JP3484080B2 - 紙のリサイクル方法 - Google Patents

紙のリサイクル方法

Info

Publication number
JP3484080B2
JP3484080B2 JP27130498A JP27130498A JP3484080B2 JP 3484080 B2 JP3484080 B2 JP 3484080B2 JP 27130498 A JP27130498 A JP 27130498A JP 27130498 A JP27130498 A JP 27130498A JP 3484080 B2 JP3484080 B2 JP 3484080B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
color
forming material
pulp
image forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27130498A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000096472A (ja
Inventor
茂 町田
暁 高山
健二 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP27130498A priority Critical patent/JP3484080B2/ja
Publication of JP2000096472A publication Critical patent/JP2000096472A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3484080B2 publication Critical patent/JP3484080B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/64Paper recycling

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は消去可能な画像形成
材料を用いて画像を形成した紙からパルプを作製して紙
をリサイクルする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オフィスオートメーションが進展
するにつれ、各種の情報量が著しく増大し、それに合わ
せてハードコピーによる情報の出力も増大している。ハ
ードコピー出力は、最も基本的な情報表示手段であり、
汎用性と保存性に優れている。しかし、ハードコピー出
力では、情報が増加すると記録媒体としての紙を大量に
使用することになるので、紙の原料となる木材の伐採の
増加につながる。森林資源は地球環境の維持および炭酸
ガスによる温室効果の抑制の観点から非常に重要な意味
を持つ。このため、新たな木材の伐採を最低限に抑え、
現在すでに保有している紙資源を効率的に活用すること
が大きな課題となっている。
【0003】従来、紙資源の再利用(リサイクル)は、
画像形成材料が印刷された紙を多量の漂白剤と水を用い
て処理し、紙繊維を漉き直して紙質の悪い再生紙を製造
することにより行われている。このような方法は、再生
紙のコストを高騰させるうえに、廃液の処理に伴う新た
な環境汚染の原因となる。
【0004】これに対して本発明者らは、呈色性化合物
(ロイコ染料)、顕色剤およびこれらの化合物と相溶性
のある消色剤を含有し、通常の画像形成材料と同様に画
像を形成することができ、しかも熱または溶媒で処理す
ることにより画像の消去が可能な画像形成材料の開発を
進めている。こうした消去可能な画像形成材料を用いれ
ば、紙質の劣化を極力防ぎながら、画像を消去して白紙
状態に戻した紙を何度も繰り返して再使用(リユース)
することができる。そして、リユースによる紙質の低下
が著しくなった時点でリサイクルすればよいので、紙資
源の利用効率が飛躍的に向上する。こうして実質的な紙
の使用量を減らすことができるので、木材の伐採を最小
限に抑えることができる。しかも、現行のリサイクルシ
ステムで問題となる再生紙のコスト高や廃液処理による
環境汚染も極力避けることができる。
【0005】しかし、これまでは消去可能な画像形成材
料を用いて画像を形成した紙を効率よくリサイクルする
ための具体的な方法が検討されているわけではない。ま
た、消去可能な画像形成材料を用いた紙をリサイクルす
る際に、既存のリサイクルシステムに用いられている設
備を利用できることが好ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、既存
の紙のリサイクルシステムに用いられている設備を利用
して、消去可能な画像形成材料を用いて画像を形成した
紙を効率よくリサイクルできる方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の紙のリサイクル
方法は、呈色性化合物と顕色剤と消色剤を含有する消去
可能な画像形成材料を用いて画像を形成した紙に対し、
熱水を用いて消色とパルピングを同時に行い、パルプを
作製することを特徴とする。
【0008】本発明の方法では、既存のリサイクルシス
テムに用いられている設備(たとえばパルパー)を利用
して、消去可能な画像形成材料を用いて画像を形成した
紙からパルプを作製することにより、紙を効率よくリサ
イクルでき、しかも作製したパルプが再び発色すること
はない。この際、加熱温度は画像形成材料に含まれる樹
脂の軟化点以上200℃以下とすることが好ましい。ま
た、パルパーで熱水を用いて消色とパルピングを同時に
行えば、リサイクルの効率が向上する。パルパーで熱水
を用いる場合には、加圧により熱水の温度を上げること
が好ましい。
【0009】さらに、上記の方法により作製されたパル
プと、通常の画像形成材料を用いて画像を形成した紙に
対し脱インキとパルピングを行うことにより作製された
パルプとを混合し、再生紙を製造するようにすれば、従
来の紙のリサイクルシステムに消去可能な画像形成材料
を用いた紙専用のサブシステムを組み込んで従来と同様
に紙をリサイクルすることができる。また、消去可能な
画像形成材料を用いた紙から作製されるパルプは白色度
が高いので、最終的に得られる再生紙の白色度も高める
ことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明に係る消去可能な画像形成材料は、電子写
