JP3486051B2 - 加熱調理器 - Google Patents

加熱調理器

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JP3486051B2
JP3486051B2 JP11506896A JP11506896A JP3486051B2 JP 3486051 B2 JP3486051 B2 JP 3486051B2 JP 11506896 A JP11506896 A JP 11506896A JP 11506896 A JP11506896 A JP 11506896A JP 3486051 B2 JP3486051 B2 JP 3486051B2
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克己 伊藤
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パロマ工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鍋等の調理具に接
してその温度を検出する温度センサの検出温度が所定温
度以上となれば自動的に消火するようにした加熱調理
器、特に調理物が液体を含むものであるか否かを自動的
に判別してそれぞれの消火温度に達すれば自動的に消火
するようにした加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の加熱調理器では、鍋等の調理具
内の調理物の種類を判別して、例えば煮ものでは焦げ付
きを防ぐために水の沸騰温度よりやや高い温度(例えば
130℃)で、油ものでは油が過熱しない程度の高い温
度(例えば250℃)で、炒めものではそれよりも高い
温度(例えば310℃)で消火する必要がある。このよ
うな判別方法としては、飽和温度が検出されるか否かに
より調理物に水分が含まれている煮ものとそうでない油
ものとを判別する方法(例えば特開平3−236518
号)や、調理物全体の熱容量の差に基づく検出温度上昇
速度の違いにより熱容量の大きいてんぷら揚げのような
油ものと熱容量の小さい炒めものとを判別する方法など
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した第1の方法で
は、油ものと炒めものを判別することはできない。また
第2の方法の場合も、例えば200CC程度の少量の油を
用いた油もの(例えば餃子などの冷凍食品の炒め揚げな
ど。以下単に少量油ものという)と炒めものとでは、検
出温度上昇速度の差が小さくなるので判別が困難にな
り、場合によっては判別を誤ることがある。このような
要因としては例えば鍋の材質の違いによる熱伝導性の差
があり、アルミ鍋を用いた少量油ものの場合は鉄鍋を用
いたウインナー炒めの場合よりも往々にして検出温度上
昇速度が大となるので、調理物の判別を誤ることがあ
る。
【0004】炒めものでも野菜炒め、オムレツ、ハンバ
ーグ等の調理時に水分が出てくるものの場合には水分が
蒸発するまでは温度上昇が押さえられるので油ものの消
火温度で消火しても調理に差し支えはないが、ウインナ
ー炒め、焼き餃子、炒り豆等の空焼きに近い炒めもので
は温度センサの検出温度がすぐに300℃程度までにな
るので、調理物の判断を誤って油ものの消火温度(例え
ば250℃)が設定されている場合には、調理途中で消
火してしまうという不都合がある。
【0005】本発明はこのような問題を解決してウイン
ナー炒めなどの液体を含まない調理物と少量油もののよ
うな少量の液体を含む調理物との判別の精度を向上させ
て、それぞれに応じた適切な消火温度に達したときに自
動的に消火させるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による加熱調理器
は、図1の全体構成図に示すように、鍋等の調理具に接
してその温度を検出する温度センサの検出温度の挙動に
基づいて調理具内の調理物の種類を判別する調理物判断
手段と、温度センサの検出温度が調理物判断手段により
判別された調理物の種類に適した各消火温度に達したと
きに加熱手段の作動を停止する加熱停止手段を備えたも
のであり、この加熱停止手段は、調理物判断手段が調理
