JP3493156B2 - ジポリキレート化剤 - Google Patents

ジポリキレート化剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、マルチサイト金属キレー
ト化剤であるポリキレート化剤およびこれと形成される
キレートに関し、さらにはその製造方法、これらを含む
組成物およびその用途、特に医療、とりわけ造影診断に
おける用途に関する。本発明は、特に、X線造影および
磁気共鳴造影におけるコントラスト剤となるような上記
ポリキレート化剤の金属キレートの用途に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】コントラスト剤は、医療での造影
処置、例えばX線造影、核磁気共鳴造影および超音波造
影において、被検者、一般的にはヒトあるいはヒト以外
の動物の画像における画像コントラストを高めるために
投薬されることがある。結果的に高められたコントラス
トは、異なった器官、組織のタイプあるいは身体部分を
より明確に観察あるいは特定できるようにする。X線造
影において、コントラスト剤は、それらが分布する身体
部位のX線吸収特性を調整することによって機能する。
核磁気共鳴コントラスト剤は、一般的には画像が形成さ
れる共鳴信号からの核、一般的には水陽子の特異緩和時
間T1 およびT2 を調整することによって機能す
る。また、超音波コントラスト剤は、それらが分布する
身体部位における音の速度あるいは密度を調整すること
によって機能する。
【0003】最初に進歩したX線コントラスト剤、即ち
硫酸バリウムおよび沃化ナトリウムは、沃化有機化合
物、特にトリヨードフェニル化合物に取って変わられて
きている。最近40年間の全身毒性における改善は、非
イオン性沃化X線コントラスト剤(Shaw,“Rad
iopaques”,CRC Handbook of
Bitamins,Hormone and Radi
opaques,CRC Press,p.229−2
43参照)の進歩によって達成された。より最近の改善
は、所謂ダイマーX線コントラスト剤の進歩からきてお
り、これは1分子あたり2つのトリヨードフェニル部分
を含んだ化合物である(MacClennan,“In
troduction to Supplement
in Investigative Radiolog
y”,19;S289−292(1984)参照)。
【0004】元素のX線吸収断面は原子番号の増加とと
もに増大し、かつこのような断面はX線の波長に依存し
ているため、ランタノイドおよび他の原子番号の大きな
金属のX線吸収特性を用い、X線の減衰、特にCTで用
いられる波長での減衰を改善することによってコントラ
スト剤を進歩させることがかなり望まれている。しかし
ながら、このような試みは一般には比較的不成功となっ
ていた。
【0005】このように、例えば、Nalbandia
n等(Ann.N.Y.Acad.Sci.78,77
9(1959)参照)およびShapiro等(Ann
N.Y.Acad.Sci.78,756(195
9)参照)は、ビスマスのジエチレンテトラアミン五酢
酸(DTPA)キレート(BiDTPA)および鉛のエ
チレンジアミン四酢酸(EDTA)キレート(PbED
TA)を放射線画像コントラスト剤として提案したが、
溶解性および毒性の問題に遭遇した。米国特許第417
6173号では、Winchell等が、ハフニウムあ
るいはタンタルの単純錯体をX線コントラスト剤として
解説しており、さらに最近では、イットリビウムDTP
Aが静脈内のX線コントラスト剤として研究されてお
り、10mmol/kgのLD50が報告されている
(Unger等,Invest.Radiol.21:
802(1986)参照)。
【0006】MRIにおいて、常磁性金属イオン、例え
ばMn(II)等をコントラスト剤として使用すること
は、最初1978年にLauterbur等によって提
案された(“Electrons to Tissue
s−Frontiers of Biological
Energetics”,Vol.1,edited
by Dutton et al,Academic
Press,NY,1978における第752−75
9頁参照)。そして、より最近では、米国特許第464
7447号において、Schering AGが、DT
PAのガドリニウム(III)キレートの塩を使用する
提案を行った。
【0007】組織特異的MRIコントラスト増幅を達成
するため、あるいは緩和を増幅させるために、GdDT
PA等の常磁性キレート、または金属錯化基をポリサッ
カライド、タンパク質、抗体、リポソーム、酵素、ポリ
エチレンイミン等の高分子担体あるいは生体分子に対し
てカップリングさせることが、何人かの研究者によって
提案されている。例えば、欧州特許公開第130934
号(Schering)、欧州特許公開第136812
号(Technicare)、欧州特許公開第1848
99号(Nycomed)、欧州特許公開第18694
7号(Nycomed)、欧州特許公開第277088
号(Schering)、欧州特許公開第305320
号(Schering)、国際特許公開第88/075
21号(Schering)、国際特許公開第88/0
8422号(Schering)、国際特許公開第85
/05554号(Amersham)、国際特許公開第
89/06979号(Nycomed)、欧州特許公開
第331616号(Schering)およびSchm
iedl等、Radiology 162:205(1
987)を参照せよ。さらには、国際特許公開第88/
01178号(Dow)は、末端がカルボキシレートの
「星破裂型樹状体(starburst dendri
mers)」により金属イオンをキレート化する試みお
よびこのような樹状体に抗体を接合させる試みを開示し
ているが、このような構造体の治療上あるいは診断上の
用途は確立されていない。
【0008】癌等のある罹患状態の視覚化は、組織標的
コントラスト剤の使用によって特に利益を得ることがで
きる。そして、例えば、MRIにおいて、画像化のため
には、100〜1000の常磁性中心を癌種に送り、充
分な緩和の増幅を得る必要があるようである。これに関
して使用するための高分子ポリキレートが提案されては
いるが、このような高分子ポリキレートを調製し、これ
らを抗体等の標的特異性タンパク質に結合する試みはあ
まり成功してはいない(例えば、Manabeet a
l.,Biochimica et Biophysi
ca Acta 883:460(1986)およびS
chreve et al.,Magnetic Re
sonance in Medicine 3,336
(1986)参照)。
【0009】このように、軽減された毒性、増幅された
コントラスト特性および/または調整された生物学的特
性を有する選択的コントラスト剤への必要が、特にX線
コントラスト剤の分野において未だ残されており、コン
トラスト媒体のコストおよび毒性の軽減、患者の不快の
軽減、および副反応、酵素脱沃素反応の発生の軽減にお
ける進歩のための重大な機会が存在する。
【0010】以上で引用された公開公報および他の書類
の各々、および以下に引用されるそれら(公開公報およ
び他の書類)の各々における開示は、参考のために本明
細書中に組み入れられる。
【0011】
【発明の概要】一連の新規オリゴマー状ポリキレート化
剤の金属キレート、例えば重金属或いは常磁性金属キレ
ートは、造影コントラスト剤としての用途に特に適して
おり、殊に重金属キレートの場合は、X線コントラスト
剤に適していることを、本発明者らは発見した。
【0012】一つの観点から見れば、本発明は、アミド
部位またはエステル部位によって結合されている交互配
置のキレート化部位とリンカー部位とからなり、カルボ
ニル基が上記キレート化部位と隣接した直鎖状あるいは
分岐状のオリゴマー状ポリキレート化剤を提供し、上記
ポリキレート化剤は、少なくとも2つの金属イオンを錯
化し得る上記キレート化部位を有する。また、本発明
は、上記ポリキレート化剤の塩またはキレートを提供す
る。
【0013】本発明は、このように、特に、本発明に係
るポリキレート化剤と、金属イオン、好ましくは少なく
とも2つの金属イオンとのキレート錯体である金属キレ
ートを提供する。新規なオリゴマー状ポリキレート化剤
およびこれらから形成された金属キレートおよびポリキ
レートは、様々な生体医療関係、例えば哺乳類における
磁気共鳴造影、X線/CT造影、核医学および重金属解
毒等に有用である。ポリキレート化剤は、複数のキレー
トサイトを有し、したがって1つを越える金属イオンを
1つの分子に錯化することができる。結果として得られ
た新規オリゴマー状金属キレート錯体は、これらを特に
有利とするような多くの特徴、例えば比較的低い毒性、
有益な造影特性および特異的生体分布特性等を有してい
る。
【0014】X線減衰剤の濃度と、そのコントラスト増
幅における効果との間には、直接的な関係がある。この
濃度対コントラスト効果の関係は、MRIコントラスト
剤に関しては線型ではなく、造影される身体箇所におけ
る陽子緩和速度に影響を与えるためには、常磁性構成要
素の臨界濃度が要求され、これによってコントラストが
増幅される。この臨界濃度を越えなければ、どのような
濃度の増加も、結果として、コントラスト増幅における
微小な改善に終わることとなる。MRへの適用のための
オリゴマー状ポリキレートの主な利益は、増幅に要する
コントラスト剤の臨界投薬量を低下させること(従っ
て、低い毒性)にある。ポリキレートの生体分布特性お
よび薬物動態学的特性にあっても、単量体キレートコン
トラスト剤のそれとは、有利に異なっている。
【0015】本明細書において、「オリゴマー状ポリキ
レート化剤」という語は、1つを越える金属イオンをキ
レート化できるキレート化剤、即ち1つを越えるキレー
ト化サイトを有するキレート化剤を示しており、これは
1分子あたり1つのキレート化サイトしか有さない単量
体の「モノキレート化剤」、例えばDTPAあるいはE
DTA等のと比較される。本発明のポリキレート化剤に
おける複数のキレート化サイトは、特に常磁性金属イオ
ン(例えば、原子番号21〜29、42、44および5
7〜71、特に原子番号24〜29および62〜69の
金属イオン)、重金属イオン(例えば、原子番号37以
上、とくに原子番号50以上の金属イオン)および放射
性金属同位体のイオン等の金属イオンを錯化することが
できる。
【0016】造影診断、放射線治療あるいは重金属解毒
処置における用途には、本発明のポリキレート化剤は、
ランタノイド(例えば、La,Ce,Pr,Nd,P
m,Sm,153Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,H
o,Er,Tm,YbおよびLu)および他の金属イオ
ンのキレートにに有利に用いることができ、他の金属イ
オンとしては、例えば、Mg,Ca,Sc,Ti,V,
Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu(例えば64Cu
または67Cu)、Zn,Ga,Sr,Y,Zr,T
c,Ru,In,Hf,W,Re,Os,PbおよびB
i,これら元素の同位体および放射性同位体、特にEu
3+,Gd3+,Dy3+,Ho3+およびYb3+
を挙げることができる。特に好ましい放射性同位体は、
153Sm, Cu,67Cu,67Ga,68
a,89Sr,88Y,90Y,99mTc,97
u,103Ru,111In,186Re,188
e,203Pb,211Bi,212Bi,213Bi
および214Biを包含している。
【0017】本発明のポリキレート化剤は、多数のキレ
ート化サイトを有するため、これらと形成されるキレー
ト錯体は1つを越える金属イオンを含むことができる。
MRIあるいはX線および超音波への適用のためには、
本発明のキレートは、好ましくは、1分子当たり、各々
2つ以上の錯化常磁性金属イオンあるいは重金属イオン
を含んでいることが好ましい。一般的に好ましい一態様
では、キレートされた金属イオンは、ある同一の元素お
よび同位体のイオンであるが、しかしながら他の好まし
い態様では、ポリキレート化剤は2つ以上の異なった金
属元素あるいは同位体のイオンをキレートするために用
いられる。この方法では、例えば、コントラスト剤のX
線断面(Xray cross−section)は、
2つ以上の異なる重金属のイオンを有するポリキレート
を選択することによって、放射線写真検査に用いられる
X線スペクトルに適合させることができる。
【0018】同様に、重金属キレート毒性は、キレート
されたカルシウム、あるいはMRIコントラスト媒体内
でイオンを形成する比較的弱い他のキレート錯体の包含
によって軽減しうることが知られており(Salute
r Inc.の国際特許公開第90/03804号およ
び欧州特許公開第270483号(Schering)
参照)、本発明に係るポリキレート内の1つ以上のキレ
ート化サイトは、カルシウムあるいは他の生理的に許容
される、弱錯体形成金属をキレートするのに用いること
ができる。
【0019】1つの分子内に複数の金属イオンを組み入
れることができるという可能性は、磁気共鳴造影、X線
/CT、核医療等のインビボでの適用において、本発明
に係るポリキレートが、1モル当たりで、より優れた応
答性を発揮することができるという結果を生むこととな
る。同様に、重金属解毒処置において、各々のポリキレ
ート化剤分子あるいはその弱錯体は、身体から1つを越
える毒性金属を除去し、このようにして1モル当たりの
処置効果を増加させることができるであろう。
【0020】モノキレート化剤と比較した場合、本発明
のポリキレート化剤化合物上のキレート化サイトの数が
増加していることによって、より低いモル当たりの投薬
量が、同レベルの金属キレート化を達成するのに用いる
ことができる。キレート毒性は、キレート金属イオンが
インビボで遊離される程度、非錯化あるいは弱錯化キレ
ート化サイトのプラズマイオン濃度への効果、金属キレ
ート錯体の特異的化学毒性効果および粒子の数(浸透
性)等の要素に依存しているため、この低減された投薬
量が、例えば、低減した金属イオンの遊離、望ましくな
いプラズマイオン濃度歪の低減、浸透性の低減などの観
点から、毒性を減少させ得る結果となる。
【0021】加えて、本発明のポリキレート化剤および
ポリキレートの比較的高い分子量、および機能的置換基
(血漿タンパク、抗体あるいは抗原等)への結合能力
は、適切な生体分布特性の選択を許容し、組織あるいは
器官の標的化、即ち癌種などの組織に対する好ましい送
達を可能とする。これはまた、造影特性、例えば、より
良い選択性、コントラスト/ノイズ比、造影時間等を改
善する結果となる。
【0022】本発明の更なる利点は以下の詳細な説明に
よって明らかとなるであろう。
【0023】
【発明の具体的説明】本発明のオリゴマー状ポリキレー
ト化剤およびポリキレートの分子構造の説明において、
個々のキレート化部位は、最も一般的には記号「A」で
示される。このようなキレート化部位は、従来公知のも
のから選択され、金属イオンの錯化を可能とし、例え
ば、ポリアミノポリ酢酸(PAPCAs)およびその誘
導体の残基、例えば、ジエチレントリアミン五酢酸(D
TPA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカ
ン四酢酸(DOTA)、1−オキサー4,7,10−ト
リアザシクロドデカン三酢酸(OTTA)、1,4,
7,10−テトラアザシクロドデカン三酢酸(DO3
A)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、トリエチ
レンテラアミン六酢酸(TTHA)、1,4,8,11
−テトラアザシクロテトラデカン四酢酸(TETA)、
およびトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−
N,N,N’,N’−四酢酸(DCTA)等の残基から
選択される。これらキレート化剤の誘導体、例えばこれ
らのアミドおよびエステル、特に、任意に水酸化された
1−18のアルキル−アミドまたは−エステルもまた
適当であって、以下に詳しく説明されるように、しばし
ば好ましいキレート化剤である。
【0024】多くのPAPCAは公知であり、例えば、
常磁性MRIコントラスト剤あるいは重金属解毒剤に用
いられることが文献で示唆されてきた。これに関して
は、以上で言及されたこれら化合物の他に、特に、欧州
特許公開第71564号、欧州特許公開第130934
号、ドイツ特許公開3401052号、欧州特許公開第
230893号、欧州特許公開232751号、欧州特
許公開292689号、欧州特許公開255471号、
欧州特許公開287465号、米国特許第468765
9号、国際特許公開89/06979号および国際特許
公開89/00557号、およびこれらで引用された書
類等において開示あるいは議論されたPAPCAを特に
挙げることができる。
【0025】明確にするために、記号Aは、金属イオン
Mにキレートしているかまたはしていないキレート部
位、脱プロトン(あるいは別途イオン化)されているか
またはされていないキレート部位、およびリンカー部位
と単独であるいは複数で結合しているキレート部位を示
すように本明細書内で用いられている。記号「L」は、
キレート部位と単独あるいは複数で結合しうるリンカー
部位を示すように明細書内で用いられている。
【0026】本発明のポリキレート化剤は、少なくとも
2つのA部位と、少なくとも1つのL部位とを有してお
り、好ましくは、全体でこのような部位を100以内、
特に好ましくは2〜20、殊に3〜10有している。本
発明の重要な点は、各々のキレート部位Aと、それに隣
接する1つまたは(複数の)リンカー部位Lとの間の化
学結合が、キレート部位と隣接するカルボニル基を有す
るアミノあるいはエステルリンケージからなることであ
る。
【0027】このように、本発明のポリキレート化剤あ
るいはポリキレートにおけるA−L結合は、一般的に、
以下の式で示される。 A’−CO−X−L’ 式中、A’COおよびL’Xは、各々AおよびLを示
し、Xは酸素または2級、3級あるいは環状窒素であ
る。
【0028】Xは、好ましくはL’の炭素に結合してい
る。本発明の好ましい一態様では、ポリキレート化剤/
ポリキレートは、以下の基本的骨格構造を有している。 A(LA)a (I) 式中、“a”は正の整数であり、各々のAは同一であっ
ても異なっていてもよく、各々のLは同一であっても異
なっていても良く、各々の鎖中のAまたはL部位は、任
意に、少なくとも1つの直鎖状あるいは分岐状オリゴマ
ー状側鎖を有していてもよい。
【0029】Xが2級窒素である場合、一方または両方
(好ましくは一方)のX−結合基は、好ましくはX111
R’基であり、この式中、X111は結合手、酸素あるい
はイオウ原子あるいはNR’であり、R’は水素、また
は、任意に水酸基、アミン基、カルボニル基、これらの
誘導体、および他の適切な基等によって置換されたアル
キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基およびアリール基等の炭化水素基;炭水化物基;ペプ
チド残基;ポリペプチド残基;タンパク質;および他の
生体分子である。
【0030】本発明の化合物におけるリンカー部位は、
上記したように、各々2つ以上のキレート部位を一緒に
リンクするよう働き、これによって本発明の化合物の特
徴であるマルチキレート化サイト構造を一つに保持して
いる。キレートサイトのリンカーあるいはスペーサとし
ての役割を果たすのに加えて、リンカー部位は、他の望
ましい特徴を有する生成物を生産するように選択するこ
とができる。例えば、親水性、新油性あるいは組織標的
性の基をリンカー部位に結合させあるいはリンカー部位
内に組み入れることにより、最終生成物の親水性、新油
性あるいは組織標的性を向上させることができる。全体
の分子量および1分子当たりのキレートサイトの数の望
ましいバランスを達成するために、リンカー部位の長さ
および分子量は、適宜選択してもよい。
【0031】さらに、最終生成物を容易に特徴付けるた
め、即ちサンプル内の異なる分子を相対的に均一化させ
るために、リンカー部位に関して容易に特徴付けられる
プレカーサーを用いることができる。好ましくは、結合
する高分子あるいは生体分子を除いたリンカー部位全体
の分子量は、1000未満、最も好ましくは500未
満、殊に150未満である。本発明のポリキレート内で
の比較的高いキレートされた金属イオン濃度を達成する
ために、鎖中のリンカー部位は、キレート化部位に隣接
するアミド結合あるいはエステル結合のカルボニル炭素
間の長さ内に、22まで、好ましくは12まで、殊に1
0まで、更に好ましくは3〜8の原子の鎖を供給するこ
とが好ましい。このような鎖の末端原子は、勿論酸素あ
るいは窒素であるが、好ましくは両方が窒素である。中
間鎖原子は好ましくは炭素であるものの、窒素、リン、
ホウ素、ケイ素および酸素などの他の中間鎖原子があっ
てもよい。その末端酸素および窒素を除いて、リンカー
部位は、好ましくは任意に不飽和であるか、任意に置換
されているか、または任意に炭素環式環あるいは複素環
式環を含む直鎖状あるいは分岐状の炭化水素基であり、
例えばオキサ基、アザ基、水酸基、アミノ基、カルボキ
シル基、シクロアルキレン基(例えば、C〜Cのシ
クロアルキレン基)またはアリーレン基(例えば、C
〜C10のアリーレン基)で置換されたアルキレン基、
アルケニレン基ある。
【0032】ジ−あるいはポリアミノリンカー部位Lを
用いることはしばしば有用であり、例えば、・・・A−
L−A・・・形態の構造においては、結合は下記構造式
で例示される。
【0033】
【化1】
【0034】式中、各々のR’は、上記で定義された通
りである。上述されたアミドリンケージは、キレート部
位に隣接するカルボニル基が金属配位効果に貢献する可
能性があり、それによって得られた錯体の安定性を増加
させる場合に特に有利である。アミドリンケージのこの
カルボニル部分は、例えば、プレカーサーPAPCAに
おけるカルボキシレート基から誘導される。このような
ポリキレート化剤は、例えば、ほとんどキレート化剤の
官能基を選択的に保護することなく、PAPCAおよび
ポリアミンリンカー化合物等の比較的廉価な出発物質か
ら、以下に説明するように、一般的技術を用いて製造す
ることができる。
【0035】本発明の好ましい一態様では、同一でも異
なっていてもよい各々のリンカー部位は、基L’’X
(式中、Xは上記と同様であり、iは正の整数、好まし
くは2,3あるいは4であり、L’’は分岐状あるいは
直鎖状の、飽和あるいは不飽和炭化水素基、例えばアル
キレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アル
キニレン基あるいはアリーレン基であり、これらの基は
好ましくは1〜20の炭素原子を含み、さらに好ましく
は1〜6の炭素原子を含んでいるか、これら基の2以上
の組合せである。またL’’Xは、ポリアルキルアミ
ン残基(例えば−NH(CHCHNH−)、(j
は好ましくは1〜20である)、好ましくは4〜20、
さらに好ましくは4〜8のの炭素を含むアミノポリエー
テルまたはアミノポリアルコール残基(例えば、アミノ
ポリエチレングリコール残基)、アミノ炭水化物残基、
アミノ脂肪酸残基、あるいは2つ以上のキレート化部位
(およびさらに得られた化合物の可溶性または生体分布
特性を増進させるために好ましく選択された置換基、例
えば−OH,−NHまたはCOH,ペプチド残基、
ポリペプチドあるいはタンパク質、例えば血漿タンパ
ク、抗体あるいは抗原、または他の好適な部位で置換さ
れていることが好ましい)と、アミドあるいはエステル
リンケージを形成し得る他の化合物残基である。
【0036】本発明のオリゴマー状ポリキレート化剤お
よびキレート錯体は、多数のキレート化部位が1つ以上
のリンカー部位によって互いに結合した多種多様な構造
を包含している。本発明の一般的な一態様において、オ
リゴマー状ポリキレート化剤は、以下の式IIで表され
る。 A−L−(A−L)A (II) 式中、bはゼロまたは正の整数(好ましくは1,2,
3,4または5)であり、各々のLは、独立に上述の基
Lから選択され、各々のAは、独立に金属イオンを錯化
することができるキレート化部位である。キレート化部
位Aは同一であっても異なっていてもよく、リンカー部
位Lは同一であっても異なっていてもよい。各々のキレ
ート部位Aは、好ましくはアミド結合によって、1つ以
上の隣接する結合基に共有結合され、リンカー部位は、
個々のキレート部位を順次交互に結合してポリキレート
化剤を形成する。
【0037】好ましい一態様において、キレート部位A
は、同一のモノキレートから誘導されるか、または同一
のモノキレートに関連する。各々の要求される結合位置
に、同一のリンカー部位Lを用いることも、またしばし
ば有利である。上述されたオリゴマー状化合物の製造に
有用な好ましいリンカー化合物は、以下のポリアミノ化
合物を含むが、これらに限定されるものではない。
【0038】1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミ
ノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミ
ノ−3−(2−アミノエチル)−ペンタン、N,N’−
ジメチル−1,2−ジアミノエタン、N,N’−ジメチ
ル−1,3−ジアミノプロパン、2−ヒドロキシ−1,
3−ジアミノプロパン、2−アミノ−1,3−ジアミノ
プロパン、2,3−ジアミノ−1,4−ブタンジオー
ル、1,4−ジアミノ−2,3−ブタンジオール、1,
4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−フェニレンジア
ミン、および、特に1,1,1−トリス(アミノメチ
ル)エタン、2,2’,2”−トリアミノトリエチルア
ミン、トリス−(アミノメチル)メタン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラアミン、1,3,5−ト
リアミノシクロヘキサン、および1,3,5−フェニレ
ントリアミン。
【0039】L’XのXが酸素である場合、得られたエ
ステル結合の加水分解に対する安定性を向上させるため
に、嵩高い、例えば分岐したL’を選択することがしば
しば好ましい。この点において、好ましいリンカー化合
物は、以下のポリヒドロキシ化合物を含むが、これらに
限定れるものではない。2,2−ジメチル−1,3−プ
ロパンジオール、トリス(2−ヒロドキシエチル)アミ
ン、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、
およびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン。
【0040】本明細書に記載の合成方法は、前記のリン
カー化合物を用いて度に特定された構造およびサイズの
オリゴマー状ポリキレート化剤を製造することを許す。
特定構造のリンカー部位を選択することより、タンパク
またはポリペプチドを基礎とするキレートと比較て、イ
ンビボでの加水分解に対して安定であるポリキレート化
剤/ポリキレート化合物が製造される。さらに、前記の
結合を形成するのに有用な出発物質のコストは、たとえ
ばホモポリペプチドを背景とするものよりも一層低い。
【0041】式IIの化合物は、「直鎖状」オリゴマー
状ポリキレート化剤と呼ぶことができる。しかし前記の
ように、本発明には「分岐状」と呼ばれる化合物、たと
えば前記の背景構造 A(LA)(式中、背景「モノ
マー」残基AおよびLの1個または数個は、分岐状サイ
トである)を有する化合物も包含される。したがって、
本発明のポリキレート化剤化合物の例としては、1個ま
たは数個の分岐を有するオリゴマーが挙げられ、これら
のオリゴマーは、たとえば式III
【0042】
【化2】
【0043】(式中、aは正の整数、cはゼロまたは正
の整数、好ましくは1〜5、dはゼロまたは正の整数、
好ましくは1〜4、eはゼロまたは1である)で表され
る化合物である。実際に、オリゴマーの側鎖は、それ自
体分岐していてもよく、すなわち、それぞれA部位およ
びL部位に分岐があってもよい。本発明による特に好ま
しいオリゴマー状ポリキレート化剤としては、1個の分
岐中心を有する化合物、たとえば式IIV 〔(A−L−)A−〕Z (IIV) で表される化合物である。この式中、gは2より大きい
整数、fはゼロまたは整数(好ましくは1、2、3、4
または5)、各Lは独立して、先に定義したリンカー部
位〔たとえば置換または非置換のアミン含有炭化水素
基、たとえばアルキレン基、シクロアルキレン基、アル
ケニレン基、アルキニレン基またはアリーレン基であ
り、これらの基は好ましくは1〜20個の炭素原子、特
に好ましくは1〜6個の炭素原子を有し、直鎖状でも分
岐状でもよい)、ポリアルキルアミン残基、たとえば−
NH(CHCHNH−)(jは好ましくは1〜2
0である)、好ましくは4〜20個の炭素原子、特に好
ましくは4〜8個の炭素原子を有するアミノポリエーテ
ル残基またはアミノポリアルコール残基(たとえばアミ
ノポエチレングリコール残基)、アミノ炭水化物残基、
アミノ脂肪酸残基、あるは隣接する各キレート化部位A
とアミド結合またはエステル結合を形成できる他の好適
な基(好ましくは生成する化合物の溶解性またはバイオ
分布性を向上させるために選択された任意の置換部を有
する)、たとえば−OH、−NHまたは−COH、
ペプチド残基、ポリペプチド残基またはタンパク残基、
たとえば血漿タンパク、抗体または抗原、あるいは他の
好適な部位)〕であり、各Aは独立して、キレート化部
位であり、Zはポリキレート化剤を形成するg個の各オ
リゴマー分岐と結合しうる多価結合部位である。
【0044】特にZにおける1個または数個の分岐状サ
イトは、たとえば下記の分岐状構造
【0045】
【化3】
【0046】および
【0047】
【化4】
【0048】で表される多価原子、たとえばC、N、
B、PまたはSiから成ることができる。これらの式中
L’’’は全体のリンカー部位の一部、RはNR’
たはOR’(各R’は同一でも異なってもよく、前記に
定義したとおりであり、あるいはZは先に述べた形Lの
リンカー部位であってよい。
【0049】g個の各分岐と中央の分岐状部位Zとの間
のA−Z結合は、たとえば次式 〔(・・・A’−CO−)O−CHCH−〕Z’ 〔式中、gは3またはそれ以上の数、Z’は多価の分岐
状原子または基、たとえばN、PO、B、B(−)CH
またはCCH(それぞれについてgは3)である〕
で表されるエステル型構造であってよい。
【0050】A−Z結合は、形Lのポリアミノ中央結合
部位に結合するアミド結合の形をとることができる。こ
のような構造の例としては、Zがポリアミノリンカー化
合物の残基である式IIの化合物、たとえば1,1,1
−トリス(アミノメチル)エタン(TAME)または
2,2’,2”−トリアミノトリエチルアミンが挙げら
れる。前者としては、 〔(・・・A’−CO−)NH−CH−〕CCH を例示することができ、後者としては、 〔(・・・・A’−CO−)NH−CHCH−〕
N を例示することができる。
【0051】Zが4個またはそれ以上のキレート化部位
に結合した分岐状部位であり、この分岐状部位Z中の2
個またはそれ以上のサイトから分岐している場合に、2
個以上の分岐状サイトを有する化合物が生成することが
わかる。このような構造は以下に例示される(式Xa〜
Xc参照)。本発明によるオリゴマー状キレート化剤の
うちの特に好ましい群としては、リンカー部位により結
