JP3486012B2 - ポリイミドシロキサンブロック共重合体、それを含むワニスおよびその使用方法 - Google Patents

ポリイミドシロキサンブロック共重合体、それを含むワニスおよびその使用方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規ポリイミドシロキ
サンブロック共重合体、それを含む被膜形成用ワニスお
よびそれを用いる使用方法に関する。さらに詳しくは、
本発明は、耐熱湿性と加工性が重視される電気電子部品
や工業部品の分野で有用性が発揮される樹脂であり、耐
熱性、接着性、耐摩耗性に優れており、電気絶縁材料、
各種成形材料、被覆材料、含浸材料等として有用な樹脂
である新規ポリイミドシロキサンブロック共重合体、そ
れを含む被膜形成用ワニスおよびその使用方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製品の小型化、多機能化に
伴い、LSIパッケージは、チップの大型化にもかかわ
らず、薄型化、多ピン化する傾向にある。これに伴っ
て、耐熱性、接着性、成形性、電気特性に優れた高分子
材料の開発が望まれており、種々の提案がなされてい
る。耐熱性高分子材料として広く一般的に知られている
ものとして、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等があげ
られ、耐熱性の他に耐衝撃性、機械特性、耐溶剤性にも
優れ、高分子電子材料として注目されてきた。しかし、
成形性、接着性、吸湿性、誘電性等に難点があるため、
低吸湿性、低誘電性であるシロキサン等のエラストマー
と複合化することが検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されているポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂は、エラ
ストマーとの相溶性が低いため複合化が難しいばかりで
なく、所望の組成で合成した樹脂の溶解性も悪くなり、
被膜としての使用に難点があった。したがって、高分子
電子材料として用いる場合、耐熱性、接着性、電気特性
の他に、溶媒溶解性、成形性等の全てにおいて、優れた
特性を有する高分子材料の実現が望まれている。したが
って、本発明の目的は、上記特性を満足し、高信頼性を
示す高分子材料として有用なポリイミドシロキサンブロ
ック共重合体を提供することにある。本発明の他の目的
は、上記のポリイミドシロキサンブロック共重合体を含
む被膜形成用ワニスおよび該ワニスの使用方法を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来の技
術に於ける上述問題点を解決するために種々検討を行っ
た結果、本発明を完結するに至った。本発明のポリイミ
ドシロキサンブロック共重合体は、3,3′,4,4′
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン誘導体とから形成されるポリイ
ミド構造単位とジアミノジメチルシロキサン構造単位と
よりなるブロック共重合体であって、固有粘度0.1〜
3.0dl/g、好ましくは0.2〜2.0dl/gの
下記一般式(1)で示される構造を有することを特徴と
する。
【化2】 (但し、R 1 およびR2 は、それぞれ水素原子、または
炭素数1〜3のアルキル基を表す。ただし、それらは同
時に水素原子であることはない。xおよびyは、それぞ
れx=1〜150、y=1〜30の整数を表す。nは1
〜100の整数を表す。)
【0005】本発明の被膜形成用ポリイミドシロキサン
ブロック共重合体ワニスは、上記一般式(1)で示され
るポリイミドシロキサンブロック共重合体を有機溶媒に
溶解させてなり、粘度が100〜50,000センチポ
イズの範囲にあることを特徴とする。
【0006】また、本発明の使用方法は、上記のポリイ
ミドシロキサンブロック共重合体ワニスを適当な基体に
塗布し、乾燥させることを特徴とする。本発明の使用方
法において、基体として、導電回路が形成されているも
のを用いた場合、導電回路の保護膜または絶縁膜を形成
することができる。また、本発明の使用方法の他の一つ
は、パターン状被膜を形成するものであって、上記の被
膜形成用ポリイミドシロキサンブロック共重合体ワニス
を適当な基体に塗布し、乾燥させ、アルカリ水溶液など
の塩基性のエッチング液によってエッチングしてパター
ンを形成することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明のポリイミドシロキサンブロ
ック共重合体は、公知の一般的な方法によって容易に製
造することができる。すなわち、3,3′,4,4′−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4′−ジア
ミノジフェニルメタン誘導体とを、反応溶媒中で室温か
ら60℃の間で加熱して下記一般式(2)で示されるポ
リアミド酸を製造した後、下記一般式(3)で示される
ジアミノジメチルシロキサンを加えてこのポリアミド酸
と反応させ、ブロック共重合化したポリアミド酸を製造
し、さらに150〜250℃で30分ないし5時間程度
加熱してイミド閉環させ、反応物をメタノール等の貧溶
媒に投入することにより合成することができる。
【化3】 (式中、R 1 、R2 、x、nは前記と同意義を有す
る。)
【0008】
【0009】 ,3′,4,4′−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物を用いた場合は、熱的特性や電気的
特性を低下させることなく著しく溶媒溶解性を改善する
ので好ましく使用される。この二無水物を使用すると、
ポリイミドシロキサンブロック共重合体の耐熱性、耐湿
