JP3484604B2 - 球形の回転ピストンポンプ、圧縮機 - Google Patents

球形の回転ピストンポンプ、圧縮機

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    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
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    • F01C9/005Oscillating-piston machines or engines the piston oscillating in the space, e.g. around a fixed point

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部から供給され
る動力によって密閉容器内を真空にして流体を吸い込
み、且つ圧力を加えて別の場所に移動させる装置とし
て、又は気体を圧縮する装置として、球形状のハウジン
グ1内に対遇して回転する回転ピストン3と斜行板5と
の回転板を組込み、その二つの回転板間を真空部分に形
成すると共に、その間隙容積を変化させて吸い込みと吐
き出しとをさせる新規な流体ポンプ、及び圧縮機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来技術における容積形ポンプには、外
接形や内接形の歯車ポンプ、平衡形や非平衡形のベーン
ポンプ、アキシャル形やラジアル形やレシプロ形に大別
されるピストンポンプ等がある。その中で油圧ポンプと
して、歯車ポンプでは殆どが外接形歯車ポンプが使われ
ており、ベーンポンプでは平衡形(定吐出量形)ポンプ
が一般に使用され、またピストンポンプではアキシャル
形ポンプの斜軸式(ベント・アクシス式)や斜板固定式
(スワッシュ・プレート式)が代表的である。
【0003】外接形歯車ポンプは、噛み合う1対の外接
歯車がその外周と側面とを密接させたケーシングの中で
回転すると、歯車の噛み合いの離れ部に真空部分(空
間)が出来て吸い込み口から作動流体が吸い込まれると
共に、この作動流体は吸入口の歯溝に充満し、この歯溝
に溜まった作動流体が歯車の回転によってケーシングの
内周に沿って吐出口まで運ばれ、吐出口の歯車の噛み合
いによる容積の減少により押し出されるものである。こ
の歯車ポンプは、ピストンポンプやベーンポンプに比較
して構造が単純で部品点数も少なく製造コストも低い
が、他の2種類のポンプと異なり可変吐出量ポンプを作
ることが出来ない。
【0004】平衡形ベーンポンプは、定吐出量形ポンプ
であるが非平衡形の可変吐出量形ベーンポンプよりも高
い圧力で使用が可能である。この平衡形ベーンポンプ
は、ケーシングの中に固定されたカムリングと、そのカ
ムリングの側面に押し付け固定したブッシングと、その
カムリングとブッシングとに囲われた中に駆動軸(入力
軸)に固定したローター、及びベーンが組込まれて構成
される。ローターには半径方向に切り込んだ溝があって
この中でベーンが自由に滑動するが、それは軸とロータ
ーとカムリングとが同心であってカムリングの内側の曲
線がほぼ楕円形をしているために駆動される遠心力によ
ってベーンは常にカムリング内側に密着し、吸入・吐出
作用を行いながら回転するものである。尚、この平衡形
ベーンポンプは、二つずつの吸入・吐出ポートのそれぞ
れが対称な位置にある為、圧力分布が軸対称になって軸
に直角の荷重がかからない。
【0005】アキシャル形斜軸式ピストンポンプは、ポ
ンプハウジングの中に駆動軸と回転するシリンダーブロ
ックとが一定角度(20〜30度)を持って装着され、
そのシリンダーブロック内には軸平行にシリンダーが円
周上等間隔に形成され、その各々にピストンが挿入され
る。そのピストンの各々はピストンロッド、及びピスト
ンロッド端部のピストンロッドエンドベアリングを介し
て駆動軸の駆動軸フランジと連結すると共に、シリンダ
ーブロックの中で往復運動をして吸入・吐出作用を行う
が、傾転角度は固定されずに0〜±25度、又は30度
に連続的に変化させることによってピストンのストロー
クを変え、吐出流量を可変にするものである。
【0006】また、アキシャル形斜板式(スワッシュ・
プレート式)ピストンポンプは、上記斜軸式ピストンポ
ンプと同様にピストンがシリンダーブロック内を往復運
動をするが、斜軸式ピストンポンプと違うのはシャフト
が駆動されるとシリンダーブロックが回転し、且つ中に
配列されたピストンの各々がシューを介して傾転可能な
斜板上を摺動し、斜板の傾きに応じたストロークで往復
運動をして吸入・吐出のポンプ作用を行うものである。
この斜板式ピストンポンプは、斜軸式ピストンポンプに
比べて部品点数が少なく小形であり、機構も簡単で可変
吐出量形にするにも斜板の傾きを変えるだけで可能であ
る。
【0007】これらのピストンポンプは、歯車ポンプや
ベーンポンプに比べてシリンダーとピストンとの摺動部
分が長いために作動流体の漏れが少く高い圧力で使用が
可能であると共に、軽量小形で高速回転が可能であるか
ら原動機や直流電動機に直結することが出来る。また、
ピストンポンプは、プランジャ形であるから理論的に9
0%以上の効率が得られると同時に、吐出流体の脈動が
殆どなく吐出量を無段階に調整することや吐出を逆にす
ることも出来る可変吐出量形のポンプであり、騒音が小
さく寿命が長いポンプである反面、以下のような欠点や
問題点を包含する。
【0008】
【従来技術の問題点】即ち、従来の流体ポンプ、取り分
け油圧ポンプにおけるピストンポンプは、歯車ポンプや
ベーンポンプよりも複雑な構造で部品点数も多く、特殊
材料を必要とする上、精密加工を要するのでコスト高で
ある。また、このピストンポンプは、ピストン、又はプ
ランジャの往復運動によって吸入・吐出のサイクルを繰
り返すものであるから、この運動機構、並びに吸入・吐
出弁の摩耗や故障が多く、機構上、或は脈動や吐出量の
変動を抑えるためにシリンダーブロック内に5〜9本の
ピストンが差し込まれるもので、ポンプ全体の容積に対
して行程体積の有効容量が小さくポンプ本体の寸法が大
きい。更に、このピストンポンプにおいては、長時間の
使用による油性の変質や、分解、組立て、運転に際して
は塵挨混入に細心の注意を要するものである。
【0009】因にベーンポンプにおいては、ベーン、及
びローターはカムリングとブッシングに挟まれて回転す
るのでその接触面積が大きく、各部の直角度、寸法等に
高い工作精度が要求される上に加工面の粗さが問題にな
ることが多く、ベーンは回転毎に繰り返し応力を受ける
ので破損する恐れがある。また、接触面積が大きいので
体積効率をよくするためには油の粘度を定めて隙間を小
さくさせる必要から作動油の粘度が制限されると共に、
使用油に塵挨が混入したり、油自身が劣化しているとそ
の機能を著しく阻害するから油の保守には注意が必要で
ある。即ち、前記歯車ポンプは一部を除いて大体が低圧
・低速回転の小馬力のところで使用され、アキシャル形
等のピストンポンプは高圧・高速回転のところで運転さ
れ、またベーンポンプはそれらの中間的性能である。
【0010】加えて、圧縮機において述べれば、容積圧
縮機としてベーン圧縮機、ルーツブロワー、ナッシュポ
ンプ、スクリュー圧縮機等の他に最も広く使用されてい
る往復動圧縮機がある。その往復動圧縮機の圧縮機本体
は、ピストンを駆動する往復動部分、シリンダー、シリ
ンダーヘッド等の容器部分、吸入弁・吐出弁、及びこれ
に接続する配管等の部分とに分かれるが、クランク軸の
回転はコネクティングロッド、ピストンロッドを経てピ
ストンに往復運動をさせ、そのピストンの往復動によっ
て吸入口から流入した空気(或はガス体)が圧縮される
と共に、吐出口から高圧・高温となって吐出されるもの
である。この往復動圧縮機は、他の圧縮機に比べて構造
が強固で故障も少ない上に取扱い保守管理も比較的楽で
効率もよいが、構造が複雑で部品数も多く大型になり、
製造コストも高く、而も振動が大きく、概して基礎、据
付けに大きな工事を要し、保守管理がよくないと過熱し
て爆発や火災を起こす危険もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の流体ポン
プ、及び圧縮機が抱えている多くの問題点に鑑み、球状
のハウジングとその中で回転する1対の回転板とで構成
される本発明の流体ポンプは、吐出される作動流体(吐
出油)の脈動が少ない上に、吐出圧力が変わっても吐出
量に変化が少なく、また圧力が高くなったときのポンプ
内部の吐出側から低圧の吸入側、又はケース内への漏れ
も少なく、低速・高速域でも高い自吸性能と高い全効率
(ポンプ効率)を示すものである。また、圧縮機として
も、回転するピストンは高速・高圧運転を容易にして高
い圧縮効率と機械効率を示すもので多段の必要がなく、
軽量コンパクトであり運転経費が安い等、従来の歯車ポ
ンプ、ベーンポンプ、ピストンポンプ、及び往復動圧縮
機等の圧縮機よりも優れた各種性能を有する全く新規な
球形基本構造の流体ポンプ、及び圧縮機を提供するもの
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決する為に、球面の内壁面7を有する密閉したハウジン
グ1内に互いが蝶番状動作のみ可能に同軸的に連結して
交差する回転ピストン3と斜行板5との二つの回転板を
組込み、且つその回転ピストン3を入力軸2上に水平方
向にのみ揺動可能に取付けると共に、斜行板5を固定軸
線上で回転するように取付けると、その回転ピストン3
と斜行板5との板面が回転に伴って接近と離間とを繰り
返すから、互いの板面が離間して間隙を拡張増大させる
時に吸入行程をさせ、互いの板面が接近して間隙を縮小
減少させる時に吐出行程をさせるものであるが、本発明
においては概ね以下の4通りの解決手段を有する。
【0013】
【解決手段1】解決手段の一つは、内壁面に球面を有す
るハウジング1において、その球面内壁7の球心Oを通
る直線上のハウジング1壁に主軸受8を貫設して直軸状
をなす入力軸2の軸頸を回転自由に嵌挿させ、且つその
入力軸2に角度θを有して球心Oで交差する軸線の垂直
平面上のハウジング1内壁面に周回溝の軌道隙9を削設
する。
【0014】また、ハウジング1内には、前記入力軸2
と球心Oで直交する直線を連結軸線として入力軸2上を
水平方向に少なくとも角度(θ×2)の範囲を揺動し、
且つ外周面を前記球面内壁7と摺接する球弧面13に形
成すると共に、その球弧面13を弓形の弧とする弦側に
円柱状の中間軸4を合体させて板面に弓形面14を持つ
略板状の回転ピストン3を入力軸2の球心Oの部分に枢
結する。
【0015】その上、ハウジング1内には、前記中間軸
4上において前記回転ピストン3と蝶番状に交差し、縁
部外周を環状に形成した斜行板環24が前記軌道隙9に
回転可能に嵌合して拘束されると共に、中間軸4の両底
面とその両底面に対接する斜行板環24の対向両側部と
の各々にピンとピン受孔の互いに与する連結素子を有し
て互いが少なくとも角度(θ×2)範囲を擺動可能に連
結し、且つ板面に弓形面22を持つ円形状板の斜行板5
を設ける。
【0016】すると、その斜行板5がハウジング1の前
記球面内壁7を閉鎖して半球状空間の半月状作動室Ha
