JP3494438B1 - 魚肉の改質方法 - Google Patents

魚肉の改質方法

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茂 大本
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Abstract

【要約】 【課題】 魚肉の形態を変えることなくアンモニアなど
の不快臭を除去する魚肉の改質方法および改質魚肉の提
供。 【解決手段】 鮫等の魚肉を水深200m以深の海洋深
層水帯に保持する魚肉の改質方法。魚肉を塩水好ましく
は海洋深層水中に加圧下好ましくは2000Pa以上の
圧力下において保持する魚肉の改質方法。塩水中の加圧
下で保持されて得られる加圧処理魚肉。海洋深層水また
は海洋深層水帯に保持して得られる海洋深層水処理魚
肉。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は魚肉の形態を変える
ことなくアンモニアなどの不快臭を除去する魚肉の改質
方法および改質魚肉に関する。
【0002】
【従来の技術】鮫は、鱶とも称せられ、そのヒレは中華
食材として珍重され、肝臓には高度不飽和脂肪酸の一種
であるスクワレンが含まれている。スクワレンは、新陳
代謝の促進、慢性的な諸病の改善、健康の増進などに効
果があり、健康食品などの原料として需要が多い。しか
し、その肉は、主としてアミン系に由来する独特の臭気
があるために食材として敬遠され、料理法として切り身
の酢味噌和えか酢漬けが主であり、その利用範囲が限ら
れている。食品加工業界でも、その肉は練り製品の増量
剤として使用するなどに限られている。鮫などの板鰓類
に属する魚は、筋肉中に多くの尿素やトリメチルアミン
オキサイドを含有し、死後にその鮮度の低下に伴って組
織中のウレアーゼや細菌による分解によって、アンモニ
ア臭やトリメチルアミン臭を生ずる。従来、特開平7−
31420号公報にはサメ肉を発泡剤と共にらい砕して
膀化させた後に加熱することによって脱臭する方法が開
示されているが、この方法は切り身のままで脱臭できな
い。特開2001−157563号公報には水洗によっ
て臭気を除いた後に水分を減少させて脱臭を完成させる
方法が開示されているが、水洗によって、本来保持する
旨味が取り去られてしまう。鮫肉は、脂肪が少なく、蛋
白質に富んでいるので、この特有の臭気さえなければ良
質の蛋白源として、食用に供することができるが、これ
らの肉から臭気を、少なくとも生食に差し支えがない程
度に除去する方法は、未だ開発されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決しようと
する課題は、上記の鮫肉の問題点をふまえて魚肉の形態
を変えることなくアンモニアなどの不快臭を除去する魚
肉の改質方法を提供することである。また、臭気により
敬遠された魚肉を不快臭のない鮮度のよい食材として提
供することである。、
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鮫などの
魚肉を水深200m以深の海洋深層水帯に保持すること
により魚肉の形態を変えることなくアンモニアなどの不
快臭を除去することを見出し、さらに研究の結果、本発
明の魚肉の改質方法および改質魚肉を完成するに至っ
た。
【0005】 本発明の魚肉の改質方法は、以下の
(1)〜(8)項である。 (1)魚肉を塩水中、水深200m以深の加圧下で保持
することを特徴とする魚肉の改質方法。 (2)塩水が海洋深層水である前記(1)項に記載の魚
肉の改質方法。 (3)塩水が水深200m以深の海洋深層水である前記
(2)項に記載の魚肉の改質方法。 (4)魚肉を水深200m以深の海洋深層水帯に保持す
る前記(1)項に記載の魚肉の改質方法。 (5)魚肉が鮫またはエイである前記(1)〜(4)項
のいずれか1項に記載の魚肉の改質方法。 (6)魚肉が鮫肉の切り身である前記(5)項に記載の
魚肉の改質方法。 (7)魚肉が凍結魚肉である前記(1)〜(6)項のい
ずれか1項に記載の魚肉の改質方法。 (8)魚肉の保持時間が0.5〜10時間である前記
(1)〜(7)項のいずれか1項に記載の魚肉の改質方
法。
【0006】 本発明の改質魚肉の製造方法は、以下の
(9)〜(12)項である。 (9)魚肉を塩水中、水深200m以深の加圧下で保持
することを特徴とする改質魚肉の製造方法。 (10)塩水が海洋深層水である前記(9)項に記載の
改質魚肉の製造方法。 (11)塩水が水深200m以深の海洋深層水である前
記(10)項に記載の改質魚肉の製造方法。 (12)魚肉を水深200m以深の海洋深層水帯に保持
する前記(9)項に記載の改質魚肉の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の魚肉の改質方法は、魚肉
を塩水中の加圧下で保持することを特徴とする。使用す
る塩水は海洋深層水が好ましく、より好ましくは水深2
00m以深の海洋深層水である。加圧下の保持は、水深
200m以深の加圧下が好ましい。また、魚肉を海洋深
層水帯に保持する方法も好ましく、水深200m以深海
洋深層水帯に保持するのがより好ましい。
【0008】本発明の魚肉の改質方法によって効果を期
待できる魚類は、鮫、エイなどの板鰓類である。具体的
には、ヨシキリザメ、モウカザメ、アオザメ、アブラザ
メ、ホシザメ、シュモクザメ、ヨゴレザメ、メジロザ
メ、マオナガ、ネズミザメが、エイとしてはハチワレ、
ニタリ、アカエイなどをあげることができる。本発明に
おいて鮫肉の切り身とは、漁獲したサメ類の魚体を3枚
におろして、頭部や要すれば胸ヒレなどを切断し、内蔵
や背骨を除去し、手動又は皮剥ぎ機によって皮を除去
し、必要に応じていくつかの部位に切断し、さらに適宜
の大きさに切り分けたもので、サメ肉フィレーとも称さ
れている。切り身には小骨が残存していても差し支えな
い。本発明においては、生肉のみならず凍結魚肉にも適
用でき、またこれを解凍したものも使用できる。
【0009】これらの魚肉の内蔵除去魚体、切り身など
を、海水が侵入できる容器に入れて、海面下200m以
深の海洋深層水層に所定時間保持する。保持時間は容器
の大きさ、保持場所の海面下の深さ、海域などにも若干
左右されるが、通常0.5〜10時間保持する。容器は
深層水が流通できる構造であれば大きさに限定はなく、
取扱いに便利な大きさの容器が好ましい。例えば深層水
が流通できる細かい孔を設けた容器が用いられる。空気
中の雑菌との接触を避けるために外気からの汚染が起こ
らない状態に保てる容器、すなわち容器の深層水が流通
部分は深層水が流通できるが空気を通さない布、和紙等
の材料を用いることが好ましい。容器を深層水に投下す
る際、使用する加工船は、それを引き揚げたのちに食品
加工工場として認められる環境の倉庫に保管することが
できる加工船を使用することが好ましい。倉庫環境は温
度が25℃以下で、つぎの工程の包装工場に引き渡すま
での時間は短い方が、臭気除去後の鮫肉を良好な状態で
保つために望ましい。加工船の倉庫に保管した鮫肉は、
通常の食品加工工場で実施されている無菌条件下におい
て腐敗菌の付着しない条件下、通常20℃以下の温度管
理のもとで包装し、これを冷蔵庫で貯蔵するか、冷凍庫
で冷凍貯蔵する。海洋深層水をいれた容器内で加圧保持
する方法としては、耐圧容器に魚肉1重量部に対し、海
洋深層水5〜100重量部を入れて容器を密閉し、加圧
し、0.5〜10時間保持する。
【0010】本発明により改質された鮫肉は、切り身に
して、刺身や洗いなどの生の状態で食しても、湯引きに
しても、臭気を感じることがなく、味も良好である。
又、他の調理法で、通常の白身魚と同様に、煮たり焼い
たりフライにしておいしく食することができ、干物や練
り製品としても利用可能である。
【0011】
【実施例】実施例により本発明をさらに詳しく説明す
る。
【0012】実施例1 八幡浜魚市場で入手した極めて鮮度のよいホシザメをト
ロール船冷蔵庫に格納し、実験海域である豊後水道南方
海域で三枚におろした。この肉質部分を細菌不透過の和
紙を内面に設けた10リットル容器(ステンレス製)に
格納し、底引き網漁船の装置を用いて水深1000m及
び2000mの深層水帯で、それぞれ保持時間1時間お
よび3時間の4条件で試験を行った。引き揚げた容器は
殺菌灯で環境を衛生的に良好な状態で保った室内で密閉
容器に移し、冷蔵状態を維持した後、試食試験を行っ
た。鮫の切り身を刺し身状にスライスして醤油を付けて
食したが、サメ肉特有の臭気をほとんど感じることな
く、おいしく食することができた。
【0013】実施例2〜3:八幡浜より入手した極めて
鮮度の良いホシサメを三枚に下ろし、肉質部分を採取し
た。得られた肉50gと足摺岬100 km沖、水深1000mで
採水した深層水 450 mlとを加圧装置に入れ、圧力1
8Mpa(水深約1800mに相当)、温度4℃において、1お
よび2時間保持した。表に示す時間加圧後、サメ肉を取
り出し、肉中のVBN(揮発性塩基窒素=アンモニア、ア
ミン類)含量をコンウェ微量拡散法で測定した。結果を
表1に示す。
【0014】実施例4 実施例2の海洋深層水の代わりに3%食塩水を用い、4
℃において、1時間加圧した。VBN含量測定結果を表1に
示す。
【0015】比較例 実施例2における加圧保持する前のサメ肉のVBN含量を
測定した。結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】実施例2〜4で得られた加圧処理されたサ
メ肉をさらに4℃で、3日、7日放置後のVBNを測定した結
果、VBN値は変化がなかった。無処理(比較例)のサメ
肉のVBNには増加が認められた。
【0018】
【発明の効果】実施例と比較例の結果から、本発明の魚
肉の改質方法によって、VBN発生の原因となる尿素やト
リメチルアミンオキサイドが除去されていることが明白
である。実施例で得られたサメの切り身を刺し身状にス
ライスして醤油を付けて食したが、サメ肉特有の臭気を
ほとんど感じることなくおいしく食することができた。
本発明により、魚肉の形態を変えることなくアンモニア
臭、トリメチルアミン臭などの不快臭が生食においても
感じない程度に改質することが可能となった。そのため
従来、不快臭があるために食材として敬遠されていた鮫
などの板鰓類に属する魚肉などが不快臭のない鮮度の保
たれた改質魚肉として提供できるようになった。本発明
において海洋深層水を用いた場合不快臭の除去効果に加
えて、その含まれるミネラルより得られる魚肉の食材と
しての効果がより高くなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−31420(JP,A) 特開 平10−313777(JP,A) 特開2001−157563(JP,A) 特開2001−231511(JP,A) 特許3188886(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/325

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚肉を塩水中、水深200m以深の加圧
    下で保持することを特徴とする魚肉の改質方法。
  2. 【請求項2】 塩水が海洋深層水である請求項1に記載
    の魚肉の改質方法。
  3. 【請求項3】 塩水が水深200m以深の海洋深層水で
    ある請求項2に記載の魚肉の改質方法。
  4. 【請求項4】 魚肉を水深200m以深の海洋深層水帯
    に保持する請求項1に記載の魚肉の改質方法。
  5. 【請求項5】 魚肉が鮫またはエイである請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の魚肉の改質方法。
  6. 【請求項6】 魚肉が鮫肉の切り身である請求項5に記
    載の魚肉の改質方法。
  7. 【請求項7】 魚肉が凍結魚肉である請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載の魚肉の改質方法。
  8. 【請求項8】 魚肉の保持時間が0.5〜10時間であ
    る請求項1〜7のいずれか1項に記載の魚肉の改質方
    法。
  9. 【請求項9】 魚肉を塩水中、水深200m以深の加圧
    下で保持することを特徴とする改質魚肉の製造方法。
  10. 【請求項10】 塩水が海洋深層水である請求項9に記
    載の改質魚肉の製造方法。
  11. 【請求項11】 塩水が水深200m以深の海洋深層水
    である請求項10に記載の改質魚肉の製造方法。
  12. 【請求項12】 魚肉を水深200m以深の海洋深層水
    帯に保持する請求項9に記載の改質魚肉の製造方法。
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