合されて一つのオリゴマー状分子を形成する2個または
それ以上のDTPA分子または誘導体から形成されたオ
リゴマー状キレート化剤が挙げられる。以下の記載にお
いてはDTPAに関するか、またはこれを利用した化合
物または方法についてしばしば言及するが、他のこのよ
うなモノキレート化分子、たとえばDOTA、EDT
A、TTHA、TETA、DCTA等、およびそれらの
エステルまたはアミドのような誘導体を用いて本発明の
範囲内の他の化合物を形成しうることは当然である。
【0052】本発明のポリキレート化剤のキレート化部
位は、すでに説明したように、リンカー部位に結合した
アミドまたはエステルである。中央鎖キレート化部位、
すなわち2個またはそれ以上のリンカー部位に結合した
部位に関しては、キレート化部位の大部分は単にそれか
らぶら下がっているよりは、オリゴマー状骨格の部分を
形成していることが好ましい。したがって、中央鎖キレ
ート化部位AがPAPCAの残基である場合には、少な
くとも2個付加したリンカー部位に結合したアミド/エ
ステル結合のカルボニル間の鎖は、少なくとも2個のP
APCAのアミン窒素を含むことが特に好ましい。同様
に、アミド結合リンカー部位に関しては、リンカーの本
体はオリゴマー状骨格に寄与することが好ましい。
【0053】オリゴマー状DTPAを基礎とする式II
の好ましいポリキレート化剤としては、式V
【0054】
【化5】
【0055】(V)で表される化合物が挙げられる。式
中hはゼロまたは正の整数(好ましくは1、2、3、4
または5)、Rは−OR’または−NR’(各R’は
同一でも異なってもよく、前記に定義したとおりであ
る)、各L’は同一でも異なってもよく、先に定義した
ようにポリアミンリンカー部位Lの一部である。
【0056】式Vの特に好ましいポリキレート化剤とし
ては、式Va
【0057】
【化6】
【0058】で表される化合物が挙げられる。式中hお
よびL’は前記定義のとおりであり、Rは水酸基以外の
前記定義のとおりである。このようなポリキレート化剤
は、以下に説明するように、M3+金属イオン、たとえ
ばEu3+、Gd3+、Dy 、Ho3+、Yb3+
等と錯化させるのに特に好ましい。本発明のポリキレー
ト化剤を製造するために、DTPA以外のキレート化化
合物またはこれをDTPAと共に使用することができ、
こうして式VまたはVaで表される化合物以外の化合物
を得ることができる。たとえばモノキレート化剤である
DOTA、EDTA、TTHA、TETA、DCTA等
でDTPAを置き換えることにより、式IIの範囲内の
直鎖状オリゴマー状ポリキレート化剤を生成させること
ができる。キレート化剤残基における特定の置換基R、
あるいはオリゴマー状化合物の特定の異性体の形を反映
しない簡略表記法を用いると、式VおよびVaは次のよ
うに書き換えることができる。
【0059】DTPA’−L−(DTPA’−L−)
DTPA’ (VI)この式中、DTPA’は1個また
はそれ以上のリンカー部位Lにアミド結合またはエステ
ル結合により結合したDTPA残基である。同様に、前
記のような交互のモノキレート化剤を用いて、たとえば
下記式で表されるオリゴマー状ポリキレート化剤を得る
ことができる。
【0060】 DOTA’−L−(DTPA’−L−)DOTA’ (VIIa) TETA’−L−(DTPA’−L−)TETA’ (VIIb) EDTA’−L−(DTPA’−L−)EDTA’ (VIIc) DOTA’−L−(DOTA’−L−)DOTA’ (VIId) リンカー部位Lを、個々のモノキレート化剤上の異なる
アミド合またはエステル結合形成性部位と結合させるこ
とにより、式II、V、Va、VIおよびVIIa〜V
IIdのようなオリゴマー状キレート化剤において、種
々の異なる異性体を得ることができる。すなわち、たと
えば式Vaの化合物の異性体を製造することができ、こ
れらの異性体は次の構造を有する。
【0061】
【化7】
【0062】あるいはより一般的には、
【0063】
【化8】
【0064】これらの式中、h,L’およびRは上記定
義のとおりであり、TPA(N,N”)はDTPA残基
が第一および第三の窒素等を介して結合していることを
示す。このような化合物は、下記の実施例にさらに詳細
に記載する技術を用いて合成することができる。同様
に、本明細書に記載する技術および方法を用いて、式V
IIa、VIIb、VIIcおよびVIIdのような化
合物の種々の異なる異性体を得ることもできる。
【0065】式IIの直鎖状オリゴマー状キレート化剤
の場合のように、分岐状ポリキレート化剤、たとえば式
IVの化合物に組み込まれるキレート化剤部位Aは、D
TPAから誘導されたかまたはこれに関する1個または
数個の配位子基からなることが好ましい。したがって、
式IVの範囲内のオリゴマー状キレート化剤の好ましい
群は、式VIII
【0066】
【化9】
【0067】(式中、g、R、L’、fおよびZは前記
定義のとおりである)で表される。もちろん、分岐状オ
リゴマー状キレート化剤の場合は、DTPA以外のモノ
キレート化剤(たとえばEDTA、TTHA、TET
A、DCTA等を含む)を、またはこれらとDTPAと
を一緒に利用できる。したがって、式IIVの範囲内の
構造および簡略式VIおよびVIIa〜VIIdの化合
物の類似物としては、次のものを例示することができ
る。
【0068】
【化10】
【0069】上記のように、分岐状ポリキレート化剤
は、2個以上の部位(れらは同じリンカー部位内にあっ
てもよく、異なるリンカー部位またはキレート化剤部位
にあってもよい。分岐が同じ部位(式IVおよびIXa
〜IXfのZ)内にある場合、このリンカーはそれ自
体、たとえばDOTAまたはOTTAのようなPAPC
Aの残基を含むことが好都合であり、したがって多分岐
状リンカー部位は次のような構造を有することができ
る。
【0070】
【化11】
【0071】異なるリンカー部位にある分岐は、次のよ
うな構造により説明することができる。
【0072】
【化12】
【0073】式中、kはゼロまたは正の整数である。た
とえば式IXa〜IXfの簡略表記を用いると、式Xa
〜Xcの分岐区分Zまたは(LA)K+1Lは、次のよ
うなオリゴマー状ポリキレート化剤を形成するのに用い
ることができる。
【0074】
【化13】
【0075】式V、Va〜Vd、VIおよびVIIa〜
VIIdの直鎖状構造を有する合のように、たとえば式
IIV、VIII、IXb〜IXeのおよびXIa〜X
Icの分岐状化合物の異なる異性体形態は、リンカー部
位をキレート化剤部位中の異なるサイトに結合させるこ
とによって得ることができる。本発明のポリキレート化
剤の好ましい態様において、キレート化剤部位上の純負
電荷は、ポリキレート化剤によりキレート化された金属
カチオン上の純正電荷と釣り合っているか、または実質
的に釣り合っており、これによってポリキレート化剤の
純電荷は全体として低いかまたはゼロであり、したがっ
てポリキレート化剤の低い浸透性組成物の調製を可能に
する。
【0076】本発明の特に好ましい態様において、ポリ
キレート化剤は、そのキレート化剤と会合した金属カチ
オン上の純正電荷を中和するのに充分な負電荷を与える
少なくとも1個のキレート化剤を含んでいる。これは、
その特別のキレート化剤−金属(A−M)錯化合物内の
電荷の中和を得るために、NaまたはKのように、
キレート化剤と追加的に会合した塩形成性イオンを有す
る必要を無くし、これによって好都合に対象化合物の浸
透性が減少され、かつその毒性が低下される。オリゴマ
ー状ポリキレート化剤中の各A−M錯化合物は、このよ
うな電荷中和を示すことが特に好ましい。
【0077】したがって、たとえばGd3+イオンが各
DTPA−誘導キレート化剤部位と会合している式Va
の場合については、電荷中和はRとして実質的に非イオ
ン性置換基を選ぶことによって得ることができる。した
がって好適なR基としては、安定なアミド機能性または
エステル機能性を形成する基が挙げられ、たとえばこれ
らの場合、RはN−メチルアミノ基、N−メチルグルコ
アミノ基、エトキシ基、ベンゾキシ基、あるいはこれら
の条件下で加水分解に対して安定な他のアルコキシ基で
ある。好適なR基の例は、米国特許第4687658号
および同第4687659号各明細書に開示されてい
る。
【0078】本発明のポリキレート化剤は、たとえばカ
ルボキシル部位の代わりに、式CONR”の基(各
R”部位は独立して水素原子、あるいは所望により1個
または数個の水酸基またはC1−16アルコキシ基によ
り置換された直鎖状または分岐状C1−18アルキル基
であるか、あるいはNR”は所望によりもう1つの異
種原子として酸素または窒素を含有し、かつ所望により
水酸基、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ
基により置換された、窒素に結合した5〜8員の飽和複
素環を示す)を含有する、PAPCAのアミド誘導体の
残基、たとえば
【0079】
【化14】
【0080】または
【0081】
【化15】
【0082】であることが特に好都合である。低イオン
性または非イオン性ポリオリゴマー状キレート化剤を形
成するために、キレート化剤部位と置換基とを選択しう
るという能力は、本発明の他の化合物にも適用しうる原
則である。特に、ポリキレート化剤中の各キレート化剤
部位上の純形式電荷が同じになるように、式VIIa、
VIIbおよびVIIcに示されるスキームに従って、
特定の個々のモノキレート化剤を選ぶことが、しばしば
有利である。これらの式は、リンカー部位Lに結合して
いない個々のキレート化剤部位中の各酢酸部位が同様に
カルボキシル形である限り、すなわち酢酸部位の負電を
荷中和する基Rにより置換されていない限り、個々の各
キレート化剤部位上の当量の負電荷を説明するものであ
る。あるいは、式VIIdのような化合物中の各キレー
ト化剤部位上の当量の形式電荷は、上記のようにアルキ
ルアミノ基またはアルコキシ基のような好適な基Rが、
オリゴマー状ポリキレート化剤中の各末端キレート化剤
部位の酢酸部位と置換している場合に得ることができ
る。
【0083】式Vaのポリキレート化剤の場合のよう
に、式VIII、IXa〜IXfおよびXIa〜XId
の分岐状化合物に関しても、全体のポリキレート中で少
なくとも実質的な電荷中和を得るために、またはキレー
ト化剤部位と錯化した金属イオンとの間の1種または数
種の錯化合物中での電荷中和を得るために、個々のキレ
ート化剤部位に結合するR基を選択することが好まし
い。このような各R基は、帯電していない錯化合物を与
えるように選択することが好ましい。
【0084】上記の記載から、本発明のオリゴマー状ポ
リキレート化剤内の個々のキレート化剤は、DTPAの
ように、種々の位置の中の1箇所または数箇において、
式VおよびVIII中でRで示されるような基による置
換をしばしば許すことも、容易に理解できる。結合位置
または置換位置の選択が可能な場合には、選択された特
別の異性体は、毒性、粘度、溶解性、合成の容易さ、配
位子−金属会合またはその他を考慮することにより指令
することができる。本発明は、以下にさらに詳細に論じ
るように、このような種々の異性体を得るための技術を
提供する。
【0085】すなわち、もう1つの観点からみて、本発
明は、本発明によるポリキレート化剤の製造方法を提供
する。この方法は、少なくとも2個の反応性機能性基を
有する1種または数種のモノキレート化剤化合物または
その誘導体を、前記のモノキレート化剤の反応性基と反
応しうる少なくとも2個の機能性基を有する1種または
数種のリンカー化合物と反応させ、次いで所望により保
護基を脱離することから成る。
【0086】本発明の方法において、用いられる試薬の
量比は、目的生成物中における、あるいはオリゴマー化
を段階的様式で行う場合の中間体生成物中におけるキレ
ート化剤部位とリンカー部位との望ましい比率に対応す
る。反応は段階的にまたは1回で行うことができ、生成
物は所望のオリゴマーの生成を確実にするために周期的
にサンプリングされる。
【0087】一態様において、本発明の方法は、(a)
所望によりカルボキシレート塩の形のポリカルボキシ
レートモノキレート化剤出発化合物から、1個または数
個の反応性基たとえばイミド基、アミド基、無水物基ま
たは他の活性化カルボキシル基を有する活性化ポリカル
ボキシレート化合物を得る工程、(b) 前記の活性化
化合物と、ポリアミンまたはポリオール結合化合物(た
とえばこの化合物としては、本明細書で定義した本体部
分L’および少なくとも2個の反応性水酸基および/ま
たはアミン基を有する化合物が用いられる)との間でア
ミド結合またはエステル結合を形成させる工程、(c)
前記のキレート化剤−リンカー化合物と、第二の活性
化ポリカルボキシレート化合物との間でアミド結合また
はエステル結合を形成させて、オリゴマー状ポリキレー
ト化剤を得そして所望により、より高級のオリゴマー状
ポリキレート化剤を生成させるために工程(c)の生成
物について工程(b)および(c)を繰り返す工程から
成る。
【0088】この方法において、工程(a)および
(c)の、1種または数種の活性化ポリカルボキシレー
ト化合物は、1個または数個のカルボキシル部位におい
てRの形の基(Rは前記定義のとおり)によりさらに置
換されていてもよい。このような基は、たとえばNR’
またはOR’であり、各R’は水素原子、置換または
非置換アルキル基、シクロアルキル基または芳香族基
(置換部位は−OH,−NHおよび−COHから成
る群から選ばれる)、または炭水化物基、ペプチド残
基、ポリペプチド残基またはタンパク残基である。
【0089】本発明の方法において、試薬中の、特に結
合化合物の1個または数個の反応性基は、結合形成工程
(1回または数回)中で保護することができ、次いでさ
らにオリゴマー状構造を生成させるか、またはキレート
を形成させるために保護基を脱離することができる。本
発明のオリゴマー状ポリキレート化剤を医学的診断およ
び/または治療に使用する際に、多くの場合、このポリ
キレート化剤は、しかるべき金属とキレート化すること
が要求される。これは従来公知の方法で容易に行なうこ
とができる(たとえば、欧州特許公開第292689号
参照)。よってたとえば、キレートされるべき金属は、
酸化物の形、あるいは無機または有機塩の形、あるいは
たとえば塩化物、酢酸塩等の弱キレートの形で、水また
は他の液状媒体に添加され、しかるべき量の本発明に係
るポリキレート化剤あるいはその塩、その無水物あるい
はその弱錯体と反応できる。ポリキレート化剤あるいは
その塩は、水溶液または懸濁液として加えることができ
る。金属の形および使用されるポリキレート化剤、およ
び各々の濃度に依存し、100℃程度の温度で、48時
間以下の間、加熱を行なうことができる。
【0090】ポリキレート化剤のいくつかはイオン性で
あり、対イオンを必要とする。医学用としての使用に
は、このような対イオンは、もちろん生理学上許容しう
るべきである。好適な対イオンは、薬理学の分野におい
ては公知であり、たとえばナトリウム、カリウム、カル
シウムおよびマグネシウム等のアルカリ金属イオンある
いはアルカリ土類金属イオン、およびエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、モルフォリン、グルカミン、
N,N−ジメチルグルカミンおよびN−メチルグルカミ
ンのような有機塩基のイオン等の有機カチオンおよびア
ニオン、およびアミノ酸あるいは他の天然の生理的に受
容できる酸のイオン等があげられる。このようなポリキ
レート塩は、たとえば、溶液中のポリキレートに、塩基
(たとえばアルカリ金属の水酸化物、メグルミン(me
glumine)等)を作用し、ポリキレートを中和す
ることにより得られる。中性錯体、すなわち形式電荷を
持たない錯体は、酸または塩基の希釈溶液を加え、pH
