JP3493194B1 - 高圧放電ランプ - Google Patents

高圧放電ランプ

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JP3493194B1
JP3493194B1 JP2003308338A JP2003308338A JP3493194B1 JP 3493194 B1 JP3493194 B1 JP 3493194B1 JP 2003308338 A JP2003308338 A JP 2003308338A JP 2003308338 A JP2003308338 A JP 2003308338A JP 3493194 B1 JP3493194 B1 JP 3493194B1
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Abstract

【要約】 【課題】 優れた特性を示す高圧放電ランプを提供する
こと。 【解決手段】 一対の電極(12,12’)が対向して
配置された発光管10を備え、発光管10内には、少な
くとも水銀およびハロゲンが含まれており、かつ、発光
管10内に、Pt、Ir、Rh、Ru、Reからなる群
から選択される少なくとも1種の金属が存在する、高圧
放電ランプ100である。

Description

【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、高圧放電ランプに関する。特
に、一般照明や、反射鏡と組み合わせてプロジェクタ
ー、自動車の前照灯などの用途に使用される高圧放電ラ
ンプに関する。 【背景技術】 【0002】 近年、大画面映像を実現するシステムと
して液晶プロジェクタやDMDプロジェクタなどの画像
投影装置が広く用いられており、このような画像投影装
置には、高い輝度を示す高圧放電ランプが一般的に広く
使用されている。従来の高圧放電ランプ1000の構成
を図14に模式的に示す。図14に示したランプ100
0は、いわゆる超高圧水銀ランプである。 【0003】 ランプ1000は、石英ガラスから構成
された発光管(バルブ)110と、発光管110の両端
から延在する一対の封止部(シール部)120とを有し
ている。発光管110の内部(放電空間)には、発光物
質(水銀)118が封入されており、そして、タングス
テンを材料とする一対のタングステン電極(W電極)1
12が一定の間隔をおいて互いに対向して配置されてい
る。W電極112の一端は、封止部120内のモリブデ
ン箔(Mo箔)124と溶接されており、W電極112
とMo箔124とは電気的に接続されている。Mo箔1
24の一端には、モリブデンから構成された外部リード
(Mo棒)126が電気的に接続されている。なお、発
光管110内には、水銀118の他に、アルゴン(A
r)および少量のハロゲンも封入されている。 【0004】 ランプ1000の動作原理を簡単に説明
すると、外部リード126およびMo箔124を介して
W電極112、112間に始動電圧が印加されると、ア
ルゴン(Ar)の放電が起こり、この放電によって発光
管110の放電空間内の温度が上昇し、それによって水
銀118が加熱・気化される。その後、W電極112、
112間のアーク中心部で水銀原子が励起されて発光す
る。ランプ1000の水銀蒸気圧が高いほど画像投影装
置の光源として適しているが、発光管110の物理的耐
圧強度の観点から、15〜20MPa(150〜200
気圧)の範囲の水銀蒸気圧でランプ1000は使用され
ている。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 上記従来のランプ1000は、20MP
a程度の耐圧強度を有するものであるが、ランプ特性を
さらに向上させるべく、耐圧強度をより高める研究・開
発が行われている。しかしながら、極めて高い耐圧強度
(例えば、30MPa程度以上)で、実用化可能な高圧
放電ランプは、まだ実現されていない。また、ランプの
長寿命化も望まれており、発光管110内で生じる黒化
を効果的に防止できる高圧放電ランプであることが好ま
しい。 【0006】 本発明はかかる諸点に鑑みてなされたも
のであり、その主な目的は、従来の高圧放電ランプより
も優れた特性(例えば、高耐圧強度、長寿命)を示す高
圧放電ランプを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明による高圧放電ランプは、管内に
一対の電極が対向して配置された発光管と、前記電極に
溶接により接続された金属箔と、前記発光管から延在
し、前記金属箔を封止する封止部とを備え、前記封止部
内には、前記金属箔および前記電極の一部が埋め込まれ
ており、前記封止部内に埋め込まれている前記電極の前
記一部の表面には、Pt、Ir、Rh、Ruからなる群
から選択される少なくとも1種の金属から構成された金
属膜が形成されており、前記金属箔と前記電極との溶接
箇所には前記金属膜が形成されており、前記溶接箇所の
前記金属膜の厚さをAとし、前記溶接箇所以外の前記金
属膜の厚さをBとしたとき、A<Bであることを特徴と
する。 【0008】 ある実施形態の高圧放電ランプは、管内
に一対の電極が対向して配置された発光管を備えた高圧
放電ランプであって、前記発光管内には、少なくとも水
銀およびハロゲンが含まれており、かつ、前記発光管内
に、Pt、Ir、Rh、Ru、Reからなる群から選択
される少なくとも1種の金属が存在する。 【0009】 ある好適な実施形態において、前記発光
管の単位容積あたりの水銀封入量は230mg/cc以
上である。 【0010】 前記発光管の単位容積あたりの水銀封入
量は300mg/cc以上であることが好ましい。 【0011】 ある好適な実施形態において、前記発光
管内の動作圧力は23MPa以上である。 【0012】 前記発光管内の動作圧力は30MPa以
上であることが好ましい。 【0013】 前記発光管内に存在する前記金属はPt
であることが好ましい。 【0014】 ある実施形態の高圧放電ランプは、管内
に一対の電極が対向して配置された発光管と、前記発光
管から延在し、前記電極の一部を内部に有する封止部と
を備え、前記封止部内に位置する部分の前記電極の少な
くとも一部の表面には、Pt、Ir、Rh、Ru、Re
からなる群から選択される少なくとも1種の金属から構
成された金属膜が形成されている。 【0015】 ある好適な実施形態では、前記電極は、
前記封止部内に設けられた金属箔に溶接により接続され
ており、前記金属膜は、前記金属箔との接続箇所には形
成されておらず、前記封止部内に埋め込まれている前記
電極の表面に形成されている。 【0016】 前記金属膜を構成している前記金属の一
部が、前記発光管内に存在していることが好ましい。 【0017】 ある好適な実施形態において、前記金属
膜は、Ptから構成された膜である。 【0018】 前記金属膜は、下層がAu層、上層がP
t層からなる多層構造を有していてもよい。 【0019】 ある実施形態の高圧放電ランプは、管内
に一対の電極が対向して配置された発光管と、前記電極
に溶接により接続された金属箔と、前記発光管から延在
し、前記金属箔を封止する封止部とを備え、前記封止部
内には、前記金属箔および前記電極の一部が埋め込まれ
ており、前記封止部内に埋め込まれている前記電極の前
記一部の表面には、Pt、Ir、Rh、Ru、Reから
なる群から選択される少なくとも1種の金属から構成さ
れた金属膜が形成されており、前記金属箔と前記電極と
の溶接箇所における前記金属膜の厚さをAとし、前記溶
接箇所以外の前記金属膜の厚さをBとしたとき、A<B
であることを特徴とする。 【0020】 ある実施形態の高圧放電ランプは、管内
に一対の電極が対向して配置された発光管と、前記電極
に溶接により接続された金属箔と、前記発光管から延在
し、前記金属箔を封止する封止部とを備え、前記封止部
内には、前記金属箔および前記電極の一部が埋め込まれ
ており、前記封止部内に埋め込まれている前記電極の前
記一部の表面には、Pt、Ir、Rh、Ru、Reから
なる群から選択される少なくとも1種の金属から構成さ
れた金属膜が形成されており、前記金属箔と前記電極と
の溶接箇所における前記金属箔の幅をCとし、前記溶接
箇所における前記電極の外径をDとしたとき、C<2D
であることを特徴とする。 【0021】 前記金属膜を構成している前記金属の一
部が、前記発光管内に存在していることが好ましい。 【0022】 ある好適な実施形態において、前記金属
膜は、Ptから構成された膜である。 【0023】 前記金属膜は、下層がAu層、上層がP
t層からなる多層構造を有していてもよい。 【0024】 ある実施形態の高圧放電ランプは、管内
に一対の電極が対向して配置された発光管と、前記発光
管から延在し、前記電極の一部を内部に有する封止部と
を備え、Pt、Ir、Rh、Ru、Reからなる群から
選択される少なくとも1種の金属を表面に有するコイル
が、前記封止部内に位置する部分の前記電極に巻き付け
られている。 【0025】 ある実施形態の高圧放電ランプは、管内
に一対の電極が対向して配置された発光管と、前記電極
に溶接により接続された金属箔と、前記発光管から延在
し、前記金属箔を封止する封止部とを備え、前記封止部
内には、前記金属箔および前記電極の一部が埋め込まれ
ており、Pt、Ir、Rh、Ru、Reからなる群から
選択される少なくとも1種の金属を表面に有するコイル
が、前記封止部内に埋め込まれている前記電極に巻き付
けられている。 【0026】 前記金属膜を構成している前記金属の一
部が、前記発光管内に存在していることが好ましい。 【0027】 ある好適な実施形態において、前記コイ
