JP3496090B2 - 二次電池用外装材料及びその製造方法 - Google Patents

二次電池用外装材料及びその製造方法

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JP3496090B2 JP16748399A JP16748399A JP3496090B2 JP 3496090 B2 JP3496090 B2 JP 3496090B2 JP 16748399 A JP16748399 A JP 16748399A JP 16748399 A JP16748399 A JP 16748399A JP 3496090 B2 JP3496090 B2 JP 3496090B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオン二
次電池の外装材として好適に使用しうる外装材料料及び
その製造方法に関し、特にポリマー電解質や電解質溶液
等の各種電解質が封入されてなる、シート状で薄型のリ
チウムイオン二次電池の外装材として、好適に使用しう
る外装材料の製造方法に関するものである。なお、本発
明においては、二次電池に適用しうるように所定の寸法
に裁断されたものを「外装材」と表現し、所定の寸法に
裁断される前のものを「外装材料」と表現している。従
って、外装材と外装材料とは、寸法の相違だけで、実質
的には同一のものである。
【0002】
【従来の技術】シート状で薄型のポリマーリチウムイオ
ン二次電池等の二次電池は、近年、移動体通信機器,ノ
ートブック型パソコン,ヘッドフォンステレオ,カムコ
ーダー等のエレクトロニクス機器の小型軽量化に伴い、
その駆動源として重宝されている。この二次電池は、例
えば、図1に示したような構成となっている。即ち、正
極集電体2,正極3,隔離材(セパレーター)4,負極
5,負極集電体6の順で積層された積層体を、外装材
1,1で包装収納した構成となっている。そして、外装
材1,1は、端部7,7において熱封緘されている。
【0003】外装材1は、一般的に、図2に示すよう
に、外装材本体8と熱封緘層9とが積層貼着された態様
となっている。外装材本体8としては、金属箔,金属蒸
着フィルム,耐熱性フィルム等が用いられている。ま
た、熱封緘層9としては、酸変成ポリオレフィンフィル
ムが用いられている。外装材本体8と熱封緘層9とは、
直接、貼着される場合もあるし、ポリウレタン系接着剤
等の接着剤層(図示せず)を介して、貼着される場合も
ある。
【0004】このような外装材1は、二次電池の端部7
で、熱封緘層9を溶融させて熱封緘される。しかし、し
ばしば、熱封緘層9と外装材本体8とが剥離(デラミと
も言う)を起こし、液漏れを起こすということがあっ
た。このような液漏れは、二次電池が組み込まれたエレ
クトロニクス機器に、致命的な障害を与えるものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、熱封緘層
9と外装材本体8とが、何故に剥離するのか検討した。
その結果、二次電池に収納されている積層体は、イオン
性塩を含む電解質が含浸された状態となっており,この
イオン性塩が、熱封緘層2を透過し、外装材本体8を腐
食するためであることが判明した。即ち、イオン性塩と
して、特に伝導度の大きいLiPF6を用いると、若干
の水分と反応してフッ酸(オキシフッ化リン化合物等を
含む酸性物質)を生成し、これが熱封緘層2を透過し、
外装材本体8と熱封緘層2との密着を破壊し、剥離を生
じることが判明した。また、熱封緘層9と外装材本体8
との間に、接着剤層が介在していても、フッ酸は接着剤
層をも透過し、前記と同様の原理によって剥離が生じる
ことも判明した。
【0006】そこで、本発明者等は、外装材本体8の表
面に、耐蝕性皮膜を設ければ、このような剥離を防止し
うるのではないかと考えた。具体的には、外装材本体8
としては、金属箔が用いられることが多いため、金属箔
本体表面に耐蝕性皮膜として、アルマイト処理皮膜,ジ
