JP3489851B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP3489851B2
JP3489851B2 JP14238393A JP14238393A JP3489851B2 JP 3489851 B2 JP3489851 B2 JP 3489851B2 JP 14238393 A JP14238393 A JP 14238393A JP 14238393 A JP14238393 A JP 14238393A JP 3489851 B2 JP3489851 B2 JP 3489851B2
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太一 祢宜
正弘 大森
薫 池田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は機械的性質の改善され
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビニルアルコール系重合体単独で
は柔軟性および機械的特性が不充分であり、これを改善
するためにビニルアルコール系重合体以外のポリオレフ
ィンなどの熱可塑性重合体をブレンドしていた。一方、
ポリオレフィンなどの熱可塑性重合体単独ではガスバリ
ヤー性が不充分であり、これを改善するためにビニルア
ルコール系重合体をブレンドしていた。しかしながら、
ビニルアルコール系重合体とポリオレフィンなどの熱可
塑性重合体とは親和性が低く、分散性が不良のために、
これらのブレンド物からなる成形物やフィルムは機械的
特性が著しく低下したり、透明性が大きく低下するとい
う問題があった。
【0003】この問題を解決するために、末端にアルキ
ル基を導入したエチレン−ビニルアルコール系重合体と
オレフィン系重合体とをブレンドする方法(特開昭63
−202638号);エチレン−ビニルアルコール系共
重合体とエポキシ基を導入したオレフィン系重合体とを
ブレンドする方法(特開平3−88837号)が提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、これ
らの方法では依然として改善効果が小さく、ブレンド物
の分散性、透明性および機械的特性をさらに向上させる
ことが望まれていた。本発明の目的は、機械的性質の改
善された、ビニルアルコール系重合体およびビニルアル
コール系重合体以外の熱可塑性重合体からなる樹脂組成
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】 上記目的は、末端にア
ミノ基を有するビニルアルコール系重合体(A)および
該アミノ基と反応する官能基を有する熱可塑性重合体
(B)からなる樹脂組成物、または前記組成物に熱可塑
性重合体(C)を配合した樹脂組成物を提供することに
よって達成される。
【0006】本発明に使用される末端にアミノ基を有す
るビニルアルコール系重合体(A)としては、末端にア
ミノ基を有し、かつ主鎖中にビニルアルコール単位を含
有する重合体である。末端にアミノ基を有するビニルア
ルコール系重合体のなかでも、実質的に末端(好ましく
は片端末)だけに、一級アミノ基または二級アミノ基を
有するビニルアルコール系重合体が好ましい。ビニルア
ルコール系重合体の側鎖のアミノ基は架橋により、粘度
上昇が生じたり、ゲル化しやすくなるために、含有量は
少ない方が好ましい。したがって、側鎖のアミノ基の含
有量としては0.5モル%未満が好ましく、0.3モル
%未満がより好ましく、0.1モル%未満がさらにより
好ましい。一級アミノ基または二級アミノ基としては、
一級アミノ基あるいはアルキル置換された二級アミノ基
を意味し、その具体例としてはアミノ基、メチルアミノ
基、エチルアミノ基、ブチルアミノ基等のほかに、ヒド
ラジド基、N−メチルヒドラジド基等のヒドラジド類
も、その構造中に活性なアミノ基を有することから、ア
ミノ基の好適例として挙げられる。
【0007】ビニルアルコール系重合体中のビニルアル
コール単位の含有量は特に制限はないが、1〜90モル
%が好ましく、30〜80モル%がより好ましく、40
〜75モル%がさらにより好ましい。ビニルアルコール
系重合体としては、特にエチレン−ビニルアルコ−ル共
重合体が好ましい。ビニルアルコール系重合体がエチレ
ン−ビニルアルコ−ル共重合体である場合には、エチレ
ン含量は、10〜90モル%が好ましく、20〜70モ
ル%がより好ましく、25〜60モル%がさらにより好
ましい。ビニルアルコール系重合体の中のケン化されて
いないビニルエステル単位は該重合体の結晶化度を低下
させるため、該重合体のケン化度は高い方が好ましい。
したがって、ビニルアルコール系重合体のビニルエステ
ル単位のケン化度としては1〜100モル%が好まし
く、20〜100モル%がより好ましく、50〜100
モル%がより好ましく、80〜100モル%がより好ま
しく、95〜100モル%がより好ましく、99〜10
0モル%がさらにより好ましい。
【0008】ビニルアルコール系重合体が共重合体であ
る場合のビニルアルコール単位以外の単位としては、ビ
ニルエステル単位およびコモノマー単位が挙げられる。
ビニルエステル単位の具体例としては、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、酪酸ビニル、バ
レリン酸ビニル、カプリン酸ビニルおよび安息香酸ビニ
ル等からなる単位が挙げられる。コモノマー単位として
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等
のオレフィン類;メタクリルアミド、アクリルアミド、
N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド等のアクリルアミ
ド誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルア
ミド、N−エチルメタクリルアミド等のメタクリル誘導
体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n
−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテ
ル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテ
ル等のビニルエーテル類;アリルアルコール;ビニルト
リメチルシラン;N−ビニルピロリドン等からなる単位
が挙げられる。
【0009】末端にアミノ基を有するビニルアルコール
系重合体のメルトインデックス(2160gの荷重下、
190℃で測定した値、ただし、融点が190℃付近あ
るいは190℃を越えるものは2160g荷重下、融点
以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の
