JP3489851B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
た樹脂組成物に関する。
は柔軟性および機械的特性が不充分であり、これを改善
するためにビニルアルコール系重合体以外のポリオレフ
ィンなどの熱可塑性重合体をブレンドしていた。一方、
ポリオレフィンなどの熱可塑性重合体単独ではガスバリ
ヤー性が不充分であり、これを改善するためにビニルア
ルコール系重合体をブレンドしていた。しかしながら、
ビニルアルコール系重合体とポリオレフィンなどの熱可
塑性重合体とは親和性が低く、分散性が不良のために、
これらのブレンド物からなる成形物やフィルムは機械的
特性が著しく低下したり、透明性が大きく低下するとい
う問題があった。
ル基を導入したエチレン−ビニルアルコール系重合体と
オレフィン系重合体とをブレンドする方法(特開昭63
−202638号);エチレン−ビニルアルコール系共
重合体とエポキシ基を導入したオレフィン系重合体とを
ブレンドする方法(特開平3−88837号)が提案さ
れている。
らの方法では依然として改善効果が小さく、ブレンド物
の分散性、透明性および機械的特性をさらに向上させる
ことが望まれていた。本発明の目的は、機械的性質の改
善された、ビニルアルコール系重合体およびビニルアル
コール系重合体以外の熱可塑性重合体からなる樹脂組成
物を提供することにある。
ミノ基を有するビニルアルコール系重合体(A)および
該アミノ基と反応する官能基を有する熱可塑性重合体
(B)からなる樹脂組成物、または前記組成物に熱可塑
性重合体(C)を配合した樹脂組成物を提供することに
よって達成される。
るビニルアルコール系重合体(A)としては、末端にア
ミノ基を有し、かつ主鎖中にビニルアルコール単位を含
有する重合体である。末端にアミノ基を有するビニルア
ルコール系重合体のなかでも、実質的に末端(好ましく
は片端末)だけに、一級アミノ基または二級アミノ基を
有するビニルアルコール系重合体が好ましい。ビニルア
ルコール系重合体の側鎖のアミノ基は架橋により、粘度
上昇が生じたり、ゲル化しやすくなるために、含有量は
少ない方が好ましい。したがって、側鎖のアミノ基の含
有量としては0.5モル%未満が好ましく、0.3モル
%未満がより好ましく、0.1モル%未満がさらにより
好ましい。一級アミノ基または二級アミノ基としては、
一級アミノ基あるいはアルキル置換された二級アミノ基
を意味し、その具体例としてはアミノ基、メチルアミノ
基、エチルアミノ基、ブチルアミノ基等のほかに、ヒド
ラジド基、N−メチルヒドラジド基等のヒドラジド類
も、その構造中に活性なアミノ基を有することから、ア
ミノ基の好適例として挙げられる。
コール単位の含有量は特に制限はないが、1〜90モル
%が好ましく、30〜80モル%がより好ましく、40
〜75モル%がさらにより好ましい。ビニルアルコール
系重合体としては、特にエチレン−ビニルアルコ−ル共
重合体が好ましい。ビニルアルコール系重合体がエチレ
ン−ビニルアルコ−ル共重合体である場合には、エチレ
ン含量は、10〜90モル%が好ましく、20〜70モ
ル%がより好ましく、25〜60モル%がさらにより好
ましい。ビニルアルコール系重合体の中のケン化されて
いないビニルエステル単位は該重合体の結晶化度を低下
させるため、該重合体のケン化度は高い方が好ましい。
したがって、ビニルアルコール系重合体のビニルエステ
ル単位のケン化度としては1〜100モル%が好まし
く、20〜100モル%がより好ましく、50〜100
モル%がより好ましく、80〜100モル%がより好ま
しく、95〜100モル%がより好ましく、99〜10
0モル%がさらにより好ましい。
る場合のビニルアルコール単位以外の単位としては、ビ
ニルエステル単位およびコモノマー単位が挙げられる。
ビニルエステル単位の具体例としては、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、酪酸ビニル、バ
レリン酸ビニル、カプリン酸ビニルおよび安息香酸ビニ
ル等からなる単位が挙げられる。コモノマー単位として
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等
のオレフィン類;メタクリルアミド、アクリルアミド、
N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド等のアクリルアミ
ド誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルア
ミド、N−エチルメタクリルアミド等のメタクリル誘導
体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n
−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテ
ル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテ
ル等のビニルエーテル類;アリルアルコール;ビニルト
リメチルシラン;N−ビニルピロリドン等からなる単位
が挙げられる。
系重合体のメルトインデックス(2160gの荷重下、
190℃で測定した値、ただし、融点が190℃付近あ
るいは190℃を越えるものは2160g荷重下、融点
以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の
逆数を横軸、メルトインデックスを縦軸としてプロット
し、190℃に外挿した値;以下MIと略記する)は特
に制限はないが、0.1〜100(g/10分)が好ま
しい。ビニルアルコール系重合体のMIが0.1(g/
10分)未満の場合またはビニルアルコール系重合体が
熱可塑性でない場合には、グリセリン、ジグリセリン、
