JP3473813B2 - 機能性再帰反射シート及びその製造方法 - Google Patents

機能性再帰反射シート及びその製造方法

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JP3473813B2 JP28290196A JP28290196A JP3473813B2 JP 3473813 B2 JP3473813 B2 JP 3473813B2 JP 28290196 A JP28290196 A JP 28290196A JP 28290196 A JP28290196 A JP 28290196A JP 3473813 B2 JP3473813 B2 JP 3473813B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路標識、案内標識、
工事標識等の標識類、自動車、オートバイ等の車輌のナ
ンバープレート類、衣服、靴、救命用具等の安全資材
類、看板、車輌等のマーキング資材などにおいて有用な
機能性再帰反射シートに関する。
【0002】詳しくは、機能性顔料を含有する機能性樹
脂層を必須構成成分とする支持体、該機能性樹脂層表面
上に任意の形状、面積で部分的に形成された微小球埋め
込み層、及び、該微小球埋め込み層中に埋設支持された
再帰反射性微小球レンズからなる基体シート、該基体シ
ートの微小球レンズ側の表面の上方に設けられた透明保
護フイルム、並びに、該基体シート及び透明保護フイル
ムを部分的に接合する結合部からなる、再帰反射領域と
視覚的機能性発現領域により構成される機能性再帰反射
シートに関する。
【0003】
【従来の技術】従来より光を光源方向に向けて再帰反射
させる再帰反射シートはよく知られており、その再帰反
射性能に基づく夜間の優れた視認性を利用して上記のよ
うな広い分野で使用されている。例えば、再帰反射シー
トを用いた道路標識、工事標識等は、夜間等において、
走行する自動車等の車輌のヘッドライト等の光源からの
光を光源方向、すなわち走行する車輌の方向へ向けて反
射させ、標識の視認者である車輌の運転者に対し優れた
視認性を提供し、明確な情報伝達を可能にするという優
れた特性を有している。
【0004】しかしながら、一般に再帰反射シートは光
源よりの光を光源方向に向けて再帰反射するので、光源
方向に対しては優れた視認性を提供するものの、視認者
が光源方向とは異なる方向にいる場合は、その視認性が
著しく劣るものとなる。また再帰反射シートは、その性
質上、自動車等の車輌の光源が近づくにつれて、再帰反
射シートへの該光源からの光の入射角と、該車輌の運転
者の観測角とのずれが大きくなり、視認性を著しく低下
させる。近年、道路網の発達や提供される情報の多様化
に伴い、1つの標識類に記載される情報量が多くなって
おり、車輌のスピードを考慮すると、運転者が再帰反射
光の視認領域内にいる極僅かな時間内に必要な情報を読
みとることは極めて困難になってきている。
【0005】このため、より正確な情報の提供や優れた
宣伝効果等が求められているような用途の場合、再帰反
射性能のみを有する従来型の再帰反射シートではその視
認性に限界があり、特に、夜間等において視認者が光源
方向と異なる方向に位置するような場合においても、視
認者に対し常に優れた視認性を提供することのできる優
れた再帰反射シートが強く望まれるようになってきた。
【0006】このような要望に応えることを目的とし
て、再帰反射シートの視認性を向上させるための種々の
試みがなされており、例えば、特開平5−173008号公報
には、再帰反射性微小球レンズ(すなわち、ほぼその半
球面を金属蒸着膜(5)で覆われた再帰反射性を有する微
小球レンズ)を埋設支持する支持体として透明な樹脂層
を用い、該支持体の背面(光入射側とは反対側の表面)
に蓄光性発光物質を含有する層を有する、再帰反射性と
ともに蓄光発光性を有するカプセルレンズ型再帰反射シ
ートについて開示されている。しかしながら、この提案
では、得られる再帰反射シートの構造上、発光物質によ
る発光が埋設されている再帰反射性微小球レンズに遮ら
れて、その発光量は極めて乏しいものとなってしまい視
認性向上の点では全く不十分なものとならざるをえなか
った。
【0007】また、国際特許出願公開WO93/14422号明
細書には、キューブコーナー形成側の表面と支持体とを
連結する結合部に燐光性顔料(phosphrescent pigmen
t)を含有する蛍光性(photoluminescent)カプセルキ
ューブコーナー型再帰反射シートが開示されている。ま
たこの公報には、カプセルレンズ型再帰反射シートに蛍
光性を付与する方法についても示唆されている。しかし
ながらこの第2の提案においても、燐光性顔料の発光量
は前記第1の提案の蓄光顔料と同様にそれほど大きなも
のではなく、標識類などとして用いてもある程度離れた
位置からその記載内容を確認できるほどに視認性の高い
ものとはなりえなかった。
【0008】さらに国際特許出願公開WO96/18920号明
細書には、カプセルレンズ型再帰反射シートにおいて、
支持体上に再帰反射性微小球レンズが埋設支持されてい
る基体シートと保護フィルムとを部分的に連結する結合
部を、保護フィルム又は該基体シート上に紫外線発光樹
脂組成物を用いて、印刷手段により紫外線発光層として
形成し、次いでこれを基体シートまたは保護フィルムに
加熱により融着するか、または適宜の接着剤により接着
する紫外線発光性再帰反射シートについて開示されてい
る。また、同公報には、支持体を紫外線発光樹脂組成物
で形成するか、又は少なくとも支持体の微小球レンズ埋
設側を紫外線発光樹脂組成物により形成された紫外線発
光層としておき、これらの紫外線発光層を有する支持体
を、エンボスロールなどにより部分的に加熱溶融成形さ
せて保護フィルムと基体シートとを部分的に連結する結
合部とする紫外線発光性再帰反射シートについても示唆
されている。
【0009】しかしながら、上記第3の提案において
は、紫外線発光層は実質的に保護フィルムと基体シート
とを連結する結合部のみであり、再帰反射シート表面に
占める割合が極めて小さく、また結合部に含有させる発
光物質の量をあまり多くできない等の問題がある。その
ため発光物質による発光量が不十分となりがちとなり、
また紫外線発光層と被覆層との密着性不良、形成された
紫外線発光層上への接着剤層形成の難しさ等の難点もあ
ることが判明した。
【0010】
【発明が解決すべき課題】本発明は、これら従来技術の
欠点に鑑み、非常に簡単、且つ安価な方法により、再帰
反射領域と視覚的機能性発現領域とを併せ持ち、夜間等
においても優れた視認性を有するレンズ型機能性再帰反
射シートを提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】しかして本発明によれ
ば、視覚的機能性を発現する機能性顔料と樹脂成分とを
含有する機能性樹脂層を必須構成成分とする支持体、該
機能性樹脂層表面上に任意の形状、面積で部分的に形成
された微小球埋め込み層、及び、該微小球埋め込み層中
に、実質的に一層に並ぶように、その金属蒸着膜で覆わ
れたほぼ半球面を埋設支持され、且つその金属蒸着膜で
覆われていないほぼ半球面を該微小球埋め込み層の上に
露呈している微小球レンズからなる基体シート、該基体
シートの微小球レンズが露呈している側の表面の上方に
設けられた透明保護フイルム、並びに、該基体シート及
び透明保護フイルムを、微小球レンズの層と透明保護フ
イルムとの間に空気層を保持するように部分的に接合す
る結合部からなり、微小球レンズが埋設されている領域
のうち結合部が形成されていない部分からなる再帰反射
領域と、機能性樹脂層の透明保護フイルムが設けられて
いる側の表面のうち少なくとも微小球が埋設されていな
い部分からなる視覚的機能性発現領域により構成される
ことを特徴とする機能性再帰反射シートが提供される。
【0012】以下本発明を図1〜図3を参照しつつ詳細
