JP3494954B2 - 化粧料組成物、並びに、そのパック剤および浴用剤 - Google Patents

化粧料組成物、並びに、そのパック剤および浴用剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シソ科植物である
シソ(Perilla frutescens Britton var.acutaKudo)
の抽出物と、タンパク分解酵素のパパインを処方中に組
み合わせて配合する化粧料組成物の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】化粧行為は、思春期以降の女性が等しく
なすもので、美肌を保つ方法には、小ジワの予防と改
善、シミの予防と改善があり、このために種々の化粧料
が開発されている。化粧料においては、医薬品の場合と
同様に、予防、改善すべき体のトラブルの原因の特定が
不可欠であり、そしてそのトラブルの原因を予防し、ト
ラブル状態を改善できる作用成分の配合により、目的に
沿う化粧料を作製するが、小ジワやシミが肌に発生しな
いようにすることも重要なことである。しかし、小ジワ
やシミの場合には、加齢という共通原因以外の、比較的
早い年齢に発する小ジワ、シミの原因が分からず、また
紫外線曝露以外の加速原因も特定されていない。この様
な不安定な処方作製基盤による化粧料は、好結果をもた
らし得ず、従来技術による化粧料を用いての美肌追求
は、いたずらに化粧年齢の女性の不安と不満を高めてい
る。小ジワはいうまでもなく、皮膚表皮の角化角解のア
ンバランス、過角化によるが、これは結果であって、原
因は諸説あるものの確定できず、予防、改善の方法も決
め手がない。
【0003】従来、小ジワやシミの防止には、レチノイ
ド関連物質を内服あるいは塗布することが知られてい
る。また、シミについては、小ジワ以上にその原因が分
からず、従来技術の化粧料において、予防・改善の効果
は期待できないが、シミは皮膚におけるメラニン色素の
拡散であることから、化粧料の対応は、メラニン色素の
生成に関与しているチロシナーゼ酵素の抑制能をもつ原
料を配合することも知られている。
【0004】なお、パパイン配合の化粧料は、特開平10
−182415号公報、特開平10−287528号公報、特開平10−
203994号公報等を提示することができるが、これらは、
パパインを多量の精製水に混入するもので、パパインが
水分と接触して加水分解をうけ、又は、昇温操作を受
け、タンパク分解能が低下しており、後述するように本
発明とは別異のパパインである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
レチノイド関連物質の内服あるいは塗布により、ある程
度の効果を得るが、これらの物質は細胞の分化に影響す
るため、皮膚の薄化をはじめ、好ましからぬ副作用が蓄
積され常用することができない。即ち、角化亢進への対
症手段として用いられるタンパク分解酵素は、表皮表面
のタンパク質の分解により、皮膚の滑らかさをもたら
し、使用後の滑らかな触感が実感できるため使用されや
すかった。しかし、角解すべき表皮の物理的除去を越え
て、表皮の必要タンパク質をも除去し、外界からの刺激
に対する防御能や免疫機能の低下を招きかねないという
問題点があった。また、化粧料の対応は、メラニン色素
の生成に関与しているチロシナーゼ酵素の抑制能をもつ
原料、即ち、抗チロシナーゼ活性が確認されている原料
を配合した化粧料の継続使用によって、シミの改善、縮
小、シミの拡大の防止等の顕著な効果は得られていない
という問題点があった。一般に、シミは現れる年齢、部
位が人によって異なり、シミの現れる背景には、複雑な
身体内外の要因が関わっているので、従来技術の最大公
約数的対策では、表皮に蓄積するメラニン色素の頻回物
理的除去に止まざるを得ない。
【0006】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
もので、一つの処方で、肌の角解の遅れる角化部分を効
率的に除去し、表皮の必要タンパク質を除去し過ぎず、
加えて、抗チロシナーゼ活性物質のメラニン色素拡散防
止効果を発現し、免疫機能低下等の副作用もない美肌効
果を期待できる化粧料組成物を提供することにある。
【0007】 上記の課題を解決するために、請求項
1の発明は、シソ科シソの抽出物と実質的に水分を含有
しない粉末または油性液体とを均一に混合した混合物を
乾燥処理してから、パパイヤの完熟前果実から採った分
泌物ラテックスを精製して 40000Pa.U.N./g 以上のタンパ
ク分解の活性量を有するパパインとし、前記シソ科シソ
を乾燥処理前の抽出液の状態で前記混合物に対して 0.1
5.0 重量%、および、前記パパインを最終製品に対し
0.1 3.0 重量%を混入したことを特徴とする化粧料組
成物である。請求項2の発明は、シソ科シソの抽出物と
実質的に水分を含有しない粉末または油性液体とを均一
に混合した混合物を乾燥処理してから、パパイヤの完熟
前果実から採った分泌物ラテックスを精製して40000Pa.
