JP3489972B2 - 積層板 - Google Patents

積層板

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JP3489972B2 JP22755897A JP22755897A JP3489972B2 JP 3489972 B2 JP3489972 B2 JP 3489972B2 JP 22755897 A JP22755897 A JP 22755897A JP 22755897 A JP22755897 A JP 22755897A JP 3489972 B2 JP3489972 B2 JP 3489972B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層板に関し、よ
り詳しくはポリカーボネート樹脂とアクリル系樹脂とか
ら構成される積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は耐衝撃性に優れ
ると共に透明性も有するため、その板状物は、カーポー
ト、看板などの用途の他にも、公共施設、運動施設等の
建築用グレージング材、各種車輌用グレージング材、高
速道路等の防音壁などとして利用されており、今後ます
ます、その用途は広がっていくものと期待されている。
【0003】しかし、ポリカーボネート樹脂は、アクリ
ル樹脂などに比べると耐候性が十分でないため、直射日
光などに暴露される屋外用途に使用される場合には、衝
撃強度の低下や黄色変化などが改良点として指摘されて
いる。これらの点についての改良方法としては、種々提
案されており、例えば a)ポリカーボネート基板を、紫外線吸収剤を含有するア
クリル樹脂層で被覆する方法(特公昭47−19119
号公報、特開昭55−59929号公報)、 b)ポリカーボネート基板を被覆するアクリル樹脂とし
て、耐衝撃性を付与したアクリル系樹脂、例えば多層構
造のアクリルゴムを配合したアクリル樹脂を使用するこ
とにより、アクリル樹脂からなる被覆層に柔軟性と耐衝
撃性を持たせる方法(特開平2−175245号公報、
特開平4−270652号公報)などが挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記a)
の方法では、耐候性は改良されるものの、ポリカーボネ
ート樹脂基板にアクリル樹脂を被覆した積層板は、その
衝撃強度が低下するという問題がある。この現象は、衝
撃を受けた時に、硬質のアクリル樹脂層がまず破断し、
次いでアクリル樹脂層と強固に密着しているポリカーボ
ネート層もその特性を発揮することなく同時に破断して
しまうためと推察されている。また、b)の方法では、衝
撃強度の低下という問題は改善されるものの、ゴム成分
が混合されるためアクリル樹脂層の表面硬度が低下し
て、傷つきやすくなるという問題が発生する。
【0005】したがって、本発明の目的は、上記問題を
解決して、グレージング材、防音壁などとして使用可能
な板状物を提供することにある。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するため、次の点に着目した。 (1) 建築物や車輌等のグレージング材は、屋外に面した
側が汚れやすく、定期的な洗浄が必要になるため、表面
硬度が低いとブラシなどによる洗浄の際に傷が付きやす
くなる。また高速道路等の防音壁は、車輌等からの泥の
跳ね上げにより道路に面した側が特に汚れやすく、この
場合もグレージング材と同様な状況にある。すなわち、
いずれの場合にも、両方の面が高い表面硬度を有する必
要はなく、いずれか一方の面が要求性能を満足できれば
よく他方の面はそれよりも低い表面硬度でも使用できる
可能性があること。 (2) 建築物や車輌等のグレージング材の場合には、主と
して屋外などからの飛来物に対する衝撃強度がある程度
要求され、また防音壁の場合には、主として道路に面し
た側での飛来物に対する衝撃強度が要求される。そして
衝撃を受けた際、一般に衝撃を受けた側と反対の側に引
張応力が生じて反対側から破壊に至るとされている。す
なわち、グレージング材の場合には屋外からの衝撃に対
しては屋内に面した側に、また高速道路の防音壁の場合
には道路に面した側からの衝撃に対して道路に面しない
側に、それぞれ引張応力を緩和できる工夫があれば破壊
が防止でき、必ずしも両方の面に高い耐衝撃性を必要と
しないこと。
【0007】以上のように、建築物や車輌等のグレージ
ング材や高速道路等の防音壁の場合には、主として一方
の面に高い表面硬度が要求され、他方の面に飛来物など
による衝撃を受けた際に働く引張応力に耐えうる耐衝撃