トリグリセリン、エチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコールなどの多価アルコール系可塑剤またはこれらの
混合物を添加してMIを適性値に調節するのが好まし
い。
ルコール系重合体のなかでも、可塑剤を添加しなくても
それ自体が熱可塑性であるものが好ましく、下記の化1
あるいは化2で表されるアミノ基を末端に有するものが
好ましい。
表されるアミノ基を末端に有するビニルアルコール系重
合体の製造方法について説明する。本発明者らは、末端
にアミノ基を有するビニルアルコール系重合体の製造方
法について鋭意検討した結果、2種類の製造方法を見出
した。第1の製造方法は、末端にエステル結合が導入さ
れたビニルアルコール単位を含有する重合体を1級アミ
ン、2級アミンまたはアンモニアと反応させることによ
り、末端にアミノ基を有するビニルアルコール系重合体
を製造する方法である。第1の製造方法は、ケン化度が
50モル%以上の末端にアミノ基を有するビニルアルコ
ール系重合体の製造方法として好適である。末端にエス
テル結合が導入されたビニルアルコール単位を有する重
合体は、ビニルエステルを重合することによって得られ
たビニルエステル系重合体を加溶媒分解した後、さらに
酸処理することによって得られる。エステル結合中のカ
ルボニル基のα位に水素を有していないビニルモノマー
の重合は下記の化3で表される溶媒中で行なわれる。
合は、無溶媒または溶媒中で行なわれ、そのなかでも無
溶媒あるいは上記の化3で表される溶媒中で行なわれる
ことが好ましい。
体例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸
ビニル、イソ酪酸ビニル等が挙げられる。
エステル単位としては、末端にアミノ基を有するビニル
アルコール系重合体の説明の欄において記載したビニル
エステル単位が挙げられる。ビニルエステル系重合体が
共重合体である場合のコモノマー単位としては、同じく
末端にアミノ基を有するビニルアルコール系重合体の説
明の欄において記載したコモノマー単位が挙げられる。
カルボキシル基を含有する単量体単位、カルボキシル基
に変換しうる官能基を含有する単量体単位またはラクト
ン環などのエステル結合を含有する単量体単位がビニル
エステル系重合体の末端以外の主鎖中に含有されている
場合には、本発明のビニルアルコール系重合体を得るた
めの製造工程において、本発明の末端のアミノ基がビニ
ルアルコール系重合体の側鎖に導入される可能性が高い
ことから、ビニルエステル系重合体中のこれらの単量体
単位の含有量は少ない方が好ましく、具体的には0.5
モル%未満が好ましく、0.3モル%未満がより好まし
く、0.1モル%未満がさらにより好ましい。
件には特に制限はないが、アルカリ触媒による加溶媒分
解が好ましく、NaOH、KOH、CH3ONa、CH3
OKを触媒として用いた加メタノール分解が特に好まし
い。加溶媒分解時のアルカリ触媒量は、ビニルエステル
系重合体中のビニルエステル単位100モルに対して
0.02〜200モルが好ましい。加溶媒分解の温度
は、室温から120℃が好ましい。ビニルアルコール単
位を有する重合体のビニルエステル単位のケン化度は特
に制限はないが、アミンとケン化されていないビニルエ
ステル単位との反応によるジアミン類あるいはヒドラジ
ン類の消費を抑えるために、ケン化度は高い方が好まし
い。すなわち、ビニルアルコール単位を有する重合体の
ケン化度は、90モル%以上が好ましく、95モル%以
上がさらに好ましく、99モル%以上がさらにより好ま
しい。
処理の条件としては特に制限はないが、メタノール、エ
タノール、エチレングリコール等のアルコール類を反応
溶媒として用い、硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸
あるいは酢酸等を触媒として用い、反応温度は室温から
150℃が好ましい。
されたビニルアルコール単位を有する重合体と反応させ
るジアミン類あるいはヒドラジン類としては、下記の化
5あるいは化6で表される一級アミノ基または二級アミ
ノ基を有するアルキレンジアミン類あるいはヒドラジン
類が好ましい。これらのジアミン類あるいはヒドラジン
類としては本発明の効果を阻害しない範囲でエーテル結
合や水酸基等の官能基を有していても良い。このような
ジアミン類あるいはヒドラジン類の具体例としては、エ
チレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジ
アミン類;ヒドラジン、メチルヒドラジン、N,N´−
ジメチルヒドラジン等のヒドラジン類などが挙げられ
る。
ルコール単位を有する重合体とジアミン類あるいはヒド
ラジン類との反応条件は、それらの反応性によって適宜
選択される。ジアミン類あるいはヒドラジン類の仕込量
は、ビニルアルコール系重合体に導入される量の2倍量
から大過剰量の範囲で選択される。反応溶媒はメタノー
ル、エチレングリコール等のアルコール系溶媒やジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスル
ホキシド等が挙げられる。反応温度は室温から200℃
の範囲で適宜選択される。また触媒としてNaOH、K
OH、CH30Na、CH30K等のアルカリまたは酢
酸、塩酸、硫酸等の酸を用いることにより、反応速度を
かなり早くすることができる。
して得られたケン化度0モル%のビニルエステル単位を
含有する重合体を、1級アミン、2級アミンまたはアン
モニアと反応させることにより、末端にアミノ基を有す
るビニルアルコール系重合体を製造する方法である。第
2の製造方法は、ケン化度が1〜100モル%の末端に
アミノ基を有するビニルアルコール系重合体の製造方法
として好適であり、ケン化度が1〜50モル%の末端に
アミノ基を有するビニルアルコール系重合体の製造方法
としてより好適である。
の説明の欄において記載したビニルエステルが挙げられ