物は液体を含むものであると判断したときはそれに適し
た比較的低い所定の第1消火温度に検出温度が達したと
きに加熱手段の作動を停止し、調理物は液体を含むもの
でないと判断したときはそれに適した比較的高い第2消
火温度に検出温度が達したときに加熱手段の作動を停止
するものとし、更に、検出温度が第1消火温度よりも低
い所定の第1設定温度を越えれば加熱手段の火力を所定
の弱火にすると共に同検出温度が第1設定温度よりも高
く第1消火温度よりも低い所定の第2設定温度に達すれ
ば加熱手段の火力をもとに戻す火力変更手段を備えてい
る。調理物判断手段は前記第2設定温度とこの第2設定
温度よりも高く第1消火温度よりも低い所定の第3設定
温度との間の範囲を含む所定範囲における検出温度の挙
動に基づいて調理物が液体を含むものであるか否かを判
別する。
【0007】温度センサの検出温度が第1設定温度に達
するまでは加熱手段の火力は調理に必要な強火である
が、検出温度が第1設定温度を越えれば火力変更手段は
加熱手段の火力を所定の弱火とし、第2設定温度を越え
れば再びもとの強火に戻す。この火力の変更による第2
設定温度と第3設定温度との間を含む温度範囲における
検出温度の挙動に基づいて調理物判断手段は調理物が液
体を含むものであるか否かを判別するものである。第2
設定温度から第3設定温度までの温度範囲では検出温度
の挙動は火力の変更による影響を受けるが、少量であっ
ても液体を含む調理物の場合は弱火になるときは対流に
より調理物内の温度が均一化されると共に対流が弱ま
り、強火に戻るときには再び対流が強まって調理物内に
温度差が生じるのに時間がかかるので温度センサの検出
温度の変化の遅れが大きくなる。これに対し液体を含ま
ない調理物の場合はこのような対流の変化による影響が
なく、温度センサの検出温度の遅れは小さくなる。従っ
て、第2設定温度と第3設定温度との間の温度範囲にお
いては、温度センサの検出温度の挙動は、調理物が液体
を含むものであるか否かによって相違が大となる。
【0008】調理物判断手段は、温度センサによる検出
温度が第1設定温度または第2設定温度から第3設定温
度に達するまで間の時間またはその間における同検出温
度の平均温度上昇勾配に基づいて調理物が液体を含むも
のであるか否かを判別することが好ましい。前述のよう
に、第2設定温度から第3設定温度までの間は、前述し
た加熱手段の火力の変更の影響をもっとも大きく受ける
ので、その間の時間及び平均温度上昇勾配は、調理物が
液体を含むものであるか否かとで大きな差を生じる。調
理物判断手段は、温度センサの検出温度が第1設定温度
または第2設定温度から第3設定温度に達するまでの間
の時間が大きければ、またはその間における同検出温度
の平均温度上昇勾配が小さければ、調理物が液体を含む
ものであると判断し、逆であれば液体を含まないものと
判断する。
【0009】温度センサの検出温度Hが第1設定温度に
達するまでの温度上昇勾配が予め設定された所定の勾配
より小さいときには、火力変更手段は第1設定温度を越
えても加熱手段の火力を弱火とすることなく、かつ加熱
停止手段は検出温度が第1消火温度に達したときに加熱
手段の作動を停止することが好ましい。このようにすれ
ば、多量の液体を含む調理物を加熱する際には加熱手段
の火力が弱火となることがない。
【0010】また、加熱手段の火力が弱火にされた後で
検出温度が第2設定温度に達する前に、検出温度が第1
設定温度に達した時点からの経過時間が予め設定された
所定時間を越えれば、火力変更手段は直ちに加熱手段の
火力をもとに戻し、かつ加熱停止手段は検出温度が第1
消火温度に達したときに加熱手段の作動を停止すること
が好ましい。このようにすれば、中程度の量の液体を含
む調理物を加熱する際には弱火となる期間が前述の所定
時間より長くなることはない。
【0011】調理物判断手段は、検出温度が第2設定温
度から第3設定温度に達する間の時間または平均温度上
昇勾配と、同検出温度が第1設定温度から第2設定温度
に達する間の時間または平均温度上昇勾配の積に基づい
て、調理物が液体を含むものであるか否かを判別するよ
うにしてもよい。前述のように第2設定温度から第3設
定温度までの温度範囲では少量であっても液体を含む調
理物の場合と液体を含まない調理物の場合とで、温度セ