に説明する。
【0013】図1は、本発明の代表的な機能性再帰反射
シートであるカプセルレンズ型機能性再帰反射シートの
平面図であり、図2はそのA−Aにおける断面図であ
る。
【0014】図1及び図2において、(1)は視覚的機能
性発現領域であり、(2)は再帰反射領域である。(3)は基
体シート(13)と透明保護フイルム(6)とを接合する連続
線状の結合部であり、これにより該結合部(3)、透明保
護フイルム(6)及び基体シート(13)に囲まれ、中に空気
層(10)を有する密封小区画空室(カプセル)(9)が形成
されており、さらに該結合部(3)はそれ自体で視覚的機
能性発現領域(1)の一部を形成する。基体シート(13)
は、機能性樹脂層(7)を必須構成成分とする支持体(1
2)、その光入射側表面に任意の形状、面積で部分的に形
成された微小球埋め込み層(8)及び該微小球埋め込み層
(8)に埋設された微小球レンズ(4)の層からなる。支持体
(12)は、必要に応じて機能性樹脂層(7)の背面に補強層
(11)が積層されていてもよい。微小球埋め込み層(8)に
は、微小球レンズ(4)の金属蒸着膜(5)が形成されている
側のほぼ半球面が、密に、且つ実質的に一層となるよう
に埋設されており、この微小球レンズ(4)の層のうち、
結合部(3)が形成されている部分は再帰反射性を喪失す
るが、その部分を除いた密封小区画空室(9)中に封入さ
れている部分が再帰反射領域(2)を構成し、密封小区画
空室(9)の残りの部分及び結合部(3)が視覚的機能性発現
領域(1)を構成している。
【0015】支持体(12)は、前記のように機能性樹脂層
(7)を必須構成成分とするものである。機能性樹脂層(7)
は、視覚的機能性を発現する機能性顔料と樹脂成分とを
含有してなるものであり、機能性顔料としては、例え
ば、蓄光顔料、紫外線発光蛍光顔料等が好適に使用され
る。
【0016】上記蓄光顔料は、日中の太陽光、また夜間
の蛍光灯、自動車のヘッドライト等の照明の光を蓄光し
て暗中でも徐々に発光するものであって、特に限定され
るものではなく有機系蓄光顔料、無機系蓄光顔料の何れ
も使用が可能であるが、蓄光性能のよさの観点から、無
機系蓄光顔料、中でも酸化物系蓄光顔料が好適に用いら
れ、特に一般式MAl2O4(式中、Mは少なくとも1種
のアルカリ土類金属を表わす)で表わされる金属酸化物
を母結晶とし、賦活剤として希土類金属原子を1×10-6
〜0.2の割合(但し金属M原子と希土類金属原子との合
計原子数を1とする)で含有してなる蓄光顔料であるの
が好ましい。
【0017】上記アルカリ土類金属としては、Ca、Ba
及びSrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属
であるのが好ましく、また希土類金属としては、Sc、
Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、
Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選ばれる少
なくとも1種の金属であるのがよい。またこのような蓄
光顔料は、さらに必要に応じて共賦活剤としてMn、Sn
及びBiからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属
を1×10-6〜0.2の割合(但し金属M原子、希土類金属
原子及び共賦活剤金属の合計原子数を1とする)で含有
してなる蓄光顔料であることが好ましい。
【0018】このような蓄光顔料としては、例えば、S
rAl24:Eu、SrAl24:Eu,Dy、SrAl24:Eu,
Nd、SrAl24:Eu,Pr、SrAl24:Eu,Sm、SrA
l24:Eu,Tb、SrAl24:Eu,Ho、SrAl24:Eu,
Mn、SrAl24:Eu,Sn、SrAl24:Eu,Bi、CaA
l24:Eu,Nd、CaAl24:Eu,Sm、CaAl24:Eu,
Tm、CaAl24:Eu,Nd,La、CaAl24:Eu,Nd,C
e、CaAl24:Eu,Nd,Pr、CaAl24:Eu,Nd,S
m、CaAl24:Eu,Nd,Gd、CaAl24:Eu,Nd,T
b、CaAl24:Eu,Nd,Dy、CaAl24:Eu,Nd,H
o、CaAl24:Eu,Nd,Er、CaAl24:Eu,Nd,T
m、CaAl24:Eu,Nd,Yb、CaAl24:Eu,Nd,L
u、CaAl24:Eu,Nd,Mn、CaAl24:Eu,Nd,S
n、CaAl24:Eu,Nd,Bi、Ca0.9Sr0.1Al24:E
u,Nd,La、Ca0.9Sr0.1Al24:Eu,Nd,Dy、Ca0.7
Sr0.3Al24:Eu,Nd,Dy、Ca0.9Sr0.1Al24:E
u,Nd,Ho、Ca0.7Sr0.3Al24:Eu,Nd,Hoなどが挙
げられる。これらは1種または2種以上の混合物として
使用することができる。
【0019】これら蓄光顔料としては、下記の方法に従
って測定した残光特性が、一般に150mcd/m2以上、好ま
しくは200mcd/m2以上、さらに好ましくは250mcd/m2
上のものを用いるのがよい。
【0020】残光特性の測定:試料の蓄光顔料粉末0.05
gを内径8mmのアルミニウム製試料皿に秤り取り、約12
時間暗中に保管して残光を消去した後、D65常用光源を
用いて受光強度1000Lxで30分間照射し、次いで暗中に10
分間放置してから該試料より約30cmの距離から輝度計
〔ミノルタカメラ(株)製「LS-100」〕を用いて試料の
発光量を測定し、残光特性とする。
【0021】本発明に機能性顔料として用いることので
きる前記紫外線発光蛍光顔料としては、紫外線を受けて
発光する蛍光顔料である限り特に限定されるものではな
く、一般に比較的光透過性のよい有機系蛍光顔料、例え
ば、ナフトトリアゾール系、ベンズオキサゾール系等;
一般に光非透過性の無機系蛍光顔料、例えば、無機金属
塩系、ハロゲン化物系、硫化物系等;の各種の蛍光顔料
の中から任意に選択できる。なお、このような紫外線発
光蛍光顔料としては、波長250〜400nmの範囲内の紫外線
の照射により発光するものであることが好ましい。
【0022】上記有機系蛍光顔料としては、例えば、ジ
アミノスチルベンゼン、ウラニン、チオフラビン T、エ
オシン、ローダミン B、アクリジンオレンジの他、ジフ
ェニルメタン系、トリフェニルメタン系、キサンテン
系、チアジン系、チアゾール系染料を母体とする有機顔
料等が挙げられる。これらは1種もしくは2種以上の混
合物として使用することができる。
【0023】また無機系蛍光顔料としては、例えば、Y
23:Eu、Y(P,V)O4:Eu、Y23S:Eu、0.5Mg
2・3.5MgO・GeO2:Mn、YVO4:Eu及び(Y,Gd)B
3:Eu等の赤色発光無機系蛍光顔料;例えば、Zn2Ge
4:Mn、ZnO:Zn、ZnS:Cu、ZnS:(Cu,Al)、
(Zn,Cd)S:(Cu,Al)、ZnS:(Cu,Au,Al)、Zn2
iO4:Mn、ZnS:(Cu,Ag)、(Zn,Cd)S:Cu、Gd2
2S:Tb、La22S:Tb、Y2SiO5:(Ce,Tb)、CeM
gAl1119:Tb、ZnS:(Cu,Co)、LaOBr:(Tb,T
m)、La22S:Tb、BaMg2Al1627:(Eu,Mu)等の
緑色発光無機系蛍光顔料;例えば、Sr5(PO4)3Cl:E
u、BaMg2Al1627:Eu、BaMgAl1017:Eu、Zn
S:Ag、CaWO4、Y2SiO5:Ce、ZnS:(Ag,Ga,C
l)、Sr227:Eu、CaS:Bi、CaSrS:Bi等の青
色発光無機系蛍光顔料;などを挙げることができる。こ
れらの無機系蛍光顔料はそれぞれ同色系発光のものを単
独でもしくは2種以上を混合して、又は所望の色調に発
光させるため異色発光のものを2種以上混合して用いる
ことができる。
【0024】無機系蛍光顔料は、一般的に有機系蛍光顔
料に比べて耐光性、耐熱性、耐溶剤性等に優れているの
