JP2003221794A - 積層板用基材及びプリプレグ、並びに積層板 - Google Patents

積層板用基材及びプリプレグ、並びに積層板

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JP2003221794A JP2002018337A JP2002018337A JP2003221794A JP 2003221794 A JP2003221794 A JP 2003221794A JP 2002018337 A JP2002018337 A JP 2002018337A JP 2002018337 A JP2002018337 A JP 2002018337A JP 2003221794 A JP2003221794 A JP 2003221794A
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Ryushi Fujimori
竜士 藤森
Sadamitsu Murayama
定光 村山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強力で且つ耐熱性があり、基材の平面方向
と厚さ方向の均一性や熱寸法安定性に優れ、積層板にし
たとき良好なピール強度を呈する新規な積層板用基材及
びそれからなるプリプレグ、並びに積層板を提供するこ
と。 【解決手段】 芳香族ポリアミド短繊維と芳香族ポリア
ミドパルプ、及び有機系樹脂バインダーとを主成分とす
る積層板用基材であって、該芳香族ポリアミド短繊維の
含有比率が、該積層板用基材の全重量に対して40〜9
5重量%であり、且つ該芳香族ポリアミドパルプの濾水
度が10を超え600ml以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層板用基材及び
プリプレグ、並びに積層板に関するものであり、さらに
詳しくは、高強力および熱寸法安定性に優れ、更に、銅
箔との接着性が向上され、電気回路用積層板に好適に使
用できる積層板用基材及びそれからなるプリプレグ、並
びに積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気回路用積層板に使用される基材には
耐熱性や耐熱寸法安定性、耐湿寸法安定性、電気絶縁
性、耐変形性(捩じれ、反り、波打ちなどを生じ難いこ
と)、軽量性などの諸特性が要求される。耐熱性繊維紙
は、他素材からなる紙に比べて、耐熱性、電気絶縁性、
耐熱寸法安定性、軽量性などの点で優れているため、最
近では、電気回路用積層板の基材に活用されつつある。
【0003】例えば、ポリメタフェニレンイソフタルア
ミド短繊維(帝人(株)製「コーネックス」)とポリメ
タフェニレンイソフタルアミドパルプ(フィブリッド)
からなる紙(特開平2−236907号公報、特開平2
−106840公報など)や、ポリパラフェニレンテレ
フタルアミド短繊維(デュポン(株)製「ケブラー」)
或いはコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェ
ニレン・テレフタルアミド繊維(帝人(株)製「テクノ
ーラ」)と有機系樹脂バインダーとからなる耐熱性繊維
紙(特開平1−92233号公報、特開平2−4739
2号公報)などが提案されている。
【0004】しかし、前者の繊維紙は、250℃以上の
高温で熱処理されると収縮して寸法変化を生じるばかり
でなく、繊維の平衡水分率(含水率)が高く、且つ、不
純イオンの含有量も多いので、特に長期間高湿度下で保
持された場合における電気絶縁性に劣るため、高度な信
頼性が要求される電気絶縁用基材には使用することがで
きない。
【0005】一方、後者の繊維紙も、繊維の平衡水分率
及び不純イオンの含有量の点では前者のものに比べて優
れているものの、有機系の樹脂をバインダー成分として
多く使用する場合は、該耐熱性繊維紙の製造工程でバイ
ンダー成分が紙の表裏側にマイグレーションして偏在化
する結果、紙の中層部に存在するバインダー成分の量が
微小となって、紙の厚さ方向の不均一性、信頼性を悪化
させるという問題を有している。
【0006】このような耐熱性繊維紙を電気回路板用積
層板の基材として使用すると、その製造工程、特にエポ
キシ樹脂などの配合ワニスを含浸、乾燥させるプリプレ
グ作成工程や該プリプレグ品を積層成形する工程など
で、配合ワニスの含浸量(特に厚さ方向)や付着量のバ
ラツキが拡大したり、また、バインダー用樹脂の一部が
溶融して繊維幹の接着力が低下するため、紙基材の切断
を発生させたり、更には、紙を形成する短繊維が相互に
移動して、繊維密度分布の均一性を悪化させ、特に高温
