JP3488911B2 - 高融点材料からなる成形体の製造方法 - Google Patents

高融点材料からなる成形体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックスなど
の高融点材料からなる成形体の製造方法に係り、特に粉
末焼結・成形、溶融加工による成形体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】Al23(アルミナ)−YAG(アルミ
ナイットリアガーネット)共晶系などのセラミックス材
料は、高温材料として有望なものであり、開発に向けた
研究が盛んに行なわれている。
【0003】現在、こうしたセラミックス材料は、主と
して粉末焼結法により製造されており、一方向凝固法な
どの他の方法は依然として研究段階にとどまっている。
【0004】特に、全体にわたって微細な均一組織から
形成された部品等の成形体を、複雑な形状に容易に成形
可能な製造方法は、未だ得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高融点材料
からなる成形体を得るための新規な方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、準安定・非平衡共晶組織の粉末を得る工
程、前記準安定・非平衡共晶組織の粉末を、平衡共晶温
未満で加熱して過冷却液体を得る工程、および前記過
冷却液体を溶融成形する工程を具備する高融点材料から
なる成形体の製造方法を提供する。
【0007】本発明者らは、準安定・非平衡共晶組織あ
るいはそれと等価な2相以上の複合組織を平衡系の融点
以下の温度に加熱して溶融させることによって、融点以
下の温度で溶融加工・粉末焼結を行なう材料プロセスを
見出し、本発明をなすに至った。すなわち、本発明にお
いては、結晶相から構成される共晶組織の溶解により過
冷却液体を形成する。
【0008】なお、従来の過冷却液体の製造法は、融点
以上から液相の冷却、あるいは非晶質のガラス点以上へ
の加熱などにより行なわれている。本発明のように、結
晶相から構成される共晶組織から過冷却液体を形成し、
これを溶融加工する手法は、過去に報告がない。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の高融点材料からなる成形体の製造
方法において、準安定・非平衡共晶組織の粉末は、次の
ような手法により得ることができる。
【0011】(A1)液相が平衡状態で安定である温度
から材料を急冷することによって、粉末を得る。急冷に
より、平衡凝固では得られない準安定共晶組織などの複
数の相からなる組織が得られる場合に利用することがで
きる。例えば、アトマイズ法、単ロール法、双ロール
法、および浮遊溶解法などを用いて急冷した後、力学的
に粉砕することによって、所望の粉末が得られる。ま
た、準安定共晶組織の形成のための臨界冷却速度が遅い
場合には、るつぼのまま冷却し、次いで力学的に粉砕す
ることによって所望の粉末を得ることも可能である。
【0012】(A2)まず、平衡系の共晶が選択される
ことが困難になるように、液相の保持温度を制御して、
その液体を冷却することにより凝固させる。次いで、得
られた材料を粉砕することにより所望の粉末を得ること
ができる。例えば、Al23−Y23系の場合には、摂
氏1900℃以上に加熱することによって、常に準安定
系のAl23−YAP(イットリアアルミナペロブスカ
イト)共晶組織が得られることが確認されている。他の
系に関しても、この手法により同様の結果が予測され
る。
【0013】(A3)準安定共晶を構成する相の各々の
粉末を均一に混合した粉末を作製し、この混合粉末を準
安定・非平衡共晶粉末の代わりに用いることも可能であ
る。例えば、Al23−YAG共晶組織を得るために
は、Al23、YAP(イットリアアルミナペロブスカ
イト)の粉末の混合粉末を用いることができる。ただ
し、過冷却液体を効率的に得るために、用いる粉末の粒
度は、共晶組織と同程度で数10μm以下にすることが
必要である。
【0014】 上述したような手法により得られた準安
定・非平衡共晶組織の粉末を平衡共晶温度未満の温度に
加熱して過冷却液体を得るには、以下のような手法を用
いることができる。
【0015】(B1)得られた粉末を、固相状態で平衡
系の組織に変態しない加熱速度で加熱することによっ
て、準安定共晶温度以上で、かつ平衡共晶温度未満の温
度で過冷却液体を得ることができる。この際の加熱速度
は、用いる材料系に応じて適宜選択することができ、例
えば、Al23−YAP準安定共晶組織を加熱して過冷
却液体を得るためには、10-3K/s以上の加熱温度が
望ましい。
【0016】(B2)前述の(A1)、(A2)に示し
た手法において、準安定系共晶組織が形成された温度以
下で材料の冷却を停止し、再び準安定共晶温度以上、か
つ安定共晶温度あるいは構成する相の融点以下に加熱す
ることによって、過冷却液体を得ることが可能である。