U.N./g以上のタンパク分解の活性量を有するパパイン
し、前記シソ科シソを乾燥処理前の抽出液の状態で前記
混合物に対して 0.1 5.0 重量%、および、前記パパイン
を最終製品に対して 0.1 3.0 重量%を混入した化粧料組
成物からなることを特徴とするパック剤である。請求項
3の発明は、 シソ科シソの抽出物と実質的に水分を含
有しない粉末または油性液体とを均一に混合した混合物
乾燥処理してから、パパイヤの完熟前果実から採った
分泌物ラテックスを精製して40000Pa.U.N./g以上のタン
パク分解の活性量を有するパパインとし、前記シソ科シ
ソを乾燥処理前の抽出液の状態で前記混合物に対して 0.
1 5.0 重量%、および、前記パパインを最終製品に対し
0.1 3.0 重量%を混入した化粧料組成物からなること
を特徴とする浴用剤である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者は、角解の遅れる角化部
分を効率的に除去するが、表皮の必要タンパク質を除去
し過ぎないタンパク分解酵素であるパパインを配合した
化粧料を得、加えて、抗チロシナーゼ活性物質のメラニ
ン色素拡散防止効果を発現し得る成分との併用を鋭意研
究検討したが、パパインとシソ抽出物の組合せを必須と
する化粧料組成物が、美肌効果を期待できることを実験
的に見い出して本発明に想到した。この化粧料組成物
は、パパインによる小ジワ現象である過角化表皮の除去
と、その除去によってシソ抽出物の作用効率の向上を伴
い、シミ予防と改善を一つの処方でなし得るものであ
る。
【0009】以下に本発明の好適な実施例を説明する
と、本実施例で用いるパパインは、パパイヤ(Carica pa
paya L.)の完熟前果実から採った分泌物ラテックスを、
常温で等量の純水で希釈し混合均一化して、第1次遠心
分離(5000rpm)、フィルタープレス濾過、第2次遠心分
離(10000rpm)、滅菌濾過などの操作を行い凍結乾燥した
もので、パパイン成分(ほぼ100重量%)のみの純品で他
の成分は含まれず、化粧品種別配合成分規格「パパイ
ン」に収載されている定量法に基づき、活性量を定量す
ると40000Pa.U.N./g以上の活性量を有するものであっ
た。また、前記パパインの乾燥の程度は、乾燥減量試験
法として「化粧品原料基準一般試験法8.乾燥減量試験
法」に従って行い、本実施例のパパインの約1gを精密
に量り、105℃で1時間乾燥するとき、その減量が採取
量の10.0%以下であった。
【0010】また、本実施例で使用するシソは、シソ科
シソ(Perilla frutescens Brittonvar.acuta Kudo)又は
その他近縁植物(Labiatae)の葉、枝先である。本発明に
用いるシソ抽出物は、これらを溶媒で抽出したもので、
化粧品種別配合成分規格に適合したものであるが、本実
施例で使用したシソ抽出物は、80%の希釈したエタノー
ル500lにシソ科シソの葉50kgを浸漬し、40℃に加熱して
48時間静置してシソ成分を溶解抽出した抽出液を70%に
濃縮し濾過したものであり、シソ成分が水およびエタノ
ールに溶けているが、シソ抽出物の水およびエタノール
に溶解している成分は、ペリルアルデヒド、タンニン、
d-リモネン、ロズマリン酸が含まれており、特に、美白
効果があるとされるロズマリン酸は2.1mg/mlであった。
【0011】シソ抽出物の作用としては、抗チロシナー
ゼ作用、抗炎症作用、抗菌作用、抗アレルギー作用など
が知られており、何れも美肌の維持に好ましいことであ
り、抗チロシナーゼ作用に限っていえば、シソ抽出物の
活性は必ずしも高くなく、同じ生薬抽出物の杏仁抽出物
の47%程度であり、枳実、丁子の抽出物と同程度で、桃
仁抽出物の65%に止まるが、パパインとの組合せによ
り、シソ抽出物の作用効率が向上し、既知の作用と共
に、抗チロシナーゼ作用の活用を計られることを見出し
て、これを化粧料としたことを本発明の本質としたもの
である。なお、本発明に適用する化粧料の基材は、製剤
化の前後において、パパインのタンパク分解能の低下が
無ければ、剤型の如何を問わないが、パパインの配合量
は最終製品の状態で0.1重量%以下では上述した作用・
効果が期待できず、また、3重量%以上ではパパインの