で、得られる紫外線発光性再帰反射シートを主として屋
外で使用するような場合には、無機系蛍光顔料を使用す
ることが好ましい。また無機系蛍光顔料の中でも、特に
紫外線発光時の発光強度が大きく、夜間の視認者に対し
て優れた視認性を与えるなどの利点から上記の緑色発光
無機系蛍光顔料、赤色発光無機系蛍光顔料、青色発光無
機系蛍光顔料の使用が好ましい。
【0025】また上記の無機系蛍光顔料の粒子径分布と
しては、顔料の樹脂成分への分散性のよさ、形成される
機能性樹脂層の平滑さやピンホール等の不良箇所の少な
さなどの観点から、粒子径25μm以下のものを80重量%
以上含有するような分布であることが好ましい。
【0026】本発明において、前記機能性顔料として蓄
光顔料を用いるときには、機能性樹脂層(7)は蓄光発光
性樹脂層となり視覚的機能性発現領域は蓄光発光領域と
なる。このような蓄光発光性樹脂層は、蓄光顔料と樹脂
成分とを含有してなるものであり、蓄光顔料の配合量
は、樹脂成分100重量部に対して、好ましくは100〜900
重量部、より好ましくは150〜800重量部、さらに好まし
くは200〜700重量部であるのがよい。蓄光顔料の配合量
が該下限値以上であれば充分な蓄光発光機能が得られ優
れた視認性が得られるので好ましく、また、該上限値以
下であれば形成された蓄光発光領域が硬くなり過ぎて脆
くなるなどの不都合が生ずることがなく、機械強度、柔
軟性等の特性が損なわれることがないので好ましい。
【0027】また本発明において、前記機能性顔料とし
て紫外線発光顔料を用いるときには、機能性樹脂層(7)
は紫外線発光性樹脂層となり視覚的機能性発現領域は紫
外線発光領域となる。このような紫外線発光性樹脂層
は、紫外線発光蛍光顔料と樹脂成分とを含有してなるも
のであり、紫外線発光蛍光顔料の配合量は、樹脂成分10
0重量部に対して、好ましくは10〜600重量部、より好ま
しくは50〜400重量部、さらに好ましくは100〜300重量
部であるのがよい。紫外線発光蛍光顔料の添加量が該下
限値以上であれば充分な紫外線発光機能が得られ優れた
視認性が得られるので好ましく、また、該上限値以下で
あれば形成された紫外線発光領域が硬くなり過ぎて脆く
なるなどの不都合が生ずることがなく、機械強度、柔軟
性等の特性が損なわれることがないので好ましい。
【0028】本発明における機能性樹脂層(7)に用いら
れる樹脂成分としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレ
タン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、
酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹
脂、ポリアミド系樹脂等を挙げることができ、耐候性、
加熱成形性等からアクリル系樹脂を用いるのが好まし
い。
【0029】また機能性樹脂層(7)は、機能性顔料及び
樹脂成分とともに、必要に応じて、例えば、イソシアネ
ート系架橋剤、メラミン系架橋剤、金属系架橋剤等の架
橋剤を含有させることができ、これにより樹脂成分を架
橋することができる。但し機能性樹脂層(7)は、少なく
とも結合部(3)の形成時には、加熱、加圧により部分的
に熱変形して、該基体シート(13)と透明保護フイルム
(6)とを部分的に接合する結合部(3)を形成しうるもので
あることが好ましく、このような熱変形が行える程度の
流動性を保持していることが好ましい。
【0030】機能性樹脂層(7)は、これらの他に、さら
に必要に応じて、セルロース誘導体、内部架橋型微小球
樹脂、各種着色剤、熱安定剤等の各種充填剤を含んでも
よい。機能性樹脂層(7)の厚さは、機能性発現領域とし
て作用するときの発光強度の大きさ等の機能性発現の顕
著さ、後記する結合部形成工程における熱変形性のよさ
などの観点から、通常、20〜200μm、好ましくは30〜15
0μm程度であるのが好ましい。
【0031】本発明に用いられる支持体(12)は、必ずし
も機能性樹脂層(7)のみである必要はなく、前記の図2
に示すように、必要に応じて機能性樹脂層(7)の背面に
補強層(11)が積層されていてもよい。
【0032】補強層(11)は、通常架橋された樹脂の層か
らなるものであり、用いられる樹脂成分としては、前記
機能性樹脂層(7)で使用可能なものの中から適宜選択し
て使用することができる。架橋のための架橋剤も機能性
樹脂層(7)で使用しうるものと同様のものを用いること
ができる。また補強層(11)には、必要に応じて、二酸化
チタンなどの白色顔料や炭酸カルシウム、クレイ等の体
質顔料、前記機能性樹脂層(7)に用いるものと同様の各
種充填剤などを含んでいてもよい。
【0033】補強層(11)の厚さは、得られる機能性再帰
反射シートの耐候性、機械的強度、熱変形部分の形状安
定性等の観点から、通常、10〜80μm、特に20〜60μmの
範囲内に設定するのが好都合である。
【0034】さらに本発明に用いられる支持体(12)は、
必要に応じて、機能性樹脂層(7)と補強層(11)との中間
に両層の接着性をより高めるための中間層を有していて
もよい。かくして本発明に用いられる支持体(12)全体の
厚さは、通常30〜250μm、好ましくは60〜200μm程度で
あるのが好ましい。
【0035】本発明において、再帰反射性微小球レン
ズ、すなわちほぼその半球面を金属蒸着膜(5)で覆われ
た再帰反射性を有する微小球レンズ(4)は、支持体の機
能性樹脂層(7)の表面上に、任意の形状、面積で部分的
に形成された微小球埋め込み層(8)中に、実質的に一層
に並ぶように、その金属蒸着膜で覆われたほぼ半球面を
埋設支持されており、その金属蒸着膜で覆われていない
ほぼ半球面を該微小球埋め込み層の上に露呈している。
【0036】上記微小球埋め込み層(8)の形成は、通
常、スクリーン印刷又はグラビア印刷によってなされ
る。得ようとする機能性再帰反射シートが枚様体である
ときには、一回の印刷で厚膜印刷が可能な平面スクリー
ン印刷方式が好都合であり、また機能性再帰反射シート
がロール状の連続体であるときには、ロータリースクリ
ーン印刷又はグラビア印刷などの連続印刷方式によるの
が好都合である。微小球埋め込み層(8)の形成面積は、
得られる機能性再帰反射シートの再帰反射性能と視覚的
機能性発現の強さとのバランスのよさの観点から、該微
小球埋め込み層(8)が形成される機能性樹脂層(7)の光入
射側の面積100%に対して15〜75%、好ましくは20〜60
%であるのがよい。
【0037】また微小球埋め込み層(8)は樹脂成分を主
体とする層であり、光透過性を有していてもよいが、必
要に応じて、機能性樹脂層(7)に用いたと同様の機能性
顔料その他の添加剤を含有させることもでき、また機能
性樹脂層(7)と同様、各種の架橋剤により樹脂成分を架
橋することもできる。但し微小球埋め込み層(8)もま
た、少なくとも結合部(3)の形成時には、機能性樹脂層
(7)とともに加熱、加圧により部分的に熱変形して、結
合部を形成しうる程度の流動性を保持していることが好
ましい。微小球埋め込み層(8)の厚さは、微小球レンズ
の保持性のよさ、結合部形成工程における熱変形性のよ
さなどの観点から、通常、10〜50μm、特に15〜40μmの
範囲内に設定するのが好都合である。
【0038】埋設支持させる微小球レンズ(4)は、特に
制限されるものではなく、平均粒子径が10〜100μm、好
ましくは、30〜80μm、さらに好ましくは、40〜70μmの
範囲が好適である。微小球レンズの屈折率は約1.9前後
であるのがよく、通常ガラスビーズが用いられる。
【0039】本発明において、前記基体シート(13)の微
小球レンズ(4)が露呈している側の表面の上方に設けら
れる透明保護フイルム(6)は、少なくとも20%以上、好
ましくは40%以上の全光線透過率を有し、ある程度の柔
軟性を有するものであればその材質には特に制限はな