ルは、その表面に、Ptから構成された金属膜を有して
いる。 【0028】 ある好適な実施形態において、前記コイ
ルは、その表面に、下層がAu層、上層がPt層からな
る多層構造の金属膜を有している。 【0029】 ある好適な実施形態において、前記発光
管内には、少なくとも水銀およびハロゲンが含まれてお
り、かつ、前記発光管内に、Pt、Ir、Rh、Ru、
Reからなる群から選択される少なくとも1種の金属が
存在する。 【0030】 ある好適な実施形態において、前記発光
管の単位容積あたりの水銀封入量は230mg/cc以
上である。 【0031】 前記発光管の単位容積あたりの水銀封入
量は300mg/cc以上であることが好ましい。 【0032】 ある好適な実施形態において、前記発光
管内の動作圧力は23MPa以上である。 【0033】 前記発光管内の動作圧力は30MPa以
上であることが好ましい。 【0034】 前記発光管内に存在する前記金属はPt
であることが好ましい。 【0035】 ある実施形態の高圧放電ランプの製造方
法は、高圧放電ランプの発光管となる発光管部と、前記
発光管部から延在した側管部とを有するガラス管を用意
する工程(a)と、電極棒の一端が金属箔に溶接により
接続された電極構造体であって、前記側管部内に位置づ
けられる当該電極棒の部分の少なくとも一部の表面に、
Pt、Ir、Rh、Ru、Reからなる群から選択され
る少なくとも1種の金属から構成された金属膜が形成さ
れた電極構造体を用意する工程(b)と、前記電極棒の
先端が前記発光管部内に位置するように、前記電極構造
体を前記側管部に挿入する工程(c)と、前記側管部と
前記金属箔とが密着するように、前記側管部を加熱して
封止する工程(d)とを包含する。 【0036】 ある好適な実施形態では、前記工程
(b)において、前記金属箔と前記電極棒との溶接箇所
における前記金属膜の厚さをAとし、前記溶接箇所以外
の前記金属膜の厚さをBとしたとき、A<Bである前記
電極構造体が用意される。 【0037】 ある好適な実施形態では、前記工程
(b)において、前記金属箔と前記電極棒との溶接箇所
における前記金属箔の幅をCとし、前記溶接箇所におけ
る前記電極棒の外径をDとしたとき、C<2Dである前
記電極構造体が用意される。 【0038】 ある好適な実施形態において、前記工程
(b)における前記金属膜は、Ptから構成された膜で
ある。 【0039】 ある好適な実施形態において、前記工程
(b)における前記金属膜は、下層がAu層、上層がP
t層からなる多層構造を有している。 【0040】 前記工程(d)における加熱により、前
記金属膜を構成する前記金属の一部が前記発光管部へ導
入されることが好ましい。 【0041】 ある実施形態の高圧放電ランプの製造方
法は、高圧放電ランプの発光管となる発光管部と、前記
発光管部から延在した側管部とを有するガラス管を用意
する工程(a)と、電極棒の一端が金属箔に溶接により
接続された電極構造体であって、Pt、Ir、Rh、R
u、Reからなる群から選択される少なくとも1種の金
属を表面に有するコイルが、前記側管部内に位置づけら
れる部分の前記電極棒に巻き付けられた電極構造体を用
意する工程(b)と、前記電極棒の先端が前記発光管部
内に位置するように、前記電極構造体を前記側管部に挿
入する工程(c)と、前記側管部と前記金属箔とが密着
するように、前記側管部を加熱して封止する工程(d)
とを包含する。 【0042】 ある好適な実施形態において、前記電極
構造体を用意する工程(b)は、前記少なくとも1種の
金属を表面に有するコイルを、前記電極構造体における
前記電極棒に挿入する工程と、前記電極棒に挿入した前
記コイルを、前記電極棒に溶接する工程とを含む。 【0043】 ある好適な実施形態において、前記工程
(b)における前記コイルは、その表面に、Ptから構
成された金属膜を有している。 【0044】 ある好適な実施形態において、前記工程
(b)における前記コイルは、その表面に、下層がAu
層、上層がPt層からなる多層構造の金属膜を有してい
る。 【0045】 前記工程(d)における加熱により、前
記コイルの表面を被覆する前記金属の一部が前記発光管
部へ導入されることが好ましい。 【0046】 ある好適な実施形態では、少なくとも水
銀およびハロゲンを前記発光管部内に導入する工程をさ
らに包含する。 【0047】 前記導入工程において、前記発光管の単
位容積あたりの水銀封入量は230mg/cc以上であ
ることが好ましい。 【0048】 前記導入工程において、前記発光管の単
位容積あたりの水銀封入量は300mg/cc以上であ
ることが更に好ましい。 【発明の効果】 【0049】 本発明によると、従来の高圧放電ランプ
よりも優れた特性(例えば、高耐圧強度、長寿命)を示
す高圧放電ランプを提供することができる。Pt、I
r、Rh、Ru、Reからなる群から選択される少なく
とも1種の金属が発光管内に存在する場合には、黒化の
発生を効果的に防止し、長寿命化を図った高圧放電ラン
プを提供することができる。また、封止部内に位置する
部分の電極の少なくとも一部の表面に、Pt、Ir、R
h、Ru、Reからなる群から選択される少なくとも1
種の金属から構成された金属膜が形成されている場合、
電極周囲に位置する封止部に生じるクラックの発生を抑
制することができ、高耐圧強度を有する高圧放電ランプ
を提供することができる。さらに、溶接箇所に金属膜が
形成されていないときには、箔浮き防止の効果も得るこ
とができる。そして、Pt、Ir、Rh、Ru、Reか
らなる群から選択される少なくとも1種の金属を表面に
有するコイルが、封止部内に位置する部分の前記電極に
巻き付けられている場合でも、クラックの発生を抑制す
ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0050】 本願発明者は、高圧放電ランプの一種で
ある高圧水銀ランプ(特に、超高圧水銀ランプ)の特性
を向上させるべく、多面的な検討を行っている際、Pt
元素を発光管内に入れると、発光管内に生じる黒化を効
果的に防止できるという知見を実験により見出した。こ
の知見について更に説明する。 【0051】 この種のランプを動作させると、発光管
内壁の最低温度は、一般に、約900℃になり、このよ
うな高温では、どの物質もゲッターとして機能し得ない
と考えられていた。しかし、Ptを発光管に封入した超
高圧水銀ランプの寿命試験を本願発明者が行ったとこ
ろ、Ptが酸素ゲッターとして機能し、黒化を抑制でき
ることが見出された。ランプ動作時の高温下での酸素ゲ
ッターの機能は、Ptの他、Ir、Rh、Ru、Reの
ような白金族元素でも発揮し得ることもわかった。な
お、Auは、酸素ゲッターとしての機能は無かったが、
黒化を進行させることもないことも確認された。また、
酸素ゲッターとしての機能を持つことがわかったPt
を、封止部に埋まっている部分の電極棒の表面に被覆
し、そのランプの特性を本願発明者が調べたところ、そ
のランプの耐圧強度を著しく向上させることができると
いう別の知見も見出された。本発明は、これらの新たな
知見に基づいてなされたものである。 【0052】 以下、図面を参照しながら、本発明によ
る実施形態を説明する。以下の図面においては、説明の
簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を
同一の参照符号で示す。なお、本発明は、以下の実施形
態により、限定的に解釈されるべきものではない。 (実施形態1) 図1(a)および(b)は、本実施形態にかかる高圧放
電ランプの断面構成を模式的に示している。図1(a)
は、平面図であり、一方、図1(b)はその側面図であ
る。 【0053】 ランプ100は、管内に一対の電極(1
2,12’)が対向して配置された発光管(バルブ)1
0と、発光管10に連結された一対の封止部20および
20’とを有している。発光管10は、石英ガラスから
構成されており、封止部(20,20’)のガラス部分
は、発光管10から延在している。電極(12,1
2’)の一部(根本部分)は、封止部(20,20’)
の内部に埋め込まれており、そして、封止部(20,2
0’)内に位置する部分の電極(12,12’)の少な
くとも一部の表面には、Pt、Ir、Rh、Ru、Re
からなる群から選択される少なくとも1種の金属から構
成された金属膜30が形成されている。本実施形態で
は、Ptを含む金属膜30がメッキにより電極(12,
12’)の一部に形成されており、金属膜30中のPt
の一部は、発光管10内に存在している。 【0054】 電極(12,12’)は、0.2〜5m
m程度(例えば、0.6〜1.0mm)の間隔(アーク
長)Dで、発光管10内に配置されており、電極(1
2,12’)のそれぞれは、タングステン(W)の電極
棒16から構成されている。電極棒16の一端は、封止
部(20,20’)内に設けられた金属箔(24,2
4’)に溶接により接続されている。Ptを含む金属膜
30は、電極棒16と金属箔24との溶接箇所(接続箇
所)32には形成されておらず、封止部(20,2
0’)内に埋め込まれている電極棒16の表面に形成さ
れている。なお、電極棒16の他端(先端)には、ラン
プ動作時における電極先端温度を低下させることを目的
として、コイル14が巻かれている。 【0055】 本実施形態では、電極棒16を構成する
タングステンとの密着性を向上させるために、金属膜3
0は、下層がAu層で、上層がPt層からなる多層構造
を有している。Au層およびPt層は、メッキにより形
成されており、Au層の厚さは、例えば0.01〜0.
