JP3487209B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP3487209B2
JP3487209B2 JP04500299A JP4500299A JP3487209B2 JP 3487209 B2 JP3487209 B2 JP 3487209B2 JP 04500299 A JP04500299 A JP 04500299A JP 4500299 A JP4500299 A JP 4500299A JP 3487209 B2 JP3487209 B2 JP 3487209B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の排気浄化
装置に関し、詳細には流入する排気空燃比がリーンのと
きに排気中のNOX を吸収し、流入する排気中の酸素濃
度が低下したときに吸収したNOX を放出するNOX
蔵還元触媒を備えた内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】流入する排気空燃比がリーンのときに排
気中のNOX を吸収し、流入する排気中の酸素濃度が低
下したときに吸収したNOX を放出するNOX 吸蔵還元
触媒が知られている。この種のNOX 吸蔵還元触媒を用
いた内燃機関の排気浄化装置の例としては、例えば特開
平6−200738号公報に記載されたものがある。
【0003】同公報の装置は、リーン空燃比で運転可能
な機関の排気通路にNOX 吸蔵還元触媒を配置し、機関
がリーン空燃比で運転されているときに排気中のNOX
を吸収させ、NOX 吸蔵還元触媒のNOX 吸収量が所定
値に到達したときにNOX 吸蔵還元触媒の上流側の排気
通路に配置した還元剤供給ノズルから還元剤として液体
または気体の炭化水素等を排気中に噴射するようにした
ものである。NOX 吸蔵還元触媒に排気とともに還元剤
が供給されると、還元剤のNOX 吸蔵還元触媒上での酸
化により排気中の酸素濃度が低下するためNOX 吸蔵還
元触媒からは吸収したNOX が放出される。また、放出
されたNOX は触媒上で排気中の還元剤と反応して還
元、浄化される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
6−200738号公報の装置のように、ある時間間隔
でNOX 吸蔵還元触媒に還元剤を供給してNOX 吸蔵還
元触媒からのNOX の放出と還元浄化とを行うようにし
たときに、還元剤供給の時間間隔によっては全体として
のNOX の浄化率が良好にならない場合が生じる。
【0005】通常、NOX 吸蔵還元触媒に還元剤を供給
してNOX 吸蔵還元触媒からのNO X の放出と還元浄化
とを行う操作(以下、「NOX 吸蔵還元触媒の再生操
作」と呼ぶ)は、NOX 吸蔵還元触媒に吸収されたNO
X 量がある一定レベルに到達したときに実行されるが、
このNOX 吸収量のレベルはNOX 吸蔵還元触媒が吸収
したNOX で飽和する吸収量(飽和量)を基準に定めら
れる。すなわち、NOX吸蔵還元触媒のNOX 吸収能力
を最大限に活用してNOX 吸蔵還元触媒の再生操作の実
行頻度を低く抑えるためには、できるだけ多くのNOX
がNOX 吸蔵還元触媒に吸収されてから再生操作を実行
することが好ましい。そこで、通常、再生操作を実行す
るNOX 吸収量のレベルはNOX 吸蔵還元触媒の飽和量
にある程度の余裕を見た比較的高いレベル(例えばNO
X 吸蔵還元触媒の飽和量の70パーセント程度)に設定
される。
【0006】ところが、このようにNOX 吸蔵還元触媒
のNOX 吸収量が比較的高いレベルに到達するまで待っ
てNOX 吸蔵還元触媒の再生操作を実行した場合には全
体としてのNOX の浄化率を大幅に向上させることが困
難であることが判明している。例えば、従来NOX 吸蔵
還元触媒の再生操作時にはNOX 吸蔵還元触媒から放出
されたNOX は供給された還元剤により完全に浄化さ
れ、下流側には未浄化のNOX は放出されないと考えら
れていた。ところが、実際にはNOX 吸蔵還元触媒の再
生操作時に未浄化のままのNOX が触媒下流側に放出さ
れる場合があることが判明している。
【0007】前述のように、還元剤が供給されるとNO
X 吸蔵還元触媒近傍の酸素濃度が低下しNOX 吸蔵還元
触媒からはNOX が放出される。ところが、触媒からの
NO X の放出速度は一定ではなく、酸素濃度が低下した
直後(還元剤供給開始直後)には急激に比較的多量のN
X が放出され、その後はほぼ一様な比較的低い放出速
度でNOX が放出されることが判明している。この、還
元剤供給開始直後にNOX 吸蔵還元触媒から吸収したN
X が急激に放出される現象を「NOX の吐き出し」と
呼ぶことにすると、NOX の吐き出しにおけるNOX
出量(放出速度)はNOX 吸蔵還元触媒のNOX 吸蔵
量、すなわちNOX 吸蔵還元触媒内に吸収されたNOX
の量が多い程大きくなる。このため、NOX 吸蔵還元触
媒の再生操作を比較的高いNOX 吸蔵量レベルで実行す
るようにしているとNOX の吐き出しにより放出された
多量の未浄化NOX により一時的に排気中の還元剤が不