る。ビニルエステルを重合して得られたケン化度0モル
%のビニルエステル単位を含有する重合体は、該重合体
の末端にカルボキシル基を有していることから、該重合
体を1級アミン、2級アミンまたはアンモニアと反応さ
せることにより、該重合体の末端にアミノ基が導入され
るとともに該重合体の主鎖のビニルエステル単位がケン
化されることにより、末端にアミノ基を有するビニルア
ルコール系重合体が得られる。ケン化度0モル%のビニ
ルエステル単位を含有する重合体と1級アミン、2級ア
ミンまたはアンモニアとの仕込比としては、該重合体の
モノマー単位に対して、0.2〜100モル%が好まし
く、1〜10モル%がより好ましい。反応温度としては
室温〜100℃が好ましく、反応時間としては10分間
〜5時間が好ましい。反応溶媒としては、メタノール、
エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ジメチ
ルスルホキシド、N−メチロールピロリドンなどの極性
の高い溶媒が好ましく、そのなかでもメタノールがより
好ましい。末端にアミノ基を有するビニルアルコール系
重合体のビニルエステル単位のケン化度をさらに高くし
たい場合には、アルカリ触媒などを用いた公知の方法に
より、さらにケン化すれば良い。上記の第1の製造方法
および第2の製造方法のなかでも、ケン化度が50〜1
00モル%の末端にアミノ基を有するビニルアルコール
系重合体の製造方法としては、第1の製造方法の方がよ
り好ましい。
能基を有する熱可塑性重合体(B)としては、エポキシ
基、無水環等の酸無水物、オキサゾリン環等のアミノ基
と反応する官能基を有する熱可塑性重合体である。アミ
ノ基と反応する官能基を有する熱可塑性重合体は、該官
能基を有する単量体とオレフィン系モノマーまたはビニ
ル系モノマーを共重合することによって得られる。他の
方法としては、オレフイン系重合体またはビニル系重合
体に、該官能基を有する単量体を、パーオキサイド、
熱、光または放射線等の開始剤を用いてグラフト重合す
ることによって得られる。オレフィン系重合体およびビ
ニル系重合体を構成する単量体の成分としてはエチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン類;酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の
ビニルエステル類;メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、
オクチルアクリレート、ドデシルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル類;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチル
メタクリレート、オクチルメタクリレート、ドデシルメ
タクリレート等のメタクリル酸エステル類;塩化ビニ
ル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;スチレン、α
−メチルスチレン等のスチレン誘導体等が挙げられる。
アミノ基と反応する官能基を有する単量体としては、グ
リシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、ア
リルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル等
のエポキシ基を有するモノマー;無水マレイン酸、イタ
コン酸無水物等の酸無水物の単量体;2−ビニルオキサ
ゾリン、2−(4−ビニルフェニル)オキサゾリン等の
オキサゾリン環を有するモノマー等が挙げられる。これ
らのモノマーの好適な仕込量はその官能基の反応性によ
って異なる。官能基の含有量が多すぎる場合にはゲル化
しやすくなり、官能基の含有量が少なすぎる場合にはそ
の効果が小さくなる。官能基当量としては特に制限はな
いが、500から200000が好ましく、エポキシ基
では官能基当量にして500から20000が好まし
く、酸無水物では官能基当量にして10000から20
0000が好ましく、オキサゾリン環では500から1
0000が好ましい。ここで官能基当量とは、官能基1
g当量を含有する樹脂のグラム(g)数で表される。ア
ミノ基と反応する官能基を有する熱可塑性重合体のMI
は特に制限はないが、0.1〜1000(g/10分)
が好ましく、0.5〜500(g/10分)がより好ま
しく、0.5〜100(g/10分)がさらにより好ま
しい。
するビニルアルコール系重合体(A)および該アミノ基
と反応する官能基を有する熱可塑性重合体(B)からな
る。成分(A)と成分(B)の重量配合比は、99:1
から1:99であり、95:5から5:95がより好ま
しく、95:5から30:70がさらにより好ましく、
95:5から45:55が特に好ましい。
成分(B)に、さらにそれ以外の他の熱可塑性重合体
(C)を含有する態様も含まれる。ここで熱可塑性重合
体(C)としては、前記した成分(A)のベースポリマ
ー(末端にアミノ基を有しないもの)および前記した成
分(B)のベースポリマー(アミノ基と反応する官能基
を有しないもの)があげられ、好適にはポリオレフィン
{ポリエチレン(高、中、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン)、エチレン−プロピレン共重合
体、ポリプロピレン(PP)等}、アイオノマー(I
O)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチ
レン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アク
リル酸エステル共重合体(EEA)、ポリスチレン(P
S)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVO
H)、さらにはポリエステル(ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアミド、
ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリウレタン、ポリアセタールがあげられる。これ
らの熱可塑性重合体(C)は1種のみを使用してもよい
し、また2種以上を併用してもよい。熱可塑性重合体
(C)の重量配合比は、成分(A)と成分(B)の合計
量と成分(C)の重量配合比は99:1ないし1:99
であり、より好適には95:5ないし5:95である。
これらの熱可塑性重合体(C)は、多層構造体のスクラ
ップを回収再利用する場合に主に存在することになる
が、そのような場合(スクラップを回収層として使用す
る場合)でもスクラップ回収層未使用品にくらべ落下破
袋強度などの機械的強度の点で大差がない。
ブレンドした後に配合するのが効果的である。この場
合、成分(A)および成分(B)の合計含有量が少量で
も、分散不良による性能低下を防止できる。ブレンドの
方法には、バンバリミキサーによる方法、単軸あるいは
二軸スクリュー押出機による溶融ブレンド方法など公知
の方法が採用できる。またこのブレンドの際に、本発明
の作用効果が阻害されない範囲で他の添加剤、例えば酸
化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、
着色剤等を配合できる。
熱可塑性重合体層を積層することにより本発明の多層構
造体が得られる。ここで熱可塑性重合体としては、樹脂
組成物層の耐湿性、機械的性質などをより改善するもの
であれば、とくに限定されないが、たとえば前記した熱
可塑性重合体(B)、あるいは熱可塑性重合体(B)の
ベースポリマー(官能基を有しないもの)などがあげら
れる。好適にはポリオレフィン{ポリエチレン(高、
中、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン
(PP)等}、アイオノマー(IO)、エチレン−酢酸
ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重
合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エステル共重合
体(EEA)、ポリスチレン(PS)があげられ、さら
にはポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート等)、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウ
レタン、ポリアセタール、エチレン−ビニルアルコール
共重合体(EVOH)などがあげられる。また熱可塑性
重合体の種類は要求される特性および用途によって適宜
選択される。
ィング等公知の方法で成形され、またこれらの成形品の
スクラップを再使用することもできるし、またスクラッ
プを再使用する場合、本発明の樹脂組成物をスクラップ
中に配合すること、あるいは本発明で用いる成分(A)
または成分(B)をスクラップ中に配合することもでき
る。
物層と熱可塑性樹脂層に接着性樹脂層を介在させること
が両層を強固に接着せしめることができるので好ましい
場合が多い。ここで接着性樹脂としては、両層を強固に
接着するものであれば、特に限定されるものではない
が、不飽和カルボン酸またはその無水物(無水マレイン
酸など)をオレフィン系重合体または共重合体[ポリエ
チレン{低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(SLDP
E)}、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アク
リル酸エステル(メチルエステルまたはエチルエステ
ル)共重合体、ポリプロピレンなど]にグラフトしたも
の、水素化スチレン−ブタジエン共重合体の酸無水物
(無水マレイン酸など)変性物、液状ブタジエンの酸無
水物変性物、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体の
酸無水物変性物等のジエン系重合体酸無水物変性物等が
好適に用いられる。
層/熱可塑性樹脂層、樹脂組成物層/熱可塑性樹脂層/
樹脂組成物層、熱可塑性樹脂層/樹脂組成物層/熱可塑
性樹脂層、熱可塑性樹脂層/樹脂組成物層/スクラップ
回収層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/スクラップ
回収層/樹脂組成物層/スクラップ回収層/熱可塑性樹
脂層、あるいはこれらの層の少なくとも一つの層間に前
記した接着性樹脂層を介在させたものが挙げられる。
構造体は、ガスバリアー性の要求される食品、医薬、医
療器材、衣料などの包装材料において、またガスバリア
ー性および機械的強度、特に耐衝撃性の要求されるパイ
プ、タンクなどの非食品分野において有用である。
体用タンク、パイプ、床暖房用温水パイプ、2)回収層
を含むカップ、ボトル、3)耐ピンホール性を必要とす
るフィルム、4)延伸、収縮性を必要とするフィルム、
シートに用いた場合、その性能が顕著に発現する。
どの有機液体のタンク、パイプ用途としては、従来、有
機液体透過性、例えばガソリン、特にメタノール混合ガ
ソリンバリアー性の良好な高密度ポリエチレン(HDP
E)/接着性樹脂(Ad)/エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体(EVOH)/Ad/HDPEの多層構成タ
ンク、あるいはポリアミド(PA)/EVOH/PAの
多層構成パイプが用いられており、さらには床暖房用温
水パイプとして、EVOH/Ad/HDPEの多層構成
パイプが用いられて来ているが、長期間(1〜50年)