性を犠牲にすることなく加工性の向上がはかられ、さら
に電気的特性が最も優れたポリイミドシロキサンブロッ
ク共重合体が得られる。
【0010】本発明において用いられる4,4′−ジア
ミノジフェニルメタン誘導体としては、例えば、ビス
(4−アミノ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4
−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス
(4−アミノ−3−エチルフェニル)メタン、ビス(4
−アミノ−3−エチル−5−メチルフェニル)メタン、
ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)メタ
ン、ビス(4−アミノ−3−プロピルフェニル)メタ
ン、ビス(4−アミノ−3,5−ジプロピルフェニル)
メタン、ビス(4−アミノ−3−イソプロピルフェニ
ル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジイソプロピ
ルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−2,3−ジメ
チルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−2,5−ジ
メチルフェニル)メタン等があげられるが、これらに限
定されるものではない。また、これらを単独または複数
併用してもよい。
【0011】これらの中でも、特に好適な4,4′−ジ
アミノフェニルメタン誘導体としては、ビス(4−アミ
ノ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ア
ミノ−3,5−ジエチルフェニル)メタン、ビス(4−
アミノ−3−エチル−5−メチルフェニル)メタンの3
種のジアミンをあげることができる。これらのジアミン
を単独または複数個併用すると、ポリイミドシロキサン
ブロック共重合体の耐熱性等の熱的特性や電気的特性を
低下させることなく著しく溶媒溶解性が改善され、加工
性の向上をはかることができる。
【0012】 本発明において、上記3,3′,4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4′
−ジアミノジフェニルメタン誘導体との加熱により形成
されるポリアミド酸は、x=1〜150にあることが必
要であり、好ましくは1〜50の範囲に設定される。x
の値が150を越えると、製膜性不良等の樹脂の加工上
問題を生じやすい。
【0013】また、上記ポリイミド酸と反応させる発明
に用いられるジアミノジメチルシロキサンは、シロキサ
ン結合の繰り返し単位がnが1〜100のアミノプロピ
ル末端を有するジアミノジメチルシロキサンであるが、
その中でも、本発明に特に好適なジアミノジメチルシロ
キサンは、nが1〜17の範囲のものである。nの値が
100を越えると、溶剤への溶解性が悪くなり、使用上
問題が生じる。
【0014】ポリイミドシロキサンブロック共重合体の
合成に際して用いられる反応溶媒としては、例えば、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカ
プロラクタム、ジメチルスホキシド、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン、テトラメチル尿素、ピリジ
ン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルリン酸トリアミド
−m−クレゾール等があげられる。
【0015】必要に応じて、これら以外の溶媒を反応系
中に添加して、ポリアミド酸を生成させてもよい。例え
ば、アミド酸生成反応を阻害しない程度の低極性有機溶
剤である炭素数10以下の低級炭化水素系有機溶剤、環
状炭化水素系有機溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族系有機溶剤、あるいはテトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン、ジグライム等のエーテル系有機溶
剤を反応系中に添加することができる。この際、イミド
閉環触媒として、p−トルエンスルホン酸等のプロトン
酸、無水酢酸等の脱水剤を使用することができる。
【0016】 本発明において、上記反応条件下、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
のモル数に対し、4,4′−ジアミノフェニルメタン誘
導体とジアミノジメチルシロキサンの合計モル数が等し
い場合には、高重合度のポリイミド共重合体が得られ
る。また、いずれか一方の成分を過剰に使用して平均重
合度の小さいものを得ることもできる。
【0017】本発明において、ジアミノジメチルシロキ
サンの使用割合は任意に設定することができるが、ジア
ミン化合物全体量の5〜10モル%であり、かつ最終反
応物中に含まれてくるジメチルシロキサン構造単位の含
有量が5〜15重量%となるような範囲で使用するのが
好ましい。本発明のポリイミドシロキサンブロック共重
合体において、ジメチルシロキサン構造単位の含有量が
5〜15重量%の範囲にある場合には、耐熱性、加工性
を犠牲にすることなく、耐湿性、接着性を付与でき、さ
らに電気特性の向上をはかることができる。
【0018】上記のようにして製造される本発明のポリ
イミドシロキサンブロック共重合体は、y=1〜30、
好ましくは1〜20の範囲であって、固有粘度(樹脂濃
度:0.5g/dlのジメチルアセトアミド溶液の30
℃における測定値を意味する)が、0.1〜3.0dl
/gの範囲にあることが必要であり、好ましくは0.2
〜2.0dl/gの範囲に設定される。固有粘度が0.