1μmであり、Au層の長手方向の長さ(メッキ長)
は、約2mmである。そして、Au層の上に形成される
Pt層の厚さは、約0.01〜約10μm(好ましく
は、0.1μm程度)で、Pt層の長手方向の長さ(メ
ッキ長)は、Au層のメッキ長と同じく、約2mmであ
る。メッキ量は、電極棒16の一本あたり、例えば、A
uが約1〜4マイクログラムであり、Ptが約4マイク
ログラムである。 【0056】 また、金属膜30は、Au層とPt層と
の多層膜でなくても、Ptからなる膜であってもよい。
Ptのみから構成した金属膜30の場合、Au層とPt
層との多層膜のときよりも、密着性は若干落ちるもの
の、現実の使用では問題が生じないレベルの密着性は十
分確保できることが本願発明者の実験により確認された
からである。Ptのみからなる金属膜30は、Au層と
Pt層との多層膜のものと比べて、形成が容易というメ
リットが得られる。ここで、Ptから構成した金属膜3
0の厚さは、例えば、約0.01μm〜約1.0μmで
ある。 【0057】 封止部(20,20’)内に設けられた
金属箔(24,24’)は、例えば、矩形のモリブデン
箔(Mo箔)であり、電極(12,12’)が位置する
側と反対側には、リード線(外部リード)26が溶接に
より設けられている。この一対のリード線26は、点灯
回路(不図示)に電気的に接続されることになる。封止
部(20,20’)は、封止部のガラス部と金属箔(2
4,24’)とを圧着させて、発光管10内の放電空間
の気密を保持する役割を果たしている。封止部(20,
20’)によるシール機構を簡単に説明すると、次のよ
うである。 【0058】 封止部(20,20’)のガラス部を構
成する石英ガラスと、金属箔(24,24’)を構成す
るモリブデンとは互いに熱膨張係数が異なるので、熱膨
張係数の観点からみると、両者は、一体化された状態に
はならない。ただし、本構成の場合、封止部のガラス部
からの圧力により、金属箔(24,24’)が塑性変形
を起こして、両者の間に生じる隙間を埋めることができ
る。それによって、金属箔(24,24’)とガラス部
とを互いに圧着させた状態にすることができ、封止部
(20,20’)で発光管10内のシールを行うことが
できる。すなわち、金属箔(24,24’)とガラス部
との圧着による箔封止によって、封止部(20,2
0’)のシールは行われている。 【0059】 封止部(20,20’)の金属箔(2
4,24’)が位置している部分と異なり、電極棒16
が埋め込まれている部分においては、封止部のガラス部
と電極棒16とは互いに密着しておらず、両者の間には
目に見えない程度の隙間が存在している。この隙間は、
タングステンと石英ガラスとの熱膨張係数の差違によっ
て生じるものである。すなわち、冷却時において、金属
であるタングステンの方が、石英ガラスよりも多く収縮
することに生じるものである。なお、タングステンは、
モリブデンと異なり、ガラス部と電極棒16との間の隙
間を埋めるような塑性変形を起こさない。 【0060】 本実施形態のランプ100は、発光管1
0内に、少量のPtおよびAuが存在している。これ
は、ランプの製造工程中の加熱時において、電極棒16
の根本の表面に形成された金属膜30を構成するPtお
よびAuの一部が蒸発して、封止部のガラス部と電極棒
16との間の隙間を通じて、発光管10内へと飛散した
ものである。従来、Ptなどの金属が発光管10内に存
在すると、発光管10内の封入物と反応し、それによ
り、黒化が促進されて、ランプ寿命が短くなると考えら
れていた。しかしながら、本願発明者がランプ100の
特性を調べたところ、Ptは、発光管10の黒化を促進
するどころか、黒化を効果的に防止できることを確認し
た。Ptによって黒化を防止できる機構は、現時点では
明確ではないが、ランプ動作時において、Ptが酸素ゲ
ッターとして機能し、その結果、黒化を抑制できるので
はないかと思われる。なお、この種のランプを動作させ
ると、発光管10の内壁の最低温度は、一般に、約90
0℃になり、このような高温では、どの物質もゲッター
として機能し得ないと、従来、考えられていた。 【0061】 一方、Auは、Ptと異なり、酸素ゲッ
ターとしての機能は無かったが、黒化を進行させること
もないことを確認した。また、ランプ動作時の高温下で
の酸素ゲッターの機能は、Ptの他、Ir、Rh、R
u、Reのような白金族元素でも発揮し得る。ランプ1
00において、金属膜30からPtを飛散させて発光管
10へ導入させた理由は、適量のPtを発光管10内に
容易に封入できるからである。つまり、この手法によれ
ば、ゲッターとして作用させることができる程度の量の
Ptを、発光管10を曇らせない程度だけ発光管10内
に入れることを容易に行うことが可能となる。発光管1
0を曇らせないようにすることは、発光管10から出射
する光の量が低下することを防止できるので好適であ
る。 【0062】 なお、適量のPtを発光管10内に導入
する手法は、上述した手法に限定されず、発光管10内
にPtを直接導入してもよいし、Ptを含む金属膜や金
属塊を発光管10内に設けるようにしてもよい。また、
金属膜30の形成方法は、メッキに限定されず、スパッ
タ、蒸着でもよく、そして、金属溶液を塗布して焼き付
ける手法を採用しても良い。 【0063】 電極棒16の根本に金属膜30が形成さ
れた本実施形態のランプ100は、Ptのゲッター作用
による黒化防止効果とは別に、従来の約20MPa(約
200気圧)を超える高耐圧(例えば、23MPaまた
は25MPaまたはそれ以上、あるいは、30〜40M
Paまたはそれ以上、言い換えると、動作圧約230気
圧または250気圧またはそれ以上、あるいは、約30
0〜400気圧またはそれ以上)の特性を示すものであ
る。ランプ100では、封止部(20,20’)に埋め
込まれている部分の電極棒16の表面に金属膜30が形
成されているため、電極棒16の周囲に位置するガラス
に、微小なクラックが発生することを防止することがで
きる。以下、このことをさらに詳述する。 【0064】 封止部内に位置する電極棒16に金属膜
30の無いランプの場合、ランプ製造工程における封止
部形成の際に、封止部のガラスと電極棒16とが一度密
着した後、冷却時において、両者の熱膨張係数の差違に
より、両者は離されることになる。この時に、電極棒1
6の周囲の石英ガラスにクラックが生じる。このクラッ
クの存在により、従来では、動作圧力が200気圧程度
を超えるような耐圧強度を持ったランプを実現すること
は非常に困難であった。つまり、200気圧を超えるよ
うな動作圧力でランプを使用すると、発光管10のリー
クが生じ、つまり、封止部(20,20’)のシール構
造の破壊が起こる。このため、耐圧強度の観点から、従
来においては、20MPa程度を超えるような超高圧水
銀ランプは、実現されていなかった。 【0065】 本実施形態のランプ100の場合、表面
にPt層を有する金属膜30が電極棒16の表面に形成
されているので、封止部(20,20’)の石英ガラス
と、電極棒16の表面(Pt層)との間の濡れ性が悪く
なっている。つまり、タングステンと石英ガラスとの組
み合わせの場合よりも、白金と石英ガラスとの組み合わ
せの場合の方が、金属と石英ガラスとの濡れ性が悪くな
るため、両者は引っ付かずに、離れやすくなるのであ
る。その結果、電極棒16と石英ガラスとの濡れ性の悪
さにより、加熱後の冷却時における両者の離れがよくな
