JP3495261B2 - 育毛剤 - Google Patents

育毛剤

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JP3495261B2
JP3495261B2 JP24777498A JP24777498A JP3495261B2 JP 3495261 B2 JP3495261 B2 JP 3495261B2 JP 24777498 A JP24777498 A JP 24777498A JP 24777498 A JP24777498 A JP 24777498A JP 3495261 B2 JP3495261 B2 JP 3495261B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、育毛剤に関する技
術分野に属する発明である。より詳細には、毛髪伸長の
促進をすることによって毛周期における成長期を維持又
は延長する毛髪成長期延長効果を有する育毛剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高齢化社会、ストレス社会といわれる現
代社会では、頭部毛髪が様々な原因により脱毛の危機に
さらされる機会がますます多くなってきている。これに
対応して、より優れた「育毛剤」を提供すべく様々な試
みがなされている。育毛剤が毛髪に与える効果として主
なものに、発毛誘導効果(発毛促進効果,成長期誘導
効果),毛髪を太くする効果,毛髪成長期延長効
果,5α−レダクターゼ阻害効果,血行促進効果,
殺菌効果,フケ防止効果,保湿効果,抗酸化効
果等の効果が挙げられる。
【0003】しかしながら、前記のように種々の試みが
なされているにもかかわらず、従来の育毛剤では、その
脱毛防止,発毛効果等の育毛作用は必ずしも十分なもの
ではなかった。これはおそらく脱毛の原因がさまざまで
あり、また発毛の機構も非常に複雑であるためと考えら
れている。今まで提供されている「育毛剤」は、脱毛を
比較的大雑把な概念、言い換えれば漫然と「脱毛」とい
う現象のみを捉えて開発されており、そのメカニズムに
まで突っ込んで着目して開発されたものは決して多くな
い。その大きな理由が、これらのメカニズムに着目した
育毛効果を簡便に検定することが可能な育毛薬剤検定方
法が十分に提供されていなかったという面を否定できな
いことである。特に上記の毛髪成長期延長効果を検定
する育毛薬剤検定方法の確立は難しく、結果としてこれ
まで提供されてきた育毛剤は、毛周期の成長期へと毛髪
を誘導して育毛する上記の発毛誘導効果に着目したも
のや,の5α−レダクターゼ阻害効果に着目したもの
が多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者はin
vitroで行う簡便な上記の毛髪成長期延長効果を検定
する育毛薬剤検定方法を確立し、その育毛薬剤検定方法
を用いて上記の毛髪成長期延長効果を有する成分を有
効成分とする育毛剤を見出すことを目指した。
【0005】本願は、その一連の課題のうち、特に上記
の毛髪成長期延長効果を有する成分を見出し、これを
有効成分とする育毛剤を提供することをその課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、種々の物質
における上記の毛髪成長期延長効果を有する成分につ
いて、本発明者が見出した育毛薬剤検定方法を用いて鋭
意検討したところ、糖グリセリドに、所望する毛髪成長
期延長効果が認められることを見出し、本発明を完成し
た。
【0007】すなわち本発明は、糖グリセリドを有効成
分として含有する育毛剤を提供する。
【0008】 この糖グリセリドは、式(I)
【化学式2】 [式中、R1は、糖残基であり、R2及びR3は、同一で
あっても互いに異なっていてもよく、水素原子、飽和脂
肪酸残基、又は、不飽和脂肪酸残基であり、かつ、R2
及びR3の双方、又は、いずれか一方は、飽和脂肪酸残
基、若しくは、不飽和脂肪酸残基である]で表される糖
グリセリドであることが好ましい。式(I)中、不飽和
脂肪酸残基は、式(II) Cnm2 (II) [式中、6≦n≦28、n+1≦m≦2n−2である]
で表される不飽和脂肪酸残基であることが好ましい。さ
らに、不飽和脂肪酸残基は、シス型の不飽和脂肪酸残基
であることが好ましい。
【0009】このような不飽和脂肪酸のうち特に好まし
い不飽和脂肪酸は、ペトロセリン酸,オレイン酸又はリ
ノール酸である。また、糖グリセリドにおける糖は、ガ
ラクトース,グルコース又はフルクトースであることが
好ましい。
【0010】前記したように、本発明において「育毛
剤」は、主に後述する育毛薬剤検定方法によって少なく
とも毛包上皮系細胞の***増殖活性若しくは毛幹伸長活
性を維持又は促進することで毛髪の成長期を延長する効
果を有する成分を有効成分として配合した、特に上記
の毛髪成長期延長効果に着目した毛髪関連薬剤であり、
いわば「個別効能育毛剤」としての特徴を有する。
【0011】この「育毛剤」は、例えば毛根近傍におけ
る毛包上皮系細胞の増殖が緩徐であること等により成長
期が短くなって、相対的に成長期毛よりも休止期毛の割
合が多くなってしまうことに起因する脱毛症に特に有効
な薬剤である。また、他の個別効能を有する育毛剤と組