真用トナー、インクジェットプリンター用インク、イン
クリボン用インク、筆記具用インクなど様々な形態で使
用することができる。したがって、消去可能な画像形成
材料は、これらの用途に使用されている通常のトナーや
インクの代替品として使用することができる。
【0011】本発明の画像形成材料は、呈色性化合物と
顕色剤と消色剤とを用いることにより発色・消色が可能
になっている。本発明において、呈色性化合物とは文字
や図形などの着色情報を形成する色素の前駆体化合物で
あり、顕色剤とは呈色性化合物との相互作用(主として
電子の授受)により呈色性化合物を着色させる化合物で
ある。呈色性化合物と顕色剤は、両者の相互作用が増大
したときに発色し、両者の相互作用が減少したときに消
色する。消色剤とは、加熱により画像形成材料が溶融ま
たは軟化するか、画像形成材料に消去溶媒が浸透したと
きに、顕色剤と優先的に相溶して呈色性化合物−顕色剤
の相互作用を減少させて消色させる作用を有する物質で
ある。
【0012】本発明に係る消去可能な画像形成材料は加
熱または有機溶媒もしくは塩基性水溶液との接触によっ
て消去可能である。本発明の消去可能な画像形成材料を
加熱して消去する場合には、以下のような原理で消去が
なされる。室温においては、呈色性化合物および顕色剤
の相と消色剤の相とが相分離した状態が平衡状態に近
い。この場合、呈色性化合物と顕色剤とが互いに相互作
用して発色状態になっている。この状態から、組成系を
融点以上に加熱すると、顕色剤が流動状態の消色剤に優
先的に溶解し、呈色性化合物との相互作用を失うため消
色状態になる。溶融状態にある組成系を冷却することに
よって強制的に固化すると、消色剤は平衡溶解度を越え
た量の顕色剤を取り込んで非晶質化し、室温で無色にな
る。非晶質の組成系は、相対的には非平衡な状態にある
が、ガラス転移点Tg以下の温度では十分長寿命であ
り、Tgが室温以上であるならば非晶質状態から容易に
平衡状態に移ることはない。
【0013】本発明の消去可能な画像形成材料を有機溶
媒に接触させる方法でも、加熱による方法とほぼ同様に
以下のような原理で消去がなされる。すなわち、紙上の
発色状態にある画像形成材料を溶媒に接触させると、溶
媒によりバインダーなどの樹脂が膨潤または一部溶解す
る。この結果、顕色剤および消色剤が比較的自由に動け
る状態になり、顕色剤が消色剤と混合し、顕色剤と呈色
性化合物との相互作用が失われて画像形成材料は消色す
る。そして、紙から溶媒を除去すると、消色剤が平衡溶
解度を超えた量の顕色剤を取り込んだ状態で非晶質化す
るため、画像形成材料の消去状態が固定される。この消
去状態は、室温において非常に安定である。
【0014】加熱により消色する方法は、廃液が出ない
ため最も環境に対してやさしい方法である。加熱方法
は、紙を変質させたり紙の繊維を傷めない範囲であれば
特に限定されない。好適な加熱方法としては、熱風によ
る加熱、赤外線による加熱、熱源との接触による加熱、
熱水との接触による加熱が挙げられる。加熱処理の温度
は、画像形成材料中に含まれるバインダーなどの樹脂の
軟化点以上で200℃以下の範囲とすることが好まし
い。これは200℃を超える温度で加熱すると、紙繊維
や画像形成材料が変質しやすくなるためである。なお、
200℃を超えて加熱する場合には、加熱時間を1分以
内にすることが好ましい。
【0015】有機溶媒との接触により消色する方法で
は、紙を溶媒槽に浸漬してもよいし、ノズルから有機溶
媒を紙に噴霧させてもよい。有機溶媒での処理は常温で
行ってもよいし、加熱しながら行ってもよい。
【0016】本発明においては、消去可能な画像形成材
料を用いて画像を形成した紙に対して、加熱または有機
溶媒との接触による消色と、パルピングとを別々の工程
で行ってもよいし、同時に行ってもよい。消色とパルピ
ングとを別々の工程で行う場合、両者の工程順は限定さ
れず、いずれの工程を先に行ってもよい。
【0017】紙のパルピングは、従来の紙のリサイクル
システムでも用いられているパルパーを利用して液体中
で紙を攪拌して紙の繊維をほぐすことにより行われる。
パルパーは、低濃度パルパー(パルプ濃度5〜6%)、
中濃度パルパー(パルプ濃度8〜12%)、高濃度パル
パー(パルプ濃度15%以上)、損紙パルパー、二次パ
ルパー、二次離解機に分類される。攪拌のスピードはパ
ルパーの方式、紙質および量によって適宜調整される。
【0018】この際、熱水中で紙を強く攪拌して紙の繊
維をほぐしながらパルピングしてもよい。熱水の温度を
100℃以上にするには加圧する。圧力の範囲は、1〜
30kg/cm2 、さらに2〜10kg/cm2 に設定
することが好ましい。
【0019】また、有機溶媒中で紙を強く攪拌して紙の
繊維をほぐしながらパルピングしてもよい。この場合に
も、有機溶媒を加熱してもよい。また、常圧での沸点が
低い有機溶媒を用いて有機溶媒を加熱する場合には加圧
してもよい。圧力の範囲は、1〜20kg/cm2 、さ
らに2〜10kg/cm2 に設定することが好ましい。
【0020】本発明において、消色状態を管理するに
は、紙またはパルプの反射濃度を検出器で監視する。検
出器は、オンラインで反射濃度を検出するものでもよい
し、サンプルを抽出してオフラインで反射濃度を検出す
るものでもよい。反射濃度が設定値を満たさない場合に
は、紙またはパルプを消色工程に戻す。
【0021】紙をパルパーで処理する際に、水、熱水ま
たは有機溶剤に、必要に応じて、塩基性化合物、アニオ
ン性もしくは非イオン性界面活性剤、過酸化物などを添
加してもよい。
【0022】塩基性化合物は、呈色性化合物と顕色剤と
の作用を弱め、消色剤の効果を高めるための添加剤であ
り、また繊維どうしの結合の要因である水素結合を切る
などして繊維を膨潤させ、繊維中に取り込まれたトナー
のくずやゴミなどの汚染物質を可溶化する作用も有す
る。塩基性化合物は繊維を痛めなければ特に限定されな
いが、苛性ソーダや水ガラスのようなアルカリが好まし
い。塩基性化合物の添加量は、パルパーによる処理液の
pHが7〜12、好ましくは9〜12の範囲になるよう
に調整することが好ましく、具体的には1〜10%の範
囲が好ましい。
【0023】界面活性剤は繊維に付着している画像形成
材料を繊維から引き剥がす作用を有する。界面活性剤は
親水性基と親油性基を有する。代表的な親油性基として