り、微細なクラックの発生を防止することが可能とな
る。このような濡れ性の悪さを利用してクラックの発生
を防止するという技術的思想に基づいて作製されたラン
プ100は、従来では実現困難ないし実現不可能であっ
た20MPaを超える、30〜40MPaの動作圧力を
実現できる画期的なランプである。 【0066】 そのような高い耐圧強度を実現できるラ
ンプ100によると、次のような利点が得られる。近
年、より高出力・高電力の高圧水銀ランプを得るため
に、アーク長(電極間距離D)が短いショートアーク型
の水銀ランプ(例えば、Dが2mm以下)の開発が進ん
でいるところ、ショートアーク型の場合、電流の増大に
伴って電極の蒸発が早くなることを抑制するために、通
常よりも多くの水銀量を封入する必要がある。上述した
ように、従来の構成においては、耐圧強度に上限があっ
たため、封入水銀量にも上限(例えば、200mg/c
c程度以下)があり、さらなる優れた特性を示すような
ランプの実現化に制限が加えられていた。本実施形態の
ランプ100は、そのような従来における制限を取り除
け得るものであり、従来では実現できなかった優れた特
性を示すランプの開発を促進させることができるもので
ある。本実施形態のランプ100においては、封入水銀
量が200mg/cc程度を超える、300mg/cc
程度またはそれ以上のランプを実現することが可能とな
る。 【0067】 なお、封入水銀量が300〜400mg
/cc程度またはそれ以上(点灯動作圧30〜40MP
a)を実現できる技術というのは、特に点灯動作圧20
MPaを超えるレベルのランプ(すなわち、今日の15
MPa〜20MPaのランプを超える点灯動作圧を有す
るランプ。例えば、23MPa以上または25MPa以
上のランプ)について、その安全性および信頼性を確保
できる意義も有している。つまり、ランプを大量生産す
る場合には、ランプの特性にどうしてもばらつきが生じ
得るため、点灯動作圧が23MPa程度のランプであっ
ても、マージンを考えた上で耐圧を確保する必要がある
ので、30MPa以上の耐圧を達成できる技術は、30
MPa未満のランプについても、実際に製品を供給でき
るという観点からの利点は大きい。もちろん、30MP
a以上の耐圧を達成できる技術を用いて、23MPaあ
るいはそれ以下の耐圧でもよいランプを作製すれば、安
全性および信頼性の向上を図ることができる。 【0068】 本願発明者は、電極棒16の根本に金属
膜30をメッキした本実施形態のランプ100と、ラン
プ100と同様の構成において金属膜30のメッキのな
い比較例のランプとのライフ試験を行った。ライフ試験
は、点灯60分、消灯15分を繰り返すことにより実行
した。ランプ100を30MPaまたはそれ以上で点灯
させたところ、点灯1500時間中にリーク、破損に至
ることはないことを確認した。比較例のランプでは、電
極棒16の周囲にクラックがあるため、30MPaで点
灯させることは無理であることを確認した。 【0069】 図2は、本実施形態のランプ100と、
比較例のランプとのライフ試験時における光束維持率の
変化を示している。比較例のランプは、30MPaで点
灯させることができないので、水銀量を20MPaに相
当する分(約200mg/cc)にし、そして、電極間
距離Dを調整して、ランプの電気特性をランプ100の
ものと同じにしている。図2からわかるように、ランプ
100の光束維持率は、1500時間の時点でも、約9
5%を維持した。一方、比較例の光束維持率は、比較的
早い時期から低下し始め、1500時間の時点は、90
%を下回る、約85%になった。この結果より、ランプ
100が優れた特性を示すことが理解できる。 【0070】 本実施形態のランプ100の条件を例示
的に示すと、次のようである。発光管10は、アルカリ
金属不純物レベルの低い(例えば、1ppm以下)高純
度の石英ガラスから構成されており、略球形をしてい
る。発光管10の外径は例えば5mm〜20mm程度で
あり、発光管10のガラス厚は例えば1mm〜5mm程
度である。発光管10内の放電空間の容積は、例えば
0.01〜1cc程度(0.01〜1cm3)である。
本実施形態では、外径9mm程度、内径4mm程度、放
電空間の容量0.06cc程度の発光管10が用いられ
る。発光物質18として水銀を使用し、300mg/c
c程度またはそれ以上(例えば、300mg〜400m
g)の水銀と、5〜30kPaの希ガス(例えば、アル
ゴン)と、少量のハロゲンとが発光管10内に封入され
ている。 【0071】 封入されるハロゲンは、ランプ動作中に
電極(12、12’)から蒸発したW(タングステン)
を再び電極(12、12’)に戻すハロゲンサイクルの
役割を担っており、例えば、臭素である。封入するハロ
ゲンは、単体の形態だけでなく、ハロゲン前駆体の形態
のものでもよく、本実施形態では、ハロゲンをCH2
2の形態で発光管10内に導入している。また、本実
施形態におけるCH2Br2の封入量は、0.0017〜
0.17mg/cc程度であり、これは、ランプ動作時
のハロゲン原子密度に換算すると、0.01〜1μmo
l/cc程度に相当する。なお、ランプ100の耐圧強
度(動作圧力)は、20MPa以上(例えば、30〜4
0MPa程度、またはそれ以上)にすることができる。
また、管壁負荷は、例えば、60W/cm2程度から、
200W/cm2程度の範囲(好ましくは、80〜15
0W/cm2程度)のランプを実現することができる。
なお、定格電力は、例えば、150W(その場合の管壁
負荷は、約130W/cm2に相当)である。 【0072】 さらに、本実施形態のランプ100で
は、電極棒16の根本部分の表面が金属膜30で保護さ
れているため、通常の量よりも多くのハロゲンを封入さ
せることが可能となる。その理由を次に述べる。多量の
ハロゲンを発光管10内に存在させると、ハロゲンサイ
クルに寄与する分以外の過剰分のハロゲンが、電極棒1
6の根本をアタックし、根本を細らせてしまうという弊
害が生じる。ハロゲンサイクルを良好に継続させて、効
果的に黒化を防止するには、少し過剰な程度くらいのハ
ロゲン量が好ましい場合が多いのであるが、上述したよ
うに過剰なハロゲンの存在は、電極棒16の根本を細ら
せてしまい、短寿命化の原因となる。ところが、本実施
形態のランプ100では、その根本部分を金属膜30で
保護しているため、当該電極棒16の根本細りの問題を
回避することが可能となり、それゆえ、通常よりの量も
多くのハロゲンを発光管10内に封入させることができ
る。したがって、本実施形態のランプ100では、金属
膜30を、ハロゲンアタック防止膜として機能させるこ
とができ、ハロゲン量を従来の100倍程度まで(例え
ば、0.17〜17mg/cc程度まで)入れることも
可能である。なお、必要以上にハロゲンを入れること
は、ランプ100においても要求されておらず、具体的
なハロゲン量は、所望のランプの特性が得られるように
適宜決定すればよい。 【0073】 なお、ランプ試験で使用したランプ10
0の条件を示すと、次のようである。発光管10の外径
および内径は、それぞれ、9mmおよび4mmである。
発光管10の容積は約0.06ccである。電極棒16
は、棒径0.3mmのタングステン電極棒である。金属
箔(24,24’)は、幅1.5mmのモリブデン箔で
あり、リード線26は、モリブデン製リード線である。
金属膜30は、Pt/Auの2層構造からなるメッキ膜
(Au膜厚;0.01〜0.1μm、Pt膜厚;約0.