この場合には、準安定共晶組織の粉末を得るための別個
の工程が省略されるということができる。したがって、
準安定組織を形成する工程、およびその組織を加熱して
過冷却液体を得る工程を連続した熱処理で行なうことが
できるので、生産コスト、エネルギー消費の点で有利で
ある。
【0017】なお、準安定共晶温度および平衡共晶温度
は、使用される材料が有している固有の温度であり、例
えば、Al23−YAPの準安定共晶温度および平衡共
晶温度は、それぞれ1702℃および1824℃であ
る。
【0018】本発明における過冷却液体とは、完全な過
冷却液体のみならず、半溶融状態までを含む。
【0019】こうして得られた過冷却液体を溶融成形す
るに当たっては、次のような手法を用いることができ
る。
【0020】(C1)熱間・冷間プレス、HIP、また
はSIPなどの粉末成形法を用いて、準安定共晶組織か
らなる粉末を目的の形状に成形することができる。この
成形体をその準安定共晶温度以上の温度に加熱して、過
冷却液体が得られる。材料全てを過冷却液体にする、あ
るいは、過冷却液体の形成と同時に平衡系への凝固を進
行させてもよい。ここで、平衡系共晶凝固は、結晶の核
生成剤を粉末成形体に混合することによって行なうこと
ができ、核生成剤は、成形体を保持する容器に塗布して
用いてもよい。核生成剤としては、平衡相の粉末や平衡
系の共晶組織粉末が挙げられる。具体的には、Al23
−Y23系では、YAG粉末やAl23−YAG共晶粉
末等を核生成剤として用いることができる。
【0021】(C2)所望の形状のキャビティを有する
鋳型兼ダイスを用いて、準安定・非平衡組織の粉末を溶
融成形することも可能である。具体的には、図1に示す
ような目的形状に加工されたキャビティ11を有する鋳
型兼ダイス10内に、材料13を収容し、平衡共晶温度
未満の温度に加熱して、過冷却液体を形成させる。過冷
却液体が形成される前、あるいは形成されたときにパン
チ12を加圧することにより、過冷却液体を目的形状に
成形して、平衡系共晶の凝固により固化させる。こうし
た手法によって、通常の粉末成形では不可能な三次元複
雑形状の部品を容易に製造することができる。
【0022】(C3)上で説明したような手法により準
安定・非平衡共晶組織の粉末を平衡系共晶温度未満の温
度に加熱して、過冷却液体を形成する。得られた過冷却
液体を所望の形状の鋳型に流し込むことによって、目的
形状の成形体を得ることができる。
【0023】(C4)まず、前述の準安定・非平衡共晶
組織の粉末を、平衡系の粉末に混合して混合粉末を調製
し、この混合粉末を、熱間・冷間プレス、HIP、CI
Pなどの粉末成形法を用いて目的の形状に成形する。な
お、平衡系の粉末とは、最終的に材料を構成する相の粉
末をさす。得られた成形体を、その準安定共晶温度以上
の温度に加熱することによって、成形体に液相を生じさ
せ焼結性を向上させることができる。
【0024】例えば、Al23、YAGの各々の粉末あ
るいはそれらの混合粉末に、Al23−YAP準安定共
晶の粉末を混合し、準安定共晶温度(1700℃)以上
に加熱し、過冷却液体を形成することによって焼結性を
向上させることができる。
【0025】上述したような準安定・非平衡共晶組織の
粉末を得る工程、過冷却液体を得る工程、および溶融成
形する工程を適宜組み合わせて、セラミックス等の高融
点材料からなる成形体を製造することができる。
【0026】 本発明の製造方法において用い得る材料
としては、2元以上の元素から構成され、複数の化合物
が存在し、準安定平衡系の共晶反応と平衡系の共晶反応
とが存在するセラミックス、金属系を挙げることができ
る。複数の化合物が存在し、平衡共晶反応が存在する系
では、(1)準安定共晶反応が存在し、(2)準安定共
晶温度は必ず平衡共晶温度よりも低いという性質を備え
ている。したがって、このような系においては、本発明
の特徴である準安定・非平衡共晶組織あるいはそれと等
価な2相以上を混合させた組織を平衡共晶温度未満に加
熱し、過冷却液体を製造・溶融成形するという概念を適
用することが可能である。
【0027】なお、注目する材料系において、熱力学的
に最も安定な相間の平衡関係が平衡系であり、それ以外
の相間の平衡関係を準安定系と称する。準安定共晶反応
は、2相以上の固相と液相とが平衡する関係にしたがっ
て溶解・凝固を起こす反応であり、本発明における準安
定共晶反応とは平衡系以外の全ての反応をさす。
【0028】より具体的には、本発明において用い得る
材料としては、Al23(アルミナ)−Y23(イット
リア)系が挙げられる。
【0029】 この場合には、平衡系のAl23(アル
ミナ)−YAG(アルミナイットリアガーネット)共晶
と、準安定系のAl23(アルミナ)−YAP(アルミ
ナイットリアペロブスカイト)共晶とを用いて、Al2
3(アルミナ)−YAP(アルミナイットリアペロブ
スカイト)の平衡共晶温度未満における溶解、および平
衡系Al23(アルミナ)−YAG(アルミナイットリ
アガーネット)共晶凝固による固化を行なう。