で処理されるはんだリフロー工程終了後に、電気回路板
用積層物に変形(捩じれ、反り、波打ち等)が生じると
いう問題を発生させることがあり、好ましくなかった。
【0007】このような問題を解消するため、特開平7
−3693公報には、バインダー成分としてパラ型芳香
族ポリアミドパルプを用い、抄紙後の湿潤紙を加圧下で
乾燥することによりパラ系芳香族ポリアミド繊維紙を得
る方法が開示されているが、該パラ系芳香族ポリアミド
繊維紙は、交絡効果が弱いため、紙として十分な強力が
得られないという問題があった。
【0008】また、特開2000−273788号公報
には、濾水度が10ml以下のパラ型芳香族ポリアミド
パルプを用いる紙の製造方法が開示されているが、濾水
度が10ml以下のパルプを使用した場合、パルプ同士
の交絡効果が大きすぎるため、抄紙時の短繊維の分散が
不均一になる上、パルプの繊維長が短くなるので、パル
プ同士の交絡が大きいにもかかわらず抄紙後の紙強力が
不十分となる。また、積層板にしたときのピール強度が
減少するという問題も発生する。
【0009】以上述べたように、積層板用基材はこれま
で種々提案されているが、高強力で且つ耐熱性があり、
基材の平面方向と厚さ方向の均一性や熱寸法安定性に優
れ、積層板にしたとき良好なピール強度を呈する積層板
用基材は今まで実現されていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の有する問題点を解消し、高強力で且つ耐熱性
があり、基材の平面方向と厚さ方向の均一性や熱寸法安
定性に優れ、積層板にしたとき良好なピール強度を呈す
る新規な積層板用基材及びそれからなるプリプレグ、並
びに積層板を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、芳香族ポリアミド短繊
維紙の形成時に、濾水度が10を超え600ml以下の
芳香族ポリアミドからなるパルプと有機系樹脂バインダ
ーとを併用するとき、所望の積層板用基材が得られるこ
とを究明した。
【0012】かくして本発明によれば、芳香族ポリアミ
ド短繊維と芳香族ポリアミドパルプ、及び有機系樹脂バ
インダーとを主成分とする積層板用基材であって、該芳
香族ポリアミド短繊維の含有比率が、該積層板用基材の
全重量に対して40〜95重量%であり、且つ該芳香族
ポリアミドパルプの濾水度が10を超え600ml以下
であることを特徴とする積層板用基材、該積層板用基材
に熱硬化性樹脂を含浸して形成されたプリプレグ、及び
該プリプレグを加熱加圧成形して形成された積層板が提
供される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層板用基材は、芳香族ポリアミドからなる短
繊維と芳香族ポリアミドからなるパルプ、及び有機系樹
脂バインダーとを主成分として形成された耐熱性繊維紙
からなるものである。
【0014】また、本発明において、プリプレグとは、
不織布(紙)等の基材に熱硬化樹脂を含浸させ乾燥した
1枚のシートを言い、さらに、積層板とは、複数枚のプ
リプレグを加熱加圧成形したもの、又は、それに金属箔
張りをしたものをいう。また、内層と表面層にプリント
配線を有するいわゆる多層板も含む。
【0015】本発明において、芳香族ポリアミドとは、
例えば、ポリアミドを構成する繰り返し単位の80モル
%以上(好ましくは90モル%以上)が、下記式(1)
で表される芳香族ホモポリアミド、または、芳香族コポ
リアミドからなるものである。
【0016】
【化1】
【0017】ここで、Ar1、Ar2は芳香族基を表わ
し、なかでも下記式(2)から選ばれた同一の、又は、
相異なる芳香族基が好ましい。但し、芳香族基の水素原
子は、ハロゲン原子、低級アルキル基、フェニル基など
で置換されていてもよい。
【0018】
【化2】
【0019】このような芳香族ポリアミドの製造方法や
繊維特性については、例えば英国特許第1501948
号公報、米国特許第3733964号公報、第3767
756号公報、第3869429号公報、日本国特許の
特開昭49−100322号公報、特開昭47−108
63号公報、特開昭58−144152号公報、特開平
4−65513号公報などに記載されており、特に耐熱
性の優れたものとしてパラ型芳香族ポリアミドがあげら
れるが、これは前記Ar1、Ar2の50モル%以上がパ
ラ配位の芳香族基であるポリアミドであり、具体的に
は、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(デュポ
ン(株)製「ケブラー」)や、コポリパラフェニレン・
3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維