逆数を横軸、メルトインデックスを縦軸としてプロット
し、190℃に外挿した値;以下MIと略記する)は特
に制限はないが、0.1〜100(g/10分)が好ま
しい。ビニルアルコール系重合体のMIが0.1(g/
10分)未満の場合またはビニルアルコール系重合体が
熱可塑性でない場合には、グリセリン、ジグリセリン、
トリグリセリン、エチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコールなどの多価アルコール系可塑剤またはこれらの
混合物を添加してMIを適性値に調節するのが好まし
い。
【0010】本発明の末端にアミノ基を有するビニルア
ルコール系重合体のなかでも、可塑剤を添加しなくても
それ自体が熱可塑性であるものが好ましく、下記の化1
あるいは化2で表されるアミノ基を末端に有するものが
好ましい。
【0011】
【化1】
【0012】[但し、 R:水素原子または低級アルキル基 R2:水素原子または低級アルキル基 R3:水素原子または低級アルキル基 R4:水素原子または低級アルキル基 R:炭素数2以上の低級アルキレン基
【0013】
【化2】
【0014】[但し、 R1:水素原子または低級アルキル基 R2:水素原子または低級アルキル基 R3:水素原子または低級アルキル基 R4:水素原子または低級アルキル基
【0015】以下において、上記の化1あるいは化2で
表されるアミノ基を末端に有するビニルアルコール系重
合体の製造方法について説明する。本発明者らは、末端
にアミノ基を有するビニルアルコール系重合体の製造方
法について鋭意検討した結果、2種類の製造方法を見出
した。第1の製造方法は、末端にエステル結合が導入さ
れたビニルアルコール単位を含有する重合体を1級アミ
ン、2級アミンまたはアンモニアと反応させることによ
り、末端にアミノ基を有するビニルアルコール系重合体
を製造する方法である。第1の製造方法は、ケン化度が
50モル%以上の末端にアミノ基を有するビニルアルコ
ール系重合体の製造方法として好適である。末端にエス
テル結合が導入されたビニルアルコール単位を有する重
合体は、ビニルエステルを重合することによって得られ
たビニルエステル系重合体を加溶媒分解した後、さらに
酸処理することによって得られる。エステル結合中のカ
ルボニル基のα位に水素を有していないビニルモノマー
の重合は下記の化3で表される溶媒中で行なわれる。
【0016】
【化3】
【0017】[但し、 R3:化1あるいは化2におけるR3と同じ意味を有する R4:化1あるいは化2におけるR4と同じ意味を有する R5:水素原子または低級アルキル基 をそれぞれ意味する。]
【0018】下記の化4で表されるビニルエステルの重
合は、無溶媒または溶媒中で行なわれ、そのなかでも無
溶媒あるいは上記の化3で表される溶媒中で行なわれる
ことが好ましい。
【0019】
【化4】
【0020】[但し、 R3:化1あるいは化2におけるR3と同じ意味を有する R4:化1あるいは化2におけるR4と同じ意味を有する をそれぞれ意味する]
【0021】上記の化4で表されるビニルエステルの具
体例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸
ビニル、イソ酪酸ビニル等が挙げられる。
【0022】ビニルエステル系重合体を構成するビニル
エステル単位としては、末端にアミノ基を有するビニル
アルコール系重合体の説明の欄において記載したビニル
エステル単位が挙げられる。ビニルエステル系重合体が
共重合体である場合のコモノマー単位としては、同じく
末端にアミノ基を有するビニルアルコール系重合体の説
明の欄において記載したコモノマー単位が挙げられる。
カルボキシル基を含有する単量体単位、カルボキシル基
に変換しうる官能基を含有する単量体単位またはラクト
ン環などのエステル結合を含有する単量体単位がビニル
エステル系重合体の末端以外の主鎖中に含有されている
場合には、本発明のビニルアルコール系重合体を得るた
めの製造工程において、本発明の末端のアミノ基がビニ
ルアルコール系重合体の側鎖に導入される可能性が高い
ことから、ビニルエステル系重合体中のこれらの単量体
単位の含有量は少ない方が好ましく、具体的には0.5
モル%未満が好ましく、0.3モル%未満がより好まし
く、0.1モル%未満がさらにより好ましい。
【0023】ビニルエステル系重合体の加溶媒分解の条
件には特に制限はないが、アルカリ触媒による加溶媒分
解が好ましく、NaOH、KOH、CH3ONa、CH3
OKを触媒として用いた加メタノール分解が特に好まし
い。加溶媒分解時のアルカリ触媒量は、ビニルエステル
系重合体中のビニルエステル単位100モルに対して
0.02〜200モルが好ましい。加溶媒分解の温度
は、室温から120℃が好ましい。ビニルアルコール単
位を有する重合体のビニルエステル単位のケン化度は特
に制限はないが、アミンとケン化されていないビニルエ
ステル単位との反応によるジアミン類あるいはヒドラジ
ン類の消費を抑えるために、ケン化度は高い方が好まし
い。すなわち、ビニルアルコール単位を有する重合体の
ケン化度は、90モル%以上が好ましく、95モル%以
上がさらに好ましく、99モル%以上がさらにより好ま
しい。
【0024】ビニルアルコール単位を有する重合体の酸
処理の条件としては特に制限はないが、メタノール、エ
タノール、エチレングリコール等のアルコール類を反応
溶媒として用い、硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸
あるいは酢酸等を触媒として用い、反応温度は室温から
150℃が好ましい。
【0025】上記で説明した末端にエステル結合が導入
されたビニルアルコール単位を有する重合体と反応させ
るジアミン類あるいはヒドラジン類としては、下記の化
5あるいは化6で表される一級アミノ基または二級アミ
ノ基を有するアルキレンジアミン類あるいはヒドラジン
類が好ましい。これらのジアミン類あるいはヒドラジン
類としては本発明の効果を阻害しない範囲でエーテル結
合や水酸基等の官能基を有していても良い。このような
ジアミン類あるいはヒドラジン類の具体例としては、エ
チレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジ
アミン類;ヒドラジン、メチルヒドラジン、N,N´−
ジメチルヒドラジン等のヒドラジン類などが挙げられ
る。
【0026】
【化5】
【0027】[但し、 R1:化1におけるR1と同じ意味を表わす R2:化1におけるR2と同じ意味を表わす R:化1におけるRと同じ意味を表わす をそれぞれ意味する。]
【0028】
【化6】
【0029】[但し、 R1:化1におけるR1と同じ意味を表わす R2:化1におけるR2と同じ意味を表わす をそれぞれ意味する。]