く、例えば、アクリル系樹脂フィルム、フッ素系樹脂フ
ィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、塩化ビニル系樹
脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリエ
ステル系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム
などが挙げられる。
【0040】また透明保護フイルム(6)は未延伸のもの
であることが好ましい。これは、一軸又は多軸延伸した
フィルムは機械的強度は大きくなるものの、フィルム中
に歪が残り、得られる再帰反射シートの耐久性を損なう
ことがあるからである。透明保護フイルム(6)の厚さ
は、得られる機能性再帰反射シートの用途等に応じて広
い範囲にわたり変えることができるが、通常、20〜200
μm、好ましくは40〜150μm、特に好ましくは50〜100μ
mの範囲内に設定するのがよい。
【0041】本発明において、基体シート(13)及び透明
保護フイルム(6)を、再帰反射性微小球レンズの層と透
明保護フイルム(6)との間に空気層(10)を保持するよう
に部分的に接合する結合部(3)の形成方法は、特に限定
されたものではなく、例えば前記微小球埋め込み層(8)
の形成におけると同様、適宜の結合部形成用樹脂組成物
をスクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷手段により形
成することができる。
【0042】この場合、結合部形成用樹脂組成物は、樹
脂成分を主体とし光透過性を有していてもよいが、必要
に応じて、機能性樹脂層(7)に用いたと同様の機能性顔
料その他の添加剤を含有させることもでき、また機能性
樹脂層(7)と同様、各種の架橋剤により樹脂成分を架橋
することもできる。得られる結合部(3)の厚さは、微小
球レンズ(4)を完全に埋没させうる厚さであれば特に制
限されるものではなく、一般に10〜100μm、好ましく
は、30〜80μm、さらに好ましくは、40〜70μmの範囲内
とするのが好都合である。
【0043】また結合部(3)は、前記機能性樹脂層(7)、
又は該機能性樹脂層(7)及び機能性樹脂層上の微小球埋
め込み層(8)を、部分的に熱変形させて形成することも
できる。このように結合部(3)を形成するには、基体シ
ート(13)の背面側より凸状金型、例えばエンボスロール
等を用いて加熱し、この凸状金型と透明保護フイルム
(6)の側に対置した押さえ手段、例えばゴムロールとの
間で加圧する方法を例示することができる。
【0044】これらの結合部(3)形成方法のうち、透明
被覆フィルム(6)と基体シート(13)との接合に際して安
定した接着強度が得られること、設備が簡易であり運転
条件の管理が容易であることなどの理由により、熱変形
による方法を採用するのが好ましい。
【0045】形成される結合部の、透明保護フイルム
(6)と接合する部分の幅は、透明被覆フィルム(6)と基体
シート(13)との接着性や所定割合の再帰反射領域が確保
できれば特に限定されるものではないが、光入射側から
見て、一般に200〜1000μm、好ましくは250〜900μm、
特に好ましくは300〜800μm程度の範囲であるのがよ
い。
【0046】上記結合部(3)は、図1に示すように連続
線状に形成されると、該結合部(3)、透明保護フイルム
(6)及び基体シート(13)によって囲まれ、中に空気層(1
0)を有する密封小区画空室(カプセル)(9)が形成され
る。このようにすると、得られる機能性再帰反射シート
を屋外で長時間使用しても、カプセル内への雨水等の侵
入による再帰反射性及び蓄光発光性や紫外線発光性等の
視覚的機能性などの機能の低下が極めて少ないので好ま
しい。
【0047】上記のカプセルの大きさは、カプセルの形
成に伴なって生じ易い保護フィルム自体の変形を極力抑
制して、機能性再帰反射シートとしての表面平滑性を維
持すること、及び所望の形状に切断されて屋外で使用さ
れる場合に、端部の切断部から破壊されたカプセル内に
侵入するゴミ、ホコリ、雨水等を極力少なくすることな
どの理由から、光入射側から見て、一般に5〜140mm2、
好ましくは10〜120mm2、特に好ましくは15〜100mm2程度
の範囲であるのがよい。
【0048】また結合部(3)は、点状又は非連続線状に
形成することもできる。但しこの場合には、屋外での使
用に際して透明保護フイルム(6)と支持体との間の空隙
に雨水等の侵入を防止するため、得られる機能性再帰反
射シートを用途に即して所望の形状に切断加工した後、
その周辺部を適宜の手段によりシールすることが必要に
なる。このような場合には、機能性樹脂層(7)及び微小
球埋め込み層(8)を熱可塑性樹脂の層で形成して、使用
に際して周辺部を加熱溶融シールすることが好ましい。
【0049】かくして得られる本発明の機能性再帰反射
シートは、再帰反射性微小球レンズの層が埋設されてい
る微小球レンズ埋設領域のうち結合部が形成されていな
い部分であって、光入射側を空気層(10)を介して透明保
護フイルム(6)で覆われている再帰反射領域(2)と、結合
部(3)及び微小球レンズ非埋設領域からなる視覚的機能
性発現領域(1)−蓄光発光領域又は紫外線発光領域−と
からなっている。結合部(3)が図1に示すように連続線
状に形成される、カプセルレンズ型機能性再帰反射シー
トの場合には、カプセル(9)中に微小球レンズ(4)の層が
封入されている部分が再帰反射領域(2)を構成し、カプ
セル(9)の残りの部分及び結合部(3)が視覚的機能性発現
領域(1)を構成している。
【0050】本発明の機能性再帰反射シートにおいて、
再帰反射領域(2)の面積と視覚的機能性発現領域(1)の面
積の割合は、発現される機能により、すなわち蓄光発光
又は紫外線発光などの機能性の違いにより必ずしも同じ
ものとして規定することはできないが、一般に再帰反射
性能及び機能発現性(例えば発光強度)のバランスのよ
さ等の観点から、該再帰反射シートの光入射側表面の面
積100%に対して、再帰反射領域(2)の面積が、通常は10
〜70%、好ましくは15〜50%であり、視覚的機能性発現
領域(1)の面積が、通常は30〜90%、好ましくは50〜85
%であるのがよい。
【0051】そして、上記視覚的機能性発現領域(1)が
蓄光発光領域である場合には、再帰反射シートの光入射
側表面の面積100%に対して、再帰反射領域の面積の割
合が、一般に10〜50%、好ましくは15〜40%の範囲内で
あり、蓄光発光領域の面積の割合が90〜50%、好ましく
は85〜60%の範囲内である。また該視覚的機能性発現領
域(1)が紫外線発光領域である場合には、再帰反射領域
の面積の割合が10〜70%、さらには15〜60%、特には30
〜50%の範囲内であり、紫外線発光領域の面積の割合が
10〜90%、さらには30〜85%、特には40〜70%の範囲内
であるのがよい。
【0052】図3は、本発明の機能性再帰反射シートの
製造方法の流れを表わす模式断面図である。
【0053】図3(a)は、本発明方法における工程(a)、
すなわち仮支持体(16)への微小球レンズの埋め込みによ
る微小球レンズ仮支持シート作成工程を表わしている。
この工程に使用する仮支持体(16)は、微小球レンズ(4)
を埋設支持する微小球レンズ仮埋設層(14)とこの層を支
持する背面層(15)からなっており、微小球レンズを埋設
支持する機能を有するものであれば特に限定されるもの
ではないが、従来より公知の微小球レンズ仮埋設層(14)
としてポリエチレンフィルムを用い、背面層(15)に紙を
用いたポリエチレンラミネート紙が最も好ましく用いら
れる。
【0054】具体的には、例えば約110℃に加熱したポ
リエチレンラミネート紙(16)上に、微小球レンズである
ガラスビーズ(4)を密に且つ、実質的に単層となるよう
に散布し、ニップロール等を用いてポリエチレンフィル