み合わせて用いることにより、幅広くの脱毛症において
は,総合的かつ相乗的な効果を上げることが可能であ
る。すなわち、この「育毛剤」は、前記した〜の効
果を包含する概念を有する一般的な育毛剤用途とは一線
を画する用途を有するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明育毛剤は、上述したように糖グリセ
リドをその有効成分として含有する育毛剤である。
【0013】本発明育毛剤の有効成分となり得る糖グリ
セリドは、人体に対する安全性が担保されている限りに
おいて特に限定されるものではないが、式(I)
【化3】 で表される糖グリセリドであることが好ましい。式
(I)中、R1 は糖残基である。この糖としては、単糖
類又は多糖類のいずれでもよく、単糖類としては、例え
ば、ガラクトース,グルコース,フルクトース,マンノ
ース等を挙げることができ、多糖類としては、ショ糖,
麦芽糖,乳糖,トレハロース,ヒアルロン酸等を挙げる
ことができる。これらの糖のうち、ガラクトース,グル
コース又はフルクトースが好ましく、ガラクトース又は
グルコースが特に好ましい。
【0014】 式(I)中、R2及びR3は、同一であっ
ても互いに異なっていてもよく、水素原子、飽和脂肪酸
残基、又は、不飽和脂肪酸残基であり、かつ、R2及び
3の双方、又は、いずれか一方は、飽和脂肪酸残基、
若しくは、不飽和脂肪酸残基である。この不飽和脂肪酸
残基としては、式(II) Cnm2 (II) [式中、6≦n≦28、n+1≦m≦2n−2である]
で表される不飽和脂肪酸残基であることが好ましい。さ
らに、不飽和脂肪酸残基は、シス型の不飽和脂肪酸残基
であることが好ましい。
【0015】飽和脂肪酸としては、具体的には、例え
ば、カプロン酸,カプリル酸,カプリン酸,ラウリン
酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,アラ
キン酸,ベヘン酸,リグノセリン酸,セロチン酸,ヘプ
タコサン酸を挙げることができ、このうち、パルミチン
酸が好ましい。
【0016】また、不飽和脂肪酸としては、具体的に
は、例えば、ヒドロソルビン酸,ウンデシレン酸,ドデ
セン酸,トリデセン酸,ヘプタデセン酸,ペトロセリン
酸(cis-6-オクタデセン酸),パルミトレイン酸(cis-
9-ヘキサデセン酸),オレイン酸,バクセン酸,リノー
ル酸,α−リノレン酸,γ−リノレン酸,エイコセン
酸,エイコサトリエン酸,エルカ酸(cis-13-ドコセン
酸),ドコサジエン酸,ドコサトリエン酸,ドコサテト
ラエン酸,ドコサペンタエン酸,アラキドン酸,ネルボ
ン酸(cis-15- テトラコセン酸)又はドコサヘキサエン
酸等を挙げることができる。
【0017】これらの不飽和脂肪酸のうち、ペトロセリ
ン酸,パルミトレイン酸,オレイン酸,リノール酸,α
−リノレン酸,γ−リノレン酸,アラキドン酸及び/又
はドコサヘキサエン酸が好ましく、ペトロセリン酸,オ
レイン酸及び/又はリノール酸が特に好ましい。なお、
これらの糖グリセリドの原料が、植物、例えばコンフリ
ー等であり、このような植物から得られる糖グリセリド
(植物抽出物)を本発明育毛剤の有効成分として選択す
ることもまた好ましい。
【0018】これらの糖グリセリドは、それぞれ通常公
知の方法で製造することができる。また、市販品を用い
ることもできるのは勿論である。これらの糖グリセリド
は、強い毛包上皮系細胞の増殖作用及び毛幹の伸長作用
を有しており、これらを単独で又は2種以上を組み合わ
せて、本発明育毛剤の有効成分とすることができる。
【0019】本発明育毛剤における上記糖グリセリドの
配合量は、本発明育毛剤の具体的形態等に応じて適宜選
択し得るものであり、特に限定されるべきものではない
が、育毛剤全体に対して1.0×10-12 〜20.0重
量%であることが好ましく、同0.01〜10.0重量
%であることが特に好ましい。
【0020】糖グリセリドの配合量が、育毛剤全体に対
して1.0×10-12 重量%未満では、本発明の所期の
効果である毛包上皮系細胞増殖作用に基づく毛髪成長期
延長効果が十分に発揮されず好ましくなく、同20.0
重量%を超えると、配合量の増加に見合った効果の増大
を見込めないばかりではなく、製剤上支障をきたす傾向
が顕著となり好ましくない。
【0021】このようにして、上記糖グリセリドを有効
成分として配合した本発明育毛剤は、優れた毛包上皮系
細胞増殖作用に基づく毛髪成長期延長効果を有し、前記
したように、例えば毛根近傍における毛包上皮系細胞の
増殖が緩徐であること等により成長期が短くなって,相
対的に成長期毛よりも休止期毛の割合が多くなってしま
うことに起因する脱毛症に特に有効な薬剤である。ま
た、他の個別効能を有する育毛剤と組み合わせて用いる
ことにより、特定の脱毛症においては相乗的な効果を上
げることもまた可能である。
【0022】本発明育毛剤の所期の効果である毛髪成長
期延長効果における本質的作用である、毛周期における
成長期の維持又は延長作用を特定する手段は、その特定
法自体がその作用を特定するために妥当なものである限
り特に限定されず、例えばinvitroにおける特定法も,i
n vivo における特定法も用いることができるが、その
簡便性と有効性を考慮すると、in vitroにおける特定法