【0030】末端にエステル結合が導入されたビニルア
ルコール単位を有する重合体とジアミン類あるいはヒド
ラジン類との反応条件は、それらの反応性によって適宜
選択される。ジアミン類あるいはヒドラジン類の仕込量
は、ビニルアルコール系重合体に導入される量の2倍量
から大過剰量の範囲で選択される。反応溶媒はメタノー
ル、エチレングリコール等のアルコール系溶媒やジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスル
ホキシド等が挙げられる。反応温度は室温から200℃
の範囲で適宜選択される。また触媒としてNaOH、K
OH、CH30Na、CH30K等のアルカリまたは酢
酸、塩酸、硫酸等の酸を用いることにより、反応速度を
かなり早くすることができる。
【0031】第2の製造方法は、ビニルエステルを重合
して得られたケン化度0モル%のビニルエステル単位を
含有する重合体を、1級アミン、2級アミンまたはアン
モニアと反応させることにより、末端にアミノ基を有す
るビニルアルコール系重合体を製造する方法である。第
2の製造方法は、ケン化度が1〜100モル%の末端に
アミノ基を有するビニルアルコール系重合体の製造方法
として好適であり、ケン化度が1〜50モル%の末端に
アミノ基を有するビニルアルコール系重合体の製造方法
としてより好適である。
【0032】ビニルエステルとしては、第1の製造方法
の説明の欄において記載したビニルエステルが挙げられ
る。ビニルエステルを重合して得られたケン化度0モル
%のビニルエステル単位を含有する重合体は、該重合体
の末端にカルボキシル基を有していることから、該重合
体を1級アミン、2級アミンまたはアンモニアと反応さ
せることにより、該重合体の末端にアミノ基が導入され
るとともに該重合体の主鎖のビニルエステル単位がケン
化されることにより、末端にアミノ基を有するビニルア
ルコール系重合体が得られる。ケン化度0モル%のビニ
ルエステル単位を含有する重合体と1級アミン、2級ア
ミンまたはアンモニアとの仕込比としては、該重合体の
モノマー単位に対して、0.2〜100モル%が好まし
く、1〜10モル%がより好ましい。反応温度としては
室温〜100℃が好ましく、反応時間としては10分間
〜5時間が好ましい。反応溶媒としては、メタノール、
エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ジメチ
ルスルホキシド、N−メチロールピロリドンなどの極性
の高い溶媒が好ましく、そのなかでもメタノールがより
好ましい。末端にアミノ基を有するビニルアルコール系
重合体のビニルエステル単位のケン化度をさらに高くし
たい場合には、アルカリ触媒などを用いた公知の方法に
より、さらにケン化すれば良い。上記の第1の製造方法
および第2の製造方法のなかでも、ケン化度が50〜1
00モル%の末端にアミノ基を有するビニルアルコール
系重合体の製造方法としては、第1の製造方法の方がよ
り好ましい。
【0033】本発明に使用されるアミノ基と反応する官
能基を有する熱可塑性重合体(B)としては、エポキシ
基、無水環等の酸無水物、オキサゾリン環等のアミノ基
と反応する官能基を有する熱可塑性重合体である。アミ
ノ基と反応する官能基を有する熱可塑性重合体は、該官
能基を有する単量体とオレフィン系モノマーまたはビニ
ル系モノマーを共重合することによって得られる。他の
方法としては、オレフイン系重合体またはビニル系重合
体に、該官能基を有する単量体を、パーオキサイド、
熱、光または放射線等の開始剤を用いてグラフト重合す
ることによって得られる。オレフィン系重合体およびビ
ニル系重合体を構成する単量体の成分としてはエチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン類;酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の
ビニルエステル類;メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、
オクチルアクリレート、ドデシルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル類;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチル
メタクリレート、オクチルメタクリレート、ドデシルメ
タクリレート等のメタクリル酸エステル類;塩化ビニ
ル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;スチレン、α
−メチルスチレン等のスチレン誘導体等が挙げられる。
アミノ基と反応する官能基を有する単量体としては、グ
リシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、ア
リルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル等
のエポキシ基を有するモノマー;無水マレイン酸、イタ
コン酸無水物等の酸無水物の単量体;2−ビニルオキサ
ゾリン、2−(4−ビニルフェニル)オキサゾリン等の
オキサゾリン環を有するモノマー等が挙げられる。これ
らのモノマーの好適な仕込量はその官能基の反応性によ
って異なる。官能基の含有量が多すぎる場合にはゲル化
しやすくなり、官能基の含有量が少なすぎる場合にはそ
の効果が小さくなる。官能基当量としては特に制限はな
いが、500から200000が好ましく、エポキシ基
では官能基当量にして500から20000が好まし
く、酸無水物では官能基当量にして10000から20
0000が好ましく、オキサゾリン環では500から1
0000が好ましい。ここで官能基当量とは、官能基1
g当量を含有する樹脂のグラム(g)数で表される。ア
ミノ基と反応する官能基を有する熱可塑性重合体のMI
は特に制限はないが、0.1〜1000(g/10分)
が好ましく、0.5〜500(g/10分)がより好ま
しく、0.5〜100(g/10分)がさらにより好ま
しい。
【0034】本発明の樹脂組成物は末端にアミノ基を有
するビニルアルコール系重合体(A)および該アミノ基
と反応する官能基を有する熱可塑性重合体(B)からな
る。成分(A)と成分(B)の重量配合比は、99:1
から1:99であり、95:5から5:95がより好ま
しく、95:5から30:70がさらにより好ましく、
95:5から45:55が特に好ましい。
【0035】本発明の樹脂組成物は、成分(A)および
成分(B)に、さらにそれ以外の他の熱可塑性重合体
(C)を含有する態様も含まれる。ここで熱可塑性重合
体(C)としては、前記した成分(A)のベースポリマ
ー(末端にアミノ基を有しないもの)および前記した成
分(B)のベースポリマー(アミノ基と反応する官能基
を有しないもの)があげられ、好適にはポリオレフィン
{ポリエチレン(高、中、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン)、エチレン−プロピレン共重合
体、ポリプロピレン(PP)等}、アイオノマー(I
O)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチ
レン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アク
リル酸エステル共重合体(EEA)、ポリスチレン(P
S)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVO
H)、さらにはポリエステル(ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアミド、
ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリウレタン、ポリアセタールがあげられる。これ
らの熱可塑性重合体(C)は1種のみを使用してもよい
し、また2種以上を併用してもよい。熱可塑性重合体
(C)の重量配合比は、成分(A)と成分(B)の合計
量と成分(C)の重量配合比は99:1ないし1:99
であり、より好適には95:5ないし5:95である。
これらの熱可塑性重合体(C)は、多層構造体のスクラ
ップを回収再利用する場合に主に存在することになる
が、そのような場合(スクラップを回収層として使用す
る場合)でもスクラップ回収層未使用品にくらべ落下破
袋強度などの機械的強度の点で大差がない。
【0036】成分(C)は、成分(A)と成分(B)を
ブレンドした後に配合するのが効果的である。この場
合、成分(A)および成分(B)の合計含有量が少量で
も、分散不良による性能低下を防止できる。ブレンドの
方法には、バンバリミキサーによる方法、単軸あるいは
二軸スクリュー押出機による溶融ブレンド方法など公知
の方法が採用できる。またこのブレンドの際に、本発明
の作用効果が阻害されない範囲で他の添加剤、例えば酸
化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、
着色剤等を配合できる。
【0037】前記した樹脂組成物層の少なくとも片面に
熱可塑性重合体層を積層することにより本発明の多層構
造体が得られる。ここで熱可塑性重合体としては、樹脂
組成物層の耐湿性、機械的性質などをより改善するもの
であれば、とくに限定されないが、たとえば前記した熱
可塑性重合体(B)、あるいは熱可塑性重合体(B)の
ベースポリマー(官能基を有しないもの)などがあげら
れる。好適にはポリオレフィン{ポリエチレン(高、
中、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン
(PP)等}、アイオノマー(IO)、エチレン−酢酸
ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重
合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エステル共重合
体(EEA)、ポリスチレン(PS)があげられ、さら
にはポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート等)、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウ
レタン、ポリアセタール、エチレン−ビニルアルコール
共重合体(EVOH)などがあげられる。また熱可塑性
重合体の種類は要求される特性および用途によって適宜
選択される。
【0038】多層構造体は共押出、共射出、押出コーテ
ィング等公知の方法で成形され、またこれらの成形品の
スクラップを再使用することもできるし、またスクラッ
プを再使用する場合、本発明の樹脂組成物をスクラップ
中に配合すること、あるいは本発明で用いる成分(A)
または成分(B)をスクラップ中に配合することもでき
る。
【0039】多層構造体を得る場合、本発明の樹脂組成
物層と熱可塑性樹脂層に接着性樹脂層を介在させること
が両層を強固に接着せしめることができるので好ましい
場合が多い。ここで接着性樹脂としては、両層を強固に
接着するものであれば、特に限定されるものではない
が、不飽和カルボン酸またはその無水物(無水マレイン
酸など)をオレフィン系重合体または共重合体[ポリエ
チレン{低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(SLDP
E)}、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アク
リル酸エステル(メチルエステルまたはエチルエステ
ル)共重合体、ポリプロピレンなど]にグラフトしたも
の、水素化スチレン−ブタジエン共重合体の酸無水物
(無水マレイン酸など)変性物、液状ブタジエンの酸無
水物変性物、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体の
酸無水物変性物等のジエン系重合体酸無水物変性物等が
好適に用いられる。
【0040】多層構造体の層構成としては、樹脂組成物
層/熱可塑性樹脂層、樹脂組成物層/熱可塑性樹脂層/
樹脂組成物層、熱可塑性樹脂層/樹脂組成物層/熱可塑
性樹脂層、熱可塑性樹脂層/樹脂組成物層/スクラップ
回収層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/スクラップ
回収層/樹脂組成物層/スクラップ回収層/熱可塑性樹
脂層、あるいはこれらの層の少なくとも一つの層間に前
記した接着性樹脂層を介在させたものが挙げられる。
【0041】前記した本発明の樹脂組成物より得た多層
構造体は、ガスバリアー性の要求される食品、医薬、医
療器材、衣料などの包装材料において、またガスバリア
ー性および機械的強度、特に耐衝撃性の要求されるパイ
プ、タンクなどの非食品分野において有用である。
【0042】とくに本発明の多層構造体は、1)有機液
体用タンク、パイプ、床暖房用温水パイプ、2)回収層
を含むカップ、ボトル、3)耐ピンホール性を必要とす
るフィルム、4)延伸、収縮性を必要とするフィルム、
シートに用いた場合、その性能が顕著に発現する。
【0043】燃料(ガソリンなど)、農薬、有機液体な
どの有機液体のタンク、パイプ用途としては、従来、有
機液体透過性、例えばガソリン、特にメタノール混合ガ
ソリンバリアー性の良好な高密度ポリエチレン(HDP
E)/接着性樹脂(Ad)/エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体(EVOH)/Ad/HDPEの多層構成タ
ンク、あるいはポリアミド(PA)/EVOH/PAの
多層構成パイプが用いられており、さらには床暖房用温
水パイプとして、EVOH/Ad/HDPEの多層構成
パイプが用いられて来ているが、長期間(1〜50年)
使用した場合、EVOH層に起因する衝撃強度の低下、
ストレスクラックの発生等により、バリアー性の大巾悪
化ないしは液体の漏れが発生する場合があり、耐衝撃強
度、耐ストレスクラック性の改善、解決が求められてい
る。
【0044】回収層を含むカップ、ボトル用途として
は、カップ、ボトル成形時発生するバリ、スクラップは
30〜50%に達し、地球環境問題等により廃棄、焼却
が困難なばかりでなく、製造コスト低減の必要性からも
回収再使用が求められている。しかし、ガスバリアー性
を目的に製造されるポリエチレン(PE)/Ad/EV
OH/Ad/PEあるいはポリプロピレン(PP)/A
d/EVOH/Ad/PP等の多層構成カップ、ボトル
はそのまま回収再使用すると、PP、PEとEVOHと
の相溶性が悪いため、成形時流動異常が生じ均一な膜面
が得られないだけでなく、透明性も悪化し、商品化が困
難であり、相溶性の改善、解決が求められている。
【0045】耐ピンホール性を必要とするフィルム用途
としては、最近の省資源化に於いて、ダンボール箱の内
部にプラスチック性のフィルムを内袋として用いるバッ
グインボックス(BIB)等の用途に於いて、ガスバリ
アー性包材として直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)/Ad/EVOH/Ad/LLDPE構成の多層体
が用いられているが、輸送時の振動等による繰返し屈曲
の為、剛直なEVOH層にピンホールが発生、さらには
貫通穴による液漏れが生じ易く問題があり、耐ピンホー
ル性、柔軟性の改善が求められている。
【0046】また、延伸、収縮性を必要とするフィル
ム、シート用途としては、バリアー性シュリンクフィル
ム、バリアー性スキンパックフィルム、熱成形用バリア
ー性シートが挙げられる。シュリンクフィルム、スキン
パックフィルムに関しては、EVA/Ad/EVOH/
Ad/EVAあるいはEVA/Ad/EVOH/Ad/
IO等が挙げられるがEVOH層の延伸倍率、延伸速度
の面から延伸性が十分でなく、その結果熱収縮性が十分
に得られない欠点がある。また、熱成形シートに関して
はPP/Ad/EVOH/Ad/PPあるいはPS/A
d/EVOH/Ad/PS等の多層シートに於いて、熱
成形時EVOH層の延伸不良により、熱成形容器側面に
クラック、ムラ等の異常が発生する問題があり、EVO
H層の延伸性、収縮性の改善が求められている。ところ
が、前記いずれの場合も、本発明において使用する樹脂
組成物層をEVOH層に代えて使用した場合、それぞれ
の問題点を著しく改善することができる。このことは後
述する実施例の記載から明らかである。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、これらの実施例によって本発明は何ら限定さ
れるものではない。なお、以下の合成例および実施例に
おいて特に断りのない限り、「%」は「重量%」を意味
する。
【0048】合成例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体の合成:攪拌機付きのオ
ートクレーブを充分に窒素置換し、酢酸ビニル905
g、酢酸メチル1207gおよび2,2´−アゾビスイ
ソブチロニトリル1.256gを仕込み、系内の窒素を
エチレンで置換した後、エチレンを導入することによ
り、内圧を14kg/cm2とした。次に、オートクレ
ーブを60℃に昇温したところ内圧は29.5kg/c
2になった。反応が開始して5時間後、オートクレー
ブを室温に冷却することにより反応を停止した。反応液
をヘキサンで再沈して得られた共重合体を、40℃,1
2時間の熱風乾燥および100℃,12時間の真空乾燥
を行うことにより、エチレン含量43モル%のエチレン
−酢酸ビニル共重合体を得た。該共重合体の収率は3
3.7%であった。
【0049】合成例2 エチレン−ビニルアルコール共重合体の合成:攪拌機お
よび蒸留器付きのセパラブルフラスコに、合成例1で得
られたエチレン−酢酸ビニル共重合体338gおよびメ
タノール800gを仕込み、セパラブルフラスコを65
℃に昇温した後、水酸化ナトリウム30gを添加し、反
応により副生する酢酸メチルおよびメタノールを留去し
ながら、エチレン−酢酸ビニル共重合体の加溶媒分解反
応を行った。反応が開始して1時間後、水酸化ナトリウ
ム30gを追加して添加し、さらに2時間反応させた。
得られた反応液に酢酸150gを添加して中和した後、
反応液を蒸留水で再沈して得られた共重合体を粉砕し、
蒸留水でさらに良く洗浄した後、100℃,5時間の熱
風乾燥および100℃,12時間の真空乾燥を行うこと
により、エチレン含量43モル%、ケン化度99.5モ
ル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。
【0050】合成例3 片末端にエステル結合を有するエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体の合成:攪拌機付きのオートクレーブに合
成例2で得られたエチレン−ビニルアルコール共重合体
120g、メタノール500gおよび硫酸0.5gを仕
込み、90℃で2時間反応させた。反応終了後、オート
クレーブを60℃まで冷却し、10%の酢酸ナトリウム
を含有するメタノール溶液50ミリリットル(以下、m
lと略記する)を添加して反応液を中和した。該反応液
を蒸留水で再沈して得られた共重合体を粉砕し、蒸留水
で良く洗浄した後、100℃,5時間の熱風乾燥および
100℃,12時間の真空乾燥を行うことにより、エチ
レン含量43モル%、ケン化度99.8モル%の片末端
にエステル結合を有するエチレン−ビニルアルコール共
重合体を得た。
【0051】合成例4 片末端にヒドラジド基を有するエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体の合成:攪拌機付きの反応器に、合成例3
で得られた片末端にエステル結合を有するエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体50g、メタノール100g、
水和ヒドラジン20g(0.4モル)および2Nの水酸
化ナトリウムを含有するメタノール溶液5mlを仕込
み、65℃で3時間反応させた。反応終了後、室温に冷
却し、反応液を蒸留水で再沈して得られた共重合体のゲ
ルを蒸留水で良く洗浄した後、100℃,5時間の熱風
乾燥および100℃,12時間の真空乾燥を行うことに
より、MI=850(g/10分)、エチレン含量43
モル%、ケン化度99.9モル%の片末端にヒドラジド
基を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体を得
た。該共重合体の片末端のヒドラジド基を、トリニトロ
ベンゼンスルホン酸ナトリウムにより、トリニトロフェ
ニル化し、紫外可視スペクトルの吸光度により該共重合
体のアミノ基を定量したところ、6.1×10-5当量/
gであった。共重合体のアミノ基の定量結果および反応
機構を考慮することにより、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体の片末端にヒドラジド基が導入されているこ
とが確認された。
【0052】合成例5 片末端にヒドラジド基を有するエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体の合成:攪拌機付きのオートクレーブに、
合成例2と同様な方法で合成したエチレン含量32モル
%、ケン化度99.5モル%のエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
物)100g、メタノール400gおよび硫酸0.5g
を仕込み、60℃で2時間反応させた。さらに水和ヒド
ラジン25gを添加し、120℃で4時間反応させた。
反応終了後、室温に冷却し、重合体のゲルを蒸留水で良
く洗浄して粉砕し、さらに0.3g/リットルの酢酸水
溶液で良く洗浄した後、60℃,10時間の熱風乾燥お
よび100℃,12時間の真空乾燥を行うことにより、
MI=1.6(g/10分)、エチレン含量32モル
%、ケン化度99.9モル%の片末端にヒドラジド基を
有するエチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。合
成例4と同様の方法により、該共重合体の片末端のアミ
ノ基を定量したところ、3.2×10-5当量/gであっ
た。
【0053】合成例6 片末端にN−(2−アミノエチル)アミド基を有するエ
チレン−ビニルアルコール共重合体の合成:攪拌機付き
のオートクレーブに、合成例2と同様な方法で合成した
エチレン含量32モル%、ケン化度99.5モル%のエ
チレン−ビニルアルコール共重合体100g、メタノー
ル400gおよび硫酸0.5gを仕込み、60℃で2時
間反応させた。さらに、エチレンジアミン60gを添加
し、120℃で4時間反応させた。反応終了後、室温に
冷却し、重合体のゲルを蒸留水で良く洗浄して粉砕し、
さらに0.3g/リットルの酢酸水溶液で良く洗浄した
後、60℃,10時間の熱風乾燥および100℃,12
時間の真空乾燥を行うことにより、MI=1.6(g/
10分)、エチレン含量32モル%、ケン化度99.8
モル%の片末端にN−(2−アミノエチル)アミドを有
するエチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。合成
例1と同様の方法により、該共重合体の片末端のアミノ
基を定量したところ、3.2×10-5当量/gであっ
た。
【0054】実施例1 合成例5の片末端にヒドラジド基を有するエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体80重量部およびエチレン−グ
リシジルメタクリレ−ト共重合体[グリシジルメタクリ
レート含量15%、官能基当量にして950、MI=3
(g/10分)]20重量部を混合後、以下の条件でペ
レット化を行った。 使用押出機 :セグメント式ラボ2軸押出機(25
mm径) スクリュー形状 :Cタイプ(強混練タイプ) スクリュー回転数:230rpm 吐出量 :0.6Kg/h
【0055】該ペレットを単層フィルム成形装置に投入
し、100μのフィルムを得、JISダンベル3号を用
いて10%引張伸度付加のもと、40℃のガソリンに3
時間浸漬し、ストレスクラック性の評価を行ったが、ク
ラックは認められなかった。また、該ペレットを用いて
3種5層の共押出多層ダイレクトブロー装置にかけ、多
層容器を作成した。シートの構成は両最外層高密度(ポ
リエチレン樹脂層)が各850μまた接着性樹脂層(無
水マレイン酸変性ポリエチレン)が各100μ、さらに
中間層には上記EVOH組成物(C)層100μであ
る。得られた容器にガソリンを充填し、40℃−65%
RH条件下で1年間放置したが、クラック、ガソリンバ
リアー性の悪化は認められなかった。加速試験として、
該容器の胴部を切取り、上記単層フィルムと同様にJI
Sダンベル3号を用いて10%引張伸度付加のもと、4
0℃ガソリンに3時間浸漬し、ストレスクラック性の評
価を行ったが、クラックは認められなかった。また該容
器のガソリンの透過度は0.005g/m2.dayで
あった。
【0056】実施例2 実施例1で用いたEVOH組成物を用いて4種5層共押
出多層パイプ成形装置にかけ、多層パイプを作成した。
パイプの構成は最外層(12ナイロン層)が450μ、
接着性樹脂層が各50μ、6ナイロン層が100μ、上
記EVOH組成物層が150μであり、最内層(6ナイ
ロン層)が250μである。得られたパイプの末端に金
属製金具を取付け、R(半径)=30cmでループ状に
巻き、ガソリンを充填し、40℃−65%RH条件下で
1年間放置したが、クラック、ガソリンバリアー性の悪
化は認められなかった。加速試験として、該パイプの胴
部を輪切りにし、10%引張伸度が付加出来るように、
パイプ内径周囲長さより10%長い外周径を持つ円柱状
の治具で該輪切りパイプを押し広げ(10%引張伸度付
加)、40℃、15%メタノール含有ガソリンに3時間
浸漬し、ストレスクラック性の評価を行ったが、クラッ
クは認められなかった。また、該パイプのガソリン透過
度は0.2g/m2.dayであった。
【0057】比較例1 片末端にヒドラジド基を有するエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体を使用する代りに、通常のエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体[エチレン含量32モル%、ケン
化度99.8モル%、MI=1.6(g/10分)]を
用いたほかは、実施例1と同様にして試験を行った。得
られた100μの単層フィルムを、実施例1と同様にガ
ソリン浸漬した結果、ストレスクラックが認められた。
また、3種5層共押出多層ダイレクトブローによる多層
容器に実施例1と同様にガソリン浸漬した結果、1年間
放置後のガソリンバリアー性は0.005から0.5g
/m2.dayまで上昇し、クラックによると推定され
る、ガソリンバリアー性の悪化が認められた。
【0058】比較例2 片末端にヒドラシド基を有するエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体の代りに通常のエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体[エチレン含量32モル%、ケン化度99.
8モル%、MI=1.6(g/10分)]を用い、エチ
レン−グリシジルメタクリレート共重合体の代りに熱可
塑性重合体として低密度ポリエチレン[MI=3(g/
10分)]を用いたほかは、実施例1と同様にして試験
を行った。得られた100μの単層フィルムを、実施例
1と同様にガソリン浸漬した結果、フィルム全体が白濁
し、無数の微小クラックの存在をうかがわせた。また、
3種5層共押出多層ダイレクトブローによる多層容器に
実施例1と同様にガソリン浸漬した結果、1年間放置後
のガソリン透過度は0.005から1.0g/m2.d
ayまで上昇し、無数の微小クラックによると推定され
る、ガソリンバリアー性の悪化は認められた。
【0059】実施例3 合成例6の片末端に2−アミノエチルアミド基を有する
エチレン−ビニルアルコール共重合体80重量部、通常
のエチレン−ビニルアルコール共重合体[エチレン含量
32モル%、ケン化度99.8モル%、MI=1.6
(g/10分)]30gおよび無水マレイン酸変性スチ
レン−水添ポリイソプレン−スチレンブロック共重合体
[官能基当量にして35000、スチレン含量35%、
水添率98.5%、MI=2(g/10分)]20重量
部を用い、実施例1と同様にして試験を行った。
【0060】まず得られたEVOH組成物を用いて3種
5層共押出装置にかけ、多層シート(ポリスチレン樹脂
層、接着性樹脂層/EVOH組成物層/接着性樹脂層/
ポリスチレン樹脂層)を作成した。シートの構成は、両
最外層のポリスチレン樹脂層(旭ダウ スタイロン 6
91)が800μ、また接着性樹脂層(東ソ−「メルセ
ンM−5420」、マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体)が各50μ、さらに中間層(EVOH組成
物層)が50μである。該シートは真空圧空熱成形機に
かけ(延伸速度9×10%/min.)130℃で成形
をおこなった。その結果、成形物は、クラック、ムラ、
偏肉もなく、外観および透明性も良好であった。この容
器を20℃−65%RHに調湿し、酸素透過度を測定し
た所(モコン社製10/50型)、0.5cc.20μ
/m2.24hr.atmと非常に良好なガスバリアー
性を示すだけでなく、20サンプル測定した時の測定値
のバラツキ(R=最大の酸素透過度値−最小の酸素透過
度値)が0.3と非常に小さく、信頼性の高い高ガスバ
リアー性容器であった。
【0061】また、熱成形時生じたスクラップ、トリム
を粉砕し4種7層共押出装置にかけ、多層シート(ポリ
スチレン樹脂層/回収層/接着性樹脂層/EVOH組成
物層/接着性樹脂層/回収層/ポリスチレン樹脂層)を
作成した。シートの構成は、両最外層のポリスチレン樹
脂層200μ、回収層600μまた接着性樹脂層が10
0μ、さらに中間層(EVOH組成物層)が50μであ
る。該シートのシート成形性および熱成形性は良好であ
り、容器の落下破袋強度も回収層未使用品と大差なかっ
た。
【0062】比較例3 片末端に2−アミノエチルアミド基を有するエチレン−
ビニルアルコール共重合体の代りに通常のエチレン−ビ
ニルアルコ−ル共重合体[エチレン含量32モル%、ケ
ン化度99.8モル%、MI=1.6(g/10分)]
を用いたほかは、実施例3と同様にして試験を行った。
【0063】得られたEVOH組成物を実施例3と同様
に熱成形したが、成形物は、クラック、ムラ、偏肉はな
かったが、白濁し透明性が不良好であった。顕微鏡の観
察の結果、EVOH層に微小なボイドが無数に見受けら
れた。この容器を20℃−65%RHに調湿し、ガスバ
リアー性を測定した所(モコン社製10/50型)、酸
素透過度、5.5cc.20μ/m2.24hr.at
mとガスバリアー性が不良であった。また、実施例3と
同様、4種7層共押出シート成形に於いて、多層シート
の外観は波打っており流動異常をうかがわせた。そのた
めか、熱成形容器にはムラ、偏肉が存在し、透明性も不
良好であった。更に、容器の落下破袋強度も回収層未使
用品の約1/4に低下していた。
【0064】実施例4 合成例5の片末端にヒドラジド基を有するエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体20重量部およびエチレン−エ
チルアクリレート−メタクリル酸グリシジル共重合体
[エチルアクリレート含量20%、グリシジルメタクリ
レート含量10%、官能基当量にして1420、MI
5.0(g/10分)]30重量部を用いて、以下の条
件で溶融混練を行った。 使用機械 :プラストグラフ二軸押出機 回転数 :80rpm 混練温度 :200℃ 混練時間 :10分
【0065】該ペレットを用いて3種5層共押出装置に
かけ、多層フィルム(ポリエチレン樹脂層/接着性樹脂
層/EVOH組成物層/接着性樹脂層/ポリエチレン樹
脂層)を作成した。該多層フィルムの構成は、両最外層
のポリエチレン樹脂層が60μ、また接着性樹脂層(三
井石油化学:アドマー NF−500、マレイン酸変性
ポリエチレン)が各10μ、さらに中間層(EVOH組
成物層)が10μである。得られたこれらの多層フィル
ムはゲルボフレックステスターによる耐屈曲性、及び接
着性の評価を実施した。その結果、屈曲回数280回で
始めて貫通孔(ピンホール)が発生、またEVOH/A
d間の接着強度も420g/15mm巾と比較的良好な
性能を示した。この多層フィルムはバックインボックス
の内袋として有用であった。
【0066】比較例4 末端にヒドラジド基を有するエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体の代りに通常のエチレン−ビニルアルコール
共重合体[エチレン含量32モル%、けん化度99.8
モル%、MI=1.6(g/10分)]を用いたほか
は、実施例4と同様にして試験を行った。該ペレットを
用いて実施例4と同様の多層フィルムを得、耐屈曲性、
及び接着性の評価を実施した。その結果、屈曲回数11
0回で始めて貫通孔(ピンホール)が発生、またEVO
H/Ad間の接着強度も120g/15mm巾と低く、