を形成し、且つその半月状作動室Haを回転ピストン3
が櫛形状空間の櫛形状作動室Fuに形成する。更に、そ
の櫛形状作動室Fuに臨ませて吸入孔Inと吐出孔Out
とを適宜設けたことを特徴とする球形の回転ピストンポ
ンプ、圧縮機である。
【0017】
【解決手段2】解決手段のもう一つとして、内壁面に球
面を有するハウジング1において、その球面内壁7の球
心Oを通る直線上のハウジング1壁に主軸受8を貫設し
て直軸状をなす入力軸2の軸頸を回転自由に嵌挿させ、
且つその入力軸2に角度θを有して球心Oで交差する軸
線の垂直平面上のハウジング1内壁面7円周に輪体状の
軌道環10を突設する。
【0018】また、ハウジング1内には、前記入力軸2
と球心Oで直交する直線を連結軸線として入力軸2上を
水平方向に少なくとも角度(θ×2)の範囲を揺動し、
且つ外周面を前記球面内壁7と摺接する球弧面13に形
成して板面に弓形面14を持つ略板状の回転ピストン3
を入力軸2の球心Oの部分に枢結する。
【0019】その上、ハウジング1内には、前記回転ピ
ストン3と蝶番状に交差して弓形面22の板面と外周面
に周回する溝の軌道受25とを有し、その軌道受25に
前記軌道環10が回転摺動関係に嵌合する円形状板の斜
行板5を設ける。
【0020】その斜行板5と回転ピストン3の交差部分
には、円柱状の中間軸4を両底面に平行な切り口面で分
割すると共に、その各々を斜行板5と回転ピストン3の
競合しない何れかに固着させ、且つその分割接合面の各
々にピンとピン受孔の互いに与する連結素子を有して互
いが少なくとも角度(θ×2)範囲を擺動可能に連結す
る。
【0021】すると、斜行板5がハウジング1の前記球
面内壁7を閉鎖して半球状空間の半月状作動室Haを形
成し、且つその半月状作動室Haを回転ピストン3が櫛
形状空間の櫛形状作動室Fuに形成する。更に、その櫛
形状作動室Fuに臨ませて吸入孔Inと吐出孔Outとを
適宜設けたことを特徴とする球形の回転ピストンポン
プ、圧縮機である。
【0022】
【解決手段3】また別の解決手段は、内壁面に球面を有
するハウジング1において、その球面内壁7の球心Oを
通る直線上のハウジング1壁に主軸受8を貫設して直軸
状をなす入力軸2の軸頸を回転自由に嵌挿させ、且つそ
の入力軸2に角度θを有して球心Oで交差する軸線と入
力軸2の軸線との双方に球心Oで直交する直線上のハウ
ジング1対向両壁に軌道環軸受12の円孔を設け、その
両軌道環軸受12にはハウジング1の球面内壁7内で回
動可能に設けた輪体からなる軌道環6の直径上対向外周
面に固着する柄状の軌道環軸11を回動自由に軸承させ
る。
【0023】また、ハウジング1内には、前記入力軸2
と球心Oで直交する直線を連結軸線として入力軸2上を
水平方向に少なくとも角度(θ×2)の範囲を揺動し、
且つ外周面を前記球面内壁7と摺接する球弧面13に形
成して板面に弓形面14を持つ略板状の回転ピストン3
を入力軸2の球心Oの部分に枢結する。
【0024】その上、ハウジング1内には、前記回転ピ
ストン3と蝶番状に交差して弓形面22の板面と外周面
に周回する溝の軌道受25とを有し、その軌道受25に
前記軌道環6が回転摺動関係に嵌合する円形状板の斜行
板5を設ける。
【0025】その斜行板5と回転ピストン3の交差部分
には、円柱状の中間軸4を両底面に平行な切り口面で分
割すると共に、その各々を斜行板5と回転ピストン3の
競合しない何れかに固着させ、且つその分割接合面の各
々にピンとピン受孔の互いに与する連結素子を有して互
いが少なくとも角度(θ×2)範囲を擺動可能に連結す
る。
【0026】そして、前記軌道環6には、前記入力軸2
に対してその軌道環6の傾転角度を角度0から角度±θ
範囲の何れかを選択する制御装置CAを前記軌道環軸1
1に装着して連動させる。
【0027】すると、斜行板5がハウジング1の前記球
面内壁7を閉鎖して半球状空間の半月状作動室Haを形
成し、且つその半月状作動室Haを回転ピストン3が櫛
形状空間の櫛形状作動室Fuに形成する。更に、その櫛
形状作動室Fuに臨ませて吸入孔Inと吐出孔Outとを
適宜設けたことを特徴とする球形の回転ピストンポン
プ、圧縮機である。
【0028】
【解決手段4】更に別の解決手段は、内壁面に球面を有
するハウジング1において、その球面内壁7の球心Oを
通る直線上のハウジング1壁に主軸受8を貫設して直軸
状をなす入力軸2の軸頸を回転自由に嵌挿させ、且つそ
の入力軸2に角度θを有して球心Oで交差する直線上の
ハウジング1壁にも斜行板軸受29の円孔を主軸受8の
対向側に設ける。
【0029】また、ハウジング1内には、前記入力軸2
と球心Oで直交する直線を連結軸線として入力軸2上を
水平方向に少なくとも角度(θ×2)の範囲を揺動し、
且つ外周面を前記球面内壁7と摺接する球弧面13に形
成して板面に弓形面14を持つ半円状板の回転ピストン
3を入力軸2の球心Oの部分に枢結する。
【0030】その上、ハウジング1内には、前記回転ピ
ストン3と蝶番状に交差して球面のハウジング1内壁面
7に摺接する外周面と板面に弓形面22とを有し、且つ
その弓形面22の裏面側中心部に前記斜行板軸受29を
回転自由に嵌挿する柄状の斜行板軸28を有して円形板
状をなす斜行板5を設ける。
【0031】その斜行板5と回転ピストン3の交差部分
には、円柱状の中間軸4を両底面に平行な切り口面で分
割すると共に、その各々を斜行板5と回転ピストン3の
競合しない何れかに固着させ、且つその分割接合面の各
々にピンとピン受孔の互いに与する連結素子を有して互
いが少なくとも角度(θ×2)範囲を擺動可能に連結す
る。
【0032】すると、斜行板5がハウジング1の前記球
面内壁7を閉鎖して半球状空間の半月状作動室Haを形
成し、且つその半月状作動室Haを回転ピストン3が櫛
形状空間の櫛形状作動室Fuに形成する。更に、その櫛
形状作動室Fuに臨ませて吸入孔Inと吐出孔Outとを
適宜設けたことを特徴とする球形の回転ピストンポン
プ、圧縮機である。
【0033】
【幾何学的構成】尚、本発明の回転ピストンポンプ、及
び圧縮機は、その原理において相互に関係する点、線、
面の幾何図形上に成り立つ基本的構造の特質がある。そ
の相互に関係する幾何図形における本発明の構造を以下
詳しく説明する。
【0034】まず、本発明を規定する相互関係の図形を
図1に示すと、球心Oから半径rを有して球面Gをなす
内壁面に形成したハウジング1には、角度θをなし球心
Oにおいて交差する直線をX軸線、Y軸線とし、そのX
軸線が球面Gに交わる点をPとし、またY軸線が球面G
に交わる点をQとし、その点P、点Q間を底面の直径と
して球心Oを頂点とする円錐形の円錐母線が側面円周を
周回する円錐軌跡をUとし、そして球心OにおいてX軸
線に直交する軸直線をM軸線とし、X,Y軸線の双方に
球心O上で直角に交わる軸直線をZ軸線とし、そのZ軸
線が球面Gに交わる両点をe,eとし、X軸線に水平面
をなしてその直径線分の軸線Lを自転軸とする球面G内
の大円平面をR円面とし、且つY軸線を鉛直軸線として
球面G内に球心Oを通って形成される大円平面をS円面
とし、そのR円面とS円面とが球心Oにおいて交差する
交差割線を軸線Kとし、その交差割線Kの両端を点K
a、点Kbとし、そのように点、線、面の各関係を設定
する。
【0035】そして、X軸線とY軸線を固定位置の定位
な軸線と見なして、そのX,Y軸線に同時に回転を与え
れば、Y軸線の垂直平面であるS円面は、その位相を保
持したまま転回し、軸線Lを自転軸とするR円面は、
X,Y軸線の点P,Q間を底面直径として球心Oを円錐
の頂点とする円錐形の円錐軌跡U上を図1から図2を経
て図3の順に自転しながら旋回する。すると、その自転
の90度分の転回において、R円面の自転軸LはX軸線
上にある図1から図3に半円分を公転してY軸線上に移
動する。更に90度分の自転において、そのY軸線上か
ら図4を経て残りの半円軌跡を描いて図5のX軸線上に
戻る。即ち、R円面の自転軸Lが円錐軌跡Uの円周分を
転回(公転)すれば、その公転に伴ってR円面は半回転
である180度分の自転をして表裏を変える。
【0036】その時、R円面の自転軸Lと交差割線Kと
は球心Oにおいて常に直交し、且つ交差するR円面とS
円面との円面間に形成される間隙は、R円面の自転軸L
がX軸線上にある時の鈍角側の対頂角が90+θ角度に
なって最大(図1の空間B,Dと図5の空間A,C)と
なり、同じく鋭角側の対頂角が90−θ角度になって最
小(図1の空間A,Cと図5の空間B,D)となる。つ
まり、R円面とS円面とが交差割線Kを蝶着の軸、支点
として互いの半回転で接近し、次の半回転で離間し、そ
の1回転毎において近付いたり離れたりを組とする離合
を繰り返す。
【0037】また、球面GとR円面とS円面とで囲われ
て密閉された空間A,B,C,Dをみると、図1におけ
る自転軸Lが図2,3,4を経て半回転をする図5にお
いて空間Aは拡張して空間Bは収縮し、空間Cは拡張し
て空間Dは収縮する。更に、図5から図6,7,8を経
て元の図1の半回転においては、空間Aは収縮して空間
Bは拡張し、空間Cは収縮して空間Dは拡張する。つま
り、空間Aが拡張すると空間Bは収縮して空間Cが拡張
すると空間Dは収縮し、また空間Aの拡張に対して空間
Dが収縮し、空間Bの収縮に対して空間Cが拡張する関
係にある。従って、空間AとBは互いの体積の増減を反
比例に変化させて対をなし、空間CとDも互いの体積の
増減を反比例に変化させて対偶し、空間AとC、空間B
とDは互いの体積変化を正比例させる順と逆の関係にあ
る。
【0038】このように設定した点、線、面の各関係に
おいて、ハウジング1球面内壁7は上記図形による球面
Gを有し、その球面Gの球心Oを通るX軸線上の入力軸
2を点P位置の主軸受8に嵌挿させて軸受け支持させ
る。また、幾何図形におけるR円面上には、軸線Mを関
節の基軸線とするピン継手関節16を組成して入力軸2
に連結する回転ピストン3を配置し、且つY軸線を回転
軸線とするS円面上には斜行板5が置かれる。そのR円
面上の回転ピストン3とS円面上の斜行板5は、K軸線
上に中間軸4を形成して交差すると共に、互いがその中
間軸4に交差割線Kを関節の連結軸線とする蝶番関節1
9を組成して連結する。尚、幾何図形における空間A,
B,C,Dは、二つの半月状作動室Ha,Ha内に形成
される二つずつの櫛形状作動室Fu,Fu、Fu,Fu
である。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明では、上記解決手段1乃至
4のそれぞれの構成に基づく実施の形態があり、その各
種実施の形態を上記幾何図形において設定した点、線、
面の各関係をもとに以下図によって説明する。
【0040】
【実施の形態1】その形態の一つは、上記解決手段1の
構成である。即ち、この形態1は図9,10と図15と
図18,19と図20の各図に示すように球面Gの内壁
面を有するハウジング1において、その球面内壁7の球
心Oを通ってX軸線が貫通するハウジング1壁の点P位
置に軸受円孔の主軸受8を貫設し、その主軸受8にX軸
線を回転軸線とする直軸状をなす入力軸2の軸頸を回転
自由に嵌挿させて軸承させる。また、X軸線上の入力軸
2に角度θを有して球心Oで交差するY軸線の垂直平面
であるS円面延長上のハウジング1内壁を周回溝の軌道