は炭化水素、アルキルベンゼン、高級アルコール、アル
キルアミン、エチレンオキシド、プロピレンオキシドな
どの骨格、代表的な親水性基はカルボン酸塩、スルホン
酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、四級アンモ
ニウム塩などが挙げられる。界面活性剤の添加量は、
0.5%以下、さらに0.1〜0.3%の範囲が好まし
い。
【0024】漂白剤として機能する過酸化物の代表例と
しては過酸化水素が挙げられる。過酸化物の添加量は、
1%以下、さらに0.5〜0.8%の範囲が好ましい。
本発明において、消色およびパルピングにより作製され
たパルプは、水洗することにより不純物や付着した薬品
を除去することが好ましい。パルプは、圧搾して液体を
搾り取った状態にしてもよいし、さらに加熱や減圧など
により乾燥した固体状態にしてもよい。
【0025】本発明の方法により消去可能な画像形成材
料を用いた紙から作製されたパルプは、通常の画像形成
材料を用いて画像を形成した紙に対し脱インキとパルピ
ングを行うことにより作製されたパルプとを混合し、再
生紙を製造することが好ましい。この場合、両者のパル
プは、水に分散させた状態、圧搾して水分を搾り取った
状態または乾燥した固体状態のいずれの状態で混合して
もよいが、最終的には水に分散した状態から紙を抄くこ
とにより再生紙を製造する。
【0026】この方法により、従来の紙のリサイクルシ
ステムに消去可能な画像形成材料を用いた紙専用のサブ
システムを組み込んで従来と同様に紙をリサイクルする
ことができる。また、消去可能な画像形成材料を用いた
紙から作製されるパルプは白色度が高いので、最終的に
得られる再生紙の白色度も高めることができる。さら
に、通常の画像形成材料から消去可能な画像形成材料へ
の代替が進めば、通常の画像形成材料からパルプを作製
する従来の紙のリサイクルシステムの使用頻度が減少す
るため、脱インク工程に伴う環境汚染の問題も軽減でき
る。
【0027】以下、本発明で用いられる各種の成分につ
いてより詳細に説明する。本発明で用いられる呈色性化
合物としては、ロイコオーラミン、ジアリールフタリ
ド、ポリアリールカルビノール、アシルオーラミン、ア
リールオーラミン、ローダミンBラクタム、インドリ
ン、スピロピラン、フルオランなどの電子供与性有機物
が挙げられる。具体的には、クリスタルバイオレットラ
クトン(CVL)、マラカイトグリーンラクトン、2−
アニリノ−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミ
ノ)−3−メチルフルオラン、2−アニリノ−3−メチ
ル−6−(N−メチル−N−プロピルアミノ)フルオラ
ン、3−[4−(4−フェニルアミノフェニル)アミノ
フェニル]アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン、2−アニリノ−6−(N−メチル−N−イソブチル
アミノ)−3−メチルフルオラン、2−アニリノ−6−
(ジブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、3−クロ
ロ−6−(シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−ク
ロロ−6−(ジエチルアミノ)フルオラン、7−(N,
N−ジベンジルアミノ)−3−(N,N−ジエチルアミ
ノ)フルオラン、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フル
オラン、γ−(4’−ニトロアニリノ)ラクタム、3−
ジエチルアミノベンゾ[a]−フルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−メチル−7−アミノフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−キシリジノフルオラン、3−(4−
ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−
エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザ
フタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタ
リド、3−ジエチルアミノ−7−クロロアニリノフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラ
ン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインド
ール−3−イル)フタリド、3,6−ジメチルエトキシ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシ−7−
アミノフルオラン、DEPM、ATP、ETAC、2−
(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラ
ン、クリスタルバイオレットカルビノール、マラカイト
グリーンカルビノール、N−(2,3−ジクロロフェニ
ル)ロイコオーラミン、N−ベンゾイルオーラミン、ロ
ーダミンBラクタム、N−アセチルオーラミン、N−フ
ェニルオーラミン、2−(フェニルイミノエタンジリデ
ン)−3,3−ジメチルインドリン、N,3,3−トリ
メチルインドリノベンゾスピロピラン、8’−メトキシ
−N,3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−ベンジルオキシフルオラ
ン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、
3,6−ジ−p−トルイジノ−4,5−ジメチルフルオ
ラン、フェニルヒドラジド−γ−ラクタム、3−アミノ
−5−メチルフルオランなどが挙げられる。これらは単
独で、または2種以上を混合して用いることができる。
呈色性化合物を適宜選択すれば多様な色の発色状態が得
られることから、マルチカラー対応が可能である。
【0028】本発明で用いられる顕色剤としては、フェ
ノール、フェノール金属塩、カルボン酸金属塩、ベンゾ
フェノン、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸、リン酸