を用いることが好ましい。
【0023】以下、このin vitroにおける特定法の一つ
である、毛包上皮系培養細胞の増殖効果を検討すること
を特徴とする特定法について簡単に説明する(より具体
的には、実施例において記載する。)。
【0024】すなわちこの特定法は、「毛包上皮系培養
細胞に無血清培地中で対象物質を接触させて、その細胞
の増殖活性の有無及び/又は強弱を特定することによ
り、その対象物質の毛周期における成長期を延長する効
果を検定する一次スクリーニングを行い、この一次スク
リーニングにより効果の認められた対象物質について、
この対象物質を添加した無血清培地中でヒト毛包を培養
し、毛幹の伸長が認められた対象物質をさらに選択する
二次スクリーニングを行うことを特徴とする育毛薬剤検
定方法」、すなわち毛髪の伸長に直接的に関係する毛包
上皮系細胞に着目し、この培養細胞を用いることによっ
て、所望する毛周期における成長期を延長する効果を特
定する、in vitroの育毛薬剤検定方法である。
【0025】この育毛薬剤検定方法の一次スクリーニン
グにおいては、においては、動物(ヒトを含む,以下同
様である)の毛包上皮系細胞を単離して得た培養細胞で
ある「毛包上皮系培養細胞」に対象物質を接触させて、
その増殖の有無及び/又は強弱を特定する。
【0026】毛包上皮系細胞は、特に毛根近傍の外毛根
鞘細胞とマトリクス細胞等の毛包由来の上皮系細胞のこ
とを指し、内側の毛乳頭細胞は除外される。
【0027】毛周期における成長期は、まさにこの毛幹
の伸長,すなわち毛包上皮系細胞が***して増殖してい
る時期であり、同退行期及び休止期はこれが鈍化して休
止する時期である。
【0028】つまり、毛周期における成長期を延長又は
維持する物質は、その投与により毛包上皮系細胞の***
及び増殖活性を維持することによって、毛髪が毛周期に
おける退行期及び休止期への移行を防ぐ物質、すなわち
毛包上皮系細胞の増殖を促進又は維持し続ける物質であ
ることが結論付けられる。
【0029】また、二次スクリーニングにおいては、ヒ
ト毛包を培養し、毛幹の伸長が認められた対象物質をさ
らに選択する。この二次スクリーニングに際しては、ま
ず毛包断片を調製することが必要である。通常は、ヒト
の健毛部の頭髪の中から成長期の頭髪を選択して、この
毛髪の毛球部から約2mm上部を切断して毛包断片を調製
することができる。
【0030】この毛包断片は、インシュリンを含む基礎
培地で培養すれば成長期の状態が比較的長期に維持され
るが、インシュリンを含有しない基礎培地で培養すると
1週間程度の短期間のうちに退行期の毛包に類似する状
態に変化する。
【0031】従って、インシュリンを含まない基礎培地
中で培養する場合は、1週間程度のうちに評価すること
が好ましく、インシュリンを含む培地を用いる場合には
2週間程度まで培養期間を延長することが可能になる。
どちらの培地においても、この毛包を対象被験物質の存
在下で培養することにより、毛幹の伸長の程度を観察す
ることができる。
【0032】なお、この二次スクリーニングにおいて用
いる基礎培地は、一般的に用いられている動物細胞培養
用培地を用いることが可能であり、汚染防止のために抗
生物質や抗菌剤を添加することができる。
【0033】毛包の培養条件は、5%CO2 ・37℃等
の動物培養における通常の条件で行うことができる。培
養は通常5〜14日間行われる。ヒト毛包における毛幹
の伸長は、例えばミクロメーターを装着した実体顕微鏡
において目視で確認することができる。
【0034】このように上記一次スクリーニングと二次
スクリーニングとを行うことにより、毛周期における成
長期の維持又は延長作用並びに毛幹の伸長作用を特定す
ることができる。
【0035】なお、in vitroの育毛薬剤検定方法として
は、他に対象物質を動物の毛乳頭細胞に作用させて、そ
の増殖促進効果を判定する方法も用いることができる。
【0036】また、in vivo における特定法としては、
例えば「ヌードマウスに対象物質を投与し,このヌード
マウスの体表の発毛部位の状態を特定して,対象物質の
毛周期における成長期を延長する効果を検定する育毛薬
剤検定方法」、すなわち原則的には無毛であるが、その
体表に経時的にその発毛部位が移動する特徴的な発毛を
するヌードマウスにおける発毛部位の広さと発毛部位の
移動速度を特定することによって、毛周期における成長
期の長さを検定する方法等を挙げることができる。
【0037】本発明育毛剤が採り得る剤型は、外皮に適
用可能な剤型であれば特に限定されず、例えば液状,乳
液,軟膏等を選択可能である。また、本発明育毛剤の形
態は任意であり、例えばトニック,ヘアークリーム,ム
ース,シャンプー,リンス,クリーム,乳液,化粧水,
パック等の形態を採ることができる。
【0038】本発明育毛剤には、前記の必須成分に加え
て必要に応じて、かつ本発明の所期の効果を損なわない
限りにおいて、化粧品,医薬部外品,医薬品等において
一般的に用いられる各種油性若しくは水性成分,界面活
性剤,保湿剤,増粘剤,防腐剤,酸化防止剤,香料,色
材,各種薬剤等を配合することができる。
【0039】例えば、高級飽和脂肪酸,固形パラフィ
ン,流動パラフィン,シリコーン油,スクワラン,モノ
オレイン酸グリセリル,オリーブ油,高級アルコール等