1dl/gより低い場合には十分な被膜が得られなくな
り、また、3.0dl/gより高い場合には加工性が悪
くなり、使用上の問題が発生する。
【0019】本発明の上記ポリイミドシロキサンブロッ
ク共重合体は、優れた溶剤溶解性を有しており、例え
ば、クロロホルム、テトラヒドロフラン、シクロヘキサ
ノン等の低沸点溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等
のアミド系溶媒に可溶であり、高溶解性であるという特
徴を有している。また、本発明のポリイミドシロキサン
ブロック共重合体は、優れた耐熱性、接着性、溶剤溶解
性、成形性、電気特性を有している。
【0020】本発明のポリイミドシロキサンブロック共
重合体は、上記の優れた性質を有するため、被膜形成材
料として非常に有用である。例えば、本発明のポリイミ
ドシロキサンブロック共重合体を有機溶剤、例えば、
N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン等
に溶解し、必要に応じて、他の樹脂または顔料等を添加
して得た塗布液は、被膜形成用ワニスとして好ましく使
用することができる。本発明において、被膜形成用ワニ
スは、その溶液粘度が100〜50,000センチポイ
ズ(cp)の範囲になるように調整するのが好ましい。
溶液粘度が100cpより低くなると十分な被膜が得ら
れなくなり、50,000cpより高くなると加工性が
悪化する。上記の溶液粘度範囲になるように調整した塗
布液よりなる被膜形成用ワニスを、基体の上に塗布し、
乾燥することによって、耐熱フィルム、耐熱塗膜、耐熱
接着剤膜等の被膜を形成することができる。
【0021】基体としては、特に限定されるものではな
く、ガラス、アルミニウム板などの金属板、プラスチッ
ク材料、FRPの如き複合材料等があげられる。基体と
してアルミニウム板を用いた場合には、被膜形成用ワニ
スの接着性が優れたものになるので好ましい。また、基
体としては、プラスチック基材上に電気回路が形成され
たものを用いることもできる。その場合、本発明の被膜
形成用ワニスによって形成される被膜は、保護膜あるい
は絶縁膜として作用するものとなる。
【0022】本発明のポリイミドシロキサンブロック共
重合体は、必要に応じて顔料、染料、導電性無機物、無
機繊維類、有機繊維類、ワックス類等の離型剤、難燃化
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、無機化合
物類、有機化合物類、他の樹脂などの添加剤と混合して
使用することもできる。
【0023】また、本発明のポリイミドシロキサンブロ
ック共重合体は、NaOH、KOH等のアルカリ水溶
液、ヒドラジン溶液、エチレンジアミン等のアミン系溶
剤等の塩基性のエッチング液で容易にエッチングが可能
であるので、パターン状の被膜を形成するのに有用であ
る。特に高精度、且つ高い信頼性を示す半導体チップ周
辺に使用する回路板材料として有用である。例えば、上
記ポリイミドシロキサンブロック共重合体を適当な有機
溶剤に溶解して得られた被膜形成用ワニスを、半導体等
の適当な基板上に塗布し、乾燥させて被膜を形成した
後、フォトレジスト材料により感光層を形成し、露光
し、現像液で現像して未露光部分を溶出、除去し、次い
で、塩基性のエッチング液でレジスト像が形成されてい
ない部分の被膜をエッチングにより除去し、さらにレジ
スト像の部分の感光層を剥離除去することによって、パ
ターン状被膜を形成することができる。形成されたパタ
ーン状被膜は、耐熱性、電気絶縁性に優れており、半導
体チップ周辺に使用する絶縁膜として利用することがで
きる。
【0024】
【実施例】以下に、実施例をあげて本発明を詳細に述べ
るが、本発明はこれのみによって限定されるものではな
い。 実施例1 300mlの三口丸底フラスコ中に、ビス(4−アミノ
−3−エチル−5−メチルフェニル)メタン5.649
g(20.0ミリモル)、N−メチル−2−ピロリドン
35mlを加え、乾燥窒素雰囲気下5℃で、3,3′,
4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物6.3
04g(21.4ミリモル)を粉体のまま徐々に添加
し、40℃で3時間反応させ、ポリアミド酸(x=1