足するようになり、還元剤供給開始直後に放出されたN
X が未浄化のままNOX 吸蔵還元触媒下流側に流出す
るようになる。NOX の吐き出しは還元剤供給開始後短
時間で終了し、その後はNOX 放出速度は比較的低い速
度になるため吐き出しが終了した後は排気中の還元剤が
不足することはなくなる。このため、NOX 吸蔵還元触
媒のNOX 吸蔵量が比較的高いレベルにあっても還元剤
供給開始後ある程度の時間が経過すれば未浄化のNOX
の流出は停止するようになるが、この場合、再生操作実
行毎にNOX 吸蔵還元触媒から未浄化のNOX が流出す
るため全体としての平均NOX 浄化率をある程度以上に
は上げることができない問題が生じる。
【0008】更に、NOX 吸蔵還元触媒では上記NOX
の吐き出し以外にも「NOX の染み出し」と称する現象
が発見されている。従来、NOX 吸蔵還元触媒はNOX
吸蔵量が飽和量に到達しない限り排気空燃比がリーンで
あれば排気中のNOX を吸収すると考えられていた。し
かし、実際にはNOX 吸蔵還元触媒のNOX 吸蔵量が増
大するにつれてNOX 吸蔵還元触媒のNOX 吸収能力は
徐々に低下することが判明している。このため、NOX
吸蔵還元触媒のNOX 吸蔵量が飽和量よりかなり低い状
態であっても、NOX 吸蔵還元触媒下流側には触媒に吸
収されなかったNOX が流出している。また、このNO
X 流出量はNOX 吸蔵還元触媒のNOX 吸蔵量が多くな
るにつれて増大し、NOX 吸蔵量が飽和量に到達すると
排気中のNOX はNOX 吸蔵還元触媒に全く吸収されず
に下流側に流出するようになる。このように、排気空燃
比がリーンのときにNOX 吸蔵量に応じた量のNOX
未浄化のまま触媒下流側に流出する現象を「NOX の染
み出し」と称する。
【0009】上述のように、NOX 吸蔵還元触媒の再生
時にNOX の吐き出しにより流出する未浄化のNO
X 量、及びリーン空燃比下でNOX の染み出しにより流
出する未浄化のNOX 量はともにNOX 吸蔵還元触媒の
NOX 吸蔵量に応じて増大する。このため、従来のよう
にNOX 吸蔵量が比較的高いレベルに到達したときにN
X 吸蔵還元触媒の再生操作を実行するようにした排気
浄化装置では、NOX の吐き出しと染み出しとにより放
出される未浄化のNOX のため、ある程度以上には全体
としてのNOX 浄化率を向上させることはできない。
【0010】本発明は上記問題に鑑み、NOX の吐き出
しまたは染み出しによるNOX 浄化率の低下を防止し、
大幅にNOX 浄化率を向上させることが可能な内燃機関
の排気浄化装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、内燃機関の排気通路に配置され流入する排気の
空燃比がリーンのときに排気中のNOXを吸収し、流入
する排気中の酸素濃度が低下したときに吸収したNOX
を放出するNOX吸蔵還元触媒と、該NOX吸蔵還元触媒
に流入する排気空燃比がリーンのときにNOX吸蔵還元
触媒に還元剤を供給することにより、NOX吸蔵還元触
媒に流入する排気中の酸素濃度を低下させるとともに、
放出されたNOXを還元浄化する還元剤供給装置とを備
えた内燃機関の排気浄化装置において、前記NOX吸蔵
還元触媒は、前記還元剤供給開始直後に、供給された還
元剤によっては還元されない未浄化NOXを下流側に放
出し、該未浄化NOXNOX吸蔵還元触媒の吸収した
NOX量に応じて増加する、NO X の吐き出しを生じ、
記還元剤供給装置は、NOX吸蔵還元触媒に吸収された
NOX量が所定のレベルに到達したときにNOX吸蔵還元
触媒に還元剤を供給し、前記所定のNOX吸収量レベル
は、前記還元剤供給開始時の前記NOX吸蔵還元触媒か
らのNO X の吐き出しにより流出する未浄化NOX放出量
が予め定めた値以下になるように設定されていることを
特徴とする内燃機関の排気浄化装置が提供される。
【0012】すなわち、請求項1に記載の発明ではNO
X 吸蔵還元触媒に吸収されたNOX量が所定レベルに到
達する毎にNOX 吸蔵還元触媒の再生操作が行われる。
しかし、この所定レベルは再生操作開始時のNOX の吐
き出しにより流出する未浄化のNOX 量が所定の低い値
に維持されるように、従来に較べてかなり低いレベルに
設定される。これにより、本発明では従来に比較して非
常に短い間隔で再生操作が実行されることになるが、再
生操作開始時の吐き出しによる未浄化のNOXの放出量
は極めて低い値に抑えられるため全体としてのNOX
浄化率を大幅に向上させることができる。なお、NOX
吸蔵還元触媒への還元剤の供給はNOX吸蔵還元触媒上
流側の排気通路に炭化水素(HC)等から成る還元剤を
噴射することによって行ってもよいし、機関を短時間リ
ッチ空燃比で運転することにより、排気中の未燃HC、
CO成分を増大させることによって行っても良い。
【0013】請求項2に記載の発明によれば、内燃機関
の排気通路に配置され流入する排気の空燃比がリーンの
ときに排気中のNOXを吸収し、流入する排気中の酸素
濃度が低下したときに吸収したNOXを放出するNOX
蔵還元触媒と、該NOX吸蔵還元触媒に流入する排気空
