JP3486589B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3486589B2
JP3486589B2 JP33648299A JP33648299A JP3486589B2 JP 3486589 B2 JP3486589 B2 JP 3486589B2 JP 33648299 A JP33648299 A JP 33648299A JP 33648299 A JP33648299 A JP 33648299A JP 3486589 B2 JP3486589 B2 JP 3486589B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を利
用して転写材上に画像を形成し、ハードコピーを得る、
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真方式を用いた種々の
画像形成装置が提案または実施されてきている。たとえ
ば、感光ドラム上に形成されたトナー像を転写ドラムま
たは転写ベルトに担持搬送される転写材に順次重ねて転
写する方式のものがある。以下、この方式を用いた画像
形成装置について説明する。
【0003】転写ベルトを用いた画像形成装置の画像形
成プロセスを簡単に説明すると、まず、転写ベルトに沿
って設置された1色目の感光ドラムが回転し、その表面
を帯電器によって一様に帯電する。つぎに原稿の1色
目、たとえばマゼンタの画像信号によって変調したレー
ザー光を感光ドラムに照射し、感光ドラム上にマゼンタ
の静電潜像を形成する。その静電潜像をマゼンタ現像器
によって現像して、感光ドラム上に1色目のマゼンタト
ナー像を形成する。
【0004】一方、給紙カセットに収納されている転写
材は、レジストローラ等によって転写ベルトへ搬送され
る。この転写材の搬送と同時に、吸着ローラを転写ベル
トの表面に押し付け、裏面側から吸着帯電器により吸着
帯電して、転写材を転写ベルト上に静電的に吸着する。
この転写ベルトは、感光ドラムと同期して回転してお
り、転写帯電器により感光ドラム上に形成されたマゼン
タトナー像が、転写ベルトに担持された転写材に転写さ
れる。
【0005】つぎに、転写ベルトに沿って設置された2
色目の感光ドラム上に2色目のシアントナー像を形成
し、そのシアントナー像を転写ベルトにより搬送された
転写材にマゼンタトナー像の上から重ね合わせて転写す
る。同様な工程を3色目、4色目のイエローおよびブラ
ックについて繰り返し、転写材上にマゼンタ、シアン、
イエロー、ブラックの4色のトナー像を重ね合わせたフ
ルカラー画像を得る。
【0006】4色のトナー像が転写された転写材は転写
ベルトから分離され、定着器へ搬送される。定着器は、
トナー像と転写材とを定着ローラと加圧ローラにより加
熱および加圧して、各色のトナー像の混色および転写材
への定着を行い、フルカラーのプリント画像が形成さ
れ、画像形成装置の機外に排出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような方式を用いた画像形成装置においては、転写材
へのトナー像転写を繰り返すために、既に転写材に転写
されているトナー像が次色のトナー像の転写工程時に、
感光ドラム上へオフセットしてしまう、再転写と呼ばれ
る現象が起こることがあった。
【0008】たとえば、ブルー画像を形成する場合、ま
ず転写材上にはマゼンタのべた画像を転写し、つづいて
その上にシアンのべた画像を多重転写し、それ以降の転
写工程、たとえばイエロー、ブラックの転写工程時に
は、感光ドラム上の対応する位置には転写すべきトナー
は存在しないという状態になる。この状態で、転写材表
面のトナー像が感光ドラム表面が近接あるいは接触する
と、転写材上のトナー像、この場合は主にシアントナー
像であるが、そのシアントナー像からトナーの一部が感
光ドラム上に再転写されてしまうという現象が生じる。
こうなると、シアントナーが再転写した部分で、シアン
トナー像の濃度が低下し、シアントナー像の下の層のマ
ゼンタトナー像のマゼンタ色が現れ、画質の著しい劣化
を招いてしまう。
【0009】この現象は、温湿度の変化にともないトナ
ーの帯電量が変化したり、転写材の単位面積あたりに保
持可能な電荷量が、転写材の種類や温湿度の変化にとも
ない変化したりすると顕著であった。特に近年、高画質
化のためにトナーの粒径が小さくなることにより、トナ
ー粒子1個当たりの帯電量が小さくなるものの、トナー
像の総電荷量が大きくなる傾向にあり、それにともな
い、ベタ画像を転写するのに要する転写電流もしくは転
写電圧は大きくなってきている。この転写電流、転写電
圧の上昇も、上記の再転写現象に悪影響を及ぼす。
【0010】本発明の目的は、再転写を軽減して安定し
た多重転写を実現し、点状の転写抜け等の転写不良のな
い高品質な画像を得ることができる画像形成装置を提供
することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、
トナー像を転写材に静電的に形成する像形成手段を有す
る画像形成装置において、前記像形成手段により転写材
にトナー像を形成する前に、トナー像が形成される転写
材の面をトナーの正規の帯電極性とは逆極性に予め帯電
する帯電手段と、転写材の搬送方向と実質的に直交する
方向の長さに応じて前記帯電手段に印加する電圧を制御
する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置
である。
【0012】本発明によれば、湿度を検知する湿度検知
手段を有し、前記制御手段は、前記湿度検知手段による
検知結果に応じて前記帯電手段に印加する電圧を制御す
る。もしくは、温度および湿度を検知する温湿度検知手
段を有し、前記制御手段は、前記温湿度検知手段による
検知結果に応じて前記帯電手段に印加する電圧を制御す
る。転写材の種類を判別する判別手段を有し、前記制御
手段は、前記判別手段による検知結果に応じて前記帯電
手段に印加する電圧を制御する。前記帯電手段に接続さ
れる定電流電源を有し、前記制御手段は、転写材の搬送
方向と実質的に直交する方向の長さに応じて前記帯電手
段を流れる電流値を制御する。
【0013】前記像形成手段は、トナー像を担持する像
担持体と、転写材を担持する転写材担持体と、前記像担