5)を調製した。その後、両末端にアミノ基を有するジ
メチルシロキサンオリゴマー(信越シリコーン社製、X
22−161AS、n=10)1.305g(1.4ミ
リモル)をテトラヒドロフラン35mlに溶解し、反応
系中に添加し、40℃でさらに3時間反応させた。この
反応溶液にピリジン5.1g、無水酢酸6.6gを加
え、80℃で2時間イミド閉環反応を行った。反応終了
後、2リットルのメタノール中にポリマー溶液を注ぎ入
れ、ポリマーを析出させた。濾過後、熱メタノール中で
ポリマーを洗浄し、未反応のオリゴマー類を除去した。
濾過後、真空乾燥し、収率98.0%で、シロキサン含
有量が10重量%である本発明のポリイミドシロキサン
ブロック共重合体(y=10)を得た。このポリイミド
シロキサンブロック共重合体のE型粘度計による粘度値
は、N−メチル−2−ピロリドン中、ポリマー溶液濃度
10重量%、25℃において、4,600cpであっ
た。また、IRスペクトル(KBr錠剤法)を測定し構
造を確認したところ、1720cm-1付近にイミドカル
ボニル基の吸収、2840cm-1にケイ素原子上の置換
基であるメチル基の吸収基が、1010〜1100cm
-1にシロキサン骨格に基づく吸収が認められ、目的の化
合物であることが確認された。
【0025】
【0026】
【0027】実施例 実施例1で合成したポリイミドシロキサンブロック共重
合体を用い、N,N−ジメチルアセトアミド溶液よりな
る溶液粘度1500cpのワニスを調製した。このポリ
マー溶液よりなるワニスをガラス板にキャスト法により
塗布し、真空乾燥器により溶媒を除去したところ、透明
な膜が得られた。実施例1のポリイミドシロキサンブロ
ック共重合体のガラス転移温度:Tgは280℃、空気
中での熱分解開始温度:Tdは340℃、周波数100
KHzにおける室温での誘電率:ε′は2.7、吸湿率
は0.3%であった。
【0028】実施例 実施例1で合成したポリイミドシロキサンブロック共重
合体を用い、N−メチル−2−ピロリドン溶液よりなる
溶液粘度1000cpのワニスを調製した。配線を形成
済みの導電回路上およびアルミ板上に上記のワニスをス
ピンコータを用いて塗布し、150℃で1時間、200
℃で30分間熱処理して、膜厚1〜5μmの薄膜を形成
した。その上に、環化ゴムネガ型フォトレジスト(OM
R83、東京応化工業社製)をスピンコータを用いて塗
布し、90℃で20分間乾燥して、1μmのレジスト薄
膜を形成した。この薄膜にフォトマスクを密着し、該フ
ォトマスクを通して、露光(5mJ/cm2 ×5秒)し
た。露光後、上記薄膜を現像液(OMR現像液、東京応
化工業社製)に20℃で2分間浸漬することによって、
薄膜の未露光部分を溶出、除去した。次に、フォトレジ
スト被膜に覆われていない上記ポリイミドシロキサンブ
ロック共重合体膜の露出部分を、ヒドラジン一水和物と
エチレンジアミン(7:3)の混合液に30℃の温度下
で5分間浸漬することによってエッチングした。エッチ
ング処理後、フォトレジスト被膜で覆われている上記ポ
リイミドシロキサンブロック共重合体薄膜を、レジスト
剥離液(S−502、東京応化工業社製)に浸漬して、
フォトレジスト被膜を剥離除去した。このフォトレジス
ト被膜の除去後、200℃で30分程度熱処理して、ポ
リイミドシロキサンブロック共重合体薄膜からなるパタ
ーン形成物を得た。得られたポリイミドシロキサンブロ
ック共重合体薄膜からなるパターン形成物は、いずれ
も、シャープなエッジをもつ鮮明なパターンであること
を確認した。また、このパターン形成物は250℃まで
加熱してもパターンの変形はなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明のポリイミドシロキサンブロック
共重合体は、溶媒溶解性、更には他の樹脂との相溶性が
改善され、耐熱性および加工性に優れたものであるばか
りでなく、低い吸湿率と低い誘電率を有し、かつ接着性
が優れている。また、本発明のポリイミドシロキサンブ
ロック共重合体は、被膜形成性を有し、接着性が優れて
いるばかりでなく、可撓性が高く、基板への追従性が高
いので、基体の熱的変化や基体表面の凹凸等への追従性
に優れ、強固な被膜を形成することが可能である。した
がって本発明のポリイミドシロキサンブロック共重合体
は、電気絶縁材料、被覆材料および電子部品等の分野で