隙9に削成する。
【0041】そして、ハウジング1内のR円面上には、
半月状の弓形面14を板面に有して外周面を前記球面内
壁7に摺接契合する球弧面13に形成し、その球弧面1
3を弓形の弧とする弓形面14の弦側に軸線Kを取付け
軸線とした円柱状の中間軸4を合体させた略板状の回転
ピストン3を配置して前記入力軸2の球心O位置に枢結
させるが、この回転ピストン3と入力軸2は、X軸線と
球心Oで直交するM軸線を連結の中心軸線として回転ピ
ストン3が入力軸2上を水平方向に少なくとも角度(θ
×2)の範囲を揺動可能なピンとそのピン受からなるピ
ン継手関節16を組成して連結する。
【0042】また、ハウジング1内のS円面上には、板
面に回転ピストン3の弓形面14に対応する弓形面22
を有し、且つ縁部外周を環状に形成した斜行板環24が
前記軌道隙9に嵌合してY軸線を中心に回転可能に拘束
される円形状板の斜行板5を回転ピストン3に前記中間
軸4上で蝶番状に交差させて配置すると共に、中間軸4
の両底面とその両底面に対接する斜行板環24の対向両
側部との点Ka,Kb側に、ピンとピン受け孔からなる
互いの両片を以てK軸線を関節基軸線とする蝶番関節1
9を組成して斜行板5に回転ピストン3が少なくとも角
度(θ×2)範囲を擺動可能に連結する。
【0043】すると、S円面上の斜行板5がハウジング
1の前記球面Gをなす内壁面7を閉鎖して半球状の定積
空間からなる半月状作動室Haを形成し、且つその半月
状作動室HaをR円面上の回転ピストン3が容積変化を
する櫛形状空間の櫛形状作動室Fuに形成する。更に、
その半月状作動室Haの櫛形状作動室Fuに臨ませて吸
込み孔Inと吐出孔Outとを適宜設ける。
【0044】
【実施の形態2】形態のもう一つは、上記解決手段2の
構成である。即ち、この形態2は図11,12と図16
と図21の各図に示すように球面Gの内壁面を有するハ
ウジング1において、その球面内壁7の球心Oを通って
X軸線が貫通するハウジング1壁の点P位置に主軸受8
を貫設し、その主軸受8にX軸線を回転軸線とする直軸
状をなす入力軸2の軸頸を嵌挿させて軸承させる。ま
た、X軸線上の入力軸2に角度θを有して球心Oで交差
するY軸線の垂直平面であるS円面縁部円周上のハウジ
ング1内壁面円周に輪体の軌道環10を突設形成する。
【0045】そして、ハウジング1内のR円面上には、
外周面を前記球面内壁7に摺接契合する球弧面13に形
成すると共に、板面を半月状の弓形面14に形成した略
板状の回転ピストン3を配置して前記入力軸2の球心O
位置に枢結させる。この回転ピストン3と入力軸2は、
X軸線と球心Oで直交するM軸線を連結軸として回転ピ
ストン3が入力軸2上を水平方向に少なくとも角度(θ
×2)の範囲を揺動可能に互いの両片を以てピン継手関
節16を組成して連結する。
【0046】また、ハウジング1内のS円面上には、板
面に前記回転ピストン3の弓形面14に対応する弓形面
22を有し、且つ外周面の同一円周上を周回溝に削成し
た軌道受25を有する円形状板の斜行板5を回転ピスト
ン3に蝶番状に交差させて配置し、尚この斜行板5は、
前記軌道環10に軌道受25の周回溝を摺接関係に嵌合
させてY軸線を中心に回転可能に拘束される。
【0047】そのS円面上の斜行板5とR円面上の回転
ピストン3との交差部分は、その交差割線Kを取付け軸
線として介在させた円柱状の中間軸4を両底面に平行な
切り口面で複数個に分割すると共に、それを回転ピスト
ン3に固着させたピストン中間軸4aの部分と斜行板5
に固着させた斜行板中間軸4bの部分とに区分し、且つ
そのピストン中間軸4aと斜行板中間軸4bとの接合部
分に、ピンとピン受孔からなる互いの両片でK軸線を関
節基軸線とする蝶番関節19を組成して斜行板5に回転
ピストン3が少なくとも角度(θ×2)範囲を擺動可能
に連結する。
【0048】すると、S円面上の斜行板5がハウジング
1の前記球面Gをなす内壁面7を閉鎖して半球状の定積
空間からなる半月状作動室Haを形成し、且つその半月
状作動室HaをR円面上の回転ピストン3が容積変化を
する櫛形状空間の櫛形状作動室Fuに形成する。更に、
その半月状作動室Haの櫛形状作動室Fuに臨ませて吸
込み孔Inと吐出孔Outとを適宜設ける。
【0049】
【実施の形態3】また別の実施の形態は、上記解決手段
3の構成である。即ち、この形態3は図13,14と図
17と図22の各図に示すように球面Gの内壁面を有す
るハウジング1において、その球面内壁7の球心Oを通
ってX軸線が貫通するハウジング1壁の点P位置に主軸
受8を貫設し、その主軸受8にX軸線を回転軸線とする
直軸状をなす入力軸2の軸頸を嵌挿させて軸承させる。
また、X軸線とY軸線との双方に球心Oで直交するZ軸
線上の点e,e側のハウジング1対向両壁にZ軸線を軸
受軸線とする軌道環軸受12を設ける。その上、対向外
周面の各々に柄状の軌道環軸11を固着させてハウジン
グ1内壁面7内で回動可能な輪体の軌道環6を設け、そ
の軌道環6の軌道環軸11を前記軌道環軸受12に嵌挿
させて回動自由に軸承させる。
【0050】そして、ハウジング1内のR円面上には、
外周面を前記球面内壁7に摺接契合する球弧面13に形
成し、且つ板面を半月状の弓形面14に形成した略板状
の回転ピストン3を配置して前記入力軸2の球心O位置
に枢結させるが、この回転ピストン3と入力軸2は、X
軸線と球心Oで直交するM軸線を連結軸として回転ピス
トン3が入力軸2上を水平方向に少なくとも角度(θ×
2)の範囲を揺動可能に互いの両片を以てピン継手関節
16を組成して連結する。
【0051】また、ハウジング1内のS円面上には、板
面に前記回転ピストン3の弓形面14に対応する弓形面
22を有し、且つ外周面の同一円周上を周回溝に削成し
た軌道受25を有する円形状板の斜行板5が回転ピスト
ン3に蝶番状に交差して配置されるが、この斜行板5
は、前記軌道環6に軌道受25の周回溝を摺接関係に嵌
合させてY軸線を中心に回転可能に拘束される。
【0052】そのS円面上の斜行板5とR円面上の回転
ピストン3の交差部分は、その交差割線Kを取付け軸線
として介在させた円柱状の中間軸4を両底面に平行な切
り口面で複数個に分割すると共に、それを回転ピストン
3に固着させたピストン中間軸4aの部分と斜行板5に
固着させた斜行板中間軸4bの部分とに区分し、且つそ
のピストン中間軸4aと斜行板中間軸4bとの接合部分
に、ピンとピン受孔からなる互いの両片でK軸線を関節
基軸線とする蝶番関節19を組成して斜行板5に回転ピ
ストン3が少なくとも角度(θ×2)範囲を擺動可能に
連結する。
【0053】尚、前記軌道環6には、その軌道環6の傾
転角度を自由に変化させる軌道環6位相の制御装置CA
を前記軌道環軸11に装着して連動させ、その前記Z軸
線上の軌道環軸11を中心として軌道環6の傾転を前記
入力軸2のX軸線に対して角度0から角度±θの範囲の
何れかを自動的に制御装置CAに選択させる。
【0054】すると、S円面上の斜行板5がハウジング
1の前記球面Gをなす内壁面7を閉鎖して半球状の定積
空間からなる半月状作動室Haを形成し、且つその半月
状作動室HaをR円面上の回転ピストン3が容積変化を
する櫛形状空間の櫛形状作動室Fuに形成する。更に、
その半月状作動室Haの櫛形状作動室Fuに臨ませて吸
込み孔Inと吐出孔Outとを適宜設ける。
【0055】
【実施の形態4】更に別の実施の形態は、上記解決手段
4の構成である。即ち、この形態4は図23と図24に
示すように球面Gの内壁面を有するハウジング1におい
て、その球面内壁7の球心Oを通ってX軸線が貫通する
ハウジング1壁の点P側に主軸受8を貫設し、その主軸
受8にX軸線を回転軸線とする直軸状をなす入力軸2の
軸頸を嵌挿させて軸承させ、且つX軸線上の入力軸2に
角度θを有して球心Oで交差するY軸線上のハウジング
1壁にも斜行板軸受29の円孔を主軸受8の対向側に設
ける。
【0056】そして、ハウジング1内のR円面上には、
外周面を前記球面内壁7に摺接契合する球弧面13に形
成し、且つ板面を半月状の弓形面14に形成した半円状
板の回転ピストン3を配置して前記入力軸2の球心O位
置に枢結させる。この回転ピストン3と入力軸2は、X
軸線と球心Oで直交するM軸線を連結軸として回転ピス
トン3が入力軸2上を水平方向に少なくとも角度(θ×
2)の範囲を揺動可能に互いの両片を以てピン継手関節
16を組成して連結する。
【0057】また、ハウジング1内のS円面上には、球
面Gをなすハウジング1内壁面7に回転摺接する外周面
と板面に前記回転ピストン3の弓形面14に対応する弓
形面22とを有し、且つその弓形面22の裏面側中心部
に柄状丸柱の斜行板軸28を固着させた円形状板の斜行
板5を回転ピストン3に蝶番状に交差させて配置すると
共に、この斜行板5は前記斜行板軸受29にY軸線を回
転軸線とする斜行板軸28を嵌挿させて回転自在に支持
される。
【0058】そのS円面上の斜行板5とR円面上の回転
ピストン3との交差部分は、その交差割線Kを取付け軸
線として介在させた円柱状の中間軸4を両底面に平行な
切り口面で複数個に分割すると共に、それを回転ピスト
ン3に固着させたピストン中間軸4aの部分と斜行板5
に固着させた斜行板中間軸4bの部分とに区分し、且つ
そのピストン中間軸4aと斜行板中間軸4bとの接合部
分に、ピンとピン受孔からなる互いの両片でK軸線を関
節基軸線とする蝶番関節19を組成して斜行板5に回転
ピストン3が少なくとも角度(θ×2)範囲を擺動可能
に連結する。
【0059】すると、S円面上の斜行板5がハウジング
1の前記球面Gをなす内壁面7を閉鎖して半球状の定積
空間からなる半月状作動室Haを形成し、且つその半月
状作動室HaをR円面上の回転ピストン3が容積変化を
する櫛形状空間の櫛形状作動室Fuに形成する。更に、
その半月状作動室Haの櫛形状作動室Fuに臨ませて吸
込み孔Inと吐出孔Outとを適宜設ける。
【0060】
【各実施の形態の共通態様(作動室の形成とθ角度)】
本発明では、上記実施の形態1乃至3、及び実施の形態
1乃至4における共通の態様としてハウジング1内に形
成される作動室の数は以下の3通りがある。共通態様1
(4作動室).上記実施の形態1乃至3において、斜行
板5の両側に半月状作動室Ha,Haを形成し、その二
つの半月状作動室Ha,Haの各々を円形状板の回転ピ
ストン3が二つずつの櫛形状作動室Fu,Fu、Fu,
Fu(空間A,B,C,D)に形成する。共通態様2
(回転軸に対して水平方向に並ぶ2作動室).上記実施
の形態1乃至3において、斜行板5の両側に半月状作動
室Ha,Haを形成し、その二つの半月状作動室Ha,
Haの各々を半球状板の回転ピストン3が櫛形状作動室
Fu,Fu(空間A,Dか、又は空間B,C)に形成す
る。共通態様3(回転軸に対して垂直方向に並ぶ2作動
室).上記実施の形態1乃至4において、斜行板5両側
の何れか一方側にのみ半月状作動室Haを形成し、その
半月状作動室Haを半円状板の回転ピストン3が二つの
櫛形状作動室Fu,Fu(空間A,Bか、又は空間C,
D)に形成する。
【0061】また、上記何れの実施の形態においても、
X軸線とY軸線とが球心Oにおいて交差して創出する傾
転角度θは10°<θ<60°が実用範囲であり、その
最適角度は25°〜35°である。
【0062】