ンサの検出温度の挙動に相違があるのと同じ理由でこの
温度範囲では時間または平均温度上昇勾配の差が大きく
なり、また第1設定温度から第2設定温度に達する間の
時間または平均温度上昇勾配にも程度の差はあれ同様な
傾向があるので、この積も調理物が液体を含むものであ
るか否かによって相違が大となる。
【0012】このような本発明は、液体を含む調理物は
油ものであり、液体を含まない調理物は炒めものである
場合に適用するのが好ましい。
【0013】また本発明は、加熱手段の中央部に上下方
向に貫通する開口を形成し、温度センサは隙間をおいて
この開口内を通って上方に延びる支持部材の上端に設け
て調理具の底部中央に接するようにすることが好まし
い。このようにすれば、弱火にした場合には開口と支持
部材の間の隙間を通って上昇する空気が減少するので弱
火にした割には温度センサ付近の加熱は弱まらず、強火
にした場合には上記隙間を通って上昇する空気により温
度センサ付近の熱が奪われて温度上昇が緩やかになるの
で、温度センサによる検出温度は火力の変更よりも遅れ
る。従って、第2設定温度と第3設定温度との間におけ
る検出温度の挙動は、他の温度範囲よりも加熱手段の火
力の変更による影響を受け易くなるので、調理物が液体
を含むものであるか否かによる相違は一層大となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に図2〜図5に示す実施の形
態により本発明の説明をする。図2は本発明による加熱
調理器をテーブルこんろに適用した場合の要部の断面図
である。バーナ本体11とバーナヘッド12よりなるガ
スバーナ(加熱手段)10は器枠(一部を符号13で示
す)に固定され、その上には鍋のような調理具15が五
徳(図示省略)を介して載せられる。ガスバーナ10の
中央部には上下方向に貫通する開口10aが形成され、
この開口10aと同軸的に設けられた支持部材14は、
器枠13に固定された固定筒14aと、これに上下方向
摺動可能に支持された可動筒14bより、支持部材14
と開口10aの間には空気の流通が可能な隙間が形成さ
れている。可動筒14bの上端にはサーミスタ等を用い
た温度センサ35が設けられ、図示のように可動筒14
bが上昇した状態においてこの温度センサ35は、鍋1
5の底面中央部にスプリングにより弾性的に押し付けら
れる。器枠13には点火栓36と熱電対やフレームロッ
ド等の炎センサ37が固定されている。
【0015】ガス弁装置の弁ケーシング20は器枠13
に固定され、ガス入口20aからの燃料ガスは、安全電
磁弁25、操作つまみ24により回転されるコック2
1、ならびに並列接続された火力切換電磁弁27及びオ
リフィス28を介してガスバーナ10に供給される。閉
状態から操作つまみ24を回転すれば先ずマイクロスイ
ッチ26が作動し、操作つまみ24の回転につれてコッ
ク21の開度が増大し、最後にカム装置22を介して弁
桿23を移動させて通常はスプリングにより閉じられて
いる安全電磁弁25の弁体25aを押し開き、またこれ
と連動して可動筒14bが上昇するようになっている。
火力切換電磁弁27の弁体27aは、テーブルこんろの
の作動中、通常は開いている。
【0016】バーナコントローラ30は、周知の論理演
算回路を構成する中央処理装置(CPU)31、読出し
専用メモリ(ROM)32、書込み可能メモリ(RA
M)33及びインターフェイス34を主要な構成要素と
し、ROM32には後述する自動燃焼制御のための制御
プログラム及び各種の固定常数が記憶され、RAM33
には後述のように温度センサ35の検出温度等及び演算
処理中のデータ等が記憶される。自動燃焼制御のための
制御プログラムは、後述するようにガスバーナ10の火
力を自動的に変更し、温度センサ35の検出温度に基づ
いて調理具15内の調理物が油ものか炒めものかを自動
的に判別し、また温度センサ35の検出温度が調理物に
応じた所定の消火温度に達すればガスバーナ10の作動
を停止させるプログラムを含んでいる。インターフェイ
ス34は温度センサ35等からの入力信号をCPU31
において演算可能な信号に変換し、またCPU31から
の出力信号を安全電磁弁25等を駆動可能な出力信号に
変換するものであり、このインターフェイス34を介し