【0030】この系の共晶組織の強度は高く、硬度も高
く、高温における耐食性も良好であるために高温材料と
して期待される材料である。こうした系を従来の一方向
凝固による共晶組織を形成させた材料は、部品として使
用するためには機械加工が必要となる。しかしながら、
高強度、高硬度、低延性という特性に起因して、こうし
た系の共晶組織からなる材料は、機械加工による成形を
容易に行なうことができない。
【0031】これに対して、本発明の方法では、材料の
組織は一方向凝固の場合と同様に共晶組織を形成するこ
とができ、しかも複雑な目的形状に容易に成形可能であ
るという利点を有している。これによって、エネルギー
や製造コストを大幅に低減させるのみならず、従来法で
は製造することが困難であった複雑な形状の部品を製造
することも可能となる。
【0032】上述したAl23(アルミナ)−Y2
3(イットリア)系に限らず、本発明においては、さら
に、IIIA・IIIB属の酸化物、IVB属の酸化物、希土類
(ランタノイド)の酸化物、アルカリ・アルカリ土類金
属の酸化物、および遷移金属の酸化物から構成される2
元以上の系を用いることもできる。
【0033】こうした材料系のなかで、工業的に特に重
要と考えられるのは、Al23−Y 23系、Al23
Gd23系、およびAl23−Er23系である。しか
しながら、これらに限定されず、Al23−Y23−X
(Xは、以下に列挙する群から選択される少なくとも1
種の酸化物である)においても、上述した手法により過
冷却液体を形成することが可能である。
【0034】Xの酸化物 IIIA属:Y23、Sc23 IIIB属:B23、Al2O、Ga23 IVB属:SiO2 希土類:La23、CeO2、Nd23、Sm23、E
23、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、E
23、Yb23 アルカリ・アルカリ土類:Na2O、K2O、MgO、C
aO 遷移金属:Ti23、Cr23、MnO、Fe23、N
iO、Cu2O、ZnO、ZrO2、Nb23 ここで列挙したような酸化物を含有する3元系以上の場
合には、その組み合わせは非常に多くなるが、いかなる
場合も同様の現象が期待される。
【0035】すなわち、上で説明したような任意の材料
系を用い、各工程においていずれの手法を採用した場合
でも、本発明の成形体の製造方法においては、過冷却液
体からの凝固により固化させるため、形成させる組織は
通常の凝固組織に比べて非常に微細で均一である。した
がって、本発明の方法により製造される成形体(部品、
材料等)においては、その全体にわたって均一な組織が
形成される。
【0036】本発明の方法により製造されたAl23
YAG共晶組織の一例の顕微鏡写真を図2に示す。図2
に示す顕微鏡写真において、黒色部分がアルミナ、白色
部分がYAGであり、ミクロンオーダーからサブミクロ
ンオーダーの均一な共晶組織が形成されていることが明
確に示されている。
【0037】 上述したように、本発明の製造方法は、
複数の結晶相から構成される固相を平衡共晶温度未満
溶解して過冷却液体を形成し、溶融加工を行なうもので
あり、結晶相から構成される共晶組織の溶解により過冷
却液体を形成する点が最大の特徴である。本発明によ
り、高融点材料を融点以下の温度で鋳造成形、粉末焼結
することが可能となり、その結果、全体にわたって非常
に微細で均一な組織を有する成形体を製造することがで
きる。しかも、本発明においては、過冷却液体を溶融成
形するので、複雑な形状の成形体を低コストで容易に製
造することも可能となった。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体例を示して、
本発明をさらに詳細に説明する。
【0039】Al23(アルミナ)−Y23(イットリ
ア)系においては、平衡系のAl23(アルミナ)−Y
AG(アルミナイットリアガーネット)共晶と、準安定
系のAl23(アルミナ)−YAP(アルミナイットリ
アペロブスカイト)共晶とが存在する。準安定共晶組織
を構成するAl23およびYAPは、いずれも平衡状態
で存在し、それぞれの融点は2060℃および1920
℃である。この組織から過冷却液体が製造されるのは、
それぞれの融点よりも低い1702℃以上である。した
がって、こうした材料を用いる場合、本発明においては
2相が反応して液相が形成される。
【0040】1)前述の材料の準安定共晶組織を、19
00℃以上から冷却または急冷することによって、粉末
・粒子・塊を作製する。あるいは、Al23(アルミ
ナ)の粉末とYAP(アルミナイットリアペロブスカイ
ト)の粉末とを混合した粒子・成形体を作製する。
【0041】2)前述の材料の準安定共晶組織からなる
粉末を目的とする形状に成形してグリーンを作製する。
この成形体を、準安定系共晶温度(1702℃)以上、
安定系共晶温度(1824℃)以下に加熱する。準安定
共晶組織は、この温度範囲で過冷却液体を形成し、その
後、平衡系共晶組織に変態して固化する。過冷却液体の