1μm)で、メッキ長は約2mmである。メッキ量は、
電極一本あたり、Auが約1〜4μgで、Ptが約4μ
gである。なお、水銀量は、18〜24mg(発光管内
容積当たりの水銀量は、300〜400mg/cc)
で、ハロゲンを含んだ希ガス(Ar)の封入圧力は、2
00torrである。そして、CH2Br2の封入量は、
約0.017mg/ccであり、動作時のハロゲン原子
密度は、約0.1μmol/ccである。 【0074】 図1に示したランプ100において、電
極棒16と金属箔(24,24’)の溶接部分32に金
属膜30を形成していないのは、金属箔(24,2
4’)の箔浮きを防止するためである。さらに具体的に
説明する。 【0075】 本願発明者は、溶接部分32まで金属膜
30を形成したランプを作製し、そのランプを観察した
ところ、水銀を300mg/cc以上封入したランプで
は、いわゆる「箔浮き」現象が生じることがわかった。
すなわち、ランプ製造段階の封止時の熱によって、メッ
キした金属膜30の一部(Pt、Au)が蒸発して、封
止部(20,20’)のガラス部と金属箔(24,2
4’)との間に入り込み、その結果、金属箔の一部に付
着する。すると、互いに密着していたガラス部と金属箔
の間に、ごく僅かの隙間が形成され、それによって、箔
浮きが生じる。この箔浮きは、リークや破損の原因とな
るために好ましくないが、溶接部分32には金属膜30
を形成しないランプ100の構成の場合には、効果的に
箔浮きを防止することができた。水銀量が300mg/
cc以上の場合に、この箔浮きに起因するリークが顕著
に生じるため、そのような場合、溶接部分32には金属
膜30を形成しないことが好ましい。なお、水銀量が3
00mg/cc未満の場合には、箔浮きの現象はあまり
顕著にはみられないので、溶接部分32まで金属膜30
を形成することも可能である。 【0076】 また、溶接部分32には金属膜30を全
く形成しない構成に限らず、溶接箇所32の金属膜30
の厚さを他の部分よりも薄くした構成にしても、箔浮き
防止の効果を得ることが可能である。つまり、溶接箇所
32における金属膜30の厚さをAとし、溶接箇所32
以外の金属膜30の厚さをBとしたとき、A<Bである
ような構成にしてもよく、例えば、Aを、B/2以下、
またはB/4以下などにすることができる。本願発明者
の実験によると、Bが1μmのときの構成で、箔浮きを
抑制することができた。それゆえ、Bは1μmとするこ
とが好ましく、より効果的に箔浮きを抑制する上では、
Bは0.1μm以下にすることがより好ましい。 【0077】 本実施形態では、金属膜30をPt/A
uの2層構造としているので、金属膜30(Pt層)と
石英ガラスとの濡れ性を悪くして、石英ガラスに引っ付
き難くすることができるとともに、金属膜30(Au
層)と電極棒(W棒)16との密着性を向上させること
ができる。金属膜30と電極棒16との密着性が向上す
ると、加熱時における金属膜30の蒸発量を効果的に抑
えることができるため、箔浮きをより確実に抑制するこ
とができる。加えて、膜強度が上がるため、保管中や製
造中の電極同士の接触などによる膜剥がれも防止するこ
とができる。本実施形態では、金属膜30を2層構造に
したが、1層構造にしても、3層構造にしてもよい。ま
た、Pt/Auの2層構造を繰り返した構造(4層、6
層など)にしてもよい。ランプ100の構成では、Pt
を含む金属膜30を用いたが、Ptに代えて、またはP
tとともに、Ir、Rh、Ru、Reを含む金属膜30
を用いても良い。 【0078】 さらに、金属膜30は、封止部(20,
20’)内に埋め込まれて部分の電極棒16の表面の全
部に形成しなくても、一部に形成してもよい。例えば、
図1に示した金属膜30の1/3程度の面積のもので
も、黒化防止およびクラック防止の効果を発揮できるこ
とを実験により確認した。なお、クラック防止効果には
寄与しないが、金属膜30を発光管10内に露出してい
る電極棒16の表面に形成してもよい。ただし、その場
合には、Pt等を必要以上に発光管10内に導入するこ
とにならないように、すなわち、発光管10内が曇った
りしないように設計することが望ましい。本願発明者の
実験によれば、金属膜30の厚さを0.01μm以上に
すると、金属膜30による効果が顕著に現れた。0.0
1μm未満では、加熱時の蒸発により金属膜30が飛散
し、その結果、クラック防止の効果が薄れてしまった。
一方、10μmを超える膜厚にすると、発光管10内に
飛ぶ金属の量が多くなってしまい、発光管10内の曇り
現象が生じることとなった。したがって、金属膜30の
厚さは、0.01μm〜10μm程度にすることが好ま
しいと言える。 【0079】 箔浮きの問題をより積極的に回避しよう
とする場合には、図3に示すような構成にしてもよい。
図3に示したランプ200は、溶接箇所32における金
属箔24の幅を狭めて、加熱により金属膜30から蒸発
飛散する金属がなるべく金属箔(24,24’)に付着
しないようにしたものである。具体的には、溶接箇所3
2における金属箔24の幅をCとし、溶接箇所32にお
ける電極の外径をDとしたとき、C<2Dとなるように
構成されている。電極棒16の末端付近に位置する金属
膜30からの蒸発飛散による影響が比較的大きいため、
本実施形態では、溶接箇所32のうち、電極棒16末端
の位置を基準にして、幅Cと、外径Dとを決定した。な
お、図3に示した構成の場合でも、溶接箇所32の金属
膜30の厚さは、上述したように、A<B(A;溶接箇
所32の膜厚、B;溶接箇所32以外の膜厚)にするこ
とが好ましく、さらに、溶接箇所32には金属膜30を
形成しないことがより望ましい。 【0080】 次に、図4を参照しながら、本実施形態
にかかるランプ100の製造方法を説明する。図4は、
放電ランプ用ガラスパイプ50内に、電極12を含む電
極構造体55を挿入した段階における工程断面図であ
る。 【0081】 まず、発光管10となる部分(発光管
部)と、封止部(20,20’)のガラス部となる一対
の側管部22とを有する放電ランプ用ガラスパイプ50
を用意する。側管部22は、発光管部10から延在して
おり、両者(10,22)は、石英ガラスから構成され
ている。本実施形態では、石英ガラスとして、アルカリ
金属不純物レベルの低い(例えば、1ppm以下)高純
度の石英ガラスを使用している。ただし、そのようなも
のに限定されず、アルカリ不純物レベルがそれほど低く
ない石英ガラスから構成された放電ランプ用ガラスパイ
プを用意して、それを使用してもよい。用意したガラス
パイプ50の発光管部10の外径および内径は、それぞ
れ、10mmおよび5mmであり、そして、側管部22
の外径および内径は、それぞれ、6mmおよび2mmで
ある。 【0082】 また別途、金属膜30が形成された電極
棒16の一端が金属箔24に接続された電極構造体55
を用意する。電極構造体55は、金属箔24(Mo箔)
に、電極棒16(電極12)と、リード線26とが溶接
されたものであり、リード線26の一端には、側管部2
2の内面に電極構造体55を固定するための支持部材2
8が設けられている。図4に示した支持部材28は、モ
リブデンからなるモリブデンテープ(Moテープ)であ
るが、これに代えて、モリブデン製のリング状のバネを
用いてもよい。 【0083】 電極棒16のうち、側管部22内に位置
づけられる部分には金属膜30が形成されている。ま
た、箔浮き防止のため、Mo箔24との溶接シロとなる
部分32には、金属膜30は形成されていない。ここ
で、A<B(A;溶接箇所32の膜厚、B;溶接箇所3
2以外の膜厚)の条件を満たす電極構造体55を用いる
こともできる。また、ランプ200を作製する場合に
は、C<2D(C;溶接箇所32における金属箔24の
幅、D;溶接箇所32における電極棒16の外径)の条
件を満たす電極構造体55を用いればよい。なお、この
例においては、発光管10内に露出する部分は、金属膜
30は形成されていない。金属棒16は、例えば直径φ
0.3mmのタングステン棒であり、Mo箔24の幅
は、1.5mmであり、リード線26は、直径φ0.5
mmのモリブデン製リード線である。 【0084】 次に、電極棒16の先端が発光管部10
内に位置するように、ガラスパイプ50の側管部22に
電極構造体55を挿入する(電極挿入工程)。この工程
を経ると、図4に示した状態となる。なお、電極棒16
の先端に巻かれるコイルは、図4では省略している。 【0085】 この後、側管部22とMo箔24とが密
着するように、側管部22を加熱して封止する(封止部
形成工程)。より具体的に述べると、ガラスパイプ50
内を減圧状態(例えば、1気圧未満)にした上で、例え
ばバーナーで、側管部22を加熱し軟化させると、側管
部22とMo箔24との両者が密着し、それによって封
止部20が得られる。この工程の際に、側管部22内に
位置していた電極棒16は、封止部20内に埋もれるこ
とになる。本実施形態では、封止部20内の電極棒16
の表面に、石英ガラスとの濡れ性を悪くする金属膜30
が形成されているので、加熱後の冷却時に、電極棒16
の周囲に位置するガラスにおけるクラックの発生を抑制
することができる。また、封止部形成工程の時に、金属
膜30を有する電極棒16も加熱され、金属膜30の一
部は蒸発飛散する。 【0086】 次に、まだ封止していない方の側管部2
2から、水銀18等の封入物を導入し、次いで、当該側
管部22についても、電極挿入工程および封止部形成工
程を行って、封止部20’を得る。最後に、封止部(2
0,20’)を適切な長さで切断して、リード線26を
露出させると、本実施形態のランプ100が得られる。
このランプ100の発光管10内には、封止部形成工程
の加熱時に、金属膜30から蒸発飛散したPtが存在し
ている。なお、封止部形成工程時の加熱によって、Pt
を発光管10内へと導入する場合に限らず、レーザ等に