を7.0付近に保つ必要がある。このような中性錯体
は、浸透性が低いため生体適合性のよい溶液を提供する
ので、X線静脈造影およびNMR造影剤としては、荷電
錯体よりも好適である。
【0091】本発明の別の面では、本発明は、本発明に
係るポリキレート化剤、またはその塩あるいはその弱錯
体を、液状媒体中好ましくは水性媒体中で、少なくとも
1つの金属化合物、好ましくは酸化物または、水あるい
は有機溶媒好ましくはアルカノールに可溶の化合物と反
応させ、1分子あたり2またはそれ以上のキレート化金
属イオンを含むポリキレートを得ることからなる、本発
明に係るポリキレートの製造方法を提供する。
【0092】本発明の他の面では、本発明は、本発明に
係るポリキレート化剤、またはその塩あるいはそのキレ
ートを、たとえば造影診断(たとえばX線造影、MR
I、超音波造影、シンチグラフィー等)、放射線治療あ
るいは重金属の無毒化に使用される診断薬または治療薬
の製造における用途を提供する。本発明のまた他の面で
は、本発明は、本発明に係るポリキレート化剤、または
生理学的に許容できるその塩またはそのキレートと、製
剤用担体または賦形剤の少なくともいずれかとを混合す
ることからなる、診断薬または治療薬の製造方法を提供
する。
【0093】さらに本発明の他の面では、本発明は、本
発明に係るポリキレート化剤、または生理学的に許容で
きるその塩あるいはそのキレートと、製剤用担体または
賦形剤の少なくともいずれかとを含有し、たとえば造影
診断(たとえばX線造影、MRI、超音波造影、シンチ
グラフィー等)、放射線治療あるいは重金属の無毒化に
使用される診断用あるいは治療用組成物を提供する。
【0094】本発明に係る組成物は種々の用途を有し、
特に造影診断、放射線治療および重金属の無毒化に有用
である。組成物に含まれるポリキレート化剤、またはそ
の塩あるいはそのキレートは、もちろん所望の最終的用
途に応じて選択される。MRIコントラスト媒体である
組成物は、ポリキレート化剤と、ポリキレート化剤のキ
レート化部位により錯化された少なくとも1つの常磁性
金属イオン、好ましくは少なくとも2つの常磁性金属イ
オン、特に好ましくは常磁性金属イオン1つとのキレー
トを含む。好ましい常磁性金属イオンについては上記で
言及したが、この場合において、Eu、Ho、Gd、D
y、Mn、CrおよびFe、特にはGd(III)、M
n(II)およびDy(III)に関しての言及がなさ
れるべきである。このような用途に使用する場合には、
常磁性金属種は、好ましくは非放射性である。
【0095】X線または超音波コントラスト媒体として
の本発明に係る組成物は、ポリキレート化剤と、ポリキ
レート化剤のキレート化部位により錯化された少なくと
も1つの重金属イオン(原子番号が37を越え、好まし
くは50を越える)、好ましくは少なくとも2つの重金
属イオン、殊に少なくとも3つの重金属イオン、特に好
ましくは重金属イオン1つとのキレートを含む。所望な
らば、重金属は、そのX線断層が、コントラスト増幅を
最適化するように、造影に用いられるX線源と適合させ
て選択されてもよく、あるいはこの組成物は、1つを越
える金属のポリキレートを、ホモポリキレートあるいは
ヘテロポリキレートの混合物として含んでいてもよい。
好ましい金属については上記で言及したが、再びこの場
合において、Hf、La、Yb、Dy、およびGd、特
にはGd(III)およびDy(III)に関しての言
及がなされるべきである。重金属種は、勿論好ましくは
非放射性である。
【0096】シンチグラフィーおよび放射線治療におけ
る用途のためには、キレート化された金属種は、勿論放
射線活性であり、従来知られているどのような錯化可能
な放射線活性金属を用いてもよく、例えばTc、Cu、
In、Sm、RuあるいはY等の放射線活性同位体を用
いることができる。放射線治療には、例えば67Cuの
ポリキレートを用いることができる。
【0097】重金属の無毒化における用途のためには、
ポリキレート化剤は、たとえばナトリウム、カルシウ
ム、アンモニウム、亜鉛あるいはメグルミンのような生
理学的に許容できる対イオンとの塩の形態であることが
好ましい。さらにまた本発明の別の面では、本発明は、
人類あるいは非人類、好ましくは哺乳類のボディーの造
影方法を提供する。この方法は、本発明に係るポリキレ
ートあるいは生理的に許容されるこれらの塩を、ボディ
ーに投与し、例えば、ボディーの所望の部分にポリキレ
ートが分布するために充分な時間が経過した後に、ボデ
ィーの少なくとも一部の画像、例えばMR、X線、超音
波あるいはシンチグラフィー画像を造影することからな
る。
【0098】さらに本発明のまた別の面では、本発明
は、人類あるいは非人類、好ましくは哺乳類のボディー
の重金属の無毒化方法を提供する。この方法はボディー
に本発明のポリキレート化剤あるいは生理学的に許容さ
れうるその塩またはその弱キレートを投与することから
なる。さらにまた本発明の別の面では、本発明は、人類
あるいは非人類、好ましくは哺乳類のボディーの放射線
治療方法を提供する。この方法はボディーに本発明の放
射線活性ポリキレートを適用することからなる。
【0099】たとえば、モノキレートGd DTPAの
ように、ポリキレートが全体として電荷を有する場合に
は、生理学的に許容され得る対イオン、たとえばアンモ
ニウムカチオン、置換アンモニウムカチオン、アルカリ
金属カチオンまたはアルカリ土類金属カチオン、あるい
は無機または有機酸から誘導したアニオン等との塩の形
態で、それを簡便に用いることができるであろう。この
場合、メグルミン塩が特に好ましい。
【0100】本発明のオリゴマー状ポリキレートは、造
影のため、特定の造影技術で望ましいコントラストを得
るために充分な量で患者に投与される。一般的には、患
者の体重1キログラム当たりで、0.001〜5.0m
molのキレート化されたコントラスト−発生イオンの
投薬量が、適当なコントラスト増幅を達成するのに効果
的である。特にMRIへの適用のためには、好ましいキ
レート造影イオンの投薬量は、0.02〜1.2mmo
l/Kg体重の範囲であるが、一方X線への適用のため
には、0.5〜1.5mmol/Kg体重の投薬量が、
充分なX線減衰を達成するのに一般的に有効である。X
線への適用に最も好ましい投薬量は、0.8〜1.2m
molキレートランタノイドまたは重金属/Kg体重で
ある。
【0101】本発明のポリキレート化剤/ポリキレート
は、従来の薬学的あるいは獣医学的補助剤、例えば、安
定剤、耐酸化剤、浸透性調整剤、緩衝剤、pH調整剤等
の補助剤とともに調剤することができ、非経口あるいは
経口での投与に適した形態とすることができ、例えば注
射または注入、あるいはたとえば胃腸管、膀胱あるいは
子宮等といった体外脱出管を有する身体空腔への直接的
投与を例示することができる。このように、本発明の組
成物は、錠剤、カプセル、粉末、溶液、懸濁液、分散
液、シロップ、座薬等の、従来の薬学的投与の形態であ
ってもよいが、一般的には、注射用の水のような生理学
的に許容できる媒体の溶液、懸濁液および分散液が好ま
しい。
【0102】したがって、本発明に係る化合物は、従来
公知の手法によって、生理学的に許容できる媒体または
賦形剤を用いて投与用に調剤される。たとえば、化合物
は、場合によっては薬理学的に許容できる付形剤が添加
され、水性媒体に懸濁または溶解されて、得られた溶液
または懸濁液はさらに滅菌される。適切な添加剤として
は、たとえば、生理学的生体適合性緩衝液(例として、
トロメタミン塩酸塩)、キレート化剤〔例として、DT
PA、DTPA−ビスアミド(例:6−カルボキシメチ
ル−3,9−ビス(カルバモイルメチル)−3,6,9
−トリアザウンデカン二酸)または非錯化オリゴマー状
ポリキレート化剤〕の付加物(例えば、0.01〜10
モルパーセント)またはカルシウムキレート錯体(例と
して、カルシウムDTPA、カルシウムDTPA−ビス
アミド、NaCaDTPA−ビスアミド、カルシウムオ
リゴマー状ポリキレート化剤またはNaCa−オリゴマ
ー状ポリキレート化剤)、または、場合によっては、カ
ルシウム塩またはナトリウム塩(例として、塩化カルシ
ウム、アスコルビン酸カルシウム、グルコン酸カルシウ
ムまたは乳酸カルシウム等)の付加物(例えば、1〜5
0モルパーセント)があげられる。
【0103】化合物を、たとえば経口投薬用の水中また
は生理食塩水中などで懸濁状に処方する場合には、少量
の不溶性ポリキレート化剤またはポリキレートを、従来
経口溶液中に存在する不活性成分および/または界面活
性剤および/または調味用芳香剤の1種またはそれ以上
と混合してもよい。ボディーのある部分のMRI造影ま
たはX線造影のために、コントラスト剤としての金属キ
レートを投与する最も好ましい態様は、静脈投与などの
非経口投与である。静脈投与などの非経口投与の形態
は、無菌であり、生理学的に許容されない助剤を含有し
ない必要があり、また刺激あるいは投与による有害な作
用を低減するためにも低浸透性を有するべきであり、し
たがってコントラスト媒体は、好ましくは等浸透圧また
は弱高浸透圧である。好ましい媒介体(vehicl
e)としては、食塩水注射(Sodium Chlor
ide Injection)、リンゲル注射(Rin
ger’s Injection)、デキストロース注
射(Dextrose Injection)、デキス
トロース食塩水注射(Dextrose and So
dium Chloride Injection)、
乳酸リンゲル注射(Lactated Ringer’
s Injection)などに用いられている水性媒
介体および、「Remington’s Pharam
aceutical Science,15th e
d.,Easton:Mack Publishing
Co.,pp.1405−1412 and 146
1−1487(1975)」および「The Nati
onal Formulary XIV,14th e
d.Washington:American Pha
rmaceutical Association(1
975)」に記載の溶液があげられる。溶液は、非経口
溶液、賦形剤、およびキレートと相溶して生成物の加
工、貯蔵あるいはその使用を妨げない他の添加剤として
従来より使用されてきた、防腐剤、抗菌剤、緩衝剤およ
び耐酸化剤を含有していてもよい。
【0104】また本発明の組成物は、もちろん濃縮ある
いは乾燥された形であってもよく、投与に先立ち希釈を
行なう。
【0105】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0106】
【実施例1】5,8,11−トリス(カルボキシメチ
ル)−3−オキソ−2,5,8,11−テトラアザトリ
デカン−13−オイック酸・一水和物(DTPA−MM
A・HO)
【0107】
【化16】
【0108】攪拌機、リフラックスコンデンサー、温度
計および窒素ラインを備えた12リッター三つ首丸底フ
ラスコに、DTPA(1.093kg、2.78モ
ル)、無水トリエチルアミン(1.94リットル、1
3.9モル)および無水アセトニトリル(3.9リット
ル)を加えた。機械的に攪拌した混合物を窒素下で3時
間加熱して60−65℃にしたところ、全ての固体が実
質的に溶解した。この溶液を−30℃に冷却し、次いで
−30℃の温度に維持しながら、イソブチルクロロフォ
ルメート(361ml、2.78モル)を20分間かけ
て滴下した。−30℃で1時間攪拌した後、40重量%
メチルアミン水溶液(2.39リットル、27.8モ
ル)を攪拌しながら5分間かけて添加した。この混合物
を20−25℃に温めた。16時間攪拌した後、この混
合物を2層に分離した。水層(下層)を吸引法により除
去し、ロータリーエバポレーターで濃縮(50℃、約1
mm)し、粘稠なオレンジ色のガム状物質を得た。この
ガム状物質を3リットルの脱イオン(DI)した水に溶
解し、5N NaOHでpHを11.0−11.5に調
整し、次いでこの溶液をロータリーエバポレーターで濃
縮し、白色固体を得た。この工程を2回繰り返し、DT
PA−イソブチルエステル副生物を加水分解した。この
固体を1リットルの脱イオン水に溶解し、12モルのH
ClでpHを6.5に調整した。20℃に冷却した後、
この溶液を22kgのダウエックス(Dowex)1−
X8(アセテート、50−100メッシュ)を充填した
30×100cmのカラムに供給した。この物質を30
リットルの脱イオン水、30リットルの1N酢酸、30
リットルの2N酢酸、45リットルの3N酢酸および4
5リットルの4N酢酸で溶出(重力法で約325ml/
分で溶出;254nmのUVで監視)した。この生成物
は2N酢酸でゆっくり溶出し始め、4N酢酸まで溶出し
続けた。各留分(各4リットル)を、H−NMRを基
礎として一緒にし、ロータリーエバポレーターで濃縮
し、アセテートを含まないアミドが得られるまで数回分
の脱イオン水で再濃縮を繰り返した。この物質を凍結乾
燥(10μ、14時間)し、203g(収率17%)の
DTPA−MMA・HOを得た。H−NMR(25
0MHz、DO):δ 2.55(s、3H)、δ
2.97−3.05(m、4H)、δ 3.19(t、
2H、J=6.0Hz)、δ 3.27(t、2H、J
=6.0Hz)、δ 3.46(s、2H)、δ 3.
65(s、2H)、δ 3.75(s、6H)。
【0109】
【実施例2】N−[2−[ビス(カルボキシメチル)ア
ミノ〕エチル〕−N−[2−(4−メチル−3,5−ジ
オキソ−1−ピペラジニル)エチル〕グリシン・一水和
物(DTPA−MMI・HO)
【0110】
【化17】
【0111】磁気攪拌子を含む500ml丸底フラスコ
にDTPA−MMA・H2 O(15.0g、35.3
ミリモル)および氷酢酸(250ml)を加えた。この
フラスコにコンデンサーを固定し、攪拌した溶液を窒素
下、油浴中で80℃に温めた。18時間後、反応混合物
を室温に冷却し、ロータリーエバポレーターで濃縮し、
さらに高真空にして乾燥し、橙黄色の固体を得た。この
固体を50−100mlの脱イオン水に溶解し、ビオ−
ラッド(Bio−Rad)AGI−X8(アセテート、
100−200メッシュ)を充填した14×2.5イン
チ(35.6×6.4cm)カラムに供給した。このイ
ミドを、窒素圧下で1.0リットルの脱イオン水、次い
でそれぞれ1.0リットルの1N、2N、3Nおよび4
Nの酢酸で溶出した。この生成物は2N酢酸の初期から
4N酢酸の初期まで溶出した。各留分(250−500
ml)を純度を基礎として一緒にし、ロータリーエバポ
レーターで濃縮し、さらに高真空にして乾燥し、10.
95g(収率80%)のDTPA−MMI・HOを得
た。H−NMR(250 MHz、D2 O):δ
2.81(t、3H、J=5.4Hz)、δ 2.88
(s、3H)、δ3.14(t、2H、J=5.4H
z)、δ 3.27−3.32(m、4H)、δ 3.
48(s、4H)、δ 3.55(s、4H)、δ
3.74(s、6H)。
【0112】
【実施例3】15−アミノ−3,6−ビス(カルボキシ
メチル)−9−[2−(メチルアミノ)−2−オキソエ
チル−11−オキソ−3,6,9,12−テトラアザペ
ンタデカン酸・一塩酸・一水和物(DTPA−MA−A
PA・HCl・HO)
【0113】
【化18】
【0114】磁気攪拌子を備えた50ml丸底フラスコ
にDTPA−MMI・HO(4.15g、10.21
ミリモル)、トリエチルアミン(4.3ml、3.0当
量)およびメタノール(15ml)を加えた。この固体
は、5−10分後に溶解し、次いでこのフラスコを窒素
下で氷浴中に5−10℃で配置し、次いで1,3−ジア
ミノプロパン(10.2ml、12当量)を一括して加
えた。5分後、フラスコを氷浴から取り出し、混合物を
室温で17時間攪拌した。この溶液をロータリーエバポ
レーターで濃縮して油状の残分を得、次いでこの残分を
25ミリリットルの脱イオン水に溶解し、pHを11.