燃比がリーンのときにNOX吸蔵還元触媒に還元剤を供
給することにより、NOX吸蔵還元触媒に流入する排気
中の酸素濃度を低下させるとともに、放出されたNOX
を還元浄化する還元剤供給装置とを備えた内燃機関の排
気浄化装置において、前記NOX吸蔵還元触媒は、流入
する排気空燃比がリーンであっても吸収したNOX量に
応じて増大する量の未浄化のNOXを下流側に放出する
NO X の染み出しを生じ、前記還元剤供給装置は、NOX
吸蔵還元触媒に吸収されたNOX量が所定のレベルに到
達したときにNOX吸蔵還元触媒に還元剤を供給し、前
記所定のNOX吸収量レベルは、リーン空燃比排気下に
おける前記NOX吸蔵還元触媒からのNO X の染み出しに
より流出する未浄化NOX放出量が予め定めた値以下に
なるように設定されていることを特徴とする内燃機関の
排気浄化装置が提供される。
【0014】すなわち、請求項2に記載の発明において
もNOX 吸蔵還元触媒に吸収されたNOX 量が所定レベ
ルに到達する毎にNOX 吸蔵還元触媒の再生操作が行わ
れる。しかし、本発明ではこの所定レベルはNOX 吸蔵
還元触媒のNOX 吸蔵量の増大によるNOX の染み出し
により流出する未浄化のNOX 量が所定の低い値に維持
されるように、従来に較べてかなり低いレベルに設定さ
れる。これにより、本発明では従来に比較して非常に短
い間隔で再生操作が実行されることになるが、NOX
染み出しによる未浄化のNOX の放出量は極めて低い値
に抑えられるため全体としてのNOX の浄化率を大幅に
向上させることができる。なお、本発明においてもNO
X 吸蔵還元触媒への還元剤の供給は排気通路への還元剤
の噴射により、または機関を短時間リッチ空燃比で運転
することにより、行っても良い。
【0015】なお、NOX 吸蔵還元触媒の再生操作を開
始するNOX 吸蔵量のレベルは、請求項1の発明の吐き
出しによる未浄化NOX 量が所定値以下になる値、また
は本発明の染み出しによる未浄化NOX 量が所定値以下
になる値のいずれか低い方の値に設定するようにすれ
ば、より完全に未浄化のNOX の放出を低減することが
できる。
【0016】請求項3に記載の発明によれば、前記還元
剤供給装置は、前記NOX 吸蔵還元触媒の上流側の排気
通路に還元剤を噴射する還元剤供給ノズルを備え、NO
X 吸蔵還元触媒に流入する排気空燃比がリーンのときに
NOX 吸蔵還元触媒に吸収されたNOX 量が前記所定の
レベルに到達する毎に予め定めた量の還元剤を排気中に
供給する請求項1または請求項2に記載の内燃機関の排
気浄化装置が提供される。
【0017】すなわち、請求項3に記載の発明ではNO
X 吸蔵還元触媒への還元剤の供給はNOX 吸蔵還元触媒
上流側の排気通路に配置した還元剤供給ノズルから排気
中に還元剤を噴射することにより行われる。これによ
り、リッチ空燃比で運転することが困難なディーゼル機
関においてもNOX の浄化率を大幅に向上させることが
できる。
【0018】請求項4に記載の発明によれば、前記還元
剤供給ノズルからの還元剤の噴射量と噴射率とは、前記
還元剤の供給が行われる時間間隔に応じて設定されてい
る請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置が提供され
る。すなわち、請求項4に記載の発明では、再生操作の
実行間隔に応じて還元剤供給ノズルからの還元剤の噴射
率と噴射量とが設定される。本発明では、従来に較べて
短い間隔で再生操作が実行されることになるため、各再
生操作時に従来と同じ量の還元剤を噴射していたのでは
還元剤消費量が大幅に増大する。また、本発明ではNO
X 吸蔵還元触媒のNOX 吸蔵量が低いレベルにあるとき
に再生操作を行うため、再生操作に必要とされる還元剤
の量は少ない。このため、本発明では再生操作時に供給
する還元剤の量は再生操作の時間間隔に応じて、すなわ
ち再生操作時にNOX 吸蔵還元触媒に吸蔵されているN
X の量に応じて過不足が生じないように設定される。
また、これにより各再生操作時に還元剤供給ノズルから
噴射される還元剤の量は減少するが、この少ない量の還
元剤を長時間の間に排気に噴射したのでは、還元剤が排
気に希釈されてしまいNOX 吸蔵還元触媒の酸素濃度を
低下させる事ができない。そこで、本発明では、還元剤
供給ノズルからの還元剤の噴射率を噴射量に応じて(す
なわち再生操作の実行間隔に応じて)設定し、排気中の
還元剤濃度が充分に高く維持されるようにしている。こ
れにより、再生操作の時間間隔が短く設定されても還元
剤の消費量の増大が抑制されるとともに、NOX 吸蔵還
元触媒の完全な再生が行われる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。図1は、本発明の排気浄化
装置の一実施形態の概略構成を示す図である。図1にお
いて、1は内燃機関を示す。本実施形態では、内燃機関
1としてディーゼル機関が使用されており、機関の各気
筒排気ポートは排気マニホルド31を介して共通の排気
通路3に接続されている。更に、排気通路3上には後述
するNOX 吸蔵還元触媒7が配置されている。図1に9