【作動原理】上記構成による本発明の球形の回転ピスト
ンポンプ、圧縮機の作動原理を、回転ピストン3と斜行
板5の回転連動と、それに伴って生じる各作動室Fuの
容積変化とにおいて図25,26に基づき上記実施の形
態1、及び上記共通態様1を例とし、且つ動作流体の出
入孔In,Outの取付けと吸入、吐出行程の全作動を図
27に基づいて以下説明する。
【0063】図25(a)における入力軸2と回転ピス
トン3と斜行板5の三者が前記ピン継手関節16と前記
蝶番関節19とを介在させて係合状態にある時、入力軸
2に電動機、又は内燃機関等の原動機によって回転を与
えれば、回転ピストン3は斜行板5の回転平面上を誘導
されて三者共通の中心であるハウジング1内壁面7の球
心Oを旋回の中心として円錐軌跡U上に沿って円錐運動
をする。即ち、図25,26(a)〜(l)は協働回転
をする回転ピストン3と斜行板5との半回転(180
度)分に相当する作動を示すものである。
【0064】また、図示される櫛形状の作動室Fuは、
まずハウジング1の円球内が斜行板5によって凹面内壁
面7を閉鎖した二つの半月状の空間Ha,Haに形成さ
れ、更にそこに組込まれる回転ピストン3によってハウ
ジング1の内壁面7と斜行板5板面の弓形面22と中間
軸4柱面を含む回転ピストン3の弓形面14とに囲われ
た櫛形状の空間A,B,C,Dであるが、その同一半月
状作動室Ha内に形成される櫛形状作動室のAとB、又
はCとDは、互いが反比例に作動室体積を変化させて作
動する。
【0065】つまり、斜行板5によってダブルエンドに
形成された半月状作動室Ha,Haの各々にダブルエン
ドのピストンとして構成する回転ピストン3を組込んで
作動させれば、同一半月状作動室Ha内の二つの櫛形状
作動室AとB、又はCとDの何れか一方側の空間が拡張
して体積を増加させると反対側の空間は収縮して体積を
減少させ、また斜行板5の同一弓形面22を挟む二つの
作動室AとD、又はBとCの空間も互いが反比例に体積
を変化させて作動する。尚、斜行板5を斜めに挟んで対
向する二つの作動室AとC、BとDは、互いの体積が常
に正比例する増減関係を有して変化する。
【0066】結局、櫛形状空間の形成は相対する回転ピ
ストン3と斜行板5との板面の間隙であり、互いの板面
の離合によってその空間体積が増減する。従って、その
板面間隙を作動室Fu空間とすれば、互いに与する回転
ピストン3と斜行板5との互いの板面の接近は、その板
面間が形成する間隙の収縮であると共に作動室Fu空間
における体積の減少であって、往復ピストンポンプ、及
び往復動圧縮機におけるピストン、或はプランジャがシ
リンダー内を二つのデッドポイントの下死点から上死点
に向かう過程の作動に相当する。反対に互いに与する回
転ピストン3と斜行板5との板面の離間は、その空間体
積の増加であって往復ピストンポンプ、往復動圧縮機に
おけるピストン、或はプランジャが上死点から下死点に
移動する過程に相当し、互いの板面間に形成される間隙
の弛緩と収縮が各作動室Fuにおける体積の増加と減少
である。
【0067】図25(a)において、作動室Aはその作
動室間隙を収縮させていて最小体積であり、その作動室
Aの対称位置にある作動室Cも同様に作動室間隙を収縮
させていて体積も最小であるが、作動室Aと共に同一の
半月状作動室Haを共有する作動室Bと、もう一方の半
月状作動室Haを作動室Cと共に共有する作動室Dは共
に作動室間隙を拡張させた上限の体積を持っている。こ
の図25(a)における回転ピストン3は入力軸2上に
左右対称な平衡に置かれて入力軸2に中間軸4が直交
し、且つ入力軸2の軸線とピストン通軸孔15の中心線
とが重なった状態にある。
【0068】この場合、回転ピストン3は入力軸2を振
幅の基線として入力軸2上の平面方向に揺動するが、入
力軸2に矢印方向の回転を与えると、ピストン通軸孔1
5の中心を通る回転ピストン3の水平平衡線(軸線L)
が次第に入力軸2上から外れて偏り、図25(a)から
(b),(c),(d),(e)の順に作動室A,Cは
作動室空間が押し広げられて体積を増加させ、それとは
逆に作動室B,Dは回転ピストン3と斜行板5との板面
が近付いて互いの作動室空間を収縮させ、その体積を減
少させる。
【0069】そして、図26(g)に至って回転ピスト
ン3は入力軸2と斜行板5との軸線間に創出される開角
度(傾転角度θ)分を移動するが、それは入力軸2の回
転角90度分に相当し、四つの作動室空間A,B,C,
Dの体積変化が中位になって各々の体積は等量になる
が、更に図26(h)乃至(k)の方向に順次作動が進
行すれば、作動室A,Cの各作動室間隙は更に広がって
体積を拡大させ、反対に作動室B,Dの体積を更に縮小
させる。つまり、図25(a)における回転ピストン3
が180度分である半回転をすると、図26(l)に示
すように回転ピストン3の表裏が入れ替わって、作動室
A,Cは共に作動室間隙を拡張させて体積が最大量にな
り、反対に作動室B,Dはその体積を上限値から下限値
へと共に収縮させる。
【0070】また、図25(a)から図26(l)まで
の各作動室A,B,C,Dの体積変化は180度の回転
分であるが、図26(l)における作動室A,Cの間隙
が共に下限になるまでと作動室B,Dの間隙が共に上限
になるまで更に180度分の回転を加えれば、図25
(a)からでは360度分である1回転を行ったことに
なり、作動室A,B,C,Dの各々が吸い込みと吐き出
しとの二つずつの行程を完了させる分の回転をしたこと
になる。従って、ハウジング1の適位置に吸入孔Inと
吐出孔Outとを穿設して動作流体を供給し、且つ上述の
如くの2行程サイクルを繰り返せば本発明の球形の回転
ピストンポンプ、圧縮機は流体ポンプ、及び圧縮機とし
て作動する。その時、特に圧縮機としては、吐出孔Out
側にチェックバルブ(逆止弁)等の弁を取付けるとよ
い。
【0071】
【行程】本発明の球形の回転ピストンポンプ、圧縮機で
は、最小から最大、最大から最小に交番する櫛形状作動
室Fuの体積変化が上述したように入力軸2回転角の1
80度毎に行われ、従来の往復ピストンポンプ、圧縮
機、或は定吐出容量のベーンポンプと同じように吸込み
行程と吐出し(圧縮)行程との2行程を有し、その2行
程の全作動が軸回転の360度、即ち入力軸2の1回転
の間に行われる。また、本発明の球形の回転ピストンポ
ンプ、圧縮機においては、液体、気体の何れの動作流体
に拘らず、その流体が流出入する流路孔は各半月状作動
室Haに吸入孔Inと吐出孔Outの少なくとも1穴ずつ
がハウジング1壁のほぼ対向位置に穿設されるが、その
場合の出入孔In,Out口は、幾何学的構成において示
したX,Z軸線の双方を通る平面上のハウジング1内壁
面7に開口する。
【0072】図27は、本発明の球形の回転ピストンポ
ンプ、圧縮機の作動経過を示したものであるが、以下吸
入、吐出の各行程を説明する。 〔吸入行程(〜)〕図27(A)のの状態は、作
動室Fuの容積が最小であり、吸入側の上死点に相当し
て(B)〜(D)の〜と回転ピストン3の回転に伴
って作動室Fuは順次大きくなり、開口した吸入孔In
から動作流体が吸い込まれる。そして、(A)のの状
態になると、作動室Fu容積は最大となって吸入行程が
終了するが、尚この状態は吸入側の下死点位置に相当す
る。 〔吐出行程(〜)〕吸入行程の終りの(A)におけ
るの下死点付近で吐出孔Outが開口して吸入した流体
を圧縮し始めると同時に、流体が液体においては吐出さ
れ始め、気体では吐出孔Outに取付けた吐出弁や逆止弁
等によって吐出時期が調時され、(B)〜(D)の〜
を経て(A)の付近まで吐出が続けられる。
【0073】以上のように、本発明の球形の回転ピスト
ンポンプ、圧縮機は、回転ピストン3が1回転する間に
各半月状作動室Ha内の二つの櫛形状作動室Fu,Fu
のそれぞれが吸入、吐出の各行程を完了するため、回転
ピストン3、及び入力軸2の1回転に1回の吐出行程を
有する特長がある。尚、本発明の球形の回転ピストンポ
ンプ、圧縮機における押しのけ容積は作動室Fu全体の
体積に比例する。
【0074】
【性能計算】また、本発明の球形の回転ピストンポン
プ、圧縮機の性能計算を流体ポンプにおいて述べれば、
従来のポンプと同じようにその性能は吐出量Q〔l/mi
n〕で表わされ、その吐出量Qは次式で表わされる。 Q=(ηυ・qp・N)/1000 ηυ ポンプの容積効率 qp ポンプの1回転当たりの押しのけ容積〔cm3/re
v〕 N 入力回転数〔r.p.m〕 この時、本発明の球形の回転ピストンポンプに仕事をさ
せるために必要な入力Ln〔kW〕も、従来ポンプと同
じく次式によって計算される。 Ln=(P・Q)/(60・η)P 吐出圧力〔MP
a〕(=100/9.8〔kgf/cm2〕) η 全効率(ポンプ効率) Q 吐出量〔l/min〕 尚、全効率ηは、容積効率ηυに機械効率ηmを乗じた
ものである。
【0075】
【実施例】本発明の球形の回転ピストンポンプ、圧縮機
は、上述したように各種実施の形態(1〜4)における
共通の態様1乃至3の各々が上記作動原理に基づいて流
体ポンプ、及び圧縮機として作動するものである。即
ち、本発明においては、ハウジング1内に一つの櫛形状
作動室乃至四つの櫛形状作動室(Fuか、又はFu,F
uか、又はFu,Fu,Fuか、又はFu,Fu,F
u,Fu)を有する実施の形態があるが、取り分け上記
形態1乃至3において一つのハウジング1内に対向両側
の四つの櫛形状作動室Fu,Fu、Fu,Fu(空間
A,B,C,D)を形成するか、或は上記形態1乃至3
において一つのハウジング1内に回転軸に対して水平方
向に並ぶ二つの櫛形状作動室Fu,Fu(空間A,D
か、又は空間B,C)を形成するか、或は又、上記形態
1乃至4において一つのハウジング1内に回転軸に対し
て垂直並びの二つの櫛形状作動室Fu,Fu(空間A,
Bか、又は空間C,D)を形成する3種類の形態を、以
下の各実施例に基づき図面を参照して詳しく説明する。
【0076】
【実施例1】まず、一つのハウジング1内に四つの櫛形
状作動室A,B,C,Dを形成した形態の実施例を説明
する。図9、及び図10に示すこの実施例は、前記実施
の形態1、及び共通態様1の構成に基づく実施例であ
る。例えば、前記解決手段において点、線、面の各関係
を設定したハウジング1を図9に示すa−a,b−bの
S円面を跨ぐ平行な二つの切り口平面によって分離した
とすると、ハウジング1は3分割されて筒状、又は環状
からなるS円面上の中央部分と各々が半球より小さい球
冠からなる両側部分とに区分されるが、その中央部分を
斜行板5を回転可能に拘束する斜行板ハウジング1bと
して球面Gより大きいS円面同心の内壁面に形成し、両
側の各々を円形状回転ピストン3の半円ずつを内包する
回転ピストンハウジング1a,1aとして球面Gからな
る対称形の凹面内壁7a,7aに形成する。
【0077】その斜行板ハウジング1bと両側の回転ピ
ストンハウジング1a,1aとを合一させて球状の一体
構造に形成すると、斜行板ハウジング1bの内部面を溝
底とする両回転ピストンハウジング1a,1a凹面内壁
7a,7aの円周縁間が前記軌道隙9としてS円面の延
長平面に沿って周回する溝状間隙に形成される。その上
で、その軌道隙9中心線のY軸線に球心Oで角度θを有
して交差するX軸線上の回転ピストンハウジング1a,