5に調整(5N NaOH)し、1−15mlに再濃縮
し、ビオ−ラッド(Bio−Rad)AGI−X8(ア
セテート、100−200メッシュ)を充填した4×2
インチ(10.2×5.1cm)のカラムに加えた。ア
ミドを300mlの脱イオン水および600mlの1N
酢酸で溶出した。この生成物を1N酢酸で溶出した。各
留分(125−250ml)を純度を基礎として一緒に
し、ロータリーエバポレーターで濃縮し、さらに高真空
にして乾燥し、白色固体状の残分を得た。この固体を2
5mlの脱イオン水に溶解し、1N HCl(8.9m
l、1.0当量)を用いてpHを1.8に調整し、次い
で濃縮し、乾燥させた。この残分を25mlのメタノー
ル中に溶解し、次いで濃縮し、乾燥させることにより、
4.64g(収率88%)のDTPA−MA−APA・
HCl・HOを得た。H−NMR(250MHz、
O):δ 1.66(d、2H、J=7.2H
z)、δ 2.53(s、3H)、δ 2.78(t、
2H、J=7.5Hz)、δ 2.98−3.18
(m、6H)、δ3.23(t、2H、J=5.5H
z)、δ 3.36(t、2H、J=5.6Hz)、δ
3.44(s、2H)、δ 3.48(s、2H)、
δ3.57(s、2H)、δ 3.72(s、4H)。
【0115】
【実施例4】3,6,22,25−テトラキス(カルボ
キシメチル)−9,19−ビス[2−(メチルアミノ)
−2−オキソエチル]−11,17−ジオキソ−3,
6,9,12,16,19,22,25−オクタアザヘ
プタコサン二酸・二水和物(プロピルDTPA−(9,
19)BMA−APA・2HO 二量体)
【0116】
【化19】
【0117】磁気攪拌子および窒素ラインを備えた25
mlの丸底フラスコにDTPA−モノ(メチルプロピル
アミン)アミン HCl・HO(0.57g)1.1
ミリモル)およびDMSO(2.0ml)を投入した。
この固体を磁気攪拌により溶解し、無水1,5−ジアザ
ビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)
(1.1ml、8.8ミリモル)、次いで0.25gの
4Åモレキュラーシーブ(2−3μm粉末)を加えた。
この攪拌しているスラリーにDTPA−モノ(メチルイ
ミド)(0.43g、1.10ミリモル)を加えた。こ
の混合物を(約35℃に)温め、次いで窒素下、室温で
攪拌させた。88時間後、混合物を1,3−ジアミノプ
ロパン(1.1ml、12.0当量)で急冷し、1時間
攪拌し、10mlのメタノールで希釈し、1/4”
(0.64cm)のセライト床(ガラス製漏斗を溶融し
た媒体)を通して、攪拌した1N HCl(8.8m
l)を含む250ミリリットル丸底フラスコ中に真空ろ
過した。このセライト床をメタノールで洗浄(3×5ミ
リリットル)し、集めたろ液をロータリーエバポレータ
ーで、ほとんど乾燥状態になるまで濃縮した。この油状
残分を25mlの脱イオン水に溶解し、pHを11.5
に調整(5N NaOH)し、次いでロータリーエバポ
レーターで濃縮した。脱イオン水で再濃縮を繰り返し
(2×25ミリリットル)た後、この残分を10mlの
脱イオン水に溶解し、pHを8.0に調整(5NHC
l)し、5−10mlに濃縮し、次いでビオ−ラッド
(Bio−Rad)AGI−X8(アセテート、100
−200メッシュ)の1×7”(2.5×17.8c
m)カラム床に供給した。この二量体を100mlの脱
イオン水、次いで100mlの1N、2N、3Nおよび
4N酢酸でそれぞれ溶出した。この生成物は2N酢酸の
後半から3N酢酸まで溶出した。各留分(50−100
ml)を純度に基づいて一緒にし、ロータリーエバポレ
ーターで濃縮し、脱イオン水で再濃縮を繰り返し(6×
25ml)、次いで凍結乾燥(10μ、14時間)し、
0.18g(収率19%)のプロピルDTPA−(9,
19)BMA・2HO 二量体を得た。H−NMR
(250 MHz、DO):δ 1.54(p、1
H、J=6.4Hz)、δ 2.56(s、3H)、δ
3.00−3.15(m、6H)、δ 3.23
(t、2H、J=5.4Hz)、δ 3.36(t、2
H、J=5.9Hz)、δ3.52(s)4H)、δ
3.57(s、2H)、δ 3.73(s、4H)。
【0118】式IIVおよびVIIで表わされる他のア
ミド化されたオリゴマー状ポリキレート化剤も実施例2
の方法でモノメチルアミド以外の原料アミドを用い、実
施例3の方法で1,3−ジアミノプロパン以外のポリア
ミンを用いることにより、実施例1〜4と同様にして製
造し得るであろう。このようなポリキレート化剤は、G
3+のようなM3+金属でキレート化され、有用なノ
ニオン性オリゴマー状ポリキレート化剤が得られるであ
ろう。
【0119】
【実施例5】ジメチル−3,6,9,18,21,24
−ヘキサキス(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1
1,16−ジオキソ−3,6,9,12,15,18,
21,24−オクタアザヘプタコサンジオエート・二水
和物(DTPA−オクタエステル 二量体)
【0120】
【化20】
【0121】(a)N,N−ビス(2−[ビス(2−メ
トキシ−2−オキソエチル)アミノ]エチル]グリシン
メチルエステル(DPTA−PMエステル) 攪拌したジエチレントリアミンペンタアセティック酸
(100g、0.254モル)の1リットル無水メタノ
ール懸濁液に、トリメチルオルトフォルメート(200
ml、1.83モル)を加えた。この溶液が沸騰し始め
るまで(5−10分)、活発な速度で無水塩酸を発泡さ
せた。この溶液をリフラックスコンデンサーを用いない
で3時間沸騰させた後、冷却した。溶媒の蒸発により生
じた油状物質を1リットルの飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液で希釈し、次いで400mlのエーテルで2回抽出
した。一緒にした抽出物を(MgSOで)乾燥し、ろ
過し、次いで蒸発させ、無色透明で油状の93.0g
(収率79%)のDTPA−PMエステルを得た。
−NMR(CDCl):δ 2.65−2.85
(m、8H)、δ 3.24(s、2H)、δ 3.3
2−3.47(m、8H)、δ 3.54(s、3
H)、δ 3.65(s、12H)。 (b) N−[2−[ビス(2−メトキシ−2−オキソ
エチル)アミノ]エチル]−N−[2−[カルボキシメ
チル)(2−メトキシ−2−オキソエチル)アミノ]エ
チル]−グリシンメチルエステル・カリウム塩(K
TPA−TMエステル) 攪拌したDTPA−PMエステル(93.0g、0.2
0モル)の200ml無水メタノール溶液に87.8%
水酸化カリウムペレット(12.8g、0.20モル)
の溶液を加えた。この溶液を室温で15時間攪拌し、次
いで溶媒を蒸発させた。フラッシュ クロマトグラフィ
ー(SiO、0−30%メタノール−クロロホルム展
開液)により、無色油状のKDTPA−TMエステル
(43.8g、収率45%)を得た。Rf 0.35
(15%MeOH/CHCl);H−NMR(CD
Cl):δ 2.74(s、6H)、δ 2.85
(m、2H)、δ 3.35(s、2H)、δ 3.4
5(s、2H)、δ 3.49(s、2H)、δ 3.
53(s、4H)、δ 3.66(s、12H)。 (c) ジメチル−3,6,9,18,21,24−ヘ
キサキス(2−メトキシ−2−オキソエチル)11,1
6−ジオキソ−3,6,9,12,15,18,21,
24−オクタアザヘキサコサンジオエート(DTPA−
オクタエステル 二量体) 攪拌したKDTPA−TMエステル(43.8g、
0.0898モル)の800ml無水テトラヒドロフラ
ン溶液にジシクロヘキシルカルボジイミド(18.5
g、0.0898モル)および1−ヒドロキシベンゾト
リアゾール(12.1g、0.0898モル)を加え
た。この懸濁液を室温で15時間攪拌し、次いでエチレ
ンジアミン(3.0ml、0.0449モル)を加え
た。さらに18時間室温で攪拌した後、この懸濁液をろ
過し、次いで溶媒を蒸発させた。残分を800mlのエ
チルアセテートに溶解し、800mlの飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液で洗浄した。有機層を分離し、(MgS
で)乾燥し、ろ過し、蒸発させた。残分のフラッシ
ュ クロマトグラフィー(SiO、0−5%メタノー
ルークロロホルム展開液)により、透明な淡黄色の油状
生成物37.2g、収率90%)を得た。Rf 0.7
5(10%MeOH/CHCl);H−NMR(C
DCl):δ 2.60−2.85(m、16H)、
δ 3.22(s、4H)、δ 3.34(t、J=
2.5Hz、4H)、δ 3.41(s、8H)、δ
3.53(s、8H)、δ 3.64(s、24H)、
δ 8.00(br s、2H)。
【0122】
【実施例6】3,6,9,18,21,24−ヘキサキ
ス(カルボキシメチル)−11,16−ジオキソ−3,
6,9,12,15,18,21,24−オクタアザヘ
キサコサン二酸(DTPA−オクタ酸 二量体)
【0123】
【化21】
【0124】DTPA−オクタエステル二量体(18.
3g、0.0198モル)の100mlテトラヒドロフ
ラン溶液に300mlの1N水酸化ナトリウム溶液を加
えた。室温で4時間攪拌した後、充分なビオ−ラッド
(Bio−Rad)AG50−X8樹脂(100−20
0メッシュ)を加えて、溶液のpHを3.2に調整し
た。この懸濁液をろ過し、ろ液を蒸発させ、次いで凍結
乾燥(10μ、16時間)させて、次の反応に用いられ
る充分な純度の吸湿性淡黄色固体である生成物(14.
5、収率90%)を得た。H−NMR(DO):δ
2.90−3.10(m、8H)、δ 3.12−
3.32(m、12H)、δ 3.46(s、4H)、
δ 3.66(s、4H)、δ 3.75(s、12
H)。
【0125】
【実施例7a】3,6,21,24−テトラキス(カル
ボキシメチル)−9,18−ビス[2−(メチルアミ
ノ)−2−オキソエチル]−11,16−ジオキソ−
3,6,9,12,15,18,21,24−オクタア
ザヘキサコサン二酸(エチルDTPA−(9,18)B
MA 二量体)
【0126】
【化22】
【0127】DTPA−オクタ酸二量体(0.202
g、0.25ミリモル)の5ml氷酢酸懸濁液を90℃
に24時間加熱した。この溶液を冷却し、ろ過し、蒸発
させた。次いで5mlの水を加えてこの溶液を蒸発させ
た。この操作を酢酸の痕跡がなくなるまで繰り返した。
この残分、すなわちビス−イミド二量体を10mlの4
0%メチルアミン水溶液に溶解し、室温で1時間攪拌し
た。この溶液を蒸発させ、次いでこの残分をビオ−ラッ
ド(Bio−Rad)AG1−X8樹脂上で0−4モル
の酢酸展開液で溶出して精製した。
【0128】この生成物を水で3回蒸留して酢酸を除去
し、次いで凍結乾燥(10μ、14時間)させて、オフ
ホワイトの固体状の純粋生成物を得た。H−NMR
(D O):δ 2.55(s、6H)、δ 3.00
−3.12(m、8H)、δ3.17(s、4H)、δ
3.25(t、J=5.0Hz、4H)、δ 3.3
8(t、J=5.0Hz、4H)、δ 3.47(s、
4H)、3.48(s、4H)、δ 3.57(s、4
H)、3.71(s、8H) FABマススペクトル、
m/z: 837(MH)、859(MNa)。
【0129】他のキレートは、実施例5−7と同様にし
て、2以上の当量のポリカルボキシルで置換されたキレ
ート化剤塩化合物(すなわち全カルボキシル部位よりも
少ないカルボキシル部位で置換された実質的に非イオン
性でかつ塩でない置換基と、少なくとも1つ、好ましく
は1つのカルボキシル部位上の塩形成性カチオンとから
なるポリカルボキシルキレート化剤)をポリアミノリン
カー化合物と反応させてポリカルボキシルで置換された
ポリキレート化剤を形成するような一般式に従って製造
することができる。1種または2種以上の実質的に非イ
オン性の置換基は、次いで除去され、場合によって1以
上の部位で他の置換基に置き換えられ得る。
【0130】
【実施例7b】3,6,21,24−テトラキス(カル
ボキシメチル)−9,18−ビス[4−(モルホリノ)
−2−オキソエチル]−11,16−ジオキソ−3,
6,9,12,15,18,21,24−オクタアザヘ
キサコサン二酸(エチルDTPA−(9,18)BMO
二量体)
【0131】
【化23】
【0132】DTPA−オクタ酸二量体(0.202
g、0.25ミリモル)の5ml氷酢酸懸濁液を90℃
に24時間加熱した。この溶液を冷却し、ろ過し、蒸発
させた。この操作を酢酸の痕跡がなくなるまで繰り返し
た。この残分、すなわちビス−イミドDTPA二量体を
10mlのモルホリンに溶解し、室温で24時間攪拌し
た。この溶液を蒸発させ、この残分をイオン交換クロマ
トグラフィーで精製し、次いで凍結乾燥させることによ
り標題の化合物を得た。
【0133】
【実施例8】6,9,18,21−テトラキス(カルボ
キシメチル)−3,24−ビス[2−(メチルアミノ)
−2−オキソエチル]−11,16−ジオキソ−3,
6,9,12,15,18,21,24−オクタアザヘ
キサコサン二酸(エチルDTPA−(3,24)BMA
二量体) 攪拌したDTPA−MMA・HO(1.0g、2.3
5ミリモル)の30m10℃ピリジン溶液に1,3−ジ
シクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(1.069
g、5.15ミリモル)を加えた。氷浴を取り除き、混
合物を室温で4時間攪拌した後、エチレンジアミン(7
8.8μl、1.17ミリモル)を加えた。24時間室
温で攪拌した後、混合物を乾燥させ、10mlのH
を加え、次いでジシクロヘキシル尿素(DCU)析出物
をろ過により除去した。1NのNaOHでpHを9.0
に調整した後、溶液をAGI−X8(100−200メ
ッシュ、アセテート)樹脂のカラムに加えた。この生成
物を1Nの酢酸で溶出し、酢酸を除去し、凍結乾燥した
後に、淡黄色固体状の標題の二量体0.320g(収
率:33%)を得た。H−NMR(DO):δ
2.57(s、6H)、δ 3.15−3.45(m、
20H)、δ 3.50−3.70(m、20H) F
ABマススペクトル、 m/z: 837(MH)。
【0134】
【実施例9】6,9,20,23−テトラキス(カルボ
キシメチル)−3,26−ビス[2−(メチルアミノ)
−2−オキソエチル]−11,18−ジオキソ−3,
6,9,12,17,20,23,26−オクタアザオ
クタコサン二酸(ブチルDTPA−(3,26)BMA
二量体) 攪拌したDTPA−MMA・0.43HO(1.00
g、2.41ミリモル)の25ml無水ピリジン溶液に
1,4−ジアミノブタン(121μl、1.205ミリ
モル)を加えた。にごった溶液を氷浴温度に冷却し、D
CC(0.547g、2.65ミリモル)を一度に加え
た。この混合物を室温で24時間攪拌し、乾燥させ、1
0mlの水で希釈し、次いでDCU折出物をろ過により
除去した。1NのNaOHでpHを3.4から8.9に
調整した後、この溶液をAGI−X8(100−200
メッシュ、アセテート)樹脂のカラムに加え、1Nの酢
酸で溶出させ、純粋な留分を一緒にし、酢酸を除去し、
凍結乾燥した後に、白色固体状の標題の二量体0.64
9g(収率:62%)を得た。H−NMR(D
O):δ 1.28(br s、4H)、δ 2.5
2(s、6H)、δ 2.85−3.20(m、20
H)、δ 3.45−3.65(m、20H) FAB
マススペクトル、 m/z: 865(MH)。
【0135】
【実施例10】6,9,18,21−テトラキス(カル
ボキシメチル)−12,15−ジメチル−3,24−ビ
ス[2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル]−1
1,16−ジオキソ−3,6,9,12,15,18,
21,24−オクタアザヘキサコサン二酸(N,N’−
ジメチルエチルDTPA−(3,24)BMA 二量
体) 攪拌したDTPA−MMA・0.43HO(1.0
g、2.413ミリモル)の25ml無水ピリジン溶液
にN,N−ジメチルエチレンジアミン(128μl、
1.206ミリモル)を加えた。にごった溶液を氷浴温
度に冷却し、DCC(0.548g、2.654ミリモ
ル)を一度に加えた。室温で24時間攪拌した後、この
混合物を乾燥させ、10mlの水を加え、次いでDCU
析出物をろ過により除去した。1NのNaOHでpHを
8.9に調整した後、この溶液をAGI−X8(100
−200メッシュ、アセテート)樹脂に供給し、1Nの
酢酸で溶出し、酢酸を除去し、凍結乾燥した後に、白色
固体状の標題の二量体0.516g(収率:49%)を
得た。H−NMR(DO):δ 2.56(s、6
H)、δ 2.80(s、6H)、δ 3.0−3.6
(m、36H)、δ 4.15(s、4H) FABマ
ススペクトル、 m/z: 865(MH)。
【0136】
【実施例10】6,9,18,21−テトラキス(カル
ボキシメチル)−12,15−ジメチル−3,24−ビ
ス[2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル]−1
1,16−ジオキソ−3,6,9,12,15,18,
21,24−オクタアザヘキサコサン二酸(N,N’−
ジメチルエチルDTPA−(3,24)BMA二量体) 攪拌された無水ピリジン25リットル中のDTPA−M
MA・0.43HO(1.0g、2.413ミリモ
ル)溶液に、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(1
28μl、1.206ミリモル)を加えた。混濁した混
合物を氷浴温度にまで冷却し、直ちにDCC(0.54
8g、2.654ミリモル)を加えた。室温で24時間
攪拌した後、混合物を乾燥し、10mlの水を加え、D
CU沈澱物をろ過によって除去した。1N NaOHで
pHが8.9になるように調整した溶液をAG1−X8
(100−200メッシュ、アセテート)樹脂にかけ、
1N酢酸を用いて溶出させた後、酢酸を除去し、凍結乾
燥することによって、目的の二量体0.516g(収率
49%)を白い固体状態で得た。
【0137】H−NMR(DO):δ2.56
(s,6H)、δ2.80(s,6H)、δ3.0−
3.6(m,36H)、δ4.15(s,4H):FA
Bマススペクトル、m/z:865(MH)。
【0138】
【実施例11】6,9,19,22−テトラキス(カル
ボキシメチル)−3,25−ビス[2−(メチルアミ
ノ)−2−オキソエチル]−11,17−ジオキソ−
3,6,9,12,16,19,22,25−オクタア
ザヘプタコサン二酸(プロピルDTPA−(3,25)
BMA二量体) 攪拌された無水ピリジン650リットル中のDTPA−
MMA・0.6HO(11.61g、0.0278モ
ル)溶液に、1,3−ジアミノプロパン(1.030
g、0.0139モル)を加えた。その混濁した混合物
を氷浴温度にまで冷却し、DCC(8.60g、0.0
417モル)を一挙に加えた。20分間攪拌した後、氷
浴をはずし、混合物を室温で48時間攪拌した。その混
合物を乾燥させ、100リットルの水を加え、5N N
aOHでpHを3.3から9.0の間に調整した。DC
U沈澱物をろ過して除去し、溶液をAG1−X8(10
0−200メッシュ、アセテート)樹脂に供給した。カ
ラム3杯分の水を流した後、二量体生成物を1N酢酸で
溶出した。各純粋留分を一緒にして、水処理に続く凍結
乾燥により3回再濃縮した後、目的の生成物5.55g
(収率47%)を得た。
【0139】H−NMR(DO):δ1.5(br
t,J=9.5Hz,4H)、δ2.49(s,6
H)、δ2.80−3.20(m,20H)、δ3.4
5−3.60(m,20H):FABマススペクトル、
m/z:851(MH)。
【0140】
【実施例12】6,9,19,22−テトラキス(カル
ボキシメチル)−14−ヒドロキシ−3,25−ビス
[2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル]−11,
17−ジオキソ−3,6,9,12,16,19,2
2,25−オクタアザヘプタコサン二酸(HOプロピル
DTPA−(3,25)BMA二量体) 攪拌された無水ピリジン50ml中のDTPA−MMA
・HO(1.00g、2.35ミリモル)溶液に、0
℃でDCC(1.069g、5.15ミリモル)を加え
た。氷浴をはずし、混合物を室温で3時間攪拌した後、
2−ヒドロキシ−1,3−ジアミノプロパン(0.10
6g、1.178ミリモル)を加えた。室温で24時間
攪拌した後、その混合物を乾燥させ、10mlの水を加
え、ろ過してDCU沈澱物を除去した。1N NaOH
でpHをpH3.4からpH9.0の間に調整した後、
この溶液をAG1−X8(100−200メッシュ、ア
セテート)樹脂に加え、1N酢酸で生成物を溶出し、酢
酸(HOAc)を除去し、凍結乾燥することによって、
目的の生成物0.185g(収率18%)を淡黄色の固
体状態で得た。
【0141】H−NMR(DO):δ2.49
(s,6H)、δ2.95−3.15(m,20H)、
δ3.40−3.70(m,20H):FABマススペ
クトル、m/z:867(MH)。
【0142】
【実施例13】6,9,19,22−テトラキス(カル
ボキシメチル)−3,26−ビス[2−(2,3−ジヒ
ドロキシプロピルアミノ−2−オキソエチル]−11,
17−ジオキソ−3,6,9,12,16,19,2
2,25−オクタアザヘプタコサン二酸(プロピルDT
PA−(3,25)APD二量体) 攪拌された無水ピリジン25ml中のDTPA−MAP
D・1HO(0.40g、0.825ミリモル)溶液
に、0℃で1,3−ジアミノプロパン(34μl、0.
