JP3475225B2 - バインダー用芯鞘型複合繊維 - Google Patents

バインダー用芯鞘型複合繊維

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クッション、基布
等に用いる弾性および制振特性に優れたバインダー用芯
鞘型複合繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】クッション材は、主に寝具類、家具類、
車両シートや自動車シート等の乗り物シート等の用途で
用いられており、従来はクッション材としてポリウレタ
ンフォームが汎用されている。しかしながら、ポリウレ
タンフォームの製造にはフロンガスが使用されることが
多く、またポリウレタンフォームの燃焼時に有毒なシア
ンガスが発生し易く、しかも埋め立てが困難でリサイク
ルができないので、地球環境の汚染や破壊などを生ずる
という問題を抱えている。しかもポリウレタンフォーム
は、床ツキ感があり且つ蒸れが大きいために、クッショ
ン材として使用した場合に、座りごこちや寝心地が悪
く、しかもべとついた不快な感触を与え易く、快適性に
劣るという欠点がある。
【0003】そこで上記した欠点を有するポリウレタン
フォームに換えて、ポリエステル綿などの合成繊維製の
詰め綿をクッション材、基布として用いる事が行なわれ
るようになっており、ポリエステル綿などの主体繊維に
バインダー繊維を混綿し、それを熱成型してクッション
材を形成する方法が採用されている。しかしポリエステ
ル繊維を用いてクッション材を製造した場合、繊維素材
の改良によってある程度の伸縮性を付与することが可能
であるが、これらのクッション材、基布等に良好な弾性
特性、例えば、弾性回復性を付与することは極めて困難
であった。良好な弾性特性を有するゴムなどのエラスト
マーを繊維素材として使用してこのような欠点を補うこ
とが試みられてきたが、ゴムのようなエラストマーを繊
維化することは極めて困難であり、仮に紡糸できても巻
取などで繊維同志が完全に膠着してしまい、また、膠着
防止のために繊維表面に油剤等を付与しても十分に膠着
を防止できないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、弾性
および制振特性に優れたバインダー用芯鞘型複合繊維を
提供することである。
【0005】即ち、本発明は、二種の熱可塑性重合体が
繊維の全長に亘って芯鞘型に配された複合繊維におい
て、芯成分を構成する熱可塑性重合体が、共役ジエン系
重合体ブロックBと芳香族ビニル重合体ブロックAとよ
りなるブロック共重合体であり、鞘成分を構成する熱可
塑性重合体が、融点が200℃以下であり、かつ酸成分
中20〜50モル%のイソフタル酸を含有するポリエス
テル系重合体であり、芯成分と鞘成分の複合比率(芯/
鞘)が20/80〜80/20であることを特徴とする
バインダー用芯鞘型複合繊維である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の芯鞘型複合繊維において
芯成分を構成するブロック共重合体は、芳香族ビニル化
合物を主体とする重合体ブロックAと、共役ジエン化合
物を主体とする重合体ブロックBよりなるブロック共重
合体を水素添加し、共役ジエンに基づく脂肪族二重結合
の70%以上、好ましくは80%以上、特に好ましくは
90%以上を飽和結合としたものであり、好ましくは、
数平均分子量が30000〜300000のブロック共
重合体である。水素添加率(水添率)が70%未満の場
合は、溶融紡糸時に熱劣化を生じやすくなり、また、得
られる繊維の耐候性も劣るので好ましくない。分子量が
30000未満では芯成分自体の強度、伸度などの機械
的性質が低下し、繊維自体の性質を低下させてしまうの
で好ましくない。また、300000を越えると粘度が
上昇し、紡糸が不調となり性能も低下する。好ましく
は、50000〜250000の範囲がよい。
【0007】重合体ブロックAを構成する芳香族ビニル
化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、3
−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロ
ヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル
−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチ
レン等があるが、最も好ましいのはスチレンである。芳
香族ビニル重合体ブロックAの1つのブロックは250
0〜50000の数平均分子量、特に5000〜400
00の数平均分子量を持つことが好ましく、分子量が2
500未満では、ポリマーの凝集力が低下し、ゴム様の
伸縮性能および制振性能が不十分となり目的とする繊維
化が困難になりがちである。一方、分子量が50000
を越えると、ブロック共重合体の溶融粘度が高くなり過
ぎ、熱可塑性が損なわれ紡糸が困難となりやすい。そし
てブロックAの含有量は10〜50重量%、好ましくは
10〜50重量%の範囲である。スチレンの含有量が1
0%未満では成型性、耐熱性が劣り、また目的とするブ
ロック共重合体の機械的性質が不十分となる。一方、ブ
ロックAの含有量が50重量%を越えると伸縮性、柔軟
性が低下し、尚かつ、粘度が著しく高くなるため紡糸調
子が悪くなり、本発明の目的を達成できない。
【0008】また、本発明において用いられるブロック
共重合体のブロックBとしては、1,3−ブタジエン、
イソプレン、ペンタジエン、ヘキサジエン等で構成され
るブロックがあるが、本発明においてはイソプレンまた
はイソプレン−ブタジエンを併用するのが好ましい。イ
ソプレンからなるブロックは、重合条件等によって1,
4結合主体のものとなったり、1,2結合や3,4結合
が多くなったりする。本発明においては、1,4結合が
70%以上の場合には、弾性特性が顕著に発現するよう
になる。また、3,4結合および1,2結合含有量が4
0%以上である場合には、0℃以上にtanδの主分散
のピークを持つようになり、制振特性が顕著に現れるよ
うになる。また、イソプレン−ブタジエンを併用する場
合のブロックBの形態としてはランダム、ブロック又は
テ−パ−ドのいずれでもよい。また、ブロックBの一つ
の数平均分子量は10000〜200000程度、特に
15000〜130000程度が好ましく、分子量が1
0000未満では、弾性的性質を損ない好ましくない。
一方、200000を越えると、ブロック共重合体の溶
融粘度が高くなり、紡糸不調の原因となる。
【0009】本発明におけるブロック共重合体のブロッ
ク形態は、A(BA)n, (AB)nで示される。こ
こでAは芳香族ビニルモノマーからなるブロック、Bは
共役ジエン系モノマー、例えば、イソプレン又はイソプ
レン−ブタジエンからなるブロックを示し、nは1以上
の整数である。この内A−B−Aの形態のものが最も好
ましく用いられる。
【0010】これらのブロックAとブロックBからなる
共重合体は公知の種々の方法で製造することが可能であ
る。例えば、まず、(イ)アルキルリチウム化合物を開
始剤として芳香族ビニル化合物、イソプレンまたはイソ
プレンブタジエンを逐次重合させる方法、(ロ)芳香族
ビニル化合物、次いで、イソプレンまたはイソプレン−
ブタジエンを重合し、これをカップリング剤によりカッ
プリングする方法、あるいは(ハ)ジリチウム化合物を
開始剤としてイソプレンまたはイソプレン−ブタジエ
ン、次いで、芳香族ビニル化合物を逐次重合させる方法
等が挙げられる。アルキルリチウム化合物の例としては
アルキル残基の炭素原糸数が1〜10のアルキル化合物
が挙げられるが、特にメチルリチウム、エチルリチウ
ム、ペンチルリチウム、ブチルリチウムが好ましい。カ
ップリング剤としてはジクロロメタン、ジブロムメタ
ン、ジクロロエタン、ジブロムエタン、ジブロムベンゼ
ン等が用いられる。ジリチウム化合物の例としてはナフ
タレンジリチウム、ジリチオヘキシルベンゼン等が挙げ
られる。使用量は求める分子量により決定されるもので
あるが、重合に用いられる全モノマー100重量部に対
し、概ね開始剤0.01〜0.2重量部、カップリング
剤0.04〜0.8重量部程度の範囲で用いられる。
【0011】イソプレンまたはイソプレン−ブタジエン
部分のミクロ構造として3,4結合および1,2結合含
有量を40%以上にするためには、イソプレンまたはイ
ソプレン−ブタジエンの重合の際に共触媒としてルイス
塩基が用いられる。ルイス塩基の例としてはジメチルエ
ーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエー
テル類、トリエチルアミン、N,N,N´,N´−テト
ラメチルエチレンジアミン、N−メチルモルフォリン等
のアミン系化合物等が挙げられる。これらのルイス塩基
の使用量は重合触媒のリチウムのモル数に対し概ね0.
1〜1000倍の範囲で用いられる。重合の際には制御
を容易にするために溶媒を使用するのが好ましい。溶媒
としては重合触媒に対し不活性な結城溶媒が使用され
る。特に、炭素数が6〜12の脂肪族、脂環族、芳香族
炭化水素が好ましく用いられる。その例としては、ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、ベンゼン等が挙げられる。重合はいずれの重合法に
よる場合も、0〜80℃の温度範囲で0.5〜50時間
の範囲で行なわれる。
【0012】得られたブロック共重合体を必要に応じて
水添反応に付すことにより、イソプレンまたはイソプレ
ン−ブタジエンからなるブロック中の炭素−炭素二重結
合の一部または全部が水添される。水添反応は、反応お
よび触媒に対して不活性な溶媒に溶解した状態で、公知
の水添触媒により分子状態の水素を反応させる方法が好
ましく用いられる。使用される触媒としては、ラネーニ
ッケル、あるいはPt、Pd、Ru、Rh、Ni等の金
属をカーボン、アルミナ、硅藻土等の単体に担持させた
もの等の不均一触媒または遷移金属とアルキルアルミニ
ウム化合物、アルキルリチウム化合物等の組み合わせか
らなるチーグラー系の触媒等が用いられる。反応は、水
素圧が常圧ないし200kg/cm2 、反応温度が常温な
いし250℃、反応時間が0.1〜100時間の範囲で
行なわれる。反応後のブロック共重合体は、反応液をメ
タノール等により凝固させた後、加熱あるいは減圧乾燥
させるか、反応液を沸騰水中に注ぎ溶剤を共沸させ除去
した後、加熱あるいは減圧乾燥をすることにより得られ
る。
【0013】本発明では芯成分と鞘成分が剥離しないし
ないようにすることが重要である。そこで鞘及び芯成分
にオレフィン系化合物を含有させていてもよく、また芯
鞘両成分に含有されていてもよいが、オレフィン系化合
物の繊維表面へのマイグレーションや耐熱性等の点から
ブロック共重合体(芯成分)に含有されていたほうがよ
り好ましい。
【0014】本発明の芯鞘型複合繊維を構成する鞘成分
は、上記ブロック共重合体との剥離が生じないようにす
る必要がある。また、クッション等を形成する際に、他
の繊維形成性熱可塑性重合体との接着性を高めるために
融点が200℃以下の溶融しやすい熱可塑性重合体が好
ましい。
【0015】
【0016】例としては、酸成分としてイソフタル酸を
含有するポリエステル系重合体を用いた、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等がある
が、エチレンテレフタレート系ポリエステルが好まし
い。一般に、ポリエチレンテレフタレートに第三成分と
してイソフタル酸を共重合した場合、融点及び溶融粘度
の低下することが知られている。
【0017】イソフタル酸は、ポリエステル重合体の酸
成分中20〜50モル%、好ましくは、25〜45モル
%含有されていることが必要である。20モル%未満で
は融点及び溶融粘度の低下が小さく、芯成分との剥離を
生じやすくなり、またクッション等を形成する際に、他
の繊維形成性熱可塑性重合体との接着性に劣るようにな
る。50モル%以上では溶融粘度が低下し過ぎて溶融紡
糸時に糸が斜向し、繊維形成が困難となる。
【0018】鞘成分のポリエステル系重合体は、必要に
応じて少量の他のジカルボン酸成分、オキシカルボン酸
成分、他のジオール成分の1種または2種以上を共重合
単位として有していてもよい。その場合に、他のジカル
ボン酸成分としては、ジフェニルジカルボン酸、ナフタ
レンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸またはそれ
らのエステル形成性誘導体;5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸ジメチル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
ビス(2−ヒドロキシエチル)などの金属スルホネート
基含有芳香族カルボン酸誘導体;シュウ酸、アジピン
酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン
酸またはそのエステル形成性誘導体を挙げることができ
る。また、オキシカルボン酸成分の例としては、p−オ
キシ安息香酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸または
それらのエステル形成性誘導体などを挙げることができ
る。ジオール成分としてはジエチレングリコール、1,
3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネ
オペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール;1,4−
ビス(β−オキシエトキシ)ベンゼン、ポリエチレング
リコール、ポリブチレングリコールなどを挙げることが
できる。
【0019】また、本発明の芯鞘型複合繊維における芯
成分と鞘成分との重量比(芯/鞘)は80/20〜20
/80であることが好ましく、ブロック共重合体が80
重量%を越えると紡糸、延伸等の工程性が著しく悪化す
る。一方、該重合体が20重量%未満では弾性性能およ
び制振性能が十分に得られなくなる。また、冷却が不十
分となり、紡糸原糸が膠着する恐れがある。したがっ
て、これらの重量比は70/30〜40/60であるこ
とが望ましい。
【0020】本発明の複合繊維は、通常の芯鞘型複合繊
維の溶融紡糸装置を使用して紡糸することが可能である
が、紡糸温度条件付近において、例えば280℃におい
て上記ブロック共重合体の溶融粘度が鞘成分の熱可塑性
重合体の溶融粘度よりも280ポイズ以上高くなるよう
な両成分の組み合わせ、または紡糸温度の組み合わせが
重要である。溶融粘度差がほとんどない場合やその大小
関係が逆転するような場合においては紡糸時、巻取時に
繊維同志の膠着が目立つので好ましくない。また、上記
の溶融粘度差が大きい方が好ましいが、あまりその差が
大きくなると紡糸時のニーイングが激しくなり安定した
紡糸が困難となるので、好ましくは1500ポイズ以下
の溶融粘度差に押さえることが望ましい。
【0021】芯鞘形態としては単芯または多芯であって
もよい。また、繊維の断面形状は円形、楕円形、ドッグ
ボーン、三〜八角形、マルチローバル、T字形等の各種
異形断面でもよく、単糸デニールは特に限定されず目的
とする製品に合わせて選択すればよく、一般的には約1
〜50デニール、好ましくは約1.5〜30デニールで
ある。
【0022】また、本発明の複合繊維には、必要に応じ
て各種の添加剤を配合してもよい。例えば、触媒、着色
防止剤、耐熱剤、難燃剤、抗菌剤、消臭剤、蛍光増白
剤、艶消し剤、着色剤、光沢改良剤、制電剤、芳香剤、
無機微粒子等が含まれていてもよい。
【0023】
【実施例】以下に実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はそれによって何ら限定されるものでは
ない。以下の例において、芯鞘型複合繊維を用いて得ら
れたクッション材の剥離強度、硬さ、及び繰り返し圧縮
歪みの測定は、下記のようにして行なった。尚、実施例
中、数平均分子量はGPC法により求め、ミクロ結合は
NMRスペクトルを測定し、4.8ppm、5.8pp
mの3,4結合、1,2結合のピークと5.3ppmの
1,4結合のピークの比から、3,4結合、1,2結合
の含有率を算出し、tanδのピーク温度は、レオバイ
ブロン(オリエンティック社製)により粘弾性スペクト
ルを測定することにより求めた。
【0024】[クッション材の剥離強度の測定] (1) 以下の各例で製造されたバインダー用芯鞘型複
合繊維(繊維長51mm)30重量部と、中空ポリエス
テル繊維(6デニール;繊維長64mm)70重量部を
混綿し、常法によりカードを用いて厚さ20mmのウェ
ッブを製造した。このウェッブから縦×横=100mm
×100mmの片を切り出して、その片を10枚重ねて
平板型金型に入れて、圧力0.5kg/cm2 、温度1
90℃で10分間熱処理して、クッション材を製造し
た。 (2) 上記(1)で得られたクッション材に対してイ
ンストロン型万能試験機(シマズ社製「オートグラフD
CS型」を用いて、その熱接着引裂強力をJASO−M
304に準じて測定した剥離強度の値とした。
【0025】[クッション材の硬さの測定]上記(1)
と同様にしてクッション材を用いて、インストロン型万
能試験機(シマズ社製「オートグラフDCS型」)によ
るヒステリシスカーブ(歪み量−荷重曲線)を求め、歪
み量が25%および50%の時の圧縮に要する荷重によ
りクッション材の硬さとした。このクッション材の硬さ
の値は、クッション材の圧縮による沈み込み時の反発力
(硬さ)を意味する値であり、JIS−K6401に準
ずる値である。
【0026】[クッション材の繰り返し圧縮歪みの測
定]上記(1)と同様にしてクッション材を製造し、得
られたクッション材に対して、元の厚さ(圧縮試験を施
す前の厚さ)とその50%の厚さとの範囲を繰り返す圧
縮可能な装置(高分子計器(株)社製「DF−10」)
を用いて、8万回の繰り返し圧縮を実施した後の厚さを
測定し、該厚さの、元の厚さ(圧縮試験を施す前の厚
さ)に対する比をパーセント表示した。この方法により
得られる圧縮歪みの値はJIS−K6401に準ずる値
である。
【0027】実施例1〜6、比較例1〜6 ブロック共重合体として、スチレンブロックAの含有量
が30重量%でイソプレンブロックの1,4結合含有量
が95%、水素添加率98%のブロックBで構成され、
285℃における溶融粘度が1500ポイズである数平
均分子量155000のA−B−Aトリブロック型の重
合体を用いて芯成分とした。一方、酸成分として45モ
ル%のイソフタル酸を含有し、ジオール成分としてジエ
チレングリコールを9モル%含有する[η]が0.67
dl/gである共重合ポリエチレンテレフタレートを鞘
成分として用い、従来の複合溶融紡糸装置によって丸断
面口金孔から285℃で複合比率50/50の同心円型
として600g/分の吐出量、1000m/分の速度で
巻取、未延伸糸を得た。この未延伸糸を集束後、延伸倍
率3倍、延伸温度65℃で延伸し、押し込み式捲縮装置
で機械捲縮を付与した後、51mmに切断して単糸デニー
ル2デニールの短繊維を得た(実施例1)。
【0028】下記に芯成分におけるブロックAとブロッ
クBの重量比を変化させた場合、また鞘成分におけるイ
ソフタル酸の含有量を変化させた場合、及び芯成分と鞘
成分の重量比を変化させて実施例1と同様にして芯鞘型
複合繊維を製造し、得られた種々のバインダー繊維を用
いてクッション材としたときの物性;実施例1〜6と比
較例1〜6を表1に示す。ただし、比較例4〜6につい
ては下記に示す理由で表1には表示していない。 比較例4 鞘成分比(55/45)は溶融紡糸時に糸が斜向
し、繊維化が困難な為、データなし。 比較例5 芯鞘重量比(85/15)は溶融紡糸時に糸の巻
取が困難な為、データなし。 比較例6 芯鞘重量比(15/85)は溶融紡糸時に糸の巻
取が困難な為、データなし。
【0029】
【表1】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】実施例7〜11 ブロック共重合体として、スチレンブロックAの含有量
が30重量%でイソプレンブロックの1,4結合含有量
が70%、水素添加率98%のブロックBで構成され、
285℃における溶融粘度が1300ポイズである数平
均分子量155000のA−B−Aトリブロック型の重
合体を用いて芯成分とした。一方、酸成分として45モ
ル%のイソフタル酸を含有し、ジオール成分としてジエ
チレングリコールを9モル%含有する[η]が0.67
dl/gのポリエチレンテレフタレートを鞘成分として
用い、従来の複合溶融紡糸装置によって丸断面口金孔か
ら285℃で複合比率50/50の同心円型として60
0g/分の吐出量、1000m/分の速度で巻取、未延
伸糸を得た。この未延伸糸を集束後、延伸倍率3倍、延
伸温度65℃で延伸し、押し込み式捲縮装置で機械捲縮
を付与した後、51mmに切断して単糸デニール2デニ
ールの短繊維を得た。
【0034】下記に芯成分におけるブロックAとブロッ
クBの重量比は一定(30/70)、また芯成分と鞘成
分の重量比は一定(50/50)、水添率も98%で一
定とし、ブロックBの1,4結合含有量を変化させて芯
鞘型複合繊維を製造し、得られたバインダー繊維を用い
てクッション材としたときの物性;実施例1,7〜11
を表2に示した。
【0035】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−2220(JP,A) 特開 平5−51823(JP,A) 特開 平5−230716(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 8/00 - 8/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二種の熱可塑性重合体が繊維の全長に亘
    って芯鞘型に配された複合繊維において、芯成分を構成
    する熱可塑性重合体が、共役ジエン系重合体ブロックB
    と芳香族ビニル重合体ブロックAとよりなるブロック共
    重合体であり、鞘成分を構成する熱可塑性重合体が、融
    点が200℃以下であり、かつ酸成分中20〜50モル
    %のイソフタル酸を含有するポリエステル系重合体であ
    り、芯成分と鞘成分の複合比率(芯/鞘)が20/80
    〜80/20であることを特徴とするバインダー用芯鞘
    型複合繊維。
  2. 【請求項2】 芯成分を構成する熱可塑性重合体のう
    ち、共役ジエン系重合体ブロックBがイソプレンもしく
    はイソプレン−ブタジエン混合物からなり、1,4結合
    含有量が70%以上である請求項1に記載のバインダー
    用芯鞘型複合繊維。
  3. 【請求項3】 芯成分を構成する熱可塑性重合体のう
    ち、共役ジエン系重合体ブロックBがイソプレンもしく
    はイソプレン−ブタジエン混合物からなり、3,4結合
    および1,2結合含有量が40%以上である請求項1に
    記載のバインダー用芯鞘型複合繊維。
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