て、安全電磁弁25、マイクロスイッチ26、火力切換
電磁弁27、温度センサ35、点火栓36及び炎センサ
37はCPU31に接続されている。
【0017】この実施の形態と各請求項との対比におい
て、調理物判断手段1、加熱停止手段2及び火力変更手
段3はこのような制御プログラムを含むバーナコントロ
ーラ30の一部により構成されており、調理物判断手段
1及び加熱停止手段2を除く各構成は従来技術のものと
実質的に相違はない。調理物に対応する各消火温度は、
予め一定の値に定められたものでもよいし、検出温度の
挙動などに基づいて演算したものでもよい。
【0018】次に上記実施例の作動の説明をする。先ず
手動により操作つまみ24を回転すればマイクロスイッ
チ26が作動してバーナコントローラ30の電源をオン
にすると共に可動筒14bが上昇して温度センサ35が
鍋15の底面中央部に押圧され、更に回転すればコック
21の開度が増大し、最後に弁桿23に押されて安全電
磁弁25の弁体25aが開き、ガスバーナ10に燃料ガ
スが供給される。火力切換電磁弁27は、バーナコント
ローラ30の電源オンと同時に開となる。これと同時に
点火装置(図示省略)が作動して点火栓36が火花を発
生し、ガスバーナ10から噴出するガスに点火し、調理
物を入れた鍋15を加熱する炎を生じる。この炎を炎セ
ンサ37が検知すれば、バーナコントローラ30は点火
装置の作動を停止すると共に安全電磁弁25に電流を供
給する。この状態で手を離せば操作つまみ24は弾性的
に少し戻って弁桿23は弁体25aから離れるが、弁体
25aは安全電磁弁25への電流により開状態に保持さ
れたままであり、ガスバーナ10は作動を続行する。こ
の状態で操作つまみ24によりコック21の開度を調整
して、ガスバーナ10が調理に適した火力となるように
調整する。
【0019】図3は自動燃焼制御のための制御プログラ
ムを示すフローチャートであり、これと図4及び図5に
示す作動説明図により、バーナコントローラ30が実行
する自動燃焼制御処理の説明をする。バーナコントロー
ラ30の電源がオンになれば、CPU31はRAM33
内の各データを0または所定の初期値にリセットしてガ
スバーナ10は作動を開始させ、調理物の入った鍋15
の加熱を開始する。この状態では火力切換電磁弁27の
弁体27aは開いており、使用者は先ず操作つまみ24
を手動により調整してガスバーナ10を調理に適した強
火となるように調整し、バーナコントローラ30は図3
に示す自動燃焼制御の作動を開始する。この加熱により
鍋15の底面中央部に当てられた温度センサ35の検出
温度Hは、鍋15内の調理物がウインナー炒め、焼き餃
子、炒り豆のような空焼きに近い炒めもの(液体を含ま
ない調理物)であるか、炒め揚げのような200CC程度
の少量油もの(少量の液体を含む調理物)であるか、て
んぷら揚げのような多量油もの(多量の液体を含む調理
物)であるかによって、図4の特性a,b,cに示すよ
うに上昇する。
【0020】バーナコントローラ30のCPU31は、
先ず図3のフローチャートのステップ100で、温度セ
ンサ35の検出温度Hが所定温度H0(160℃)から
次に述べる第1消火温度Hn1よりも低い第1設定温度H
1(180℃)に上昇する時間を計測し、この時間が3
0秒未満のときは制御動作をステップ105に進め、3
0秒以上のときはステップ121に進める。多量油もの
の場合は図4の特性cに示すように温度上昇速度が遅
く、この時間が長くなって30秒以上となるので、制御
動作はステップ121に進み、消火温度として油ものに
適した第1消火温度Hn1(250℃)が選択される。こ
の場合は、ガスバーナ10による加熱が続けられて温度
センサ35の検出温度Hが第1消火温度Hn1を越えれ
ば、制御動作はステップ122に進み、CPU31は安
全電磁弁25を閉じてガスバーナ10は消火される。こ
の多量油ものの場合は、少量油ものと炒めもの判別のた
めに行うガスバーナ10の火力の弱火への変更(ステッ
プ106参照)はなされないので、弱火にすることによ
る温度上昇の遅れはなくなる。
【0021】制御動作がステップ105に進んだ場合
は、検出温度Hが第1設定温度H1を越えれば、CPU
31はステップ106で火力切換電磁弁27の弁体27
aを閉じオリフィス28によるガス供給量にしてガスバ