使用した場合、EVOH層に起因する衝撃強度の低下、
ストレスクラックの発生等により、バリアー性の大巾悪
化ないしは液体の漏れが発生する場合があり、耐衝撃強
度、耐ストレスクラック性の改善、解決が求められてい
る。
は、カップ、ボトル成形時発生するバリ、スクラップは
30〜50%に達し、地球環境問題等により廃棄、焼却
が困難なばかりでなく、製造コスト低減の必要性からも
回収再使用が求められている。しかし、ガスバリアー性
を目的に製造されるポリエチレン(PE)/Ad/EV
OH/Ad/PEあるいはポリプロピレン(PP)/A
d/EVOH/Ad/PP等の多層構成カップ、ボトル
はそのまま回収再使用すると、PP、PEとEVOHと
の相溶性が悪いため、成形時流動異常が生じ均一な膜面
が得られないだけでなく、透明性も悪化し、商品化が困
難であり、相溶性の改善、解決が求められている。
としては、最近の省資源化に於いて、ダンボール箱の内
部にプラスチック性のフィルムを内袋として用いるバッ
グインボックス(BIB)等の用途に於いて、ガスバリ
アー性包材として直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)/Ad/EVOH/Ad/LLDPE構成の多層体
が用いられているが、輸送時の振動等による繰返し屈曲
の為、剛直なEVOH層にピンホールが発生、さらには
貫通穴による液漏れが生じ易く問題があり、耐ピンホー
ル性、柔軟性の改善が求められている。
ム、シート用途としては、バリアー性シュリンクフィル
ム、バリアー性スキンパックフィルム、熱成形用バリア
ー性シートが挙げられる。シュリンクフィルム、スキン
パックフィルムに関しては、EVA/Ad/EVOH/
Ad/EVAあるいはEVA/Ad/EVOH/Ad/
IO等が挙げられるがEVOH層の延伸倍率、延伸速度
の面から延伸性が十分でなく、その結果熱収縮性が十分
に得られない欠点がある。また、熱成形シートに関して
はPP/Ad/EVOH/Ad/PPあるいはPS/A
d/EVOH/Ad/PS等の多層シートに於いて、熱
成形時EVOH層の延伸不良により、熱成形容器側面に
クラック、ムラ等の異常が発生する問題があり、EVO
H層の延伸性、収縮性の改善が求められている。ところ
が、前記いずれの場合も、本発明において使用する樹脂
組成物層をEVOH層に代えて使用した場合、それぞれ
の問題点を著しく改善することができる。このことは後
述する実施例の記載から明らかである。
明するが、これらの実施例によって本発明は何ら限定さ
れるものではない。なお、以下の合成例および実施例に
おいて特に断りのない限り、「%」は「重量%」を意味
する。
ートクレーブを充分に窒素置換し、酢酸ビニル905
g、酢酸メチル1207gおよび2,2´−アゾビスイ
ソブチロニトリル1.256gを仕込み、系内の窒素を
エチレンで置換した後、エチレンを導入することによ
り、内圧を14kg/cm2とした。次に、オートクレ
ーブを60℃に昇温したところ内圧は29.5kg/c
m2になった。反応が開始して5時間後、オートクレー
ブを室温に冷却することにより反応を停止した。反応液
をヘキサンで再沈して得られた共重合体を、40℃,1
2時間の熱風乾燥および100℃,12時間の真空乾燥
を行うことにより、エチレン含量43モル%のエチレン
−酢酸ビニル共重合体を得た。該共重合体の収率は3
3.7%であった。
よび蒸留器付きのセパラブルフラスコに、合成例1で得
られたエチレン−酢酸ビニル共重合体338gおよびメ
タノール800gを仕込み、セパラブルフラスコを65
℃に昇温した後、水酸化ナトリウム30gを添加し、反
応により副生する酢酸メチルおよびメタノールを留去し
ながら、エチレン−酢酸ビニル共重合体の加溶媒分解反
応を行った。反応が開始して1時間後、水酸化ナトリウ
ム30gを追加して添加し、さらに2時間反応させた。
得られた反応液に酢酸150gを添加して中和した後、
反応液を蒸留水で再沈して得られた共重合体を粉砕し、
蒸留水でさらに良く洗浄した後、100℃,5時間の熱
風乾燥および100℃,12時間の真空乾燥を行うこと
により、エチレン含量43モル%、ケン化度99.5モ
ル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。
ール共重合体の合成:攪拌機付きのオートクレーブに合
成例2で得られたエチレン−ビニルアルコール共重合体
120g、メタノール500gおよび硫酸0.5gを仕
込み、90℃で2時間反応させた。反応終了後、オート
クレーブを60℃まで冷却し、10%の酢酸ナトリウム
を含有するメタノール溶液50ミリリットル(以下、m
lと略記する)を添加して反応液を中和した。該反応液
を蒸留水で再沈して得られた共重合体を粉砕し、蒸留水
で良く洗浄した後、100℃,5時間の熱風乾燥および
100℃,12時間の真空乾燥を行うことにより、エチ
レン含量43モル%、ケン化度99.8モル%の片末端
にエステル結合を有するエチレン−ビニルアルコール共
重合体を得た。
ール共重合体の合成:攪拌機付きの反応器に、合成例3
で得られた片末端にエステル結合を有するエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体50g、メタノール100g、
水和ヒドラジン20g(0.4モル)および2Nの水酸
化ナトリウムを含有するメタノール溶液5mlを仕込
み、65℃で3時間反応させた。反応終了後、室温に冷
却し、反応液を蒸留水で再沈して得られた共重合体のゲ
ルを蒸留水で良く洗浄した後、100℃,5時間の熱風
乾燥および100℃,12時間の真空乾燥を行うことに
より、MI=850(g/10分)、エチレン含量43
モル%、ケン化度99.9モル%の片末端にヒドラジド
基を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体を得
た。該共重合体の片末端のヒドラジド基を、トリニトロ