412ミリモル)を加えた。その溶液を冷却し、DCC
(0.187g、0.906ミリモル)を加えた。この
混合物を室温で48時間攪拌した後、乾燥させ、10m
lの水で稀釈し、ろ過してDCUを除去した。1N N
aOHで混合物をpH3.8からpH8.9の間に調整
した後、この溶液をAG1−X8(100−200メッ
シュ、アセテート)樹脂に供給し、1N酢酸で溶出し
た。各純粋留分を一緒にし、目的の二量体0.040g
(収率10%)を油状の固体で得た。
【0143】H−NMR(DO):δ1.55(b
rt,2H)、δ2.9−3.7(m,50H) 実施例13で用いられたDTPA−モノ(2,3−ヒド
ロキシプロピルアミド)キレート化剤(DTPA−MA
PD)を、実施例14の方法によって調製した。周知の
他の合成方法は、置換(たとえばアミド化あるいはエス
テル化)された単量体状キレート化剤を製造するのに有
用であり、この単量体状キレート化剤は、たとえば実施
例8〜13の方法によってオリゴマー状ポリキレート化
剤の製造に有用である。
【0144】さらに本発明に係るポリキレート化剤は、
異なったモノキレート化剤とポリアミノリンカー化合物
を出発原料として用いて、実施例8から13の方法と同
様の手順でも製造することができる。
【0145】
【実施例14】3,6,9−トリス(カルボキシメチ
ル)−14,15−ジヒドロキシ−11−オキソ−3,
6,9,12−テトラアザペンタデカン二酸(DTPA
−MAPD) トリエチルアミン(1.77ml、12.7ミリモル)
を含有するDMSO30ml中のDTPA(1.0g、
2.5ミリモル)の懸濁液を、溶解するまで還流させ
た。この溶液を室温まで冷却し、3−アミノ−1,2−
プロパンジオール(0.243g、267ミリモル)を
加えた後、DCC(0.543g、2.67ミリモル)
を加えた。得られた混合物を24時間攪拌した後乾燥さ
せ、10mlの水を加え、ろ過によりDCUを除去し
た。1N NaOHでpHを2.9から8.0の間に調
整した後、この溶液をAG1−X8、アセテート)樹脂
に供給した。1N酢酸で生成物を溶出した。各純粋留分
を一緒にし、酢酸除去と凍結乾燥によって、目的の化合
物0.409g(収率34%)を白色固体状態で得た。
【0146】H−NMR(DO):δ2.95−
3.40(m,12H)、δ3.47(s,7H)、δ
3.55−3.80(m,9H):FABマススペクト
ル、m/z:467(MH)。
【0147】
【実施例15】14−アミノ−3−[2−[(2−アミ
ノエチル)アミノ]−2−オキソエチル]−6,9−ビ
ス(カルボキシメチル)−11−オキソ−3,6,9,
12−テトラアザテトラデカン酸二水和物(DTPA−
B(AE)A・2HO)
【0148】
【化24】
【0149】電磁攪拌子、滴下漏斗および窒素ラインを
付設した250ml丸底フラスコにエチレンジアミン
(43ml、0.65モル)とクロロホルム(75m
l)を装入した。氷/メタノール浴で冷却され攪拌され
ている溶液に、ジ−t−ブチルジカーボネート(21.
8g、0.10モル)のクロロホルム30ml液を1時
間にわたり滴下して加えた。この反応混合物を室温で1
8時間攪拌した後、ろ過し、ロータリーエバポレーター
によって清澄なオイルになるまで濃縮した。トルエンか
らの濃縮を繰り返して(5×5ml)、17gの無色の
オイルを得た。このオイルを減圧蒸留(88−89℃、
約3mm)することによって、(t−BA)EA 1
2.1g(収率76%)を得た。
【0150】H−NMR(250MHz、CD
l):δ1.12(s,2H)、δ1.39(s,9
H)、δ2.74(t,2H,J=5.9Hz)、δ
3.11(q,2H,J=5.8Hz)、δ4.97
(s,1H)。 (b)ビス(1,1−ジメチルエチル)−8,11,1
4−トリス(カルボキシメチル)−6,16−ジオキソ
−2,5,8,11,14,17,20−ヘプタアザヘ
ンエイコサンジオエイト(DTPA−B(tBA)E
A) 電磁攪拌子および窒素ラインを付設した500ml丸底
フラスコに(tBA)EA(12.08g、75.42
ミリモル)、トリエチルアミン(15.0ml、10
7.7ミリモル)およびアセトニトリル(200ml)
を装入した。攪拌されているこの溶液に、DTPA二無
水物(12.83g、75.42ミリモル)を加えた
後、アセトニトリル(50ml)を一挙に加えた。15
分後、白色懸濁液は無色の溶液となった。フラスコにコ
ンデンサーを装着し、窒素下において、油浴で50℃に
温めた。90時間後、得られた反応混合物をロータリー
エバポレーターによって乳白色固体になるまで濃縮し
た。この固体を150mlの脱イオン(DI)水に溶解
し、ロータリーエバポレーターによって乾燥した固体に
なるまで濃縮した。DI水150ml中に固体を再溶解
してpH値を(5N NaOHで)10.5に調整し、
ロータリーエバポレーターによって濃縮することにより
残余のトリエチルアミンを除去した。
【0151】H−NMR(250MHz、DO):
δ1.00(t,8H,J=7.0Hz)、δ1.14
(s,18H)、δ2.86−3.00(m,13.4
H)、δ3.06(s,8H)、δ3.17(s,4
H)、δ3.32(s,4H)、δ3.46(s,2
H)。 (C)14−アミノ−3−[2−[(2−アミノエチ
ル)アミノ]−2−オキソエチル]−6,9−ビス(カ
ルボキシメチル)−11−オキソ−3,6,9,12−
テトラアザテトラデカン酸・二水和物[DTPA−B
(AE)A]上記のようにして調製されたDTPA−B
(tBA)を110mlのDI水に溶解した後、pH7
(5N HCl)に調整し、氷浴中で冷却した。この冷
却・攪拌された溶液に濃HCl(39ml)を一回で添
加した。この混合物をこの氷浴中で10分間攪拌した
後、室温で2時間攪拌した。この溶液を次に氷浴中で冷
却し、pH7(50%NaOH)に滴定し、ロータリー
エバポレーターによって濃縮して乾燥固体(50g)を
得た。固体NaClの一部をその固体を50mlDI水
中に懸濁し、中目のフリットガラスろ過器を通して真空
ろ過することによって、この原料から取り除かれた。そ
のろ液をpH2.5(5N HCl)に調整し、50m
lの懸濁液に濃縮し、荒目のガラスろ過器を通して真空
ろ過し、さらに固形のNaClを取り除いた。ろ液をB
io−Rad AG50−X8(H、200−400
メッシュ)の9.5×2.0”(24.1×5.1c
m)のカラム・ベッド上に供給した。カラムを0.7リ
ットルのDI水、さらに1.25リットルのN水酸化ア
ンモニウムを用いて窒素圧下で溶出した。その生成物を
2N水酸化アンモニウムを用いて溶出した。紫外線に活
性な画分をロータリーエバポレーターによって濃縮して
油性残留物を得た。この残留物を100mlの1N酢酸
中に溶解し、ロータリーエバポレーターによって濃縮し
た後、水(13×100ml)から繰り返し再濃縮し
て、酢酸アンモニウムを除去し、さらに凍結乾燥を行な
い(10μ、14時間)、DTPA−B(AE)A・2
Oを得た。H−NMR(250MHz、DO/
DCl:pH2.3):δ2.95(t,4H,J=
5.7Hz)、δ3.09−3.28(b,8H)、δ
3.35(t,4H,J=5.7Hz)、δ3.51
(s,4H)、δ3.55(s,2H)、δ3.66
(s,4H)。
【0152】
【実施例16】6,9,18,21,24,33,36
−ヘプタキス(カルボキシメチル)−3,39−ビス
[2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル]−11,
16,26,31−テトラオキソ−3,6,9,12,
15,18,21,24,27,30,33,36,3
9−トリデカアザヘンテトラコンタン二酸、六水和物
(エチルDTPA−(3,39)BMA 三量体)
【0153】
【化25】
【0154】磁石攪拌子と窒素ラインを付設した25m
l丸底フラスコにDTPA−B(AE)A・2H
(0.51g、1.00ミリモル)、無水DMSO
(3.0ml)および無水DBN(0.62ml、5.
0ミリモル)を添加した。この混合物を全固形物が溶解
するまで攪拌し、さらにDTPA−モノ(メチルアミ
ド)・HO(0.85g、2.00ミリモル)を添加
した。5分後固形物は溶解し、次いで1,3−ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド(0.45g、2.20ミリモ
ル)を加えた。その溶液を窒素中で室温で攪拌した。反
応が進行するに従って、1,3−ジシクロヘキシルウレ
ア(DCU)は白色沈澱物となって現れた。96時間後
反応混合物をアセトニトリル(15ml)で稀釈し、攪
拌された0.3NHCl(15ml)を含有する250
ml丸底フラスコ中に真空ろ過し、ロータリーエバポレ
ーターによって濃縮した。残渣をDI水(25ml)中
に溶解し、pH10.5(1NNaOH)に調整した
後、ロータリーエバポレーターにより濃縮した。DI水
(25ml)を添加し、濃縮を繰り返した。その残留物
をDI水(20ml)に溶解し、4.5(1N HC
l)にpH調整した後、再ろ過(DCU除去のため)
し、10mlのコハク色溶液に濃縮した。その溶液をB
io−Rex 5(アセテート)の1”×5 1/2”
(2.5×14.0cm)のカラムに供給した。カラム
を100mlのDI水、その後各々100mlの1N,
2N,3N,4Nおよび5N酢酸を用いて窒素中で溶出
した。3N及び4N酢酸を用いてトリマーを溶出した。
各画分を純度に基づいて一緒にし、ロータリーエバポレ
ーターによって濃縮し、水から酢酸を除去するため水か
ら繰り返し濃縮(6×25ml)し、さらに凍結乾燥
(10μ、14時間)したところ、0.183g(12
%収量)でエチルDTPA−(3,39)BMA三量体
を得た。H−NMR(250MHz、DO):δ
2.56(s,6H)、δ3.03−3.26(m,3
2H)、δ3.49−3.60(m,18H)、δ3.