ーナ10の火力を最小に近い所定の弱火とし、次のステ
ップ110に制御動作を進める。なおこの実施の形態で
はステップ100の終了時点の検出温度Hとステップ1
05の比較基準温度(第1設定温度H1)が同一である
ので、ステップ105での停止時間は実質的に0であ
る。しかしながら、ステップ105の比較基準温度をス
テップ100の終了時点の検出温度Hよりも多少高く
し、ステップ105での停止時間を与えて、弱火にする
時点を多少遅らせてもよい。また、この実施の形態の弱
火はオリフィス28による一定値であるが、それまでの
温度センサ35の検出温度Hの挙動に基づいて演算した
値を用いてもよい。
【0022】ステップ110では、検出温度Hが第1設
定温度H1よりも高く第1消火温度Hn1よりも低い第2
設定温度H2(220℃)に達するまではステップ11
1との間をループを描いて往復する。多量油ものと少量
油ものの中間のような場合には、検出温度Hの温度上昇
特性は図4の特性bとcの中間となり検出温度Hの上昇
速度が比較的遅いので、検出温度Hが第2設定温度H2
に達する前に弱火にしてから30秒が経過する。従っ
て、CPU31は制御動作をステップ111からステッ
プ112に進め火力切換電磁弁27の弁体27aを開い
てガスバーナ10の火力をもとの強火に戻し、更にステ
ップ121に進めて消火温度として油ものに適した第1
消火温度Hn1を選択する。そしてガスバーナ10による
加熱が続けられて温度センサ35の検出温度Hが第1消
火温度Hn1を越えれば、制御動作はステップ122に進
み、CPU31は安全電磁弁25を閉じてガスバーナ1
0は消火される。この場合は、ガスバーナ10の火力が
弱火に変更されている期間が30秒以上になることはな
いので、弱火にすることによる温度上昇の遅れは制限さ
れる。
【0023】ステップ106で弱火にしてから30秒を
経過する前に検出温度Hが第2設定温度H2に達すれ
ば、CPU31は制御動作をステップ110からステッ
プ115に進めてステップ112の場合と同様にガスバ
ーナ10の火力をもとの強火に戻し、ステップ120で
検出温度が第1設定温度H1になった時点(ステップ1
06でガスバーナ10を弱火にした時点)から第2設定
温度H2よりも高く第1消火温度Hn1よりも低い第3設
定温度H3(230℃)に上昇するまでの時間を計測す
る。そしてCPU31は、この時間が50秒未満のとき
は制御動作をステップ125に進め、30秒以上のとき
はステップ121に進める。この場合は、ガスバーナ1
0の火力が弱火に変更されている期間は30秒未満であ
るので、弱火にすることによる温度上昇の遅れは一層少
なくなる。
【0024】後に詳述するように、ステップ106とス
テップ115の間でガスバーナ10の火力を弱火にした
影響により、第2設定温度H2から第3設定温度H3に
達するまでの間の検出温度Hの上昇速度は、図4の特性
a,bに示すように低下し、その低下の割合は炒めもの
の場合(特性a)よりも少量油ものの場合(特性b)の
方が大である。ステップ120での計測時間はこの弱火
にした影響を受ける範囲を含むので、炒めものの場合の
時間T1は50秒未満となり、少量油ものの場合の時間
T2は50秒を越えるものとなる。すなわち、CPU3
1はステップ120において、少量油ものの場合は制御
動作をステップ121に進めて油ものに適した第1消火
温度Hn1を選択し、炒めものの場合はステップ125に
進めて炒めものに適した第2消火温度Hn2(310℃)
を選択する。少量油ものの場合は、ガスバーナ10によ
る加熱が続けられて温度センサ35の検出温度Hが第1
消火温度Hn1を越えれば、制御動作はステップ122に
進み、CPU31は安全電磁弁25を閉じてガスバーナ
10を消火する。これに対し炒めものの場合は、温度セ
ンサ35の検出温度Hが第2消火温度Hn2を越えたとき
に、制御動作がステップ126に進んでガスバーナ10
を消火する。
【0025】次に少量油ものの場合と炒めものの場合に
おける、温度センサ35の検出温度Hの挙動及びその背
景につき説明する。 a.200CC程度の少量油ものの場合(図5(a) 参照) 強火ではガスバーナ10の炎は鍋15の底面の外側に向
かって流れているので、鍋15内の端部の調理物温度