かつ透明性が不十分であり、不満足な結果であった。
【0067】実施例5 合成例4の片末端にヒドラジド基を有するエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体80重量部、通常のエチレン−
ビニルアルコール共重合体[エチレン含量43モル%、
MI=5(g/10分)]30gおよびエチレン−エチ
ルアクリレート−メタクリル酸グリシジル共重合体[エ
チルアクリレート含量20%、グリシジルメタクリレー
ト含量20重量部、官能基当量にして1420、MI=
5(g/10分)]10gを以下の条件で溶融混練を行
った。 使用機械 :プラストグラフ二軸押出機 回転数 :80rpm 混練温度 :200℃ 混練時間 :10分
【0068】該ペレットを用いて3種5曹共押出装置に
かけ、多層シートを作成した。シートの構成は両最外層
{EVA樹脂層(三井デュポンケミカル:エバフレック
スEV−340)}が各300μまた接着性樹脂層(三
井石油化学 アドマーVF−600)が各50μ、さら
に中間層(EVOH組成物層)は50μである。得られ
たシートをパンタグラフ式二軸延伸機にかけ、70℃で
延伸倍率3×3倍で同時二軸延伸を行った。得られた多
層熱収縮フィルムはクラック、ムラ、偏肉もなく、外
観、透明性も良好であった。このフィルムを20℃−1
00%RHに調湿し、ガスバリアー性を測定した所(モ
コン社製10/50型)、酸素透過度40cc.20μ
/m2.24hr.atmと良好なガスバリアー性を示
した。また70℃での熱収縮性を測定した所、50%の
面積収縮率を示した。
【0069】比較例5 合成例2のエチレン−ビニルアルコール共重合体80重
量部、通常のエチレン−ビニルアルコール共重合体[エ
チレン含量43モル%、MI=5(g/10分)]30
gおよびエチレン−エチルアクリレート−メタクリル酸
グリシジル共重合体[エチルアクリレート含量15%、
グリシジルメタクリレート含量10%、官能基当量にし
て1420、MI=10(g/10分)]20重量部を
実施例5と同様な条件で試験を行ったところ、メタクリ
ル酸メチル−メタクリル酸グリシジル共重合体の平均分
散粒径は0.8μmで、フィルムの透明性も実施例5に
比べ不良であった。該ペレットを用いて実施例5と同様
の多層シートを得、パンタグラフ式二軸延伸機にかけ、
70℃で延伸倍率3×3倍で同時二軸延伸を行った。得
られた多層熱収縮性フィルムは、ムラ、偏肉がわずかで
はあったが、白濁しており透明性の面で問題があった。
このフィルムを20℃−100%RHに調湿し、ガスバ
リアー性を測定した所(モコン社製10/50型)、酸
素透過度90cc.20μ/m2.24hr.atmで
あり、また70℃での熱収縮性も42%の面積収縮率し
か得られなかった。
【0070】
【発明の効果】 本発明の樹脂組成物は、耐衝撃性、耐
屈曲性、耐ピンホール性などの機械的性質およびガスバ
リアー性に優れ、さらに延伸収縮性、回収性に優れ、さ
らにガソリンなどの有機液体に対する耐ストレスクラッ
ク性も優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−315283(JP,A) 特開 平3−149239(JP,A) 特開 平3−72539(JP,A) 特開 昭58−198530(JP,A) 特開 昭52−51440(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 29/00 - 29/04 C08L 101/00 B32B 27/08 B32B 27/30 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端にアミノ基を有するエチレン−ビニ
    ルアルコール共重合体(A)および該アミノ基と反応す
    る官能基を有する熱可塑性重合体(B)からなり、かつ
    成分(A)と成分(B)の重量配合比が99:1ないし
    1:99である樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 末端にアミノ基を有するエチレン−ビニ
    ルアルコール共重合体(A)、該アミノ基と反応する官
    能基を有する熱可塑性重合体(B)、並びに、成分
    (A)および成分(B)以外の熱可塑性重合体(C)か
    らなり、かつ成分(A)と成分(B)の重量配合比が9
    9:1ないし1:99であり、成分(A)と成分(B)
    の合計量と成分(C)の重量配合比が99:1ないし
    1:99である樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の樹脂組成物の層
    の少なくとも片面に他の熱可塑性樹脂層を有する多層構
    造体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の多層構造体からなる有機
    液体用タンク
  5. 【請求項5】 請求項3記載の多層構造体からなる有機
    液体用パイプ。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の多層構造体からなる床暖
    房用温水パイプ。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の多層構造体からなり、か
    つ回収層を含むカップ
  8. 【請求項8】 請求項3記載の多層構造体からなり、か
    つ回収層を含むボトル。
  9. 【請求項9】 請求項3記載の多層構造体からなるバッ
    グインボックス
  10. 【請求項10】 請求項3記載の多層構造体からなる熱
    収縮性フィルム。
  11. 【請求項11】 請求項1または2記載の樹脂組成物の
    層の少なくとも片面に他の熱可塑性樹脂を共押出成形法
    で積層することを特徴とする多層構造体の製造方法。
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