強度が少なくとも要求されることになる。
【0008】本発明者らは、以上の点を考慮し、鋭意検
討を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂基板の両面に、
耐衝撃性および柔軟性の相違するアクリル樹脂層をそれ
ぞれ配するように共押出成形した積層板が、かかる課題
を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
【0009】 すなわち、上記目的は本発明によれば、
ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、紫外線吸収剤
0.1〜2重量%および架橋アクリル酸エステル系重合
体30重量%未満含有するメクリル樹脂からなるアク
リル系樹脂層(A)を有し、他方の面に紫外線吸収剤を
0.1〜2重量%および架橋アクリル酸エステル系重合
体30〜70重量%を含有するメクリル系樹脂からな
るアクリル系樹脂層(B)を有する積層板によって達成
することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0011】本発明における基板層であるポリカーボネ
ート樹脂層を構成するポリカーボネート樹脂としては、
特に制限されず、例えばビスフェノールAを主原料とす
る炭酸エステル重合物が使用される。ポリカーボネート
樹脂の製造方法は特に限定されず、ホスゲン法、エステ
ル交換法等の既知の方法により製造されたものを用いる
ことができる。またその分子量についても特に限定はさ
れないが、押出成形により製造することから、粘度平均
分子量が15000〜30000程度のもの、あるいは
250℃、100s-1における溶融粘度が13000〜
60000ポイズ程度のものが好ましく用いられる。ポ
リカーボネート樹脂層の厚みとしては特に制限ないが、
通常1〜20mm、好ましくは2〜10mmである。ポ
リカーボネート樹脂層には、一般に用いられる各種の添
加剤を含有させてもよく、添加剤の例として紫外線吸収
剤、酸化防止剤、難燃剤、着色剤等が挙げられる。
【0012】本発明における被覆層であるアクリル系樹
脂層(A)およびアクリル系樹脂層(B)を構成する一
つの樹脂成分であるメタクリル樹脂としては、メチルメ
タクリレートの単独重合体、またはメチルメタクリレー
ト単位を50重量%以上、好ましくは85重量%以上含
有する共重合体が挙げられ、押出成形性可能であるもの
が好ましく用いられる。メチルメタクリレートと共重合
可能な単量体としては、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、ブチルアクリレート等が挙げられ、これら
は1種あるいは2種以上で用いることができる。メタク
リル樹脂は、成形性などの点から、250℃、100s
-1における溶融粘度が5000〜31000ポイズ程度
のものが好ましく用いられる。メタクリル樹脂の製造方
法としては、特に限定されず、塊状重合、懸濁重合、溶
液重合、乳化重合等の公知の方法を採用することができ
る。メタクリル樹脂には、通常用いられる各種の添加剤
を添加してもよく、例えば酸化防止剤、難燃剤、着色剤
等が挙げられる。
【0013】本発明においてメタクリル樹脂に含有させ
るもしくは含有させてもよい架橋アクリル酸エステル系
重合体は、積層板の耐衝撃強度を向上させるために配合
するゴム成分である。該架橋アクリル酸エステル系重合
体としては、本発明の目的を阻害しないものであれば特
に制限されず、種々の層構造をもつものが使用可能であ
り、例えば硬質のメタクリル系重合体と、ゴム状の性質
を有するアクリル酸エステルを主成分とする軟質の架橋
重合体とが層状に構成された2層構造、3層構造、4層
構造を有するものが挙げられる。架橋アクリル酸エステ
ル系重合体は、通常2層以上からなる球状形状を有する
のものであり、その平均粒径としては0.1〜0.3μ
m程度のものを好ましく用いることができる。
【0014】架橋アクリル酸エステル系重合体は、メタ
クリル樹脂との溶融混合性などの観点から、種々の層構
造を有する架橋アクリル酸エステル系重合体をゴム成分
とする耐衝撃性の多層構造メタクリル樹脂を使用するこ
とが好ましい。例えばアルキル基の炭素数が1〜8のア
ルキルアクリレートの少なくとも1種70〜90重量%
とスチレン単独またはスチレンとその誘導体の混合物
9.9〜29.9重量%ならびにこれと共重合可能な1
分子中に2個以上の二重結合を有する例えばアリルアク
リレート、アリルメタアクリレート等の多官能性単量体
0.1〜10重量%を用いて得られた架橋アクリル酸エ
ステル系重合体ラッテクス、若しくはメチルメタクリレ
