JP3477437B2 - 気流式分級機 - Google Patents

気流式分級機

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JP3477437B2
JP3477437B2 JP2000313410A JP2000313410A JP3477437B2 JP 3477437 B2 JP3477437 B2 JP 3477437B2 JP 2000313410 A JP2000313410 A JP 2000313410A JP 2000313410 A JP2000313410 A JP 2000313410A JP 3477437 B2 JP3477437 B2 JP 3477437B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分級すべき原料を
ガスによって分級する気流式分級機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、セメント製造工場において
は、セメントクリンカをチューブミルなどの粉砕機によ
って粉砕し、粉砕したセメントクリンカを気流式分級機
などによって粗粉と微粉とに分級し、分級された微粉を
捕集してセメント製品が製造されている。
【0003】図8は、従来の典型的な気流式分級機1の
構成を簡略化して示す断面図である。この気流式分級機
1は、特公昭57−24189号公報に開示されてい
る。気流式分級機1は、上部を略円筒状とし、下部を円
錐状のホッパとしたケーシング3を備える。ケーシング
3は鉛直軸線を有し、ケーシング3の円筒状部には接線
方向に分級用空気を取入れる空気入口2が形成されてい
る。ケーシング3の頂部には、微粉排出管4と原料供給
管5とが取付けられ、さらに前記鉛直軸線に沿って回転
軸6が挿通される。回転軸6の下端部には、回転板7が
固定され、回転板7の外周部には周方向に間隔をあけて
複数の分級羽根8が立設される。回転板7および分級羽
根8はかご形のロータ9を構成する。
【0004】ロータ9の分散羽根8の上端部には円環状
の分散板10が固定される。分散板10は、原料供給管
5から原料が落下する位置に設けられ、分散板10の半
径方向外方には環状の衝突板11が設けられる。ロータ
9および分散板10は、回転軸6とともに前記鉛直軸線
まわりに回転駆動される。ロータ9は空気入口2とほぼ
同一高さに設けられる。ロータ9と空気入口2との間に
は、複数の案内翼13が周方向に間隔をあけて設けられ
る。案内翼13は、空気入口2から供給される空気を接
線方向に導き、旋回流を形成する。
【0005】原料供給管5から分散板10上に供給され
た原料は、分散板10の回転によって半径方向外方に放
出され、衝突板11で方向を変えられ、案内翼13と分
散羽根8との間の非常に狭い分級領域に押込まれる。こ
の分級領域に押込まれた原料は、ロータ9の回転による
半径方向外向きの遠心力とロータ9内へ導入される空気
による半径方向内向き抗力とを同時に受ける。この相反
する2つの力の釣合う粒径を平衡粒径とすると、平衡粒
径未満の粒子、すなわち微粉は内向き抗力が遠心力より
も大きくなり、空気流によってロータ9内へ移動し、微
粉排出管4から排出される。これに対して平衡粒径以上
の粒子、すなわち粗粉は内向き抗力よりも遠心力が大き
くなり、ロータ9の外方に飛出し、案内翼13の内側に
沿って降下し、ケーシング3のホッパに送られる。従来
の気流式分級機1では、このようにして粗粉と微粉との
分級が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記気流式分級機1に
は、次のような問題がある。
【0007】(1)前記気流式分級機1は、分級羽根8
の半径方向長さが短く設定されているので、原料に与え
る遠心力を分級羽根8の長手方向全長にわたってほぼ同
じ大きさに設定できる。また、分級用空気が案内翼13
を介して旋回流の状態でロータ9の外周面から内方に水
平方向に導入されるので、ロータ9の上下方向および半
径方向で流速がほぼ同一となる。これによって、ロータ
9の上下方向全域にわたって平衡粒径がほぼ同一になる
ので、平衡粒径が狭い粒度範囲に分布し、非常に鋭い分
級が可能となる。したがって、セメントクリンカを分級
してセメント製品を製造するとき、製造されたセメント
製品は非常に粒度幅が狭いシャープな製品となる。この
ような粒度幅を持つセメント製品は、一定のコンクリー
トを固めるために必要な水分量である標準軟位水量が多
くなるので、同量の水を添加したときのコンクリートの
流動性、いわゆるコンクリートのワーカビリティが悪く
なる。したがって、前記気流式分級機1をセメントクリ
ンカ用分級機として用いるには、セメント製品の粒度幅
が狭すぎることによる品質悪化が生じやすいという問題
がある。
【0008】(2)前記気流式分級機1は、前述のよう
に分散板10の内周部に微粉排出管4が位置するので、
原料の供給位置は分散板外周寄りで周速度の速い位置と
なる。このため原料と分散板10との滑り速度が非常に
速くなり、分散板10の摩耗が非常に生じやすい。また
衝突板11は原料と衝突するので、衝突板11の摩耗が
非常に生じやすい。また必要以上に大きい粗粒も含めて
すべての原料が案内翼13と分散羽根8との間の非常に
狭い分級領域に押込まれるので、原料と案内翼13およ
び分散羽根8との接触が生じ、案内翼13および分散羽
根8の摩耗が生じやすい。したがって、これらの部材に
は耐摩耗性の優れた材料を用いる等の摩耗対策が必要と
なり、コストが高くなる問題がある。
【0009】(3)前記気流式分級機1は、分級用空気
の流れ速度が比較的速く、かつ処理原料全量が狭い分級
領域に押込まれるので、原料の空気抵抗が強く、分級用
空気の圧力損失が非常に大きくなる。したがって、分級
用空気を供給する送風機の動力コストが高くなるという
問題がある。
【0010】本発明の目的は、前記問題を解決し、製品
粒度幅を従来よりも広くすることができるとともに、希
望する粒度幅に調整することが可能であり、さらに原料
との接触による摩耗を少なくすることができ、分級用ガ
スの圧力損失を低下することができる気流式分級機を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、鉛直軸線を有
し、その軸線に垂直な断面が円形であるハウジングであ
って、下部に形成される粗粉回収部と、粗粉回収部の上
部に連なり、旋回ガス導入口が形成される旋回空間部
と、旋回空間部の上部に連なる分級空間部とが下から上
にこの順序で形成されているハウジングと、分級空間部
の下部付近で前記軸線と同軸に回転可能に設けられる水
平な分散板と、分散板上に原料を供給する原料供給シュ
ートと、分級空間部内で分散板の上方に周方向に間隔を
あけて設けられ、前記軸線まわりに回転し、半径方向外
方端部が下から上に向かうにつれて大きい半径になるよ
うに形成されるカゴ型分級羽根と、分散板と分級羽根と
を前記軸線まわりに回転駆動する駆動源と、前記旋回空
間部に周方向に間隔をあけて設けられ、旋回ガス導入口
から導入されるガスを接線方向に導く複数の案内翼と、
旋回ガス導入口からガスを導入し、分級空間部の上部で
分級羽根よりも半径方向内方から粉体とともにガスを誘
引排出する誘引送風機とを含むことを特徴とする気流式
分級機である。
【0012】本発明に従えば、旋回ガス導入口から導入
された旋回ガスは旋回空間部で旋回流を形成し、旋回し
ながら旋回空間部の上部に連なる分級空間部を下から上
に上昇する。分級空間部に設けられる分散板上に原料供
給シュートを介して供給された原料は、分散板の回転に
よる遠心力によって半径方向外方に移動して旋回ガス中
に放出される。旋回ガス中に放出された原料中の粗粉は
下方に落下して粗粉回収部に回収され、微粉は旋回ガス
によって吹上げられて分散板の上方に設けられる分級羽
根でさらに製品となる精粉と回収微粉とに分級される。
【0013】分級羽根では、後述のように分級羽根の上
部と下部とで内向き風速差が生じ、上部のほうが下部よ
りも半径方向内方へ向かうガスの流速が大きくなる。半
径方向内方へ向かうガスの流速が大きくなると、粒径の
大きい粉体でも半径方向外方へ飛出しにくくなるので、
前記平衡粒径が大きくなる。これによって、平衡粒径は
分級羽根の上下方向位置によって異なり、分級羽根の下
から上に向かうにつれて大きくなるので、平衡粒径の粒
度範囲が上下均一な風速分布を有する従来よりも広くな
る。したがって、製品の粒度幅も広くなり、分級が鋭す
ぎて粒度幅が狭くなることによる品質悪化を防止するこ
とができる。
【0014】また、原料は分散板中心部の比較的周速度
の遅いところに供給された後、分散板上に拡がり放出さ
れるので、分散板との滑り速度が小さく分散板の摩耗量
を低減することができる。また必要以上に大きな粗粒は
予め分散部で分級回収され、分級部では微粉のみとなる
のと、前記気流式分級機1のように、すべての原料が通
過する分級羽根と案内翼で形成される狭い分級空間が存
在しないので、分級羽根や案内翼等の摩耗の問題はまっ
たく解消される。さらにこの狭い分級空間が存在しない
ことは、分級用気流の圧力損失を大巾に低下させ、分級
エネルギーの省力化となる。また衝突板を設ける必要が
なく、その摩耗対策が不要となる。
【0015】 本発明に従えば、旋回ガス導入口から供
給されるガスを接線方向に導く複数の案内翼が設けられ
るので、乱れのない旋回流を確実に形成することができ
る。また案内翼が分級空間の下部に連なる旋回空間部に
設けられるので、原料と案内翼との接触が回避され、案
内翼の摩耗を防止することができる。したがって、案内
翼の摩耗対策を省略することができる。また本発明は、
鉛直軸線を有し、その軸線に垂直な断面が円形であるハ
ウジングであって、下部に形成される粗粉回収部と、粗
粉回収部の上部に連なり、旋回ガス導入口が形成される
旋回空間部と、旋回空間部の上部に連なる分級空間部と
が下から上にこの順序で形成されているハウジングと、
分級空間部の下部付近で前記軸線と同軸に回転可能に設
けられる水平な分散板と、分散板上に原料を供給する原
料供給シュートと、分級空間部内で分散板の上方に周方
向に間隔をあけて設けられ、前記軸線まわりに回転する
カゴ型分級羽根と、分散板と分級羽根とを前記軸線まわ
りに回転駆動する駆動源と、前記旋回空間部に周方向に
間隔をあけて設けられ、旋回ガス導入口から導入される
ガスを接線方向に導く複数の案内翼と、旋回ガス導入口
からガスを導入し、分級空間部の上部で分級羽根よりも
半径方向内方から粉体とともにガスを誘引排出する誘引
送風機とを含み、前記分級羽根の下端部は、前記軸線と
同軸の水平な環状円板の外周部に固定されており、環状
円板の中央孔には原料供給シュートが挿通されており、
環状円板の内周部は連結部材を介して分散板に固定され
ていることを特徴とする気流式分級機である。また本発
明は、鉛直軸線を有し、その軸線に垂直な断面が円形で
あるハウジングであって、下部に形成される粗粉回収部
と、粗粉回収部の上部に連なり、旋回ガス導入口が形成
される旋回空間部と、旋回空間部の上部に連なる分級空
間部とが下から上にこの順序で形成されているハウジン
グと、分級空間部の下部付近で前記軸線と同軸に回転可
能に設けられる水平な分散板と、前記分散板の外周縁部
に設けられ、上方に突出した環状堰と、分散板上に原料
を供給する原料供給シュートと、分級空間部内で分散板
の上方で周方向に間隔をあけて設けられ、前記軸線まわ
りに回転するカゴ型分級羽根と、分散板と分級羽根とを
前記軸線まわりに回転駆動する駆動源と、旋回ガス導入
口からガスを導入し、分級空間部の上部で分級羽根より
も半径方向内方から粉体とともにガスを誘引排出する誘
引送風機とを含むことを特徴とする気流式分級機であ
る。また本発明は、環状堰の断面形状は、矩形であるこ
とを特徴とする。また本発明は、環状堰の断面形状は、
三角形であることを特徴とする。また本発明は、前記旋
回空間部には、旋回ガス導入口から導入されるガスを接
線方向に導く複数の案内翼が周方向に間隔をあけて設け
られることを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、分散板の外周縁部には、
環状堰が設けられているので、堰が設けられていない場
合に比べて原料の放出角度を広くすることができる。こ
れによって、原料の分散領域をより広く使用することが
できるので、旋回流中の粉体濃度を均一にすることがで
きる。したがって、分級性能を向上することができる。
【0017】また本発明は、前記分級羽根の半径方向外
方端部が下から上に向かうにつれて大きい半径になるよ
うに形成されることを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、分級羽根の半径方向外方
端部は、下から上に向かうにつれて大きい半径になるよ
うに形成される。回転体の周速度は半径が大きくなるほ
ど速くなるので、分級羽根の回転によって粉体に与えら
れる遠心力の大きさを下から上に向かうにつれて大きく
することができる。遠心力が大きくなると粒径の小さな
粉体でも半径方向外方に飛出しやすくなるので、平衡粒
径を小さくすることができる。これによって、分級羽根
の上部と下部とのガス流速の差が大きくなり過ぎるとき
でも、平衡粒径の粒度範囲が広くなり過ぎないように調
整することができる。また分級羽根の上部における半径
方向外方端部の半径増分量を調整することによって、平
衡粒径を希望する粒度範囲に調整することが可能とな
る。したがって、製品粒度を希望する粒度に調整するこ
とができる。
【0019】
【0020】
【0021】また本発明は、前記分級空間部は、分散板
付近で下から上に向かうにつれて内径が大きくなる中空
逆円錐台部と、中空逆円錐台部から上方に連なり、分級
羽根の半径方向外方に間隔をあけて設けられ、環状の浮
遊空間を形成する直円筒部とを含むことを特徴とする。
【0022】本発明に従えば、分級された粗粉は中空逆
円錐台部の内面に沿って降下し、旋回空間部で案内翼近
傍を落下する。このとき案内翼より導入された気流によ
り、落下する粗粉中に混入している製品となるべき微粉
が気流に乗り分級部に運ばれる。これにより分級効率の
改善が図られる。
【0023】また本発明は、前記分級羽根の下端部は、
前記軸線と同軸の水平な環状円板の外周部に固定されて
おり、環状円板の中央孔には原料供給シュートが挿通さ
れており、環状円板の内周部は連結部材を介して分散板
に固定されていることを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、分級羽根の下端部は、環
状円板の外周部に固定され、環状円板の内周部は連結部
材を介して分散板と連結されているので、分級羽根、環
状円板および分散板は一体的に鉛直軸線まわりに回転可
能である。また環状円板の中央孔に原料供給シュートが
挿通しているので、分級すべき粉体を確実に分散板の中
心部付近に供給することができる。また分散板と環状円
板とは連結部材を介して間隔をあけて連結されているの
で、分散板から半径方向外方に原料を分散させることが
できる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある気流式分級機15の構成を簡略化して示す断面図で
あり、図2は図1の切断面線II−IIから見た断面図
であり、図3は図1の切断面線III−IIIから見た
断面図であり、図4は図1の切断面線IV−IVから見
た断面図である。気流式分級機15は、後述のように粉
砕装置に備えられ、粉砕機で粉砕された原料を微粉と粗
粉とに分級し、さらに微粉を製品となる精粉と、回収微
粉とに分級する。
【0026】気流式分級機15は、ハウジング16を備
える。ハウジング16は、鉛直軸線17を有する中空体
であり、その軸線に垂直な断面形状が円形である。ハウ
ジング16には、下部に形成される粗粉回収部18と、
粗粉回収部18の上部に連なる旋回空間部19と、旋回
空間部19の上部に連なる分級空間部20とが下から上
にこの順序で形成される。粗粉回収部18は、第1中空
逆円錐台部23(以後、ホッパと呼ぶ)と、粗粉排出口
24とを含む。ホッパ23は、下から上に向かうにつれ
て内径が大きくなり、後述のように分級された粗粉およ
び回収微粉を内面に沿って降下させて回収する。回収さ
れた粗粉および回収微粉は、粗粉排出口24を介して粉
砕機に戻される。以後、粗粉と回収微粉とを総称して戻
り粉と呼ぶ。
【0027】粗粉回収部18の上部に連なる旋回空間部
19は、分級用ガス、たとえば分級用空気を導入して旋
回流を形成する領域であり、渦巻き状の流路を有する。
旋回空間部19には、接線方向から分級用空気を導入す
る一対の旋回ガス導入口26が形成されている。一対の
旋回ガス導入口26は、鉛直軸線17に垂直な平面内に
おいて図2に示すように鉛直軸線17を通る仮想直径線
21上に対向して存在し、相互に逆方向に開口する。こ
れによって、分級用空気は、相互に平行に、かつ逆方向
に導入されるので、旋回流を形成することができる。旋
回ガス導入口26の半径方向内方には、旋回ガス導入口
26から導入された分級用空気を接線方向に導く、複数
の案内翼27が周方向に間隔をあけて設けられている。
各案内翼27は、前記鉛直軸線17に平行な各軸線まわ
りに角変位可能である。これによって、乱れのない旋回
流を確実に形成することができる。分級用空気は、旋回
しながらハウジング16内を上昇する。
【0028】旋回空間部19の上部には、分級空間部2
0が連なっており、分級空間部20は旋回空間部19の
上部に連なる第2中空逆円錐台部29と、第2中空逆円
錐台部29の上部に連なる第1直円筒部30とを含む。
第2中空逆円錐台部29は下から上に向かうにつれて内
径が大きくなる。さらに、第1直円筒部30の上端部に
は、環状天板31が設けられ、環状天板31の中央孔の
周縁部には、第1直円筒部30よりも直径の小さい第2
直円筒部33が設けられる。第2直円筒部33は、ハウ
ジング16の最上部を構成し、その上端部は円板状の天
板34によって覆われている。さらに第2直円筒部33
には、ガス排出口35が形成されており、ガス排出口3
5には排ガス管路36が接続されている。
【0029】天板34には、上下に延びる原料供給シュ
ート37が固定されており、原料供給シュート37は前
記鉛直軸線17と同軸にハウジング16内に垂下してい
る。原料供給シュート37は、上部に形成される中空案
内逆円錐台部38と、その下部に連なる中空案内直円筒
部39とその下部に連なる直円筒状の供給筒部40とを
含む。供給筒部40の外径は、中空案内直円筒部39の
外径よりも小さい。天板34には、複数(本実施の形態
では2)の原料供給口41が形成されている。原料供給
口41は、中空案内逆円錐台部38の傾斜面に沿って形
成される。これによって、分級されるべき原料は中空案
内逆円錐台部38の内面に沿って降下し、中空案内直円
筒部39を経て供給筒部40で絞られて供給されるの
で、希望する位置に確実に原料を供給することが可能に
なる。
【0030】前記天板34の中央部付近には、駆動源で
ある電動機43が設けられる。電動機43は、上下にの
びる回転軸44と取合い、回転軸44は、天板34に形
成された挿通孔45および原料供給シュート37に挿通
され、前記鉛直軸線17と同軸にハウジング16内に垂
下している。回転軸44の下端部は、原料供給シュート
37の供給筒部40の下端部よりも下方に突出してお
り、分級空間部20の第2中空逆円錐台部29の下端部
付近に存在する。
【0031】回転軸44の下端部には、分散板47が装
着される。分散板47は、水平に延びる円板状の部材で
あり、回転軸44に前記鉛直軸線17と同軸に固定さ
れ、電動機43によって回転駆動される。分散板47の
外周縁部には、上方に突出した環状堰48が設けられ
る。前述のように、回転軸44の下端部は供給筒部40
の下端部よりも下方に突出しており。供給筒部40の外
径は小さく絞られているので、分散板47は原料供給シ
ュート37の供給筒部40の下端部よりも下方に配置さ
れ、分級されるべき原料は分散板47の中央部付近に落
下する。分散板47上に落下した原料は分散板47の回
転に伴う遠心力によって半径方向外方側に移動し、分散
板47の外周縁部から環状堰48を越えて半径方向外方
に向かって放出される。本実施の形態では、分散板47
の外周面と第2中空逆円錐台部29の内周面との間の間
隔は充分広く設定される。
【0032】図5は、図1に示す分散板47の外周縁部
付近の構成を簡略化して示す図である。図5(1)に示
すように分散板47の外周縁部に設けられた環状堰48
の断面形状が矩形の場合、原料49は環状堰48によっ
てスロープ状に塞き止められた後、形成された斜面に沿
って半径方向外方に斜め上方に放出される。
【0033】これに対して、図5(3)に示すように分
散板47に環状堰48が設けられていない場合、原料4
9はほぼ水平に放出される。このように、環状堰48を
設けることによって原料が分散板から放出されるとき原
料の半径方向移動抵抗が大きくなるので、原料の水平方
向放出角度が大きくなり、原料の分散領域をより広く使
用することが可能となる。したがって、旋回流中の粉体
濃度を均一にすることが可能となり、分級性能を向上す
ることができる。また、原料が分散性の悪い原料であっ
ても、分散性を高めることが可能となる。また図5
(2)に示すように、断面形状が三角形の環状堰50を
用いても、図5(1)の環状堰48と同様の効果を奏す
ることができる。この場合、環状堰50によって原料4
9が塞き止められないので、原料のロスを低減すること
ができる。
【0034】再び図1〜図4を参照して、分散板47の
上方には、環状円板53が分散板47と平行に、すなわ
ち水平に間隔をあけて前記鉛直軸線と同軸に設けられて
いる。環状円板53は、連結部材54を介して分散板4
7に固定されており、分級空間部20の第1直円筒部3
0の下部付近に配置される。連結部材54は、図3に示
すように周方向に間隔をあけて複数設けられ、環状円板
53の内周部と分散板47とを連結する。分散板47の
直径は、環状円板53の外周面の直径よりも小さく設定
される。これによって、旋回流の通路断面積を大きくす
ることができるので、旋回流の圧力損失を小さくするこ
とができる。環状円板53の中央孔には、前記原料供給
シュート37の供給筒部40が挿通しており、供給筒部
40の下端部は、環状円板53よりも下方に突出してい
る。
【0035】環状円板53の半径方向外周部には、周方
向に間隔をあけて複数の分級羽根56が立設されてい
る。分級羽根56は、前記鉛直軸線17と平行に上下方
向に延びるとともに、図4に示すように半径方向に延材
する。本実施の形態では、分級羽根56の半径方向外方
端部の半径は、上下方向全長にわたって同一に設定さ
れ、半径方向長さは短く設定される。分級羽根56の上
端部には、分級羽根56を周方向に連結する連結リング
57が設けられている。これによって、分散羽根56の
周方向の間隔は一定に保たれる。
【0036】前記環状円板53、分級羽根56および連
結リング57はかご形の分級ロータ58を構成する。分
級ロータ58は、前記鉛直軸線17と同軸に配置され
る。分級ロータ58の外周面と第1直円筒部30の内周
面との間の間隔は、充分大きく設定され、環状の浮遊空
間が形成される。このように、分級ロータ58は連結部
材54を介して分散板47に連結され、分散板47は回
転軸44に固定されているので、分級ロータ58および
分散板47は前記鉛直軸線17まわりに電動機43によ
って一体的に回転駆動される。
【0037】分散板47および分級ロータ58の前記鉛
直軸線17まわりの回転方向は、旋回ガス導入口26か
ら導入された分級用空気の旋回方向と同一方向であるこ
とが好ましい。これによって、旋回流に乱れを生じさせ
ることなく、分級空間部20内を上昇させることができ
るので、原料を円滑に分級することができる。
【0038】前記環状円板53の内周面と原料供給シュ
ート37の供給筒部40の外周面との間隔h1は、環状
円板53の回転中、環状円板53と供給筒部40とが接
触しない範囲で可能な限り短く設定される。これによっ
て、粉体を含む旋回流が分級羽根56を通過しないで前
記間隔h1を通過して分級羽根56よりも内方側の空間
に流入するバイパス流路を遮断することができる。した
がって、分級されない粉体が製品に混入する不具合の発
生を防止することが可能となる。また、前記間隔h1を
シール部材によってシールするように構成してもよい。
【0039】前記排ガス管路36には、送風機である誘
引送風機60が設けられる。誘引送風機60は、たとえ
ば遠心ファンであり、旋回ガス導入口26から分級用空
気を吸込むとともに、後述のように製品となる精粉を含
む空気を分級羽根56よりも半径方向内方からガス排出
口35を介して排ガス管路36内に誘引する。
【0040】次に、本実施の形態の気流式分級機15の
動作を説明する。誘引送風機60を駆動すると、旋回ガ
ス導入口26から分級用空気が吸込まれ、旋回空間部1
9内で旋回流が形成される。分級用空気の旋回流は、旋
回しながら分級空間部20を上昇する。電動機43を駆
動すると、分散板47および分級用ロータ58が回転す
る。この状態で原料供給口41から分級すべき粉砕され
た原料を供給すると、供給された原料は分散板47上に
落下し、分散板47の回転による遠心力によって半径方
向外方側に移動し、環状堰48を超えて分級空間部20
の第2中空逆円錐台部29内に放出される。
【0041】放出された原料のうち旋回流によって輸送
できない粗粉は、下方に落下し、粗粉回収部18に回収
される。旋回流によって輸送可能な微粉は、旋回流によ
って旋回しながら吹上げられ、第1直円筒部30に到達
し、回転駆動されている分級羽根56によって製品とな
る精粉と精粉よりも粒径の大きい回収微粉とに分級され
る。回収微粉は、第1直円筒部30および第2中空逆円
錐台部29の内面に沿って降下し、粗粉回収部18に回
収される。したがって、粗粉回収部18には戻り粉であ
る粗粉と回収微粉とが回収される。製品となる精粉は、
誘引送風機60の吸引力によって分級用空気とともにガ
ス排出口35を介して排ガス管路36内に吸引される。
分級用空気の旋回流の上昇風速は、微粉のみを吹上げれ
ばよいので、比較的低速度の風速、たとえば5m/sに
設定される。
【0042】分級は次のようにして行われる。本実施の
形態では、微粉を含む分級用空気の旋回流が下方から上
方に上昇しながら分級羽根56内に導入される。本発明
者らの調査によれば、分級羽根56の上下方向位置によ
って分級用空気の旋回流の半径方向内方へ向かう内向き
速度成分と、上方へ向かう上向き速度成分とが変化す
る。すなわち、分級羽根56の下部から上部に向かうに
つれて上向き速度成分が小さくなり、内向き速度成分が
大きくなる。これに対して、分級羽根56の回転によっ
て原料に与えられる遠心力は、前述のように分級羽根5
6の半径方向長さが短く、かつ半径方向外方端部の半径
が上下方向全長にわたって同一であるので、上下方向位
置によって差がなく同一である。これによって、分級羽
根56の上部では、下部よりも大きな遠心力でなければ
増加した旋回流の内向き速度成分に釣合わないので、粒
径の大きな粒子でなければ半径方向外方へ飛び出せなく
なる。すなわち、分級羽根56の上部では下部よりも前
記平衡粒径が大きくなる。さらに正確に述べると、前記
平衡粒径は、分級羽根56の上下方向位置によって異な
り、分級羽根56の下から上に向かうにつれて大きくな
る。したがって、本実施の形態の気流式分級機15で
は、旋回流の内向き速度成分が上下方向で均一な従来よ
りも前記平衡粒径の粒度範囲が広くなる。
【0043】このように、本実施の形態では、前記平衡
粒径の粒度範囲が従来よりも広くなるので、粉砕したセ
メントクリンカを分級してセメント製品を製造すると
き、製品の粒度幅を従来よりも広くすることができる。
これによって前記標準軟位水量を低減することができる
ので、コンクリートのワーカビリティを向上することが
可能となり、製品の品質を向上することができる。した
がって、本実施の形態の気流式分級機15は、セメント
クリンカ用分級機として好適に用いることができる。
【0044】また原料は分散板47の中心部の比較的周
速度の遅いところに供給した後広い分級空間に放出して
広く分散させればよく、従来のように原料を比較的周速
度の速い位置に供給する必要はない。これによって、原
料と分散板47との滑り速度が小さくなるので、分散板
47の摩耗を少なくすることができる。したがって、分
散板47の摩耗対策によるコストアップの問題を解消す
ることができる。
【0045】また従来のように衝突板を設ける必要がな
いので、その摩耗対策によるコストアップの問題も解消
することができる。また、前述のように分散板47とハ
ウジング16との間が広く設定されているので、分散板
47から放出された原料のうち粗粉は失速した後にハウ
ジング16に当り、微粉は旋回流によって吹上げられ
る。したがって、ハウジング16の摩耗対策は低コスト
のもので充分である。また、前記案内翼27は、直接原
料が当たらない旋回空間部19に配置されているので、
案内翼27の摩耗対策も必要ない。また分級ロータ58
で分級される旋回流中の粉体濃度は、粗粉が既に除去さ
れていることによって従来よりも遥かに低濃度となるの
で、分級羽根56の摩耗も少なくなり、この摩耗対策コ
ストも低減することができる。
【0046】また、分散板47および分級ロータ58と
ハウジング16との間が広く設定されているので、分級
用空気の圧力損失を少なくすることが可能となる。また
旋回流の風速が低速度に設定されているので、風速が高
速度である従来に比べて、圧力損失を低減することがで
きる。また、前述のように分級ロータ58での粉体濃度
が従来よりも遥かに低いので、圧力損失も小さくなる。
したがって、従来よりも非常に小さい圧力損失で誘引送
風機60の運転を行うことが出来るので、誘引送風機6
0の動力を低減することが可能となり、省エネルギを図
ることができる。
【0047】図6は、本発明の他の実施の形態である気
流式分級機63の構成を簡略化して示す断面図である。
本実施の形態の気流式分級機63は、図1〜図4に示す
気流式分級機15と類似し、対応する部分には同一の参
照符号を付す。注目すべきは、本実施の形態の分級羽根
64が大略的に中空逆円錐台状の形状を有し、分級羽根
64の半径方向外方端部が下から上に向かうにつれて大
きい半径になるように形成される点である。換言すれ
ば、鉛直軸線17を含む平面内(図6の紙面内)におい
て分級羽根64が下から上に向かうにつれて鉛直軸線1
7から離れるように傾斜している点である。
【0048】前記平面内における分級羽根64と鉛直軸
線17との成す角度θ1は、分級羽根64の半径方向外
方端部の半径が前記気流式分級機15のように上部と下
部とで同一のときには零であり、上部の半径と下部の半
径との差が大きくなるにつれて大きくなる。分級羽根6
4の半径方向外方端部の半径が大きくなると、周速度が
速くなるので、本実施の形態では分級羽根64の回転に
よる粉体に与える遠心力の大きさを下から上に向かうに
つれて大きくすることができる。遠心力が大きくなる
と、粒径の小さい粉体でも半径方向外方に飛出しやすく
なるので、平衡粒径を小さくすることができる。
【0049】前述のように、前記気流式分級機15の分
級羽根56は上下方向における内向き速度成分の差に基
づいて上下方向位置によって異なる平衡粒径分布を有
し、下から上に向かうにつれて平衡粒径が大きくなる。
これは平衡粒径の粒度範囲の拡大をもたらし、セメント
製品として好適な粒度幅をもたらすけれども、設備が大
形化される場合などには、分級羽根56の上部と下部と
の内向き速度成分の差が大きくなり過ぎて、平衡粒径の
粒度範囲、したがって製品粒度幅が広くなり過ぎる恐れ
がある。
【0050】これに対して、本実施の形態の分級羽根6
4は、前述のように平衡粒径低減効果を有するので、設
備の大形化に伴い平衡粒径の粒度範囲が過度に拡大する
恐れがあるときでも、平衡粒径の粒度範囲を適正化する
ことができる。また分級羽根64の平衡粒径低減効果
は、前記角度θ1を調整することによって調整可能であ
り、前記角度θ1を大きくするほど平衡粒径低減効果を
強めることができるので、平衡粒径を希望する粒度範囲
に調整することが可能となる。したがって、製品粒度を
希望する粒度に、すなわち特にセメント製品に適したも
のに調整することができる。本実施の形態の気流式分級
機63のその他の構成は、前記気流式分級機15の構成
と同一であり、前記気流式分級機15の効果も同様に奏
することができる。
【0051】図7は、図8に示す従来の気流式分級機
1、図1に示す本発明の気流式分級機15および図6に
示す本発明の気流式分級機63における粉体の粒度と、
その粒度の戻り粉中の配分率との関係を示すグラフであ
る。図7中の曲線66は、従来の気流式分級機1の分級
結果を表し、曲線67は図6に示す気流式分級機63の
分級結果を表し、曲線68は図1に示す気流式分級機1
5の分級結果を表す。図7中の折れ線69は、最も鋭い
分級の理論線を表す。折れ線69では、平衡粒径d0未
満の粉体粒度が戻り粉中に全く配分されず、かつ平衡粒
径d0以上の粉体の粒度が全量戻り粉中に回収される。
【0052】図7から、従来の気流式分級機63は、理
論線に近い鋭い分級、すなわち非常に狭い粒度幅を有す
る分級が可能であることが判る。また図1に示す気流式
分級機15は、曲線68に示すように広い粒度幅を有す
る分級が可能であることが判る。また図6に示す気流式
分級機63は、曲線67に示すように両者の中間的な粒
度幅を有する分級が可能であることが判る。さらに気流
式分級機63では、前述のように前記角度θ1を調整す
ることによって曲線66と曲線68との中間の希望する
粒度幅を有する分級が可能である。
【0053】以上述べたように、分散板47の外周縁部
には上方に突出した環状堰48が設けられているけれど
も、これに限定されるものではなく、分散板47の外周
縁部を上方に突出するように一体的に形成してもよい。
また旋回空間部19には案内翼27が設けられているけ
れども、案内翼27を省略してもよい。また、分散板4
7および分級ロータ58は連結部材54によって連結さ
れ、分散板47が電動機43の回転軸44に固定されて
いるけれども、これに限定されるものではなく、分散板
47および分級ロータ58を連結しないで個別に回転軸
44に固定してもよい。また分級空間部20、分級ロー
タ58、原料供給シュート37の構成は他の構成であっ
てもよい。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、分級羽根
の半径方向内方に向かうガスの流速が分級羽根の下から
上に向かうにつれて大きくなるので、平衡粒径は分級羽
根の下から上に向かうにつれて大きくなる。これによっ
て、平衡粒径の粒度範囲が上下均一な流速分布を有する
従来よりも広くなり、製品の粒度幅も広くなる。したが
って、分級が鋭すぎて粒度幅が狭くなることによる品質
悪化を解消することができる。また原料は分散板中心部
の比較的周速度の遅いところに供給されるので、従来の
ように分散板の比較的周速度の速いところに供給する場
合に比べて、原料と分散板との滑り速度が著しく小さく
なるので、摩耗量を低減することができる。また必要以
上に大きな粗粒は予め分散部で分級回収され、分級部で
は微粉のみとなるのと、従来のようにすべての原料が通
過する分級羽根と案内翼で形成される狭い分級空間が存
在しないので圧力損失を大幅に低下させ分級エネルギー
の省力化となる。
【0055】旋回ガス導入口から供給されるガスを接線
方向に導く複数の案内翼が設けられるので、乱れのない
旋回流を確実に形成することができる。
【0056】本発明によれば、分散板の外周縁部には環
状堰が設けられているので、堰が設けられていない場合
に比べて原料の放出角度を広くすることができる。これ
によって、原料の分散領域をより広く使用することがで
きるので、旋回流中の粉体濃度を均一にすることができ
る。したがって、分級性能を向上することができる。
【0057】本発明によれば、環状堰の断面形状は、矩
形または三角形であり、これによって原料が分散板から
放出されるとき原料の半径方向移動抵抗が大きくなるの
で、原料の水平方向放出角度が大きくなり、原料の分散
領域をより広く使用することが可能となる。したがっ
て、旋回流中の粉体濃度を均一にすることが可能とな
り、分級性能を向上することができる。また、原料が分
散性の悪い原料であっても、分散性を高めることが可能
となる。
【0058】本発明によれば、分級羽根の半径方向外方
端部が下から上に向かうにつれて大きい半径になるよう
に形成されるので、分級羽根の回転による遠心力の大き
さを下から上に向かうにつれて大きくすることができ
る。これによって、分級羽根の上部と下部とのガス流速
の差が大きくなり過ぎるときでも、平衡粒径の粒度範囲
が広くなり過ぎないように調整することができる。また
分級羽根の上部における半径方向外方端部の半径増分量
を調整することによって、平衡粒径を希望する粒度範囲
に調整することが可能となる。したがって、製品粒度を
希望する粒度に調整することができる。本発明によれ
ば、一度分級され戻り粉となった粉体中に混入している
製品となるべき微粉を案内翼より導入された気流で再回
収することができるので、分級を効率良く行うことがで
きる。
【0059】本発明によれば、分級羽根の下端部は環状
円板の外周部に固定され、環状円板の内周部は連結部材
を介して分散板と連結されているので、分級羽根、環状
円板および分散板は一体的に鉛直軸線まわりに回転可能
である。また環状円板の中央孔に原料供給シュートが挿
通しているので、分級すべき原料を確実に分散板の中心
部付近に供給することができる。また、分散板と環状円
板とは連結部材を介して間隔をあけて連結されているの
で、分散板から半径方向外方に原料を分散させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である気流式分級機15
の構成を簡略化して示す断面図である。
【図2】図1の切断面線II−IIから見た断面図であ
る。
【図3】図1の切断面線III−IIIから見た断面図
である。
【図4】図1の切断面線IV−IVから見た断面図であ
る。
【図5】図1に示す分散板47の外周縁部付近の構成を
簡略化して示す図である。
【図6】本発明の他の実施の形態である気流式分級機6
3の構成を簡略化して示す断面図である。
【図7】図8に示す従来の気流式分級機1、図1に示す
本発明の気流式分級機15および図6に示す本発明の気
流式分級機63における粉体の粒度と、その粒度の戻り
粉中の配分率との関係を示すグラフである。
【図8】従来の典型的な気流式分級機1の構成を簡略化
して示す断面図である。
【符号の説明】
1,15,63 気流式分級機 16 ハウジング 18 粗粉回収部 19 旋回回収部 20 分級空間部 26 旋回ガス導入口 27 案内翼 37 原料供給シュート 43 電動機 44 回転軸 47 分散板 48 環状堰 53 環状円板 54 連結部材 56 分級羽根 60 誘引送風機 73 粉砕装置 74 チューブミル 89 バケットエレベータ 90 戻り管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 音田 佳彦 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (56)参考文献 特開 平5−285412(JP,A) 特開 平4−243582(JP,A) 特開 平5−285455(JP,A) 特開 平5−293445(JP,A) 特開 平11−267592(JP,A) 実開 平6−285412(JP,U) 実開 平6−19877(JP,U) 実開 平3−11470(JP,U) 実開 平6−77864(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B07B 1/00 - 15/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛直軸線を有し、その軸線に垂直な断面
    が円形であるハウジングであって、下部に形成される粗
    粉回収部と、粗粉回収部の上部に連なり、旋回ガス導入
    口が形成される旋回空間部と、旋回空間部の上部に連な
    る分級空間部とが下から上にこの順序で形成されている
    ハウジングと、 分級空間部の下部付近で前記軸線と同軸に回転可能に設
    けられる水平な分散板と、 分散板上に原料を供給する原料供給シュートと、 分級空間部内で分散板の上方に周方向に間隔をあけて設
    けられ、前記軸線まわりに回転し、半径方向外方端部が
    下から上に向かうにつれて大きい半径になるように形成
    されるカゴ型分級羽根と、 分散板と分級羽根とを前記軸線まわりに回転駆動する駆
    動源と、 前記旋回空間部に周方向に間隔をあけて設けられ、旋回
    ガス導入口から導入されるガスを接線方向に導く複数の
    案内翼と、 旋回ガス導入口からガスを導入し、分級空間部の上部で
    分級羽根よりも半径方向内方から粉体とともにガスを誘
    引排出する誘引送風機とを含むことを特徴とする気流式
    分級機。
  2. 【請求項2】 鉛直軸線を有し、その軸線に垂直な断面
    が円形であるハウジングであって、下部に形成される粗
    粉回収部と、粗粉回収部の上部に連なり、旋回ガス導入
    口が形成される旋回空間部と、旋回空間部の上部に連な
    る分級空間部とが下から上にこの順序で形成されている
    ハウジングと、 分級空間部の下部付近で前記軸線と同軸に回転可能に設
    けられる水平な分散板と、 分散板上に原料を供給する原料供給シュートと、 分級空間部内で分散板の上方に周方向に間隔をあけて設
    けられ、前記軸線まわりに回転するカゴ型分級羽根と、 分散板と分級羽根とを前記軸線まわりに回転駆動する駆
    動源と、 前記旋回空間部に周方向に間隔をあけて設けられ、旋回
    ガス導入口から導入されるガスを接線方向に導く複数の
    案内翼と、 旋回ガス導入口からガスを導入し、分級空間部の上部で
    分級羽根よりも半径方向内方から粉体とともにガスを誘
    引排出する誘引送風機とを含み、 前記分級羽根の下端部は、前記軸線と同軸の水平な環状
    円板の外周部に固定されており、環状円板の中央孔には
    原料供給シュートが挿通されており、環状円板の内周部
    は連結部材を介して分散板に固定されていることを特徴
    とする気流式分級機。
  3. 【請求項3】 鉛直軸線を有し、その軸線に垂直な断面
    が円形であるハウジングであって、下部に形成される粗
    粉回収部と、粗粉回収部の上部に連なり、旋回ガス導入
    口が形成される旋回空間部と、旋回空間部の上部に連な
    る分級空間部とが下から上にこの順序で形成されている
    ハウジングと、 分級空間部の下部付近で前記軸線と同軸に回転可能に設
    けられる水平な分散板と、 前記分散板の外周縁部に設けられ、上方に突出した環状
    堰と、 分散板上に原料を供給する原料供給シュートと、 分級空間部内で分散板の上方で周方向に間隔をあけて設
    けられ、前記軸線まわりに回転するカゴ型分級羽根と、 分散板と分級羽根とを前記軸線まわりに回転駆動する駆
    動源と、 旋回ガス導入口からガスを導入し、分級空間部の上部で
    分級羽根よりも半径方向内方から粉体とともにガスを誘
    引排出する誘引送風機とを含むことを特徴とする気流式
    分級機。
  4. 【請求項4】 環状堰の断面形状は、矩形であることを
    特徴とする請求項3記載の気流式分級機。
  5. 【請求項5】 環状堰の断面形状は、三角形であること
    を特徴とする請求項3記載の気流式分級機。
  6. 【請求項6】 前記旋回空間部には、旋回ガス導入口か
    ら導入されるガスを接線方向に導く複数の案内翼が周方
    向に間隔をあけて設けられることを特徴とする請求項3
    〜5のいずれかに記載の気流式分級機。
  7. 【請求項7】 前記分級羽根の半径方向外方端部が下か
    ら上に向かうにつれて大きい半径になるように形成され
    ることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の気
    流式分級機。
  8. 【請求項8】 前記分級空間部は、 分散板付近で下から上に向かうにつれて内径が大きくな
    る中空逆円錐台部と、 中空逆円錐台部から上方に連なり、分級羽根の半径方向
    外方に間隔をあけて設けられ、環状の浮遊空間を形成す
    る直円筒部とを含むことを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれかに記載の気流式分級機。
  9. 【請求項9】 前記分級羽根の下端部は、前記軸線と同
    軸の水平な環状円板の外周部に固定されており、環状円
    板の中央孔には原料供給シュートが挿通されており、環
    状円板の内周部は連結部材を介して分散板に固定されて
    いることを特徴とする請求項1,3〜8のいずれかに記
    載の気流式分級機。
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