反応が過剰で皮膚への負担が大きくなるので、パパイン
の配合量は最終製品の状態で0.1〜3.0重量%程度が好ま
しい。また、シソ抽出物も後述する乾燥処理前の抽出液
状態で、0.1重量%以下では上述した作用・効果が期待
できず、5.0重量%以上ではシソ抽出物に含まれる溶媒
の僅かな残量による刺激臭やパパインのタンパク分解能
の低下を来すので0.1〜5.0重量%が好ましい。
【0012】 以下、本発明の化粧料組成物を、パッ
ク剤に用いられた場合の実施例を次に示す。 (1)成分割合および製造方法 実施例1〜3および比較例1の成分割合は以下のとおり
であり、何れも化粧品種別許可基準に規定されている規
格および基準に適合している。 [実施例1] タルク ・・・・ 30.0(重量%以下同) グリセリン ・・・・ 8.0 オリーブ油 ・・・・ 2.5 ポリオキシエチレン ソルビタンモノラウリン酸エステル(EO40) 1.0 シソ抽出物(液体) ・・・・ 1.0 カオリン 残り 合計 100.0 上記の成分を均一に混合し、過剰な水分を取り除き、実
質的に水分を含まないように乾燥処理を行った後に放冷
する。実施例1は、この乾燥処理して放冷し、多少減量
した混合物98重量%に、パパインを2.0重量%を均一に
混入したものである。これは、シソ抽出物が基本的には
水とエタノールに溶けているが、水やエタノールはパパ
インのタンパク分解能の低下を来すので、パパインと混
合する前にシソ抽出液を含む混合物を乾燥処理して、水
とエタノールを実質的に含有しない状態としてからパパ
インと混合することによって、パパインのタンパク分解
能の低下を防いだものである。ただし、パパインを除く
成分が空気中の水分を多少吸収することは避けられない
が、極力、パパインが水に触れないようにするためであ
り、乾燥処理での乾燥の程度は、本実施例の前記混合物
を、60℃で1時間乾燥したとき、その減量が採取量の3.
0%以下であった。
【0013】 [実施例2] タルク ・・・・ 30.0(重量%以下同) グリセリン ・・・・ 8.0 オリーブ油 ・・・・ 2.5 ポリオキシエチレン ソルビタンモノラウリン酸エステル(EO40) 1.0 シソ抽出物(液体) ・・・・ 0.7 カオリン 残り 合計 100.0 実施例2は、上記の成分を実施例1と同様の方法で乾燥
処理した混合物99重量%に、パパインを1.0重量%を均
一に混入したものである。
【0014】 [実施例3] タルク ・・・・ 30.0(重量%以下同) グリセリン ・・・・ 8.0 オリーブ油 ・・・・ 2.5 ポリオキシエチレン ソルビタンモノラウリン酸エステル(EO40) 1.0 シソ抽出物(液体) ・・・・ 0.7 カオリン 残り 合計 100.0 実施例3は、上記の成分を実施例1と同様の方法で乾燥
処理した混合物99.9重量%に、パパインを0.1重量%を
均一に混入したものである。
【0015】 [比較例1] タルク ・・・・ 30.0(重量%以下同) グリセリン ・・・・ 8.0 オリーブ油 ・・・・ 2.5 ポリオキシエチレン ソルビタンモノラウリン酸エステル(EO40) 1.0 シソ抽出物(液体) ・・・・ 0.7 カオリン 残り 合計 100.0 比較例1は、上記の成分を実施例1と同様の方法で乾燥
処理したもので、パパインは混入していないものであ
る。
【0016】(2)試験方法 被験者は、顔面に色素斑があり、顔面マッサージを行っ
た時にほてり感の自覚のある女性12名(33〜46才)を任
意に選び、3名ずつ4グループに分け、Aグループ、Bグ
ループ、Cグループ、Dグループとした。Aグループは実
施例1のパック剤、Bグループは実施例2のパック剤、C
グループは実施例3のパック剤、Dグループは比較例1
のパック剤をそれぞれ使用した。パック剤は用時等量の
ぬるま湯で練り、顔面に5分間塗布することとし、毎朝
1回塗布し期間は12週間とした。その間、他の美肌化粧
料の使用、ビタミンA,C,E、女性ホルモン等の服用を
禁止した。4グループについて、皮膚健常性(美肌)維
持のバロメータである皮膚の酸アルカリ中和能の推移
と、色素斑の皮膚の明度の改善度を調べた。また、顔面
マッサージを行った時に感じたほてり感についてもアン
ケート調査した。具体的には、皮膚機能低下の一現象で
ある皮膚の酸アルカリ中和能の劣化は、酸性状態(pH3.