ート単位を80重量%以上含む硬質架橋樹脂粒子の外側
に、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレー
トの少なくとも1種70〜90重量%とスチレン単独ま
たはスチレンとその誘導体の混合物9.9〜29.9重
量%ならびにこれと共重合可能な1分子中に2個以上の
二重結合を有する例えばアリルアクリレート、アリルメ
タアクリレート等の多官能性単量体0.1〜10重量%
を用いて得られた重合体層を有する架橋アクリル酸エス
テル系重合体ラテックスの存在下に、メチルメタクリレ
ート80〜100重量%、アルキル基の炭素数が1〜8
のアクリル酸アルキルエステルの少なくとも1種0〜2
0重量%、およびこれと共重合可能な他のビニル単量体
0〜10重量%よりなる単量体混合物を乳化重合するこ
とにより得ることができる。上記製造方法において、最
外層のメタクリル樹脂成分の量的割合を増加させること
により、架橋アクリル酸エステル系重合体を含有した多
層構造体を一段で製造することができる。
【0015】多層構造体の製造方法としては、通常各層
を構成する単量体混合物を、内側の層から逐次重合させ
る乳化重合法が用いられるが、単量体混合物の添加方
法、乳化剤の選択、最外層への連鎖移動剤の添加の有無
等については特に制限されない。また架橋アクリル酸エ
ステル系重合体の多層構造メタクリル樹脂中の割合は2
0〜70重量%程度とすることが望ましい。
【0016】本発明に用いる紫外線吸収剤は、積層板の
耐候性向上を目的として使用するものであり、その種類
は特に限定されず、例えばベンソトリアゾール系、ヒン
ダードアミン系、ベンゾフェノン系等の公知の紫外線吸
収剤から選ばれた1種、あるいは2種以上が用いられ
る。紫外線吸収剤の添加量は、アクリル系樹脂層の総量
に対して0.1〜2重量%、好ましくは0.5〜1.5
重量%である。添加量が0.1重量%未満では、屋外使
用に耐えうる耐候性を得ることができず好ましくない。
一方、添加量が2重量%を超えても、その添加コストに
見合う効果が得られるとは言い難く、逆に添加量過多に
より、押出機内でスリップを生じたり揮発分により成形
ロールを汚したりといった弊害を生じることがあり好ま
しくない。
【0017】本発明の積層板におけるポリカーボネート
樹脂層の片面に形成されるアクリル系樹脂層(A)は、
紫外線吸収剤を0.1〜2重量%および架橋アクリル酸
エステル系重合体を30重量%未満、好ましくは0〜2
0重量%、より好ましくは10〜20重量%含有するメ
タクリル樹脂から形成され、ポリカーボネート樹脂層の
表面硬度と耐候性を改善することを主目的とする。ポリ
カーボネート樹脂板の表面硬度が通常鉛筆硬度で2B〜
Bと低いのに対して、アクリル系樹脂層(A)は、表面
硬度を低下させる要因となるゴム成分の含有量を30重
量%未満にしているため表面硬度の低下がほとんど見ら
れず、鉛筆硬度で2H〜3Hの表面硬度を保つことがで
きる。またゴム成分である架橋アクリル酸エステル系重
合体を少量含有させることにより、適度な耐衝撃性を付
与することもできる。
【0018】 本発明の積層板におけるポリカーボネー
ト樹脂基板のもう一方の面に形成されるアクリル系樹脂
層(B)は、紫外線吸収剤を0.1〜2重量%および架
橋アクリル酸エステル系重合体を30〜70重量%、好
ましくは30〜50重量%含有するメクリル系樹脂か
ら形成されることが必要である。架橋アクリル酸エステ
ル系重合体の含有量が30重量%未満では、ポリカーボ
ネート樹脂基板の衝撃強度を損なわないだけの柔軟性、
衝撃強度を付与することが困難であり、一方、70重量
%を超えるとアクリル樹脂の流動性が悪くなり、溶融押
出成形上好ましくない。
【0019】ポリカーボネート樹脂層の両面に形成され
るアクリル樹脂層を同一成分にすることは可能である
が、耐候性と表面硬度を向上させるためにアクリル系樹
脂層に含まれるゴム成分の量を減らすと、片側からの変
形に対し引張応力がかかる側に亀裂が入りやすくなって
衝撃を受けた際にノッチが発生し、積層板の衝撃強度を
下げてしまう。一方、積層板の耐衝撃性をポリカーボネ
ート樹脂並みに維持するためアクリル系樹脂層に含まれ
るゴム成分の量を増やすと、表面硬度が下がってしま
う。いずれの場合にしても、本発明の目的を達成するこ
とができない。
【0020】本発明の積層板は、ポリカーボネート樹脂
基板に形成するアクリル樹脂層に含まれる多層構造粒状
弾性体の添加量を変えているため、片面は、ポリカーボ
ネート樹脂基板に表面硬度、ならびに耐候性を与え、も
う一方の面は、ポリカーボネート樹脂基板に、耐衝撃性
を与えることができる。