ム(14)中にガラスビーズ(4)をその直径の約1/3〜1/2が
埋め込まれるように押し込む。かくしてガラスビーズ
(微小球レンズ)仮支持シート(17)が得られる。
【0055】図3(b)は、本発明方法における工程(b)、
すなわち金属蒸着工程を表わしている。この工程では、
微小球レンズ仮支持シート(17)の微小球レンズ(4)付着
面側に、光反射性要素としてアルミニウムなどの金属を
真空蒸着法等を用いて蒸着させて金属蒸着膜(5)を形成
させる。この工程に使用される金属は、真空蒸着可能な
金属であれば特に制限されるものではないが、従来より
再帰反射シートに使用され、安価で入手が容易なアルミ
ニウムの使用が最も好ましい。
【0056】図3(c)は、本発明方法における工程(c)、
すなわち支持体(12)を形成し、次いでその上に微小球埋
め込み層(8)を形成する工程である。
【0057】さらに具体的に説明すると、支持体(12)
は、例えば、表面をシリコーン樹脂系剥離処理剤で離型
処理したポリエチレンテレフタレートフィルム等の工程
フィルム(18)上に、水酸基含有アクリル系樹脂等の架橋
可能な樹脂成分とイソシアネート系架橋剤等の架橋剤を
含有する補強層形成用樹脂組成物を塗布し乾燥して補強
層(11)を形成し、この補強層(11)の上に、直接、蓄光顔
料又は紫外線発光蛍光顔料等の機能性顔料とアクリル系
樹脂等の樹脂成分とを含有する機能性樹脂層形成用組成
物を塗布して乾燥するか、又は、別の工程フィルム上に
該機能性樹脂層形成用組成物を塗布し乾燥して得られた
機能性樹脂層(7)を、補強層(11)の上に積層することに
より機能性樹脂層(7)と補強層(11)とが積層された支持
体(12)を形成する。
【0058】次いでこの支持体(12)上に、例えばグラビ
アロール(19)を用いてアクリル系樹脂等の樹脂成分を主
体とする微小球埋め込み層形成用樹脂組成物を所望の形
状に印刷し、乾燥して微小球埋め込み層(8)を形成す
る。かくして微小球埋め込み層(8)を有する本発明に用
いる支持体(12)が形成される。
【0059】図3(d)は、本発明方法における工程(d)、
すなわち微小球レンズ埋め込み工程である。工程(c)で
得られた微小球埋め込み層(8)を有する支持体(12)の微
小球埋め込み層(8)が、工程(a)で作成された微小球レン
ズ仮支持シート(17)上に突出している金属蒸着膜(5)を
有する側の微小球レンズ(4)表面と接するように、支持
体(12)と微小球レンズ仮支持シート(17)とを重ね合わ
せ、必要に応じて加熱して微小球埋め込み層(8)を軟化
させながら、ニップロール等を用いて加圧積層し、金属
蒸着膜(5)を有する側の微小球レンズ(4)のほぼ半球面
が、すなわちその直径の約1/6〜1/2程度が微小球埋め込
み層(8)中に埋まり込むようにして押し込む。この時、
微小球レンズ仮支持シート(17)上の微小球レンズ(4)の
間にある金属蒸着膜が、微小球埋め込み層(8)表面に直
接接触して、該金属蒸着膜が微小球埋め込み層(8)表面
に転着しないようにするのがよい。
【0060】具体的には、上記の積層に際して、微小球
レンズ仮支持シート(17)と微小球埋め込み層(8)との間
に間隙を空けるように積層する方法;金属蒸着した微小
球レンズ仮支持シート(17)の微小球レンズ埋設側表面
に、微小球埋め込み層(8)との積層に先立って、微小球
レンズ(4)の間にある金属蒸着膜が微小球埋め込み層(8)
表面に転着するのを防止するような薄膜、例えば、シラ
ン系カップリング剤などを含むアクリル系樹脂等の樹脂
薄層を形成する方法;等を挙げることができる。
【0061】図3(e)は、本発明方法における工程(e)、
すなわち仮支持体剥離工程である。この工程では、この
技術分野で公知の方法により工程(d)で得られた積層物
から仮支持体(16)を剥離して、微小球レンズ(4)の金属
蒸着膜(5)を有する側のほぼ半球部分が機能性樹脂層(7)
上に形成されている微小球埋め込み層(8)にのみ埋め込
まれ、微小球レンズ(4)の金属蒸着膜(5)を有しない側の
ほぼ半球面が突出している微小球レンズ埋設領域と、微
小球レンズが埋め込まれていない微小球レンズ非埋設領
域とを併せ持つ基体シート(13)が形成される。
【0062】図3(f)は、本発明方法における工程(f)、
すなわち結合部形成工程である。工程(e)で得られた上
記基体シート(13)の微小球レンズ埋設側に、透明保護フ
イルム(6)を重ねて置き、基体シート(13)の背面、すな
わち本図3(f)では基体シート(13)の補強層(11)の側よ
り凸状金型、例えばエンボスロール(20)等を用いて加熱
し、この凸状金型と透明保護フイルム(6)の側に対置し
た押さえ手段、例えばゴムロール(21)との間で加圧し
て、該基体シート(13)上の機能性樹脂層(7)、又は該機
能性樹脂層(7)及び機能性樹脂層上の微小球埋め込み層
(8)を部分的に熱変形させて、該基体シート(13)と透明
保護フイルム(6)とを部分的に接合する結合部(3)を形成
する。
【0063】
【実施例】
【0064】以下、実施例により本発明をさらに具体的
に説明する。なお、再帰反射性能、蓄光発光性再帰反射
シートの残光輝度及び視認性評価、並びに、紫外線発光
性再帰反射シートの紫外線発光輝度及び視認性評価の測
定と評価は、以下の方法により行った。
【0065】(1) 再帰反射性能 再帰反射性能測定器として、アドバンスト・レトロ・テ
クノロジー社(Advanced Retro Technology, INC.)製
「モデル(MODEL)920」を用い、100mm×100mmの夜光性
再帰反射シートの試料の再帰反射光量をJIS Z 9117に準
じて、観測角0.2゜、入射角5゜により適宜の5点につい
て測定して、その平均値をもって再帰反射性能の値とし
た。
【0066】(2) 蓄光発光性再帰反射シートの残光輝度 100mm×100mmの蓄光発光性再帰反射シートの試料を暗中
に12時間放置した後、D65常用光源を用いて受光強度10
00Lxで30分間照射し、次いで暗中に10分間放置後、該試
料より約30cmの距離から輝度計〔ミノルタカメラ(株)
製「LS-100」〕を用いて蓄光発光領域表面の適宜の場所
5点について約5mmφの残光量を測定し、次式に従って
蓄光発光性再帰反射シートの残光輝度を決定した。 残光輝度(mcd/m2)=蓄光発光領域平均残光量×蓄光
発光領域の面積占有率(%)÷100
【0067】(3) 蓄光発光性再帰反射シートの視認性評
価 300mm×300mmのアルミニウム板に、表示部として蓄光発
光性再帰反射シートの切り文字「N」を用い、背景部と
してカプセルレンズ型再帰反射シート〔「ニッカライト
ULS F806」(青)、ニッカポリマ(株)製〕を用いて試
験片を作成し、この試験片を暗中に12時間放置した後、
D65常用光源を用いて受光強度1000Lxで30分間照射し、
次いで暗中に8時間放置後、試験片から約30m離れた地
点での暗中において、18〜50歳の男女20名により視認性
評価を実施した。評価は下記の基準に従って行い、平均
値をもって視認性評価の値とした。
【0068】 5:極めて明瞭に視認できる 4:普通に視認できる 3:辛うじて文字が視認できる 2:ぼんやり見える(殆ど文字は視認できない) 1:全く見えない
【0069】(4) 紫外線発光性再帰反射シートの紫外線
発光輝度 10Wの紫外線発光蛍光ランプ4本を組み込み、前面に可
視光カットフィルターを付けた、主波長が360nm付近に
あり波長範囲が300〜420nmの近紫外線を放射する紫外線
発光装置を用い、100mm×100mmの試料の上方から紫外線
発光領域の表面における受光強度が0.88mW/cm2となる
ように照射し、試料の真上約30cmの距離から輝度計〔ミ
ノルタカメラ(株)製「LS-100」〕を用いて紫外線発光
領域表面の適宜の場所5点について約5mmφの発光輝度
を測定し、次のように紫外線発光性再帰反射シートの平
均紫外線発光輝度を決定した。