(帝人(株)製「テクノーラ」)等が例示される。
【0020】上記のパラ型芳香族ポリアミド短繊維が積
層板用基材の全重量に対して占める比率は40〜95重
量%であることが必要となる。該比率が上記範囲を外れ
る場合は、得られる積層板用基材の耐熱性や熱寸法安定
性が不良となり好ましくない。
【0021】また、上記のパラ型芳香族ポリアミド短繊
維の単繊維繊度は、0.11〜5.5dtexであるこ
とが好ましい。0.11dtex未満では、製糸技術上
困難な点が多く、断糸や毛羽が発生して良好な品質の繊
維を安定に生産することが困難になるだけでなく、コス
トも高くなるため好ましくない。一方、5.5dtex
を越えると、繊維の機械的物性、特に強度低下が大きく
なるため実用的でなくなるのでやはり好ましくない。
【0022】本発明で使用する芳香族ポリアミドパルプ
は、濾水度が10を超え600ml以下であり、それら
が繊維径1μm以下のフィブリルを含有することが必要
である。芳香族ポリアミドパルプの濾水度が600ml
を超える場合はパルプ繊維の径が太いために繊維同士の
絡み合いが小さくなり、抄紙後の強力が不十分となる。
また、表面積が小さいために有機系バインダーの含浸性
も不均一となりやすい。一方、芳香族ポリアミドパルプ
の濾水度が10ml以下になると繊維同士の絡み合いが
大きくなり過ぎて抄紙時の分散性が不良となり、繊維密
度分布の不均一性、信頼性を悪化させる上、プリプレグ
製造工程での配合ワニスの含浸性が低下しピール強度を
低下させるので好ましくない。
【0023】なお、本発明で言う濾水度とは、JIS
P−8121(カナダ標準形)に基づいて測定されたも
のである。
【0024】上記芳香族ポリアミドパルプは、従来公知
のいかなる方法で製造してもよく、具体的にはパラアラ
ミド重合体の配向した連続フィラメントを紡糸し、該フ
ィラメントを叩解により機械的にパルプに変換する方法
や、光学等方性のドープを水系の凝固剤に触れさせると
同時に機械的剪断によってフィブリッドと称されるパル
プを作成する方法などが例示されるが、上記条件を満た
しているものであれば、特に規定されるものではない。
【0025】上記芳香族ポリアミドパルプが積層板用基
材の全重量に対して占める割合は2〜30重量%が好ま
しい。該パルプの割合が2重量%未満では、本発明の効
果が充分奏されない上、基材の耐熱性や熱寸法安定性が
低下する場合がある。一方該割合が30重量%を超える
と、抄紙時の分散性が不良となり、繊維密度分布の不均
一性、信頼性を悪化させる上、プリプレグ製造工程での
配合ワニスの含浸性が低下することがある。
【0026】本発明においては、上記芳香族ポリアミド
パルプに加えて、水分散型有機系樹脂バインダーを結合
剤として使用する。該水分散型有機系樹脂バインダーと
しては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミ
ン樹脂及びフッ素樹脂などが例示され、中でも分子内に
エポキシ官能基を有する水分散可能なエポキシ系の樹脂
が、プリプレグ製造工程で含浸させる配合ワニスとの相
溶性がよく最適である。
【0027】上記有機系樹脂バインダーが積層板用基材
の全重量に対して占める割合は3〜30重量%、好まし
くは4〜20重量%である。バインダーの割合が3重量
%未満では、配合ワニスとの相溶性向上の効果が充分に
得られないために積層板のピール強度が不十分となる場
合があり好ましくない。一方該割合が30重量%を超え
ると、配合ワニスの含浸性を阻害して含浸不良や含浸ム
ラを生じ、配合ワニスの特性が充分に発揮できなくなる
ので、電気回路板用積層板の基材として不適当なものと
なることがあり好ましくない。
【0028】上記の積層板用基材は、従来公知のいかな
る方法で製造してもよく、例えば、芳香族ポリアミド短
繊維及び芳香族ポリアミドパルプを所定に比率になるよ
うに秤量し、繊維濃度が約0.15〜0.40重量%に
なるように水中に投入して離解し、均一分散させた水性
スラリー中に、必要に応じて、分散剤や粘度調整剤を加
えた後、長網式や丸網式の抄紙機による湿式抄造法で湿
紙を形成し、この湿紙に有機系の樹脂バインダーをスプ
レー方式等により所定の固形分率比の重量になるよう付
与した後に、乾燥して得た乾燥紙を加熱加圧加工するこ
とにより、所望の積層板用基材を得ることができる。
【0029】或いは、芳香族ポリアミド短繊維及び芳香
族ポリアミドパルプを高速流体で開繊しながらベルト上
にランダムに積層した後、有機系の樹脂バインダーをス
プレー方式で必要量付与し、加熱加圧、乾燥して目的と
する積層板用基材を得ることもできる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、実施例中における試験片の作成方法及び