持体上のトナー像を前記転写材担持体に担持された転写
材に静電的に転写する転写手段とを有する。前記像担持
体から前記転写材担持体に担持された転写材に複数色の
トナー像が静電的に順次転写される。もしくは、前記像
形成手段は、複数色のトナー像をそれぞれ担持する複数
の像担持体と、転写材を担持する転写材担持体と、前記
複数の像担持体上の複数色のトナー像を前記転写材担持
体に担持された転写材に静電的に順次転写する複数の転
写手段とを有する。
【0014】前記帯電手段は、トナー像が転写される転
写材の面をトナーの正規の帯電極性とは逆極性に帯電す
る第1の帯電部材と、前記第1の帯電部材と対向して設
けられ、トナー像が転写される転写材の面とは反対側を
トナーの正規の帯電極性と同極性に帯電する第2の帯電
部材とを備える。転写材を帯電するとき、前記第2の帯
電部材はトナーの正規の帯電極性と同極性の電圧が印加
され、前記第1の帯電部材は転写材に接触し、かつ電気
的に接地される。転写材を帯電するとき、前記第1の転
写部材は転写材に接触し、前記第2の転写部材は前記転
写材担持体に接触する。
【0015】前記転写手段は前記転写材担持体の転写材
を担持する側とは反対側に設けられ、前記像担持体から
前記転写材担持体に担持された転写材にトナー像を転写
するとき、前記転写手段にはトナーの正規の帯電極性と
は逆極性の電圧が印加される。前記帯電手段は、前記転
写材担持体の転写材を担持する側に設けられ、トナー像
が転写される転写材の面をトナーの正規の帯電極性とは
逆極性に帯電する第1の帯電部材と、前記転写材担持体
を介して前記第1の帯電部材と対向して設けられ、前記
転写材担持体をトナーの正規の帯電極性と同極性に帯電
する第2の帯電部材とを備える。前記像担持体から前記
転写材担持体に担持された転写材にトナー像を転写する
前に、前記帯電手段は転写材を前記転写材担持体に静電
的に吸着する。
【0016】また、本発明は、トナー像を転写材に静電
的に形成する像形成手段を有する画像形成装置におい
て、前記像形成手段により転写材にトナー像を形成する
前に、トナー像が形成される転写材の面をトナーの正規
の帯電極性とは逆極性に予め帯電する帯電手段と、転写
材の搬送方向と実質的に直交する方向の長さに応じて前
記帯電手段により転写材に付与される単位面積当たりの
電荷量を制御する制御手段とを有することを特徴とする
画像形成装置である。
【0017】本発明によれば、湿度を検知する湿度検知
手段を有し、前記制御手段は、前記湿度検知手段による
検知結果に応じて前記帯電手段により転写材に付与され
る単位面積当たりの電荷量を制御する。もしくは、温度
および湿度を検知する温湿度検知手段を有し、前記制御
手段は、前記温湿度検知手段による検知結果に応じて前
記帯電手段により転写材に付与される単位面積当たりの
電荷量を制御する。転写材の種類を判別する判別手段を
有し、前記制御手段は、前記判別手段による検知結果に
応じて前記帯電手段により転写材に付与される単位面積
当たりの電荷量を制御する。前記帯電手段に接続される
定電流電源を有し、前記制御手段は、転写材の搬送方向
と実質的に直交する方向の長さに応じて前記帯電手段を
流れる電流値を制御する。
【0018】前記像形成手段は、トナー像を担持する像
担持体と、転写材を担持する転写材担持体と、前記像担
持体上のトナー像を前記転写材担持体に担持された転写
材に静電的に転写する転写手段とを有する。前記像担持
体から前記転写材担持体に担持された転写材に複数色の
トナー像が静電的に順次転写される。前記像形成手段
は、複数色のトナー像をそれぞれ担持する複数の像担持
体と、転写材を担持する転写材担持体と、前記複数の像
担持体上の複数色のトナー像を前記転写材担持体に担持
された転写材に静電的に順次転写する複数の転写手段と
を有する。
【0019】前記帯電手段は、トナー像が転写される転
写材の面をトナーの正規の帯電極性とは逆極性に帯電す
る第1の帯電部材と、前記第1の帯電部材と対向して設
けられ、トナー像が転写される転写材の面とは反対側を
トナーの正規の帯電極性と同極性に帯電する第2の帯電
部材とを備える。転写材を帯電するとき、前記第2の帯
電部材はトナーの正規の帯電極性と同極性の電圧が印加
され、前記第1の帯電部材は転写材に接触し、かつ電気
的に接地される。転写材を帯電するとき、前記第1の転
写部材は転写材に接触し、前記第2の転写部材は前記転
写材担持体に接触する。
【0020】前記転写手段は前記転写材担持体の転写材
を担持する側とは反対側に設けられ、前記像担持体から
前記転写材担持体に担持された転写材にトナー像を転写
するとき、前記転写手段にはトナーの正規の帯電極性と
は逆極性の電圧が印加される。前記帯電手段は、前記転
写材担持体の転写材を担持する側に設けられ、トナー像
が転写される転写材の面をトナーの正規の帯電極性とは
逆極性に帯電する第1の帯電部材と、前記転写材担持体
を介して前記第1の帯電部材と対向して設けられ、前記
転写材担持体をトナーの正規の帯電極性と同極性に帯電
する第2の帯電部材とを備える。前記像担持体から前記
転写材担持体に担持された転写材にトナー像を転写する
前に、前記帯電手段は転写材を前記転写材担持体に静電
的に吸着する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施例を図面
に則して更に詳しく説明する。
【0022】実施例1 図1は、本発明が適用可能な画像形成装置を示す概略構
成図である。本画像形成装置はカラー複写機を示す。
【0023】図1に示すように、装置内には、第1、第
2、第3、第4の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdが
並設され、各画像形成部Pa〜Pdで、潜像形成、現
像、転写のプロセスを経て各々異なった色のトナー像が
形成される。
【0024】画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、そ
れぞれ専用の像担持体、本例では電子写真感光ドラム3
a、3b、3c、3dを具備し、各感光ドラム3a、3
b、3c、3d上に各色のトナー像が形成される。各感
光ドラム3a、3b、3c、3dに隣接して、記録材担
持体の転写ベルト130が設置され、感光ドラム3a、
3b、3c、3d上に形成された各色のトナー像が、転
写ベルト130上に担持して搬送される記録材P上に重
ね合わせて転写される。
【0025】各色のトナー像が転写された記録材Pは、
定着装置9で加熱および加圧によりトナー像を定着した
後、カラーの記録画像として装置外に排出される。
【0026】各感光ドラム3a、3b、3c、3dの外
周には、それぞれ露光ランプ111a、111b、11
1c、111d、ドラム帯電器2a、2b、2c、2
d、電位センサー113a、113b、113c、11
3d、現像器1a、1b、1c、1d、転写帯電器24
a、24b、24c、24d、およびクリーナ4a、4
b、4c、4dが設けられ、装置の上方にはさらに図示
しない光源装置およびポリゴンミラー117が設置され
ている。
【0027】光源装置から発せられたレーザー光をポリ
ゴンミラー117で回転して走査し、その走査光の光束
を反射ミラーによって偏向し、fθレンズにより各感光
ドラム3a、3b、3c、3dの母線方向に集光して露
光することにより、各感光ドラム3a、3b、3c、3
d上に画像信号に応じた静電潜像が形成される。
【0028】現像器1a、1b、1c、1dには、現像
剤としてそれぞれシアン、マゼンタ、イエロー、ブラッ
クのトナーが、図示しない供給装置により所定量充填さ
れている。現像器1a、1b、1c、1dは、それぞれ
感光ドラム3a、3b、3c、3d上の潜像を現像し
て、シアントナー像、マゼンタトナー像、イエロートナ
ー像、ブラックトナー像として可視化する。
【0029】記録材Pは、記録材カセット10に収容さ
れている。記録材Pはそこから複数の搬送ローラおよび
レジストローラ12を経て転写ベルト130上に供給さ
れ、転写ベルト130による搬送で感光ドラム3a、3
b、3c、3dと対向した転写部に順次送られる。
【0030】転写ベルト130は、誘電体樹脂のシート
からなっており、その両端部を互いに重ね合わせて接合
し、エンドレス形状にしたものか、あるいは継ぎ目を有
しない(シームレス)ベルトが用いられている。
【0031】さて、駆動ローラ13によりこの転写ベル
ト130が回転し、所定の位置にあることが確認される
と、記録材Pがレジストローラ12から転写ベルト13
0に送り出され、第1画像形成部Paの転写部へ向けて
搬送される。これと同時に画像書き出し信号がオンとな
り、それを基準としてあるタイミングで第1画像形成部
Paの感光ドラム3aに対し画像形成を行う。
【0032】そして感光ドラム3aの下側の転写部で転
写帯電器24aが電界または電荷を付与することによ
り、感光ドラム3a上に形成された第1色目のトナー像
が記録材P上に転写される。この転写により記録材Pは
転写ベルト130上に静電吸着力でしっかりと担持さ
れ、第2画像形成部Pb以降に搬送される。
【0033】転写帯電器24(24a〜24d)には、
コロナ放電のような非接触帯電器、または導電性のブレ
ード、ローラ、ブラシのような帯電部材を用いた接触帯
電器を用いる。非接触帯電器では、オゾンが発生するこ
とや、空気を介して帯電するため大気の温湿度環境変動
に弱く、画像が安定して形成されない等の問題がある。
接触帯電器にはこのような問題がなく、オゾンレス、温
湿度環境変動に強い、高画質等のメリットがある。本例
では、転写帯電器24に接触式の帯電器を用いている。
【0034】第2〜第4画像形成部Pb〜Pdでの画像
形成、転写も、第1画像形成部Paと同様に行われる。
ついで4色のトナー像を転写された記録材Pは、転写ベ
ルト130の搬送方向下流部で分離帯電器32により除
電して静電吸着力を減衰させることにより、転写ベルト
130の末端から離脱する。通常、駆動ローラ13は安
定な分離を行うために接地されている。また分離帯電器
32は、トナー像が未定着の状態で記録材Pを除電する
ので、非接触帯電器が用いられている。
【0035】転写ベルト130から離脱した記録材P
は、搬送部62により定着装置9へ搬送される。定着装
置9は、定着ローラ51、加圧ローラ52と、その各々
をクリーニングする耐熱性クリーニング部材54、55
と、ローラ51、52内に設置された加熱ヒータ56、
57と、定着ローラ51にジメチルシリコーンオイル等
の離型剤オイルを塗布する塗布ローラ52と、そのオイ
ル溜め53と、加圧ローラ52の表面の温度を検知して
定着温度を制御するサーミスタ58とから構成されてい
る。
【0036】4色のトナー像を転写された記録材Pは、
定着によりトナー像の混色および記録材Pへの固定が行
われ、フルカラーのコピー画像に形成され、排紙トレイ
63に排出される。
【0037】転写が終了した感光ドラム3a、3b、3
c、3dは、それぞのクリーナ4a、4b、4c、4d
により転写残りトナーをクリーニング、除去され、引き
続きつぎの潜像の形成以下に備えられる。転写ベルト1
30上に残留したトナーおよびその他の異物は、転写ベ
ルト130の表面にクリーニングウエブ(不織布)19
を当接して、拭い取るようにしている。
【0038】本発明において、転写ベルト130の誘電
体シート素材としては、PET、ポリアセタール、ポリ
アミド、ポリビニルアルコール、ポリエーテルケトン、
ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチ
ルペンテン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ポ
リアミドイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオ
キシド、ポリエーテルスルホン、ポリサルフォン、芳香
族ポリエステル、ポリエーテルイミド、芳香族ポリイミ
ドなど、エンジニアリングプラスチックのフィルム形状
シートが一般に使用される。
【0039】本実施例では、転写ベルト130の素材と
して、機械特性、電気的特性および難燃性等の点から、
ポリイミド樹脂を使用した。その体積抵抗率は1016Ω
cm、厚さは100μmで、シームレスタイプである。
【0040】転写ベルト130を駆動する駆動手段と、
転写材の幅を検知する検知手段とを備え、プロセススピ
ードは100mm/秒である。
【0041】接触式の転写帯電器24(24a〜24
d)は、転写材搬送方向に対して直交する方向(スラス
ト方向)に延びる板状導電性ゴムの転写部材を有し、こ
の転写部材は、転写ベルト130を介して感光ドラム3
(3a〜3d)と接触するように押圧されている。この
転写帯電器24により、転写部に搬送された転写材Pの
裏面側からトナーと逆極性(本例ではプラス)の帯電が
なされ、感光ドラム3上のトナー像が転写材Pの表面に
静電転写される。本実施例では、転写帯電器24を定電
流制御し、転写電流を10μAとした。
【0042】分離帯電器32は、転写ベルト130の最
下流上方、すなわち転写ベルト130の駆動ローラ13
の上方に配置され、放電ワイヤーを備えている。放電ワ
イヤーはスラスト方向に張設されており、放電ワイヤー
の片側端部にスプリングを設けることにより、その張力
を保っている。放電ワイヤーへの給電は、装置本体側コ
ネクターより図示しない給電端子、給電ピンおよびスプ
リングを介して行われる。
【0043】また駆動ローラ13は本体アースに接続さ
れ、放電ワイヤーの対向電極の機能を兼ねている。本実
施例では、最終段の画像形成部Pdの転写帯電器24d
と分離帯電部との距離が50mmであり、分離帯電器3
2に10kVppのACを印加した。
【0044】前述したように、図1のような画像形成装
置では、転写材P上にトナー像を重ね合わせて転写を繰
り返す多重転写によりカラー画像を形成するために、既
に転写されているトナー像がつぎの転写行程時に、感光
ドラム1上へ再び転写されてしまう、再転写と呼ばれる
現象を起こすことがあり、表面のトナー層の再転写によ
り濃度が低した部分に下に位置するトナー層の色が現れ
て、画質の著しい劣化を招く。
【0045】本発明者は、上記の再転写について研究お
よび検討を重ねたところ、以下に述べるようなメカニズ
ムで発生することが解明できた。
【0046】上記のような画像形成装置に使用される転
写材(紙)は、保管時の温湿度によってその状態を著し
く変化させる。本発明者の検討により、包装開封直後の
紙と、開封後低湿環境(たとえば23℃、5%RH)で
調湿され、水分が著しく減少した紙との電気的な特性に
大きな違いがあることが明らかとなった。すなわち紙
は、その含有する水分量が減少すると、表裏面に保持で
きる電荷量に限界があることが分かった。
【0047】図2は、転写材表面に外部から与えた面電
荷密度と転写材表面の電位との相関図である。図2にお
いて、グラフCは転写材としてOHT(PETシート
製、厚さ100μm)を用いたときの結果で、OHTで
は、供給された電荷量に対して直線的に表面電位が上が
っており、理想的なコンデンサーとしての役割を果たし
ている。またグラフDは開封直後の紙を用いたときの結
果であり、これも、供給された電荷量に対して傾斜は低
いが、表面電位がCのときと同様、直線的に上がってお
り、理想的である。
【0048】一方、グラフAは、芳賀用紙店NPI上質
紙(坪量128g/m2、厚さ120μm)を、低湿環
境での調湿を模擬するために一度定着器を通して用いた
ときの結果、グラフBは、キヤノン製CLC用両面厚口
用紙(坪量105g/m2、厚さ100μm)を同様に
一度定着器を通して用いたときの結果である。これを見
ると、グラフAの紙は450μC/m2近辺から、グラ
フBの紙は500μC/m2近辺から、それぞれ直線性
を失っており、開封直後の紙(グラフD)あるいはOH
T(グラフC)では見られない傾向である。
【0049】これは、低湿環境で調湿され、紙中の水分
が減少すると、ある値以上の電荷を紙の表面に供給した
ときに、紙中の繊維と繊維との微小な空隙で放電が起こ
って、紙の表裏面の電荷が相殺されるため、それ以上い
くら電荷を供給しても紙の表裏面に電荷を蓄積できず、
表面電位が上がらないのであると思われる。
【0050】上記の画像形成装置においても、このよう
な低湿環境で調湿された紙に画像形成すると、転写工程
を経るうちにある程度以上電荷を供給したときに、紙の
保持電荷量が限界に達して、紙中放電が始まり、紙がト
ナーに対する保持力を急激に失い、従来技術の項で説明
したような点状の画像不良が発生する。
【0051】図2によれば、低湿環境(23℃、5%R
H)で調湿された紙が保持できる最大電荷量は、約50
0μC/m2である。
【0052】ここで、画像形成装置において、単位面積
あたりのトナーの最大乗り量を1色あたり1mg/cm
2、トナー単位重量あたりの電荷量を30μC/gとす
ると、転写工程が1回終了する度に、300μC/m2
のトナー電荷が紙上に付与される。これから、図2のグ
ラフA、Bで示した紙に対して何色分のトナーが転写可
能であるかというと、 300×χ≦500 ∴χ≦1.67 であり、最大でも約1.67色分しか転写できないこと
が分かる。
【0053】一般に、カラー画像形成装置では、シア
ン、マゼンタ、イエローの3色を使用したブラック
(黒)の再現が困難であること、トナー量を節約したい
こと等の理由からUCR(Under Color R
emoval)を採用している。UCRは、具体的に
は、シアン、マゼンタ、イエローの共通部分(黒成分)
をブラックで置き換え、シアン、マゼンタ、イエローか
らその分を差し引くというものである。UCRにより黒
再現性の向上はもちろん、トナー量を大幅に節約するこ
とができる。
【0054】機種にもよるが、通常、最大総量で2色分
前後のトナー量で画像形成が行われる。本実施例でもU
CRを採用しており、最大転写トナーの総量を2色分と
している。しかし、それでも上記の1.67色分を上回
っており、現像状では、含有水分量の顕著に低い紙に転
写を行うと、前述の点状の転写不良が発生してしまう。
つまり、4色の転写を正常に行うには、最大保持電荷量
が少なくとも300×2=600μC/m2を超えてい
る必要があり、含有水分量の顕著に低い紙に転写を行う
と、点状の転写不良が発生する。
【0055】そこで、本発明者の検討により、著しく含
有水分量が減少した転写材、たとえば低湿環境で調湿さ
れた紙、あるいは一度定着器を通った紙に転写する場
合、これらの転写材に転写前に予め転写と逆極性の帯電
を施し、転写材の最大保持電荷量を相対的に増加させて
おけば、上記の点状転写不良の発生を防止でき、良好な
画像を得ることができることが分かった。以下、この方
法について詳述する。
【0056】図2に基づき、転写材の単位面積あたりの
最大保持電荷量Qp(C/m2)を、転写材の種類と転
写材の置かれている環境雰囲気を変数として与える関数
Qp=Qp(s,k)の値とする。ただし、sは転写材
の種類、kは環境雰囲気の絶対水分量(g/空気1k
g)である。たとえば図2のグラフBで示す転写材で
は、Qpは約5×10-4C/m2である。
【0057】また、トナー単位重量あたりの電荷量Qt
を、環境雰囲気を変数として与える関数Qt=Qt
(k)の値とし、UCR上限値をn色とする。本実施例
では、Qt=3×10-2C/kg、n=2色である。さ
らに、転写材に転写されるトナーの単位面積あたりの重
量をM(kg/m2)とする。
【0058】このとき、4色の画像形成後のトナー電荷
量は、M・Qt(k)・n(C/kg)であるので、転
写材の表裏面の単位面積あたりの電荷量は±M・Qt
(k)・nとなる(本実施例では、ネガトナーを使用し
ているので、転写材の表面が負、裏面が正)。
【0059】上記の通り、現状では、 Qp(s,k)<M・Qt(k)・n であり、転写材に供給される電荷量が、転写材の最大保
持電荷量を超えているために、点状の転写不良を発生す
るので、これを防ぐために、転写材に転写に前もって逆
の帯電を行い、転写材の最大保持電荷量を相対的に増加
させる。
【0060】すなわち、転写と逆の帯電の電荷量をQr
(C/m2)として、 Qp(s,k)+Qr≧M・Qt(k)・n の関係を満たすようにすることにより、点状の転写抜け
の発生を防止できる。このときの転写前の逆帯電量は、
Qr=M・Qt(k)・n−Qp(s,k)の関係を満
たせばよいことになる。
【0061】本実施例では、M=10-2kg/m2、Q
t(k)=3×10-2C/kg、n=2で、M・Qt
(k)・n=600μC/m2となり、図2からQp
(s,k)=5×10-4C/m2とすると、 Qr=M・Qt(k)・n−Qp(s,k) =600−500 =100(μC/m2) となる。すなわち、転写前の帯電量を100μC/m2
とすることにより、点状転写不良の発生を防止すること
ができる。
【0062】所望の逆帯電量Qrは以下のようにして決
定する。図3に紙の含有水分量と紙の最大保持できる面
電荷密度の関係を示す。紙の含有水分量は、(株)ケッ
ト科学研究所製赤外水分計KJT100を使用して測定
した。
【0063】図3に示されるように、紙の保持可能な最
大面電荷密度は、紙の含有水分量と強い関係があり、含
有水分量が小さくなるにつれて少なくなっていくことが
分かる。
【0064】図4は、紙の放置される環境の絶対水分量
と紙の含有水分量との関係を示したもので、これから、
放置される環境の絶対水分量が小さくなるほど、紙の含
有水分量も小さくなることが分かる。
【0065】そこで、画像形成装置本体内、しかもでき
るだけ転写材収納カセット10の近傍に、温度および湿
度を測定可能な温湿度センサー20を設け、この温湿度
センサー20により検知された装置内の温度・湿度を用
いて、装置内の絶対水分量を割り出し、それを基に図4
から紙の含有水分量を求める。さらに図3からその紙の
最大保持可能な面電荷量Qp(s,k)を求め、上記の
式から転写前に転写材に与える逆帯電量Qrを求める。
【0066】しかし、たとえば図2のグラフBで示すよ
うな転写材では、転写前の逆帯電を施す場合に限界があ
り、その限界値は、Qp(s,k)と同値で、たとえば
最大で500μC/m2である。したがって、|Qr|
≦Qp(s,k)となり、これより紙の最大保持電荷量
の最大値は、見かけ上、 Qp(s,k)+Qr=2×Qp(s,k) となる。
【0067】本実施例では、転写材の逆帯電を最大限施
すことにより、 300×χ≦2×Qp(s,k)=100 ∴χ≦3.
33 となり、UCRによる総トナー量規制が3.33色まで
ならば、問題なく点状転写抜けを防止できる。
【0068】図5に転写前の逆帯電を実施する際の一例
を示す。第1画像形成部Paの感光ドラム3aと転写ベ
ルト130とで構成される転写部の手前に、導電性ロー
ラ200a、200bからなる逆帯電手段200を設置
し、この一方のたとえば下側のローラ200aを印加ロ
ーラとして、これに定電流制御された高圧電源Eを接続
し、他方の上側のローラ200bを対向ローラとして、
これを接地する。そして転写部に突入する前の転写材P
をローラ200a、200bで挟んで、電源Eからロー
ラ200aにバイアスを印加して、ローラ200bに対
し定電流制御で電流を流すことにより、転写材Pの裏面
に転写時とは逆極性の電荷を付与し、転写材Pを転写に
先立って逆帯電する。
【0069】定電流制御を行うことにより、転写材の紙
種や厚さが変更されたり、転写材の表面の垂直方向の抵
抗が様々に変化するような場合でも、問題なく対応で
き、転写材Pに対し一定の逆帯電電荷を供給できる利点
がある。本実施例において、QrをたとえばQr=10
0μC/m2とするためには、ローラ200aから20
0bに3μAの逆帯電電流を流せばよい。
【0070】しかし、一般にこの種の装置では、使用可
能な最大記録幅(スラスト方向)以下の小サイズの転写
材も使用できるようになっているため、小サイズ紙を通
紙した場合、図6(a)、(b)に示すように、ローラ
200a、200b間に流れる電流は、通紙部の電流i
pよりも非通紙部の電流isが著しく大きくなって、転
写材Pに所要の逆帯電ができない。たとえば幅100m
mのはがき用紙を通紙すると、通紙部と非通紙部との抵
抗値が10:1にもなり、ローラ200a、200b間
に流れる電流のほとんどが非通紙部を流れ、所望量の逆
帯電電荷を紙表面に供給できず、転写時に点状の転写抜
けを発生してしまう。
【0071】そこで、本実施例では、通紙される転写材
の幅(転写材の搬送方向と実質的に直交する方向の長
さ)に応じて逆帯電電流値を変化させることにより(電
源Eが定電圧電源の場合、ローラ200aに印加する電
圧を変化させる)、小サイズの転写材に対しても転写前
の逆帯電の不良を防止し、点状の転写抜けを防ぐ。以
下、詳述する。
【0072】表1は、通紙する転写材の幅wと通紙部/
非通紙部の抵抗比uとの関係を調べた結果である。
【0073】
【表1】 逆帯電量をQr(C/m2)、プロセススピードv(m
/秒)とすると、転写材の逆帯電総量は、1秒で、 Qr・w・v(C) となる。このとき、表1の抵抗比uからローラ200
a、200b間に流れる電流Irを、 Ir=Qr・w・v・(u+1) とすることにより、小サイズの転写材でも、所望の逆帯
電を施すことができる。
【0074】表1は一例を示したものであって、転写材
の体積抵抗率、厚さにより、複数のテーブルを装置内に
記憶させておくことが好ましい。図4から装置の設置環
境から転写材の含有水分量を求められるので、図7に示
すような紙の含有水分量と体積抵抗率の関係から、紙の
体積抵抗率を割り出し、また紙幅を、手差し給紙部ある
いはカセット給紙部等において検知し、これらの数値か
ら必要な通紙部/非通紙部抵抗比uのテーブルを読み込
み、その抵抗比に従ってIrを決定すればよい。
【0075】本実施例のより一層好ましい態様として、
図3、図4、図7および表1に示したような関係式を、
転写材の種類に応じた数だけ装置本体内に記憶させてお
き、画像形成装置の使用に当たり、使用者が転写材の種
類を予め装置本体に入力し、その転写材情報から予め装
置本体内に記憶されている転写材ごとの保持可能な最大
面電荷密度量を割り出してやるようにすれば、さらに好
ましい結果が得られることは明らかである。
【0076】本実施例では、図6(b)に示すように、
転写材Pが搬送方向に対して搬送ベルト130の端を搬
送される場合を想定しているが、図6(a)に示すよう
に、転写材Pが常時スラスト方向中央に規制され、搬送
される場合でもよい。
【0077】転写材の紙幅wの検知は、機械式センサー
や光学式センサーを用いて自動的に判別するほか、操作
者が操作部等から紙幅を入力することにより検知に代え
てもよい。転写材の厚さの検知は、何らかの検知手段を
装置内に設置してもよいし、操作者が転写材厚さを装置
外部から入力してもよい。
【0078】また、以上では転写材担持体として転写ベ
ルトを示したが、転写ドラムであってもよい。像担持体
は、感光ドラムなどの電子写真感光体に限らず、静電記
録における誘電体であってもよい。
【0079】現像器1(1a〜1d)としては、いずれ
の方式の現像方法であってもよい。
【0080】一般に、現像方法は一成分現像法と二成分
現像法に大別され、一成分現像法は、非磁性トナーにつ
いてはブレード等で現像スリーブ上にコーティングし、
磁性トナーについては磁気力によって現像スリーブ上に
コーティングし、現像スリーブの回転により像担持体と
対向した現像部に搬送し、トナーを像担持体と非接触状
態で現像する一成分非接触現像法、像担持体と接触状態
で現像する一成分接触現像法があり、二成分現像法は、
トナー粒子と磁性キャリアを混合した二成分現像剤を使
用し、これを磁気力で現像スリーブ上にコーティング
し、現像スリーブにより現像部に搬送して、現像剤を像
担持体と非接触状態で現像する二成分非接触現像法と、
像担持体と接触状態で現像する二成分接触現像法とがあ
る。画像の高画質化や高安定性の面から、二成分接触現
像法が多く用いられる。
【0081】また、本実施例は、カラーのプリンタ、複
写機の場合を示した、白黒のプリンタ、複写機であって
もよく、またデジタル式でもアナログ式でもよい。
【0082】本発明は、以上のように構成され、図5の
ように、転写部の手前に逆帯電手段としてローラ200
a、200bを設けて、転写材Pが転写部に突入する前
にローラ200a、200bにより挟んで、転写材を転
写時とは逆極性に帯電し、その逆帯電時、逆帯電量Qr
(C/m2)、プロセススピードv(m/秒)、通紙部
と非通紙部の抵抗比u、ローラ200a、200b間に
流れる逆帯電電流Irを、 Ir=Qr・w・v・(u+1) と規定したので、転写前に転写材Pを紙幅によらずに過
不足なく逆帯電することができ、小サイズの転写材に対
しても点状の転写抜けの発生を防止できた。
【0083】実施例2 実施例1では、転写材Pの紙幅に応じて逆帯電電流を制
御し、小サイズ紙においても過不足なく逆帯電が行える
ようにした。しかし、たとえば紙幅が小さく、かつ抵抗
の高い紙を通紙する場合、逆帯電電流量が著しく大きく
なり、それにともなって高圧電源Eの電圧も非常に大き
くなるので、電源の負荷が極端に増大する。また紙幅、
紙種、放置条件、それにともなう通紙部/非通紙部抵抗
比などを装置内に記憶させておくには、相当量のメモリ
ーが必要となり、装置が高価になってしまう。
【0084】そこで、本実施例では、転写前の逆帯電幅
を通紙する転写材の幅に応じて変更できるようにするこ
とにより、所望の逆帯電量を得るのに必要な電流を最小
限にし、紙幅が小さくかつ抵抗の高い転写材でも過剰な
電流を必要とせず、通紙部と非通紙部の抵抗比の装置内
への記憶も必要ないようにでき、メモリーの必要量を減
らすこともできるようにした。
【0085】本実施例では、図5の下のローラ200a
に代えて、図8に示すようなローラ300を用いた。本
ローラ300は、導電性の円筒部材をスラスト方向に切
り欠き量が多くなるように切り欠いて、ローラ300の
スラスト方向の長さを周方向で連続的に変化するように
している。
【0086】このローラ300は、その中心軸301を
図示しない取り付け部に枢着することにより、周方向に
回転可能とされ、中心軸301の一端に取り付けたギヤ
302と、これに歯合した駆動装置304側のギヤ30
3を介して、駆動装置304の正逆転モータにより回転
される。その回転量はCPU305に制御される。
【0087】手差し給紙部あるいはカセット給紙部にお
いて、常時転写材Pの紙幅が検知され、その紙幅情報が
CPU305へ受け渡され、CPU305は、紙幅情報
に従って駆動装置304のモータの回転角を制御し、駆
動装置304のモータが回転してローラ300を所定角
度だけ回転し、ローラ300の転写材Pの紙幅に合った
長さの周面が転写ベルト130に向けられる。
【0088】これにより、転写前の逆帯電に必要な電流
は、紙幅w、逆帯電量Qr、プロセススピードvに関
し、 Ir=Qr・w・v で表される電流値Irで済む。
【0089】最大保持可能電荷量Qpは、実施例1に従
って求めればよい。
【0090】ローラ300は、駆動装置304により通
紙される転写材Pの幅とほぼ同じ長さとなるように、回
転してスラスト長さを規制するが、全く同じ長さにする
必要はなく、多少長くてもよい。
【0091】本実施例では、ローラ300を逆帯電用ロ
ーラの下側のローラとしたが、上側のローラとしてもよ
い。
【0092】以上のように、本実施例では、逆帯電領域
を変更可能としたローラを用いたので、小サイズの転写
材通紙時にも、転写前の逆帯電伝の電流量Irや、画像
形成装置内メモリーの使用量を抑制することができた。
【0093】以上の実施例は、全て転写材上に複数色の
トナー像を多重転写する画像形成装置について述べた
が、単色の画像形成の場合にも、転写材表面を転写時と
は逆極性(トナーの正規の帯電極性とは逆極性)に帯電
することが、転写不良の防止に有効であることはいうま
でもない。
【0094】たとえば白黒画像形成装置において、単位
面積あたりに乗せるトナーの電荷密度が大きくなる場合
には、前述した理由から、転写材を予め転写時とは逆極
性に帯電しておくことにより、見かけ上の転写材の保持
電荷量密度を上げることができ、転写材の保持できない
電荷分のトナーの転写不良を防止できる。
【0095】この転写材を転写時とは逆極性に帯電させ
る手段は、転写材の収納カセットから転写材をピックア
ップするピックアップローラ、カール付けローラ、レジ
ストローラ等の転写手段よりも前工程に組み込んでもい
いし、逆帯電部材を別個に配設しても構わない。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
転写材が転写部に至る前に、転写材に転写と逆極性の電
荷を付与して予め逆極性に帯電したので、再転写を軽減
して安定な多重転写を実現でき、点状の転写抜け等の転
写不良のない高品質なカラー画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略構
成図である。
【図2】転写材に与えられた面電荷密度と転写材の表面
電位の関係を示す図である。
【図3】転写材の含有水分量と転写材に保持可能な最大
面電荷密度との関係を示すグラフである。
【図4】環境の雰囲気の絶対水分量と転写材の含有水分
量の関係を示すグラフである。
【図5】本発明の一実施例における転写前の逆帯電を示
す説明図である。
【図6】図5の逆帯電を行う逆帯電手段のローラ間を流
れる電流の小サイズ紙を通紙したときの様子を示す説明
図である。
【図7】紙の含有水分量と体積抵抗率の関係を示すグラ
フである。
【図8】本発明の他の実施例で用いた逆帯電手段の下ロ
ーラおよびその回転制御系を示す斜視図である。
【符号の説明】
3a〜3d 感光ドラム 12 レジストローラ 20 湿度センサー 24a〜24d 転写帯電器 130 転写ベルト 200a、200b 逆帯電用ローラ 300 下ローラ P 転写材

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー像を転写材に静電的に形成する像
    形成手段を有する画像形成装置において、 前記像形成手段により転写材にトナー像を形成する前
    に、トナー像が形成される転写材の面をトナーの正規の
    帯電極性とは逆極性に予め帯電する帯電手段と、転写材
    の搬送方向と実質的に直交する方向の長さに応じて前記
    帯電手段に印加する電圧を制御する制御手段とを有する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 湿度を検知する湿度検知手段を有し、前
    記制御手段は、前記湿度検知手段による検知結果に応じ
    て前記帯電手段に印加する電圧を制御する請求項1の画
    像形成装置。
  3. 【請求項3】 温度および湿度を検知する温湿度検知手
    段を有し、前記制御手段は、前記温湿度検知手段による
    検知結果に応じて前記帯電手段に印加する電圧を制御す
    る請求項1の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 転写材の種類を判別する判別手段を有
    し、前記制御手段は、前記判別手段による検知結果に応
    じて前記帯電手段に印加する電圧を制御する請求項1〜
    3のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記帯電手段に接続される定電流電源を
    有し、前記制御手段は、転写材の搬送方向と実質的に直
    交する方向の長さに応じて前記帯電手段を流れる電流値
    を制御する請求項1〜4のいずれかの項に記載の画像形
    成装置。
  6. 【請求項6】 前記像形成手段は、トナー像を担持する
    像担持体と、転写材を担持する転写材担持体と、前記像
    担持体上のトナー像を前記転写材担持体に担持された転
    写材に静電的に転写する転写手段とを有する請求項1〜
    5のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記像担持体から前記転写材担持体に担
    持された転写材に複数色のトナー像が静電的に順次転写
    される請求項6の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記像形成手段は、複数色のトナー像を
    それぞれ担持する複数の像担持体と、転写材を担持する
    転写材担持体と、前記複数の像担持体上の複数色のトナ
    ー像を前記転写材担持体に担持された転写材に静電的に
    順次転写する複数の転写手段とを有する請求項1〜5の
    いずれかの項に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記帯電手段は、トナー像が転写される
    転写材の面をトナーの正規の帯電極性とは逆極性に帯電
    する第1の帯電部材と、前記第1の帯電部材と対向して
    設けられ、トナー像が転写される転写材の面とは反対側
    をトナーの正規の帯電極性と同極性に帯電する第2の帯
    電部材とを備える請求項6〜8のいずれかの項に記載の
    画像形成装置。
  10. 【請求項10】 転写材を帯電するとき、前記第2の帯
    電部材はトナーの正規の帯電極性と同極性の電圧が印加
    され、前記第1の帯電部材は転写材に接触し、かつ電気
    的に接地される請求項9の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 転写材を帯電するとき、前記第1の転
    写部材は転写材に接触し、前記第2の転写部材は前記転
    写材担持体に接触する請求項9または10の画像形成装
    置。
  12. 【請求項12】 前記転写手段は前記転写材担持体の転
    写材を担持する側とは反対側に設けられ、前記像担持体
    から前記転写材担持体に担持された転写材にトナー像を
    転写するとき、前記転写手段にはトナーの正規の帯電極
    性とは逆極性の電圧が印加される請求項6〜11のいず
    れかの項に記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記帯電手段は、前記転写材担持体の
    転写材を担持する側に設けられ、トナー像が転写される
    転写材の面をトナーの正規の帯電極性とは逆極性に帯電
    する第1の帯電部材と、前記転写材担持体を介して前記
    第1の帯電部材と対向して設けられ、前記転写材担持体
    をトナーの正規の帯電極性と同極性に帯電する第2の帯
    電部材とを備える請求項9〜11のいずれかの項に記載
    の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記像担持体から前記転写材担持体に
    担持された転写材にトナー像を転写する前に、前記帯電
    手段は転写材を前記転写材担持体に静電的に吸着する請
    求項6〜13のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  15. 【請求項15】 トナー像を転写材に静電的に形成する
    像形成手段を有する画像形成装置において、 前記像形成手段により転写材にトナー像を形成する前
    に、トナー像が形成される転写材の面をトナーの正規の
    帯電極性とは逆極性に予め帯電する帯電手段と、転写材
    の搬送方向と実質的に直交する方向の長さに応じて前記
    帯電手段により転写材に付与される単位面積当たりの電
    荷量を制御する制御手段とを有することを特徴とする画
    像形成装置。
  16. 【請求項16】 湿度を検知する湿度検知手段を有し、
    前記制御手段は、前記湿度検知手段による検知結果に応
    じて前記帯電手段により転写材に付与される単位面積当
    たりの電荷量を制御する請求項15の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 温度および湿度を検知する温湿度検知
    手段を有し、前記制御手段は、前記温湿度検知手段によ
    る検知結果に応じて前記帯電手段により転写材に付与さ
    れる単位面積当たりの電荷量を制御する請求項15の画
    像形成装置。
  18. 【請求項18】 転写材の種類を判別する判別手段を有
    し、前記制御手段は、前記判別手段による検知結果に応
    じて前記帯電手段により転写材に付与される単位面積当
    たりの電荷量を制御する請求項15〜17の画像形成装
    置。
  19. 【請求項19】 前記帯電手段に接続される定電流電源
    を有し、前記制御手段は、転写材の搬送方向と実質的に
    直交する方向の長さに応じて前記帯電手段を流れる電流
    値を制御する請求項15〜18のいずれかの項に記載の
    画像形成装置。
  20. 【請求項20】 前記像形成手段は、トナー像を担持す
    る像担持体と、転写材を担持する転写材担持体と、前記
    像担持体上のトナー像を前記転写材担持体に担持された
    転写材に静電的に転写する転写手段とを有する請求項1
    5〜19のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  21. 【請求項21】 前記像担持体から前記転写材担持体に
    担持された転写材に複数色のトナー像が静電的に順次転
    写される請求項20の画像形成装置。
  22. 【請求項22】 前記像形成手段は、複数色のトナー像
    をそれぞれ担持する複数の像担持体と、転写材を担持す
    る転写材担持体と、前記複数の像担持体上の複数色のト
    ナー像を前記転写材担持体に担持された転写材に静電的
    に順次転写する複数の転写手段とを有する請求項15〜
    19のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  23. 【請求項23】 前記帯電手段は、トナー像が転写され
    る転写材の面をトナーの正規の帯電極性とは逆極性に帯
    電する第1の帯電部材と、前記第1の帯電部材と対向し
    て設けられ、トナー像が転写される転写材の面とは反対
    側をトナーの正規の帯電極性と同極性に帯電する第2の
    帯電部材とを備える請求項20〜22のいずれかの項に
    記載の画像形成装置。
  24. 【請求項24】 転写材を帯電するとき、前記第2の帯
    電部材はトナーの正規の帯電極性と同極性の電圧が印加
    され、前記第1の帯電部材は転写材に接触し、かつ電気
    的に接地される請求項23の画像形成装置。
  25. 【請求項25】 転写材を帯電するとき、前記第1の転
    写部材は転写材に接触し、前記第2の転写部材は前記転
    写材担持体に接触する請求項23または24の画像形成
    装置。
  26. 【請求項26】 前記転写手段は前記転写材担持体の転
    写材を担持する側とは反対側に設けられ、前記像担持体
    から前記転写材担持体に担持された転写材にトナー像を
    転写するとき、前記転写手段にはトナーの正規の帯電極
    性とは逆極性の電圧が印加される請求項20〜25のい
    ずれかの項に記載の画像形成装置。
  27. 【請求項27】 前記帯電手段は、前記転写材担持体の
    転写材を担持する側に設けられ、トナー像が転写される
    転写材の面をトナーの正規の帯電極性とは逆極性に帯電
    する第1の帯電部材と、前記転写材担持体を介して前記
    第1の帯電部材と対向して設けられ、前記転写材担持体
    をトナーの正規の帯電極性と同極性に帯電する第2の帯
    電部材とを備える請求項23〜25のいずれかの項に記
    載の画像形成装置。
  28. 【請求項28】 前記像担持体から前記転写材担持体に
    担持された転写材にトナー像を転写する前に、前記帯電
    手段は転写材を前記転写材担持体に静電的に吸着する請
    求項20〜26のいずれかの項に記載の画像形成装置。
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