(油温)L1は中央部の調理物温度(油温)L2に比し
てかなり高くなっており、中央部の鍋底温度Pは中央部
の調理物温度L2に近く、温度センサ35の検出温度H
は鍋底温度Pと同様な傾向でそれよりやや低くなってい
る。第1設定温度H1において火力を強火から弱火に絞
っても、油の対流により端部の調理物温度L1と中央部
の調理物温度L2が均一化するまでは中央部の調理物温
度L2と鍋底温度Pは温度上昇勾配がそれほど減少する
ことなく上昇する。これに加えて弱火にすることにより
ガスバーナ10の炎が鍋15の底面中央に寄ってくるの
で、弱火にした割には温度センサ35付近のガスバーナ
10による加熱は弱まらない。従って温度センサ35の
検出温度Hは第1設定温度H1を越えて上昇する。
【0026】第2設定温度H2において火力を強火に戻
せば、ガスバーナ10の炎は外側に流れるので端部の調
理物温度L1が急激に上昇するが、中央部の調理物温度
L2の上昇は最初は比較的緩やかであり、端部の調理物
温度L1が高くなって油の対流が充分に行われるように
なってから上昇速度が高まり、中央部の鍋底温度Pも調
理物温度L2と同様に遅れて上昇する。これに加えて、
強火にすることにより炎が外側に流れると同時にガスバ
ーナ10中央の開口10aと支持部材14の間の隙間を
通って上昇する空気量が増えて温度センサ35付近の熱
が奪われるので、温度センサ35の検出温度Hは相当に
遅れて上昇を開始する。鍋15の底面周囲部はかなり加
熱されるが、鍋15の内面はどこも油と接触しているの
で、鍋15自体による中央部への伝熱は油により吸収さ
れ、中央部の鍋底温度Pが中央部の調理物温度L2に比
して特に高くなることはない。
【0027】b.炒めものの場合(図5(b) 参照) 少量油ものの場合と同様、強火では鍋15内の端部の調
理物温度L1は中央部の調理物温度L2に比してかなり
高くなっているが、油の対流による温度の均一化がない
ので、その程度は少量油ものの場合よりも大きい。この
場合も、中央部の鍋底温度Pは中央部の調理物温度L2
に近く、温度センサ35の検出温度Hは鍋底温度Pと同
様な傾向でそれよりやや低くなっている。第1設定温度
H1において火力を強火から弱火に絞れば、端部の鍋底
温度と調理物温度L1の上昇速度は低下するが、弱火に
することによりガスバーナ10の炎が鍋15の底面中央
に寄ってくる作用は少量油ものの場合と同じなので、温
度センサ35の検出温度Hは第1設定温度H1を越えて
上昇する上昇するが、油の対流により端部と中央部の均
一化作用はないので、その程度は少量油ものの場合に比
してかなり小さい。
【0028】第2設定温度H2において火力を強火に戻
せば、ガスバーナ10の炎は外側に流れるので端部の鍋
底温度及び調理物温度L1が急激に上昇し、鍋15自体
の伝熱により中央部の鍋底温度Pも多少の遅れで上昇を
開始する。従って、ガスバーナ10中央の開口10aと
支持部材14の間の隙間を通って上昇する空気による影
響はあるが、温度センサ35の検出温度Hは比較的少な
い遅れで上昇を開始する。
【0029】上述のように、本発明では検出温度Hが第
1設定温度H1から第2設定温度H2に達するまでの
間、ガスバーナ10の火力を弱火にする変更を行ってい
るので、第2設定温度H2から第3設定温度H3までの
温度範囲では検出温度の挙動は火力の変更による影響を
受けるが、少量であっても液体を含む調理物と液体を含
まない調理物とでは対流の有無により、温度センサ35
の検出温度の変化の遅れに大きな差を生じる。これによ
り、含まれる液体が少量の場合であっても液体を含む調
理物と液体を含まない調理物の判別を確実に行うことが
できる。
【0030】上記実施の形態では、図3のステップ12
0において温度センサ35の検出温度Hが第1設定温度
H1から第3設定温度H3に達するまでの時間、すなわ
ち図4の時間T1または時間T2を検出して炒めもので
あるか少量油ものであるかを判断しているが、第2設定
温度H2 から第3設定温度H3に達するまでの時間、
すなわち図4の時間T3または時間T3を検出してその
ような判断をするようにしてもよい。あるいは、これら
の時間の逆数に比例する平均温度上昇勾配によりそのよ
うな判断をするようにしてもよい。更には、温度センサ
35の検出温度Hが第2設定温度H2から第3設定温度