物性の測定方法は以下の通りである。
【0031】(1)プリプレグの作成 高純度のブロモ化ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂に、硬化剤
としてジシアンジアミド、硬化促進剤として2−エチル
−4−メチルイミダゾールを配合してなるエポキシ樹脂
組成物を、メチルエチルケトンとメチルセルソルブの混
合溶液に溶解して得た配合ワニスを、芳香族ポリアミド
繊維紙に含浸させた後、110〜120℃の温度で5〜
10分間乾燥して、樹脂分の体積含有率が55%Bステ
ージのプリプレグ紙を作成した。
【0032】(2)電気回路用積層板の作成 上記プリプレグを6枚重ね、両側に厚さ35μmの銅箔
を積層して圧力20〜50kg/cm2、温度180℃
の条件で60分間加熱プレスを行い、樹脂を硬化せしめ
て電気回路用積層板を得、更に220℃の熱風乾燥機内
で約20分間後硬化処理を行った。
【0033】(3)紙の嵩密度 JIS C−2111の6.1に準拠する方法で測定し
た。
【0034】(4)紙の引張強度 定速伸長型引張試験機を用い、JIS C−2111の
7に準拠する方法で測定した。
【0035】(5)紙の熱寸法変化率 高精度二次元座標測定機(ムトウ工業株式会社製)を用
い、長さ250mm、幅50mmの試料の長さ方向につ
いて、熱処理前と温度:300℃で5分間熱処理した後
の長さを測定し、下記計算式により熱寸法変化率を算出
した。
【0036】
【数1】
【0037】(6)紙の平衡水分率 JIS L―1013に準拠し、試料を105℃の雰囲
気中で絶乾した後、温度20℃かつ相対湿度65%RH
において72時間調整し、該試料中に含まれる水分率を
求めて、該試料の絶乾状態での重量に対する割合を算出
し、これを百分率(%)にて表す。
【0038】(7)電気回路用積層板の反り量 前記(2)の方法で作成した電気回路用積層板を裁断
し、該積層板の端部から20mmの幅で両面の銅箔を枠
上に残して、中央部の200mm角相当部を全部エッチ
ングした電気回路用積層板を定盤上に置き、該積層物の
四隅で浮き上がりの最も大きい個所の浮き上がり量を測
定した。
【0039】(8)電気回路用積層板のピール強度 前記(2)の方法で作成した電気回路用積層板を用いて
JIS C−6481の5.7に準拠する方法で測定し
た。
【0040】[実施例1〜2、比較例1]芳香族ポリア
ミド短繊維として、コポリパラフェニレン・3,4’―
オキシジフェニレン・テレフタルアミドからなり、その
繊維表面にタルクが0.5重量%、オスモスが0.1重
量%固着された、単繊維繊度:1.67dtex、繊維
長(カット長):3mmの短繊維(帝人(株)製「テク
ノーラ」)と、芳香族ポリアミドパルプとしてポリパラ
フェニレンテレフタルアミド繊維からなる、濾水度が5
95mlのパルプ(テイジントワロン(株)製「トワロ
ンパルプ1097」)とを用い、表1に示す比率で混合
した後、パルパーにより水中に離解分散させ、これに
0.02%濃度になるように分散剤(松本油脂(株)製
「YM−80」)を添加して、繊維濃度が0.15重量
%である抄紙用スラリー液を作成した。
【0041】次にタッピー式角型手抄機を用い、該抄紙
用スラリー液を使用して抄紙し、軽く加圧脱水した後、
さらにバインダー成分として、固形分濃度2重量%の水
分散性エポキシ樹脂バインダー(大日本インキ化学工業
(株)製:ディックファインEN−0270)を、該樹
脂分が表1に示す比率となるようにスプレー方式で付与
した後、160℃の熱風乾燥機中で約20分間乾燥し
て、乾燥混抄紙を得た。
【0042】この乾燥混抄紙を直径約400mmの一対
の硬質表面金属ロールからなるカレンダー機を用いて、
温度:230℃、線圧:1960N/cm(200kg
/cm)の条件で加熱、加圧した後、直径:約500m
mの一対の硬質表面金属ロールからなる高温ハイカレン
ダー機を用いて、温度:310℃、線圧:1960N/
cm(200kg/cm)の条件で加熱加圧加工し、そ
の後、熱風乾燥機において400℃の温度で熱処理加工
し、坪量が72g/m2の芳香族ポリアミド繊維紙を得
た。
【0043】得られた芳香族ポリアミド繊維紙の物性を
表2に示す。また、この繊維紙を用いて前記(1)及び
(2)の方法により作成した積層板の反り量とピール強
度を表2に併せて示す。
【0044】[実施例3〜4、比較例2]実施例1にお
いて、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維からな
るパルプ(テイジントワロン(株)製「トワロンパルプ
1097」)をディスクリファイナーで叩解して濾水度