金属塩、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属
塩、亜リン酸、亜リン酸金属塩などの酸性化合物が挙げ
られる。
【0029】本発明において用いられる消色剤は、ステ
ロール化合物、環式糖アルコールおよびその誘導体など
の低分子有機材料でもよいし、高分子消色剤でもよい。
ステロール化合物としては、コレステロール、ステグマ
ステロール、プレグネノロン、メチルアンドロステンジ
オール、エストラジオールベンゾエート、エピアンドロ
ステン、ステノロン、β−シトステロール、プレグネノ
ロンアセテート、5,16−プレグナジエン−3β−オ
ール−20−オン、5α−プレグネン−3β−オール−
20−オン、5−プレグネン−3β,17−ジオール−
20−オン 21−アセテート、5−プレグネン−3
β,17−ジオール−20−オン17−アセテート、5
−プレグネン−3β,21−ジオール−20−オン 2
1−アセテート、5−プレグネン−3β,17−ジオー
ル ジアセテート、ロコゲニン、チゴゲニン、エスミラ
ゲニン、ヘコゲニン、ジオスゲニンなどが挙げられる。
これらは、1種または2種以上を混合して用いることが
できる。
【0030】消色剤として、顕色剤との相溶性が非常に
高い、コール酸、リトコール酸、テストステロンおよび
コルチゾン、ならびにこれらの誘導体も挙げられる。具
体例としては、コール酸、コール酸メチルエステル、コ
ール酸ナトリウム、リトコール酸、リトコール酸メチル
エステル、リトコール酸ナトリウム、ヒオデオキシコー
ル酸、ヒオデオキシコール酸メチルエステル、テストス
テロン、メチルテストステロン、11α−ヒドロキシメ
チルテストステロン、ヒドロコルチゾン、コレステロー
ルメチルカーボネート、α−コレスタノールが挙げられ
る。これらのうちでも特に2個以上のヒドロキシル基を
有するものが好ましい。
【0031】消色剤として、非晶質性が高く組成系の相
分離を抑制する作用を有する化合物(相分離抑制剤)で
ある環式糖アルコールおよびその誘導体も挙げられる。
具体例としては、D−グルコース、D−マンノース、D
−ガラクトース、D−フルクトース、L−ソルボース、
L−ラムノース、L−フコース、D−リボデソース、α
−D−グルコース=ペンタアセテート、アセトグルコー
ス、ジアセトン−D−グルコース、D−グルクロン酸、
D−ガラクツロン酸、D−グルコサミン、D−フルクト
サミン、D−イソ糖酸、ビタミンC、エルトルビン酸、
トレハロース、サッカロース、マルトース、セロビオー
ス、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース、ラ
フィノース、ゲンチアノース、メレジトース、スタキオ
ース、メチル=α−グルコピラノシド、サリシン、アミ
グダリン、オイキサンチン酸、白ザラ糖、グラニュー
糖、上白糖などが挙げられる。これらのうち1種または
2種以上を用いることができる。
【0032】消色剤として、非晶質性が低い相分離抑制
剤である、環式糖アルコール以外のヒドロキシル基を有
する5員環以上の非芳香族環式化合物または環式糖アル
コールの誘導体も挙げられる。具体例としては、脂環式
1価アルコール、たとえばシクロドデカノール、ヘキサ
ヒドロサリチル酸、メントール、イソメントール、ネオ
メントール、ネオイソメントール、カルボメントール、
α−カルボメントール、ピペリトール、α−テルピネオ
ール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、1−
p−メンテン−4−オール、イソプレゴール、ジヒドロ
カルベオール、カルベオール;脂環式多価アルコール、
たとえば1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シ
クロヘキサンジオール、フロログルシトール、クエルシ
トール、イノシトール、1,2−シクロドデカンジオー
ル、キナ酸、1,4−テルピン、1,8−テルピン、ピ
ノールヒドラート、ベツリン;多環式アルコール誘導
体、たとえばボルネオール、イソボルネオール、アダマ
ンタノール、ノルボルネオール、フェンコール、ショウ
ノウ、イソソルバイド;環式糖アルコールの誘導体、た
とえば1,2:5,6−ジイソプロピリデン−D−マン
ニトールが挙げられる。これらのうち1種または2種以
上を用いることができる。なお、非晶質性が低い相分離
抑制剤は、非晶質性が高い相分離抑制剤と併用する。
【0033】消色剤は、上述した低分子消色剤と共通す
る極性基を有し、沸点が高く不揮発性であることが好ま
しいので、高分子消色剤(ポリマーまたはオリゴマー)
も使用することができる。たとえば、高分子消色剤とし
て電子供与性基の総数が全炭素数の15%を超えるポリ
マー(またはオリゴマー)が挙げられる。電子供与性基
としては、水酸基、エーテル基、アシル基、カルボニル
基、ヒドロキシカルボニル基、チオール基などが挙げら
れる。好適な高分子消色剤としては、セルロース;セル
ロース誘導体(ニトロセルロース、エチルセルロース、
アセチルセルロースなど)、ポリアクリル酸、ポリメタ
クリル酸、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポ
リアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリビニル
エステル(ポリビニルアセテートなど)、ポリエーテル
スルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミド、ポリフェ
ニレンスルフィド、デンプン(植物から製造される炭水
化物)などが挙げられる。高分子消色剤は単独で用いる
こともできるし、低分子消色剤と併用していもよい。
【0034】本発明の消去可能な画像形成材料は、上記
の各成分を紙上に定着させ、かつ加熱処理時または溶媒
処理時に各成分を保持するために、バインダーなどの樹
脂やワックスを含有していてもよい。バインダー樹脂は
高分子消色剤よりもTgまたは軟化点が20℃以上、さ
らに50℃以上低いことが好ましい。バインダー樹脂と
しては、ポリスチレン、スチレン−アクリレート共重合
体、スチレン−メタクリレート共重合体、ポリエステ
ル、エポキシ樹脂などが挙げられる。ワックスは通常の
画像形成材料に用いられているものであれば特に限定さ
れない。
【0035】本発明の画像形成材料を溶媒に接触させて