極めて有用な材料である。すなわち、本発明のポリイミ
ドシロキサンブロック共重合体を用いて形成された被膜
は、低い誘電率、高い絶縁性を有するので、導電回路の
保護膜または絶縁膜として有用である。さらにまた、被
膜は塩基性のエッチング液でエッチング可能であるの
で、パターン化した被膜を形成することが可能であり、
回路板等の作製に有用である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/26 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラ
    カルボン酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルメ
    タン誘導体とから形成されるポリイミド構造単位とジメ
    チルシロキサン構造単位とよりなるブロック共重合体で
    あって、下記一般式(1)で示される構造を有する固有
    粘度0.1〜3.0dl/gのポリイミドシロキサンブ
    ロック共重合体。 【化1】 (但し、R 1 およびR2 は、それぞれ水素原子、または
    炭素数1〜3のアルキル基を表す。ただし、それらは同
    時に水素原子であることはない。xおよびyは、それぞ
    れx=1〜150、y=1〜30の整数を表す。nは1
    〜100の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 4,4′−ジアミノジフェニルメタン誘
    導体が、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニ
    ル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェ
    ニル)メタンおよびビス(4−アミノ−3−エチル−5
    −メチルフェニル)メタンから選択される1種またはそ
    れ以上よりなることを特徴とする請求項1記載のポリイ
    ミドシロキサンブロック共重合体。
  3. 【請求項3】 ジメチルシロキサン構造単位のシロキサ
    ン結合の繰り返し単位が1〜17の範囲であることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載のポリイミドシ
    ロキサンブロック共重合体。
  4. 【請求項4】 ポリイミドシロキサンブロック共重合体
    におけるジメチルシロキサン構造単位の含有量が5〜1
    5重量%であることを特徴とする請求項1ないし請求項
    3のいずれかに記載のポリイミドシロキサンブロック共
    重合体。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載のポリイミドシロキサンブロック共重合体を有機溶媒
    に溶解させてなり、粘度が100〜50,000センチ
    ポイズの範囲にあることを特徴とする被膜形成用ポリイ
    ミドシロキサンブロック共重合体ワニス。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のポリイミドシロキサン
    ブロック共重合体ワニスを、基体に塗布し、乾燥させる
    ことを特徴とするワニスの使用方法。
  7. 【請求項7】 基体上に導電回路が形成されていること
    を特徴とする請求項6記載のワニスの使用方法。
  8. 【請求項8】 基体がアルミニウム板であることを特徴
    とする請求項6記載のワニスの使用方法。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載のポリイミドシロキサン
    ブロック共重合体ワニスを、基体に塗布し、乾燥させ、
    塩基性のエッチング液によってエッチングしてパターン
    を形成することを特徴とするワニスの使用方法。
JP21143695A 1995-07-28 1995-07-28 ポリイミドシロキサンブロック共重合体、それを含むワニスおよびその使用方法 Expired - Fee Related JP3486012B2 (ja)

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