で示すのはNOX 吸蔵還元触媒7再生操作時にNOX
蔵還元触媒7に還元剤を供給する還元剤供給装置であ
る。還元剤供給装置は、NOX 吸蔵還元触媒7の排気入
口近傍に配置された還元剤供給ノズル91を備えNOX
吸蔵還元触媒7に流入する排気中に還元剤を噴射するこ
とによりNOX 吸蔵還元触媒7に流入する排気中の酸素
濃度を低下させ、触媒7から吸収したNOX を放出させ
るとともに、放出されたNOX を還元浄化する。後述す
るように、本実施形態では還元剤として機関1の燃料
(ディーゼル油)が使用される。還元剤供給装置9は、
図示しない機関燃料系統に接続され、燃料系統から供給
された加圧燃料を還元剤供給ノズル91から排気通路3
内に噴射する。
【0020】図1に30で示すのは、機関1の電子制御
ユニット(ECU)である。本実施形態では、ECU3
0はRAM、ROM、CPUを備えた公知の構成のマイ
クロコンピュータとして構成され、機関1の燃料噴射
量、燃料噴射時期等の基本制御を行う他、還元剤供給装
置9を制御して後述するNOX 吸蔵還元触媒7からのN
X の放出及び還元浄化操作(NOX 吸蔵還元触媒の再
生操作)を実施する。
【0021】本実施形態のNOX 吸蔵還元触媒7は、ア
ルミナ等の担体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa
、リチウムLi 、セシウムCs のようなアルカリ金
属、バリウムBa 、カルシウムCa のようなアルカリ土
類、ランタンLa 、セリウムCe、イットリウムYのよ
うな希土類から選ばれた少なくとも一つの成分と、白金
Ptのような貴金属とを担持したものである。NOX
蔵還元触媒は流入する排気ガスの空燃比がリーンのとき
に、排気中のNOX (NO2 、NO)を硝酸イオンNO
3 - の形で吸収し、流入排気ガスの酸素濃度が低下する
と吸収したNOX を放出するNOX の吸放出作用を行
う。
【0022】この吸放出のメカニズムについて、以下に
白金PtおよびバリウムBaを使用した場合を例にとっ
て説明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土
類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。流入排
気中の酸素濃度が増大すると(すなわち排気の空燃比が
リーン空燃比になると)、これら酸素は白金Pt上にO
2 - またはO2-の形で付着し、排気中のNOX は白金P
t上のO2 - またはO2-と反応し、これによりNO2
生成される。また、流入排気中のNO2 及び上記により
生成したNO2 は白金Pt上で更に酸化されつつ触媒中
に吸収されて吸収剤として機能する酸化バリウムBaO
と結合しながら硝酸イオンNO3 - の形で触媒内に拡散
する。このため、リーン雰囲気下では排気中のNOX
NOX 吸蔵還元触媒内に硝酸塩の形で吸収されるように
なる。
【0023】また、流入排気中の酸素濃度が低下すると
(すなわち、排気の空燃比が低下すると)、白金Pt上
でのNO2 生成量が減少するため反応が逆方向に進むよ
うになり、触媒内の硝酸イオンNO3 - はNO2 の形で
NOX 吸蔵還元触媒から放出されるようになる。この場
合、排気中にHC、CO等の成分が存在すると白金Pt
上でこれらの成分によりNO2 が還元される。
【0024】本実施形態では、機関1としてディーゼル
機関が使用されているため機関の排気空燃比はリーンで
あり、通常運転中は排気通路3のNOX 吸蔵還元触媒7
にはリーン空燃比の排気が流入し排気中のNOX がNO
X 吸蔵還元触媒7に吸収される。また、NOX 吸蔵還元
触媒7上流側の排気通路3に還元剤が供給されるとNO
X 吸蔵還元触媒7には還元剤を含んだ排気が流入し、還
元剤の一部はNOX 吸蔵還元触媒7の白金Pt上で酸素
と反応する。これにより、NOX 吸蔵還元触媒7の雰囲
気中の酸素濃度が低下するとともに、還元剤の酸化によ
り未燃HC、CO等の成分が発生する。還元剤の酸化に
よりNOX 吸蔵還元触媒7の雰囲気酸素濃度が低下する
と、上述したメカニズムによりNOX 吸蔵還元触媒7か
らNOXが放出され排気中のHC、CO成分により還元
される。
【0025】上記NOX 吸蔵還元触媒からのNOX の放
出、還元浄化操作(NOX 吸蔵還元触媒の再生操作)に
使用される還元剤としては、排気中でH2 等の還元成分
やHC、CO成分を生成するものが使用され、例えば水
素、一酸化炭素等の気体、プロパン、プロピレン、ブタ
ン等の液体又は気体の炭化水素、ガソリン、軽油、灯油
等の液体燃料等が使用できる。本実施形態では、内燃機
関1としてディーゼル機関が使用されているため、補
給、貯蔵の便を考慮して還元剤として機関1の燃料(デ
ィーゼル油)を使用するようにしている。還元剤供給装
置9は機関1の燃料ポンプ(図示せず)から供給された
燃料を遮断弁、流量調整弁(図示せず)を介して還元剤
供給ノズル91からNOX 吸蔵還元触媒7上流側の排気
通路に供給することによりNOX 吸蔵還元触媒7の再生
を行う。
【0026】上述のように、NOX 吸蔵還元触媒7は還