1aの対向両壁に軸受孔の主軸受8,8を貫設すると共
に、その両主軸受8,8にはX軸線を回転軸線として直
軸状をなす入力軸2の両側軸頸を嵌挿させて回転自在に
軸承させる。この入力軸2には、球心Oに位置してM軸
線を連結の軸とする前記ピン継手関節16のピン柱、又
はピン受孔の何れかからなる連結素子(この図9,10
においてはピン受孔である)の軸央枢17を有する。
【0078】また、ハウジング1内のR円面上には、球
面Gをなす各回転ピストンハウジング1aの凹面内壁7
aに回転可能に摺接する外周面の球弧面13と、その球
弧面13の弓形輪郭平面をなす表裏の弓形面14,14
と、その表裏の弓形面14,14の弓形弦が挟持する弦
側面とから形成される弓形板の二つをK軸線を挟んで互
いの弦側面を対面させて対称配置し、且つその対面する
両弓形板の弦側面にK軸線を取付け軸線とする円柱状の
中間軸4を介在合体させて全体形状を略円形板に形成し
た回転ピストン3を配置する。
【0079】この回転ピストン3には、自らが内包する
R円面に沿ってX軸線上の両球弧面13,13から中間
軸4内中央に向かって貫き前記入力軸2を遊挿させるピ
ストン通軸孔15を開口させると共に、そのピストン通
軸孔15の中間軸4内中央部分にM軸線を連結軸線とし
て前記入力軸2の軸央枢17に対応するピン継手関節1
6のピストン枢18(図9,10ではピン柱である)を
設ける。そして、そのピストン枢18をX軸線上の入力
軸2に対して±θ角度範囲を回動可能に入力軸2の軸央
枢17に枢着させる。また、回転ピストン3の中間軸4
両端には、前記点Ka、点Kb側に交差割線Kを連結の
軸とする蝶番関節19の蝶番ピン20,20、又は蝶番
ピン受21,21の何れか(図9,10では蝶番ピン受
21,21である)を設ける。
【0080】尚、ピストン通軸孔15の長円形からなる
開口部は、短径が入力軸2の軸径より若干大きく、長径
は入力軸2と斜行板5との回転軸線X,Yの交差角度θ
の少なくとも2倍長を有し、その長径を振幅長として回
転ピストン3が回転に伴って入力軸2上を見掛け上は往
復揺動する。従って、回転ピストン3は入力軸2に対し
てピストン通軸孔15の長径方向にのみ揺動しながら入
力軸2と共に回転し、自らの1回転につきピストン通軸
孔15の長径方向を1往復する。
【0081】一方、ハウジング1内のS円面上には、回
転ピストン3の中間軸4を挟む対向両側に各々が回転ピ
ストン3の前記弓形面14,14に対応する対称同形の
弓形面22,22の表裏と、その弓形面22,22の弦
側に中間軸4の軸柱面と幾何条件が摺接可能に契合する
弦側面23とを有して形成される弓形板の二つを、前記
軌道隙9に回転摺動可能に嵌合する環状の斜行板環24
の内側に結合させて1枚の円形状板に形成した斜行板5
が配置される。つまり、この斜行板5は、同一平面上に
半円より小さい弓形の劣弧とその劣弧の両端を差し渡す
弓形弦とから形成されて対称配置された両弓形板の弓形
輪郭面を外側向きにして互いの弦側面23,23を対面
させ、且つ双方の弓形輪郭面と契合する内周面に形成し
た斜行板環24を互いの弓形板の外側に配置してそれら
を結合させれば全体形状が円形状板に形成される。
【0082】而も、この斜行板5には、K軸線を挟んで
対面する弦側面23,23と、そのK軸線上で対面する
斜行板環24の対向両面との対面する4辺によってK軸
線上を矩形に突き抜けた窓状の空隙部分が形成される
が、その空隙部分の点Ka,Kbに位置する斜行板環2
4の対向両側には回転ピストン3の中間軸4両端に取付
けられる前記蝶番関節19素子に対応する連結素子(図
9,10においては蝶番ピン20,20である)が設け
られる。そして、その斜行板5の窓状空隙に回転ピスト
ン3の中間軸4を軸柱に沿って嵌挿させれば、その窓枠
における斜行板環24の対向両側と中間軸4両端取付け
の蝶番ピンと蝶番ピン受20,21、20,21とが嵌
合し、且つ斜行板5の弦側面23,23と中間軸4の軸
柱面とが摺接関係に密封し、中間軸4の両底面と窓枠と
して残る斜行板環24の対向面も摺接関係に密閉し、回
転ピストン3と斜行板5との円形状板の2枚が中間軸4
上に交差割線Kを連結の軸として±θ角度範囲を擺動可
能に交差して組立てられる。
【0083】結局、そのように斜行板5に組付けられた
回転ピストン3の半円分ずつは、その半円分ずつの与す
る回転ピストンハウジング1a,1aの凹面内壁7a,
7aに互いの球弧面13,13が不即不離の状態を保持
して収容されると共に、斜行板5の斜行板環24が斜行
板ハウジング1bの軌道隙9に回転自由な嵌合状態に組
込まれ、入力軸2と回転ピストン3が回転ピストン3の
内部中央にピン継手関節16を組成して連結し、且つ回
転ピストン3と斜行板5が中間軸4の両端部において蝶
番関節19を組成して連結する。
【0084】すると、S円面上の斜行板5が回転ピスト
ンハウジング1a,1aの凹面内壁7a,7aを閉鎖し
て自らの両側に半球状をなす定積空間の半月状作動室H
a,Haを形成し、且つその半月状作動室Ha,Haの
各々をR円面上の回転ピストン3が反比例に体積変化を
させる二つずつの櫛形状をなす作動室A,BとC,Dに
形成する。更に、その各々の半月状作動室Haに臨ませ
てハウジング1壁を貫通する動作流体の吸入孔Inと吐
出孔Outとを設ける。
【0085】そして、入力軸2に矢印方向の回転を与え
ると、その入力軸2の回転は前記ピン継手関節16に伝
達されて上記図25,26(a)〜(l)に示すように
対偶する回転ピストン3と斜行板5とを協働回転させ、
それに伴って回転ピストン3と斜行板5の板面間隙が変
化し、その板面間が形成する作動室A,B,C,Dの各
々も体積を増減させる。その作動室A,B,C,Dの体
積が増加する際に各々が与する吸入孔Inから動作流体
を吸い込ませ、減少する際に各々が与する吐出孔Outか
ら動作流体を吐き出させる。
【0086】
【実施例2】図11、図12に示すこの実施例は、前記
実施の形態2、及び共通態様1の構成に基づき、上記実
施例1における構成と同様にハウジング1内に四つの櫛
形状作動室A,B,C,Dが形成されるが、斜行板5の
位相を拘束する為に、斜行板環24とその斜行板環24
が嵌合する周回溝の軌道隙9とを有して構成される上記
実施例1に対して、この実施例では斜行板5に斜行板環
24の取付けはなく、代わりに斜行板5の外周面を周回
する溝の軌道受25を有し、且つその軌道受25に嵌合
する輪体の軌道環10をS円面上のハウジング1内壁面
7に固着させており、ハウジング1内壁面7には上記実
施例1における軌道隙9の凹状溝に対して凸状の環取付
けである。
【0087】また、点P,P位置の前記主軸受8,8に
は、上記実施例1における構成と同様に球心Oの部分に
前記ピン継手関節16の軸央枢17を有する入力軸2を
嵌挿させて軸承支持させるが、その入力軸2が挿通して
枢支するR円面上の回転ピストン3は対称配置の弓形板
の二つに前記中間軸4を介在させた円形状板であり、前
記軌道環10上であるS円面上に置かれる斜行板5も対
称配置の弓形板の二つに中間軸4を介在させた円形状板
である。
【0088】尚、この実施例2における中間軸4柱は、
その軸円柱が両底の平行面で輪切りにされて複数個(図
11,12においては3分割)にされ、その中央部分を
ピストン中間軸4aとして回転ピストン3の両弓形弦側
に固着させ、両端部分を斜行板中間軸4b,4bとして
斜行板5の両弓形弦側に固着させると共に、その輪切り
接合部分のピストン中間軸4aと斜行板中間軸4b,4
bとの底面中央部に、K軸線を連結の基軸線として互い
に与する蝶番ピンと蝶番ピン受20,21、20,21
とが連結嵌合して前記蝶番関節19を組成する。また、
上述したように斜行板5には、斜行板中間軸4b,4b
の回転遠心側底面を含む外周面を周回する溝の前記軌道
受25が削設されていて前記軌道環10を回転可能に嵌
合させる。
【0089】結局、この実施例においても、球面Gをな
すハウジング1内壁面7は内部突設の軌道環10を境界
として対面する凹面内壁7a,7aに形成され、その凹
面内壁7a,7aが斜行板5の組込みによって両半月状
作動室Ha,Haの定積空間に形成され、且つそれぞれ
の凹面内壁7a,7aに回転ピストン3の半円分ずつが
不即不離に収容されて半月状作動室Ha,Haの各々を
反比例に体積変化させる二つずつの密封された櫛形状作
動室A,B,C,Dに形成する。そして、入力軸2に矢
印方向の回転を与えると、上記実施例1の場合と同じく
入力軸2の回転が回転ピストン3と斜行板5を協働回転
させて各作動室A,B,C,Dの体積を変化させ、その
体積が増加する際にハウジング1壁の適位置に穿設され
た吸入孔Inから動作流体を吸い込ませ、体積が減少す
る際に同様に穿設された吐出孔Outから動作流体を吐き
出させる。
【0090】
【実施例3】上記実施例2においてハウジング1内壁面
7に固着させて構成した軌道環10をハウジング1内の
可動部分として構成することが可能である。即ち、前記
実施の形態3と共通態様1の構成に基づく図13、図1
4に示すこの実施例は、上記実施例2における固定軌道
環10を可動軌道環6に置き換え、且つその軌道環6に
制御装置CAを新たに取付けたものであるが、その軌道
環6取付けの制御装置CAは、斜行板5の傾転角度を0
〜±θ角度に連続的に変化させることによって回転ピス
トン3のストロークを変え、吐出流量を可変にしたもの
である。
【0091】つまり、この実施例ではハウジング1内壁
面7内で自らの環軸線方向に回動可能な外周面と、直径
中心線上の対向両外周面に固着させた丸柱からなる柄状
の軌道環軸11,11とを有してX,Y軸線の双方に唯
一直角方向にのみ可動な輪体に形成した軌道環6を設
け、且つ点e,e側にあたるZ軸線上のハウジング1の
対向壁にZ軸線を軸受軸線とする軌道環軸受12,12
を設ける。その上で、軌道環6を斜行板5周回溝の軌道
受25に回転可能に嵌合させて組付けると共に、前記軌
道環軸11,11を軌道環軸受12,12に回動自由に
嵌挿させて支持させ、図示はしないが更にその軌道環軸
11,11の軸頸に連結端子を取付け、且つその軸頸の
端子に斜行板5の傾転角度を自由に変化させる制御装置
CAの端末部を連結する。
【0092】すると、制御装置CAが、ポンプ吐出圧力
に応じて軌道環軸11,11の固定止め位置を変位さ
せ、その固定位置の変位が軌道環6を経て斜行板5の傾
転角度(0〜±θ)を自動的に変化させるが、その斜行
板5の傾きの変化が回転ピストン3の擺動ストロークを
変化させ、その傾きが大きくなるとストロークが長くな
って小さくなるとストロークも短くなり、各々の櫛形状
作動室A,B,C,Dの軸1回転における押しのけ容積
である絶対体積量を変化させて吐出圧力に応じた必要な
吐出量を確保させる。
【0093】
【実施例4】上記実施例1乃至3の構成において、ハウ
ジング1内の作動室を4作動室Fu,Fu,Fu,Fu
構成から2作動室Fu,Fu構成にして作動させること
が可能である。図15に示すこの実施例は、前記実施の
形態1、及び共通態様2に基づき、上記実施例1の構成
において4作動室A,B,C,Dを軸方向並びの2作動
室A,Dか、又は2作動室B,Cに換えて構成したもの
である。
【0094】尚、この実施例も上記実施例1と同様に、
前記解決手段において点、線、面の各関係を設定したハ