【0070】紫外線発光性再帰反射シートの平均紫外線
発光輝度輝度(cd/m2)=紫外線発光領域の平均紫外線
発光輝度×紫外線発光領域の面積割合(%)÷100
【0071】(5) 紫外線発光性再帰反射シートの視認性
評価 2200mm×2700mmのアルミニウム板に、表示部として紫外
線発光性再帰反射シートの切り文字を用い、背景部とし
てカプセルレンズ型再帰反射シート〔「ニッカライト U
LS F806」(青)、ニッカポリマ(株)製〕を用いて案内
板を作成し、地上から案内板の下端までの距離が約4m
となり、板面がほぼ鉛直になるように設置した。案内板
の幅方向中央部の真下の地点から、案内板面に対して45
゜の方向で5m離れた位置に投光型の400W高圧水銀ランプ
を設置し、案内板全面に紫外線が照射されるように調整
した。
【0072】案内板の幅方向中央部真下の地点から、案
内板面に対して直角方向に約50m離れた地点の案内板に
向かって右側5mの位置から、18〜50歳の男女20名によ
り夜間視認性評価を実施した。評価は下記の基準に従っ
て行い、平均値をもって視認性評価の値とした。
【0073】 5:極めて明瞭に視認できる 4:普通に視認できる 3:辛うじて文字が視認できる 2:ぼんやり見える(殆ど文字は視認できない) 1:全く見えない
【0074】実施例1 厚さ約20μmのポリエチレン(PE)層を紙にラミネート
した仮支持体を約105℃に加熱し、この上に平均粒子径
約65μm、屈折率約1.91のガラスビーズを均一に且つ密
に単層で分散させた後、ニップロールにより加圧してガ
ラスビーズをその直径の約1/3だけPE中に埋め込んで、
ガラスビーズ仮支持シートを形成した。次いでガラスビ
ーズ仮支持シートのガラスビーズが露呈している面にア
ルミニウムを真空蒸着して、ガラスビーズのほぼ半球面
に厚さ約0.1μmの真空蒸着膜を形成した。
【0075】次に、シリコーン樹脂により剥離処理を施
した厚さ約20μmのポリエチレンテレフタレート(PET)
工程フイルム上に、アクリル系樹脂溶液〔メチルメタク
リレート(MMA)20重量%、エチルメタクリレート(E
A)65重量%、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEM
A)15重量%を共重合させた固形分50重量%のアクリル
系樹脂のメチルイソブチルケトン(MIBK)/トルエン
(1/1)溶液〕100重量部、ルチル型二酸化チタン21.
5重量部、及び固形分75重量%のヘキサメチレンジイソ
シアネート(HMDI)系架橋剤〔1-メトキシプロピルアセ
テート-2/キシレン(1/1)溶液〕14.2重量部の混合
溶液を塗布・乾燥して厚さ約30μmの補強層を形成し
た。
【0076】さらに、この補強層の上に、上記とは異な
るアクリル系樹脂溶液〔MMA 40重量%、EA 55重量%、H
EMA 5重量%を共重合させた固形分50重量%のアクリル
系樹脂のMIBK/トルエン(1/1)溶液〕100重量部と
無機酸化物系蓄光顔料〔「N-夜光」、根本特殊化学
(株)製〕120重量部とを混合して得られる蓄光発光性樹
脂組成物を塗布、乾燥して厚さ約250μmの蓄光発光性樹
脂層を形成することにより、補強層/蓄光発光性樹脂層
積層型の支持体を得た。
【0077】この支持体の蓄光発光性樹脂層側表面に、
アクリル系樹脂溶液〔MMA 34重量%、EA 66重量%を共
重合させた固形分50重量%のアクリル系樹脂〕をロータ
リースクリーンを用いて水玉模様を印刷し、乾燥厚さ約
30μmのガラスビーズ埋め込み層を作成した。得られた
支持体のガラスビーズ埋め込み層は、蓄光発光性樹脂層
の光入射側表面の面積100%に対して約35%であった。
【0078】次に上記の支持体のガラスビーズ埋め込み
層側と、先に作成したガラスビーズ仮支持シート上の金
属蒸着されたガラスビーズ側とが互いに向き合うように
重ね合わせ、75℃に加熱しながら加圧してガラスビーズ
の直径の約1/3を該支持体のガラスビーズ埋め込み層に
埋め込んだ。次いで、このガラスビーズ仮支持シート/
支持体積層物から仮支持体を引き剥がして、ガラスビー
ズの金属蒸着膜を有しない側のほぼ半球面がその表面上
に露呈しているガラスビーズ埋設領域と、ガラスビーズ
が埋設されていないガラスビーズ非埋設領域とが水玉模
様の外観を呈している基体シートを得た。
【0079】この基体シートを35℃で14日間熟成して、
補強層の架橋を実質的に完結させた後、基体シートのガ
ラスビーズが転写されている側の表面上に、透明保護フ
イルムとして厚さ約50μmのアクリル系樹脂フイルム
〔「アクリプレン」、三菱レイヨン(株)製〕を重ね合
わせ、線幅1.3mmの網目状凸彫刻を施した表面温度約190
℃の金属エンボスロールと表面温度約60℃のゴムロール
の間を、透明保護フイルムがゴムロール側と接触するよ
うに通過させながら、金属エンボスロールをPET工程フ
イルム側から押圧して基体シートを部分的に熱溶融変形
させて、該基体シートと透明保護フイルムを接着固定さ
せて再帰反射領域と蓄光発光領域とからなるカプセルレ
ンズ型構造の蓄光発光性再帰反射シートを完成させた。
【0080】得られた蓄光発光性再帰反射シートは、図
1に示すような外観を有しており、該再帰反射シートの
光入射側表面の面積100%に対して、再帰反射領域の面
積が約29%、蓄光発光領域の面積が約71%であり、再帰
反射性能が107cd/Lx・m2、残光輝度は64mcd/m2、蓄光
発光性再帰反射シートとしての視認性評価は4であり夜
間等において優れた視認性を有するものであった。
【0081】実施例2 実施例1において、アクリル系樹脂溶液〔MMA/EA/HEM
A=40/55/5(重量%)の共重合体;固形分50重量%〕
100重量部と蓄光顔料〔「N-夜光」、根本特殊化学(株)
製〕120重量部とを混合して得られる蓄光発光性樹脂組
成物を塗布、乾燥して厚さ約250μmの蓄光発光性樹脂層
を形成する代わりに、同様のアクリル系樹脂溶液100重
量部と紫外線発光無機酸化物系蛍光顔料〔「オーロレイ
ンボー A-160」(緑色)、根本特殊化学(株)製〕120重
量部を混合して得られる紫外線発光性樹脂組成物を塗
布、乾燥して厚さ約100μmの紫外線発光性樹脂層を形成
する以外は実施例1とほぼ同様にして、補強層/紫外線
発光性樹脂層積層型の支持体を得、実施例1と同様の樹
脂組成物をグラビアロールを用いて水玉模様を印刷し乾
燥して、乾燥厚さ約10μmのガラスビーズ埋め込み層を
作成した。得られた支持体のガラスビーズ埋め込み層
は、蓄光発光性樹脂層の光入射側表面の面積100%に対
して約42%であった。
【0082】以下実施例1と同様にして、ガラスビーズ
の金属蒸着膜を有しない側のほぼ半球面がその表面上に
露呈しているガラスビーズ埋設領域と、ガラスビーズが
埋設されていないガラスビーズ非埋設領域とが水玉模様
の外観を呈している基体シートを得た。この基体シート
を室温で20日間熟成して、補強層の架橋を実質的に完結
させた後、実施例1とほぼ同様にして、再帰反射領域と
紫外線発光領域とからなるカプセルレンズ型構造の紫外
線発光性再帰反射シートを完成させた。
【0083】得られた紫外線発光性再帰反射シートは、
該再帰反射シートの光入射側表面の面積100%に対し
て、再帰反射領域の面積が約35%、紫外線発光領域の面
積が約65%であり、表1に示すとおり夜間等において優
れた視認性を有するものであった。
【0084】実施例3 実施例2において、紫外線発光無機系蛍光顔料〔「オー
ロレインボー A-160」(緑色)、根本特殊化学(株)
製〕120重量部用いる代わりに、赤色発光無機系蛍光顔
料〔「A-120」、根本特殊化学(株)製〕120重量部を用
いた以外は実施例2と同様にして、補強層/紫外線発光
性樹脂層積層型の支持体を得、実施例1と同様の樹脂組
成物をグラビアロールを用いて水玉模様を印刷し乾燥し
て、乾燥厚さ約10μmのガラスビーズ埋め込み層を作成
した。得られた支持体のガラスビーズ埋め込み層は、蓄