元剤供給装置9から還元剤が供給されていないときに
(すなわち流入する排気空燃比がリーンのときに)排気
中のNOX を吸収し、還元剤供給装置9から排気中に還
元剤が供給され流入する排気の酸素濃度が低下すると吸
収したNOX を放出、還元浄化する。このため、従来N
X 吸蔵還元触媒7が吸収したNOX で飽和しない限り
下流側には未浄化のNO X が放出されることはないと考
えられていた。
【0027】ところが、実際の運転ではNOX 吸蔵還元
触媒には前述した「NOX の吐き出し」と「NOX の染
み出し」と称する現象が生じるためNOX 吸蔵還元触媒
が吸収したNOX で飽和していない状態でも未浄化のN
X が下流側に放出される場合があることが判明してい
る。本明細書では、前述したようにNOX 吸蔵還元触媒
の再生操作初期にNOX 吸蔵還元触媒下流側に未浄化の
NOX が放出される現象を「NOX の吐き出し」と呼
び、NOX 吸蔵還元触媒が排気中のNOX を吸収中(す
なわち流入する排気空燃比がリーンのとき)にNOX
蔵還元触媒下流側に未浄化のNOX が放出される現象を
「NOX の染み出し」と呼び、両者を区別している。
【0028】NOX の吐き出しと染み出しが何故生じる
かの理由については現在のところ明確には判明していな
いが、以下に説明する現象によるものと推測されてい
る。まず、NOX の吐き出しの生じる理由について説明
する。前述のように、NOX 吸蔵還元触媒は吸収したN
X を硝酸塩の形で保持する。このとき、硝酸イオンは
NOX 吸蔵還元触媒中の吸収剤(例えばBaO)の表面
から内部に拡散により移動して硝酸塩を形成する。この
ため、NOX の吸収中には吸収剤表面の硝酸イオン濃度
は内部の硝酸イオン濃度より高くなっている。この状態
でNOX 吸蔵還元触媒の再生操作が開始され吸収剤表面
の雰囲気酸素濃度が急激に低下すると、吸収剤表面近傍
の高濃度の硝酸イオンがNO2 の形で一斉に吸収剤から
放出されるようになる。このため、再生操作開始直後に
は短時間で比較的多量のNOX がNOX 吸蔵還元触媒か
ら放出されるようになり、一時的な還元剤不足が生じ、
放出されたNOX の一部が未浄化のままNOX 吸蔵還元
触媒下流側に放出されるようになると考えられる。
【0029】吸収剤表面近傍の硝酸イオンが放出された
後は、吸収剤内部に保持された硝酸イオンが表面に移動
してNO2 の形で放出されるようになるが、この場合に
は吸収剤からのNO2 の放出速度は吸収剤内部での硝酸
イオンの移動速度に律速されるようになるため、放出速
度は比較的低くなり、還元剤の不足は生じない。このた
め、NOX 吸蔵還元触媒の再生操作開始直後に一時的に
未浄化のNOXが下流側に放出されるNOX の吐き出し
が生じるのである。
【0030】吐き出しにより放出されるNOX の量は、
吸収剤表面の硝酸イオン濃度が高いほど大きくなる。こ
のため、NOX 吸蔵還元触媒に吸収されたNOX 量(N
X吸蔵量)が多いほど吐き出しにより放出される未浄
化のNOX が増大するようになる。また、NOX の染み
出しはNOX 吸蔵還元触媒の吸収剤に吸収されたNOX
量の増大により吸収剤のNOX 吸蔵能力が低下するため
に生じると考えられる。上述したように、NOX 吸蔵還
元触媒の白金Pt上で生成された硝酸イオンは吸収剤表
面から内部に拡散により移動する。従って、NOX 吸蔵
還元触媒のNOX 吸蔵量が増大して吸収剤内部の硝酸イ
オン濃度が増大すると、内部に硝酸イオンが拡散しにく
くなり、吸収剤表面の硝酸イオン濃度が増大する。これ
により、白金Pt上でのNO2 →NO3 - の反応が生じ
にくくなり排気中のNOX がNOX 吸蔵還元触媒に吸収
されなくなる。このため、NOX 吸蔵還元触媒のNOX
吸収中にはNOX 吸蔵量が増大するにつれてNOX 吸蔵
還元触媒に吸収されず下流側に流出する未浄化のNOX
量が増大するようになる。
【0031】また、NOX 吸蔵還元触媒の最大NOX
蔵量(飽和量)はリーン空燃比下においても空燃比が低
下するにつれて(リッチ側になるにつれて)低下する。
このため、NOX 吸蔵還元触媒に比較的多量のNOX
吸蔵されている場合、運転条件の変化により排気空燃比
が低下してNOX 吸蔵還元触媒の飽和量が低下した場合
には、飽和量を越える分の吸蔵NOX はNOX 吸蔵還元
触媒から放出されるようになる。従って、例え排気がリ
ーン空燃比でありNOX 吸蔵還元触媒がNOXを吸収中
であっても空燃比が低下するとNOX 吸蔵還元触媒から
飽和量を越えた分のNOX が放出されるようになる。こ
の場合、当然NOX 吸蔵還元触媒のNO X 吸蔵量が多い
程放出される未浄化のNOX 量も増大するようになる。
【0032】本実施形態では、NOX 吸蔵還元触媒のN
X 吸収中に生じる上記2つの種類の未浄化NOX 放出
を併せてNOX の染み出しと称している。ところで、N
X の吐き出しと染み出しとにより放出される未浄化の
NOX の量は、いずれもNOX 吸蔵還元触媒のNOX
蔵量が増大するにつれて多くなる。このため、従来のよ
うにNOX 吸蔵還元触媒のNOX 吸蔵量が比較的高い値
に到達する毎に再生操作を実行するようにしていたので