ルコニウム化成処理皮膜,チタン化成処理皮膜又はクロ
ム化成処理皮膜を設け、これを外装材本体8(金属箔)
として実験を行った。その結果、予期せぬことに、クロ
ム化成処理皮膜のみが、上記した剥離を有効に防止しう
ることが判明した。即ち、クロム化成処理皮膜と同様の
耐蝕性を持つと考えられているアルマイト処理皮膜,ジ
ルコニウム化成処理皮膜及びチタン化成処理皮膜は、上
記した剥離を有効に防止できず、二次電池の外装材とし
て適しておらず、クロム化成処理皮膜のみが二次電池の
外装材に適していることが判明したのである。本発明
は、このような予期せぬ発見に基づいてなされたもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、金属箔
本体と、該金属箔本体の少なくとも片面全面にクロメー
ト処理により形成されたクロム化成処理皮膜とからなる
金属箔の、該クロム化成処理皮膜側全面に酸変成ポリオ
レフィンフィルムよりなる熱封緘層が設けられているこ
とを特徴とする二次電池用外装材料に関するものであ
る。
【0008】本発明においては、外装材本体8として金
属箔10を用いる。そして、金属箔10としては、金属
箔本体11の少なくとも片面全面に、クロメート処理に
より形成されたクロム化成処理皮膜12が設けられてな
るものを用いる。金属箔本体11としては、一般的に
は、安価で軽量なアルミニウム箔が用いられるが、その
他に、ステンレス箔,鉄箔或いは銅箔であっても差し支
えない。金属箔本体11には、金属箔本体表面が酸化さ
れることによって生成した酸化皮膜(自然酸化皮膜)が
設けられていても良いし、アルマイト処理によって生成
した酸化皮膜(陽極酸化皮膜)が設けられていても良
い。このような酸化皮膜が設けられていると、絶縁層と
なり、二次電池が短絡するのを積極的に防止しうるの
で、好ましいことである。
【0009】金属箔本体11の片面又は両面には、クロ
ム化成処理皮膜12が設けられている。クロム化成処理
皮膜は、従来公知のクロメート処理によって形成される
ものである。そして、クロム化成処理皮膜中のクロム含
有量が、クロム換算で5〜50mg/m2程度にすれば
良い。具体的なクロメート処理の方法としては、酸化ク
ロムとポリアクリル酸とを主成分とする水溶液を、金属
箔本体11の表面に塗布し、加熱及び乾燥する方法が好
ましい。その他にも、従来公知のクロメート処理、例え
ば、酸化クロムを主成分とする水溶液や、酸化クロムと
リン酸とを主成分とする水溶液等を塗布して、クロメー
ト処理を行っても良い。
【0010】そして、クロム化成処理皮膜12側全面
は、酸変成ポリオレフィンフィルムよりなる熱封緘層9
が設けられている。ここで、酸変成ポリオレフィンと
は、ポリエチレン又はポリプロピレンの側鎖にジカルボ
ン酸を付加したものであり、一般的にはポリプロピレン
の側鎖にマレイン酸又は無水マレイン酸を付加させたも
のである。本発明では、特に無水マレイン酸を付加させ
たものが好ましく、従って、無水マレイン酸変成ポリオ
レフィンフィルムを用いるのが好ましい。
【0011】クロム化成処理皮膜12と熱封緘層9と
は、図3に示す如く、直接貼着されていても良い。ま
た、任意の接着剤を用いて貼着されていても良い。任意
の接着材を用いる場合、種々の方法を採用しうるが、特
に以下に示すような特別に工夫された方法を採用するの
が好ましい。この特別に工夫された貼着方法は、本件出
願人が既に提案した特許第2567360号に係る発明
を利用した方法である。即ち、まず、クロム化成処理皮
膜12表面全面に、酸変成ポリオレフィンを固形分とす
るオルガノゾルを塗布する。このオルガノゾルは、有機
液体中に酸変成ポリオレフィンがコロイド状で分散して
いるコロイド溶液である。有機液体としては、炭化水素
系の液体が用いられ、主としてトルエンが用いられる。
また、オルガノゾルの固形分濃度は5〜50重量%程度
である。
【0012】このオルガノゾルが塗布された後、乾燥工
程に導入し、オルガノゾルを乾燥する。乾燥条件は、温
度150〜220℃、時間5〜40秒程度である。この