0)及びアルカリ状態(pH8.0)から元の状態へ回復する
のに要する時間の遅れで判断できる。したがって、本試
験の前後に、被験者の頬を測定部位とし、pH値の変動に
より変色するpH指示薬を用いて色の変化を観察し、所用
時間を測定した。即ち、所用時間が如何に短縮されたか
でその作用・効果が推定できるものである。
【0017】試験液は、マッキルベイン緩衝液を用いて
pH3.0及びpH8.0を調製し、指示薬として、pH3.0にはブ
ロムフェノールブルー、pH8.0にはブロムチモールブル
ーを用いた。ブロムフェノールブルーはpH3.0で黄色に
呈色するが、pH4.6で青変し、ブロムチモールブルーはp
H8.0で青色に呈色するが、pH6.0で黄変する。この結果
を図1の表1、表1をグラフにした図2を示す。また、
色素斑の皮膚の明度は、予め被験者ごとに定めておいた
頬の部位を、色彩色差計(Minolta CR−300)により測
定することで比較した。測定は各3回行い、各グループ
毎の平均値とした。この結果を図3の表2に示す。な
お、単位は黒を0で白を100とした時の無単位の比較数値
で、数値の大きいほど白に近いことを表すものである。
更に、顔面マッサージを行った時に感じたほてり感の変
化については、被験者にアンケートを実施し、その結果
を図4の表3に示す。
【0018】(3)試験結果とその考察 先ず、図1の表1において、酸中和の所用時間が比較例
1では0.4分とパック剤を塗布しないときと殆ど差がな
いのに対して、実施例3、実施例2と確実に所用時間が
短縮され、実施例1では1分の短縮されている。同様
に、アルカリ中和の所用時間が比較例1では0.3分とパ
ック剤を塗布しないときと殆ど差がないのに対して、実
施例3、実施例2と確実に所用時間が短縮され、実施例
1では2.4分と大幅に短縮されている。次に、図3の表
2に示すように、皮膚の明度も色彩色差計(Minolta CR-
300)により測定した結果は比較例1では変化がないが、
実施例1から3の使用では比較例1に比べて各実施例の
使用によって、明らかに明度が向上していることが判
る。 さらに、図4の表3に示すように、皮膚のほてり
感は比較例1では変化がないが、各実施例では使用後で
は殆どほてり感はなく、わずかに、実施例3の使用では
ほてり感をもった被験者が1人いた程度であった。
【0019】次に、以下の本発明の化粧料組成物を浴
用剤に用いた実施例を説明する。 (1)成分割合および製造方法 実施例4、5および比較例2の成分割合は以下のとおり
であり、何れも化粧品種別許可基準に規定されている規
格および基準に適合している。 [実施例4] シソ抽出物(液体) ・・・・ 2.0(重量%以下同) 炭酸水素ナトリウム 残り 合計 100.0 上記の成分を均一に混合し、過剰な水分を取り除き、実
質的に水分を含まないように乾燥処理を行った後に放冷
する。実施例4は、この乾燥処理して放冷し多少減量し
た混合物99重量%に、パパインを1.0重量%を均一に混
入したものである。これは、実施例1から3と同様に、
シソ抽出液が基本的には水とエタノールを含有するが、
水やエタノールはパパインのタンパク分解能の低下を来
すので、パパインと混合する前にシソ抽出液を含む混合
物を乾燥処理するものであり、パパインを除く成分が空
気中の水分を多少吸収することは避けられないが、極
力、パパインが水に触れないようにするためであって、
水とエタノールを実質的に含有しない状態としてからパ
パインと混合することによって、パパインのタンパク分
解能の低下を防いだものである。なお、乾燥処理での乾
燥の程度は、本実施例の前記混合物を、60℃で1時間乾
燥するとき、その減量が採取量の2.0%以下であった。
【0020】 [実施例5] シソ抽出物(液体) ・・・・ 2.0 炭酸水素ナトリウム 残り 合計 100.0 実施例5は、上記の成分を実施例4と同様の方法で乾燥
処理した混合物99.9重量%に、パパインを0.1重量%を
均一に混入したものである。
【0021】 [比較例2] シソ抽出物(液体) ・・・・ 2.0 炭酸水素ナトリウム 残り 合計 100.0 比較例2は、上記の成分を実施例4と同様の方法で乾燥
処理したもので、パパインは混入していないものであ
る。
【0022】(2)試験方法 被験者は、上腕に色素斑があり、顔面マッサージを行っ
た時にほてり感の自覚のある女性9名(30〜45才)を任
意に選び、3名ずつ3グループに分け、Eグループ、Fグ
ループ、Gグループとした。Eグループは実施例4の浴用
剤、Fグループは実施例5の浴用剤、Gグループは比較例
2の浴用剤をそれぞれ使用した。浴用剤は20gを被験者
が入浴直前に湯船の180〜200lの温水に混入し、毎日20
分以上入浴し期間は18週間とした。その間、他の美肌化
粧料の使用、ビタミンA,C,E、女性ホルモン等の服用
を禁止した。3グループについて、皮膚健常性(美肌)
維持のバロメータである皮膚の酸アルカリ中和能の推移
と、色素斑の皮膚の明度の改善度を調べた。また、顔面
マッサージを行った時に感じたほてり感についてもアン
ケート調査した。皮膚の酸アルカリ中和能の劣化を調べ
るために、被験者の上腕を測定部位とし、試験液は、マ
ッキルベイン緩衝液を用いてpH3.0及びpH8.0を調製し、
指示薬として、pH3.0にはブロムフェノールブルー、pH
8.0にはブロムチモールブルーを用いた。ブロムフェノ
ールブルーはpH3.0で黄色に呈色するが、pH4.6で青変
し、ブロムチモールブルーはpH8.0で青色に呈色する
が、pH6.0で黄変する。ここで、皮膚の酸アルカリ中和
能の劣化状態は、酸性状態(pH3.0)及びアルカリ状態
(pH8.0)から元の状態へ回復するのに要する所用時間
が如何に短縮されたかを表わしたものであり、この結果
を図5の表4に示し、表4をグラフにした図6を示す。
また、色素斑の皮膚の明度は、予め被験者ごとに定めて
おいたの上腕の部位を、色彩色差計(Minolta CR-300)に
より測定することで比較し、測定は各3回行い、各グル
ープ毎の平均値とし、この試験結果を図7の表5に示
す。次に、顔面マッサージを行った時に感じたほてり感
の変化については、被験者にアンケートを実施し、その
結果を図8の表6に示す。
【0023】(3)試験結果とその考察 先ず、図5の表4において、酸中和の所用時間が比較例
2では0.4分と本浴用剤を使用しないときと殆ど差がな
いのに対して、実施例4、実施例5と確実に所用時間が
短縮され、実施例4では0.7分と短縮されている。同様
に、アルカリ中和の所用時間が比較例2では0.3分と本
浴用剤を使用しないときと殆ど差がないのに対して、実
施例4、実施例5と確実に所用時間が短縮され、実施例
4では1.5分とパック剤と比べて多少作用は劣るが確実
に短縮されている。図7の表5に示すように、皮膚の明
度も色彩色差計(Minolta CR-300)により測定した結果は
比較例2では変化がないが、実施例4から5の使用では
比較例2に比べて各実施例の使用によって、明らかに明
度が向上していることが判る。さらに、図8の表6に示
すように、皮膚のほてり感は比較例2では変化がない
が、各実施例では使用後では殆どほてり感はなく、わず
かに、実施例5の使用ではほてり感をもった被験者が1
人いた程度であった。
【0024】以上のように、本発明の実施例のシソ抽出
物とパパインの組合せを必須とする化粧料組成物、化粧
料組成物のパック剤、および、浴用剤は、タンパク分解
酵素であるパパインの美肌効果に加え、シソ抽出物の作
用効率の向上に伴う相乗効果により、皮膚の健常化を助
け美肌に貢献することが実験的に実証された。また、本
発明における試験はパック剤と浴用剤を単独に行って、
作用・効果を確認したが、勿論、パック剤と浴用剤を併
用使用し良く、この併用使用により本発明の効果をより
確実になることが実験により確認できた。したがって、