の油性成分;ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポ
リオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤;グリセ
リン,ヒアルロン酸,プロピレングリコール,マルチト
ール,アテロコラーゲン,乳酸ナトリウム等の保湿剤;
マルメロ粘質物,カルボキシビニルポリマー,キサンタ
ンガム等の増粘剤;サリチル酸等の防腐剤;ニコチン酸
アミド,ニコチン酸ベンジル,ビタミンEアセテート,
センブリ抽出物,塩化カルプロニウム,アセチルコリン
誘導体等の血管拡張剤;セリン,メチオニン,アルギニ
ン等のアミノ酸類;ビタミンB6 ,ビタミンE若しくは
その誘導体,ビオチン,パントテン酸若しくはその誘導
体等のビタミン類;ニコチン酸,ニコチン酸メチル,ニ
コチン酸トコフェロール等のニコチン酸エステル類;セ
ファランチン等の皮膚機能亢進剤;エストラジオール等
の女性ホルモン剤;グリチルレチン酸若しくはその誘導
体等の消炎剤;ヒノキチオール,ヘキサクロロフェン,
ベンザルコニウムクロリド,ビチオノール等の抗菌剤;
メントール等の清涼剤;亜鉛若しくはその誘導体;乳酸
若しくはそのアルキルエステル;クエン酸等の有機酸類
等を配合することができる。本発明育毛剤の具体的処方
は後述する。
【0040】
【実施例】以下、実施例等により本発明をさらに具体的
に説明するが、この実施例等により本発明の技術的範囲
が限定的に解釈されるべきものではない。なお、以下の
実施例等において「%」と表示され,かつ内容量を示す
ものは、特に断らない限り重量%を意味する。まず、本
実施例等において用いた、対象物質の毛髪成長期延長作
用を評価するためのin vitroの細胞増殖試験について説
明する。
【0041】〔試験例1〕 毛包上皮系培養細胞を用い
た細胞増殖試験 A.ヒト毛包上皮系細胞 1.ヒト毛包上皮系細胞の採取 外科手術の副産物として得られたヒト男性頭皮から毛周
期における成長期の毛包を実体顕微鏡下で機械的に採取
した。この成長期の毛包を1000 U/mL dispase・0.2 %
コラゲナーゼを含むダルベッコの改変MEM(DME
M)で30分間,37℃で処理し、注射針の先を用いて
dermal sheath やdermal papilla、毛球部上皮組織を除
去して、0.05%トリプシン・0.02%EDTAを含むリン
酸緩衝液〔PBS(−):(−)とはカルシウムイオン
やマグネシウムイオンを含まない意味である〕で5分
間,37℃で処理した。
【0042】次にコラーゲン(Type I)コーティングし
た培養皿に毛包を静置し、外殖片培養を行った。なおこ
の際の培地は、無血清培地〔Keratinocyte Growth Medi
um(KGM)〕を用いた(Keratinocyte Serum Free Me
diumを用いることもできる)。この培養の4〜5日後
に、毛包の培養皿への接着及び細胞の増殖が確認できた
時点で培地を交換し、これ以降2日おきに培地交換を行
った。
【0043】このようにして増殖させた細胞を、0.05wt
%トリプシン-0.02 %含有PBS(−)で37℃で5分
間処理した後、等量の0.1 %トリプシンインヒビターで
反応を停止させ、遠心処理(800×g,5 分間) を施して細
胞を回収した。
【0044】次に、細胞を上記の無血清培地に浮遊させ
て、5000 cells/cm2の密度でコラーゲンコーティング
(Type I)した培養皿に播種し、細胞がsubconfluentに
なるまで2日おきに培地交換を行い、再び0.05wt%トリ
プシン-0.02 %EDTA含有PBS(−)で37℃で5
分間処理した後、等量の0.1 %トリプシンインヒビター
で反応を停止させ、遠心処理(800×g,5 分間) を施し
て、これにより得られたヒト毛包上皮系細胞に細胞凍結
液(セルバンカー:ダイヤトロン製)を添加し、1.0
×106 cell/mL の濃度に調整して、各凍結チューブに
1.0×106 cellずつ入れ、これを凍結保存した。な
お、これらの細胞数は、血球算定板で算出した。
【0045】2.対象物質のアッセイ 上記工程により得た毛包上皮系細胞の線維芽細胞混入率
(FB混入率)を測定(3000倍,5視野)し、その
結果FB混入率が3%以上のものは、アッセイの対象か
ら除外した。そして、この毛包上皮系細胞を培養フラス
コ中に播種後、これを0.25%トリプシン−0.02
%EDTA含有PBS(−)で処理した後、0.1%ト
リプシンインヒビターで反応を停止後、系を1500rp
m で5分間遠心処理を施し、上清を除去し、残渣にKG
M培地20mLを添加して、細胞懸濁液を調製した。
【0046】0.2mL/well の割合で、96well-plate
(I型コラーゲンコーティングプレート:ファルコン社
製)に播種し(3.0×103cell/well)、細胞がウエ
ルの底に沈むまで約20分間室温下で放置した。その
後、37℃,5%CO2 で1日間培養を行い、所望する
ヒト毛包上皮系培養細胞を得た。
【0047】B.ラット毛包上皮系細胞 1.ラット毛包上皮系細胞の採取: (1)毛包の採取 新生児(3〜4日令)ラットの背部皮膚を5%PSF含
有PBS(−)に浸漬後、皮膚脂肪層から下の皮下脂肪
や皮膜等を解剖用ハサミで除去した。 次いで、再びこ
の背部皮膚を1%PSF含有PBS(−)に浸し、さら
にこれを0.25%トリプシン−0.02%EDTA含
有PBS(−)中に4℃で一晩浸した。
【0048】このトリプシン溶液中における浸漬後、背
部皮膚の真皮層と表皮層をピンセットで剥がした後、真
皮層を0.35%コラゲナーゼ含有Ham's F12培
地〔組成(mg/L):l-Alanin(8.9),l-Arginine(HCl:21
1),l-Asparagine(13.2),l-Asparatic acid(13.3),l-Cys
teine (HCl:31.5),l-Glutamic acid(14.7),l-Glutamin
e(146),Glycine(7.5),l-Histidine (HCl:19),l-Isoleu
cine(3.9),l-leucine(13.1),l-Lysine(HCl:36.5),l-Met
hionine(4.5),l-Phenylalanin(5.0),Proline(34.5),l-S
erine(10.5),l-Threonine(11.9),l-Tryptophane(2.0),l
-Tyrosine(5.4),l-Valine(11.7),Biotine(0.0073),Chol
ine(Cl:14.0),VitaminB12(1.36),葉酸(1.32),Inositol
(18.0),Nicotinamide(0.037),パントテン酸(Ca:0.477),
VitaminB6(HCl:0.062),VitaminB2(0.038),VitaminB1(HC
l:0.337),CaCl2(2H2O:44.0),CuSO4・5H2O(0.0025),FeSO
4・7H2O(0.834),KCl(224.0),MgCl2(6H2O:122),"Proc.N
atl.Acad.Sci.USA,53,288(1965)" 以下同様である〕中
で、ハサミで裁断した。この裁断物を含む培地を37℃
で35分間浸透を行った(60rpm )。浸透後、このコ
ラゲナーゼ反応物中に塊状のものが見えなくなるまでピ
ペッティングを行い、DNase (10000 unit) 含有Ha
m's F12培地を添加し、5分間放置した。
【0049】放置後、得られた懸濁液をさらにピペッテ
ィングした後、ナイロンメッシュ(Nytex 157 mesh) で
濾過した。懸濁液をPBS(−)で希釈し、次いでこの
希釈した懸濁液に遠心処理を施した(4℃,400rpm
,5分間)。遠心後、上清を除いて脂肪分を系から除
去した。
【0050】次いで、残渣にPBS(−)を添加して懸
濁後、これにさらに遠心処理を施した〔(4℃,400
rpm ,5分間)×3回〕。この遠心操作により得られた
残渣が、ラットの背部皮膚における毛包である。
【0051】(2)毛包上皮系細胞の採取 上記操作により得られた毛包に、0.25%トリプシン
−0.02%EDTA含有PBS(−)を5mL添加し
て、細胞懸濁液を37℃で5分間インキュベートした。
【0052】インキュベート終了後、等量の0.1%ト
リプシンインヒビターとHam'sF12培地を添加し
て、細胞懸濁液をセルストレーナー(100 μm Nalgene
社製)で濾過後、この細胞懸濁液に遠心処理を施した
(4℃,1500rpm ,5分間)。この系から上清を除
去して、残渣として所望する毛包上皮系細胞を得た。こ
の毛包上皮系細胞に細胞凍結液(セルバンカー:ダイヤ
トロン製)を添加し、1.5×107 cell/mL の濃度に
調整して、各凍結チューブに1.5×107 cellずつ入
れ、これを凍結保存した。
【0053】2.毛包上皮系細胞の前培養:系に混入し
ている線維芽細胞を可能な限り系から除去するために、
上記工程により得られた毛包上皮系細胞の前培養を行っ
た。以下、その手順について説明する。
【0054】37℃の恒温槽で、上記工程により得た凍
結細胞を融解した。次いでFAD培地〔Ham's F1
2培地(後述)とMEN培地を容量比で3対1で混合し
たものに、インシュリン(5.0μg/mL),ハイドロコルチ
ゾン(0.45μg/mL),エピダーマルグロウスファクター
(EGF)(10.0ng/mL),コレラトキシン (10-9M)及びウシ
胎児血清(10 %) を含有させた培地、以下同様である〕
を添加し、細胞溶液を希釈して系に遠心処理を施した
(10℃以下,1500rpm ,5分間)。遠心後、上清
を除去し、系にFAD培地を添加して、細胞塊が認めら
れなくなるまでピペッティングを繰り返した。
【0055】次いで、FAD培地で細胞濃度が2.5×
105 cell/mL になるように調整した。I型コラーゲン
でコーティングした75cm3 の培養フラスコに細胞を播
種して、これを37℃,5%CO2 で一晩培養した。培
養後、系をPBS(−)で洗浄し、0.25%トリプシ
ン−0.02%EDTA含有PBS(−)を添加して、
これを37℃,5%CO2 で4分間インキュベートし
た。次に、系にトリプシン溶液と等量の0.1%トリプ
シンインヒビターを添加して、1回軽くゆすった後で上
清を除去して、系に混入している線維芽細胞を除去し
た。
【0056】さらに、系にKGM培地〔表皮角化細胞基
礎培地(Keratinocyto growth medium):Keratinocyto b
asal medium (KBM培地(改変MCDB153培地
(クローネティックス社製)))に,ウシ脳下垂体エキ
ス(BPE)(0.4vol%),インシュリン(0.5μm/mL),ハイドロ
コルチゾン(0.5μm/mL),h-EGF(0.1 ng/mL)を添加した培
地、以下同様である〕を添加し、37℃,5%CO2
3日間培養した。
【0057】3.対象物質のアッセイ 上記工程により得た毛包上皮系細胞を播種した培養フラ
スコの線維芽細胞混入率(FB混入率)を測定(300
0倍,5視野)し、その結果FB混入率が2%以上のも
のは、アッセイの対象から除外した。
【0058】系をPBS(−)で洗浄し、0.25%ト
リプシン−0.02%EDTA含有PBS(−)を添加
して、これを37℃で3分間インキュベートした。次い
で上皮系細胞と線維芽細胞とのトリプシンに対する反応
性の違いを利用して,系から線維芽細胞を除去するため
に、トリプシンを除去し、再び0.25%トリプシン−
0.02%EDTA含有PBS(−)を添加して、37
℃,20rpm で5分間振盪した。
【0059】次いで、細胞のはがれを顕微鏡下で確認し
た後、10%FBS含有DMEM培地を添加してピペッ
ティングを行い、系を1500rpm で5分間遠心処理を
施した。上清を除去し、KGM培地を添加して、細胞塊
がなくなるまでピペッティングを行った。
【0060】懸濁液をセルストレーナー(100 μm Nalg
ene 社製)で濾過後、懸濁液中の生細胞数を血球算定板
で算出し、系にKGM培地を添加して、系の中の細胞濃
度が2.0×104cell/mLになるように調整した。次い
で、0.2mL/well の割合で、96well-plate(I型コ
ラーゲンコーティングプレート:ファルコン社製)に播
種し(4.0×103cell/well)、細胞がウエルの底に
沈むまで約20分間室温下で放置した。その後、37
℃,5%CO2 で1日間培養を行い、所望するヒト毛包
上皮系培養細胞を得た。
【0061】C.試験培地の調製: (1)対象物質添加培地の調製 下記第1表に示す対象物質を培地全体に対して1.0×
10-17 〜1.0×10-4 mol/L,溶媒(DMSO)
濃度が0.1%となるように、前記KBM培地に添加し
た。
【0062】
【表1】
【0063】(2)コントロール培地の調製 ・ネガティブコントロール:KBM培地に、DMSO
(溶媒)を最終濃度が0.1%となるように添加した培
地を調製した。 ・ポジティブコントロール:ネガティブコントロール培
地に、最終濃度が5μg/mLのインシュリン,0.5μg/
mLのハイドロコーチゾンを添加して調製した。
【0064】D.対象物質培地交換:上記A,Bにおい
てヒト毛包上皮系培養細胞及びラット毛包上皮系培養細
胞を調製した96well-plate中のKGM培地を、対象物
質添加培地及びコントロール培地(200μl/well)と
交換して、交換後37℃,5%CO2 で2日間培養し
た。
【0065】なお、この培地の交換はウエル内のKGM
培地を,底面に付着している細胞を傷つけないように留
意しつつマルチピペットで抜いて、その後速やかに対象
物質添加培地等をウエルの両端から添加することにより
行った。
【0066】E.細胞増殖の測定:アラマーブルー(ala
mar blue:アラマーバイオサイエンス社製) を培地量
(容量)に対して、1/10量を添加して、37℃(5
%CO2 )で6時間インキュベートした。インキュベー
ト後、系の595nm及び570nmでの吸光度をマイクロ
プレートリーダー(Micro plate reader:Bio RAD社製)
を用いて測定し、下記計算式に従って細胞増殖度を算出
し、有意差検定を行った。
【0067】
【数1】
【0068】F.結果:測定した上記各対象物質につい
て、ネガティブコントロールに対して有意な毛包上皮系
細胞増殖促進効果が認められた濃度〔LOG〕を下記第
2表に示す。
【0069】
【表2】
【0070】この結果より、対象物質である上記各糖グ
リセリドについて、低濃度で、毛包上皮系培養細胞の増
殖活性が確かに認められた。すなわち、上記糖グリセリ
ドには毛髪上皮系細胞の***増殖活性の維持による、毛
髪における成長期の維持,延長作用が認められることが
明らかになった。
【0071】G.毛幹の伸長の検討(二次スクリーニン
グ) さらに、下記第3表に示す対象物質について、毛髪伸長
効果を検討した。
【0072】
【表3】
【0073】ヒト毛包の器官培養 実体顕微鏡下でマイクロせん刃を用いて、ヒトの頭皮か
ら成長期の毛包を単離した。単離した毛包は「Williams
E培地(Gibco)にペニシリン,ストレプトマイシ
ン及びファンギゾン(Fungizone)を加えた培地」(以
下、(−)培地ともいう)で洗浄した後に長さを測定
し、この(−)培地にさらに10ng/mL のヒドロコーチ
ゾン,10μg/mLのインスリン,10ng/mL のナトリウ
ムセレナイト及び10μg/mLのトランスフェリンを添加
した培地(以下、(+)培地ともいう)(24穴のマイ
クロプレート使用:1穴当り1mL)中に沈ませて、5%
CO2下,37℃で一晩培養した(前培養)。この前培
養後に再度培養した毛包の長さを測定して、伸長が0.
25mm以上の毛包を選択して、その伸長の程度が均等に
なるように9本ずつの3群に分けた。毛包における毛幹
の伸長は、上記のマイクロプレートをミクロメーターを
装着した倒立顕微鏡を用いて目視で観察した。
【0074】対象物質の評価 対象物質である上記各糖グリセリドを最終濃度が1.0
×10-5 mol/L(DMSO0.1%)となるように、
(−)培地に対象物質のDMSO溶液を添加して調製し
た。また、同時に(−)培地に有機溶媒(DMSO)を
最終濃度が0.1%になるように添加した培地(コント
ロール培地)を調製した。
【0075】前述した3つの毛包群の培地を、上記の培
地にそれぞれ交換し、さらに5日間5%CO2 下,37
℃で培養した。培養開始5日目のそれぞれの毛包の長さ
を測定し、コントロール群と対象物質添加群との毛包に
おける毛幹の伸長を比較した。その結果を第4表に示
す。
【0076】
【表4】
【0077】この結果より、上記糖グリセリドは、毛包
上皮系細胞の増殖を促進するのみならず、毛包における
毛幹の伸長を促進し、毛包器官において調和のとれた毛
髪成長期延長効果を有することが明らかになった。以
下、本発明育毛剤の処方を実施例として示し、さらにこ
れらの育毛効果の検討を行った。
【0078】〔実施例1〕 液状育毛剤の調製 リノール酸ガラクトシルグリセリド0.01%及びオレ
イン酸ガラクトシルグリセリド0.01%
【化4】 を、70%エタノール90%、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸0.49%、硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40
モル)付加物0.5%及びイオン交換水(残余)と攪拌
混合して溶解させた。さらにイオン交換水(10%)を
添加混合して、液状の育毛剤を得た。この液状の育毛剤
の処方において、リノール酸ガラクトシルグリセリド及
びオレイン酸ガラクトシルグリセリドを除去して調製し
た液状の剤を比較例1として調製した。
【0079】〔実施例2〕 液状育毛剤の調製 パルミチン酸ガラクトシルグリセリド0.02%を、7
0%エタノール90%、ドデシルベンゼンスルホン酸
0.49%、硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モ
ル)付加物0.5%及びイオン交換水(残余)と攪拌混
合して溶解させた。さらにイオン交換水(10%)を添
加混合して、液状の育毛剤を得た。
【0080】〔実施例3〕 乳液状育毛剤の調製 以下の処方により、乳液状の育毛剤を調製した。 配合成分 配合量(重量%) (A相) リノール酸ガラクトシルグリセリド 1.0 ポリオキシエチレン(60モル)付加硬化ヒマシ油 2.0 グリセリン 10.0 ジプロピレングリコール 10.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 ポリエチレングリコール1500 5.0 (B相) セチルイソオクタネート 10.0 スクワラン 5.0 ワセリン 2.0 プロピルパラベン 2.0 (C相) カルボキシビニルポリマー1%水溶液 30.0 ヘキサメタリン酸ソーダ 0.03 イオン交換水 8.35 (D相) イオン交換水 4.5 (E相) KOH 0.12 イオン交換水 5.0
【0081】<製造方法>A相、B相をそれぞれ60℃
で加熱溶解し、混合してホモミキサー処理しゲルを作
り、これにD相を徐々に添加しホモミキサーで分散し
た。次にこれに溶解したC相を加え、最後に溶解したE
相を添加しホモミキサーで乳化してO/W乳液型の育毛
剤を得た。
【0082】〔実施例4〕 クリーム状育毛剤の調製 以下の処方により、クリーム状の育毛剤を調製した。 配合成分 配合量(重量%) (A相) 流動パラフィン 5.0 セトステアリルアルコール 5.5 グリセリルモノステアレート 3.0 EO(20モル)−2−オクチルドデシルエーテル 8.0 プロピルパラベン 0.3 香料 0.1 (B相) リノール酸ガラクトシルグリセリド 5.0 グリセリン 8.0 ジプロピレングリコール 20.0 ポリエチレングリコール4000 5.0 ドデシル硫酸ナトリウム 0.1 ヘキサメタリン酸ソーダ 0.005 イオン交換水 39.995
【0083】<製造方法>A相、B相をそれぞれ加熱溶
解し混合し、ホモミキサーで乳化してクリーム状の育毛
剤を得た。
【0084】〔試験例2〕 本発明育毛剤の育毛作用の
検討 本発明育毛剤の脱毛防止、発毛効果等の育毛作用を調べ
るために、ヒトに対して、以下の方法でトリコグラム試
験を実施した。被験試料及び対照試料は、実施例1〜4
の本発明育毛剤、比較例1の剤及び70%エタノールで
ある。
【0085】試験方法 上記試料の使用前と使用後の抜去毛髪の毛根を顕微鏡下
で観察し、毛根の形態から,成長の止まった毛の毛根で
ある「休止期毛根」数(脱毛を訴える人は正常な人より
もこの休止期毛根の割合が多いことが認められている)
を計数し、その割合の増減によってこれらの試料の育毛
作用を比較した。
【0086】すなわち、被験試料及び対照試料をそれぞ
れ男性被験者10名の頭皮に1日2回,1回2mLずつ6
カ月間連続して塗布し、塗布直前及び6カ月間塗布終了
直後に被験者1名につき100本ずつ毛髪を抜去し、そ
れぞれの毛根を顕微鏡下で観察した。また、上記試料に
おける育毛効果が有効か無効かに関する実使用テストを
行った。これらの試験の結果を、下記第5表に示す。
【0087】