乾燥工程により、オルガノゾルは固化し接着性皮膜13
となる。オルガノゾルは酸変成ポリオレフィンがコロイ
ド状となって分散しているので、クロム化成処理皮膜1
2表面上に比較的均一に塗布され、均一な接着性皮膜1
3が得られる。この後、接着性皮膜13表面上に単層の
酸変成ポリオレフィンフィルムを重合し、圧着すること
によって、クロム化成処理皮膜12(即ち、金属箔1
0)と酸変成ポリオレフィンフィルムとが貼着される。
接着性皮膜13表面上に酸変成ポリオレフィンフィルム
14を圧着する条件としては、160〜240℃の加熱
下で、圧力0.5〜2kg/cm2、時間0.5〜3秒
程度が良い。この酸変成ポリオレフィンフィルムは、オ
ルガノゾル中の酸変成ポリオレフィンと同種のもので形
成されているものである。そして、この貼着された酸変
成ポリオレフィンフィルムが熱封緘層となる。なお、オ
ルガノゾル中の酸変成ポリオレフィン及び酸変成ポリオ
レフィンフィルムは、いずれも無水マレイン酸変成ポリ
プロピレンよりなるものを採用するのが好ましい。
【0013】また、酸変成ポリオレフィンフィルムに代
えて、両面に酸変成ポリオレフィンフィルム9,9’が
貼合された三層ポリオレフィン系フィルム14を用いて
も良い。この場合、接着性皮膜13表面上にポリオレフ
ィン系フィルム14が重合され、圧着することによって
クロム化成処理皮膜12(即ち、金属箔10)とポリオ
レフィン系フィルム14とが貼着される。ポリオレフィ
ン系フィルム14は、両面に、オルガノゾル中の酸変成
ポリオレフィンと同種の酸変成ポリオレフィンフィルム
を備えたものである。具体的には、ポリプロピレンフィ
ルム15の両面に酸変成ポリオレフィンフィルム9,
9’を備えた、三層構造のポリオレフィン系フィルム1
4を用いるのが好ましい。また、ポリプロピレンフィル
ム15に代えて、ポリエチレンフィルムやエチレン−酢
酸ビニル共重合体フィルム等を用いることができる。
【0014】接着性皮膜13表面上にポリオレフィン系
フィルム14を圧着する条件も、160〜240℃の加
熱下で、圧力0.5〜2kg/cm2、時間0.5〜3
秒程度が良い。以上のようにして圧着すると、ポリオレ
フィン系フィルムの一方の面に存在する酸変成ポリオレ
フィンフィルム9’と、接着性皮膜13とが貼着され
る。そして、ポリオレフィン系フィルムの他方の面に存
在する酸変成ポリオレフィンフィルム9が、熱封緘層と
なるのである。このようにして得られた二次電池用外装
材料の横断面図は、図4に示す如き態様になる。なお、
オルガノゾル中の酸変成ポリオレフィン及びポリオレフ
ィン系フィルム中の酸変成ポリオレフィンフィルムは、
いずれも無水マレイン酸変成ポリプロピレンよりなるも
のを採用するのが好ましい。
【0015】クロム化成処理皮膜12と熱封緘層9とが
直接貼着されている場合と、上記した特許第25673
60号に係る発明を利用した方法の場合とでは、後者の
方が、クロム化成処理皮膜12と熱封緘層9とが強固に
貼着されるため、好ましいものである。即ち、後者の場
合、クロム化成処理皮膜12と熱封緘層9とが直接貼着
の場合に比べて、オルガノゾルのクロム化成処理皮膜1
2に対する均一塗布性、オルガノゾル由来の接着性皮膜
13と酸変成ポリオレフィンフィルムとの接着性が、い
ずれも良好なため、クロム化成処理皮膜12と熱封緘層
9とが強固に貼着されるのである。
【0016】以上のようにして、少なくとも片面全面
クロメート処理により形成されたクロム化成処理皮膜1
2を備えた金属箔10と、この金属箔10のクロム化成
処理皮膜12側全面に設けられた酸変成ポリオレフィン
フィルム9とよりなる二次電池用外装材料が得られるの
である。特に、本件出願人が既に提案した特許第256
7360号に係る発明を利用すれば、少なくとも片面
にクロメート処理により形成されたクロム化成処理皮
膜12を備えた金属箔10と、この金属箔10のクロム
化成処理皮膜12側全面に設けられた酸変成ポリオレフ
ィンフィルム9とが、接着性皮膜13(場合により、ポ
リオレフィン系フィルム14の他の層を介在して)で強
固に貼着された二次電池用外装材料が得られるのであ
る。
【0017】この二次電池用外装材料を用いて、二次電
池を得る方法の一例としては、以下のような方法が挙げ
られる。即ち、二次電池用外装材料を所望の大きさに裁
断した外装材2枚を用いて、熱封緘層である酸変成ポリ
オレフィン系フィルム9同士が当接するようにして積層
する。そして、一部を残し、他の端部7を熱封緘(即
ち、酸変成ポリオレフィン系フィルムの溶融圧着による
接着)して、袋を得る。そして、この袋の口から、正極
集電体2,正極3,隔離材4,負極5,負極集電体6の
順で積層された積層体を電解質で含浸し活性化させた二
次電池本体部分を収納する。最後に、二次電池本体部分
から延びているリード線を外部に出すようにして、袋の
口を再度、熱封緘すれば、二次電池が得られるのであ
る。なお、二次電池用外装材料の金属箔10の他面、即
ち、熱封緘層9の不存在面に文字や模様等を印刷した
り、合成樹脂製のオーバーコート層をポリウレタン系接
着剤等で貼合しても良いことは、言うまでもない。
【0018】
【実施例】実施例1 金属箔本体として、厚さ30μmのアルミニウム箔を準
備した。一方、クロメート処理液として、酸化クロムと
ポリアクリル酸を主成分とする水溶液(クロム含有量は
6mg/cc)を準備した。そして、アルミニウム箔の
両面に、クロメート処理液を均一に塗布し、150℃で
15秒間の条件で乾燥した。この結果、アルミニウム箔
表面に、クロム含有量が30mg/m2のクロム化成処
理皮膜が形成された金属箔を得た。次に、平均粒径6〜
8μmの無水マレイン酸変成ポリプロピレン15重量部
とトルエン85重量部よりなるオルガノゾルを準備し
た。そして、これを金属箔の片面に(即ち、アルミニウ
ム箔両面に形成されたクロム化成処理皮膜の一方の表面
に)塗布し、200℃で20秒間の条件で乾燥し、厚さ
2μmの接着性皮膜を得た。最後に、ポリオレフィン系
フィルムとして、厚さ30μmのポリプロピレンフィル
ムの両面に、厚さ10μmの無水マレイン酸変成ポリプ
ロピレンフィルムが貼合された、3層共押出フィルムを
準備した。そして、これを、温度200℃、圧力2kg
/cm2、時間1秒間の圧着条件で、接着性皮膜表面に
圧着した。以上のようにして、クロム化成処理皮膜/ア
ルミニウム箔/クロム化成処理皮膜/接着性皮膜/無水
マレイン酸変成ポリプロピレンフィルム/ポリプロピレ
ンフィルム/無水マレイン酸変成ポリプロピレンフィル
ム(熱封緘層)の順で積層貼着された二次電池用外装材
料を得た。
【0019】実施例2 3層共押出フィルムに代えて、厚さ50μmの無水マレ
イン酸変成ポリプロピレンフィルム単層を使用した他
は、実施例1と同様の方法で二次電池用外装材料を得
た。この場合は、無水マレイン酸変成ポリプロピレンフ
ィルム単層が熱封緘層となる。
【0020】比較例1 クロム化成処理皮膜を形成しない他は、実施例1と同様
の方法で二次電池用外装材料を得た。
【0021】比較例2 クロム化成処理皮膜を形成しない他は、実施例2と同様
の方法で二次電池用外装材料を得た。
【0022】比較例3 クロム化成処理皮膜を形成せずに、以下のようなジルコ
ニウム化成処理皮膜を形成した他は、実施例1と同様の
方法で二次電池用外装材料を得た。ジルコニウム化成処
理皮膜は、アンモニウムジルコニウムカーボネートとポ
リアクリル酸を主成分とする水溶液(ジルコニウム処理
液)を、アルミニウム箔両面に均一に塗布し、150℃
で15秒間の条件で乾燥して、得られたものである。な
お、ジルコニウム化成処理皮膜中におけるジルコニウム
含有量は、20mg/m2とした。
【0023】比較例4 クロム化成処理皮膜を形成せずに、比較例3と同一のジ
ルコニウム化成処理皮膜を形成した他は、実施例2と同
様の方法で二次電池用外装材料を得た。
【0024】比較例5 クロム化成処理皮膜を形成せずに、アルミニウム箔表面
に脱脂処理及びエッチング処理を施した他は、実施例1
と同様の方法で二次電池用外装材料を得た。
【0025】比較例6 クロム化成処理皮膜を形成せずに、アルミニウム箔表面
に脱脂処理及びエッチング処理を施した他は、実施例2
と同様の方法で二次電池用外装材料を得た。
【0026】実施例1、2及び比較例1〜6に係る方法
で得られた各二次電池用外装材料から、巾15mmの短
冊片2枚を裁断し、試験片を得た。1個の試験片につい
ては、二次電池用外装材料製造後直ちに、金属箔と3層
共押出フィルム間、又は金属箔と無水マレイン酸変成ポ
リプロピレンフィルム単層間の剥離強度を測定した。そ
の結果を、表1の初期剥離強度(kg/15mm巾)と
して示した。
【0027】他の1個の試験片については、エチレンカ
ーボネート50重量部、ジエチルカーボネート40重量
部、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)10重量部
からなる電解液に浸漬し、温度20℃、湿度50%RH
の雰囲気下で開放状態のまま、24時間放置した。その
後、この試験片の金属箔と3層共押出フィルム間、又は
金属箔と無水マレイン酸変成ポリプロピレンフィルム単
層間の剥離強度を測定した。その結果を、表1の24時
間後の剥離強度(kg/15mm巾)として示した。
【0028】また、実施例1、2及び比較例1〜6に係
る方法で得られた各二次電池用外装材料から、縦90m
mで横50mmの大きさの四辺形状片2枚を裁断した。
そして、熱封緘層同士が当接するようにして、2枚の四
辺形状片を積層し、3方の端部を巾5mmで熱封緘し、
四辺形状袋を作成した。熱封緘の条件は、温度200
℃、圧力2kg/cm2、時間1秒間とした。そして、
この袋の口から、エチレンカーボネート50重量部、ジ
エチルカーボネート40重量部、六フッ化リン酸リチウ
ム(LiPF6)10重量部からなる電解液を注入し
た。最後に袋の口を、前の条件と同一の条件で熱封緘
し、試験体を得た。なお、このような試験体を、各実施
例及び比較例につき、2個準備した。
【0029】1個の試験体については、温度60℃で湿
度90%RHの雰囲気下で20日間放置した後、この試
験体から、巾15mmの短冊片を裁断し、金属箔と3層
共押出フィルム間、又は金属箔と無水マレイン酸変成ポ
リプロピレンフィルム単層間の剥離強度を測定した。そ
の結果を、表1の20日間後の剥離強度(kg/15m
m巾)として示した。
【0030】他の1個の試験体については、温度85℃
で湿度90%RHの雰囲気下で7日間放置した後、この
試験体から、巾15mmの短冊片を裁断し、金属箔と3
層共押出フィルム間、又は金属箔と無水マレイン酸変成
ポリプロピレンフィルム単層間の剥離強度を測定した。
その結果を、表1の7日間後の剥離強度(kg/15m
m巾)として示した。
【0031】
【表1】 なお、剥離強度の試験方法は、剥離角度Tピールで剥離
速度200mm/minの条件で測定した。また、表1
中、剥離強度が0.00kg/15mm巾とあるのは、
既に剥離試験に供する前にデラミ(剥離)が生じている
ものである。
【0032】実施例1、2及び比較例1〜6の結果を対
比すれば明らかなとおり、クロメート処理によってクロ
ム化成処理皮膜を設けた金属箔を用いれば、処理を施し
ていない金属箔、ジルコニウム処理によってジルコニウ
ム化成処理皮膜を設けた金属箔、及びエッチング処理を
施した金属箔に比べて、六フッ化リン酸リチウム(Li
PF6)を含む電解液と接触しても、熱封緘層と金属箔
(外装材本体)とが剥離しにくいことが分かる。従っ
て、実施例に係る二次電池用外装材料を用いて二次電池
を得れば、比較例に係るものを用いた場合に比べて、使
用中等に電解液の漏れが生じにくいことが分かる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る二次
電池用外装材料を用いて、二次電池を得れば、熱封緘層
と外装材本体とが剥離しにくく、封入された電解液の液
漏れが生じにくくなる。従って、二次電池が組み込まれ
たエレクトロニクス機器等に、液漏れによる障害の発生