は、NOX の吐き出しと染み出しとにより放出される未
浄化のNOX 量が大きくなってしまい、全体としてのN
X 浄化率を充分に向上させることができない場合があ
る。
【0033】そこで、本実施形態では従来NOX 吸蔵還
元触媒のNOX 飽和量を基準にして設定されていた(例
えば飽和量の70パーセント)再生操作実行要否判定の
ためのNOX 吸蔵量を、NOX 吸蔵還元触媒からのNO
X の吐き出しまたは染み出しにより放出される未浄化の
NOX 量が所定値以下になるように低い値に設定するこ
とにより未浄化のNOX の放出を防止して、NOX 吸蔵
還元触媒の全体としてのNOX 浄化率を大幅に向上させ
ている。
【0034】本実施形態では、予め実験によりNOX
蔵還元触媒のNOX 吸蔵量とNOXの吐き出し、染み出
しによる未浄化のNOX 放出量との関係を求めておく。
そして、この関係から両方の未浄化NOX 放出量の合計
が予め定めた値以下になるNOX 吸蔵量の最大値(再生
操作実行判定値)を定めておき、実際の運転ではNO X
の吸蔵量がこの再生操作実行判定値に到達する毎にNO
X 吸蔵還元触媒の再生操作を実行する。NOX の吐き出
しと染み出しとによる未浄化NOX の放出量の許容値
は、全体としてのNOX 浄化率(すなわち、ある期間に
おけるNOX 浄化率の平均値)が所望の値になるように
設定されるが、従来達成可能なNOX 浄化率より大幅に
高い浄化率を達成するために、本実施形態では未浄化の
NOX の放出量の許容値は極めて小さく設定される。こ
のため、本実施形態ではNOX 吸蔵還元触媒の再生操作
は極めて低い値(例えば飽和量の10パーセント以下の
程度)に設定され、従来に較べて極めて短い間隔でNO
X 吸蔵還元触媒の再生操作が実行されるようになる。こ
れにより、NOX 吸蔵還元触媒再生操作開始直後に吐き
出しにより放出される未浄化NOX 量、及びNOX 吸蔵
量の増大のためにNO X 吸収中に染み出しにより放出さ
れる未浄化NOX 量が低い値に抑制されるようになる。
また、機関運転条件の変化により排気空燃比が低下した
場合にも吸蔵NOX 量が飽和量を越えることがないた
め、空燃比変化による未浄化のNOX 放出も防止される
ようになる。
【0035】図2は本実施形態の排気浄化装置における
浄化率向上の効果を説明するタイミング図である。図2
の実線は、本実施形態の排気浄化装置のように短い間隔
で再生操作を実行した場合のNOX 吸蔵還元触媒7出口
における排気中のNOX 濃度を、点線は従来の排気浄化
装置のように比較的長い間隔で再生操作を実行した場合
のNOX 吸蔵還元触媒7出口における排気中のNOX
度をそれぞれ示している。また、図2の直線IはNOX
吸蔵還元触媒7に流入する排気中のNOX 濃度を示して
いる(図2では、流入排気中のNOX 濃度が一定の場合
を示す)。
【0036】まず、従来の排気浄化装置(点線)の場合
について説明すると、従来は比較的NOX 吸蔵還元触媒
のNOX 吸蔵量が大きな値に増大するまで再生操作が実
行されない。このため、NOX 吸蔵還元触媒の吸蔵量が
増大するにつれて染み出しによる未浄化NOX 放出量が
増大し、図2点線にAで示すように出口排気ガス中のN
X 濃度が徐々に増大して行く。また、NOX 吸蔵量が
所定値(例えば飽和量の70パーセント程度)に到達す
ると、還元剤が供給されNOX 吸蔵還元触媒の再生操作
が実行されるが(図2点線、B点)、この場合も再生操
作実行時のNO X 吸蔵量が比較的大きいため、再生操作
開始時に吐き出しにより多量の未浄化NOX が放出され
てしまう(図2点線、C部分)。吐き出しによる未浄化
のNOXの放出は短時間で終了し、再生が完了するとN
X 吸蔵還元触媒の出口NOX 濃度は低下するが、その
後NOX 吸蔵量が増大するにつれて再び出口NOX 濃度
は増大する(図2点線、D部分)。このため従来の排気
浄化装置では、全体として図2点線の下側の部分の面積
に相当する比較的多量の未浄化NOX がNOX 吸蔵還元
触媒下流側に放出されてしまうことになり、全体として
のNOX 吸蔵還元触媒のNOX 浄化率は低くなってしま
う。
【0037】これに対して、本実施形態の排気浄化装置
(図2実線)ではNOX 吸蔵還元触媒のNOX 吸蔵量が
極めて低い値に到達する毎に短い間隔で再生操作(図2
実線、B′点)が実行される。このため、NOX 吸収中
の染み出しによる未浄化のNOX 放出(図2実線、A′
部分)及び再生操作実行開始時の吐き出しによる未浄化
のNOX 放出(図2実線、C′)はともに小さな値にな
る。これにより、全体としてNOX 吸蔵還元触媒から放
出される未浄化のNOX 量は、図2実線下側部分の面積
に相当する極めて少ない量になり、従来の排気浄化装置
(図2、点線)に較べて大幅に全体としてのNOX 浄化
効率が向上するようになる。
【0038】図3は、本実施形態の上記NOX 吸蔵還元
触媒再生操作を説明するフローチャートである。本操作
は、ECU30により一定時間毎に実行されるルーチン
により実施される。図3において、ステップ301では
現在のNOX 吸蔵還元触媒7のNOX 吸蔵量CNOXが
算出される。