よって金属膜30を加熱して、Ptの発光管10への導
入を行っても良い。 【0087】 次に、図5(a)〜(d)を参照しなが
ら、本実施形態の製造方法をさらに詳細に説明する。 【0088】 まず、発光管部10と側管部22とを有
するガラスパイプ50を用意した後、図5(a)に示す
ように、一方の側管部22に電極構造体55を挿入す
る。電極構造体55の電極12の一部には、金属膜30
が形成されている。ガラスパイプ50は、回転可能なよ
うにチャック52によって支持されている。なお、図5
においては、Moテープ28は省略している。 【0089】 次に、電極構造体55を所定位置に固定
した後、ガラスパイプ50を減圧可能な状態にして、発
光管10内を真空排気し、次いで、200torr程度
のArを導入する。 【0090】 次に、図5(b)に示すように、ガラス
パイプ50を回転させながら、酸素水素バーナー54で
側管部22を加熱し、シュリンク封止を実行する。一方
の側管部22のシュリンク封止が終わった後、発光管部
10内に、水銀を18〜24mg(発光管内容積当たり
の水銀量は、300〜400mg/cc)導入する。 【0091】 その後、封止されてない方の側管部22
に、Mo箔24’を含む電極構造体55を挿入し、所定
位置に固定する。次いで、発光管部10内を真空排気し
た後、臭素を含んだArガスを200torr封入す
る。 【0092】 次に、発光管部10内の水銀を液体窒素
で冷却しながら、図5(b)の工程のように、残りの側
管部22を加熱して、シュリンク封止を実行する。それ
により、図5(c)に示すように、一対の封止部(2
0,20’)が形成されて、放電空間15を有する発光
管10が得られる。 【0093】 最後に、側管部22の不要部分を切断し
て、リード線26を露出させると、図5(d)に示すよ
うに、ランプ100が完成する。 【0094】 本実施形態のランプ100では、Pt、
Ir、Rh、Ru、Reからなる群から選択される少な
くとも1種の金属が発光管10内に存在するので、黒化
の発生を効果的に防止した長寿命化を図った高圧放電ラ
ンプを実現することが可能になる。 【0095】 また、封止部(20,20’)内に位置
する部分の電極(12,12’)の少なくとも一部の表
面に、Pt、Ir、Rh、Ru、Reからなる群から選
択される少なくとも1種の金属から構成された金属膜3
0が形成されているので、電極根本周囲に位置するガラ
スに生じるクラックの発生を防止することができ、その
結果、従来到達できなかった極めて高い耐圧強度を有す
る高圧放電ランプを実現することが可能となる。 【0096】 さらに、溶接箇所32には金属膜30を
形成しないことにより、箔浮き防止の効果も得られる。
そして、A<B(A;溶接箇所32の膜厚、B;溶接箇
所32以外の膜厚)としたり、C<2D(C;溶接箇所
32における金属箔24の幅、D;溶接箇所32におけ
る電極棒16の外径)とすることによっても、箔浮き防
止の効果を得ることができる。 【0097】 なお、本実施形態のランプ100および
200では、一対の電極(12,12’)および一対の
封止部(20,20’)の構成が左右対称となるように
したが、この構成に限定されない。少なくとも一方の電
極に金属膜30が形成されていれば、従来のランプと比
較して、上述したような効果を得ることが可能だからで
ある。また、一方をランプ100のような封止部とし、
他方をランプ200のような封止部にすることも勿論可
能である。加えて、ランプ100および200は、交流
点灯型の構成をしているため、一対の電極(12,1
2’)の構成を左右対称としているが、直流点灯型の構
成にする場合には、陰極および陽極に応じて電極形状を
変えることも可能である。 (実施形態2) 図6を参照しながら、本発明による実施形態2にかかる
高圧放電ランプ300を説明する。図6は、ランプ30
0の構成を模式的に示している。 【0098】 本実施形態のランプ300は、封止部
(20,20’)内に位置する部分の電極棒16に、P
tで表面を被覆したコイル40が巻き付けられている点
において、封止部(20,20’)内に位置する部分の
電極棒16の表面をPtで被覆していた上記実施形態1
のランプ100と異なる。なお、他の点は、基本的にラ
ンプ100の構成と同様である。本実施形態および後述
の実施形態の説明を簡潔にするために、以下では、実施
形態1と異なる点を主に説明し、実施形態1と同様の点
の説明は省略または簡略化する。 【0099】 ランプ300におけるコイル40は、例
えばタングステンコイルの表面に、Pt(上層)/Au
(下層)のメッキを施したものである。つまり、コイル
40の表面に、上記実施形態1における金属膜30を形
成したものである。なお、下層にAu層を形成した2層
構造にしたのは、密着性向上のためである。ここで、P
t(上層)/Au(下層)メッキの2層構造にせずに、
Ptメッキだけを施したコイル40でも、実用上の十分
な密着性を確保できることは、上記実施形態1で説明し
た通りである。また、金属層(30)の形成方法は、メ
ッキに限らず、スパッタ、蒸着でもよく、そして、金属
溶液を塗布して焼き付ける手法を採用しても良い。ま
た、コイル表面にメッキを施すのではなく、材料として
Ptを含むコイル(Ptコイルを包含する。)を用いて
も良い。さらに、上記実施形態1と同様に、Ptに代え
て、またはPtとともに、Ir、Rh、Ru、Reの白
金属の元素を用いてもよい。 【0100】 コイル40の径は、金属箔24の剥がれ
や割れを考慮すると、電極棒16の径の1/2以下にす
ることが好ましい。本実施形態では、直径φ0.3mm
のタングステン棒16に、コイル径0.06mmのタン
グステンコイルを巻いている。図6に示したランプ30
0では、コイル間に隙間がないように、20〜50回程
度巻いた構成にしているが、これに限らず、図7に示す
ように、コイル間に隙間があくようにして巻いた構成に
してもよい。 【0101】 本実施形態のランプ300のように、電
極棒16が封止部(20,20’)内に埋まった部分
(電極の根本部分)に、表面にPtメッキを施したコイ
ル40を巻くことによっても、上記実施形態1と同様の
効果を得ることができる。すなわち、コイル40の表面
のPtメッキ(金属膜30)からPtを蒸発飛散するこ
とにより、発光管10内に導入させることができる。加
えて、Ptと石英ガラスとの濡れ性の悪さを利用して、
電極棒16の周囲のガラスにクラックが生じないように
することができる。 【0102】 上記実施形態1のランプ100に比べ
て、本実施形態のランプ300は、製造工程上の利点が
大きい。すなわち、ランプ300の場合、予めメッキし
たコイル40を大量に準備しておくことが可能であるか
らである。そして、そのコイル40を、通常使用される
電極構造体(図4の電極構造体55において金属膜30
が設けられていないもの)の電極棒16の根本に巻き付
ければ良いからである。 【0103】 なお、ランプ300を製造するには、コ
イル40を巻き付けた電極構造体(55)を用いて、図
5(a)から(d)の工程を実行すればよい。ここで、
「電極棒にコイルを巻き付ける」とは、コイル用の金属
線を巻いて完成したコイルを電極棒に挿入して、筒状の
コイルの内面が電極棒に接触または近接するように配置
するものの他、コイル用の金属線を電極棒に巻いて、電
極棒の外周に配置されたコイルを直接作製するものも含
む。大量生産を行う場合には、もちろん、予め、完成し
たコイルを用意した上で、そのコイルを電極棒に挿入し
て、電極棒の周囲にコイルを配置させる方が好ましい。 【0104】 コイル40を準備しておく場合(特に、
予めメッキしたコイル40を大量に準備しておく場
合)、図8(a)に示すように、金属線41を用意した
後、図8(b)に示すように、金属線41から第1段階
のコイル42を作製し、次いで、図8(c)に示すよう
に、このコイル42にメッキを施して、少なくとも表面
にPtを有する金属膜30を付与したコイル43を得
る。なお、メッキに限らず、蒸着等によって金属膜30
を形成してもよい。最後に、コイル43を所定の長さに
切断すると、金属膜30が形成されたコイル40を得る
ことができる。もちろん、図8(a)および(b)に示
した工程の後、図9(a)に示すように、第1段階のコ
イル42を所定の長さに切断してコイル44にし、次い
で、図9(b)に示すように、コイル44にメッキを施
して、金属膜30を有するコイル40を作製してもよ
い。 【0105】 このようにして作製されたコイル40
は、電極棒16に挿入されて、その後、ランプの製造工
程に供される。例えば、図10(a)に示すように、電
極棒16および金属箔24等を有する電極構造体55を
用意した後、図10(b)に示すように、電極構造体5
5の電極棒16にコイル40を挿入する。その後、必要
に応じて、図10(c)に示すように、コイル40の所
定の箇所(例えば、真ん中の一箇所など)を溶接し、そ
の溶接部34によってコイル40を電極棒16に固定す
る。 【0106】 図10(c)に示すようにして、コイル
40を電極棒16に固定した場合には、溶接部34以外
は、コイル40を電極棒16から浮かす(離す)ことが
できるため、コイル40と電極棒16との間に隙間を作
ることができ、コイル40が電極棒16へ与える圧力負
荷を軽減させることが可能になる。特に、光出力で長寿
命の放電ランプを実現する場合、電極棒16として、極
めて高純度のタングステンからなる電極棒を用いること
が多く、この高純度のタングステン棒は、それほど純度
の高くないものと比べると、強度が落ちるので、高純度
のタングステン棒を用いる場合には、当該隙間による圧
力負荷の軽減手段を採用する意義が大きくなる。 【0107】 ここで、好適な高純度の電極棒を例示す
ると、電極棒に含まれるナトリウム(Na)、カリウム
(K)、およびリチウム(Li)の含有量がそれぞれ1
