ン付きウエハを作製し、このウエハを前述条件にて研磨
を行い、研磨後、各段差を測定し平坦化特性を評価し
た。平坦化特性としては2つの段差を測定した。一つは
ローカル段差であり、これは幅270μmのラインが3
0μmのスペースで並んだパターンにおける段差であ
り、1分後の段差を測定した。もう一つは削れ量であ
り、幅270μmのラインが30μmのスペースで並ん
だパターンと幅30μmのラインが270μmのスペー
スで並んだパターンにおいて、上記の2種のパターンの
ライン上部の段差が2000Å以下になるときの270
μmのスペースの削れ量を測定した。ローカル段差の数
値が低いとウエハ上のパターン依存により発生した酸化
膜の凹凸に対し、ある時間において平坦になる速度が速
いことを示す。また、スペースの削れ量が少ないと削れ
て欲しくない部分の削れ量が少なく平坦性が高いことを
示す。測定結果を表2に示す。
【0072】(微粒子数の測定)半導体レーザー光によ
る散乱光測定法を用いたパーティクルカウンター(RI
ON社製、KC01A)を使用して、発泡体の製造環境
下の微粒子数を測定した。測定結果を表2に示す。
【0073】(スクラッチ数の測定)トプコン社製のウ
エハ表面検査装置(WM2500)を用いて、ウエハ上
に0.2μm以上の条痕がいくつあるかを測定した。測
定結果を表2に示す。
【0074】 <研磨パッドの作製> (実施例1) フッ素コーティングした反応容器内に、フィルタリング
したポリエーテル系プレポリマー(ユニロイヤル社製、
アジプレンL−325)100重量部とフィルタリング
したシリコーン系ノニオン界面活性剤(東レ・ダウシリ
コーン社製 SH192)3重量部とを混合し、反応温
度を80℃に調整した。フッ素コーティングした撹拌翼
を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り
込むように約4分間激しく撹拌を行った。そこへ予め1
20℃の温度で溶融させ、フィルタリングした4,4’
−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカ
ル社製、イハラキュアミンMT)を26重量部添加し
た。約1分間撹拌を続けた後、フッ素コーティングした
パン型のオープンモールドへ反応溶液を流し込んだ。そ
して、モールドに流し込んだ反応溶液の流動性がなくな
った時点で、オーブン内に入れ、110℃で6時間ポス
トキュアを行いポリウレタン発泡体ブロックを得た。こ
こまでの工程を、0.3μm以上の微粒子を99.99
%以上捕集するHEPAフィルターを装着したクリーン
ブースの中で行なった。なお、クリーンブースの換気回
数は68.3回/hであった。また、クリーンブース内
のクリーン度を測定したところ、0.3μm以上の微粒
子数は17622個/m 3 (499個/ft3 )であっ
た。
【0075】このポリウレタン発泡体ブロックからバン
ドソータイプのスライサー(フェッケン社製)を使用し
てポリウレタン発泡体シートを得た。次にこのシートを
バフ機(アミテック社製)を使用して、所定の厚さに表
面バフをし、厚み精度を整えたシートとした。このバフ
処理をしたシートを直径61cmの大きさで打ち抜き、
溝加工機(テクノ社製)を用いて表面に溝幅0.25m
m、溝ピッチ1.50mm、溝深さ0.40mmの同心
円状の溝加工を行った。この研磨シートの溝加工面と反
対側の面にラミ機を使用して、両面テープ(積水化学工
業社製、ダブルタックテープ)を貼り、その後、この溝
加工した研磨シートの所定位置に光透過領域をはめ込む
ための穴を打ち抜き、熱可塑性ポリウレタン樹脂からな
る光透過領域をはめ込んだ。更に、コロナ処理をしたク
ッションシート(東レ社製、ポリエチレンフォーム、ト
ーレペフ、厚み0.8mm)の表面をバフがけ、ラミ機
を使用して前記両面テープに貼り合わせた。さらに、ク
ッションシートの他面にラミ機を使用して両面テープを
貼り合わせて研磨パッドを作製した。
【0076】 (比較例1) 実施例1において、ポリウレタン発泡体の製造をクリー
ンブースを用いずに通常の屋内環境下で行った以外は実
施例1と同様の方法により研磨パッドを作製した。な
お、該屋内の環境状態を測定したところ、0.3μm以
上の微粒子数は、5337175個/m 3 (15113
2個/ft3 )であった。
【0077】 (比較例2) 実施例1において、クリーンブースの換気回数を減ら
し、0.3μm以上の微粒子数が538019個/m 3
(15235個/ft3 )の環境下で行った以外は実施
例1と同様の方法により研磨パッドを作製した。
【0078】
【表1】
【表2】 以上に示す結果より、研磨シートの原料となるポリウレ
タン発泡体を0.3μm以上の微粒子が極めて少ない環
境下で製造することにより、研磨後のウエハ表面に発生
するスクラッチを効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CMP研磨で使用する研磨装置の一例を示す概
略構成図
【符号の説明】
1:研磨パッド(研磨シート) 2:研磨定盤 3:研磨剤(スラリー) 4:被研磨材(半導体ウエハ) 5:支持台(ポリシングヘッド) 6、7:回転軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08G 101:00) C08G 18/08 C08L 75:04 (72)発明者 山田 孝敏 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋 紡績株式会社総合研究所内 (72)発明者 小川 一幸 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (72)発明者 数野 淳 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (56)参考文献 特開2000−212226(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C08L 75/04 - 75/12 C08J 5/14 CFF B24B 37/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケミカルメカニカルポリシングに用いら
    れる研磨シート用発泡体の製造方法であって、少なくと
    も原料の計量工程、混合工程、発泡工程、注型工程、及
    び硬化工程を、0.3μm以上の微粒子が35315個
    /m 3 以下(1000個以下/ft3 )の環境下で行う
    ことを特徴とする研磨シート用発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記発泡体がポリウレタン発泡体である
    請求項1記載の研磨シート用発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 発泡工程がイソシアネート基含有化合物
    を含む第1成分を非反応性気体の存在下で撹拌して気泡
    分散液とする工程であり、混合工程が該気泡分散液に鎖
    延長剤を添加、混合して発泡反応液とする工程であり、
    注型工程が該発泡反応液を金型に流し込む工程であり、
    硬化工程が金型に流し込まれた発泡反応液を反応硬化さ
    せる工程である請求項2記載の研磨シート用発泡体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 第1成分がイソシアネートプレポリマー
    とシリコーン系界面活性剤とを含有する請求項3記載の
    研磨シート用発泡体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の方法に
    より製造される研磨シート用発泡体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の研磨シート用発泡体から
    なる研磨シート。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の研磨シートとクッション
    シートとを貼り合わせてなる研磨パッド。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の研磨シート又は請求項7
    記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨す
    る工程を含む半導体デバイスの製造方法。
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