消去する場合、以下のような溶媒を用いることが好まし
い。すなわち、(A)顕色剤と消色剤との間の水素結合
の形成を助ける性質を有することが好ましく、さらに
(B)バインダー樹脂やワックスとの親和性が高く画像
形成材料の内部にまで浸透しやすい性質を有することが
好ましい。上記の(A)の性質を満たす溶媒は単独で使
用することができる。2種以上の溶媒を混合して上記の
2つの性質を満たすようにしてもよい。
【0036】上記の(A)および(B)の両方の性質を
有する溶媒(第一群)としては、エーテル、ケトン、エ
ステルなどが挙げられる。具体例は、飽和エーテル、た
とえばエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチ
ルイソプロピルエーテル、イソペンチルメチルエーテ
ル、ブチルエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、エチルイソペンチルエーテル、ジ
ブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソペンチル
エーテル、ジヘキシルエーテル;不飽和エーテル、たと
えばエチルビニルエーテル、アリルエチルエーテル、ジ
アリルエーテル、エチルプロパルギルエーテル;二価ア
ルコールのエーテル、たとえば2−メトキシエタノー
ル、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノー
ル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエ
タン、1,2−ジブトキシエタン;環状エーテル、たと
えばオキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピ
ラン、ジオキソラン、ジオキサン、トリオキサン;飽和
ケトン、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルプロピルケトン、ジエチルケトン、イソプロピルメチ
ルケトン、ブチルメチルケトン、エチルプロピルケト
ン、イソブチルメチルケトン、ピナコロン、メチルペン
チルケトン、ブチルエチルケトン、ジプロピルケトン、
ジイソプロピルケトン、ヘキシルメチルケトン、イソヘ
キシルメチルケトン、へプチルメチルケトン、ジブチル
ケトン;不飽和ケトン、たとえばエチリデンアセトン、
アリルアセトン、メシチルオキシド;環状ケトン、たと
えばシクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプ
タノン、シクロオクタノン;エステル、たとえばギ酸エ
チル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ
酸ペンチル、ギ酸イソペンチル、酢酸エチル、酢酸イソ
プロピル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチ
ル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸sec−ア
ミル、酢酸ヘキシル、酢酸アリル、2−メトキシエチル
アセテート、2−エトキシエチルアセテート、1,2−
ジアセトキシエタン、プロピオン酸メチル、プロピオン
酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプ
ロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、
プロピオン酸イソペンチル、プロピオン酸sec−アミ
ル、2−メトキシプロピルアセテート、2−エトキシプ
ロピルアセテート、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロ
ピル、酪酸イソプロピル、酪酸ブチル、酪酸ペンチル、
酪酸イソペンチル、酪酸sec−アミル、イソ酪酸メチ
ル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、イソ酪酸イソ
プロピル、イソ酪酸ブチル、イソ酪酸ペンチル、イソ酪
酸イソペンチル、イソ酪酸sec−アミル、吉草酸メチ
ル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、吉草酸イソプロピ
ル、吉草酸ブチル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草
酸プロピル、吉草酸イソプロピル、吉草酸ブチル、ヘキ
サン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸プロピ
ル、ヘキサン酸イソプロピルなどである。上記以外の溶
媒として、塩化メチレン、γ−ブチロラクトン、β−プ
ロピオラクトン、n−メチルピロリジノン、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセタミド、ジメチルスルホキシ
ドなどがある。これらは単独で用いても、2種以上を混
合して用いてもよい。混合溶媒を用いる場合、混合比は
任意に設定できる。
【0037】上記(A)の性質を有し単独で使用できる
が、一般的なバインダー樹脂との親和性が低い溶媒(第
二群)は、たとえば水、メチルアルコール、エチルアル
コール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンチ
ルアルコール、2−ペンチルアルコール、3−ペンチル
アルコール、イソペンチルアルコール、1−ヘキサノー
ル、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、シクロペン
タノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリ
ンなどである。
【0038】上記(A)の性質を持たないが、バインダ
ー樹脂との親和性が高い溶媒(第三群)は、たとえばト
ルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、
ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、sec−ブチル
ベンゼン、ペンチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メシ