ppm以下であるものである。なお、このような高純度
の電極棒を用いたランプは、アルカリ金属の存在に起因
して生じ得る黒化を効果的に抑制できるとともに、光色
の黄ばみを抑制することができるという効果を得ること
ができる。この高純度の電極棒は、国際公開WO 01
/29862号パンフレット(対応米国出願;10/1
11,067号)に開示されており、ここで、これらの
明細書を、本願明細書に参考のため援用する。 【0108】 また、コイル40の典型的な寸法等の条
件を示すと、次の通りである。コイル線径は約0.06
mm(約60μm)であり、ピッチ中心間隔(ある線の
中心から隣接する線の中心までの間隔)は約0.1mm
(約100μm)である。そして、互いに隣接する線の
あいだの間隔は、0.04mm(約40μm)である。
間隔をあけてコイルを巻くのは、間隔をあけずにコイル
をきっちりと巻くことは、間隔をかけて巻く場合と比べ
て難しいからである。 【0109】 なお、上記実施形態1および2における
金属膜30をPtのみから構成すると次のような効果も
得られる。Ptのみから金属膜30の場合、Pt(上
層)/Au(下層)の2層構造の場合よりも、密着性は
低下するものの、実用上の十分な密着性を確保できると
もに、Ptだけを発光管10内に存在させるようにする
ことができ、Auを用いてないことから、Auの発光管
10内への混入を防ぐことができる。上述したように、
Auは黒化を進行させる元素ではないが、Auが発光管
10内に存在すると、発光管10内の水銀18の粘度が
上がり、場合によっては、水銀18が電極12、12’
間を連結する現象(いわゆる水銀ブリッジ)が生じ易く
なることが本願発明者の実験によりわかった。Ptのみ
からなる金属膜30の場合には、このような水銀ブリッ
ジの発生を緩和することができる。なお、水銀ブリッジ
の発生の防止策としては、電極棒と電極棒とを互いにず
らすようにすればよい。具体的には、一対の電極のうち
の一方の電極と他方の電極との配置間隔Dが2mm以下
で、水銀の封入総質量が150mg/cm3以上である
場合の高圧水銀ランプ(ショートアーク型水銀ランプ)
において、一方の電極の先端と他方の電極の先端との最
短距離d(cm)を、水銀の封入総質量がM(g)のと
きに、(6M/13.6π)1/3の数値よりも大きいよ
うにすればよい。この水銀ブリッジの発生の防止策は、
特願2001−149500号明細書(対応米国出願;
09/865,964号)に開示されており、ここで、
これらの明細書を、本願明細書に参考のため援用する。 (実施形態3) 図11を参照しながら、本発明による実施形態3にかか
る高圧放電ランプ400を説明する。図11は、ランプ
400の構成を模式的に示している。 【0110】 本実施形態のランプ400は、電極棒1
6と金属箔(24,24’)とが位置する部分にわたっ
て、バイコールガラスを含む領域21が封止部(20,
20’)内に形成されている点において、上記実施形態
1のランプ100と異なる。つまり、本実施形態のラン
プ400は、表面に金属膜30を有する電極棒16の一
部と、金属箔(24,24’)の一部とにかかるよう
に、バイコールガラスを含む領域21が封止部(20,
20’)内に設けられた構成を有するものである。この
構成においては、溶接部位32の周囲も領域21によっ
て覆われている。 【0111】 バイコールガラス(Vycor glass;商品
名)とは、石英ガラスに添加物を混入させて軟化点を下
げて、石英ガラスよりも加工性を向上させたガラスであ
り、その組成は、例えば、シリカ(SiO2)96.5
重量%、アルミナ(Al23)0.5重量%、ホウ素
(B)3重量%である。ランプ製造段階の封止工程中に
おいて、領域21中の組成は、バイコールガラスと石英
ガラスとが混じり合ったものになるのであるが、本実施
形態における領域21中の半分以上(または、大半)
は、バイコールガラスが占めている。図11に示した構
成において、さらに詳述すると、領域21中に含まれる
バイコールガラスは、電極棒16および金属箔(24,
24’)から封止部(20,20’)の外壁に向かって
(つまり、中心から外壁へと)分布し、電極棒および金
属箔近傍の方に(つまり、中心側に)バイコールガラス
は多く含まれている。 【0112】 ランプ100の構成に領域21を設けた
本実施形態のランプ400の耐圧強度を本願発明者が実
験により調べた結果、驚くべきことに、耐圧強度を、ラ
ンプ100のものよりも、さらに向上できることがわか
った。ランプ100は、高くても20MPa程度の従来
の耐圧強度を、30MPa以上まで引き上げることがで
きる構造であったが、本実施形態のランプ400は、そ
れよりもさらに上の、40MPa程度またはそれ以上ま
で耐圧強度を高めることができるものであった。30M
Pa程度の耐圧強度を有するランプが実現されていない
中、40MPaまたはそれ以上の耐圧強度というのは、
まさに、驚異的な耐圧強度であるといえる。 【0113】 本願発明者が実験したところ、封入水銀
量が200mg/cm3(動作圧20MPaに相当)の
場合には、演色評価数Raが60だったものが、封入水
銀量が400mg/cm3(動作圧40MPaに相当)
の場合には、演色評価数Raは70にまで向上した。そ
して、アーク輝度は、200mg/cm3のときを1.
00とすると、400mg/cm3のときは1.20に
まで向上した。 【0114】 ランプ400の製造方法を、図12を参
照しながら説明する。図12は、図4で示した構成にお
いて、バイコールガラスからなるガラススリーブ21’
を、電極棒16の根本、溶接箇所32、そして金属箔2
4の一部の周囲を覆うように、かぶせたものである。本
実施形態で用意したバイコールガラス製のガラススリー
ブ21’は、円筒形状を有し、その外径は1.9mm、
内径は1.7mm、長さは5mmである。ガラススリー
ブ21’を固定しやすいように、ガラスパイプ50の発
光管10と側管部22との境界付近の側管部22の内径
を狭くしたガラスパイプを用いることもできる。なお、
石英ガラス製のガラススリーブを用意し、その内面に、
バイコールガラス粉末を付着させ、そのバイコールガラ
ス粉末から、領域21を形成することも可能である。 【0115】 図12に示したようにして、電極挿入工
程を行った後は、図5(a)から(d)に示したように
して、各工程を実行すれば、ランプ400が得られる。 【0116】 領域21を設けた構成は、ランプ100
の構成だけでなく、ランプ200および300に対して
も適用できる。図6および図7に示したランプ300に
適用する場合には、電極棒16に巻かれたコイル40
と、金属箔(24,24’)とが位置する部分にわたっ
て、領域21を設ければよい。 【0117】 バイコールガラスを含む領域21によっ
て、耐圧強度が向上する理由は、現時点において明確に
はわからない。おそらく、バイコールガラスによって、
封止部(20,20’)内の密着性が高まったのではな
いかと推測される。領域21には、酸化銅または銅の粒
子を分散させた構成にしてもよい。酸化銅または銅の粒
子を領域21に分散させるには、図12に示したガラス
スリーブの内面に酸化銅または銅の粉末を付着させた上
で、封止部形成工程を実行すればよい。バイコールガラ
ス中に酸化銅または銅を含ませることは、耐圧強度上昇
の効果に有利に働き得るものである。領域21中に酸化
銅または銅を混入させると、黒色、あるいは赤色または
茶色の粒子状の部分またはガラス状の部分が、ガラス中
に点々と分散した感じとなる。 (実施形態4) 上記実施形態1〜3の高圧放電ランプは、反射鏡と組み
合わせて、ミラー付きランプないしランプユニットにす
ることができる。図13は、上記実施形態1のランプ1
00を備えたミラー付きランプ900の断面を模式的に
示している。 【0118】 ミラー付ランプ900は、略球形の発光
管10と一対の封止部(20,20’)とを有するラン
プ100と、ランプ100から発せられた光を反射する
反射鏡60とを備えている。なお、ランプ100は例示
であり、上記実施形態のランプ200〜400のいずれ
であってもよい。また、ミラー付ランプ900は、反射
鏡60を保持するランプハウスをさらに備えていてもよ
い。ここで、ランプハウスを備えた構成のものは、ラン
プユニットに包含されるものである。 【0119】 反射鏡60は、例えば、平行光束、所定
の微小領域に収束する集光光束、または、所定の微小領
域から発散したのと同等の発散光束になるようにランプ
100からの放射光を反射するように構成されている。
反射鏡60としては、例えば、放物面鏡や楕円面鏡を用
いることができる。 【0120】 本実施形態では、ランプ100の一方の
封止部20’に口金56が取り付けられており、封止部
20’から延びたリード線26と口金56とは電気的に
接続されている。封止部20’と反射鏡60とは、例え
ば無機系接着剤(例えばセメントなど)で固着されて一
体化されている。反射鏡60の前面開口部側に位置する
封止部20のリード線26には、引き出しリード線65
が電気的に接続されており、引き出しリード線65は、
リード線26から、反射鏡60のリード線用開口部62
を通して反射鏡60の外にまで延ばされている。反射鏡
60の前面開口部には、例えば前面ガラスを取り付ける
ことができる。 【0121】 このようなミラー付ランプないしランプ
ユニットは、例えば、液晶やDMDを用いたプロジェク
タ等のような画像投影装置に取り付けることができ、画
像投影装置用光源として使用される。上記実施形態の高
圧放電ランプ、およびミラー付ランプないしランプユニ
ットは、画像投影装置用光源の他に、紫外線ステッパ用
光源、または競技スタジアム用光源や自動車のヘッドラ
イト用光源、道路標識を照らす投光器用光源などとして
も使用することができる。 (他の実施形態) 上記実施形態では、発光物質として水銀を使用する水銀