【表5】
【0088】この第5表の結果から、糖グリセリドであ
るリノール酸ガラクトシルグリセリド、又は、パルミチ
ン酸ガラクトシルグリセリド、又は、リノール酸ガラク
トシルグリセリド及びオレイン酸ガラクトシルグリセリ
ドを有効成分として配合した本発明育毛剤には、これら
の糖グリセリドの毛髪成長期延長効果に基づく育毛効果
が認められることが明らかになった。また、上記の糖グ
リセリド以外の糖グリセリドについても、同様の毛髪成
長期延長効果が認められたことから、これらの糖グリセ
リドを有効成分として配合した本発明育毛剤において
も、上記の実施例と同様に育毛効果が認められることは
明らかである。
【0089】
【発明の効果】本発明により、毛髪伸長の促進をするこ
とによって毛周期における成長期を維持又は延長する育
毛剤が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 千加 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株式会社資生堂 第1リサーチセンター 内 (72)発明者 鈴木 順 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株式会社資生堂 第1リサーチセンター 内 (72)発明者 相馬 勤 神奈川県横浜市金沢区福浦2丁目12番1 号 株式会社資生堂 第2リサーチセン ター内 (72)発明者 田島 正裕 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株式会社資生堂 第1リサーチセンター 内 (72)発明者 野原 稔弘 熊本県熊本市長嶺町2861−27 (56)参考文献 特開 平7−304635(JP,A) 特開 平11−92343(JP,A) 特開 平11−92341(JP,A) 特開 平10−120531(JP,A) 特開 平1−299209(JP,A) 特開 昭63−201114(JP,A) 特開 昭59−172411(JP,A) 特開 昭59−152308(JP,A) 特開 昭59−141514(JP,A) 特開 昭59−27809(JP,A) 特開 平10−298039(JP,A) 特開 平3−206020(JP,A) 特開 平10−77207(JP,A) 特開 平9−38478(JP,A) 特開 平6−154575(JP,A) 特開 平4−103594(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)で表される糖グリセリドを
    有効成分として含有する育毛剤。 【化1】 [式中、R1は、糖残基であり、R2及びR3は、同一で
    あっても互いに異なっていてもよく、水素原子、飽和脂
    肪酸残基、又は、ゴンドイン酸残基を除く不飽和脂肪酸
    残基であり、かつ、R2及びR3の双方、又は、いずれか
    一方は、飽和脂肪酸残基、若しくは、ゴンドイン酸残基
    を除く不飽和脂肪酸残基である]
  2. 【請求項2】 糖グリセリド(I)における不飽和脂肪
    酸残基が、式(II) Cnm2 (II) [式中、6≦n≦28、n+1≦m≦2n−2である]
    で表される不飽和脂肪酸残基である、請求項1記載の育
    毛剤。
  3. 【請求項3】 糖グリセリド(I)における不飽和脂肪
    酸残基が、ヒドロソルビン酸、ウンデシレン酸、ドデセ
    ン酸、トリデセン酸、ヘプタデセン酸、ペトロセリン
    酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノ
    ール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、エイコセン
    酸、エイコサトリエン酸、エルカ酸、ドコサジエン酸、
    ドコサトリエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタ
    エン酸、アラキドン酸、ネルボン酸及びドコサヘキサエ
    ン酸からなる群の不飽和脂肪酸の残基から選ばれる、請
    求項1記載の育毛剤。
  4. 【請求項4】 糖グリセリド(I)における不飽和脂肪
    酸残基が、ペトロセリン酸、オレイン酸及びリノール酸
    からなる群の不飽和脂肪酸の残基から選ばれる、請求項
    1記載の育毛剤。
  5. 【請求項5】 糖グリセリド(I)における不飽和脂肪
    酸残基が、シス型の不飽和脂肪酸残基である、請求項1
    〜4のいずれかに記載の育毛剤。
  6. 【請求項6】 糖グリセリド(I)における飽和脂肪酸
    残基が、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリ
    ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ア
    ラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸及び
    ヘプタコサン酸からなる群の飽和脂肪酸の残基から選ば
    れる、請求項1〜5のいずれかに記載の育毛剤。
  7. 【請求項7】 糖グリセリド(I)における糖残基が、
    ガラクトース、グルコース又はフルクトースの糖残基で
    ある、請求項1〜6のいずれかに記載の育毛剤。
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