H3に達する間の時間または平均温度上昇勾配と、同検
出温度が第1設定温度H1から第2設定温度H2に達す
る間の時間または平均温度上昇勾配の積に基づいて、そ
のような判断をするようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】上述のように、第2設定温度と第3設定
温度との間の温度範囲においては、温度センサの検出温
度の挙動は、調理物が液体を含むものであるか否かによ
って相違が大となるので、この温度範囲を含む所定範囲
の検出温度の挙動に基づき調理物が液体を含むものであ
るか否かの判別を行う本発明によれば、含まれる液体が
少量の場合であっても液体を含む調理物と液体を含まな
い調理物の判別を確実に行うことができる。
【0032】温度センサによる検出温度が第1設定温度
または第2設定温度から第3設定温度に達するまで間の
時間またはその間における同検出温度の平均温度上昇勾
配に基づいて調理物が液体を含むものであるか否かを判
別するようにすれば、上述のような効果に加えて、判別
のための演算が容易になる。
【0033】温度センサの検出温度Hが第1設定温度に
達するまでの温度上昇勾配が予め設定された所定の勾配
より小さいときには、火力変更手段は第1設定温度を越
えても加熱手段の火力を弱火とすることなく、かつ加熱
停止手段は検出温度が第1消火温度に達したときに加熱
手段の作動を停止するようにすれば、多量の液体を含む
調理物を加熱する際には加熱手段の火力が弱火となるこ
とがないので、弱火にすることによる温度上昇の遅れが
なくなる。
【0034】また、加熱手段の火力が弱火にされた後で
検出温度が第2設定温度に達する前に、検出温度が第1
設定温度に達した時点からの経過時間が予め設定された
所定時間を越えれば、火力変更手段は直ちに加熱手段の
火力をもとに戻し、かつ加熱停止手段は検出温度が第1
消火温度に達したときに加熱手段の作動を停止するよう
にすれば、中程度の量の液体を含む調理物を加熱する際
には弱火となる期間が前述の所定時間より長くなること
はないので、弱火にすることによる温度上昇の遅れを少
なくすることができる。
【0035】検出温度が第2設定温度から第3設定温度
に達する間の時間または平均温度上昇勾配と、同検出温
度が第1設定温度から第2設定温度に達する間の時間ま
たは平均温度上昇勾配の積に基づいて、調理物が液体を
含むものであるか否かを判別するようにすれば、この積
も調理物が液体を含むものであるか否かによって相違が
大となるので、含まれる液体が少量の場合であっても液
体を含む調理物と液体を含まない調理物の判別を確実に
行うことができる。
【0036】本発明は、液体を含む調理物は油ものであ
り、液体を含まない調理物は炒めものである場合に好適
である。
【0037】加熱手段の中央部に上下方向に貫通する開
口を形成し、この開口内を通って上方に延びる支持部材
の上端に設けた温度センサを調理具の底部中央に接する
ようにしたものによれば、第2設定温度と第3設定温度
との間における検出温度の挙動は他の温度範囲よりも加
熱手段の火力の変更による影響を受け易くなって、調理
物が液体を含むものであるか否かによる相違は一層大と
なるので、調理物が液体を含むものであるか否かの判別
を一層確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による加熱調理器の全体構成図であ
る。
【図2】 本発明による加熱調理器の一実施形態の主要
部を示す図である。
【図3】 図2に示す実施形態の制御プログラムを示す
フローチャートである。
【図4】 図2に示す実施形態の全体的作動説明図であ
る。
【図5】 図2に示す実施形態の部分的作動説明図であ
る。
【符号の説明】
1…調理物判断手段、2…加熱停止手段、3…火力変更
手段、10…加熱手段(ガスバーナ)、10a…開口、
14…支持部材、15…調理具(鍋)、35…温度セン
サ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23N 5/02 350 F23N 5/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱手段により加熱される鍋等の調理具
