JP3476389B2 - タイヤ用トレッドゴム組成物 - Google Patents

タイヤ用トレッドゴム組成物

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JP3476389B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

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  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタイヤ用トレッドゴ
ム組成物に関し、特に湿潤路面における操縦安定性や制
動性(ウエットグリップ性)が向上し、しかも未加硫ゴ
ムの加工性が改善されたタイヤ用トレッドゴム組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の低燃費化、特にタイヤの
転動抵抗の低減の要請が強くなるとともに、一方では走
行安定性の要請から湿潤路面での摩擦抵抗(ウエットグ
リップ性)の優れたタイヤが要求されている。従来タイ
ヤの転動抵抗とウエットグリップは二律背反の関係にあ
り、両特性を同時に満足させることは困難とされていた
が、最近では次の理論的解明の下で両者の特性の改善が
進められている。
【0003】すなわちタイヤ走行時の転動抵抗を小さく
するためには、トレッドゴムのヒステリシスロスを小さ
くする必要があるが、そのためタイヤ走行時の温度条件
である50℃〜100℃での損失正接(tanδ)を低
くすることが有効である。そのためには高シスポリブタ
ジエンあるいは天然ゴムのようにガラス転移点の低いゴ
ム材料をトレッドに用いることが一般的である。
【0004】一方、ウエットグリップ性はタイヤの走行
時の繰返し変形の条件である10〜20Hzの周波数下
において0℃付近の損失正接(tanδ)を大きくする
ことが有効である。そのためには溶液重合スチレン−ブ
タジエンゴムでビニル含量およびスチレン含量の大きい
ものを用いることが効果的である。最近では上記スチレ
ン−ブタジエンゴムにシリカ配合を採用することで一層
ウエットグリップ性が改善されることが知られている。
しかし、かかる技術は0℃以下の低温時にゴム組成物が
硬化するため、使用し得る温度領域が限定されるという
問題点があった。
【0005】さらにハロゲン化ブチルゴムあるいはポリ
イソプレンとP−メチルスチレンの共重合体のハロゲン
化物を使用することにより低温時に硬くならずに湿潤路
面の摩擦係数を高める手法も知られている。先行技術と
しては、たとえば特開平7−304903、特開平8−
225683、特開平9−324069等が報告されて
いる。ただし、従来の技術ではシリカとカップリング剤
が化学反応するときにエタノールが発生し、タイヤ製造
工程に悪影響を及ぼすことが知られている。特にブチル
ゴムの場合、空気透過性に優れているため、発生したエ
タノールもゴム系内に残りやすい。また、ブチルゴムの
強度が弱いこと、シリカが高充填なこと、エタノールに
よる気泡発生などのためタイヤ加硫時にスピュー切れが
起こりやすく、これまでは生産性が著しく悪かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解
決するものでタイヤの転動抵抗を従来と同レベルに維持
しながらウエットグリップ性を改善し、さらにトレッド
ゴム配合の加工性を改善したトレッドゴム組成物を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は(イ) (a)
ジエン系ゴム25〜95重量%と(b)ハロゲン化ブチ
ルゴムおよび/または、イソブチレンとP−メチルスチ
レンの共重合体のハロゲン化物75〜5重量%よりなる
ゴム成分の100重量部と、(ロ) シリカをゴム成分
100重量部に対して40〜150重量部と、(ハ)
シランカップリング剤をシリカ配合量の1〜15重量%
と、(ニ) 次の(1)式で表わされるオルガノポリシ
ロキサンをシリカ配合量の1〜15重量%配合した (SiO2a2(a+1) (1) X:O1/2[(CH32SiO]b1またはO1/21 各Xは同一でも異なっていてもよいが、少なくとも1は
1/2[(CH3 2SiO]b1でなくてはならない。
【0008】 R1:水素原子または炭素数5以下の1価の炭化水素基 b:1〜100の整数 a:1〜20の整数 ことを特徴とするタイヤ用トレッドゴム組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるジエン系ゴム
としては、種類に特に制限はないが、たとえば天然ゴム
(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、乳化重合スチ
レン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、溶液重合スチ
レン−ブタジエン共重合ゴム(結合スチレン10〜50
重量%、1,2−結合量10〜80%)、高トランスS
BR(ブタジエン部のトランス量60〜95%)、低シ
スポリブタジエンゴム、高シスポリブタジエンゴム、高
トランスポリブタジエンゴム(ブタジエン部のトランス
量50〜95%)、スチレン−イソプレン共重合ゴム
(SIR)、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、溶液
重合スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム(S
IBR)、乳化重合SIBR、乳化重合スチレン−アク
リロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合ゴム、高ビニルSBR−低ビニル
SBRブロック共重合ゴム、ポリスチレン−ポリブタジ
エン−ポリスチレンブロック共重合体などのブロック共
重合体等が挙げられる。これらのジエン系ゴムは、それ
ぞれ単独で、または2種以上を組合せて使用することが
できる。これらの中でも、溶液重合スチレン−ブタジエ
ン共重合ゴム(高スチレン含量、高ビニル含量)が特に
好ましい。
【0010】次に本発明で用いられるイソブチレンとP
−メチルスチレンの共重合体のハロゲン化物は、たとえ
ば欧州特許公報第893059.9号に開示されている
方法により重合することができる。すなわち、イソブチ
レンとP−メチルスチレンをルイス酸の触媒を用いてメ
チルクロリド溶媒中で共重合する。ここで好ましいルイ
ス酸はエチルアルミニウムジクロリド等であり、モノマ
ー比で0.001〜0.2重量%使用する。そして重合
終了後ラジカル開始剤を用いて前記共重合体を塩素化ま
たは臭素化を行ない、ハロゲン化されたイソブチレンと
P−メチルスチレン共重合体を得る。
【0011】ここでP−メチルスチレン単位の共重合体
中の割合は20重量%以下、好ましくは2〜7重量%の
範囲である。共重合体中のP−メチルスチレンの割合が
増加するに伴い、共重合体の粘度が増大し、加工性が低
下する。ウエットグリップ性等の特性と加工性を同時に
満足するため、P−メチルスチレンの含量を上記範囲に
することが好ましい。
【0012】ハロゲン化されたイソブチレンとP−メチ
ルスチレン共重合体の損失係数の温度依存性は通常のジ
エン系ゴムよりもブロードで−30℃〜0℃の付近で損
失係数のピーク温度となり、比較的高温領域、たとえば
50℃付近では損失係数はジエン系ゴムよりも低くな
る。
【0013】かかる損失係数特性から、比較的低温側に
損失係数のピーク温度を持つジエン系ゴムおよび、該ハ
ロゲン化共重合体ゴムをゴム成分として用いることによ
り、得られるゴム組成物の損失係数の温度依存性として
0℃付近の損失係数をより大きく、50℃付近の損失係
数をより小さくすることができ、従来の相反する特性を
示していた転動抵抗およびウエットグリップの両特性を
同時に満足させることができる。
【0014】次に本発明で用いられるハロゲン化ブチル
ゴムは、ブチルゴムを塩素、臭素等でハロゲン化したも
のでブチルゴム中ハロゲンを3重量%以下含むものであ
る。たとえば市販品としてはJSR(株)製、JSRク
ロロブチル1006等、JSRブロモブチル2244
等、エクソン(株)製のエクソンクロロブチル1065
等、エクソンブロモブチル2233等がある。
【0015】ハロゲン化ブチルはその化学構造に二重結
合を含まないため、耐オゾン、耐熱性、耐候性に優れる
とともにウエットグリップ性を改善する。
【0016】前記ハロゲン化されたイソブチレンとP−
メチルスチレン共重合体および/またはハロゲン化ブチ
ルゴムの配合量は、ゴム成分100重量部のうち5〜2
5重量%、好ましくは5〜20重量%を占める量であ
る。その配合量が5重量%未満では転動抵抗、ウエット
グリップ性の改善効果が認められず、25重量%を超え
ると耐摩耗性の低下が顕著となり、また未加硫ゴムの加
工性が悪化するため好ましくない。
【0017】本発明に使用されるゴム組成物のムーニー
粘度(ML1+4,100℃)は特に限定されないが、機
械強度や加工性などの点から、通常10〜100、好ま
しくは15〜50の範囲である。しかしジエン系重合体
ゴムを油展して使用する場合には100を超える場合も
あり得る。
【0018】本発明で使用されるシリカとしては、汎用
ゴム一般に用いられるものを使用することができる。た
とえば補強剤として使用される乾式法ホワイトカーボ
ン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ等であ
る。中でも含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカ
ーボンが好ましい。
【0019】シリカの比表面積は、特に制限はないが、
窒素吸着比表面積(BET法)で、通常50〜350m
2/g、好ましくは100〜250m2/g、さらに好ま
しくは110〜180m2/gの範囲である。シリカの
比表面積が過度に小さいと補強性に劣り、一方過度に大
きいと加工性に劣り、ウエットグリップ性、転動抵抗等
の改善も十分でない。ここで窒素吸着比表面積は、AS
TM D3037−81に準じてBET法で測定される
値である。
【0020】シリカの使用割合は、ゴム成分100重量
部に対して、40〜150重量部、好ましくは40〜1
00重量部である。この配合割合が過度に少なくなると
補強性に劣り、一方過度に多くなると未加硫ゴム組成物
の粘度が上昇し、加工性を損なう。
【0021】本発明のゴム組成物には、シランカップリ
ング剤を添加することにより、転動抵抗の低減およびウ
エットグリップ性の改善効果が著しくなる。シランカッ
プリング剤としては、特に制限はないが、たとえば、N
−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
ビス[3−(トリエトキシシル)プロピル]テトラスル
フィド、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランなどを挙げることができる。特に上記のうちスル
フィド系のシランカップリング剤がシリカの分散効果、
発熱抑制に好適である。
【0022】シランカップリング剤の使用割合は、シリ
カ100重量部に対して1〜15重量%、好ましくは2
〜10重量%の範囲である。この使用割合が1重量%未
満であると、ジエン系ゴムとシリカとの親和性向上効果
が小さく、逆に15重量%を超えると混合や押し出し工
程で焼けが生じやすく、また効果も飽和の傾向を示し経
済的でない。
【0023】次に、本発明のゴム組成物には、一般式
(1) (SiO2a2(a+1) (1) (式中、XはO1/2[(CH32SiO]b1またはO
1/21で各Xは同一でも異なっていてもよい、ただし、
Xの1つ以上はO1/2[(CH32SiO]b 1でなく
てはならない、Rまたは炭素数5以下の1価の炭化水素
基である、bは1〜100の整数、aは1〜20の整数
である)で表わされるオルガノポリシロキサンが配合さ
れる。本発明のゴム組成物に前記特定のアルコキシシリ
ル基またはシラノール基(R1が水素原子の場合)を有
するオルガノポリシロキサンを配合することにより、転
動抵抗、ウエットグリップ性および加工性の良好なゴム
組成物を得ることができる。
【0024】一般式(1)におけるaはオルガノポリシ
ロキサンの主鎖の長さを規定し、aが20を超える場合
には効果があまり変わらないが化合物の生産性が悪化す
るため好ましくない。aの好ましい値は1〜15、さら
に1〜10である。
【0025】一般式(1)におけるXは、オルガノポリ
シロキサンの主鎖に結合し、オルガノポリシロキサンが
官能基(アルコキシシリル基またはシラノール基)を有
するようにする。XはO1/2[(CH32SiO]b1
またはO1/21であり、XがO1/2[(CH32Si
O]b1でオルガノポリシロキサンの主鎖の末端に結合
する場合には、実質的に主鎖を長くし、末端に
【0026】
【化1】
【0027】基が存在し、XがO1/21の場合には、ケ
イ素原子に結合した−OR1基が存在する。ただし、オ
ルガノポリシロキサンの主鎖の末端にO1/21とともに
1/2[(CH32SiO]b1が存在する場合には、
実質的に鎖末端以外にO1/21が結合する場合と同様の
構造になる。XがO1/2[(CH32SiO]b1で、
オルガノポリシロキサンの主鎖の末端以外に結合する場
合には、主鎖にジメチルシロキサン鎖が結合した側鎖の
先端に
【0028】
【化2】
【0029】基が存在し、XがO1/2[(CH32Si
O]b1で、オルガノポリシロキサンの末端に結合した
場合と同様の構造になる。この構造の場合、末端または
先端の
【0030】
【化3】
【0031】基は、立体障害が少なく反応しやすくする
ため、他の化合物と結合しやすく、好ましい。一方、X
がオルガノポリシロキサンの主鎖の末端以外に結合する
場合には、
【0032】
【化4】
【0033】の構造となり、この構造の場合、立体障害
が多く反応しにくいため、他の化合物と結合しやすい。
したがって、2(a+1)個存在するXのうちの50%
以上さらには60%以上、ことには70%以上が
【0034】
【化5】
【0035】を有することが好ましい。前記XがO1/2
[(CH32SiO]b1中のbとして1〜100のも
のが使用できるが、オルガノポリシロキサンに含まれる
アルコキシシリル基および(または)シラノール基の含
有割合が高く、反応性が高くなる点からbは1〜50、
さらには1〜20であることが好ましい。
【0036】前記XがO1/2[(CH32SiO]b1
またはO1/21中のR1は、水素原子または炭素原子1
〜5の1価の炭化水素基である。水素原子の割合には、
保存安定性は必ずしもよくないが反応性の高いシラノー
ル基が含まれ、炭素数1〜5の1価の炭化水素基の場合
には、保存安定性はよいが反応性が必ずしもよくないア
ルコキシシリル基が含まれることになり、必要に応じて
使い分ければよい。炭素数1〜5の炭化水素基の中でも
炭素数1〜2のものは反応性も高く、保存安定性も良好
であり好ましい。
【0037】前記炭素数1〜5の1価の炭化水素基の例
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げられ、メチル
基、エチル基が好ましい。
【0038】一般式(1)で表わされるオルガノポリシ
ロキサンを具体的に示せばたとえば一般式(1)におい
てa=1、b=1、XがすべてXがO1/2[(CH32
SiO]b1でR1がすべてエチル基の場合、
【0039】
【化6】
【0040】となり、a=2、b=2、XがすべてXが
1/2[(CH32SiO]b1でR1がすべてエチル基
の場合
【0041】
【化7】
【0042】となり、a=3、b=20、XがすべてX
がO1/2[(CH32SiO]b1でR1がすべてエチル
基の場合
【0043】
【化8】
【0044】となる。なお本発明に使用されるオルガノ
ポリシロキサンの分子量は、組成物の押出し加工性や押
出し後の寸法安定性の点から重量平均分子量は200〜
10000、さらには200〜5000、ことには20
0〜2000が好ましい。
【0045】前記オルガノポリシロキサンの好ましい具
体例としては、前記構造式で示したものの他たとえば特
公平3−17764号公報に記載のオルガノポリシロキ
サンなどが挙げられる。
【0046】前記オルガノポリシロキサンは、前記シリ
カ100重量部に対して、1〜15重量%、好ましくは
1〜7重量%配合される。前記配合量が1重量%未満に
なると、耐摩耗性の向上効果が十分でなく、15重量%
を超えると、耐摩耗性の向上効果が配合量に比して小さ
くなり、コストが上昇するわりに耐摩耗性が向上しない
ので望ましくない。
【0047】前記オルガノポリシロキサンは、たとえば
特開昭58−67728号公報に記載の方法で製造する
ことができる。
【0048】本発明で硫黄原子を含むシランカップリン
グ剤を用いた場合、シリカの分散性を向上させかつ配合
物の発熱を軽減する効果を有する。しかし硫黄を含むた
め高温でゲル化しやすく、ゴム焼けしやすい欠点があ
る。本発明はかかるシランカップリング剤とともにオル
ガノポリシロキサンを併用することで、ゴム焼けするこ
となく、高温で練りこむことが可能となり、このため練
り段階でシリカとシランカップリング剤の反応で発生す
るエタノールを発生しつくすことができ、押し出し加硫
時の気泡を少なくすることができる。
【0049】そして上記効果を奏するためにはシランカ
ップリング剤の配合量をWa、オルガノポリシロキサン
の配合量をWb、さらにシリカの配合量をWsとしたと
き、 0.02Ws≦Wa+wb≦0.16Ws の関係を満たすようにゴム組成物の添加量が調整され
る。
【0050】本発明のゴム組成物に用いられるカーボン
ブラックは、ジブチルフタレート吸油量(DBP)が1
50ml/100g〜300ml/500g、好ましく
は160〜200ml/100gである。150ml/
100g未満では、耐摩耗性の点で不利となり、一方3
00ml/100gを超えると加工性が悪くなる。この
ようなハイストラクチャーカーボンブラックを用いた場
合、その配合量はゴム成分100重量部に対して5〜4
5重量部、好ましくは10〜30重量部である。5重量
部未満では、加硫物の耐摩耗性、破壊特性が十分でな
く、一方45重量部を超えると、低ヒステリシスロス特
性が低下する。
【0051】その他の配合剤としては、ゴム工業で汎用
されているものでたとえば、硫黄、パーオキサイドなど
の加硫剤、チアゾール系、チウラム系、スルフェンアミ
ド系、グアニジン系などの加硫促進剤、ステアリン酸、
亜鉛華などの加硫助剤、エチレングリコール、ポリエチ
レングリコールなどの活性剤、サーマルブラック、アセ
チレンブラック、グラファイト、クレー、タルクなどの
充填剤、可塑剤、老化防止剤、プロセス油等が挙げられ
る。これらの各種配合剤の中から、目的や用途に応じて
必要な配合剤を適宜選択することができる。
【0052】本発明のトレッドゴム組成物の成分を混練
する場合、たとえばまずジエン系ゴム成分、カーボンブ
ラック、シリカ、カップリング剤をロール、バンバリー
等の混合機を用いて混合し、次いで残りのゴム成分オイ
ル、オルガノポリシロキサン、シリコンオイルその他の
配合剤を添加して混合すると、分散性がさらに向上し、
よりすぐれた性質を備えたゴム組成物を得ることができ
る。この場合、シリカの添加は一括でもよいが、所定量
を好ましく2回以上に分割して添加すると、分散が容易
になり、シリカとゴム成分との混合が一層容易になる。
たとえば1回目にシリカの全量の10〜90重量%を添
加し、残部を2回目以降に添加することができる。シリ
カとともにオルガノポリシロキサンを分割添加すること
もできる。
【0053】シランカップリング剤および活性剤など
は、ゴム成分とシリカの最初の混合時に添加することが
好ましいが、その他の添加剤は、次工程以降で添加する
ことが好ましい。最初のジエン系ゴム成分とシリカの混
合時に、シランカップリング剤あるいは活性剤以外の添
加剤を添加すると、混合時間が長くなりしかもシリカの
補強性を低下させる場合がある。シリカまたはオルガノ
ポリシロキサンの配合割合が少ない場合などは、予めシ
リカとオルガノポリシロキサンとを混合しておいてか
ら、ジエン系ゴムと混練してもよい。ゴム成分、シリ
カ、シランカップリング剤およびオルガノポリシロキサ
ン等を混合する際の温度は、通常80〜160℃好まし
くは110〜140℃である。
【0054】混合時間は通常30秒以上であり、好まし
くは1〜20分間である。
【0055】
【実施例】神戸製鋼(株)製1.7Lバンバリーを用い
て、X練りでSBR(SE8592)、カーボンブラッ
ク(N220)、シリカ、オイルおよびカップリング剤
をY練りでX練りのシートゴム、EXXPRO、残りの
シリカとオイル、オルガノポリシロキサンおよびその他
の薬品を混合し、最後に加硫剤をロールで練りこんだ。
【0056】なお、前記X練りの排出温度は120℃と
し、Y練りの排出温度は135℃とした。
【0057】実施例、比較例に用いた基本配合は表1の
とおりである。なお表1中、配合量を変量としたものつ
にいては表2に示している。
【0058】各ゴム組成物の評価方法は次のとおりであ
る。 (1) 300%モジュラス JISK6301に記載する引張試験法に準じて測定し
た。
【0059】(2) 損失正接(tanδ) 岩本製作所(株)製のVES−F−3を用いて温度0℃
で周波数10Hz、初期歪み10%、動歪み0.5%で
測定した。tanδの値が大きいほどウエットグリップ
性が優れていることの指標となる。
【0060】(3) スピューの外観 スピューの外観は目視により次の基準で評価した。
【0061】 ◎:スピュー表面にほとんど気泡がない状態。 ○:0.5mm以上の気泡はないが、0.5mm以下の
気泡は存在する。工程上問題なし。
【0062】△:0.5mm以上の気泡が1個以上存
在、工程上問題あり。 (4) ポーラスの発生状況 加硫したタイヤの縦10mm、横10mm、厚さ4mm
の範囲の気泡の発生状況を目視で観察した。
【0063】 〇:ほとんど気泡発生なし。 △:1mm以上の気泡が5個未満で、0.1mmの気泡
が10個未満である。
【0064】×:1mm以上の気泡が5個以上である。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】注1) 日本ゼオン(株)製溶液重合SB
R、ガラス転移点(Tg)−40℃ 注2) 日本ゼオン(株)製、ガラス転移点(Tg)−
30℃ 注3) エクソン化学社製EXXPRO、共重合体中の
p−メチルスチレン含量は1.2モル%である。
【0068】注4) エクソン化学社製、クロロブチル
1066 注5) デグサ社製、VN3比表面積(BET)172
2/g 注6) デグサ社製、Si69(3,3′−ビス(トリ
エトキシシリルプロピル)テトラスルフィド) 括弧内はシリカ100重量部に対する配合量を示す 注7) 日本ユニカ社製、FZ3704 括弧内はシリカ100重量部に対する配合量を示す 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって
制限的なものではないと考えられるべきである。本発明
の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によっ
て示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内で
のすべての変更が含まれることが意図される。
【0069】
【発明の効果】本発明のタイヤ用トレッドゴム組成物は
ジエン系ゴムと損失係数の高い部分が比較的高温領域ま
で存在するハロゲン化されたイソブチレンとパラメチル
スチレンの共重合体またはハロゲン化ブチルゴムをゴム
成分として用い、かつ特定のシリカ、シランカップリン
グ剤およびオルガノポリシロキサンを組合せたので、特
にシランカップリング剤とオルガノポリシロキサンを併
用したことにより、混練温度を従来より高くすることが
でき練り段階でエタノールを発生し尽くすことができ押
出し加硫時の気泡は少なくなる。またゴム組成物の粘度
も下げることができ、タイヤ加硫時のスピュー切れを改
善できる。しかも加硫ゴム組成物のウエットグリップ性
を改善することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 15/02 C08L 15/02 //(C08L 9/00 83:04 83:04) (56)参考文献 特開 平11−172000(JP,A) 特開 平9−324069(JP,A) 特開 平7−304903(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 9/00 - 9/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ) (a)ジエン系ゴム25〜95重
    量%と(b)ハロゲン化ブチルゴムおよび/または、イ
    ソブチレンとP−メチルスチレンの共重合体のハロゲン
    化物75〜5重量%よりなるゴム成分の100重量部と
    (ロ) シリカをゴム成分100重量部に対して40〜
    150重量部と(ハ) シランカップリング剤をシリカ
    配合量の1〜15重量%と(ニ) 次の(1)式で表わ
    されるオルガノポリシロキサンをシリカ配合量の1〜1
    5重量%配合した (SiO2a2(a+1) (1) X:O1/2[(CH32SiO]b1またはO1/21 各Xは同一でも異なっていてもよいが、少なくとも1は
    1/2[(CH3 2SiO]b1でなくてはならない。 R1:水素原子または炭素数5以下の1価の炭化水素基 b:1〜100の整数 a:1〜20の整数 ことを特徴とするトレッドゴム組成物。
  2. 【請求項2】 次の関係を満たす請求項1記載のトレッ
    ドゴム組成物。 0.02Ws≦Wa+Wb≦0.16Ws Wa:前記シランカップリング剤の配合量 Wb:前記オルガノポリシロキサンの配合量 Ws:シリカの配合量
  3. 【請求項3】 シランカップリング剤はスルフィド系の
    化合物である請求項1記載のトレッドゴム組成物。
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