ウジング1を図15に示すa−a,b−bのS円面を跨
ぐ平行な二つの切り口平面によって3分割し、その中央
部分を斜行板ハウジング1bとして両側部分の各々を回
転ピストンハウジング1a,1aとし、それらを同一線
上に合体させると斜行板ハウジング1bの内側が前記斜
行板環24を回転可能に拘束する前記軌道隙9として溝
状の間隙に形成されると共に、X軸線上の回転ピストン
ハウジング1a,1aの対向壁には球心Oの位置に前記
ピン継手関節16素子の軸央枢17を有する入力軸2を
挿通させて軸承させる前記主軸受8,8が貫設される。
【0095】一方、上記実施例1との相違において、円
形状回転ピストン3に対してこの実施例では、回転外周
面の球弧面13と、互いの弦側がK軸線を挟む同一平面
上の両弓形面14,14と、その両弓形面14,14間
に半埋込み状に合体させた円柱状の中間軸4とから全体
形状が半球状の略円形板回転ピストン3であるが、上記
実施例1における構成と同様に、回転ピストン3には前
記入力軸2を遊挿させるピストン通軸孔15と球心Oに
位置して前記ピン継手関節16のピストン枢18と中間
軸4両端に蝶番関節19の連結素子とを有する。
【0096】また、上記実施例1との相違において、対
称配置した2枚の弓形板に斜行板環24を結合させて形
成される円形状斜行板5に対し、この実施例4における
斜行板5は、一つの弓形板を斜行板環24の内側に固定
させて弦側面23を辺とする半円より大きく突き抜けた
窓状空隙を有する円形状板であるが、この場合にも中間
軸4の両端に設けた前記蝶番関節19素子に対応する連
結素子が前記点Ka、点Kb側に位置する斜行板環24
の対向両側に設けられるから、その斜行板5の突き抜け
た窓に回転ピストン3の中間軸4柱を嵌め込むと共に互
いの両片を以て蝶番関節19を組成し、斜行板5と回転
ピストン3とを交差割線Kを連結の軸線として±θ角度
範囲を擺動可能に連結させる。
【0097】結局、S円面上の斜行板5が回転ピストン
ハウジング1a,1aの両凹面内壁7a,7aを閉鎖し
て斜行板5の両側に半球状をなす定積空間の半月状作動
室Ha,Haを形成し、且つその半月状作動室Ha,H
aの各々をR円面上の回転ピストン3が同一平面上にお
いて反比例に体積変化をさせる櫛形状をなす一つずつの
作動室A,Dか、又はB,Cに形成すると共に、その各
々の半月状作動室Haを臨むハウジング1壁の適位置に
は動作流体の吸入孔Inと吐出孔Outとが設けられる
が、この実施例においても入力軸2に与えられた矢印方
向の回転は、前記ピン継手関節16に伝達されて対偶す
る回転ピストン3と斜行板5とを協働回転させ、その作
動において作動室A,Dか、又はB,Cの体積を増減さ
せるから、その体積が増加する際に吸入孔Inから動作
流体を吸い込ませ、減少する際には吐出孔Outから動作
流体を吐き出させる。
【0098】
【実施例5】図16に示すこの実施例は、上記実施例4
における構成と同様にハウジング1内に軸方向に並ぶ二
つの櫛形状作動室A,Dか、又はB,C構成の形態であ
り、前記実施の形態2、及び共通態様2の構成に基づく
ものである。尚、斜行板5の位相を拘束する為に上記実
施例4においてハウジング1内壁に設けられる周回溝の
軌道隙9に対して、上記実施例2における構成と同じく
斜行板5外周面に周設された溝の軌道受25に嵌合する
輪体の軌道環10をS円面上のハウジング1内壁面7に
凸設固着させるが、この実施例においても球心Oの部分
にピン継手関節16の軸央枢17を有する入力軸2が点
P,P位置の前記主軸受8,8に嵌挿して支持される。
【0099】一方、回転ピストン3は、同一板面上の両
弓形面14,14と球面内壁7に対接する両球弧面1
3,13と、その両弓形面14,14間に前記中間軸4
の少なくとも中央部分を半埋込み状に介在させた円形状
板であるが、斜行板5は、一つの弓形板に中間軸4の少
なくとも両側部分を取付けた略半円板であるか、又は図
16に示すようにその中間軸4の両側部分を取付けた弓
形板にその弓形板の対向側もアーチ状に繋いで全体に円
形の回転外周面を持たせた円形状板であるから、中間軸
4柱は、上記実施例2,3と同様に3分割の中央部分が
ピストン中間軸4aとして回転ピストン3に固着し、両
側部分が斜行板中間軸4b,4bとして斜行板5に固着
し、その接合部分には蝶番ピンに嵌合する蝶番ピン受2
0,21、20,21の前記蝶番関節19を組成して連
結する。
【0100】結局、球面Gをなすハウジング1内壁面7
内は、内部突設の軌道環10を境界として互いに対面す
る凹面内壁7a,7aと、S円面上の斜行板5とによっ
て定積空間の両半月状作動室Ha,Haに形成され、そ
の半月状作動室Ha,Haの各々をR円面上の回転ピス
トン3が同一平面上の両側において反比例に体積変化さ
せる櫛形状の作動室A,Dか、又はB,Cに形成する。
【0101】
【実施例6】この実施例は、上記実施例5においてハウ
ジング1内壁面7に固着させた軌道環10をハウジング
1内の可動部分として構成する。即ち、前記実施の形態
3、及び共通態様2の構成に基づく図17に示すこの実
施例は、上記実施例5における固定の軌道環10を可動
の軌道環6に置き換えて構成するもので、その可動の軌
道環6に制御装置CAを取付けて斜行板5の傾転角度
(0〜±θ)を自由に変えられるようにしたものであ
る。
【0102】つまり、上記実施例3における構成と同様
に、軌道環6の前記軌道環軸11,11を点e,e側の
ハウジング1壁に設けた軌道環軸受12,12に軸承さ
せ、且つその軌道環軸11,11に斜行板5の傾きを制
御する制御装置CAを取付けて連動させると、制御装置
CAがポンプの吐出圧力に応じて斜行板5の傾転角度
(0〜±θ)を自動的に変化させると共に回転ピストン
3のストロークを変化させ、各作動室A,Dか、又は
B,Cの軸1回転における押しのけ容積を変化させて吐
出圧力に応じた吐出量を確保する。
【0103】
【実施例7】図18,19に示すこの実施例は、前記実
施の形態1、及び共通態様3の構成に基づいて軸に垂直
方向並びの2作動室A,Bか、又は2作動室C,Dに構
成して作動させるものである。即ち、この実施例は、前
記解決手段において点、線、面の各関係を設定したハウ
ジング1を図18に示すa−aのS円面に平行な一つの
切り口平面によって内部をS円面より大きい凹状空隙に
形成した斜行板ハウジング1bと、その斜行板ハウジン
グ1b凹状内壁に球面Gをなす凹面内壁7aを対面させ
た半球状の回転ピストンハウジング1aとの二つに区分
し、そのように構成したハウジング1内に回転ピストン
3を弓形板と中間軸4柱とを合体させた略半円板とし、
斜行板5も両板面の一方を作動室Fu,Fuの形成面と
し、その作動室Fu,Fu形成面を回転ピストン3の板
面に対面させて互いを連動可能に組込むものである。
【0104】従って、その斜行板ハウジング1bの凹状
空隙の部分が斜行板5を回転可能に拘束する前記軌道隙
9としてY軸線に同心円の内周面に形成されるが、この
実施例においてもX軸線上の対向する回転ピストンハウ
ジング1a壁と斜行板ハウジング1b側壁とに前記主軸
受8,8を貫設し、その主軸受8,8に球心O位置に前
記ピン継手関節16の軸央枢17を有する入力軸2を軸
承させる。一方、半円状板の回転ピストン3には、上記
何れの実施例における構成とも同様に中間軸4両端の前
記点Ka、点Kb側に前記蝶番関節19の連結素子が設
けられると共に、R円面に沿ってピストン通軸孔15が
開口し、且つそのピストン通軸孔15内の球心O位置に
ピン継手関節16素子のピストン枢18が設けられて入
力軸2の前記軸央枢17に枢着する。
【0105】また、斜行板5は、同一板面に互いの弦を
対面させた二つの弓形面22,22と、その両弓形面2
2,22の弦側間を中間軸4柱に摺接可能に契合する溝
状の凹み部分に形成した半円柱形凹面の弦側面23と、
両弓形面22,22の裏面を同一の回転面に形成した外
郭摺接面27とを有する円形状板が、その円形状板径よ
り大きく前記軌道隙9に回転摺動可能に嵌合する環状の
斜行板環24と合体した円形板であり、入力軸2挿通の
為の斜行板通軸孔26を弦側面23の中央から外郭摺接
面27に開口させて前記ピストン通軸孔15の中間軸2
開口部に接合させると共に、前記点Ka、点Kb側の斜
行板環24の対向両側に中間軸4両端の前記蝶番関節1
9素子に対応する連結素子が設けられる。その上で、こ
の斜行板5の弦側面23に中間軸4柱を嵌め込み入れ、
斜行板5と回転ピストン3とを蝶番関節19によって±
θ角度範囲を擺動可能に連結させると、回転ピストン3
は回転ピストンハウジング1aの凹面内壁7aに球弧面
13が不即不離の状態を保持して収容され、斜行板5の
斜行板環24も斜行板ハウジング1bの軌道隙9に回転
自由な嵌合状態に収納される。
【0106】この実施例においては、S円面上の斜行板
5が回転ピストンハウジング1aの凹面内壁7aを閉鎖
して半球状をなす定積空間の半月状作動室Haを形成
し、且つその半月状作動室HaをR円面上の回転ピスト
ン3が反比例に体積変化をさせる櫛形状をなす二つの作
動室A,Bか、又はC,Dに形成する。尚、半月状作動
室Haを臨むハウジング1の適位置に動作流体の吸入孔
Inと吐出孔Outとを設ける。その上で入力軸2に与え
る矢印方向の回転は、前記ピン継手関節16を経て回転
ピストン3と斜行板5とを協働回転させ、それに伴って
作動室A,Bか、又はC,Dの体積を増減させ、その体
積が増加する際に吸入孔Inから動作流体を吸い込ま
せ、減少する際に吐出孔Outから動作流体を吐き出させ
る。
【0107】
【実施例8】この実施例は、上記実施例7の構成におい
て斜行板5中心を貫く前記斜行板通軸孔26に換えて斜
行板5に固定軸を取付けて作動させるものである。即
ち、入力軸2が回転ピストンハウジング1a壁と斜行板
ハウジング1b壁とに設けた前記主軸受8,8に両側軸
頸を軸承される上記実施例7の構成に対し、図20に示
すように軸央枢17の一方側にのみ軸柱を持着させて回
転ピストンハウジング1a壁に設けた主軸受8に軸承さ
れるように入力軸2を構成し、斜行板5に斜行板通軸孔
26は形成せず、反対に外郭摺接面27の中心部に柄状
の丸棒を斜行板軸28として軸止め固着させ、且つその
斜行板軸28には斜行板ハウジング1b壁中央に斜行板
軸受29を設けて対応する。
【0108】この場合、入力軸2と斜行板軸28との互
いの延長軸直線をハウジング1凹面内壁7aの球心O上
で角度θを有して交差する前記X,Y軸線に一致させる
が、それには互いが反対向きになるX,Y軸線上のハウ
ジング1壁のそれぞれに軸受を貫設し、その一方がX軸
線上の回転ピストンハウジング1a壁を穿つ主軸受8と
して入力軸2の軸頸を軸承し、もう一方がY軸線上の斜
行板ハウジング1b壁を穿つ斜行板軸受29として前記
斜行板軸28を挿通させて軸承する。つまり、この実施
例においても入力軸2と斜行板5とが角度θを隔てた定
位な回転軸線上を回転するものであり、その回転に伴っ
て入力軸2と斜行板5とに2方向を拘束支持された回転
ピストン3(自転軸L)が前記円錐軌跡Uに沿って円錐
運動をする。
【0109】
【実施例9】図21に示すこの実施例は、上記実施例7
における構成と同様にハウジング1内に軸垂直方向の2
作動室A,Bか、又はC,Dを形成した実施の形態であ