    に接してその温度を検出する温度センサと、この温度セ
    ンサの検出温度の挙動に基づいて調理具内の調理物の種
    類を判別する調理物判断手段と、前記検出温度が前記調
    理物判断手段により判別された調理物の種類に適した各
    消火温度に達したときに前記加熱手段の作動を停止する
    加熱停止手段を備えてなる加熱調理器において、 前記加熱停止手段は、前記調理物判断手段が前記調理物
    は液体を含むものであると判断したときはそれに適した
    比較的低い所定の第1消火温度に前記検出温度が達した
    ときに前記加熱手段の作動を停止し、前記調理物は液体
    を含むものでないと判断したときはそれに適した比較的
    高い第2消火温度に前記検出温度が達したときに前記加
    熱手段の作動を停止するものとし、 前記検出温度が前記第1消火温度よりも低い所定の第1
    設定温度を越えれば前記加熱手段の火力を所定の弱火に
    すると共に同検出温度が前記第1設定温度よりも高く前
    記第1消火温度よりも低い所定の第2設定温度に達すれ
    ば前記加熱手段の火力をもとに戻す火力変更手段を備
    え、 前記調理物判断手段は前記第2設定温度とこの第2設定
    温度よりも高く前記第1消火温度よりも低い所定の第3
    設定温度との間の範囲を含む所定範囲における前記検出
    温度の挙動に基づいて調理物が液体を含むものであるか
    否かを判別することを特徴とする加熱調理器。
  2. 【請求項2】 前記調理物判断手段は前記検出温度が前
    記第2設定温度から第3設定温度に達するまで間の時間
    またはその間における同検出温度の平均温度上昇勾配に
    基づいて調理物が液体を含むものであるか否かを判別す
    ることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 【請求項3】 前記検出温度が前記第1設定温度に達す
    るまでの温度上昇勾配が予め設定された所定の勾配より
    小さいときには、前記火力変更手段は前記第1設定温度
    を越えても前記加熱手段の火力を弱火とすることなく、
    かつ前記加熱停止手は前記検出温度が前記第1消火温度
    に達したときに前記加熱手段の作動を停止することを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の加熱調理器。
  4. 【請求項4】 前記加熱手段の火力が弱火にされた後で
    前記検出温度が前記第2設定温度に達する前に、前記検
    出温度が前記第1設定温度に達した時点からの経過時間
    が予め設定された所定時間を越えたときは、前記火力変
    更手段は直ちに前記加熱手段の火力をもとに戻し、かつ
    前記加熱停止手段2は前記検出温度が前記第1消火温度
    に達したときに前記加熱手段の作動を停止することを特
    徴とする請求項1〜請求項3のい何れか1項に記載の加
    熱調理器。
  5. 【請求項5】 前記調理物判断手段は、前記検出温度が
    前記第2設定温度から第3設定温度に達する間の時間ま
    たは平均温度上昇勾配と、同検出温度が前記第1設定温
    度から第2設定温度に達する間の時間または平均温度上
    昇勾配の積に基づいて、調理物が液体を含むものである
    か否かを判別することを特徴とする請求項1〜請求項4
    の何れか1項に記載の加熱調理器。
  6. 【請求項6】 液体を含む前記調理物は油ものであり、
    液体を含まない前記調理物は炒めものである請求項1〜
    請求項5の何れか1項に記載の加熱調理器。
  7. 【請求項7】 前記加熱手段の中央部には上下方向に貫
    通する開口が形成され、前記温度センサは隙間をおいて
    前記開口内を通って上方に延びる支持部材の上端に設け
    られて前記調理具の底部中央に接していることを特徴と
    する請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の加熱調理
    器。
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