光発光性樹脂層の光入射側表面の面積100%に対して約4
0%であった。
【0085】以下実施例2と同様にして、ガラスビーズ
の金属蒸着膜を有しない側のほぼ半球面がその表面上に
露呈しているガラスビーズ埋設領域と、ガラスビーズが
埋設されていないガラスビーズ非埋設領域とが水玉模様
の外観を呈している基体シートを得た。この基体シート
を室温で20日間熟成して、補強層の架橋を実質的に完結
させた後、実施例2とほぼ同様にして、再帰反射領域と
紫外線発光領域とからなるカプセルレンズ型構造の紫外
線発光性再帰反射シートを完成させた。
【0086】得られた紫外線発光性再帰反射シートは、
該再帰反射シートの光入射側表面の面積100%に対し
て、再帰反射領域の面積が約33%、紫外線発光領域の面
積が約67%であり、表1に示すとおり夜間等において優
れた視認性を有するものであった。
【0087】実施例4 実施例2において、緑色発光無機系蛍光顔料120重量部
用いる代わりに、青色発光無機系蛍光顔料〔「A-18
0」、根本特殊化学(株)製〕120重量部を用いた以外は
実施例2と同様にして、補強層/紫外線発光性樹脂層積
層型の支持体を得、実施例1と同様の樹脂組成物をグラ
ビアロールを用いて水玉模様を印刷し乾燥して、乾燥厚
さ約10μmのガラスビーズ埋め込み層を作成した。得ら
れた支持体のガラスビーズ埋め込み層は、蓄光発光性樹
脂層の光入射側表面の面積100%に対して約42%であっ
た。
【0088】以下実施例2と同様にして、ガラスビーズ
の金属蒸着膜を有しない側のほぼ半球面がその表面上に
露呈しているガラスビーズ埋設領域と、ガラスビーズが
埋設されていないガラスビーズ非埋設領域とが水玉模様
の外観を呈している基体シートを得た。この基体シート
を室温で20日間熟成して、補強層の架橋を実質的に完結
させた後、実施例2とほぼ同様にして、再帰反射領域と
紫外線発光領域とからなるカプセルレンズ型構造の紫外
線発光性再帰反射シートを完成させた。
【0089】得られた紫外線発光性再帰反射シートは、
該再帰反射シートの光入射側表面の面積100%に対し
て、再帰反射領域の面積が約35%、紫外線発光領域の面
積が約65%であり、表1に示すとおり夜間等において優
れた視認性を有するものであった。
【0090】
【表1】
【0091】
【発明の効果】本発明の機能性再帰反射シートは、機能
性顔料を含有する機能性樹脂層を必須構成成分とする支
持体、該機能性樹脂層表面上に任意の形状、面積で部分
的に形成された微小球埋め込み層、及び、該微小球埋め
込み層中に埋設支持された再帰反射性微小球レンズから
なる基体シート、該基体シートの微小球レンズ側の表面
の上方に設けられた透明保護フイルム、並びに、該基体
シート及び透明保護フイルムを部分的に接合する結合部
からなることを特徴とする、再帰反射領域と視覚的機能
性発現領域とを有する機能性再帰反射シートである。
【0092】このように構成することにより本発明の機
能性再帰反射シートは、日中、太陽光等の光を反射し優
れた視認性を示すことはもちろん、夜間においても再帰
反射領域が、例えば自動車のヘッドライト等の光源より
の光を光源方向に向けて再帰反射し、自動車の運転者等
の光源方向の視認者に対し優れた視認性を提供するよう
機能する。また視覚的機能性発現領域が蓄光発光領域で
ある場合には、日中の太陽光、また夜間の蛍光灯、自動
車のヘッドライト等の照明の光を蓄光し、たとえ光源が
全くなった暗闇においても徐々に光を放出発光し、運転
者や歩行者等に対して優れた夜光性、夜間視認性を提供
する。
【0093】さらに視覚的機能性発現領域が紫外線発光
領域の場合には、この領域が紫外線を受光することによ
り発光して、夜間の光源方向とは異なる方向に位置する
視認者に対しても優れた視認性を発揮することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な態様であるカプセルレンズ型機
能性再帰反射シートを光入射側から見た平面模式図の一
例である。
【図2】図1のA−Aにおける断面模式図である。
【図3】本発明の機能性再帰反射シートの製造方法の流
れを表わす模式断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・視覚的機能性発現領域 2・・・・・・再帰反射領域 3・・・・・・結合部 4・・・・・・微小球レンズ 5・・・・・・金属蒸着膜 6・・・・・・透明保護フイルム 7・・・・・・機能性樹脂層 8・・・・・・微小球埋め込み層 9・・・・・・密封小区画空室(カプセル) 10・・・・・・空気層 11・・・・・・補強層 12・・・・・・支持体 13・・・・・・基体シート 14・・・・・・微小球レンズ 15・・・・・・背面層 16・・・・・・仮支持体 17・・・・・・微小球レンズ仮支持シート 18・・・・・・工程フィルム 19・・・・・・グラビアロール 20・・・・・・エンボスロール 21・・・・・・ゴムロール
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−160615(JP,A) 特開 平5−173008(JP,A) 特開 平7−261008(JP,A) 特開 平2−196653(JP,A) 特開 平8−129351(JP,A) 特開 平7−35911(JP,A) 特開 平5−113502(JP,A) 特開 平7−218708(JP,A) 特開 平2−115890(JP,A) 特開 昭62−121043(JP,A) 特開 昭57−189839(JP,A) 特開 昭60−194405(JP,A) 特開 昭60−67902(JP,A) 特開 昭62−121047(JP,A) 特開 昭60−205501(JP,A) 実開 昭53−23303(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/128

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】視覚的機能性を発現する機能性顔料と樹脂
    成分とを含有する機能性樹脂層を必須構成成分とする支
    持体、該機能性樹脂層表面上にスクリーン印刷又はグラ
    ビア印刷によって機能性樹脂層の面積の15〜75%と
    なる任意の形状で部分的に形成された微小球埋め込み
    層、 及び、該微小球埋め込み層中に、実質的に一層に並ぶよ
    うに、その金属蒸着膜で覆われたほぼ半球面を埋設支持
    され、且つその金属蒸着膜で覆われていないほぼ半球面
    を該微小球埋め込み層の上に露呈している微小球レンズ
    からなる基体シート、該基体シートの微小球レンズが露
    呈している側の表面の上方に設けられた透明保護フイル
    ム、並びに、該基体シート及び透明保護フイルムを、微
    小球レンズの層と透明保護フイルムとの間に空気層を保
    持するように部分的に接合する結合部からなり、微小球
    レンズが埋設されている領域のうち結合部が形成されて
    いない部分からなる再帰反射領域と、機能性樹脂層の透
    明保護フイルムが設けられている側の表面のうち少なく
    とも微小球が埋設されていない部分からなる視覚的機能
    性発現領域により構成されることを特徴とする機能性再
    帰反射シート。
  2. 【請求項2】結合部が連続線状に形成され、基体シー
    ト、透明保護フイルムとともに多数の密封小区画空室を
    形成している請求項1に記載の機能性再帰反射シート。
  3. 【請求項3】結合部が、機能性樹脂層又は、機能性樹脂
    層及び該機能性樹脂層上にある微小球埋め込み層を部分
    的に熱変形させて形成されたものである請求項1に記載
    の機能性再帰反射シート。
  4. 【請求項4】再帰反射領域の面積及び視覚的機能性発現
    領域の面積の割合が、再帰反射シートの光入射側表面の
    面積100%に対して、それぞれ10〜60%及び40
    〜90%である請求項1に記載の機能性再帰反射シー
    ト。
  5. 【請求項5】機能性顔料が蓄光顔料であり、機能性樹脂
    層が蓄光発光性樹脂層であり、視覚的機能性発現領域が
    蓄光発光領域である請求項1に記載の機能性再帰反射シ
    ート。
  6. 【請求項6】蓄光顔料が酸化物系蓄光顔料である請求項
    5に記載の機能性再帰反射シート。
  7. 【請求項7】蓄光顔料が一般式MAl2O4(式中、M
    は少なくとも1種のアルカリ土類金属を表わす)で表わ
    される金属酸化物を母結晶とし、賦活剤として希土類金
    属原子を1×10―6〜0.2の割合(但し金属M原子
    と希土類金属原子との合計原子数を1とする)で含有し
    てなる酸化物系蓄光顔料である請求項6に記載の機能性
    再帰反射シート。
  8. 【請求項8】アルカリ土類金属がCa、Ba及びSrか
    らなる群から選ばれる少なくとも1種の金属である請求
    項7に記載の機能性再帰反射シート。
  9. 【請求項9】希土類金属がSc、Y、La、Ce、P
    r、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
    r、Tm、Yb及びLuからなる群から選ばれる少なく
    とも1種の金属である請求項7に記載の機能性再帰反射
    シート。
  10. 【請求項10】蓄光顔料がさらに必要に応じて共賦活剤
    としてMn、Sn及びBiからなる群から選ばれる少な
    くとも1種の金属を1×10―6〜0.2の割合(但し
    金属M原子、希土類金属原子及び共賦活剤金属の合計原
    子数を1とする)で含有してなる酸化物系蓄光顔料であ
    る請求項7に記載の機能性再帰反射シート。
  11. 【請求項11】蓄光発光性樹脂層が、樹脂成分100重
    量部に対し蓄光顔料を100〜900重量部含有する請
    求項5に記載の機能性再帰反射シート。
  12. 【請求項12】機能性顔料が紫外線発光蛍光顔料であ
    り、機能性樹脂層が紫外線発光性樹脂層であり、視覚的
    機能性発現領域が紫外線発光領域である請求項1に記載
    の機能性再帰反射シート。
  13. 【請求項13】紫外線発光蛍光顔料が無機系蛍光顔料で
    ある請求項12に記載の機能性再帰反射シート。
  14. 【請求項14】紫外線発光蛍光顔料が赤色発光無機系蛍
    光顔料、緑色発光無機系蛍光顔料及び青色発光無機系蛍
    光顔料から選ばれる少なくとも1種を含有してなる無機
    系蛍光顔料である請求項13に記載の機能性再帰反射シ
    ート。
  15. 【請求項15】赤色発光無機系蛍光顔料がY:E
    u、Y(P,V)O:Eu、YS:Eu、0.
    5MgF・3.5MgO・GeO:Mn、YV
    :Eu及び(Y,Gd)BO:Euからなる群よ
    り選ばれる少なくとも1種である請求項14に記載の機
    能性再帰反射シート。
  16. 【請求項16】緑色発光無機系蛍光顔料がZnGeO
    :Mn、ZnO:Zn、ZnS:Cu、ZnS:(C
    u,Al)、(Zn,Cd)S:(Cu,Al)、Zn
    S:(Cu,Au,Al)、ZnSiO:Mn、Z
    nS:(Cu,Ag)、(Zn,Cd)S:Cu、Gd
    S:Tb、LaS:Tb、YSiO
    (Ce,Tb)、CeMgAl1119:Tb、Zn
    S:(Cu,Co)、LaOBr:(Tb,Tm)、L
    S:Tb及びBaMgAl1627:(E
    u,Mu)からなる群より選ばれる少なくとも1種であ
    る請求項14に記載の機能性再帰反射シート。
  17. 【請求項17】青色発光無機系蛍光顔料がSr(PO
    4)Cl:Eu、BaMgAl1627:Eu、
    BaMgAl1017:Eu、ZnS:Ag、CaW
    、YSiO:Ce、ZnS:(Ag,Ga,C
    l)、Sr:Eu、CaS:Bi及びCaS
    rS:Biからなる群より選ばれる少なくとも1種であ
    る請求項14に記載の機能性再帰反射シート。
  18. 【請求項18】無機系蛍光顔料が粒子径25μm以下の
    ものを80重量%以上含有する粒子径分布を有するもの
    である請求項13又は14に記載の機能性再帰反射シー
    ト。
  19. 【請求項19】紫外線発光蛍光顔料が波長250〜40
    0nmの範囲内の紫外線の照射により発光するものであ
    る請求項12に記載の機能性再帰反射シート。
  20. 【請求項20】紫外線発光性樹脂層が、樹脂成分100
    重量部に対し紫外線発光蛍光顔料を10〜600重量部
    含有する請求項12に記載の機能性再帰反射シート。
  21. 【請求項21】樹脂成分が、アクリル系樹脂、ウレタン
    系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂及びフ
    ッ素系樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹
    脂を主成分として含有してなるものである請求項1、1
    1又は20に記載の機能性再帰反射シート。
  22. 【請求項22】下記工程(a)〜(f)、 (a)微小球レンズを仮に埋設支持することが可能な樹
    脂層を有する仮支持体に、多数の微小球レンズを密に、
    且つ実質的に一層となるようにそのほぼ半球面を埋設支
    持して、微小球レンズ仮支持シートを作成し、 (b)この微小球レンズ仮支持シートの微小球レンズが
    埋設されている側の表面上に金属蒸着を施して、該微小
    球レンズの仮支持体上に突出したほぼ半球面に金属蒸着
    膜を形成し、 (c)別に機能性顔料と樹脂成分とを含有する機能性樹
    脂層を有する支持体を作成し、その機能性樹脂層上に
    クリーン印刷又はグラビア印刷によって機能性樹脂層の
    面積の15〜75%となる微小球埋め込み層を任意の形
    状で部分的に形成し、 (d)該機能性樹脂層上の微小球埋め込み層が、前記仮
    支持体上に突出している金属蒸着膜を有する側の微小球
    レンズ表面と接するように、支持体と微小球レンズ仮支
    持シートとを重ね合わせて加圧積層し、微小球埋め込み
    層中に該微小球レンズの金属蒸着膜を有するほぼ半球面
    を埋設し、 (e)次いでこの積層物より仮支持体を剥離することに
    より微小球レンズを機能性樹脂層上の微小球埋め込み層
    に転写し、 (f)得られた、微小球レンズが埋め込まれ、その金属
    蒸着膜を有しない側のほぼ半球面が突出している微小球
    レンズ埋設領域と、微小球レンズが埋め込まれていない
    微小球レンズ非埋設領域とを併せ持つ基体シートの、微
    小球レンズ埋設側に透明保護フイルムを重ねて置き、基
    体シートの背面より凸状金型を用いて加熱、加圧下で該
    基体シート上の機能性樹脂層、又は、該機能性樹脂層及
    び機能性樹脂層上にある微小球埋め込み層を部分的に熱
    変形させて、該基体シートと透明保護フイルムとを部分
    的に接合する結合部を形成して、微小球レンズ埋設領域
    のうち結合部が形成されていない部分であって、光入射
    側を空気層を介して透明保護フイルムで覆われている再
    帰反射領域と、結合部及び微小球レンズ非埋設領域から
    なる視覚的機能性発現領域とを形成する、からなること
    を特徴とする機能性再帰反射シートの製造方法。
  23. 【請求項23】結合部を連続線状に形成して、基体シー
    ト、透明保護フイルムとともに多数の密封小区画空室を
    形成する請求項22に記載の製造方法。
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