JP3482812B2 - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JP3482812B2
JP3482812B2 JP11818597A JP11818597A JP3482812B2 JP 3482812 B2 JP3482812 B2 JP 3482812B2 JP 11818597 A JP11818597 A JP 11818597A JP 11818597 A JP11818597 A JP 11818597A JP 3482812 B2 JP3482812 B2 JP 3482812B2
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浩 後藤
秀一 中川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機やプリン
ター等の画像形成装置において、像担持体に形成された
潜像を現像するのに使用する現像装置に係り、特に、静
電潜像が形成される像担持体と所要間隔を介して対向す
るように設けられた現像剤担持体の表面に現像剤を保持
させ、この現像剤担持体によって現像剤を像担持体と対
向する現像位置に搬送して現像を行なうようになった現
像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機やプリンター等の画像
形成装置においては、像担持体に形成された静電潜像を
現像するのに様々な現像装置が使用されており、このよ
うな現像装置としては、現像剤にキャリアとトナーとを
含む2成分現像方式の現像装置の他に、キャリアを含ま
ない現像剤を使用した1成分現像方式の現像装置が知ら
れている。
【0003】また、このような1成分現像方式の現像装
置においては、現像剤担持体を像担持体と接触するよう
に設け、この現像剤担持体によって現像剤を像担持体と
接触する現像位置に導いて現像を行なうようにした接触
現像方式の現像装置と、現像剤担持体を像担持体と所要
間隔を介して対向するように設け、この現像剤担持体に
より現像剤を像担持体と対向する現像位置に導いて現像
を行なうようにした非接触現像方式の現像装置とが知ら
れている。
【0004】ここで、接触現像方式の現像装置の場合、
現像剤を像担持体と接触させて現像を行なうため、像担
持体に形成された静電潜像の再現性に優れるが、現像剤
が静電潜像の形成されていない非画像部分にも付着され
て、形成される画像にカブリが発生するという問題があ
った。
【0005】このため、従来においては、像担持体と現
像剤担持体との移動速度を変更させる等により、非画像
部分への現像剤の付着を抑制するようにしていた。
【0006】しかし、このような接触現像方式の現像装
置の場合、現像剤担持体を像担持体の表面に一定の圧力
で接触させており、上記のように現像剤担持体と像担持
体との移動速度を異ならせると、現像剤担持体との接触
によって像担持体の表面が摩耗され、安定した画像形成
が行なえなくなる等の問題が生じた。
【0007】一方、現像剤担持体を像担持体と所要間隔
を介して対向するように設けた非接触現像方式の現像装
置の場合、上記の接触現像方式の現像装置のように像担
持体の表面が現像剤担持体によって摩耗されるというこ
とがないが、現像剤担持体と像担持体とが対向する現像
位置における両者の間隔が変化することにより、形成さ
れる画像の濃度等が大きく変化し、例えば、像担持体や
現像剤担持体の成形精度が十分でなくて、像担持体と現
像剤担持体との間隔がわずかに変動した場合において
も、形成される画像の濃度が変化し、濃度ムラ等が発生
するという問題があった。
【0008】このため、従来においては、現像剤担持体
と像担持体とが対向する現像位置において、現像剤担持
体と像担持体との間隔を400μm以上の広い間隔に設
定しておき、この間隔を検知手段により検知し、この間
隔が変化した場合に現像条件を変更させる等の方法が用
いられていた。
【0009】しかし、上記のように現像剤担持体と像担
持体との間隔を広く設定すると、像担持体における静電
潜像のエッジ部分において電界が強くなり、いわゆるエ
ッジ効果が生じて、形成された画像におけるエッジ部分
の画像濃度だけが高くなったり、点や線の画像の忠実再
現性が悪くなるという問題があった。
【0010】また、1成分現像方式の現像装置の場合、
現像剤担持体によって現像剤を像担持体と対向する現像
位置に導くにあたり、適切な量の現像剤が像担持体と対
向する現像位置に導かれるようにするため、現像剤を保
持した現像剤担持体の表面に規制部材を圧接させ、この
規制部材により現像剤担持体の表面に保持された現像剤
の量を規制するようにしていた。
【0011】しかし、このように現像剤を保持した現像
剤担持体の表面に規制部材を圧接させて現像剤の量を規
制するようにした場合、この規制部材により現像剤担持
体の表面に保持された現像剤が割れて微粉が発生し、こ
の微粉が現像剤担持体の表面等に融着して、形成される
画像に筋状の濃度ムラが発生する等の問題もあった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、キャリア
を含まない現像剤を使用した1成分現像方式の現像装置
における上記のような問題を解決することを課題とする
ものである。
【0013】そして、この発明においては、現像剤担持
体を像担持体と所要間隔を介して対向するように設け、
この現像剤担持体により現像剤を像担持体と対向する現
像位置に導いて現像を行なうようにした非接触現像方式
の現像装置において、現像剤担持体と像担持体との間隔
を広くした場合のように、エッジ効果が生じて、形成さ
れた画像におけるエッジ部分の画像濃度だけが高くなっ
たり、点や線の画像の忠実再現性が悪くなるということ
がなく、また現像剤担持体と像担持体との間隔が変動し
た場合においても、形成される画像の濃度等が大きく変
動するということもなく、点や線の画像の忠実再現性に
優れると共に一定した画像濃度を有する良好な画像が得
られるようにすることを課題とするものである。
【0014】また、この発明においては、上記のように
現像剤を保持した現像剤担持体の表面に規制部材を圧接
させ、この規制部材によって現像剤担持体の表面に保持
された現像剤の量を規制する場合において、現像剤担持
体の表面に保持された現像剤が割れたりするのを抑制
し、筋状の濃度ムラ等の発生もない良好な画像が得られ
るようにすることを課題とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1にお
ける現像装置においては、上記のような課題を解決する
ため、静電潜像が形成される像担持体と所要間隔を介し
て対向するように設けられた現像剤担持体の表面に現像
剤を保持させ、この現像剤担持体によって現像剤を像担
持体と対向する現像位置に搬送して現像を行なう現像装
置において、上記の現像剤担持体と上記の像担持体とが
対向する間隔を150〜400μmの範囲にすると共
に、この現像剤担持体として、導電性基体の表面に厚み
tが50μm以上、比誘電率εが10以下で、上記の厚
みtを比誘電率εで割った値(t/ε)が10〜50μ
mの範囲になった誘電体層が形成されたものを用いた。
【0016】ここで、この請求項1における現像装置の
ように、導電性基体の表面に誘電体層が設けられた現像
剤担持体を用いると、この誘電体層によって現像剤担持
体と像担持体との間に作用する電界が制御されるように
なる。
【0017】そして、上記のように現像剤担持体と像担
持体とが対向する間隔を150〜400μmの範囲にす
ると共に、この現像剤担持体の表面に、厚みtが50μ
m以上で、比誘電率εが10以下であると共に、この厚
みtを比誘電率εで割った値(t/ε)が10〜50μ
mの範囲になった誘電体層を設けると、像担持体に形成
された静電潜像のエッジ部分におけるエッジ効果が抑制
され、形成された画像におけるエッジ部分の画像濃度だ
けが高くなったり、点や線の画像の忠実再現性が悪くな
るということがなく、また現像剤担持体と像担持体との
間隔が変動した場合において、形成される画像の濃度等
が大きく変動するということも抑制され、一定した画像
濃度を有する良好な画像が得られるようになる。
【0018】ここで、上記の誘電体層の厚みtを50μ
m以上、その比誘電率εを10以下としたのは、この誘
電体層の厚みtがこれより薄くなったり、その比誘電率
εがこれより高くなると、この誘電体層による電界の制
御が十分に行なえなくなり、現像剤担持体と像担持体と
の間隔が変動した場合に、形成される画像に濃度ムラが
生じ易くなるためである。
【0019】また、この誘電体層の厚みtを比誘電率ε
で割った値(t/ε)が10〜50μmの範囲になるよ
うにしたのは、このt/εの値が10よりも小さいと、
この誘電体層における電界の制御が十分に行なえず、像
担持体と現像剤担持体との間隔の変動により形成される
画像に濃度ムラが生じ易くなる一方、このt/εの値が
50μmより大きいと、非画像部分にも現像剤が供給さ
れやすくなって、形成される画像にカブリが生じ易くな
るためである。
【0020】また、この発明の請求項2における現像装
置においては、上記のような課題を解決するため、上記
の現像剤担持体の表面に保持された現像剤の量を規制部
材によって規制して像担持体と対向する現像位置に搬送
させるにあたり、この現像剤担持体における導電性基体
の少なくとも表面をゴム硬度が10〜70度、伸びが4
00〜1200%の導電性の弾性材料で構成したのであ
る。なお、上記のゴム硬度及び伸びは、JIS K 6
301に従って測定した値である。
【0021】そして、この請求項2における現像装置の
ように、現像剤担持体における導電性基体の少なくとも
表面をゴム硬度が10〜70度で、伸びが400〜12
00%の導電性の弾性材料で構成すると、上記のように
現像剤担持体に保持された現像剤を規制部材によって規
制する際に、この現像剤担持体の表面が変形して現像剤
に加わる負荷が減少し、現像剤の割れによる微粉の発生
が抑制され、現像剤の微粉が現像剤担持体の表面等に融
着して形成される画像に濃度ムラが生じるということも
少なくなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態に係る
現像装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0023】この実施形態においては、図1に示すよう
に、円筒状になった導電性支持体1aの表面に感光層1
bが形成された感光体ドラム1からなる像担持体1を用
い、この像担持体1の表面を帯電装置(図示せず)によ
って帯電させた後、この像担持体1の表面に適当な露光
装置(図示せず)から光を照射させて、この像担持体1
の表面に画像情報に応じた静電潜像を形成するようにし
ている。
【0024】ここで、この実施形態における現像装置に
おいては、図1及び図2に示すように、導電性の回転軸
11aの周囲に導電性の弾性層11bが設けられてなる
導電性基体11cの表面に誘電体層11dが形成された
現像剤担持体11を用いている。
【0025】そして、この現像剤担持体11を像担持体
1と所要間隔Dsを介して対向するように現像剤担持体
11を設けるにあたっては、図3に示すように、この現
像剤担持体11の両側に現像剤担持体11の直径よりも
若干大径になったコロ部材11eを回転可能に設け、こ
のコロ部材11eによって現像剤担持体11と像担持体
1とが対向する位置における間隔Dsが150〜400
μmの範囲になるようにしている。
【0026】ここで、現像剤担持体11に設ける上記の
誘電体層11dとしては、図4の塗りつぶし部分に示す
ように、その厚みtを50μm以上にすると共に、この
誘電体層11dを構成する材料に比誘電率εが10以下
のものを用い、上記の厚みtをこの比誘電率εで割った
値(t/ε)が10〜50μmの範囲になるようにして
いる。なお、この誘電体層11dを構成する材料として
は、各種のプラスチック材料、エラストマー材料、ゴム
材料等を用いることができる。
【0027】そして、この現像装置においては、上記の
現像剤担持体11が設けられた現像装置の装置本体10
内に現像剤(トナー)12を収容させ、この現像剤12
を回転する送り羽根13によって現像剤担持体11側に
送ると共に、このように送られてきた現像剤12を現像
剤担持体11と接触するように設けられた供給ローラ1
4によって現像剤担持体11の表面に供給し、このよう
に供給された現像剤12をこの現像剤担持体11の回転
によって像担持体1側に搬送するようになっている。
【0028】また、このように現像剤担持体11によっ
て現像剤12を像担持体1に搬送する途中において、こ
の現像剤担持体11の表面に規制部材15を圧接させ、
この規制部材15によって現像領域に搬送される現像剤
12の量を規制すると共に、この現像剤12を摩擦帯電
させるようにしている。
【0029】そして、このように規制部材15により搬
送される量が規制されて摩擦帯電された現像剤12を現
像剤担持体11によって像担持体1と所要間隔Dsを介
して対向する現像位置に導き、この現像剤担持体11と
像担持体1との間に、直流電源16aと交流電源16b
とから直流電圧に交流パルス電圧が重畳された現像バイ
アス電圧を印加させて、現像剤担持体11の表面に保持
された現像剤を像担持体に形成された静電潜像に供給し
て現像を行なうようになっている。
【0030】このようにして像担持体1に形成された静
電潜像を現像すると、像担持体1に形成された静電潜像
のエッジ部分におけるエッジ効果が抑制され、形成され
た画像のエッジ部分における画像濃度だけが高くなった
り、点や線の画像の忠実再現性が悪くなるということが
なく、また形成される画像にカブリが生じるということ
もなく、さらに現像剤担持体11と像担持体1との間隔
Dsが変動した場合においても、形成される画像の濃度
等が変動するということも少なく、一定した画像濃度を
有する良好な画像が得られるようになる。
【0031】また、上記の現像剤担持体11において、
導電性の回転軸11aの周囲に設ける導電性の弾性層1
1bを構成する材料に、そのゴム硬度が10〜70度、
伸びが400〜1200%のものを用いると、上記のよ
うにこの現像剤担持体11の表面に規制部材15を圧接
させて、この現像剤担持体11の表面における現像剤1
2の量を規制する場合に、この現像剤担持体11が変形
して現像剤12に加わる負荷が大幅に低減され、規制部
材11の圧接によって現像剤12が割れたりするという
ことが少なく、現像剤12の微粉が現像剤担持体11の
表面等に融着して形成される画像に筋状の濃度ムラ等が
発生するのも抑制される。
【0032】次に、上記の現像剤担持体11と像担持体
1との対向する間隔Dsを150〜400μmの範囲に
すると共に、現像剤担持体11の表面に、厚みtが50
μm以上で、その比誘電率εが10以下であると共に、
t/εの値が10〜50μmになった誘電体層11dを
設けた場合に、上記のような効果が得られることを実験
に基づいて明らかにする。
【0033】この実験においては、現像剤担持体11の
表面に誘電体層11dを設けるにあたり、誘電体層11
dを構成する材料に、比誘電率εが約3のスチレン系熱
可塑性エラストマー材料と、比誘電率εが約8のウレタ
ン材料とを用い、それぞれ誘電体層11dの厚みtを0
μm,50μm,100μm,150μmにし、比誘電
率εが約3の材料を用いたものにおいては、上記のt/
εの値が0μm,17μm,33μm,50μmになっ
た各現像剤担持体11を、また比誘電率εが約8の材料
を用いたものにおいては、上記のt/εの値が0μm,
6μm,12μm,19μmになった各現像剤担持体1
1を用いるようにした。
【0034】そして、上記の各現像剤担持体11を用
い、上記のコロ部材11eによって各現像剤担持体11
と像担持体1との対向する間隔(現像ギャップ)Dsを
変更させ、それぞれ黒ベタ画像を形成した場合に画像濃
度が1.4の画像が得られる現像条件のもとで、それぞ
れスクリーン線数が300線、スクリーン角が0°、白
に対する黒の比率(B/W比率)が25%の網点からな
る高解像度で低濃度の網点画像を現像して、形成された
各画像における画像濃度を測定し、それぞれの画像濃度
と現像ギャップDsとの関係を求めた。ここで、比誘電
率εが約3の誘電体層11dを設けた各現像剤担持体1
1を用いた場合における結果を図5(A)に、比誘電率
εが約8の誘電体層11dを設けた各現像剤担持体11
を用いた場合における結果を図5(B)に示した。
【0035】この結果、上記の現像ギャップDsが小さ
いと、現像剤担持体11に設ける誘電体層11dにおけ
る上記のt/εの値が変化することにより画像濃度が大
きく変化し、現像ギャップDsが大きくなるに従って画
像濃度が一定化するようになった。
【0036】次に、上記の図5(A),(B)の結果に
基づき、現像剤担持体11と像担持体1との対向する間
隔(現像ギャップ)Dsを150μm,200μm,2
50μm,300μm,350μmに設定した場合にお
いて、この間隔Dsが±100μmの範囲で変動した際
に生じる画像濃度差と上記のt/εの値との関係を求
め、その結果を図6に示した。
【0037】この結果、現像剤担持体11の表面に誘電
体層11dを設けるにあたり、この誘電体層11dにお
けるt/εの値が大きくなるに従って現像ギャップDs
の変動による画像濃度差が少なくなり、このt/εの値
が10μmより低いと、現像ギャップDsの変動によっ
て形成される画像の濃度が大きく変化してしまうため
に、このt/εの値を10μm以上にすることが好まし
く、特に、このt/εの値が30μm以上の場合には、
現像ギャップDsが150μmと狭い場合において、こ
の現像ギャップDsが変動しても形成される画像の濃度
が一定して安定した濃度の画像が得られるようになって
いた。
【0038】次に、図7に示すように、上記のt/εの
値が0μm,17μm,33μm,50μm,66μm
になった各誘電体層11dを設けた各現像剤担持体11
を用い、それぞれ前記の直流電源16aから現像剤担持
体11と像担持体1との間に印加させる直流電圧Vbと
像担持体1の表面電位Virとの差(Vir−Vb)を
変化させて画像形成を行ない、形成された画像における
画像濃度と上記の(Vir−Vb)の値との関係を調
べ、その結果を図7に示した。
【0039】この結果、t/εの値が66μmになった
誘電体層11dを設けた現像剤担持体11において、非
画像部分でカブリを生じさせないためには直流電圧Vb
と像担持体1の表面電位Virとの差(Vir−Vb)
を−600V以下にする必要がある。従って画像部分と
非画像部分とにおいて十分な濃度差が得られるようにす
るためには、画像部分と非画像部分とにおける電位差を
非常に大きくしなければならず、非画像部分にカブリが
発生するのを抑制することは非常に困難であり、現像剤
担持体11の表面に設ける誘電体層11dにおけるt/
εの値を50μm以下にすることが好ましかった。
【0040】また、上記のように現像剤担持体11の表
面に誘電体層11dを設けるにあたり、この誘電体層1
1dにおけるt/εの値を10〜50μmにする場合に
おいて、比誘電率εの小さな材料を用いて誘電体層11
dの厚みtを薄くすると、この誘電体層11dの厚みt
のバラツキによって形成される画像の濃度が大きく変化
するため、この誘電体層11dの厚みtを50μm以上
にすることが好ましかった。
【0041】また、現像剤担持体11の表面に誘電体層
11dを設けるにあたり、この誘電体層11dにおける
比誘電率εが10より大きくなると、この誘電体層11
dの体積固有抵抗値が低下して、現像剤担持体11と像
担持体1との間に作用する電界がこの誘電体層11dに
よって十分に制御されず、像担持体1と現像剤担持体1
1との間隔がわずかに変動した場合においても、形成さ
れる画像における濃度が変化した。
【0042】次に、上記の実施形態の現像装置における
現像剤担持体11において、その回転軸11aの周囲に
設ける導電性の弾性層11bの種類を変更させた各現像
剤担持体11を用い、これらの各現像剤担持体11の表
面に規制部材15を圧接させて規制を行なう実験を行な
い、弾性層11bを構成する材料にそのゴム硬度が10
〜70度、伸びが400〜1200%のものを用いた現
像剤担持体11を使用すると、規制部材15の圧接によ
って現像剤12が割れるのが抑制されることを明らかに
する。
【0043】ここで、この実験においては、現像剤12
として下記のようにして製造したトナーを用いるように
した。
【0044】トナーを製造するにあたっては、ポリエス
テル樹脂(花王社製:タフトンNE−1110)を10
0重量部、着色剤であるカーボンブラック(キャボット
社製:Mogul L)を8重量部、荷電制御剤(オリ
エント化学社製:ボントロンS−34)を3重量部、離
型剤(三洋化成工業社製:ビスコールTS−200)を
2.5重量部の割合にし、これらをヘンシェルミキサー
により回転数2800rpmで3分間混合した後、2軸
混練押出機を用いて混練し、これを冷却させた後、粗粉
砕し、さらに超音波ジェット粉砕機(日本ニューマチッ
ク社製)によって微粉砕した後、エルボージェット(松
坂貿易社製)で分級してトナー粒子を得た。そして、こ
のトナー粒子に対して、疎水性シリカ(キャボット社
製:キャボジルTS−500)を0.8重量%の割合で
添加させ、これらをヘンシェルミキサーにより回転数2
500rpmで90秒間混合させて負帯電性トナーを製
造した。
【0045】(実験例1)この実験例1においては、現
像剤担持体11の回転軸11aの周囲に導電性の弾性層
11bを設けるにあたり、スチレン系エラストマーを用
いて下記の表1に示すように、前記のゴム硬度が44
度,伸びが710%、体積固有抵抗値が10 6Ω・cm
になった弾性層11bを設け、この弾性層11bの上
に、比誘電率εが約3の材料を用いて膜厚が100μm
になった誘電体層11dを設けた。
【0046】(実験例2)この実験例2においては、現
像剤担持体11の回転軸11aの周囲に導電性の弾性層
11bを設けるにあたり、スチレン系エラストマーを用
いて下記の表1に示すように、ゴム硬度が77度、伸び
が850%、体積固有抵抗値が105Ω・cmになった
弾性層11bを設け、この弾性層11bの上に、比誘電
率εが約3の材料を用いて膜厚が100μmになった誘
電体層11dを設けた。
【0047】(実験例3)この実験例3においては、現
像剤担持体11の回転軸11aの周囲に導電性の弾性層
11bを設けるにあたり、ウレタンゴムを用いて下記の
表1に示すように、ゴム硬度が68度、伸びが980
%、体積固有抵抗値が105Ω・cmになった弾性層1
1bを設け、この弾性層11bの上に、比誘電率εが約
3の材料を用いて膜厚が100μmになった誘電体層1
1dを設けた。
【0048】(実験例4)この実験例4においては、現
像剤担持体11の回転軸11aの周囲に導電性の弾性層
11bを設けるにあたり、シリコンゴムを用いて下記の
表1に示すように、ゴム硬度が50度、伸びが290
%、体積固有抵抗値が106Ω・cmになった弾性層1
1bを設け、この弾性層11bの上に、比誘電率εが約
3の材料を用いて膜厚が100μmになった誘電体層1
1dを設けた。
【0049】次に、上記の実験例1〜4に示した現像剤
担持体11を用いて1万枚の耐刷試験を行ない、形成さ
れた画像における濃度ムラの評価を行ない、その結果を
下記の表1に合わせて示した。なお、1万枚の耐刷試験
後における画像の濃度ムラを評価するにあたっては、濃
度ムラがなく良好な画像が得られた場合を○、筋状の濃
度ムラが生じた場合を×で示した。
【0050】
【表1】
【0051】この結果、上記の現像剤担持体11におい
て、導電性の回転軸11aの周囲に導電性の弾性層11
bを設けるにあたり、ゴム硬度が10〜70度、伸びが
400〜1200%の範囲になった弾性層11bを設け
た実験例1,3のものにおいては、上記のようにこの現
像剤担持体11の表面における現像剤12の量を規制部
材15により規制する場合に、現像剤12が割れて現像
剤12の微粉が現像剤担持体11の表面等に融着すると
いうことが抑制され、形成された画像に濃度ムラが発生
しなかった。
【0052】これに対して、ゴム硬度が77度と硬い弾
性層11bを設けた実験例2のものや、伸びが290%
と少ない弾性層11bを設けた実験例4のものにおいて
は、現像剤担持体11の表面における現像剤12の量を
規制部材15により規制する場合に、現像剤12が割れ
て微粉が発生し、この微粉が現像剤担持体11の表面等
に融着して、形成された画像に筋状の濃度ムラが発生し
た。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明の請求項
1における現像装置においては、静電潜像が形成される
像担持体と所要間隔を介して対向するように設けられた
現像剤担持体の表面に現像剤を保持させ、この現像剤担
持体によって現像剤を像担持体と対向する現像位置に搬
送して現像を行なうにあたり、現像剤担持体と像担持体
とが対向する間隔を150〜400μmの範囲にすると
共に、この現像剤担持体の表面に、厚みtが50μm以
上で、比誘電率εが10以下であると共に、この厚みt
を比誘電率εで割った値(t/ε)が10〜50μmの
範囲になった誘電体層を設けたため、この誘電体層によ
って現像剤担持体と像担持体との間に作用する電界が適
切に制御されるようになった。
【0054】この結果、この発明における現像装置を用
いて像担持体に形成された静電潜像を現像すると、像担
持体に形成された静電潜像のエッジ部分におけるエッジ
効果が抑制され、形成された画像のエッジ部分における
画像濃度だけが高くなったり、点や線の画像の忠実再現
性が悪くなるということがなく、また現像剤担持体と像
担持体との間隔が変動した場合においても、形成される
画像の濃度等が大きく変動するということも抑制され、
一定した画像濃度を有する良好な画像が得られるように
なった。
【0055】また、この発明の請求項2に示すように、
上記の現像装置において、現像剤担持体における導電性
基体の少なくとも表面部を、ゴム硬度が10〜70度、
伸びが400〜1200%の導電性材料で構成すると、
この現像剤担持体の表面に規制部材を圧接させて、この
現像剤担持体の表面における現像剤の量を規制する場合
に、この現像剤担持体が変形して現像剤に加わる負荷が
大幅に低減されて、現像剤が割れるのが抑制され、現像
剤の微粉が現像剤担持体の表面等に融着して形成される
画像に筋状の濃度ムラ等が発生するのも防止されるよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る現像装置の概略断面
図である。
【図2】同実施形態に係る現像装置において、現像剤担
持体が像担持体と所要間隔を介して対向するように設け
た状態を示した部分説明図である。
【図3】同実施形態に係る現像装置において、現像剤担
持体が像担持体と所要間隔を介して対向するように設け
た状態を示した平面説明図である。
【図4】同実施形態に係る現像装置において、現像剤担
持体の表面に設ける誘電体層の厚みtと比誘電率εの範
囲を示した図である。
【図5】この発明の実験例において、比誘電率εが約3
の材料で誘電体層を形成した各現像剤担持体と、比誘電
率εが約8の材料で誘電体層を形成した各現像剤担持体
とを用いてそれぞれ網点画像を現像を行なった場合にお
ける画像濃度と現像ギャップDsの関係を示した図であ
る。
【図6】この発明の実験例において、誘電体層の厚みt
を比誘電率εで割った値(t/ε)を変更させた各現像
剤担持体を用いてそれぞれ網点画像を現像を行なった場
合において、現像ギャップDsが±100μmの範囲で
変動した際に生じる画像濃度差と上記のt/εの値との
関係を示した図である。
【図7】この発明の実験例において、t/εの値が異な
る誘電体層を設けた各現像剤担持体を用いて現像を行な
った場合において、現像剤担持体と像担持体との間に印
加させる直流バイアス電圧Vbと像担持体の表面電位V
irとの差(Vir−Vb)と、形成された画像におけ
る画像濃度との関係を示した図である。
【符号の説明】
1 像担持体 11 現像剤担持体 11c導電性基体 11d 誘電体層 12 現像剤(トナー) 15 規制部材 Ds 現像剤担持体と像担持体とが対向する間隔 t 誘電体層の厚み ε 誘電体層の比誘電率
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 龍次 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大 阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−201470(JP,A) 特開 平3−141377(JP,A) 特開 昭60−254161(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08 501

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電潜像が形成される像担持体と所要間
    隔を介して対向するように設けられた現像剤担持体の表
    面に現像剤を保持させ、この現像剤担持体によって現像
    剤を像担持体と対向する現像位置に搬送して現像を行な
    う現像装置において、上記の現像剤担持体と上記の像担
    持体とが対向する間隔を150〜400μmの範囲にす
    ると共に、この現像剤担持体として、導電性基体の表面
    に厚みtが50μm以上、比誘電率εが10以下で、上
    記の厚みtを比誘電率εで割った値(t/ε)が10〜
    50μmの範囲になった誘電体層が形成されたものを用
    いたことを特徴とする現像装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した現像装置において、
    上記の現像剤担持体の表面に保持された現像剤の量を規
    制部材によって規制して像担持体と対向する現像位置に
    搬送させると共に、この現像剤担持体における導電性基
    体の少なくとも表面をゴム硬度が10〜70度、伸びが
    400〜1200%の導電性の弾性材料で構成したこと
    を特徴とする現像装置。
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