【0021】本発明の積層板は、上記のような特徴を有
するため使用する用途によって、使用する方向が限定さ
れる場合がある。例えば、本発明の積層板を高速道路等
の防音壁として使用する場合には、車輌や飛来物が衝突
した際に道路と反対側の面に大きな引張応力が生じ、ま
た車輌等から跳ね上げられた泥などの汚れが防音壁の道
路に面した側に著しく付着し洗浄する頻度も高くなるた
め、アクリル系樹脂層(B)側を道路と反対の面に使用
することが好ましい。また本発明の積層板を建築物や各
種車輌などのグレージング材として使用する場合には、
砂や塵埃などによる汚れ付着や洗浄による傷付きが生じ
やすいのは、屋外に面した側であるため、アクリル系樹
脂層(B)側を屋内側に使用することが好ましい。
【0022】ポリカーボネート樹脂層の両方の面に形成
されるアクリル系樹脂層(A)および(B)の厚みは、
特に制限はないが、耐候性などの観点から、それぞれ2
0〜150μm、好ましくは50〜100μmの範囲に
あることが望ましい。
【0023】本発明の積層板を製造する方法としては、
特に制限されず、注型方法、圧縮成形、押出成形等が採
用可能であるが、量産性、成形性などの点から、押出成
形、特に共押出成形が好ましい。積層板の製造に用いら
れる押出装置としては、一般に基板層を構成するポリカ
ーボネート樹脂を押出すメイン押出機と、被覆層を構成
するアクリル系樹脂(A)を押出すサブ押出機1と、ア
クリル系樹脂層(B)を押出すサブ押出機2により構成
され、サブ押出機1および2は、通常メイン押出機より
小さいものが用いられる。積層する方式としては、フィ
ードブロック方式、マルチマニホールド方式等の公知の
方法を採用することができる。
【0024】フィードブロック方式の場合には、積層さ
れる樹脂は、Tダイ等のシート成形ダイに導かれ積層シ
ート状に成形された後、表面を鏡面処理された成形ロー
ル(ポリッシングロール)に流入してバンクを形成後成
形ロール通過中に鏡面仕上げされ、冷却されて外観の優
れた積層板となる。また、マルチマニホールド方式の場
合には、溶融樹脂は、ダイ内部で積層シート状に成形さ
れた後、成形ロールにて表面仕上げおよび冷却を行い、
外観の優れた積層板となる。積層板の全体の厚みは、ロ
ール隙間により調整することができ、また各層の厚みの
比率は各押出機の押出量の比率などによりコントロール
することができる。このようにして得られる積層板の厚
みは、通常1〜25mm、好ましくは3〜15mmであ
る。得られた積層板は、平板のまま使用することもでき
るほか、二次成形して曲面状などに加工成形して使用す
ることもできる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により、本発明をより詳細に説
明する。なお、実施例の評価・測定方法を次の方法によ
り実施した。
【0026】(耐衝撃性の評価)グラフィックインパク
トテスター(東洋精機(株)製)を用いて、次の条件に
より3回落錘衝撃試験を行い、下記条件により測定し破
壊時の最大荷重を求めた。 試験条件:ウェート重量;6.5kg、落下高さ;15
0cm、サンプルタイム;5μsec.、室温23℃/5
0%RH 試験片サイズ:100mm×100mm×2mm厚 落錘:ストライカ曲率;13mm、クランプ径;75m
mφ
【0027】(表面硬度の測定)JIS−K5400に
準拠し、引っ掻き試験機(JIS−K5401)を用い
て鉛筆硬度を測定した。
【0028】また、実施例に用いた樹脂および紫外線吸
収剤は次のものを用いた。 (ポリカーボネート樹脂) タフロンI2200(出光石油化学(株)製)
【0029】アクリル系樹脂層の樹脂組成としては、次
のメタクリル樹脂と多層構造メタクリル樹脂とを表1に
示す割合のものを用いた。 (メタクリル樹脂)メチルメタクリレート単位94重量
%およびメチルアクリレート単位6重量%とからなり、
重量平均分子量160000のメタクリル樹脂を用い
た。
【0030】(多層構造メタクリル樹脂)次の3段階重
合により得られた3層構造重合体ラテックスを凍結し、
融解・乾燥して得られた、架橋アクリル酸エステル系重
合体を60重量%含有する粉体を用いた。 (第1段階)還流冷却器付き反応容器にイオン交換水3
00重量部、ステアリン酸ナトリウム1重量部、N―ラ
ウロイルザルコシン酸ナトリウム0.08重量部を投入
し、撹拌しながら窒素雰囲気下70℃に昇温した後、メ
タクリル酸メチル(MMA)23.25重量部、アクリ
ル酸メチル(MA)2重量部、メタクリル酸アリル(A
LMA)0.15重量部からなる単量体混合物を投入し
た。次いで10%過硫酸カリウム(KPS)水溶液0.