実際の使用においても、複数剤型の化粧料の併用使用が
より有効である。
【0025】なお、本発明の特徴を損なうものでなけれ
ば、上記の実施例に限定されるものではなく、例えば、
化粧料としてパック剤や浴用剤の他に洗顔剤に適用して
も良いことは勿論であり、また、化粧料の基材も実質的
に水を含まないものであればよい。即ち、浴用剤として
本実施例では基材を炭酸水素ナトリウムの粉末のみとし
たが、実質的に水を含まない、オリーブ油を追加しても
よい。更に、本実施例のシソ抽出物は、シソ科シソとし
たが、シソと同等の成分であれば他のシソ科のシソ、例
えばアオジソを用いてもよい。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の化粧料組
成物を使用すれば、タンパク分解酵素であるパパインの
美肌効果に加え、シソ抽出物の作用効率の向上に伴う相
乗効果により、皮膚の健常化を助け、美肌に貢献すると
いう効果が得られる。また、一つの処方で、肌の角解の
遅れる角化部分を効率的に除去し、表皮の必要タンパク
質を除去し過ぎず、加えて、抗チロシナーゼ活性物質の
メラニン色素拡散防止効果を発現し、免疫機能低下等の
副作用もない美肌効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパック剤による皮膚の酸アルカリ中和
能の変化の表1の図
【図2】表1をグラフにした図
【図3】本発明のパック剤による色彩色差計による皮膚
明度の変化の表2の図
【図4】本発明のパック剤による「ほてり感」の変化の
表3の図
【図5】本発明の浴用剤による皮膚の酸アルカリ中和能
の変化の表4の図
【図6】表4をグラフにした図
【図7】本発明の浴用剤による色彩色差計による皮膚明
度の変化の表5の図
【図8】本発明の浴用剤による「ほてり感」の変化の表
6の図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シソ科シソの抽出物と実質的に水分を含有
    しない粉末または油性液体とを均一に混合した混合物を
    乾燥処理してから、パパイヤの完熟前果実から採った分
    泌物ラテックスを精製して 40000Pa.U.N./g 以上のタンパ
    ク分解の活性量を有するパパインとし、前記シソ科シソ
    を乾燥処理前の抽出液の状態で前記混合物に対して 0.1
    5.0 重量%、および、前記パパインを最終製品に対し
    0.1 3.0 重量%を混入したことを特徴とする化粧料組
    成物。
  2. 【請求項2】シソ科シソの抽出物と実質的に水分を含有
    しない粉末または油性液体とを均一に混合した混合物を
    乾燥処理してから、パパイヤの完熟前果実から採った分
    泌物ラテックスを精製して40000Pa.U.N./g以上のタンパ
    ク分解の活性量を有するパパインとし、前記シソ科シソ
    を乾燥処理前の抽出液の状態で前記混合物に対して 0.1
    5.0 重量%、および、前記パパインを最終製品に対し
    0.1 3.0 重量%を混入した化粧料組成物からなること
    を特徴とするパック剤。
  3. 【請求項3】シソ科シソの抽出物と実質的に水分を含有
    しない粉末または油性液体とを均一に混合した混合物を
    乾燥処理してから、パパイヤの完熟前果実から採った分
    泌物ラテックスを精製して40000Pa.U.N./g以上のタンパ
    ク分解の活性量を有するパパインとし、前記シソ科シソ
    を乾燥処理前の抽出液の状態で前記混合物に対して 0.1
    5.0 重量%、および、前記パパインを最終製品に対し
    0.1 3.0 重量%を混入した化粧料組成物からなること
    を特徴とする浴用剤。
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