ベンゼンスルホン酸ナトリウムにより、トリニトロフェ
ニル化し、紫外可視スペクトルの吸光度により該共重合
体のアミノ基を定量したところ、6.1×10-5当量/
gであった。共重合体のアミノ基の定量結果および反応
機構を考慮することにより、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体の片末端にヒドラジド基が導入されているこ
とが確認された。
ール共重合体の合成:攪拌機付きのオートクレーブに、
合成例2と同様な方法で合成したエチレン含量32モル
%、ケン化度99.5モル%のエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
物)100g、メタノール400gおよび硫酸0.5g
を仕込み、60℃で2時間反応させた。さらに水和ヒド
ラジン25gを添加し、120℃で4時間反応させた。
反応終了後、室温に冷却し、重合体のゲルを蒸留水で良
く洗浄して粉砕し、さらに0.3g/リットルの酢酸水
溶液で良く洗浄した後、60℃,10時間の熱風乾燥お
よび100℃,12時間の真空乾燥を行うことにより、
MI=1.6(g/10分)、エチレン含量32モル
%、ケン化度99.9モル%の片末端にヒドラジド基を
有するエチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。合
成例4と同様の方法により、該共重合体の片末端のアミ
ノ基を定量したところ、3.2×10-5当量/gであっ
た。
チレン−ビニルアルコール共重合体の合成:攪拌機付き
のオートクレーブに、合成例2と同様な方法で合成した
エチレン含量32モル%、ケン化度99.5モル%のエ
チレン−ビニルアルコール共重合体100g、メタノー
ル400gおよび硫酸0.5gを仕込み、60℃で2時
間反応させた。さらに、エチレンジアミン60gを添加
し、120℃で4時間反応させた。反応終了後、室温に
冷却し、重合体のゲルを蒸留水で良く洗浄して粉砕し、
さらに0.3g/リットルの酢酸水溶液で良く洗浄した
後、60℃,10時間の熱風乾燥および100℃,12
時間の真空乾燥を行うことにより、MI=1.6(g/
10分)、エチレン含量32モル%、ケン化度99.8
モル%の片末端にN−(2−アミノエチル)アミドを有
するエチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。合成
例1と同様の方法により、該共重合体の片末端のアミノ
基を定量したところ、3.2×10-5当量/gであっ
た。
ニルアルコール共重合体80重量部およびエチレン−グ
リシジルメタクリレ−ト共重合体[グリシジルメタクリ
レート含量15%、官能基当量にして950、MI=3
(g/10分)]20重量部を混合後、以下の条件でペ
レット化を行った。 使用押出機 :セグメント式ラボ2軸押出機(25
mm径) スクリュー形状 :Cタイプ(強混練タイプ) スクリュー回転数:230rpm 吐出量 :0.6Kg/h
し、100μのフィルムを得、JISダンベル3号を用
いて10%引張伸度付加のもと、40℃のガソリンに3
時間浸漬し、ストレスクラック性の評価を行ったが、ク
ラックは認められなかった。また、該ペレットを用いて
3種5層の共押出多層ダイレクトブロー装置にかけ、多
層容器を作成した。シートの構成は両最外層高密度(ポ
リエチレン樹脂層)が各850μまた接着性樹脂層(無
水マレイン酸変性ポリエチレン)が各100μ、さらに
中間層には上記EVOH組成物(C)層100μであ
る。得られた容器にガソリンを充填し、40℃−65%
RH条件下で1年間放置したが、クラック、ガソリンバ
リアー性の悪化は認められなかった。加速試験として、
該容器の胴部を切取り、上記単層フィルムと同様にJI
Sダンベル3号を用いて10%引張伸度付加のもと、4
0℃ガソリンに3時間浸漬し、ストレスクラック性の評
価を行ったが、クラックは認められなかった。また該容
器のガソリンの透過度は0.005g/m2.dayで
あった。
出多層パイプ成形装置にかけ、多層パイプを作成した。
パイプの構成は最外層(12ナイロン層)が450μ、
接着性樹脂層が各50μ、6ナイロン層が100μ、上
記EVOH組成物層が150μであり、最内層(6ナイ
ロン層)が250μである。得られたパイプの末端に金
属製金具を取付け、R(半径)=30cmでループ状に
巻き、ガソリンを充填し、40℃−65%RH条件下で
1年間放置したが、クラック、ガソリンバリアー性の悪
化は認められなかった。加速試験として、該パイプの胴
部を輪切りにし、10%引張伸度が付加出来るように、
パイプ内径周囲長さより10%長い外周径を持つ円柱状
の治具で該輪切りパイプを押し広げ(10%引張伸度付
加)、40℃、15%メタノール含有ガソリンに3時間
浸漬し、ストレスクラック性の評価を行ったが、クラッ
クは認められなかった。また、該パイプのガソリン透過
度は0.2g/m2.dayであった。
ール共重合体を使用する代りに、通常のエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体[エチレン含量32モル%、ケン
化度99.8モル%、MI=1.6(g/10分)]を
用いたほかは、実施例1と同様にして試験を行った。得
られた100μの単層フィルムを、実施例1と同様にガ
ソリン浸漬した結果、ストレスクラックが認められた。
また、3種5層共押出多層ダイレクトブローによる多層
容器に実施例1と同様にガソリン浸漬した結果、1年間
放置後のガソリンバリアー性は0.005から0.5g
/m2.dayまで上昇し、クラックによると推定され
る、ガソリンバリアー性の悪化が認められた。
ール共重合体の代りに通常のエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体[エチレン含量32モル%、ケン化度99.