り、前記実施の形態2、及び共通態様3の構成に基づ
く。尚、この実施例は上記実施例7との相違において、
斜行板5の位相を拘束するハウジング1凹状空隙の軌道
隙9に対し、上記実施例2,5において取付けた軌道環
10と同じ輪体をS円面上のハウジング1内壁面7に固
着させる。
【0110】この場合の回転ピストン3は、弓形板が弓
形弦側に円柱状の前記中間軸4の少なくとも中央部分を
一体構造に固定させた半円状板であり、斜行板5は、同
一板面上の両弓形面22,22と回転外周面を含む両弓
形面22,22の裏面の外郭摺接面27とから形成され
る円形板が、その両弓形面22,22間に中間軸4の少
なくとも両側部分を固着させた円形状板であるから、先
の実施例2,5の場合と同様に中間軸4柱は少なくとも
3分割にされ、その中央部分がピストン中間軸4aとし
て回転ピストン3に固着し、両側部分が斜行板中間軸4
b,4bとして斜行板5に固着し、その接合部分には互
いに与して嵌合する蝶番ピンと蝶番ピン受20,21、
20,21の前記蝶番関節19を組成して連結し、且つ
両斜行板中間軸4b,4bの外接側底面を含む斜行板5
の外周面に周設された溝の前記軌道受25に前記軌道環
10が回転可能に嵌合する。
【0111】結局、ハウジング1内には斜行板5の組込
みによって半月状作動室Haが形成され、その半月状作
動室Haを回転ピストン3が反比例に体積変化させる二
つの櫛形状作動室A,Bか、又はC,Dに形成し、その
上ハウジング1壁の適位置に吸入孔Inと吐出孔Outと
が穿設されるが、いま与える矢印方向の回転は回転ピス
トン3と斜行板5を協働回転させて作動室A,Bか、又
はC,Dの体積を増減させ、その体積が増加する際に吸
入孔Inから動作流体を吸い込ませ、体積が減少する際
に吐出孔Outから動作流体を吐き出させる。
【0112】
【実施例10】上記実施例9においてハウジング1内壁
面7に固着させた軌道環10をハウジング1内の可動部
分として独立させるこの実施例は、前記実施の形態3、
及び共通態様3の構成に基づき、新たに制御装置CAを
設けて斜行板5の傾転角度(0〜±θ)を自由に変えら
れるようにしたものである。
【0113】つまり、図22に示すこの実施例10は、
上記実施例3,6における構成と同様に斜行板5の軌道
受25に嵌合して斜行板5を支持するハウジング1内壁
面7内で可動な軌道環6を取付けるが、その軌道環6の
対向両側に持着させた軌道環軸11,11が点e,e側
のハウジング1壁に設けた軌道環軸受12,12を嵌挿
して軸承され、且つその軌道環軸11,11に斜行板5
の傾きを制御する制御装置CAを取付け連動させるもの
である。即ち、制御装置CAがポンプの吐出圧力に応じ
て斜行板5の傾転角度(0〜±θ)を自動的に変化さ
せ、各々の作動室A,Bか、又はC,Dの軸1回転にお
ける押しのけ容積を変化させて吐出圧力に応じた吐出量
を確保させる。
【0114】
【実施例11】図23に示すこの実施例は、前記実施の
形態4、及び共通態様3の構成に基づき、上記実施例8
における構成と同じく軸に垂直方向に並ぶ作動室A,B
か、又はC,Dに配列させたものであるが、斜行板ハウ
ジング1bの内部をS円面径より大きい凹状空隙の軌道
隙9に形成した上記実施例8の構成に対し、斜行板ハウ
ジング1bに相当する分の周壁面も球面Gに形成し、そ
の周壁面内に斜行板5を収容可能に形成して組入れたも
のである。
【0115】即ちこの実施例では、全面が球面Gの内壁
面7を有するハウジング1壁に、X軸線上の主軸受8
と、その対向側に位置するY軸線上の斜行板軸受29と
が貫設され、入力軸2は上記実施例8における構成と同
様に軸央枢17に固着させた一方側のみの軸柱が主軸受
8に軸頸を嵌挿させて軸承され、また回転ピストン3は
上記実施例9,10における構成と同様に弓形板に少な
くとも3分割にした前記中間軸4の中央部分を固着させ
た半円状板である。
【0116】その点斜行板5は、同一板面に両弓形面2
2,22と、球面Gの内壁面7に摺接する両弓形面2
2,22の裏面を含む外周面の外郭摺接面27とを有し
て両弓形面22,22間に少なくとも3分割にした中間
軸4の両側部分を固定させ、且つ外郭摺接面27中心に
前記斜行板軸受29を嵌挿して斜行板5本体を定位軸回
転に拘束する柄状の斜行板軸28を突設させた円形状板
である。この実施例においても矢印方向の回転を与える
と、作動室A,Bか、又はC,Dの体積は増減し、その
体積が増加する際に吸入孔Inから動作流体を吸い込ま
せ、体積が減少する際に吐出孔Outから動作流体を吐き
出させる。
【0117】
【実施例12】図24の実施例は、上記実施例11にお
いてハウジング1の固定位置に取付け形成した斜行板軸
受29の部分をX,Y軸線の双方を通る平面上方向にの
み可動にして前記斜行板軸28位相を変化させ、斜行板
5の傾転角度(0〜±θ)を任意に変えられるようにし
たものである。
【0118】即ち、X,Y軸線の双方を通る平面上で斜
行板軸28が突き抜けるハウジング1壁をX軸線に対し
て少なくとも±θ角度の範囲を開放し、その開放部分に
斜行板軸28を嵌挿させた斜行板軸受29を取付けると
共に、図示はしないがその斜行板軸受29をX軸線を基
準に±θ角度範囲の可動を制御する制御装置CAをZ軸
線上の点e,eを支点に取付けて連動させる。結局、そ
の制御装置CAがポンプ吐出圧力に応じて斜行板5の傾
転角度(0〜±θ)を自動的に変化させ、各作動室A,
Bか、又はC,Dの軸1回転における押しのけ容積を変
化させて吐出圧力に応じた吐出量を常に確保させる。
【0119】
【実施例1乃至12共通の態様】上記実施例の何れにお
いても、図示はしないが特に圧縮機においては、その吐
出孔Out内に逆止弁等のバルブを装着するとよい。
【0120】
【発明の効果】従来の流体ポンプ、及び圧縮機におい
て、中でも高圧、高速回転で使用され、且つ最も汎用的
である往復ピストンポンプ、及び往復ピストン圧縮機
は、その基本構造に円筒シリンダーとピストンとの組合
わせを有し、その基本構造と作動には前記したように多
くの問題点が存在する。
【0121】即ち、往復ピストンポンプ、圧縮機は、部
品点数が多く構造が複雑で特殊材料を必要とし、且つ精
密加工を要する。また、往復運動機構や、吸入・吐出弁
の摩擦摩耗や故障が多く、ポンプ全体の体積に対して行
程体積(押しのけ容積)が小さくポンプ本体の寸法が大
きい。更に、運転に際して騒音、振動があり、長時間の
使用や分解、組立てには細心の注意が必要である。
【0122】それに対して本発明の球形の回転ピストン
ポンプ、圧縮機は、従来の歯車、ベーン等を含むピスト
ンポンプ、圧縮機とは全く異なった形状を示すもので球
形、球体が基本構造である。この球形、球体構造は、基
本的に衝撃荷重や熱応力に強く堅牢であり、球体と球体
内に収容される円形二つのピストン(回転ピストン3と
斜行板5)との組合わせの構造は、圧力が高くなったと
きのポンプ内部の吐出側から低圧側の吸入側へ、又はハ
ウジング内への漏れが少なく、即ち容積効率が極めて良
く、密封性能の高い作動室Fu空間が形成されて維持さ
れる。
【0123】本発明の球形の回転ピストンポンプ、圧縮
機は、入力軸2に与えた回転がピン継手関節16を経て
回転ピストン3を回転させると共に、蝶番関節19によ
って斜行板5も回転連動する。すると、回転ピストン3
と斜行板5間が押し広げられてハウジング1内壁面7と
中間軸4柱面を含む回転ピストン3と斜行板5との両弓
形面14,22で閉じられた作動室Fu空間を拡張さ
せ、その拡張する作動室Fu空間が真空状態を形成して
動作流体を吸引する。そして、回転に伴ってその1回転
毎に回転ピストン3の弓形面14は斜行板5弓形面22
に対して1往復の擺動を行い、この擺動を繰り返して連
続的に作動室Fu空間に吸入と吐出とをさせる。
【0124】このように本発明の球形の回転ピストンポ
ンプ、圧縮機は、入力軸2に与えた回転力が直接回転ピ
ストン3と斜行板5との板面間を押し広げてポンピング
作用をする構造上の特徴を有する。従って、従来の往復
ピストンポンプ、及び往復動圧縮機のようなピストンの
直線的往復動による慣性力を初めとする種々の不具合の
発生要素がない上に、余分な空間の形成もなく必要不可
欠のみの空間と単純パーツから構成されてスペースの無
駄と複雑さがなく、同一の押しのけ容積を持つ他のポン
プ、圧縮機に比べても極めて小形軽量である。その上、
往復ピストンポンプ、圧縮機のような摩擦摩耗、特に偏
摩耗成分の要素がなく、且つ吸入、吐出弁の取付けも必
ずしも必要としない。尚、油圧ポンプとしての吸入側に
圧油を供給すれば、そのまま油圧ポンプの逆の働きをす
るアクチュエータの油圧モーターとして使用可能であ
る。
【0125】また、容積効率と機械効率の積で表わされ
る全効率(ポンプ効率)は、従来ポンプにおいては一般
にピストンポンプが最も値が高いが、それに対比しても
基本的に円の集合体である本発明の流体ポンプ、圧縮機
は、上記したように摺接面が円であるから密閉に極めて
有利で漏れが少なく、高圧になるほど低下する実吐き出
し量の割合が大きく高い容積効率を示し、且つギクシャ
クのない回転するピストンによって有効軸入力の割合を
示す機械効率にも優れて、高いポンプ効率を示すもので
ある。或は、直流電動機やエンジン(内燃機関)等によ
り速度を変化させる場合においても、低速、高速域での
自吸能力に優れて騒音、振動の発生も殆どなく、特に高
い圧力レベルで連続運転が可能であると共に、連続運転
が可能な回転数も高く定格圧力、定格回転数の水準が高
い。
【0126】以上のように本発明の球形の回転ピストン
ポンプ、及び圧縮機は、球体構造であるから剛性、耐久
性に富み、機構が簡単平明であり、小形軽量で安価であ
り、吐出圧力が変わっても吐出量に変化が少なく、且つ
作動室Fu数を増やすことによって吐出量の脈動も少な
く出来る等、高い機械効率と容積効率とを兼ね備えた高
圧・高速の使用に耐える高性能の流体ポンプ、圧縮機で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を示す基本図形の一部縦断斜視
図。
【図2】基本図形の角度変化を示す斜視図。
【図3】基本図形の角度変化を示す斜視図。
【図4】基本図形の角度変化を示す斜視図。
【図5】基本図形の角度変化を示す斜視図。
【図6】基本図形の角度変化を示す斜視図。
【図7】基本図形の角度変化を示す斜視図。
【図8】基本図形の角度変化を示す斜視図。
【図9】本発明における実施例1を示す側面図。
【図10】図9の一部断面分解斜視図。
【図11】本発明における実施例2を示す側面図。
【図12】図11の一部断面分解斜視図。
【図13】本発明における実施例3を示す側面図。
【図14】図13の一部断面分解斜視図。
【図15】本発明における実施例4を示す側面図。
【図16】本発明における実施例5を示す側面図。
【図17】本発明における実施例6を示す側面図。
【図18】本発明における実施例7を示す側面図。
【図19】図18の一部断面分解斜視図。
【図20】本発明における実施例8を示す側面図。
【図21】本発明における実施例9を示す側面図。
【図22】本発明における実施例10を示す側面図。
【図23】本発明における実施例11を示す側面図。
【図24】本発明における実施例12を示す側面図。
【図25】本発明における作動と作動室空間の容積変化