チレン、キシレン、クレゾール、エチルフェノール、ジ
メトキシベンゼン、ジメトキシトルエン、ベンジルアル
コール、トリルカルビノール、クミルアルコール、アセ
トフェノン、プロピオフェノン、ヘキサン、ペンタン、
ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタ
ン、シクロヘプタン、シクロオクタン、石油留分(石油
エーテル、ベンジンなど)である。
【0039】上述したように第一群の溶媒は単独で良好
に使用することができる。第二群の溶媒は、単独でも使
用できるが、第一群の溶媒と混合してもよい。この場
合、どちらの群の溶媒も消去能を持っているので任意の
混合比で使用することができる。第二群の溶媒と第三群
の溶媒との混合溶媒を用いる場合、十分な消去能が得ら
れれば両者の混合比は特に限定されないが、第三群の溶
媒を20〜80wt%とすることが好ましい。第三群の
溶媒は第一群の溶媒と混合して用いてもよい。この場
合、第三群の溶媒を90wt%以下とすればよい。ま
た、第一群から第三群の溶媒を混合して用いてもよい。
この場合、第三群の溶媒を80wt%以下とすることが
好ましい。
【0040】なお、溶媒としてエチルブチレート(パイ
ナップルオイル)など、環境への影響が極めて低い天然
素材を用いれば、万一溶媒が残留しても廃棄時に問題が
発生しない。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。実施例に
おいてリサイクルする紙として、以下に示す消去可能な
画像形成材料で印刷した紙を用意した。
【0042】呈色性化合物としてクリスタルバイオレッ
トラクトン(CVL)1重量部、顕色剤として没食子酸
プロピル1重量部、消色剤としてコール酸17重量部、
帯電制御剤(日本カーリット社、LR−147)1重量
部を混合し、この混合物にバインダー樹脂として分子量
85000のスチレン・n−ブチルメタクリレート共重
合体(n−ブチルメタクリレート含有率6wt%)79
重量部を加え、ニーダーを用いて十分に混練した。この
混練物を粉砕機で粉砕して平均粒径10μmの粉体を得
た。この粉体に対して疎水性シリカ1wt%を外添して
トナーを作製した。なお、使用したバインダー樹脂の軟
化点は120〜125℃である。
【0043】このトナーをコピー機(東芝製、プリマー
ジュ380)のトナーカートリッジに入れ、コピー紙
(Neusiedler製、pH9.4)にベタ画像を
形成した。この紙についてマクベスの濃度計で反射濃度
を測定した。トナーの付着していないバックグラウンド
の反射濃度は0.07、ベタ画像の反射濃度は1.05
であった。
【0044】このようにしてベタ画像を印刷した紙につ
いて以下の実施例に示すようにして画像を消去し、消去
後の反射濃度および消去状態の安定性を評価した。 実施例1 600℃まで加熱可能な赤外線熱源(シリコニット)を
用い、ファンにより1枚ずつの紙に風速10m/sec
で熱風を送った。このとき、熱風温度を120℃、15
0℃、180℃、または200℃に設定し、紙を30分
間熱風にさらした。熱風処理が終了した。さらに、これ
らの紙をパルピングした後、抄きなおして7枚の紙を得
た。このうち任意の3枚(A,B,C)の反射濃度を測
定した。その結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】これらの紙を80℃、湿度90%の環境に
90日間放置しても発色せず、消色状態は非常に安定で
あった。また、pH1〜14の水溶液を噴霧しても、顕
色剤として用いた没食子酸プロピルの20%イソプロピ
ルアルコール溶液を噴霧しても発色は起こらなかった。
【0047】実施例2 高濃度パルパー(三菱重工業製)を用いて、印刷した紙
5000枚(1枚4g、合計20kg)に対してパルプ
濃度が20%になるように水を入れ、室温で3時間攪拌
して紙の繊維をほぐした後に圧搾して水分を搾り取っ
た。
【0048】赤外線熱源(シリコニット)を用い、ファ
ンによりパルプに風速10m/secで熱風を送った。
このとき、熱風温度を120℃、150℃、180℃、
または200℃に設定し、パルプを30分間熱風にさら
した。その後、このパルプを水に入れ、紙に抄きなおし
て7枚の紙を得た後、任意の3枚(A,B,C)で反射
濃度を測定した。その結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】これらのパルプを80℃、湿度90%の環
境に90日間放置しても発色せず、消色状態は非常に安
定であった。また、pH1〜14の水溶液を噴霧して
も、顕色剤として用いた没食子酸プロピルの20%イソ
プロピルアルコール溶液を噴霧しても発色は起こらなか
った。
【0051】実施例3 高濃度パルパーを用いて、印刷した紙20kgに対して
パルプ濃度が20%になるように水を入れ、表3に示す
温度で5時間攪拌し、紙の繊維をほぐしながら消色処理
を行った。その後、紙に抄きなおして7枚の紙を得た
後、任意の3枚(A,B,C)で反射濃度を測定した。
その結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】これらのパルプを80℃、湿度90%の環
境に90日間放置しても発色せず、消色状態は非常に安
定であった。また、pH1〜14の水溶液を噴霧して
も、顕色剤として用いた没食子酸プロピルの20%イソ
プロピルアルコール溶液を噴霧しても発色は起こらなか
った。
【0054】実施例4 印刷した紙を100枚ずつ束にしたものを表4に示す有
機溶媒に5分間浸漬した後、圧搾して溶媒を除去し、水
洗槽に浸漬して1時間放置した後、再び圧搾して水分を
除去した。その後、赤外線熱源(シリコニット)を用
い、ファンにより紙の束に風速10m/secで150
℃の熱風を10分間送って乾燥した。これらの紙をパル
ピングした後、紙に抄きなおして7枚の紙を得た後、任
意の3枚(A,B,C)で反射濃度を測定した。その結
果を表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】これらの紙を80℃、湿度90%の環境に
90日間放置しても発色せず、消色状態は非常に安定で
あった。また、pH1〜14の水溶液を噴霧しても、顕
色剤として用いた没食子酸プロピルの20%イソプロピ
ルアルコール溶液を噴霧しても発色は起こらなかった。