【0039】本実施形態では、NOX 吸蔵量CNOXは
機関の運転状態に基づいて算出される。機関から単位時
間(例えば図3の操作の実行間隔)あたりに発生するN
X量は、機関負荷条件(例えば燃料噴射量と回転数
と)により定まる。そこで、本実施形態では、予め機関
を負荷条件を変えて運転し、各負荷条件下でのNOX
生量を実測し、例えば燃料噴射量と回転数とを用いた数
値テーブルの形でECU30のROMに格納してある。
ステップ301では、操作実行毎にECU30により別
途実行される燃料噴射量演算ルーチンで算出される燃料
噴射量と、機関回転数とから上記数値テーブルを用いて
前回操作実行時から今回操作実行時までに機関から発生
したNOX 量を算出する。そして、この発生量に所定の
定数(排気中のNOX のうちNOX 吸蔵還元触媒7に吸
収されるNOX の割合)を乗じた値をCNOXに加算す
る。これにより、CNOXの値はNOX 吸蔵還元触媒7
に吸蔵されたNOX 量に対応した値となる。
【0040】なお本実施形態では、燃料噴射量と回転数
とに応じて算出した値をNOX 吸蔵還元触媒7のNOX
吸蔵量CNOXとして用いているが、例えば、前回再生
操作実施後の燃料噴射量の積算値、回転数の積算値、あ
るいは機関が比較的高回転で定常運転されているような
場合には前回再生操作完了後の機関運転時間等をNO X
吸蔵量CNOXとして用いて計算を簡素化しても良い。
【0041】また、図2に示したようにNOX 吸蔵還元
触媒7のNOX 吸収中、NOX 吸蔵還元触媒7出口にお
ける排気中のNOX 濃度は染み出しのためNOX 吸蔵還
元触媒のNOX 吸蔵量に応じて増大していく。このた
め、例えばNOX 吸蔵還元触媒7出口に排気中のNOX
濃度を検出可能なNOX 濃度センサを配置して、NOX
濃度センサで検出したNOX 濃度をCNOXとして使用
するようにしても良い。上記により、NOX 吸蔵還元触
媒7のNOX 吸蔵量CNOXを算出後、ステップ303
では、算出したNOX 吸蔵量CNOXが所定値CNOX
0 に到達したか否かが判定される。ここで、CNOX0
は、NOX 吸蔵還元触媒7の染み出しにより放出される
未浄化NOX の量(NOX 吸蔵還元触媒7出口における
排気中のNOX 濃度)が予め定めた値以下になる最大N
X 吸蔵量、またはNOX 吸蔵還元触媒7再生操作開始
時に吐き出しにより放出される未浄化NOX の量(濃
度)が予め定めた量以下になる最大NOX 吸蔵量のうち
どちらか小さい値に設定される。なお、放出される未浄
化のNOX 量の許容値は、所望のNOX 浄化率から決定
される。また、CNOX0 の値は、実際のNOX 吸蔵還
元触媒7を用いた実験により決定することが好ましい。
【0042】ステップ303でCNOX≧CNOX0
あった場合にはステップ305で還元剤供給装置9の還
元剤供給ノズル91から所定量の燃料が噴射され、NO
X 吸蔵還元触媒7の再生が行われる。また、再生操作終
了後、ステップ305ではNOX 吸蔵量CNOXの値は
リセットされる。なお、還元剤供給ノズル91から噴射
する還元剤(本実施形態ではディーゼル油)の噴射量
は、NOX 吸蔵還元触媒のNOX 吸蔵量CNOXの全量
を浄化するのに充分な量のHC、CO成分を発生可能な
最小量に設定される。このように還元剤供給量を再生操
作実行時のNOX 吸蔵還元触媒のNOX 吸蔵量に応じて
設定することにより、本実施形態では一回の再生操作で
噴射される還元剤の量は低く抑えられる。このため、本
実施形態では極めて短い時間間隔で再生操作を行うにも
かかわらず、還元剤の消費量は従来に較べて僅かに(す
なわち、従来未浄化のまま放出されていたNOX を浄化
するのに使用される還元剤の量に相当する量だけ)増大
する程度になる。また、本実施形態では極めて短い時間
間隔で再生操作が実行されるため、短時間で所要量の還
元剤をノズル91から噴射する必要がある。また、1回
の再生操作で噴射される還元剤の量は比較的僅かなの
で、長い時間をかけてこの少量の還元剤を噴射したので
は、噴射された還元剤が排気により希釈されてしまい排
気中の還元剤濃度を充分に上昇させることができなくな
る。そこで、本実施形態では、還元剤供給ノズル91か
らの還元剤の噴射量は再生操作の実行間隔(再生操作開
始時のNOX 吸蔵量)に応じて設定し、更にノズル91
からの噴射率は噴射量及び再生操作実行間隔との両方を
考慮して設定するようにしている。これにより、1回の
再生操作で必要とされる量の還元剤を必要とされる濃度
でNOX 吸蔵還元触媒に流入する排気中に供給すること
が可能となる。
【0043】なお、本実施形態では還元剤供給ノズル9
1から還元剤をNOX 吸蔵還元触媒に供給しているが、
排気による希釈を防止し充分な濃度の還元剤をNOX
蔵還元触媒7に到達させるためには還元剤供給ノズル9
1をNOX 吸蔵還元触媒7上流側にできるだけ近接した
位置に配置することが望ましい。
【0044】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、NOX
吸蔵還元触媒からのNOX の吐き出しや染み出しによる