8モル%、MI=1.6(g/10分)]を用い、エチ
レン−グリシジルメタクリレート共重合体の代りに熱可
塑性重合体として低密度ポリエチレン[MI=3(g/
10分)]を用いたほかは、実施例1と同様にして試験
を行った。得られた100μの単層フィルムを、実施例
1と同様にガソリン浸漬した結果、フィルム全体が白濁
し、無数の微小クラックの存在をうかがわせた。また、
3種5層共押出多層ダイレクトブローによる多層容器に
実施例1と同様にガソリン浸漬した結果、1年間放置後
のガソリン透過度は0.005から1.0g/m2.d
ayまで上昇し、無数の微小クラックによると推定され
る、ガソリンバリアー性の悪化は認められた。
エチレン−ビニルアルコール共重合体80重量部、通常
のエチレン−ビニルアルコール共重合体[エチレン含量
32モル%、ケン化度99.8モル%、MI=1.6
(g/10分)]30gおよび無水マレイン酸変性スチ
レン−水添ポリイソプレン−スチレンブロック共重合体
[官能基当量にして35000、スチレン含量35%、
水添率98.5%、MI=2(g/10分)]20重量
部を用い、実施例1と同様にして試験を行った。
5層共押出装置にかけ、多層シート(ポリスチレン樹脂
層、接着性樹脂層/EVOH組成物層/接着性樹脂層/
ポリスチレン樹脂層)を作成した。シートの構成は、両
最外層のポリスチレン樹脂層(旭ダウ スタイロン 6
91)が800μ、また接着性樹脂層(東ソ−「メルセ
ンM−5420」、マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体)が各50μ、さらに中間層(EVOH組成
物層)が50μである。該シートは真空圧空熱成形機に
かけ(延伸速度9×10%/min.)130℃で成形
をおこなった。その結果、成形物は、クラック、ムラ、
偏肉もなく、外観および透明性も良好であった。この容
器を20℃−65%RHに調湿し、酸素透過度を測定し
た所(モコン社製10/50型)、0.5cc.20μ
/m2.24hr.atmと非常に良好なガスバリアー
性を示すだけでなく、20サンプル測定した時の測定値
のバラツキ(R=最大の酸素透過度値−最小の酸素透過
度値)が0.3と非常に小さく、信頼性の高い高ガスバ
リアー性容器であった。
を粉砕し4種7層共押出装置にかけ、多層シート(ポリ
スチレン樹脂層/回収層/接着性樹脂層/EVOH組成
物層/接着性樹脂層/回収層/ポリスチレン樹脂層)を
作成した。シートの構成は、両最外層のポリスチレン樹
脂層200μ、回収層600μまた接着性樹脂層が10
0μ、さらに中間層(EVOH組成物層)が50μであ
る。該シートのシート成形性および熱成形性は良好であ
り、容器の落下破袋強度も回収層未使用品と大差なかっ
た。
ビニルアルコール共重合体の代りに通常のエチレン−ビ
ニルアルコ−ル共重合体[エチレン含量32モル%、ケ
ン化度99.8モル%、MI=1.6(g/10分)]
を用いたほかは、実施例3と同様にして試験を行った。
に熱成形したが、成形物は、クラック、ムラ、偏肉はな
かったが、白濁し透明性が不良好であった。顕微鏡の観
察の結果、EVOH層に微小なボイドが無数に見受けら
れた。この容器を20℃−65%RHに調湿し、ガスバ
リアー性を測定した所(モコン社製10/50型)、酸
素透過度、5.5cc.20μ/m2.24hr.at
mとガスバリアー性が不良であった。また、実施例3と
同様、4種7層共押出シート成形に於いて、多層シート
の外観は波打っており流動異常をうかがわせた。そのた
めか、熱成形容器にはムラ、偏肉が存在し、透明性も不
良好であった。更に、容器の落下破袋強度も回収層未使
用品の約1/4に低下していた。
ニルアルコール共重合体20重量部およびエチレン−エ
チルアクリレート−メタクリル酸グリシジル共重合体
[エチルアクリレート含量20%、グリシジルメタクリ
レート含量10%、官能基当量にして1420、MI
5.0(g/10分)]30重量部を用いて、以下の条
件で溶融混練を行った。 使用機械 :プラストグラフ二軸押出機 回転数 :80rpm 混練温度 :200℃ 混練時間 :10分
かけ、多層フィルム(ポリエチレン樹脂層/接着性樹脂
層/EVOH組成物層/接着性樹脂層/ポリエチレン樹
脂層)を作成した。該多層フィルムの構成は、両最外層
のポリエチレン樹脂層が60μ、また接着性樹脂層(三
井石油化学:アドマー NF−500、マレイン酸変性
ポリエチレン)が各10μ、さらに中間層(EVOH組
成物層)が10μである。得られたこれらの多層フィル
ムはゲルボフレックステスターによる耐屈曲性、及び接
着性の評価を実施した。その結果、屈曲回数280回で
始めて貫通孔(ピンホール)が発生、またEVOH/A
d間の接着強度も420g/15mm巾と比較的良好な
性能を示した。この多層フィルムはバックインボックス
の内袋として有用であった。
ル共重合体の代りに通常のエチレン−ビニルアルコール
共重合体[エチレン含量32モル%、けん化度99.8
モル%、MI=1.6(g/10分)]を用いたほか
は、実施例4と同様にして試験を行った。該ペレットを
用いて実施例4と同様の多層フィルムを得、耐屈曲性、
及び接着性の評価を実施した。その結果、屈曲回数11
0回で始めて貫通孔(ピンホール)が発生、またEVO
H/Ad間の接着強度も120g/15mm巾と低く、
かつ透明性が不十分であり、不満足な結果であった。
ニルアルコール共重合体80重量部、通常のエチレン−
ビニルアルコール共重合体[エチレン含量43モル%、
MI=5(g/10分)]30gおよびエチレン−エチ
ルアクリレート−メタクリル酸グリシジル共重合体[エ
チルアクリレート含量20%、グリシジルメタクリレー
ト含量20重量部、官能基当量にして1420、MI=
5(g/10分)]10gを以下の条件で溶融混練を行
った。 使用機械 :プラストグラフ二軸押出機 回転数 :80rpm 混練温度 :200℃ 混練時間 :10分
かけ、多層シートを作成した。シートの構成は両最外層
{EVA樹脂層(三井デュポンケミカル:エバフレック
スEV−340)}が各300μまた接着性樹脂層(三
井石油化学 アドマーVF−600)が各50μ、さら
に中間層(EVOH組成物層)は50μである。得られ
たシートをパンタグラフ式二軸延伸機にかけ、70℃で
延伸倍率3×3倍で同時二軸延伸を行った。得られた多
層熱収縮フィルムはクラック、ムラ、偏肉もなく、外
観、透明性も良好であった。このフィルムを20℃−1
00%RHに調湿し、ガスバリアー性を測定した所(モ
コン社製10/50型)、酸素透過度40cc.20μ
/m2.24hr.atmと良好なガスバリアー性を示
した。また70℃での熱収縮性を測定した所、50%の
面積収縮率を示した。
量部、通常のエチレン−ビニルアルコール共重合体[エ
チレン含量43モル%、MI=5(g/10分)]30
gおよびエチレン−エチルアクリレート−メタクリル酸
グリシジル共重合体[エチルアクリレート含量15%、
グリシジルメタクリレート含量10%、官能基当量にし
て1420、MI=10(g/10分)]20重量部を
実施例5と同様な条件で試験を行ったところ、メタクリ
ル酸メチル−メタクリル酸グリシジル共重合体の平均分
散粒径は0.8μmで、フィルムの透明性も実施例5に
比べ不良であった。該ペレットを用いて実施例5と同様
の多層シートを得、パンタグラフ式二軸延伸機にかけ、
70℃で延伸倍率3×3倍で同時二軸延伸を行った。得
られた多層熱収縮性フィルムは、ムラ、偏肉がわずかで
はあったが、白濁しており透明性の面で問題があった。
このフィルムを20℃−100%RHに調湿し、ガスバ
リアー性を測定した所(モコン社製10/50型)、酸
素透過度90cc.20μ/m2.24hr.atmで
あり、また70℃での熱収縮性も42%の面積収縮率し
か得られなかった。
屈曲性、耐ピンホール性などの機械的性質およびガスバ
リアー性に優れ、さらに延伸収縮性、回収性に優れ、さ
らにガソリンなどの有機液体に対する耐ストレスクラッ
ク性も優れている。
Claims (11)
- 【請求項1】 末端にアミノ基を有するエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体(A)および該アミノ基と反応す
る官能基を有する熱可塑性重合体(B)からなり、かつ
成分(A)と成分(B)の重量配合比が99:1ないし
1:99である樹脂組成物。 - 【請求項2】 末端にアミノ基を有するエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体(A)、該アミノ基と反応する官
能基を有する熱可塑性重合体(B)、並びに、成分
(A)および成分(B)以外の熱可塑性重合体(C)か
らなり、かつ成分(A)と成分(B)の重量配合比が9
9:1ないし1:99であり、成分(A)と成分(B)
の合計量と成分(C)の重量配合比が99:1ないし
1:99である樹脂組成物。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の樹脂組成物の層
の少なくとも片面に他の熱可塑性樹脂層を有する多層構
造体。 - 【請求項4】 請求項3記載の多層構造体からなる有機
液体用タンク。 - 【請求項5】 請求項3記載の多層構造体からなる有機
液体用パイプ。 - 【請求項6】 請求項3記載の多層構造体からなる床暖
房用温水パイプ。 - 【請求項7】 請求項3記載の多層構造体からなり、か
つ回収層を含むカップ。 - 【請求項8】 請求項3記載の多層構造体からなり、か
つ回収層を含むボトル。 - 【請求項9】 請求項3記載の多層構造体からなるバッ
グインボックス。 - 【請求項10】 請求項3記載の多層構造体からなる熱
収縮性フィルム。 - 【請求項11】 請求項1または2記載の樹脂組成物の
層の少なくとも片面に他の熱可塑性樹脂を共押出成形法
で積層することを特徴とする多層構造体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14238393A JP3489851B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | 樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14238393A JP3489851B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | 樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH071685A JPH071685A (ja) | 1995-01-06 |
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Family
ID=15314092
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14238393A Expired - Lifetime JP3489851B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | 樹脂組成物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3489851B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
NZ551817A (en) | 2004-06-10 | 2010-04-30 | Nippon Synthetic Chem Ind | Ethylene-vinyl alcohol copolymer and molded article thereof |
-
1993
- 1993-06-14 JP JP14238393A patent/JP3489851B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH071685A (ja) | 1995-01-06 |
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