を示す(a)(b)(c)(d)(e)(f)の各一部
縦断側面図。
【図26】図25の続き、本発明における作動と作動室
空間の容積変化を示す(g)(h)(i)(j)(k)
(l)の各一部縦断側面図。
【図27】本発明における吸入と吐出行程の作動経過を
示す正面からの模式図。
【符号の説明】
G 球面 O 球面Gの球心 r 球面Gの半径 X X軸線(入力軸の取付け軸線) Y Y軸線(S円面の形成軸線、斜行板の回転軸線) θ θ角度(X軸線とY軸線との鋭角側の交差角度) P P点(X軸線が球面Gに交わる点) Q Q点(Y軸線が球面Gに交わる点) U 円錐軌跡U(点P,Qを直径底面、球心Oを頂点
とする円錐軌跡) M M軸線(X軸線の垂直軸線、ピン継手関節の連結
軸線) Z Z軸線(X,Y軸線の双方に直交する直線、軌道
環軸受形成軸線) e e点(Z軸線が球面Gに交わる点) R R円面(X軸線上の水平円面) S S円面(Y軸線上の垂直円面) L L軸線(R円面の自転軸線) K K軸線(R円面とS円面との交差割線) Ka K軸線両端の一方の端点 Kb K軸線両端のもう一方の端点 Ha 半月状の空間、半月状作動室 Fu 櫛形状の空間、櫛形状作動室 In 吸い込み孔、吸入孔 Out 吐き出し孔、吐出孔 CA 斜行板の傾きを変える制御装置 A 空間A、櫛形状作動室A B 空間B、櫛形状作動室B C 空間C、櫛形状作動室C D 空間D、櫛形状作動室D 1 ハウジング 1a 回転ピストンハウジング 1b 斜行板ハウジング 2 入力軸 3 回転ピストン 4 中間軸 4a ピストン中間軸 4b 斜行板中間軸 5 斜行板 6 軌道環 7 内壁面、球面内壁 7a 回転ピストンハウジングの凹面内壁 8 主軸受 9 ハウジングの軌道隙 10 ハウジングの軌道環 11 軌道環軸 12 軌道環軸受 13 回転ピストンの球弧面 14 回転ピストンの弓形面 15 ピストン通軸孔 16 ピン継手関節 17 軸央枢 18 ピストン枢 19 蝶番関節 20 蝶番ピン 21 蝶番ピン受 22 斜行板の弓形面 23 斜行板の弦側面 24 斜行板環 25 軌道受 26 斜行板通軸孔 27 斜行板の外郭摺接面 28 斜行板軸 29 斜行板軸受
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 2/00 F04C 18/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内壁面に球面を有するハウジング(1)
    において、その球面内壁(7)の球心(O)を通る直線
    上のハウジング(1)壁に主軸受(8)を貫設して直軸
    状をなす入力軸(2)の軸頸を回転自由に嵌挿させ且つ
    その入力軸(2)に角度(θ)を有して球心(O)で交
    差する軸線の垂直平面上のハウジング(1)内壁面に周
    回溝の軌道隙(9)を削設し、 またハウジング(1)内には前記入力軸(2)と球心
    (O)で直交する直線を連結軸線として入力軸(2)上
    を水平方向に少なくとも角度(θ×2)の範囲を揺動し
    且つ外周面を前記球面内壁(7)と摺接する球弧面(1
    3)に形成しその球弧面(13)を弓形の弧とする弦側
    に円柱状の中間軸(4)を合体させて板面に弓形面(1
    4)を持つ略板状の回転ピストン(3)を入力軸(2)
    の球心(O)の部分に枢結し、 その上ハウジング(1)内には前記中間軸(4)上にお
    いて前記回転ピストン(3)と蝶番状に交差し縁部外周
    を環状に形成した斜行板環(24)が前記軌道隙(9)
    に回転可能に嵌合して拘束されると共に中間軸(4)の
    両底面とその両底面に対接する斜行板環(24)の対向
    両側部との各々にピンとピン受孔の互いに与する連結素
    子を有して互いが少なくとも角度(θ×2)範囲を擺動
    可能に連結し且つ板面に弓形面(22)を持つ円形状板
    の斜行板(5)を設け、 すると斜行板(5)がハウジング(1)の前記球面内壁
    (7)を閉鎖して半球状空間の半月状作動室(Ha)を
    形成し且つその半月状作動室(Ha)を回転ピストン
    (3)が櫛形状空間の櫛形状作動室(Fu)に形成し、 更にその櫛形状作動室(Fu)に臨ませて吸入孔(I
    n)と吐出孔(Out)とを適宜設けたことを特徴とする
    球形の回転ピストンポンプ、圧縮機。
  2. 【請求項2】 内壁面に球面を有するハウジング(1)
    において、その球面内壁(7)の球心(O)を通る直線
    上のハウジング(1)壁に主軸受(8)を貫設して直軸
    状をなす入力軸(2)の軸頸を回転自由に嵌挿させ且つ
    その入力軸(2)に角度(θ)を有して球心(O)で交
    差する軸線の垂直平面上のハウジング(1)内壁面
    (7)円周に輪体状の軌道環(10)を突設し、 またハウジング(1)内には前記入力軸(2)と球心
    (O)で直交する直線を連結軸線として入力軸(2)上
    を水平方向に少なくとも角度(θ×2)の範囲を揺動し
    且つ外周面を前記球面内壁(7)と摺接する球弧面(1
    3)に形成して板面に弓形面(14)を持つ略板状の回
    転ピストン(3)を入力軸(2)の球心(O)の部分に
    枢結し、 その上ハウジング(1)内には前記回転ピストン(3)
    と蝶番状に交差して弓形面(22)の板面と外周面に周
    回する溝の軌道受(25)とを有しその軌道受(25)
    に前記軌道環(10)が回転可能に嵌合する円形状板の
    斜行板(5)を設け、 その斜行板(5)と回転ピストン(3)の交差部分に円
    柱状の中間軸(4)を両底面に平行な切り口面で分割す
    ると共にその各々を斜行板(5)と回転ピストン(3)
    の競合しない何れかに固着させ且つその分割接合面の各
    々にピンとピン受孔の互いに与する連結素子を有して互
    いが少なくとも角度(θ×2)範囲を擺動可能に連結
    し、 すると斜行板(5)がハウジング(1)の前記球面内壁
    (7)を閉鎖して半球状空間の半月状作動室(Ha)を
    形成し且つその半月状作動室(Ha)を回転ピストン
    (3)が櫛形状空間の櫛形状作動室(Fu)に形成し、 更にその櫛形状作動室(Fu)に臨ませて吸入孔(I
    n)と吐出孔(Out)とを適宜設けたことを特徴とする
    球形の回転ピストンポンプ、圧縮機。
  3. 【請求項3】 内壁面に球面を有するハウジング(1)
    において、その球面内壁(7)の球心(O)を通る直線
    上のハウジング(1)壁に主軸受(8)を貫設して直軸
    状をなす入力軸(2)の軸頸を回転自由に嵌挿させ且つ
    その入力軸(2)に角度(θ)を有して球心(O)で交
    差する軸線と入力軸(2)の軸線との双方に球心(O)
    で直交する直線上のハウジング(1)対向両壁に軌道環
    軸受(12)の円孔を設けその両軌道環軸受(12)に
    はハウジング(1)の球面内壁(7)内で回動可能に設
    けた輪体からなる軌道環(6)の対向外周面に固着する
    柄状の軌道環軸(11)を回動自由に軸承させ、 またハウジング(1)内には前記入力軸(2)と球心
    (O)で直交する直線を連結軸線として入力軸(2)上
    を水平方向に少なくとも角度(θ×2)の範囲を揺動し
    且つ外周面を前記球面内壁(7)と摺接する球弧面(1
    3)に形成して板面に弓形面(14)を持つ略板状の回
    転ピストン(3)を入力軸(2)の球心(O)の部分に
    枢結し、 その上ハウジング(1)内には前記回転ピストン(3)
    と蝶番状に交差して弓形面(22)の板面と外周面に周
    回する溝の軌道受(25)とを有しその軌道受(25)
    に前記軌道環(6)が回転可能に嵌合する円形状板の斜
    行板(5)を設け、 その斜行板(5)と回転ピストン(3)の交差部分に円
    柱状の中間軸(4)を両底面に平行な切り口面で分割す
    ると共にその各々を斜行板(5)と回転ピストン(3)
    の競合しない何れかに固着させ且つその分割接合面の各
    々にピンとピン受孔の互いに与する連結素子を有して互
    いが少なくとも角度(θ×2)範囲を擺動可能に連結
    し、 そして前記軌道環(6)には前記入力軸(2)に対して
    その軌道環(6)の傾転角度を角度0から角度±θ範囲
    の何れかを選択する制御装置(CA)を前記軌道環軸
    (11)に装着して連動させ、 すると斜行板(5)がハウジング(1)の前記球面内壁
    (7)を閉鎖して半球状空間の半月状作動室(Ha)を
    形成し且つその半月状作動室(Ha)を回転ピストン
    (3)が櫛形状空間の櫛形状作動室(Fu)に形成し、 更にその櫛形状作動室(Fu)に臨ませて吸入孔(I
    n)と吐出孔(Out)とを適宜設けたことを特徴とする
    球形の回転ピストンポンプ、圧縮機。
  4. 【請求項4】 内壁面に球面を有するハウジング(1)
    において、その球面内壁(7)の球心(O)を通る直線
    上のハウジング(1)壁に主軸受(8)を貫設して直軸
    状をなす入力軸(2)の軸頸を回転自由に嵌挿させ且つ
    その入力軸(2)に角度(θ)を有して球心(O)で交
    差する直線上のハウジング(1)壁にも斜行板軸受(2
    9)の円孔を主軸受(8)の対向側に設け、 またハウジング(1)内には前記入力軸(2)と球心
    (O)で直交する直線を連結軸線として入力軸(2)上
    を水平方向に少なくとも角度(θ×2)の範囲を揺動し
    且つ外周面を前記球面内壁(7)と摺接する球弧面(1
    3)に形成して板面に弓形面(14)を持つ半円状板の
    回転ピストン(3)を入力軸(2)の球心(O)の部分
    に枢結し、 その上ハウジング(1)内には前記回転ピストン(3)
    と蝶番状に交差してハウジング(1)内壁面(7)に摺
    接する外周面と板面に弓形面(22)とを有し且つその
    弓形面(22)の裏面側中心部に前記斜行板軸受(2
    9)を回転自由に嵌挿する柄状の斜行板軸(28)を有
    して円形状をなす斜行板(5)を設け、 その斜行板(5)と回転ピストン(3)の交差部分に円
    柱状の中間軸(4)を両底面に平行な切り口面で分割す
    ると共にその各々を斜行板(5)と回転ピストン(3)
    の競合しない何れかに固着させ且つその分割接合面の各
    々にピンとピン受孔の互いに与する連結素子を有して互
    いが少なくとも角度(θ×2)範囲を擺動可能に連結
    し、 すると斜行板(5)がハウジング(1)の前記球面内壁
    (7)を閉鎖して半球状空間の半月状作動室(Ha)を
    形成し且つその半月状作動室(Ha)を回転ピストン
    (3)が櫛形状空間の櫛形状作動室(Fu)に形成し、 更にその櫛形状作動室(Fu)に臨ませて吸入孔(I
    n)と吐出孔(Out)とを適宜設けたことを特徴とする
    球形の回転ピストンポンプ、圧縮機。
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