が302mlであるパルプとし、このパルプと実施例1
で使用した芳香族ポリアミド短繊維とを表1に示す比率
で混合した以外は実施例1と同様に実施した。
【0045】得られた芳香族ポリアミド繊維紙の物性を
表2に示す。また、この繊維紙を用いて前記(1)及び
(2)の方法により作成した積層板の反り量とピール強
度を表2に併せて示す。
【0046】[比較例3〜4]実施例1において、ポリ
パラフェニレンテレフタルアミド繊維からなるパルプ
(テイジントワロン(株)製「トワロンパルプ109
7」)をディスクリファイナーで叩解して濾水度が5m
lであるパルプとし、このパルプと実施例1で使用した
芳香族ポリアミド短繊維とを表1に示す比率で混合した
以外は実施例1と同様に実施した。
【0047】得られた芳香族ポリアミド繊維紙の物性を
表2に示す。また、この繊維紙を用いて前記(1)及び
(2)の方法により作成した積層板の反り量とピール強
度を表2に併せて示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、電気回路板用積層板の
基材として従来使用されてきた芳香族ポリアミド繊維紙
における諸問題、特に、強力及び温度や湿度の変化に対
する面方向及び厚さ方向における寸法変化が著しく改良
され、銅箔との接着性も向上された芳香族ポリアミド繊
維紙が得られる。したがって、本発明の基材を使用した
電気回路板積層板は、その製造工程や用途において、捩
じれや反り、波打ちなどが殆ど発生しないため、微細回
路の設計が可能で、且つ、リードレスセラミックチップ
キャリヤー(LCCC)やベアーチップ等の温度湿度膨
張係数の小さな電子部品を直接ハンダ付け搭載しても長
期に渡って高い信頼性を維持でき、特に、高度の軽量性
や高度の耐熱、耐湿寸法安定性、銅箔接着性が要求され
る用途における電気回路板用積層板として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 H05K 1/03 610U Fターム(参考) 4L055 AF35 AF44 AG69 AG79 AG81 AG87 BB03 BE20 EA04 EA05 FA13 FA18 FA19 GA01 GA50

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリアミド短繊維と芳香族ポリア
    ミドパルプ、及び有機系樹脂バインダーとを主成分とす
    る積層板用基材であって、該芳香族ポリアミド短繊維の
    含有比率が、該積層板用基材の全重量に対して40〜9
    5重量%であり、且つ該芳香族ポリアミドパルプの濾水
    度が10を超え600ml以下であることを特徴とする
    積層板用基材。
  2. 【請求項2】 芳香族ポリアミドパルプがパラ型芳香族
    ポリアミドからなるパルプである請求項1記載の積層板
    用基材。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリアミドパルプがポリパラフェ
    ニレンテレフタルアミドからなる請求項2記載の積層板
    用基材。
  4. 【請求項4】 芳香族ポリアミド短繊維がパラ型芳香族
    ポリアミドからなる短繊維である請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の積層板用基材。
  5. 【請求項5】 パラ型芳香族ポリアミドからなる短繊維
    が、ポリパラフェニレンテレフタルアミドからなる短繊
    維及び/又はコポリパラフェニレン・3,4’−オキシ
    ジフェニレン・テレフタルアミドからなる短繊維である
    請求項4記載の積層板用基材。
  6. 【請求項6】 有機系樹脂バインダーがエポキシ樹脂、
    フェノール樹脂、メラミン樹脂及びフッ素樹脂からなる
    群から選ばれた少なくとも一種の水分散型有機系樹脂バ
    インダーである請求項1〜5のいずれか1項に記載の積
    層板用基材。
  7. 【請求項7】 積層板用基材に熱硬化性樹脂を含浸して
    形成されたプリプレグであって、該積層板用基材が、請
    求項1〜6のいずれか1項に記載の積層板用基材である
    ことを特徴とするプリプレグ。
  8. 【請求項8】 熱硬化性樹脂を含浸した積層板用基材を
    加熱加圧成形して形成された積層板であって、該積層板
    用基材が、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層板
    用基材であることを特徴とする積層板。
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