出現により、融点以下における溶融加工が可能となるの
で、粒子間の結合を著しく促進させることができる。ま
た、加熱時に圧力を印加する熱間プレスを利用すること
によって、より稠密な成形体を形成することも可能であ
る。
【0042】3)前述の材料の準安定共晶組織からなる
粉末・粒子・塊を準安定系共晶温度(1702℃)以
上、安定系共晶温度(1824℃)以下に加熱して、過
冷却液体を形成させる。この過冷却液体を目的とする形
状の鋳型に注入し、平衡系共晶組織で凝固される。Al
23(アルミナ)−YAG(イットリアアルミナガーネ
ット)の共晶点以下で、鋳造技術による形成が可能とな
る。
【0043】本発明の製造方法により、次のような効果
が得られる。
【0044】1)過冷却液体を利用するため、融点以下
における溶融加工が可能となる。したがって、より低い
耐熱温度の鋳型を使用することができ、Al23(アル
ミナ)−YAG(アルミナイットリアガーネット)系の
ような高融点材料の鋳造成形が可能となる。
【0045】2)過冷却液体からの急冷凝固により固化
されるため、微細かつ均一な組織が形成される。その結
果、均一な力学的な性質を成形体に付与することが可能
となる。
【0046】3)Al23(アルミナ)−YAG(アル
ミナイットリアガーネット)共晶セラミックスにおいて
も、任意の形状に成形することができる。したがって、
高強度・高硬度・低延性の材料系を用いて、機械加工を
施すことなく部品などの成形が可能になる。
【0047】ここで、従来の過冷却液体の製造方法と、
本発明における過冷却液体の製造方法の差異について説
明する。従来法としては、以下に挙げるような2つの方
法が知られている。
【0048】(従来法1)融点以上の液相から、材料を
冷却することによって過冷却液体を製造する。この手法
は、冷却する液相の保持方法に特徴を有しており、電磁
力による浮遊、核生成サイトにならない酸化物(スラ
グ)の中で液相を保持する方法などが採用される。
【0049】(従来法2)非晶質をガラス温度以上に加
熱して、過冷却液体を製造する方法であり、この場合に
は、過冷却液体を製造するための材料は非晶質から構成
される。
【0050】このように、過冷却液体を製造するための
従来の製造法は、液相を融点以上の温度から冷却するこ
とによって、あるいは非晶質のガラス点以上に加熱にす
ることによって行なわれていた。従来の方法は、非平衡
相からの過冷却液体の製造ということができる。
【0051】これに対して本発明の方法においては、液
体を冷却するのではなく、2相以上の相から構成される
固相を加熱して、その固相間の反応によって過冷却液体
を製造する。しかも、加熱される固相は非晶質相ではな
く、結晶相から構成されるものであり、本発明において
は、複数の結晶相の非平衡反応によって過冷却液体が製
造される。
【0052】結晶相(それぞれの相は、平衡状態で存在
する)から構成される共晶組織の溶解により過冷却液体
を形成し、これを溶融加工するという本発明の方法によ
って、非常に微細で均一な組織を有する成形体が製造さ
れる。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
高融点材料からなる成形体を得るための新規な方法が提
供される。
【0054】本発明の方法を用いることにより、セラミ
ックス等の高融点材料の融点以下における鋳造成形、粉
末焼結による成形体の製造が可能であり、非常に微細で
均一な組織を有する複雑な形状の部品等を得ることがで
きる。本発明は、高融点材料の製造に好適に用いること
ができ、その工業的価値は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法における過冷却液体を溶融成形す
る工程の一例を表す概略図。
【図2】本発明の方法により製造された成形体における
Al23−YAG共晶組織を表す顕微鏡写真。
【符号の説明】
10…鋳型兼ダイス 11…キャビティ 12…ピストン(パンチ) 13…材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/653 - 35/657 C04B 35/107

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 準安定・非平衡共晶組織の粉末を得る工
    程、 前記準安定・非平衡共晶組織の粉末を、平衡共晶温度
    で加熱して過冷却液体を得る工程、および前記過冷却
    液体を溶融成形する工程を具備する高融点材料からなる
    成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記準安定・非平衡共晶組織の粉末は、
    Al23−Y23系、Al23−Gd23系、およびA
    23−Er23系からなる群から選択される請求項1
    に記載の高融点材料からなる成形体の製造方法。
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