未浄化NOX のために排気浄化効率が低下することを防
止し、排気浄化効率を大幅に向上させることが可能とな
る共通の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をディーゼル機関に適用した実施形態の
概略構成を示す図である。
【図2】本発明によるNOX 浄化率の向上の効果を説明
する図である。
【図3】本発明によるNOX 吸蔵還元触媒の再生操作の
一実施形態を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…ディーゼル機関 3…排気通路 7…NOX 吸蔵還元触媒 9…還元剤供給装置 30…電子制御ユニット(ECU) 91…還元剤供給ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 正明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−2213(JP,A) 特開 平10−71325(JP,A) 特開 平6−200738(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01N 3/08 - 3/36

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路に配置され流入する
    排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOXを吸収
    し、流入する排気中の酸素濃度が低下したときに吸収し
    たNOXを放出するNOX吸蔵還元触媒と、該NOX吸蔵
    還元触媒に流入する排気空燃比がリーンのときにNOX
    吸蔵還元触媒に還元剤を供給することにより、NOX
    蔵還元触媒に流入する排気中の酸素濃度を低下させると
    ともに、放出されたNOXを還元浄化する還元剤供給装
    置とを備えた内燃機関の排気浄化装置において、 前記NOX吸蔵還元触媒は、前記還元剤供給開始直後
    に、供給された還元剤によっては還元されない未浄化N
    Xを下流側に放出し、該未浄化NOXNOX吸蔵還
    元触媒の吸収したNOX量に応じて増加する、NO X の吐
    き出しを生じ、 前記還元剤供給装置は、NOX吸蔵還元触媒に吸収され
    たNOX量が所定のレベルに到達したときにNOX吸蔵還
    元触媒に還元剤を供給し、 前記所定のNOX吸収量レベルは、前記還元剤供給開始
    時の前記NOX吸蔵還元触媒からのNO X の吐き出しによ
    り流出する未浄化NOX放出量が予め定めた値以下にな
    るように設定されていることを特徴とする内燃機関の排
    気浄化装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関の排気通路に配置され流入する
    排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOXを吸収
    し、流入する排気中の酸素濃度が低下したときに吸収し
    たNOXを放出するNOX吸蔵還元触媒と、該NOX吸蔵
    還元触媒に流入する排気空燃比がリーンのときにNOX
    吸蔵還元触媒に還元剤を供給することにより、NOX
    蔵還元触媒に流入する排気中の酸素濃度を低下させると
    ともに、放出されたNOXを還元浄化する還元剤供給装
    置とを備えた内燃機関の排気浄化装置において、 前記NOX吸蔵還元触媒は、流入する排気空燃比がリー
    ンであっても吸収したNOX量に応じて増大する量の未
    浄化のNOXを下流側に放出するNO X の染み出しを生
    、 前記還元剤供給装置は、NOX吸蔵還元触媒に吸収され
    たNOX量が所定のレベルに到達したときにNOX吸蔵還
    元触媒に還元剤を供給し、 前記所定のNOX吸収量レベルは、リーン空燃比排気下
    における前記NOX吸蔵還元触媒からのNO X の染み出し
    により流出する未浄化NOX放出量が予め定めた値以下
    になるように設定されていることを特徴とする内燃機関
    の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 前記還元剤供給装置は、前記NOX吸蔵
    還元触媒の上流側の排気通路に還元剤を噴射する還元剤
    供給ノズルを備え、NOX吸蔵還元触媒に流入する排気
    空燃比がリーンのときにNOX吸蔵還元触媒に吸収され
    たNOX量が前記所定のレベルに到達する毎に予め定め
    た量の還元剤を排気中に供給する請求項1または請求項
    2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 前記還元剤供給ノズルからの還元剤の噴
    射量と噴射率とは、前記還元剤の供給が行われる時間間
    隔に応じて設定されている請求項3に記載の内燃機関の
    排気浄化装置。
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