66(s,12H)。
【0155】さらに2つ以上のキレート化部位を有する
ポリキレート化剤を、ポリ無水物で置換されたキレート
化剤と2当量またはそれ以上(二無水物配位子の場合に
は2当量)のポリアミノ・リンカー化合物とを結合する
工程を含んだ実施例15および16の工程に類似の工程
により製造することができ、次いで得られたリンカー−
キレート−リンカー化合物を2当量あるいはそれ以上の
当量の他のポリカーボキシレート・キレート化剤と結合
させるのに用いることによって製造した。場合によって
は、そのポリアミノリンカー化合物を、ポリ無水物キレ
ート化剤と初期に結合させる間、1つまたはそれ以上の
アミノ部位で保護しておいてもよい。この工程は未熟な
反応と保護されているアミノ部位におけるオリゴマー化
を防止する。保護基を他のポリカーボキシレート・キレ
ート化剤と結合するために取り除く。それぞれのキレー
ト化剤は、リンケージ(たとえばアミド部位との)の前
あるいは後に置換してもよい。
【0156】
【実施例17】ジメチル−3,6,9,19,22,2
5−ヘキサキス(2−メトキシ−2−オキソエチル)−
14−メチル−11,17−ジオキソ−14−[5,
8,11−トリス(2−メトキシ−2−オキソエチル)
−3,13−ジオキソ−14−オキサ−2,6,8,1
1−テトラアザペンタデク−1−イル)−3,6,9,
12,16,19,22,25−オクタアザヘプタコサ
ンエジオエート(TAMEDTPA ドデカエステル)
【0157】
【化26】
【0158】窒素下において攪拌されている乾燥テトラ
ヒドロフラン(800ml)中のKDTPA−TMエ
ステル(46.1g、0.095モル)とジシクロヘキ
シルカルボジイミド(19.61g、0.095モル)
との混合物に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和
物(12.85g、0.095モル)を添加した。25
℃で1時間攪拌後、1,1,1−トリス(アミノメチ
ル)−エタン(3.71g、0.0316モル)を加え
た。さらに24時間攪拌した後に、この反応混合物をろ
過した。溶剤をエバポレーターによってろ液から除去
し、酢酸エチル(1000ml)を加えた。残留固形物
を吸引ろ過によって取り除いた後、ろ液を炭酸水素ナト
リウムの飽和溶液(1000ml)で洗浄し、乾燥(M
gSO)して、真空中で濃縮し、ガムを得た。これを
シリカゲル(1000ml)上でクロマトグラフによっ
て、最初にクロロフォルムにより、次にクロロフォルム
/メタノール混合物によりメタノール量を除々に10重
量%まで増加させながら溶出し、分離した。これによ
り、濃厚・清澄なオイル状の表題の生成物(26.8
g、収率60%)を得た。
【0159】H−NMR(CDCl):δ3.58
(s,30H)、δ3.55(s,6H)、δ3.45
(s,18H)、δ3.33(s,6H)、δ3.22
(s,6H)、δ2.86−2.89(d,6H)、δ
2.64−2.70(m,24H)、δ0.71(s,
3H)。
【0160】
【実施例18】3,6,9,16,22,25−ヘキサ
キス(カルボキシメチル)−14−[12−カルボキシ
−5,8,11−トリス(カルボキシメチル)−3−オ
キソ−2,5,8,11−テトラアゾドデク−1−イ
ル]−14−メチル−11,17−ジオキソ−3,6,
9,1,16,19,22,25−オクタアザヘプタコ
サン二酸(TAMEDTPAドデカ酸)
【0161】
【化27】
【0162】TAMEDTPAドデカエステル(1.0
g、0.71ミリモル)をテトラヒドロフラン(8リッ
トル)中に溶解し、1N水酸化ナトリウム(17リット
ル、25当量)を加えた。25℃で15時間攪拌後、反
応混合物を真空中で固体になるまで濃縮し、水(2リッ
トル)中に溶解した。溶液をAG50W−X8陽イオン
交換樹脂の添加によりpH3.7に調整した。15分間
攪拌の後、樹脂を真空ろ過により除去し、ろ液を固体に
なるまで濃縮した。凍結乾燥(10μ、15時間)によ
り、白色結晶状の固体(800mg、90%)として表
題の生成物を得た。
【0163】H−NMR(DO):δ3.63
(s,18H)、δ3.52(s,6H)、δ3.42
(s,6H)、δ3.24−3.26(d,12H)、
δ3.08−3.12(d,18H)、δ0.82
(s,3H)。
【0164】
【実施例19】6,9,19,22−テトラキス(カル
ボキシメチル)−14−メチル−3,25−ビス[2−
(メチルアミノ)−2−オキソエチル]−11,17−
ジオキソ−14−[5,8,11−トリス(カルボキシ
メチル)−3,13−ジオキソ−2,5,8,11,1
4−アザペンタデク−1−イル]−3,6,9,12,
16,19,22,25−オクタアザヘプタコサン二酸
(TAMEDTPA−(3,[11],25)TMA
三量体)
【0165】
【化28】
【0166】DTPA−MMA・HO(実施例1)
(1.69g、3.9ミリモル)および1,1,1−ト
リス(アミノメチル)エタン(0.1083g、0.9
24ミリモル)を無水ピリジン(35ml)中に溶解し
た溶液を5℃に冷却し、この溶液にジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(1.502g、7.28ミリモル)を添
加した。50時間攪拌した後、ピリジンを真空中で除去
し、乾燥固体に水(10ml)を加えた。15分間攪拌
した後残存する白色沈澱物を吸引ろ過によって除去し、
淡黄色ろ液を真空中で固体になるまで濃縮し、さらに高
真空中で乾燥した。この固体を水(2ml)中に溶解
し、1N水酸化ナトリウムを用いてpH4.5に調整し
た。バイオ−レックス−5イオン交換樹脂(70ml)
上で酢酸水溶液で溶出し精製して、3N−4N酢酸によ
って生成物を得た。生成物を含む留分を合わせて、真空
中で50℃で濃縮した。繰り返して水から濃縮した後、
凍結乾燥し、表題の生成物を白色結晶固体(490m
g、45%収率)として単離した。
【0167】H−NMR(DO):δ3.75
(s,6H)、δ3.68(s,6H)、δ3.59
(s,6H)、δ3.58(s,12H)、δ3.1−
3.25(m,24H)、δ2.97(s,6H)、δ
2.6(s,9H)、δ0.69(s,3H)、FAB
マススペクトル、m/z:1283(MH)。
【0168】
【実施例20】6,9,21,24−テトラキス(カル
ボキシメチル)−3,27−ビス[2−(メチルアミ
ノ)−2−オキソエチル]−11,19−ジオキソ−1
5−[6,9,12−トリス(カルボキシメチル)−
4,14−ジオキソ−3,6,9,12,15−ペンタ
アザヘキサデク−1−イル]−3,6,9,12,1
5,18,21,24,27−ノナアザノナコサン二酸
(TRENDTPA−(3,[12],27)TMA
三量体)
【0169】
【化29】
【0170】DTPA−MMA・HO(実施例1)
(1.50g、3.59ミリモル)および2,2’,
2”−トリアミノトリエチルアミン(0.117g、
0.798ミリモル)を無水ピリジン(50ml)に溶
解した溶液を5℃に冷却して、この溶液にジシクロヘキ
シルカルボジイミド(1.215g、5.89ミリモ
ル)を添加した。56時間攪拌した後、真空中でピリジ
ンを除去し、乾燥固体に水(10ml)を添加した。1
5分間攪拌した後残存する白色沈澱を吸引ろ過によって
除去し、淡黄色ろ液を真空中で固体になるまで濃縮し、
さらに高真空下で乾燥した。固体を水(2ml)に溶解
し、1N水酸化ナトリウムを用いてpH5.0に調整し
た。バイオ−レックス−5イオン交換樹脂(70ml)
上で酢酸水溶液で溶出して精製して、2N酢酸によって
生成物を得た。生成物を含む留分を合わせて、真空中5
0℃で濃縮した。繰り返して水から濃縮した後、凍結乾
燥し、表題の生成物を白色固体として単離した(300
mg;収率29%)。H−NMR(DO):δ3.
4−3.57(m,36H)、δ3.22(t,6
H),δ3.13(s,12H)、δ3.07(s,1
2H)、δ2.51(s,9H);FAB マススペク
トル、m/z:1312(MH)。
【0171】さらに、実施例5(b)のテトラメチルD
TPAカリウム塩を原料として実施例17から20の手
順と同様にして、式VIIの分岐したポリキレート化剤
を得ることができる。DTPA以外のモノ−キレート基
からなるオリゴマー状のポリキレート化剤は、いうまで
もなく実施例1〜20において記載した方法と同様にし
て調製することができる。
【0172】
【実施例21】1,11−ビス[4,7,10−トリス
(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザ
シクロドデック−1−イル]−2,10−ジオキソ−6
−[(4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−
1,4,7,10−テトラアザシクロドデック−1−イ
ル)−2−オキソ−3−アザペント−5−イル]−3,
6,9−トリアザウンデカン(TREN(DOTA)
ノナ酸) a) 1,4,7,10−テトラキス(2−エトキシ−
2−オキソエチル)−1,4,7,10−テトラアザシ
クロドデカン(DOTAテトラエチルエステル)50m
l丸底フラスコ中のDOTA(0.202g、0.5ミ
リモル)に、飽和エタノール塩酸(saturated
ethanolic hydrogen chlor
ide)20mlを添加した。混合物を72時間還流し
て、冷却して蒸発させた。残渣をクロロホルムで希釈し
て、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄した。有機層を硫酸
マグネシウムで乾燥して、ろ過し蒸発した。粗生成物を
シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーで分離し
て、0−10%メタノール−クロロホルム展開液で溶出
して、白色固体状の1,4,7,10−テトラキス(2
−エトキシ−2−オキソエチル)−1,4,7,10−
テトラアザシクロードデカン(DOTAテトラエチルエ
ステル)(0.15g、58%)を得た。 b) 1−カルボキシメチル−4,7,10−トリス
(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,4,7,1
0−テトラアザシクロドデカンカリウム塩(KDOT
Aトリエチルエステル) 10mlエタノール中のDOTAテトラエチルエステル
(1.03g,2.0ミリモル)にエタノール2ml中
の87%水酸化カリウム(0.129g)2.0ミリモ
ル)を添加する。反応混合物を18時間攪拌して蒸発さ
せる。粗生成物をシリカゲル上でフラッシュ クロマト
グラフィーにより分離して、0−30%メタノール−ク
ロロホルム展開液で溶出して、白色固体状の1−カルボ
キシメチル−4,7,10−トリス(2−エトキシ−2
−オキソエチル)−1,4,7,10−テトラアザシク
ロドデカン,カリウム塩(KDOTAトリエチルエス
テル)(0.56g)53%)を得る。 c) 1,11−ビス[4,7,10−トリス(カルボ
キシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロド
デック−1−イル]−2,10−ジオキソ−6−
[(4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1,
4,7,10−テトラアザシクロドデック−1−イル)
−2−オキソ−3−アザペント−5−イル]−3,6,
9−トリアザウンデカン(TREN(DOTA)ノナ
酸) 無水テトラヒドロフラン10ml中のKDOT
A トリエチルエステル(0.526g、1.0ミリモ
ル)にジシクロヘキシルカルボジイミド(0.206
g、1.0ミリモル)を添加し、次いで1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール(0.135g、1.0ミリモル)
を添加する。混合物を15分間攪拌して、トリス(2−
アミノエチル)アミン(0.049g、0.33ミリモ
ル)を添加する。反応混合物を一晩攪拌して、ろ過して
濃縮する。残渣を酢酸エチルで希釈して飽和炭酸水素ナ
トリウムで洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥
して、ろ過して濃縮する。粗生成物をシリカゲル上でフ
ラッシュ クロマトグラフィーにより分離して、0−2
0%メタノール−クロロホルム展開液で溶出して、白色
固体状のノナエステル(0.35g)を得る。これをテ
トラヒドロフラン2mlに溶解して、1.0N NaO
Hを3ml添加して反応混合物を一晩攪拌する。反応混
合物をバイオーラド(Rad) AG1−X8イオン交
換樹脂で精製して、凍結乾燥し、乳白色固体状の1,1
1−ビス[4,7,10−トリス(カルボキシメチル)
−1,4,7,10−テトラアザシクロドデック−1−
イル]−2,10−ジオキソ−6−[(4,7,10−
トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テト
ラアザシクロドデック−1−イル)−2−オキソ−3−
アザペント−5−イル]−3,6,9−トリアザウンデ
カン(TREN(DOTA)ノナ酸)(0.18g)
を得る。
【0173】
【実施例22】1,8−ビス[4,7,10−トリス
(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザ
シクロドデック−1−イル]−2,7−ジオキソ−3,
6−ジアザオクタン(エチルDOTA 二量体) (a) 1,8−ビス[4,7,10−トリス(2−エ
トキシ−2−オキソエチル)−1,4,7,10−テト
ラアザシクロドデック−1−イル]−2,7−ジオキソ
−3,6−ジアザオクタン(エチルDOTA−ヘキサエ
チルエステル 二量体) 攪拌されているKDOTA トリエチルエステル(2
3.8g、0.0453モル)の無水テトラヒドロフラ
ン500ml溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド
(9.33g、0.0453モル)および1−ヒドロキ
シベンゾトリアゾール(6.07g、0.0453モ
ル)を添加する。懸濁液を室温で15分間攪拌して、エ
チレンジアミン(1.51ml、0.0226モル)を
添加する。室温でさらに24時間攪拌後、懸濁液をろ過
し、溶媒を蒸発させる。残渣を酢酸エチル800mlに
溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水800mlで洗浄す
る。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで分離して、
18.0gのエチルDOTA−ヘキサエチルエステル二
量体を得る。 (b) 1,8−ビス[4,7,10−トリス(カルボ
キシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロド
デック−1−イル]−2,7−ジオキソ−3,6−ジア
ザオクタン(エチルDOTA 二量体) 攪拌されているエチルDOTA−ヘキサエチルエステル
二量体(15.0g、0.0163モル)のテトラヒ
ドロフラン100ml溶液に、1N水酸化ナトリウム溶
液200mlを添加する。室温で4時間攪拌した後、こ
の溶液に充分な量のバイオーラド AG50−X8樹脂
を添加して、pH2.2に調整する。懸濁液をろ過し
て、ろ液を蒸発させ、凍結乾燥して表題の生成物(1
1.5g)を得る。
【0174】さらに、分岐サイトとして機能しうる環状
のリンカー部位を含むオリゴマー状のポリキレート化剤
は、DOTAおよびOTTA誘導体のような環状リンカ
ー化合物およびPAPCAキレート化剤を用いて実施例
21および23と同様に調製することができる。
【0175】
【実施例23】5−メチル−1,9−ビス[4,7,1
0−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−
テトラアザシクロドデック−1−イル]−2,8−ジオ
キソ−5−[(4,7,10−トリス(カルボキシメチ
ル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデック−
1−イル)−2−オキソ−3−アザブト−4−イル]−
3,7−ジアザノナン(TAME(DOTA)ノナ
酸)[IBCFルートによるTAME(DOTA)] (a) DOTAカルボキシカルボン酸無水物の調製。
【0176】DOTA(0.808g、2.0ミリモ
ル)を無水アセトニトリル5.0ml中に懸濁した。テ
トラメチルグアニジン(1.00ml、8.0ミリモ
ル)を添加して、反応混合物を窒素雰囲気下、室温で約
5分間DOTAが溶解するまで攪拌した。得られた溶液
を窒素雰囲気下、−25℃まで冷却し、攪拌しながらI
BCF(クロロ蟻酸イソブチル)0.260ml(2.
0ミリモル)を5分以上かけてゆっくり添加した。得ら
れたスラリーを、−25℃で1時間攪拌した。
【0177】b) 5−メチル−1,9−ビス[4,
7,10−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,
10−テトラアザシクロドデック−1−イル]−2,8
−ジオキソ−5−[(4,7,10−トリス(カルボキ
シメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデ
ック−1−イル)−2−オキソ−3−アザブト−4−イ
ル]−3,7−ジアザノナン(TAME(DOTA)
ノナ酸) 実施例23(a)で得られた冷却スラリー
に、1,1,1−トリス(アミノメチル)エタン(0.