を防止しうるという格別顕著な効果を奏するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】シート状で薄型のポリマーリチウムイオン二次
電池の内部構造の一例を示した模式的断面図である。
【図2】二次電池の外装材の一般例を示した模式的断面
図である。
【図3】本発明の一例に係る二次電池用外装材料の模式
的断面図である。
【図4】本発明の他の例に係る二次電池用外装材料の模
式的断面図である。
【符号の説明】 1 外装材 9 熱封緘層(無水マレイン酸変成ポリプロピレンフ
ィルム) 9’ 無水マレイン酸変成ポリプロピレンフィルム 10 金属箔 11 金属箔本体 12 クロム化成処理皮膜 13 接着性皮膜 14 ポリオレフィン系フィルム 15 ポリプロピレンフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−67166(JP,A) 特開 平6−99542(JP,A) 特開 平6−302305(JP,A) 特開 平10−312788(JP,A) 特開 平1−235637(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 2/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属箔本体と、該金属箔本体の少なくと
    も片面全面にクロメート処理により形成されたクロム化
    成処理皮膜とからなる金属箔の、該クロム化成処理皮膜
    全面に酸変成ポリオレフィンフィルムよりなる熱封緘
    層が設けられていることを特徴とする二次電池用外装材
    料。
  2. 【請求項2】 金属箔本体が、表面にアルマイト処理が
    施されたアルミニウム箔である請求項1記載の二次電池
    用外装材料。
  3. 【請求項3】 酸変成ポリオレフィンが無水マレイン酸
    変成ポリオレフィンである請求項1又は2記載の二次電
    池用外装材料。
  4. 【請求項4】 金属箔本体と、該金属箔本体の少なくと
    も片面全面にクロメート処理により形成されたクロム化
    成処理皮膜とからなる金属箔の、該クロム化成処理皮膜
    全面に、酸変成ポリオレフィンを固形分とするオルガ
    ノゾルを塗布した後、該オルガノゾルを乾燥して接着性
    皮膜を形成せしめ、次いで、該オルガノゾル中の酸変成
    ポリオレフィンと同種の酸変成ポリオレフィンフィルム
    を該接着性皮膜に圧着して、該金属箔と該酸変成ポリオ
    レフィンフィルムとを貼着し、該酸変成ポリオレフィン
    フィルムを熱封緘層とすることを特徴とする二次電池用
    外装材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 金属箔本体と、該金属箔本体の少なくと
    も片面全面にクロメート処理により形成されたクロム化
    成処理皮膜とからなる金属箔の、該クロム化成処理皮膜
    全面に、酸変成ポリオレフィンを固形分とするオルガ
    ノゾルを塗布した後、該オルガノゾルを乾燥して接着性
    皮膜を形成せしめ、次いで、該オルガノゾル中の酸変成
    ポリオレフィンと同種の酸変成ポリオレフィンフィルム
    を両面に備えたポリオレフィン系フィルムの該酸変成ポ
    リオレフィンフィルムの一方と該接着性皮膜とを圧着し
    て、該金属箔と該ポリオレフィン系フィルムとを貼着
    し、該酸変成ポリオレフィンフィルムの他方を熱封緘層
    とすることを特徴とする二次電池用外装材料の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 酸変成ポリオレフィンが無水マレイン酸
    変成ポリオレフィンである請求項4又は5記載の二次電
    池用外装材料の製造方法。
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