【0057】実施例5 高濃度パルパーを用いて、印刷した紙20kgに対して
パルプ濃度が20%になるようにジエトキシエタンを入
れ、5kg/cm2 の圧力をかけながら、表5に示す温
度で5時間攪拌し、紙の繊維をほぐしながら消色処理を
行った。その後、パルプを圧搾して溶媒を搾り取った
後、水洗槽に分散させて1時間攪拌し、再び圧搾して水
分を搾り取った。次いで、赤外線熱源(シリコニット)
を用い、ファンによりパルプに風速10m/secで1
50℃の熱風を10分間送って乾燥した。このパルプを
水に入れ、紙に抄きなおして7枚の紙を得た後、任意の
3枚(A,B,C)で反射濃度を測定した。その結果を
表5に示す。
【0058】
【表5】
【0059】これらのパルプを80℃、湿度90%の環
境に90日間放置しても発色せず、消色状態は非常に安
定であった。また、pH1〜14の水溶液を噴霧して
も、顕色剤として用いた没食子酸プロピルの20%イソ
プロピルアルコール溶液を噴霧しても発色は起こらなか
った。
【0060】実施例6 高濃度パルパーを用いて、印刷した紙20kgに対して
パルプ濃度が20%になるように水を入れ、5kg/c
2 の圧力をかけながら、表7に示す温度で5時間攪拌
し、紙の繊維をほぐしながら消色処理を行った。その
後、パルプを圧搾し、再び水に入れ、紙に抄きなおして
7枚の紙を得た後、任意の3枚(A,B,C)で反射濃
度を測定した。その結果を表6に示す。
【0061】
【表6】
【0062】これらのパルプを80℃、湿度90%の環
境に90日間放置しても発色せず、消色状態は非常に安
定であった。また、pH1〜14の水溶液を噴霧して
も、顕色剤として用いた没食子酸プロピルの20%イソ
プロピルアルコール溶液を噴霧しても発色は起こらなか
った。
【0063】実施例7 高濃度パルパーを用い、紙20kgに対してパルプ濃度
が20%となるように水を入れ、炭酸ナトリウム3%を
加え、圧力5kg/cm2 、温度180℃で5時間攪拌
し、紙の繊維をほぐしながら、消色処理を行った。一
方、新聞紙脱インキシステム(荏原製作所製)で脱イン
キ処理し、水に分散させたパルプを用意した。両方のパ
ルプをいずれも水に分散させた状態で1:1の割合で混
合し、再生紙を製造した。
【0064】得られた再生紙の反射濃度は0.07であ
った。この再生紙を80℃、湿度90%の環境に90日
間放置しても変色は起こらず、色目(色合い)は非常に
安定であった。また、pH1〜14の水溶液を噴霧して
も、顕色剤として用いた没食子酸プロピルの20%イソ
プロピルアルコール溶液を噴霧しても発色は起こらなか
った。
【0065】実施例8 高濃度パルパーを用い、紙20kgに対してパルプ濃度
が20%となるようにメチルエチルケトンを入れ、圧力
5kg/cm2 、温度150℃で5時間攪拌し、紙の繊
維をほぐしながら、消色処理を行った。パルプを圧搾し
て溶媒を搾り取った後、水洗槽に分散させて1時間洗浄
し、再び圧搾して水分を搾り取り、再び水に分散させ
た。一方、新聞紙脱インキシステムで脱インキ処理し、
水に分散させたパルプを用意した。両方のパルプをいず
れも水に分散させた状態で1:1の割合で混合し、再生
紙を製造した。
【0066】得られた再生紙の反射濃度は0.07であ
った。この再生紙を80℃、湿度90%の環境に90日
間放置しても変色は起こらず、色目(色合い)は非常に
安定であった。また、pH1〜14の水溶液を噴霧して
も、顕色剤として用いた没食子酸プロピルの20%イソ
プロピルアルコール溶液を噴霧しても発色は起こらなか
った。
【0067】実施例9 印刷した紙5000枚(20kg)に対して、赤外線熱
源(シリコニット)を用い、ファンにより風速10m/
secで180℃の熱風を30分間吹き付けた。高濃度
パルパーを用い、熱風処理後の紙20kgに対してパル
プ濃度が20%となるように水を入れ、ポリオキシエチ
レンアルキルアリルエーテル系の界面活性剤0.5%を
添加し、圧力5kg/cm2 、温度150℃で5時間攪
拌し、紙の繊維をほぐした。パルプを圧搾して水分を搾
り取った後、水洗槽に分散させて1時間洗浄し、再び圧
搾して水分を搾り取り、再び水に分散させた。一方、新
聞紙脱インキシステムで脱インキ処理し、水に分散させ
たパルプを用意した。両方のパルプをいずれも水に分散
させた状態で1:1の割合で混合し、再生紙を製造し
た。
【0068】得られた再生紙の反射濃度は0.08であ
った。この再生紙を80℃、湿度90%の環境に90日
間放置しても変色は起こらず、色目は非常に安定であっ
た。また、pH1〜14の水溶液を噴霧しても、顕色剤
として用いた没食子酸プロピルの20%イソプロピルア
ルコール溶液を噴霧しても発色は起こらなかった。
【0069】なお、実施例8〜10では消去可能な画像
形成材料で印刷した紙から作製したパルプと通常の画像
形成材料で印刷した紙(新聞紙)から作製したパルプと
をいずれも水に分散させた状態で混合しているが、後者
の脱インキ工程が終了した後であれば、両方のパルプは
どのような形態で混合してもよい。
【0070】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の方法を用い
れば、既存の紙のリサイクルシステムに用いられている
パルパーなどの設備を利用して、消去可能な画像形成材
料を用いて画像を形成した紙を効率よくリサイクルでき
る。また、消去可能な画像形成材料を用いた紙から作製
されたパルプと、通常の画像形成材料を用いた紙に対し
脱インキとパルピングを行うことにより作製されたパル
プとを混合し、再生紙を製造するようにすれば、従来の
紙のリサイクルシステムに消去可能な画像形成材料を用
いた紙専用のサブシステムを組み込んで従来と同様に紙
をリサイクルすることができる。消去可能な画像形成材
料を用いた紙から作製されるパルプは白色度が高いの
で、最終的に得られる再生紙の白色度も高めることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−27739(JP,A) 特開 平4−108197(JP,A) 特開 平4−333682(JP,A) 特開 平10−88046(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21C 5/02 D21B 1/00 - 1/40 G03G 9/06 - 9/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 呈色性化合物と顕色剤と消色剤を含有す