039g、0.67ミリモル)のアセトニトリル液2m
lを添加して、混合物を室温で6時間攪拌する。混合物
を蒸発させ、バイオーラド AG1−X8樹脂でイオン
交換クロマトグラフィーにより分離して精製する。適切
な留分を蒸発させて、白色固体状の5−メチル−1,9
−ビス[4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−
1,4,7,10−テトラアザシクロドデック−1−イ
ル]−2,8−ジオキソ−5−[(4,7,10−トリ
ス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラア
ザシクロドデック−1−イル)−2−オキソ−3−アザ
ブト−4−イル]−3,7−ジアザノナン(TAME
(DOTA)ノナ酸)(0.44g)を得る。
【0178】
【実施例24】6,9,19,22−テトラキス(カル
ボキシメチル)−3,25−ビス[2−(メチルアミ
ノ)−2−オキソエチル]−11,17−ジオキソ−1
4−ジメチル−3,6,9,19,22,25−ヘキサ
アザ−12,16−ジオキサヘキサコサン二酸(2,2
−ジメチルプロピルDTPA−(3,25)BMA 二
量体) 0℃において攪拌されているDTPA−MMA・H
(1.0g、2.35ミリモル)の無水ピリジン溶液
30mlにDCC(1.069g、5.15ミリモル)
を添加する。氷浴を取り外して、混合物を室温で4時間
攪拌させた後、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジ
オール(0.122g、1.17ミリモル)を添加す
る。室温で24時間攪拌した後、混合物を乾燥して、H
O 10mlを添加して、白色のDCU沈澱をろ過し
て除去する。イオン交換樹脂により精製し、次いで凍結
乾燥して表題の二量体を得る。
【0179】
【実施例25】6,9,21,24−テトラキス(カル
ボキシメチル)−3,27−ビス[2−(メチルアミ
ノ)−2−オキソエチル]−11,19−ジオキソ−1
5−[6,9,12−トリス(カルボキシメチル)−
4,14−ジオキソ−6,9,12,15−テトラアザ
−3−オキサヘキサデク−1−イル]−3,6,9,1
5,21,24,27−ヘプタアザ−12,18−ジオ
キサノナコサン二酸(トリエタノールアミン 三量体) DTPA−MMA・HO(1.50g、3.59ミリ
モル)およびトリエタノールアミン(0.119g、
0.798ミリモリ)を無水ピリジン(50ml)に溶
解した溶液を、5℃に冷却して、DCC(1.215
g、5.89ミリモル)を添加する。72時間攪拌した
後、ピリジンを真空中で除去して、乾燥固体に水(10
ml)を添加する。15分間攪拌した後残存するDCU
の白色沈澱を吸引ろ過によって除去して、淡黄色のろ液
を真空中で固体になるまで濃縮し、高真空中でさらに乾
燥した。イオン交換樹脂により精製し、次いで凍結乾燥
して表題の三量体を得た。
【0180】
【実施例26】6,9,19,22−テトラキス(カル
ボキシメチル)−14−メチル−3,25,−ビス[2
−(メチルアミノ)−2−オキソエチル]−11,17
−ジオキソ−14−[5,8,11−トリス(カルボキ
シメチル)−3,13−ジオキソ−5,8,11,14
−テトラアザ−2−オキサオクタペンタデク−1−イ
ル]−3,6,9,19,22,25−ヘキサアザ−1
2,16−ジオキサヘプタコサン二酸(THMEDTP
A−(3,[11],25)TMA 三量体) DTPA−MMA・HO(1.69g,3.9ミリモ
ル)と1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン
(0.111g,0.924ミリモル)とを無水ピリジ
ン(35ml)に溶解した溶液を、5℃に冷却し、DC
C(1.502g,7028ミリモル)を添加する。7
2時間攪拌した後、ピリジンを減圧下で除去し、乾燥固
体に水(10ml)を添加した。15分間攪拌した後、
残っているDCUの白い沈澱物をろ過した。イオン交換
樹脂で精製し、さらに凍結乾燥して標題の三量体を得
た。
【0181】
【実施例27】DY (プロピルDTPA−(3.2
5)BMA) 二量体 方法1:プロピルDTPA−(3,25)BMA 二量
体(636.5mg,0.75ミリモル)とジスプロシ
ウムクロライド6水和物(564.5mg,1.50ミ
リモル)とを、常温において溶解するまで水中で混合す
る。次いで、その溶液を希釈水酸化ナトリウムでpH7
に調整する。 方法2:プロピルDTPA−(3,25)BMA 二量
体(3.8g,4.29ミリモル)とジスプロシウム酸
化物(1.6g,4.29ミリモル)とを14.3ml
の水に混合し、80℃、40時間加熱した。次いで、そ
の溶液を希釈水酸化ナトリウムでpH6.7に調整し
た。
【0182】
【実施例28】Gd エチルDTPA−(3,39)B
MA 三量体 エチルDTPA−(3,39)BMA 三量体(183
mg,0.12ミリモル)とガドリニウム酸化物(6
5.3mg,0.18ミリモル)とを80℃で透明にな
るまで加熱し、均質溶液を得る。次いで、その溶液を希
釈水酸化ナトリウムでpH7に調整する。
【0183】
【実施例29】DY (TAMEDTPA−(3,[1
1],25)TMA) 三量体 TAMEDTPA−(3,[11],25)TMA)三
量体(50mg,0.039ミリモル)と酢酸ジスプロ
シウム4水和物(48.0mg,0.117ミリモル)
とを室温で均質になるまで攪拌し、希釈水酸化ナトリウ
ムでpH7に調整した。
【0184】
【実施例30】DY (プロピルDTPA−(9.1
9)BMA) 二量体 プロピルDTPA−(9,19)BMA・HO 二量
体(200mg,0.226ミリモル)とジスプロシウ
ム酸化物(84.3mg,0.226ミリモル)とを
2.3mlの水で混合、攪拌し、60℃で35時間加熱
した。次いで、その溶液を希釈水酸化ナトリウムでpH
7に調整した。
【0185】
【実施例31】Hf(IV) (DTPA−オクタン
酸) 二量体 5mlの水中でDTPA−オクタ酸(1.21g,1.
5ミリモル)を1N水酸化ナトリウム(12.0ml,
12.0ミリモル)で処理し、さらに0.5Mハフニウ
ム四塩化物(6.0ml,3.0ミリモル)で処理す
る。その溶液を30分間攪拌し、希釈水酸化ナトリウム
でpH7に調整する。
【0186】上記のような詳細な実施例を挙げて、本願
発明の種々の態様を説明したが、本願発明の開示から、
他の態様は当業者には知ることができ、しかも先行技術
を用いれば達成可能なものである。
【0187】
【実施例32】1,4,7,10−テトラアザシクロド
デカン−4,7,10−トリ酢酸トリ−t−ブチルエス
テル 酢酸ナトリウム(25.298g,0.3084モル)
を、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMA,312
ml)中で1,4,7,10−テトラアザシクロドデカ
ン(17.71g,0.1028モル)の攪拌懸濁液
に、室温で添加した。DMA(160ml)中のブロモ
酢酸t−ブチルエステル(49.8ml,0.3084
モル)を、この攪拌混合物に滴下し、得られた混合物を
11日間室温で攪拌した。固形沈澱物を吸引ろ過して分
離し、冷DMA(20ml)で一度洗浄した。残渣DM
Aを減圧下、20時間、45℃で加熱して除去した。得
られた白色固体(40.18g)をクロロホルム(20
0ml)に溶解し、脱イオン水(3×300ml)で洗
浄した。有機層をMgSOで乾燥し、減圧下でさらに
固体になるまで濃縮し、この固体をさらに減圧下で乾燥
したところ、標題化合物を白色粉体(36.3g:69
%)として得た。
【0188】H−NMR(CDCl): δ1.4
2(s,27H); δ2.85−2.88(m,12
H); δ3.06(m,4H); δ3.25(s,
2H); δ3.34(s,4H)。FABマスペクト
ル,m/z:515(MH)。
【0189】
【実施例33】トリス(2−トリクロロアトアミドエチ
ル)アミン トリス(2−アミノエチル)アミン(5ml,0.03
34モル)と1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノ
ン−5−エン(DBN)(12.38ml,0.100
モル)のクロロホルム(35ml)溶液に、クロロアセ
チルクロライド(8ml,0.100モル)のクロロホ
ルム(35ml)溶液を、−5℃で攪拌しながら1ml
/minの速度で注意深く滴下した。添加後、室温まで
温め15分間攪拌して反応させた。次いで、温度を70
℃まで上昇させ、4時間放置した。さらに、室温まで冷
却し、吸引ろ過して白色沈澱物を除去した。ろ液を水
(3×150ml)で洗浄し、MgSOで乾燥した。
次いで、溶剤を除去し、白色固形物(2.04g:16
%)として標題化合物を得た。
【0190】H−NMR(CDCl): δ2.6
2(t,3H); δ3.35(q,6H); δ4.
05(s,6H); δ87.06(s,3H)。 FABマスペクトル:402(MH)。
【0191】
【実施例34】DOTATREN 三量体 1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−4,
7,10−トリ酢酸トリ−t−ブチルエステル(8.0
g,0.0155モル)とN,N’−ジメチルホルムア
ミド(24ml)との混合物に、ヨウ化ナトリウム
(0.40g,2.669ミリモル)を添加し、さらに
1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG)
(1.41ml,0.0112モル)を添加した。30
分間断続的に温めながら攪拌した後、均質溶液を得た。
反応系を室温まで冷却したとき、トリス(2−トリクロ
ロアセトアミドエチル)アミン(1.46g,3.88
62ミリモル)を添加し、温度を70℃まで上昇させ
た。
【0192】17時間攪拌した後、熱源を外した。冷却
し、溶液から折出し沈澱した過剰の1,4,7,10−
テトラアザシクロドデカン−4,7,10−トリ酢酸ト
リ−t−ブチルエステルを吸引ろ過して除去した。ろ液
を黄色のガムになるまで濃縮し、減圧下で乾燥した。こ
のガムをクロロホルム(200ml)に溶解し、脱イオ
ン水(3×200ml)で洗浄し、MgSOで乾燥し
た。このクロロホルムを減圧下で蒸発し、乾燥ガムを、
塩化メチレン(100ml)のトリフルオロ酢酸(TF
A)(75リットル)溶液で処理した。この反応系を室
温中で1時間攪拌し、次いでガラス状のガムになるまで
減圧下で濃縮した。この過程を、t−ブチルのシグナル
H−NHRスペクトルに見られなくなるまで5回繰
り返した。
【0193】微量のTFAを除去するために脱イオン水
(150ml)を用いて、この物質(5.64g)を5
回再濃縮し、18時間減圧下で乾燥した。ガラス状の固
体をアセトン(200ml)と水(2ml)との混合物
で、60℃まで上昇させた温度で撹拌しながら処理し
た。1時間後、反応系を冷却し、吸引ろ過して微細な白
色固体を除去して、アセトンで洗浄し、減圧下で乾燥し
た。この過程をもう2回繰り返した。得られた微細な白
色固体(3.3g)を水に溶解し、5Nの水酸化ナトリ
ウム(4ml)を用いてpHを2.5から10.5に調
整した。この試料をAGI−X8アニオン交換樹脂(ア
セテート型100−200メッシュ,500g)の床に
供給し、脱イオン水で洗浄した。0.005N酢酸を用
いて標題化合物をカラムから溶離した。脱イオン水を用
いて、再濃縮を繰り返し残渣酢酸を除去した。収率=4
0%。
【0194】H−NMR(DO): δ2.84−
2.94(m,24H); δ3.23−3.40
(m,48H); δ3.62(s,12H)。FAB
マススペクトル:1306(MH)。
【0195】
【実施例35】DY(TAMEDTPA−(3,[1
1],25)TMA)三量体 TAMEDTPA−(3,[11],25)TMA)三
量体(12.8g,9.74ミリモル)と酢酸ジスプロ
シウム4水和物(11.55g,9.74ミリモル)と
を、250mlの水に溶解した。この溶液を乾燥状態に
して、水(3×250ml)で酢酸を除去した。この物
質を水に溶解し、1N水酸化ナトリウム(4ml)を用
いてpHを6.4に調整した。得られた溶液を凍結乾燥
して、白色固体を得た。この錯体の粘度を、キャノン−
ウッベローデ粘度計を用いて測定した。
【0196】
【0197】
【実施例36】5モル% CaNa(TAMEDT
PA−(3,[11],25)TMA) 三量体を含有
するDY(TAMEDTPA−(3,[11],2
5)TMA) 三量体の毒性(LD50) DY(TAMEDTPA−(3,[11],25)T
MA)三量体7.6HO(16.9349g,8.9
178ミリモル)と CaNa TAMEDTPA
−(3,[11],25)TMA 三量体とを22.3
mlの水に溶解した。この溶液を0.2μmのろ紙でろ
過して、5モル%のCaNaTAME 三量体を含
有するDYTAME三量体の400mM溶液を得た。
【0198】急性毒性を、スイス−ウェブスター社製の
マウスで評価した。8匹ずつの5群(1群は雄4匹と雌
4匹とからなる)に、投与量を上昇させながら製剤を与
えた。マウスの急性静脈内 LD50を8ミリモル/k
gになるまで測定した。
【0199】
【実施例37】DY (エチルDTPA−(3,29)
BMA) 三量体 エチルDTPA−(3,29)BMA 三量体1.8H
O(6.435g,5.00ミリモル)と酢酸ジスプ
ロシウム4水和物(6.175g,15.0ミリモル)
とを、125mlの水に溶解した。この溶液を乾燥状態
にして、水(3×250ml)で生じた酢酸を除去し
た。1N水酸化ナトリウム(4ml)を用いて、pHを
5.6に調整し、得られた溶液を10ml(500m
M)に濃縮した。
【0200】この錯体の粘度を、キャノン−ウッベロー
デ粘度計を用いて測定した。
【0201】
【実施例38】Ca Na (TAMEDTPA−
(3,[11],25)TMA)三量体 TAMEDTPA−(3,[11],5)TMA 三量
体(1.2812g,0.974ミリモル)と水酸化カ
ルシウム(0.2167g,0.9747ミリモル)と
を50mlの水に溶解した。2N水酸化ナトリウムを用
いて、pHを6.54に調整した。得られた溶液を凍結
乾燥し白色固体を得た。
フロントページの続き (72)発明者 ダウ,ウィリアム シー 米国 カリフォルニア 94539,フレモ ント,スレ イトン ストリート 40698 (72)発明者 ヒンメルスバック,リチャード ジェー 米国 カリフォルニア 94566,プレア サントン, セイント マイケル サー クル 756 (72)発明者 ワトソン,アラン ディー 米国 カリフォルニア 95008,キャン ベル,リン カンアベニュー 262 エ ー (72)発明者 ロックレージ,スコット エム 米国 カリフォルニア 95030,ロスゲ ートス,ク レシロード 255 (56)参考文献 特開 平1−211573(JP,A) 特開 昭63−41468(JP,A) 特表 昭63−501876(JP,A) 米国特許3859337(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 49/00 A61K 49/04 A61K 51/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式Iの化合物、またはこの化合物の
    塩あるいはこの化合物のキレート: 【化1】 (式中XL'Xはリンカー部分であり、各Xは酸素また
    は2級、3級あるいは環状窒素であり、かつ、XL'X
    の分子量は1000未満であり;R"は-CH2COR基であ
    り、RはOR'またはNR'2であり、各R'はそれぞれ独
    立に水素、または、任意に水酸基またはカルボキシル基
    によって置換されたアルキル基、シクロアルキル基、ア
    ルケニル基またはアルキニル基である)。
  2. 【請求項2】 Xが窒素であることを特徴とする請求項
    1に記載の化合物、またはこの化合物の塩あるいはこの
    化合物のキレート
  3. 【請求項3】 Xは2級窒素、環状窒素、またはぶら下
    がった111R'基(式中、X111は結合、酸素原子また
    はイオウ原子、またはNR'基を示し、ここでR'は水
    素、または、任意に水酸基またはカルボキシル基によっ
    て置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アルケニ
    ル基またはアルキニル基である)を有する3級窒素であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の化合物、またはこ
    の化合物の塩あるいはこの化合物のキレート
  4. 【請求項4】 XL'Xの分子量は500未満であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化合
    物、またはこの化合物の塩あるいはこの化合物のキレー
  5. 【請求項5】 XL'Xの分子量は150未満であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化合
    物、またはこの化合物の塩あるいはこの化合物のキレー
  6. 【請求項6】 XL'Xは、X基が結合するカルボニル
    炭素間に10までの原子の長さの鎖を提供することを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の化合物、また
    はこの化合物の塩あるいはこの化合物のキレート
  7. 【請求項7】 R"はCH2CO2H基を表すことを特徴とする
    請求項1〜6のいずれかに記載の化合物、またはこの化
    合物の塩あるいはこの化合物のキレート
  8. 【請求項8】 ビス[4,7,10-トリス(カルボキシメチ
    ル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデク-1-イル]-2,7-
    ジオキソ-3,6-ジアザオクタンである請求項7に記載の
    化合物、またはこの化合物の塩あるいはこの化合物のキ
    レート
  9. 【請求項9】 少なくとも一つの錯化金属イオンを含む
    請求項1に記載の化合物。
  10. 【請求項10】 前記金属イオンが、重金属イオン、常
    磁性金属イオン、および放射性金属イオンからなる群か
    ら選択される請求項9に記載の化合物。
  11. 【請求項11】 前記金属イオンを二つ含む請求項10
    に記載の化合物。
  12. 【請求項12】 前記金属イオンがランタニド金属イオ
    ンであることを特徴とする請求項11に記載の化合物。
  13. 【請求項13】 前記金属イオンが、ガドリニウムまた
    はジシプロシウムイオンであることを特徴とする請求項
    12に記載の化合物。
  14. 【請求項14】 請求項9に記載の化合物を、薬理学上
    許容される担体または賦形剤とともに含む磁気共鳴イメ
    ージコントラスト剤組成物。
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