ランプを高圧放電ランプの一例として説明したが、本発
明は、封止部(シール部)によって発光管の気密を保持
する構成を有するいずれの高圧放電ランプにも適用可能
である。例えば、金属ハロゲン化物を封入したメタルハ
ライドランプなどの高圧放電ランプにも適用することが
できる。メタルハライドランプにおいても、リーク防止
やクラック防止を図ることは好適だからである。また、
近年、水銀を封入しない無水銀メタルハライドランプの
開発も進んでいるが、そのような無水銀メタルハライド
ランプに本発明を適用することも可能である。 【0122】 さらに、上記実施形態では、水銀蒸気圧
が20MPa程度以上の場合(いわゆる超高圧水銀ラン
プの場合)について説明したが、水銀蒸気圧が1MPa
程度の高圧水銀ランプに適用することを排除するもので
はない。つまり、超高圧水銀ランプおよび高圧水銀ラン
プを含む高圧放電ランプ全般に適用できるものである。
さらに付け加えて説明すると、動作圧力が極めて高くて
も安定して動作できるということは、ランプの信頼性が
高いことを意味する。すなわち、本実施形態の構成を、
動作圧力のそれほど高くないランプ(ランプの動作圧力
が30MPa程度未満、例えば、20MPa程度〜1M
Pa程度)に適用した場合、当該動作圧力で動作するラ
ンプの信頼性を向上させ得ることを意味する。したがっ
て、本実施形態の構成は、信頼性の面からも、ランプ特
性を向上させることができるものである。また、上記実
施形態のランプでは、封止部(20,20’)をシュリ
ンク手法によって作製したが、ピンチング手法によって
作製されたものを排除するものではない。 【0123】 加えて、一対の電極12および12’間
の間隔(アーク長)は、ショートアーク型であってもよ
いし、それより長い間隔であってもよい。上記実施形態
のランプは、交流点灯型および直流点灯型のいずれの点
灯方式でも使用可能である。また、上記実施形態の構成
は相互に採用することが可能であり、つまり、実施形態
1から3のいずれかの構成を組み合わせた構成にするこ
ともできる。 【0124】 以上、本発明の好ましい例について説明
したが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々
の変形が可能である。 【0125】 なお、比較的水銀蒸気圧の高い水銀ラン
プにおいて、封止部の構造に工夫をこらした公知の技術
としては、次のものを挙げることができる。 【0126】 特開2001−23570号公報には、
190気圧(19MPa)程度の超高圧水銀ランプにつ
いて耐圧性能を向上させるための封止部構造が開示され
ている。その封止部構造の要部拡大図を図15(a)お
よび(b)に示す。図15(a)は、電極112が封止
部120に埋め込まれている部分(電極根本部分)の平
面図であり、図15(b)は、B−B線に沿った断面図
である。同図に示されるように、封止部120のガラス
部と電極112との間には、間隙132があり、間隙1
32側のガラス部の表面には、剥離層134が形成され
ている。剥離層134は、ランプ製造段階における封止
後の冷却時に電極112表面から剥離して、封止部12
0のガラス部と電極112との間に間隙132をつくる
ものである。当該公報によれば、間隙132によって封
止部120の内面での微細クラックの発生を防止できる
ことが述べられている。 【0127】 図15から容易に理解できるように、こ
の封止部構造は、ガラス部の表面に剥離層134を密着
させるものであり、封止部120内に埋め込まれた電極
112の表面に金属膜が形成された構造のものではな
い。また、ガラス部の表面に剥離層134を密着させる
構成にする必要上、ガラス部と濡れ性の悪いような金属
膜を用いることは、同公報の技術とは相容れないもので
ある。 【0128】 特開平11−260315号公報には、
150Wの超高圧水銀ランプにおいて、箔の無い閉塞部
構造体が開示されている。この閉塞構造体の断面構成図
を図16に示す。閉塞構造体121は、発光管110を
閉塞するものであり、導電性成分含有領域(モリブデン
含有領域)と、導電性成分非含有領域(モリブデン非含
有領域)とを有している。電極心棒112は、閉塞部構
造体121の中心孔内に隙間なく焼き締められて配置さ
れている。導電性成分非含有領域の中心孔に位置する電
極心棒112の表面は、高融点金属薄膜135で被覆さ
れており、そして、導電性成分含有領域の中心孔に位置
する電極心棒112の表面は、高融点金属粉末136が
塗布されている。なお、導電性成分含有領域には、陰極
端子127が埋設されて固定されている。当該公報によ
ると、電極芯棒112を閉塞部構造体121の中心孔内
に隙間なく焼き締める際に、強く焼き締めても、高融点
金属薄膜135および高融点金属粉末136により、ク
ラックが発生しないようにできることが述べられてい
る。 【0129】 図16から容易に理解できるように、こ
の閉塞部構造体121は、箔のないものであり、焼き締
め工程により作製されるものである。したがって、本実
施形態のものとは、基本的な構成を異にするものであ
る。 【産業上の利用可能性】 【0130】 以上説明したように、本発明に係る高圧
放電ランプは、電極周囲に位置する封止部に生じるクラ
ックの発生を抑制することができるとともに箔浮きを防
止することができるので、一般照明や、反射鏡と組み合
わせてプロジェクター、自動車の前照灯などの用途に使
用される高圧放電ランプ等として有用である。
【図面の簡単な説明】 【0131】 【図1】(a)は、本発明の実施形態1にかかる高圧放
電ランプ100の構成を模式的に示す平面断面図であ
る。(b)は、その側面断面図である。 【図2】点灯時間(h)と光束維持率との関係を示すグ
ラフである。 【図3】実施形態1にかかるランプ200の構成を模式
的に示す断面図である。 【図4】電極挿入工程を説明するための工程断面図であ
る。 【図5】(a)〜(d)は、実施形態1にかかる製造方
法の各工程を説明するための工程断面図である。 【図6】実施形態2にかかるランプ300の構成を模式
的に示す断面図である。 【図7】実施形態2にかかるランプ300の改変例の構
成を模式的に示す断面図である。 【図8】(a)〜(d)は、コイル40の作製方法を説
明するための工程図である。 【図9】(a)および(b)は、コイル40の別の作製
方法を説明するための工程図である。 【図10】(a)〜(c)は、コイル40を電極棒16
へ挿入・固定する工程を説明するための工程図である。 【図11】実施形態3にかかるランプ400の構成を模
式的に示す断面図である。 【図12】電極挿入工程を説明するための工程断面図で
ある。 【図13】ミラー付ランプ900の構成を模式的に示す
断面図である。 【図14】従来の高圧水銀ランプの構成を模式的に示す
断面図である。 【図15】(a)および(b)は、公知の封止部構造の
構成を示す断面図である。 【図16】公知の閉塞部構造体の構成を示す断面図であ
る。 【符号の説明】 【0132】 10 発光管 12、12’ 電極(W電極) 14 コイル 15 放電空間(管内) 16 電極棒(W棒) 18 発光物質(水銀) 20、20’ 封止部 21 バイコールガラスを含む領域 21’ ガラススリーブ 22 側管部(ガラス部) 24、24’ 金属箔(Mo箔) 26 リード線(外部リード) 28 Moテープ(支持部材) 30 金属膜 32 溶接箇所(接続箇所) 40 コイル 50 ガラスパイプ 52 チャック 54 バーナー 55 電極構造体 56 口金 60 反射鏡 62 リード線用開口部 65 リード線 100、200、300、400 高圧放電ランプ 900 ミラー付ランプ(ランプユニット) 110 発光管 112 W電極 118 発光物質(水銀) 120 封止部 121 閉塞部 124 金属箔 126 外部リード 134 剥離層 1000 超高圧水銀ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 智行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 一番ヶ瀬 剛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 畑岡 真一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−296781(JP,A) 特開2001−102005(JP,A) 特開 平11−260315(JP,A) 特開 平7−50153(JP,A) 特開 平6−89703(JP,A) 特開 平10−255720(JP,A) 特開2000−195468(JP,A) 特開2002−270133(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/36

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 管内に一対の電極が対向して配置された
    発光管と、 前記電極に溶接により接続された金属箔と、 前記発光管から延在し、前記金属箔を封止する封止部と
    を備え、 前記封止部内には、前記金属箔および前記電極の一部が
    埋め込まれており、 前記封止部内に埋め込まれている前記電極の前記一部の
    表面には、Pt、Ir、Rh、Ruからなる群から選択
    される少なくとも1種の金属から構成された金属膜が形
    成されており、 前記金属箔と前記電極との溶接箇所には前記金属膜が形
    成されており、 前記溶接箇所の前記金属膜の厚さをAとし、前記溶接箇
    所以外の前記金属膜の厚さをBとしたとき、A<Bであ
    ることを特徴とする、高圧放電ランプ。
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