    る消去可能な画像形成材料を用いて画像を形成した紙に
    対し、熱水を用いて消色とパルピングを同時に行い、パ
    ルプを作製することを特徴とする紙のリサイクル方法。
  2. 【請求項2】 加圧により、熱水の温度を画像形成材料
    に含まれる樹脂の軟化点以上200℃以下にすることを
    特徴とする請求項1記載の紙のリサイクル方法。
  3. 【請求項3】 呈色性化合物と、顕色剤と、(a)ステ
    ロール化合物、(b)コール酸、リトコール酸、テスト
    ステロンおよびコルチゾンならびにこれらの誘導体、
    (c)(c1)環式糖アルコールおよび(c2)環式糖
    アルコール以外のヒドロキシル基を有する5員環以上の
    非芳香族環式化合物または環式糖アルコールの誘導体、
    ならびに(d)高分子消色剤という(a)、(b)、
    (c)および(d)からなる群より選択される少なくと
    も1種の消色剤とを含有する消去可能な画像形成材料を
    用いて画像を形成した紙に対し、有機溶媒との接触およ
    び120〜200℃での加熱による消色と、パルピング
    を行い、パルプを作製することを特徴とする紙のリサイ
    クル方法。
JP27130498A 1998-09-25 1998-09-25 紙のリサイクル方法 Expired - Fee Related JP3484080B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27130498A JP3484080B2 (ja) 1998-09-25 1998-09-25 紙のリサイクル方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27130498A JP3484080B2 (ja) 1998-09-25 1998-09-25 紙のリサイクル方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000096472A JP2000096472A (ja) 2000-04-04
JP3484080B2 true JP3484080B2 (ja) 2004-01-06

Family

ID=17498190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27130498A Expired - Fee Related JP3484080B2 (ja) 1998-09-25 1998-09-25 紙のリサイクル方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3484080B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1624026A4 (en) * 2003-05-14 2008-01-23 Toyo Seikan Kaisha Ltd RESIN COMPOSITION, PACKAGING CONSTRUCTION AND REGENERATION METHOD THEREFOR

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000096472A (ja) 2000-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3474780B2 (ja) 消去可能な画像形成材料
US6017386A (en) Decolorizable ink and printer
JP3505401B2 (ja) 消去可能な画像形成材料の調製方法
PT980028E (pt) Material formador de imagem passível de apagamento
JP3457538B2 (ja) 消去可能トナーの製造方法および消去可能トナー
JP2000154345A (ja) 消去可能な印刷インキ
JP3286214B2 (ja) 消去可能インクおよびプリンター
DE69937656T2 (de) Entfärbemethode von entfärbendem Aufzeichnungsmaterial
JP3484080B2 (ja) 紙のリサイクル方法
JP3315360B2 (ja) 消去可能な画像形成材料の消去方法
JP3281326B2 (ja) 消去可能な画像記録材料およびその消去方法
JP3278626B2 (ja) 画像消去装置および画像消去方法
JP3898699B2 (ja) 消去可能な印刷インキ
JP4127464B2 (ja) 可消色性画像の消色方法
JP4212211B2 (ja) 可消色性画像の消色方法
JP3376287B2 (ja) 筆記具、消去具および筆記・消去具
JP3472144B2 (ja) 消去可能な画像形成材料
JP3290963B2 (ja) 消去可能な画像形成材料および画像消去方法
JP4128754B2 (ja) 可消色性画像の消色方法
JP2001271016A (ja) 可消色性水性着色剤及びそれを用いる筆記具
JP2010059233A (ja) 発色及び消色が可能な液体画像記録材料
JP3474754B2 (ja) 消去可能な画像形成材料および画像消去方法
JP2001123084A (ja) 可消色性色素組成物及びその製造方法
JP3474753B2 (ja) 消去可能な画像形成材料
JP2000001051A (ja) 再利用感熱紙

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081017

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081017

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091017

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101017

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131017

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees