JP3494390B2 - ガラス光学素子の製造方法 - Google Patents

ガラス光学素子の製造方法

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JP3494390B2 JP16024195A JP16024195A JP3494390B2 JP 3494390 B2 JP3494390 B2 JP 3494390B2 JP 16024195 A JP16024195 A JP 16024195A JP 16024195 A JP16024195 A JP 16024195A JP 3494390 B2 JP3494390 B2 JP 3494390B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学機器に使用される
レンズ等のガラス光学素子の製造方法に関し、特に熔融
ガラスを直接プレス成形してガラス光学素子を得る方法
(ダイレクトプレス法)に関する。本発明の方法は、ダ
イレクトプレス法における成形工程の所要時間を短縮し
て、ガラス光学素子の生産効率を向上させることができ
る方法である。
【0002】
【従来の技術】ガラスを精密プレス成形して、プレス後
に研磨することなくガラス光学素子を得る方法が近年盛
んに行われている。しかし、その多くは、予備加工する
ことにより予め用意した所定の形状及び容量の表面が平
滑なガラス素材を、成形型と共に、或いは成形型とは別
々に加熱した後に加圧成形を行うものである。
【0003】精密プレス法に関する先行技術として、例
えば、特開平7−10556号(以下、先行技術1とい
う)がある。先行技術1は、ガラス成形品に割れや成形
不良が発生しないように、成形用型およびガラス素材を
温度制御する最適条件を設定した光学素子の成形方法を
開示する。上記の方法では、予備加工したガラス素材を
用意する必要があり、またそれを再加熱する必要があ
り、生産効率が高いとはいえない。そこで、最近、再加
熱等の工程を省いてより低いコストでガラス光学素子を
製造する方法として、熔融ガラスを直接プレス成形して
ガラス光学素子を得るダイレクトプレス法が試みられて
いる。
【0004】特開平2−258640号(以下、先行技
術2という)に記載の方法は、非酸化性雰囲気中で、熔
融ガラスを第1の熱加工治具で受ける工程、第1の熱加
工治具を反転させることにより熔融ガラスを第2の熱加
工治具に反転させて置換する工程、第2の熱加工治具で
熱変形により光学ガラス成形体を作製する工程、光学ガ
ラス成形体をプレス成形用金型で加熱加圧成形する工程
とを有するものである。この方法では熔融ガラスを比較
的低温の第1の熱加工治具で受けることにより、急冷さ
れるために樹紋と呼ばれるシワ状の面となる。このた
め、これを第2の熱加圧治具に反転して、ガラスが熱変
形する程度の高温に所定時間保つことによりシワを少な
くし、その後第2の熱加工治具(下型)とプレス成形用
金型(上型)でプレス成形を行う。
【0005】特開平3−60435号(以下、先行技術
3という)には、第1の熱加工治具で熔融ガラスを受け
てガラスゴブを作製し、第2の熱加工治具に該ガラスゴ
ブを接着させて反転し、ガラスゴブの表面張力により熱
変形させて光学ガラス成形体を作製し、次いでプレス成
形する方法が開示されている。
【0006】特開平6−144845号(以下、先行技
術4という)には、所定量の熔融ガラスを受け皿に供給
し、次いで熔融ガラスを受け皿上で、105 ポアズ以下
となる粘度に加熱するとともに、熔融ガラスの形状を平
坦化し、熔融ガラスを受け皿から非接触で(実施例では
受け皿を反転して)下型に供給する方法が開示されてい
る。
【0007】特開平6−340430号(以下、先行技
術5という)には、熔融されたガラスをオリフィスから
落下させる工程、該落下したガラスを、多孔質部材表面
からガスを噴出するように構成された水平方向に開閉す
ることのできる割型からなる第1型部材で受けて光学素
子予備成形体を得る工程、前記第1型部材を水平方向に
開くことにより光学ガラス素子予備成形体を第2型部材
に落下させる工程、第2型部材上に載置された光学ガラ
ス予備成形体をプレス成形して光学ガラス素子を得る工
程を有してなる光学ガラス素子の製造方法が開示されて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ダイレクトプレス法に
よる光学ガラス素子の製造方法は、基本的には以下の3
つの工程からなる。 熔融ガラスから所定容量のガラスゴブ(ガラスの塊)
を形成する工程(この工程では併せてガラスゴブの形状
を調整する)。 ガラスゴブの温度及び粘度を調整する工程。 ガラスゴブをプレス成形して得られるガラス成形体を
成形型から離型する工程。
【0009】のガラスゴブを形成する工程は、通常、
熔融ガラスを流出パイプから流下させ、受け型により受
けることにより行われる。1個のガラスゴブを形成する
に要する時間は流出パイプの径、ガラスの粘性、表面張
力等と必要とするゴブの重量によって決まり、重量が5
g以下程度のものは約2〜10秒である。一般にの工
程の所要時間は、上記時間に比べてはるかに長い。そこ
で、ゴブの生産スピードを遅くして、両者の所要時間を
合わせることが考えられるが、実際には、流出パイプの
径、ガラスの粘性、表面張力等で流下速度が決まるた
め、ゴブの生産スピードを極端に遅くすることは難し
い。
【0010】この点は、ダイレクトプレス法を実施する
際に、差し当たり問題となるにも係わらず、先行技術2
〜5は、ゴブの生産スピードが著しく速いこと、プレス
成形とのマッチングを取ることが難しいことについて言
及していない。
【0011】そこで、の工程の所要時間を上記の工
程の所要時間にある程度合わせることができれば、より
短時間に多数の光学ガラス素子を製造することが可能に
なる。即ち、ダイレクトプレス法は、高生産効率で光学
ガラス素子を製造できる可能性を秘めた方法である。し
かしながら、従来の方法におけるの工程は、と同程
度の早いペースで1つの工程を行うことはできなかっ
た。
【0012】先行技術2の方法では、ガラス成形体にで
きた樹紋と呼ばれるシワを第2の熱加工治具(下型)上
で高温加熱し熱変形させて除去している。しかし、シワ
の除去には、ガラスが表面張力で自重変形する程度の高
温に長時間保持する必要がある。従って、上述のように
先行技術1では、シワの除去に長時間を要することか
ら、の工程の短縮ができず、ダイレクトプレス法の利
点を生かすことができない。さらに、上記温度は通常の
プレス温度よりかなりの高温であるため、成形型とガラ
スが長時間接触すると型の損傷を著しく促進し、長期の
使用には耐えれないという問題もある。先行技術3の方
法でも先行技術2と同様のシワの除去に長時間を要し、
の工程の短縮ができないという問題がある。
【0013】先行技術4の方法でも、受け皿上で105
ポアズ以下となる粘度に加熱して、シワや切断による表
面欠陥をガラスの表面張力により消滅させており、先行
技術2と同様に、の工程の短縮ができないという問題
がある。
【0014】それに対して先行技術5では、切断された
熔融ガラスの受け止めを多孔質部材表面から噴出するガ
スによって浮上させることにより行っている。これによ
り、ガラスゴブの表面のシワの形成を防止することは可
能であり、工程の短縮もある程度可能であると推察さ
れる。しかしながら、先行技術5の方法では、工程に
時間がかかるという問題がある。さらに、多孔質部材表
面でガラスゴブを安定して浮上させることは、必ずしも
容易ではないという点も、工程の短縮化とは別の観点で
問題である。
【0015】各先行技術における実施例に示された工程
及びの所要時間は以下のとおりである。先行技術2
の実施例では工程の所要時間が5〜20分間であり、
工程の所要時間が1〜2分間である。また、先行技術
4の実施例では工程の所要時間が2〜3分間であり、
工程のプレス時間は15秒間であるが、工程全体では
2〜3分間である。さらに、先行技術5の実施例では工
程の所要時間が約2分間であり、工程の所要時間が
約2分間である。
【0016】一方、前述のとおり、工程の所要時間
(1つのガラスゴブの生産に必要な時間)は約2〜10
秒である。この点について先行技術2〜5は、何ら言及
していないが、この事実から従来の方法でダイレクトプ
レス法を実施する場合、1つのガラスゴブ形成機に対し
て相当多数(15〜40個)の成形型等を用意する必要
があり、装置が大がかりとなり、生産コストも高くなる
はずである。特に、温度調節用の治具に比べて成形型の
コストは格段に高く、必要とする成形型の数に応じて生
産コストも上昇する。
【0017】以上のように、上記先行技術2〜5に記載
のガラスゴブのプレス成形法は、ダイレクトプレス法に
適したものではない。短時間に高精度のガラス成形品を
得るためには、特にの成形工程の所要時間を短縮でき
る方法が望まれる。
【0018】そこで本発明の目的は、熔融ガラスからガ
ラスゴブを生産するペースに、他の工程のペースを近ず
けて、より高い生産効率でガラス光学素子を製造するこ
とが可能な方法を提供することにある。特に本発明の目
的は、より短時間にガラスゴブをプレスしてガラス光学
素子を得られる成形工程を有するダイレクトプレス法の
提供にある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、熔融ガラスか
ら作成したガラス塊を室温に戻すことなくプレス成形し
てガラス光学素子を製造する方法であって、滴下または
流下する熔融ガラスの塊を下方から噴出する気流により
受け止めてガラス塊を形成する第1の工程、形成された
ガラス塊を、下方から噴出する気流により浮上保持しな
がら、ガラス粘度が105.5 〜109 ポアズに相当する
温度に調整する第2の工程、及び温度調整したガラス塊
を、前記ガラス塊のガラス粘度が108 〜1012ポアズ
に相当する温度であり、かつ前記ガラス塊の温度より低
い温度である一対の成形型で加圧し、次いで成形型を冷
却し、成形型の成形面近傍の温度が、ガラス粘度が10
13.4ポアズに相当する温度以下になった後に成形型から
ガラス成形体を離型する第3の工程を含むことを特徴と
するガラス光学素子の製造方法に関する。以下本発明に
ついて詳述する。
【0020】本発明のガラス光学素子の製造方法は、熔
融ガラスから熔融ガラス塊を得る工程(第1の工程)、
熔融ガラス塊の温度(粘度)をプレス成形に適した温度
に調整する工程(第2の工程)、及び得られた熔融ガラ
ス塊をプレス成形する工程(第3の工程)からなり、特
に第3の工程を上記条件で行うことを特徴とする。本発
明の製造方法では、プレス成形を上記条件で行うこと
で、1つのガラス塊をプレス成形するに要する時間を4
0〜100秒にすることができ、結果として、高い生産
効率でガラス光学素子を製造することができる。
【0021】第1の工程 第1の工程は、熔融ガラスからガラス塊を作成する工程
であり、具体的には、流出パイプから連続的に供給され
る熔融ガラスを、1つ1つの独立したガラス塊にする工
程である。前記ガラス塊は、球状またはマーブル状(球
を偏平した形状)にすることが好ましい。独立したガラ
ス塊を形成する方法としては、以下の3通りの方法が好
ましい。 流出パイプから流下する熔融ガラスを受け型で受ける
前又は受けている途中に、熔融ガラス流が自重と表面張
力で自然切断されることにより所望の重量のガラス塊を
得る方法。 流出パイプから流下する熔融ガラスを受け型で受ける
前又は受けている途中に、気体を吹きつけて風圧により
強制的に切断することにより所望の重量のガラス塊を得
る方法。 流出パイプから流下する熔融ガラスを受け型で受けた
後、該受け型を急速下降することにより、熔融ガラス流
を切断して所望の重量のガラス塊を得る方法。
【0022】上記〜の方法の特徴は、いずれもシャ
ーによる切断を行わないことである。上記〜の方法
によれば、熔融ガラス塊中に気泡や折れ込み脈等のシャ
ーによる切断欠陥を生じることがないという利点があ
る。熔融ガラスの温度は、流出パイプから流下する熔融
ガラスの粘度を考慮して適宜決定される。流下する熔融
ガラスの粘度は、流出パイプの径、ガラスの安定性、ガ
ラスの表面張力、糸引き等を考慮すると5〜50ポアズ
の範囲であることが適当である。また、ガラスが上記範
囲の粘度になる温度は、ガラスの種類によって異なる
が、例えば、800〜1100℃の範囲である。独立し
た熔融ガラス塊の重量は、最終製品であるガラス光学素
子の大きさに応じて適宜決定できる。また、使用するガ
ラスの種類も最終製品であるガラス光学素子に必要とさ
れる機能特性等を考慮して適宜決定できる。
【0023】上記方法により形成され、滴下または流下
する熔融ガラス塊は、下方から噴出する気流により受け
止め、かつ前記気流により受け止められたガラス塊は浮
上保持される。この受け止め及び浮上保持には、例え
ば、特開平2−14839号に記載の受け型を用いるこ
とができる。この受け型は、ガラス塊を受け止め、浮上
させるための凹部を有し、この凹部には、ガラス塊を浮
上させるための気体の吹き出し口が1つ又は複数設けら
れている。
【0024】さらに本発明では、特開平2−14839
号の成形型を改良して使用することもできる。即ち、改
良した受け型は、開口部内のガラス塊より下方に、ガラ
ス塊と当該開口部により閉塞空間を構成する。この空間
内に、下方より細穴から噴出する気流によりガラス塊を
開口部内に浮上させることができる。上記のように閉塞
空間を構成することにより良好な浮上が得られる。尚、
気流をガラス塊に下部中央部に集中させると、温度調整
を行う第2の工程でガラスを低粘性にした場合、下部中
央部に凹みを生じる。そこで、複数の細穴からガスを噴
出させることにより、ガラス塊の下部中央部に集中して
ガラス塊に凹みを生じることなく浮上させることができ
る。この受け型の凹部には、気体の吹き出しにより、ガ
ラス塊が非接触状態で保持される。
【0025】受け型の例を図1及び図2に示す。図1に
示す受け型(浮上装置)1は、ガラス塊2をガスにより
浮上させて保持するための開口部3とガスの通気口であ
る4を有する。開口部3にガラス塊2を浮上保持する。
図2は、上図は受け型(浮上装置)11の平面図であ
り、上図のX−X’断面図を下図として示す。但し、上
図ではガラス塊12は省略してある。図2に示す受け型
(浮上装置)11は、左右に分割可能な割り型15aと
15bとからなり、ガラス塊12をガスにより浮上させ
て保持するための開口部13があり、開口部13には複
数(本例では76個)の通気口14が設けられている。
複数の通気口14から吹き出すガスによってガラス塊1
2は、良好に浮上保持される。
【0026】また、気流に方向性を与えることによりガ
ラス塊を回転させながら浮上させることもできる。軟化
したガラス塊の回転方向及び回転数を制御することで、
ガラス塊の形状を所望の形状に変形させることができ
る。ガラス塊を水平方向に回転させると真円度が向上
し、垂直方向に回転させると真球度が向上する。
【0027】ガラス塊の浮上に用いるガスは、ガラス塊
の浮上軟化装置や成形装置の劣化の防止を考慮して適宜
選択することが好ましい。そのようなガスとしては、窒
素などの難反応性ガス、非酸化性ガスを挙げることがで
きる。さらに、若干の還元性成分の、例えば水素ガスな
どを窒素等に添加することも可能である。但し、浮上軟
化装置の材質が酸化被膜を作るもの、または酸化物を選
べば空気を用いてもよい。
【0028】気流の流量は、気流を吹き出す口の形状や
ガラス塊の形状及び重量等を考慮して適宜変更できる。
通常の場合、ガス流量は0.005〜20リットル/分
の範囲がガラス塊の浮上に適している。但し、ガス流量
が0.005リットル/分未満であると、ガラス塊の重
量が300mg以上の場合、ガラス塊を十分に浮上させ
ることができない場合がある。また、ガス流量が20リ
ットル/分を超えると、ガラス重量が2000mg以上
の場合でも、浮上軟化装置上のガラスが大きく揺れて、
加熱の際にガラス塊が意図しない形状に変化することが
あるからである。
【0029】浮上装置の材質は、成形時にわずかにガラ
スが接触したとしても、ガラス塊に不良、不具合を生じ
させない程度の耐熱性のものであれば特に限定されるも
のでない。例としては、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ
素、炭化タングステン、酸化アルミニウム、窒化チタ
ン、炭化チタン、酸化ジルコニウム、各種サーメット、
炭素、ステンレス鋼、石英ガラス、ガラス、各種耐熱金
属などがある。
【0030】通常の方法ではガラス塊が、その自重によ
って変形する程の低粘性域においては、加熱の際にガラ
ス塊を保持する装置とガラスの融着を防止するのは非常
に困難である。そこで本発明では、浮上装置の内部より
ガスを噴出し、ガラス塊を気流により浮上させること
で、装置面とガラス面の間にガスのレイヤーを形成し、
その結果、浮上装置とガラスが反応することなく、熔融
ガラスからガラス塊を作成することができる。またガラ
ス塊を回転させることで、より安定してガラス塊を浮上
させることができる。更にガラス塊の形状を維持しつつ
加熱軟化することができ、さらに、必要により所望の形
状に変形させることもできる。なお、ガラス塊の表面に
シワ等の表面欠陥がある場合であっても、気流により浮
上させることで、形状を整え、表面欠陥を消去すること
も可能であるが、気泡や折れ込み脈であるシャーマーク
についてはかなりの高温に軟化させても消すことはでき
ない。
【0031】第2の工程 第2の工程は、前記ガラス塊を下方から噴出する気流に
より浮上保持しながら、該ガラス塊の温度をガラス粘度
が105.5 〜109 ポアズに相当する温度に調整する工
程である。第1の工程において、1000℃前後の温度
の熔融ガラスがガラス塊となって急激に冷却される。そ
のため、ガラス塊の表面と内部では大きな温度分布が生
じる。そこで、第2の工程では、上記温度分布を解消す
るとともに、105.5 〜109 ポアズに相当する温度に
温度調整する。これにより、次のプレス工程において面
精度の良好なガラス光学素子を得ることができる。
【0032】温度調整により、ガラス粘度が105.5
アズ未満となると、後のプレス工程で面精度が得にくく
なる。また、温度調整により、ガラス粘度が109 ポア
ズを超えるとプレス成形の際の成形型の温度を高くしな
いと所定肉厚まで伸びなくなり、成形型の冷却に長時間
を要し、結果として成形のサイクルタイムが長くなる。
プレス工程において高い面精度を得るという観点、及び
プレス工程の時間短縮という観点からは、温度調整によ
り、ガラス粘度を106 〜108 ポアズに相当する温度
にすることが好ましい。
【0033】第2の工程は第1の工程の受け型をそのま
ま用いて、第1の工程と継続して行うことができるが、
ガラス塊を第1の工程の受け型から第2の受け型に移送
して行うこともできる。第1の工程の受け型から第2の
受け型へのガラス塊の移送は、例えば、第1の工程の受
け型を水平方向に開閉できる少なくとも2分割の割型と
し、この割型を開いて下方に設置した第2の受け型にガ
ラス塊を落下させることにより行うこともできる。尚、
2分割の割型の受け型には、別々に浮上用のガス導入管
が設けられていることが好ましい。上記落下法によれ
ば、吸着パット等での移送によるガラス塊の変形や温度
変化を防ぐことができる。さらに、第2の受け型上の中
央部に偏心することなく落下させるためにガイド手段を
設けることも有効である。
【0034】第2の工程で温度調整したガラス塊は、次
いで、成形型に移送される。温度調整したガラス塊の移
送は、第2の工程で用いた受け型を水平方向に開閉でき
る少なくとも2分割の割型とし、この割型を開いて下方
に設置した成形型の下型上にガラス塊を落下させること
により行うことが好ましい。尚、2分割の割型の受け型
には、別々に浮上用のガス導入管が設けられていること
が好ましい。上記落下法によれば、吸着パット等での移
送によるガラス塊の変形や温度変化を防ぐことができ
る。
【0035】第3の工程 第3の工程は、第2の工程で105.5 〜109 ポアズに
粘度を調整したガラス塊を、該ガラス塊のガラス粘度が
108 〜1012ポアズに相当する温度であり、かつ前記
ガラス塊の温度より低い温度である一対の成形型で加圧
し、次いで成形型を冷却し、成形型の成形面近傍の温度
が、ガラス粘度が1013.4ポアズに相当する温度以下に
なった後に成形型からガラス成形体を離型する工程であ
る。このプレス成形は、非等温プレス(プレス開始時の
温度:ガラス塊の温度>成形型の温度)とすることで、
短時間に、高面精度のガラス光学素子を得る。
【0036】ガラス塊の粘度は、105.5 〜109 ポア
ズ、好ましくは106 〜108 ポアズになるように温度
調整する。さらに、成形型の成型面近傍の温度は、ガラ
ス粘度が108 〜1012ポアズ、好ましくは109 〜1
12ポアズに相当する温度にする。上記温度条件で、1
0〜300kg/cm2 (好ましくは20〜200kg
/cm2 )の圧力で1〜60秒間(好ましくは2〜30
秒間)初期加圧を行い、その後加圧したまま、或いは減
圧し、或いは上型の自重のみ残してガラス粘度が10
13.4ポアズに相当する温度以下になるまで、20℃/分
以上、200℃/分以下の速度で冷却した後離型するこ
とが適当である。尚、冷却は初期加圧開始と同時に行っ
てもよい。
【0037】そして、同一装置内の別の場所で簡単なア
ニールを行うか、又は別装置にて精密なアニールを行
う。このようなプレス条件を選択することにより、良好
な面精度のガラス光学素子を非常に短い成形スピードで
製造することが出来、かつ等温プレス法(プレス開始時
の温度:ガラス塊の温度=成形型の温度)に比べて成形
型温度を低く保てるため、成形型が著しく長寿命にな
る。
【0038】第3の工程(プレス工程)においては、ガ
ラス光学素子の精密成形用の従来から公知の成形型を用
いることができる。例えば、母材として超硬合金、サー
メット、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を用い、表面に炭素
系膜(C−H結合を有するものを含む)、種々の炭化
物、窒化物、白金合金膜等の薄膜を形成して使用する。
またZrO2 、TiO2 を少量含んだCr2 3でもよ
い。
【0039】本発明の方法によれば、操作条件にもよる
が、各工程の所要時間は以下のとおりである。 第1の工程:2〜10秒 第2の工程:30〜80秒 第3の工程:40〜80秒
【0040】本発明の製造方法では、2〜10秒間隔で
ガラス塊を作製する第1の工程1つに対して、第2及び
第3の工程を2つ以上並列に設けることができる。即
ち、1本の流出パイプに対して、第1の受け型、第2の
受け型および成形型を複数用意して、ガラス塊の形成速
度に合わせて連続生産を行うことができる。例えば、第
1の工程の所要時間を10秒とし、第2及び第3の工程
の所要時間を40秒とする場合、第1の受け型、第2の
受け型および成形型をそれぞれ4つ用意することで、ダ
イレクトプレス法による連続生産が可能になる。
【0041】また、第1の工程の所要時間と第2及び第
3の工程の所要時間とを合わせず、第1の工程で形成し
たガラス塊の一部をプレスせずに、従来のリヒートプレ
スによるガラス光学素子の精密プレス成形を行うための
プリフォーム(予備成形体)等の製造に用いることもで
きる。例えば、第1の工程の所要時間を10秒とし、第
2及び第3の工程の所要時間を40秒とし、かつ第2及
び第3の工程を並列に2つ設けた場合、2つに1つのガ
ラス塊は並列に2つ設けた第2及び第3の工程に送り、
残りはプリフォーム等の製造に用いることができる。
【0042】第1〜3の工程は、いずれも非酸化性雰囲
気中で行うことが好ましいが、第1の工程を大気中で行
った後、第2及び第3の工程を非酸化性雰囲気中で行う
こともできる。その場合、非酸化性雰囲気に保った装置
の出入口に中継保持具を配し、中継保持具を介して非酸
化性雰囲気装置内にある第2の受け型に、ガラス塊を移
送することができる。また第1の工程を大気中で行った
後、非酸化性雰囲気装置内にある第2の工程の受け型に
ガラス塊を直接移送することもできる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明す
る。 実施例1 本実施例で用いたプレス装置の概略図を図3〜6に示
す。図3は、プレス装置20の内部の平面図である。図
4は図3のA−A’断面図であり、図5はB−B’断面
図であり、図6はC−C’断面図である。
【0044】図3に示すプレス装置20は、プレス室内
を密閉状態に維持するためのチャンバー21内に、熔融
ガラス流出パイブ22(但し、図3には図示せず)、タ
ーンテーブル23a及び23b、温度調整用ヒーター2
4a及び24b(但し、24a及び24bは上下1対の
ヒーターからなり、24aは下側のヒーター、24bは
上側のヒーターを図示する)、予熱用ヒーター25a及
び25b(但し、25a及び25bは上下1対のヒータ
ーからなり、25aは下側のヒーター、25bは上側の
ヒーターを図示する)、及び成形型50a及び50b
(但し、図3には図示せず)が収納されている。また、
チャンバー21内は、非酸化性雰囲気(例えば、窒素ガ
ス雰囲気)に維持される。
【0045】ターンテーブル23aは回転中心27aを
中心にして時計回りに回転し、ターンテーブル23b
は、回転中心27bを中心にして反時計回りに回転す
る。ターンテーブル23aには、水平方向に開閉できる
機構を有する2本のアーム301a及び302aが回転
中心27aを中心にして180°間隔で設けられてい
る。そして、各アームの先端には、2つに分割可能な受
け型(ガラス塊の浮上装置)が311a及び312aが
設けられている。ターンテーブル23bについても、タ
ーンテーブル23aと同様であり、水平方向に開閉でき
る機構を有する2本のアーム301b及び302bが回
転中心27bを中心にして180°間隔で設けられてい
る。そして、各アームの先端には、2つに分割可能な受
け型(ガラス塊の浮上装置)が311b及び312bが
設けられている。
【0046】図中、位置(I)(以下、ガラス塊形成ゾ
ーンという)には、熔融ガラス流出パイブ22があり、
図4に断面図として示されており、第1の工程が実施さ
れる。熔融ガラス流出パイブ22は、ガラス熔融炉(図
示せず)に接続されており、白金又は白金合金製である
(内径1.2mm、外径2.5mm)。また、受け型3
11bは、ステンレス鋼にクロムメッキしたものであ
り、ランパ状形状の凹部321bを有し、内面を鏡面仕
上げしてある。中心部には細孔331aがあり、下部か
ら窒素ガスを0.5l/min噴き上げるようにしてあ
る。受け型311bの周囲にはヒーター(図示せず)を
配し、第1工程では受け型を500℃に維持する。
【0047】位置(II)(以下、温度調整ゾーンとい
う)には、上下に温度調整用ヒーター24aがあり、図
5に断面図として示されており、第2の工程が実施され
る。位置(III)(以下、成形ゾーンという)には、成形
型50bがあり、図6に断面図として示されており、第
3の工程が実施される。位置(IV)(以下、予熱ゾーン
という)には、上下に予熱用ヒーター25aがあり、第
3の工程が終了し、次に第1の工程に使用される受け型
の予熱が実施される。
【0048】以下にバリウムホウケイ酸塩ガラス(転移
点534℃、屈伏点576℃)の成形例について説明す
る。尚、以下の説明では、装置の左側(符号にaを付し
た)と右側(符号にbを付した)の区別をせずに説明す
る。第1の工程 第1の工程は、ガラス塊成形ゾーン〔位置(I)〕にお
いて行われる。図4(符号に付したbは省いて説明す
る)に示すように、流出パイプ22の先端部(約100
0℃)から流下する粘度約15ポアズの熔融ガラス流を
流出パイプ先端の真近に配したノズル(不図示)により
3方向から高圧窒素ガスを瞬間的に矢印28の方向に吹
き付けることにより、風圧で熔融ガラス流を切断し、
0.5l/minの窒素ガスを噴出している受け型31
1(アーム301の先端に設けられた)に落下させた。
高圧ガスを吹き付けるタイミングを選ぶことにより、重
量0.4gのガラス塊40を安定して落下させることが
出来た。ガラス塊40は受け型311内で浮上して、回
転し真球になった。
【0049】第2の工程 第2の工程は、温度調整ゾーン〔位置(II)〕において
行われる。ターンテーブル23を90°回転して、ガラ
ス塊40を浮上させている受け型311を温度調整ゾー
ンに移動した。ガラス塊40は表面が急激に冷え、内部
は高温の温度分布が生じているので、図5(符号に付し
たaは省いて説明する)に示すように、ヒーター24で
の加熱により、ガラス粘度を106 ポアズ(699℃)
に調整した。
【0050】第3の工程 第3の工程は、成形ゾーン〔位置(III)〕において行わ
れる。ターンテーブル23を再度90°回転して、ガラ
ス塊40を浮上させている受け型311を成形ゾーンに
移動した。図6(符号に付したbは省いて説明する)に
示すように、成形型50は上型51と下型52とからな
り、上型51及び下型52はいずれも炭化ケイ素からな
り、成形面にそれぞれ硬質炭素膜が被覆されている。ま
た、成形型50はガラス粘度1011ポアズに対応する5
72℃に保たれている。
【0051】受け型上に浮上保持されたガラス塊40
は、ターンテーブル23の回転後直ちにアーム302の
開閉機構により受け型312を分割して、下型52上に
落下させ、受け型は直ちに後退させた。更に、直ちに上
型51を下降して150kg/cm2 の圧力で5秒間プ
レスし、その後圧力を30kg/cm2 に減圧してガラ
スの転移点534℃になるまで20秒間冷却ガスにより
強制冷却し、次いで離型した。成形されたガラス成形体
(レンズ)41は吸着パッド(図示せず)でプレス機構
の左又は右側に設けた簡易徐冷ゾーン(図示せず)で徐
冷し、出入口を介してプレス装置外に取出した。
【0052】離型後、成形型50は、直ちにヒーターに
より温度を572℃に回復させ、次のプレス成形に備え
た。一方、受け型312は再び閉じた状態にし、90°
回転して予熱ゾーン〔位置(IV)〕に移動して、500
℃に温度調整した。
【0053】各ゾーンにおけるアームの滞留時間は、ガ
ラス塊成形ゾーンを10秒、温度調整ゾーンを30秒、
成形ゾーンを10秒、予熱ゾーンを30秒とした。さら
に、各成形型における成形工程の所要時間は40秒とし
た。従って、左右それぞれの成形型で40秒に1つのペ
ースで成形体(レンズ)が得られた。
【0054】但し、左右のアームは、20秒間隔で、交
互に流出パイプ22の直下に、受け型を移動するように
操作した。尚、流出パイプ22から滴下間隔が10秒だ
ったのに対して、本装置でのレンズ生産スピードが左右
合わせて20秒に1個である。そのため、20秒の内の
10秒間は流出パイプの下に受け型が無い状態になるの
で、本装置では、図示していないが、ガラス滴の2個に
1個は、脇に捨てる機構を備えている。
【0055】本実施例では、左右の装置で異なる寸法の
レンズを作製した。右側の装置では、径7mmの両凸レ
ンズを40秒に1個作製し、得られたレンズは、ニュー
トン3本以内、アス1/2本以内であり、外観品質も良
好であった。また、左側の装置では、重量0.3gの径
6mmの両凸レンズを40秒に1個連続生産した。な
お、本実施例では左右で重量の異なるレンズを成形した
ため、風圧により、熔融ガラス流を切断したが、同一重
量のものを成形する場合は自重と表面張力による自然切
断を利用してもよい。
【0056】実施例2 本実施例で用いたプレス装置を図7〜9に示す。図7に
示すように、本プレス装置では、ガラス塊の製造機構を
構成するターンテーブル60とプレス機構を収納するチ
ャンバー70とは分離されている。図8は図7のD−
D’断面図であり、図9はE−E’断面図である。
【0057】第1の工程 ガラス塊の製造機構は、図7に示すようにロータリー式
のターンテーブル60を有し、図8に示すように、ター
ンテーブル60には、ステンレス鋼にクロムメッキを施
し鏡面にし、成形面に径0.3mmの細孔を76個設け
た第1の受け型(図2参照)61が8個設けられてい
る。上記細孔からは、空気を0.5l/min噴出させ
ている。熔融ガラス流出パイプ22から流下した熔融ガ
ラスを第1の受け型の急速降下による切断法により、重
量1.2gと1.5gのガラス塊40を交互に平均7.
5秒間隔で大気中で作製した。ターンテーブルを回転し
ながら連続して作るが、ガラス塊40はテイクアウト位
置62に来ると少なくともガラス表面は固化していた
(全体の平均粘性は1011ポアズ以上)。
【0058】第2の工程 一方、プレス機を収納するチャンバー70は、室全体が
非酸化性雰囲気(窒素ガス)で若干陽圧に保たれ、同一
機構が並列に4つある機構となっている。チャンバー7
0内の様子は、E−E’断面図である図9に示されてい
る。入口71は空気と窒素ガスの置換室となっており、
中継治具72(セラミックス製)が配備されている。先
端部にセラミック製吸着パッドの付いたテイクアウトロ
ボット80(図7参照)で1.2gのガラス塊は4つの
出入口71にある中継治具72に順次移送される。一
方、1.5gのガラス塊はパレット81(図7参照)上
に並べた。1.5gのガラス塊は表面欠陥のないマーブ
ル形状のガラス塊であり、従来のリヒートプレスによる
ガラス光学素子の精密プレス成形を行うためのプリフォ
ーム(予備成形体)として使用できる。
【0059】1.2gのガラス塊は入口71の中継治具
72に置くと、ただちにガス置換し、(ここで冷えるの
を防止するためにヒーター73が取り付けられてい
る)、支持台74を下降し、不図示のセラミック製吸着
パッドにより、前後移動及び開閉できるアーム75の先
端に取り付けられた割り型からなる第2の受け型76に
移送する。第2の受け型76は割型構造で窒素ガス導入
管が2ケ所にある以外は第1の受け型61と同様の構造
である。加熱ゾーン77は実施例1より高温に設定し、
ガラス粘度が108 ポアズに対応する温度(639℃)
まで急熱した。
【0060】第3の工程 上型53及び下型54は、それぞれタングステンカーバ
イドからなり、成形面にPt−Rh−Au−Ir合金膜
を被覆したものである。上型53及び下型54は、それ
ぞれ赤外線加熱ヒーター78によりガラス粘度が10
9.5 ポアズに対応する602℃に保たれている。第2の
受け型76上の温度調整されたガラス塊40は、上型5
3及び下型54でブレスした。プレス条件は、80kg
/cm2 の圧力で10秒間初期加圧し、その後圧力を2
0kg/cm2 に減圧した。またプレス開始と同時に雰
囲気ガスにより、ガラスの転移点534℃になるまで4
2秒間強制冷却し、次いで離型した。離型した成形体4
1は、不図示の吸着パッドで、簡易徐冷室へ移送し、そ
の後支持台79を上昇させて、出口から取り出した。
【0061】第2の受け型76はガラス塊40を下型5
4の成形面上に落下させると同時に後退し、次のガラス
塊を受取った。また、成形型の温度は離型と同時に60
2℃に回復させた。このようにして、それぞれのプレス
ゾーンで60秒に1個のスピードで欠陥がなく、高精度
の外径13mmの両凸レンズが成形された。プレス機全
体としては15秒に1個の生産スピードであった。その
他に、パレット81(図7参照)上には別のプレス機で
リヒートプレスを行うための1.5gの予備成形体が1
5秒に、1個のスピードで生産された。
【0062】実施例3〜12 表1に示す条件で実施例2の装置を用いてガラス成形体
を連続的に生産した。得られたガラス成形体の面精度及
び表面状態を表1に示す。尚、ガラス成形体の面精度
は、アク、くせが0.5本以下の場合を◎とし、アク、
くせが1本以下の場合を○とした。表面状態はいずれも
良好(◎)であった。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、熔融ガラスからガラス
ゴブを生産するペースに、他の工程のペースを近ずけ
て、より高い生産効率でガラス光学素子を製造すること
が可能な方法を提供することができる。特に本発明によ
れば、より短時間にガラスゴブをプレスしてガラス光学
素子を得られる成形工程を有するダイレクトプレス法を
提供することができる。
【0065】本発明は、熔融ガラスを極めて速い製造ス
ピードでダイレクトプレスし、高精度のガラス光学素子
を製造することを実現したものである。特に、好ましい
態様においては、流出パイプから流下する熔融ガラスを
シャーを用いない方法で切断することにより、シャー欠
陥をなくし、細孔から気体を噴出させた受け型で受ける
ことにより受け型とは接触させずに浮上させていること
により、シワや突起、受け型との接触による汚れ、ガラ
ス揮発物の付着を防ぎ、全表面を自由表面に保った状態
のガラス塊をガラス塊よりは低温の精密プレス成形用型
でプレスした。これにより外観品質が極めて良好で、ニ
ュートン3本アス0.5本以内の高面精度のレンズが極
めて速い生産スピードで得られた。また、本発明ではプ
レス軸ごとに重量や形状の異なるレンズを生産でき、さ
らにリヒートプレス用の予備成形体を同時に製造するこ
とも出来る画期的な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いた浮上装置の概略説明図であ
る。
【図2】 本発明で用いた浮上装置の概略説明図であ
る。
【図3】 実施例1で用いた成形装置の概略説明図であ
る。
【図4】 図3に示した成形装置のA−A’断面図であ
る。
【図5】 図3に示した成形装置のB−B’断面図であ
る。
【図6】 図3に示した成形装置のC−C’断面図であ
る。
【図7】 実施例2で用いた成形装置の概略説明図であ
る。
【図8】 図7に示した成形装置のD−D’断面図であ
る。
【図9】 図7に示した成形装置のE−E’断面図であ
る。
【符号の説明】
1、11 ・・・ 浮上装置 2、12 ・・・ ガラス塊 3、13 ・・・ 開口 4、14 ・・・ 通気口 15a、15b ・・・ 分割可能な割り型 20 ・・・ プレス装置 21 ・・・ チャンバー 22 ・・・ 熔融ガラス流出パイブ 23a、23b ・・・ ターンテーブル 24a、24b ・・・ 温度調整用ヒーター 25a、25b ・・・ 予熱用ヒーター 50a、50b ・・・ 成形型 60 ・・・ ガラス塊の製造機構を構成するターンテ
ーブル 70 ・・・ プレス機構を収納するチャンバー 71 ・・・ 出入口 72 ・・・ 中継治具 73 ・・・ ヒーター 74 ・・・ 支持台 75 ・・・ アーム 76 ・・・ 第2の受け型 80 ・・・ テイクアウトロボット 81 ・・・ パレット
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−345452(JP,A) 特開 平2−14839(JP,A) 特開 平6−340430(JP,A) 特開 平7−10556(JP,A) 特開 平2−196039(JP,A) 特開 平2−124727(JP,A) 特開 平6−16432(JP,A) 特開 昭61−53126(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 11/00 - 11/16

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熔融ガラスから作製したガラス塊を室温
    に戻すことなくプレス成形してガラス光学素子を製造す
    る方法であって、 滴下または流下する熔融ガラスの塊を下方から噴出する
    気流により受け止めてガラス塊を形成する第1の工程、 形成されたガラス塊を、下方から噴出する気流により浮
    上保持しながら、ガラス粘度が105.5〜109ポアズに
    相当する温度に調整する第2の工程、及び温度調整した
    ガラス塊を、前記ガラス塊のガラス粘度が108〜10
    12ポアズに相当する温度であり、かつ前記ガラス塊の温
    度より低い温度である一対の成形型の下型に前記浮上保
    持状態から落下させ、直ちに加圧成形する第3の工程を
    含むことを特徴とするガラス光学素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 第3の工程において、加圧開始後、成形
    型を冷却する請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 第3の工程において、ガラス粘度が10
    13.4 〜10 14.5 ポアズに相当する温度において成形型か
    らガラス成形体を離型する請求項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 第3の工程において、加圧開始後、ガラ
    スの転移点になるまで強制冷却し、次いで離型し、かつ
    離型後、直ちに成形型の温度を回復させる請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の製造方法
  5. 【請求項5】 第2の工程において、ガラス粘度が10
    6〜108ポアズに相当する温度にガラス塊の温度を調整
    し、第3の工程において、ガラス塊のガラス粘度が10
    8〜1012ポアズに相当する温度の成形型で前記ガラス
    塊を加圧する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 第1の工程において、ガラス塊を回転さ
    せながら浮上保持する請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の製造方法。
  7. 【請求項7】 第1の工程と第2の工程とを異なる受け
    型を用いて行い、第1の工程終了後に第2の工程の受け
    型にガラス塊を移送する請求項1〜のいずれか1項に
    記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 第3の工程に要する時間が40〜100
    秒である請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 第1の工程1つに対して、第2及び第3
    の工程を2つ以上並列に設ける請求項8記載の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 第1の工程で作製されたガラス塊の一
    部を第2及び第3の工程に送ることなく、プリフォーム
    の製造に用いる請求項8又は9記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 初期加圧後に、初期加圧より低圧で2
    次加圧を行う請求項1〜10のいずれか1項に記載の製
    造方法。
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