3重量部投入し、80℃に昇温し60分間保持した。 (第2段階)第1段階で得られたラテックスの存在下
に、10%KPS水溶液0.3重量部投入した後、アク
リル酸ブチル28重量部、スチレン5.8重量部、AL
MA0.8重量部からなる単量体混合物を60分かけて
連続的に添加して、添加終了後30分間保持した。 (第3段階)次いで第2段階で得られたラテックスの存
在下に、10%KPS水溶液0.4重量部投入した後、
MMA39重量部、MA1重量部、n―オクチルメルカ
プタン0.07重量部からなる単量体混合物を40分か
けて連続的に添加して、添加終了後60分間保持して3
層構造重合体ラテックスを得た。
【0031】(紫外線吸収剤) アデカスダブ・LA−31(旭電化工業製:ベンゾトリ
アゾール系)
【0032】(実施例1〜2、比較例1〜2)ポリカー
ボネート樹脂をメイン押出機(φ50mmの単軸押出
機)から30kg/hrで、またサブ押出機1(φ30
mmの単軸押出機)より紫外線吸収剤0.5%を含有し
た表1記載のアクリル系樹脂層Aを2kg/hrで、も
う一方のサブ押出機2(φ30mmの単軸押出機)より
紫外線吸収剤0.5%を含有した表1記載のアクリル系
樹脂層Bをそれぞれ溶融押出し、これらの3層をダイ幅
400mmの共押出用のマルチマニホールドダイの中で
合流させ、積層シート状にした後、ダイから吐出した積
層樹脂を積層板の全板厚が2mmになるように調整した
冷却ロールを通過させ、冷却ならびに鏡面仕上げを行
い、積層板を製造した。この積層板もアクリル樹脂層の
厚みはそれぞれ100μmであった。得られた積層板に
ついて落錘衝撃試験およびアクリル系樹脂層(A)面の
鉛筆硬度測定を行い、その結果を表2に示した。
【0033】(比較例3)ポリカーボネート樹脂をφ5
0mm単軸押出機より押出し、ダイ幅400mmの単層
シート用のダイによりシート状にし、板厚が2mmにな
るように調整した冷却ロールを通過させることにより、
冷却ならびに鏡面仕上げをおこない、厚さが2mmの単
層ポリカーボネート樹脂板を得た。得られた樹脂板につ
いて落錘衝撃試験および鉛筆硬度測定を行い、その結果
を表2に示した。表2より本発明の積層板は、ポリカー
ボネート樹脂単層板と遜色ない衝撃強度とアクリル樹脂
の表面硬度を併せ持つことがわかる。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明の積層板は、ポリ
カーボネート樹脂の衝撃強度を維持したまま耐擦傷性に
も優れたものであるので、公共施設、運動施設等のグレ
ージング材、各種車輌のグレージング材、高速道路等の
防音壁などとして好適である。
フロントページの続き (72)発明者 石山 稔 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株式会社クラレ内 (56)参考文献 特開 平7−223298(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、
    紫外線吸収剤0.1〜2重量%および架橋アクリル酸エ
    ステル系重合体30重量%未満を含有するメクリル樹
    脂からなるアクリル系樹脂層(A)を有し、他方の面に
    紫外線吸収剤を0.1〜2重量%および架橋アクリル酸
    エステル系重合体30〜70重量%を含有するメクリ
    ル系樹脂からなるアクリル系樹脂層(B)を有すること
    を特徴とする積層板。
  2. 【請求項2】 共押出成形して得られる請求項1記載の
    積層板。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の積層板からなるグレージ
    ング材。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の積層板からなる防音壁。
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