JP3472802B2 - サイアロン焼結体の製造法 - Google Patents
サイアロン焼結体の製造法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車エンジ
ン、化学プラント、切削工具、精密機械等の分野におい
て利用されるサイアロン焼結体の製造法に関するもので
ある。
ン、化学プラント、切削工具、精密機械等の分野におい
て利用されるサイアロン焼結体の製造法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】サイアロンは、窒化ケイ素の固溶体であ
り、耐摩耗性や耐食性に優れた材料である。特に、α−
型窒化ケイ素の固溶体であるα−サイアロンは硬度が高
く耐摩耗性材料として優れている。α−型窒化ケイ素に
固溶してその構造を安定化する金属は、Li,Mg,C
a,Y,ランタニド金属(LaとCeを除く)が知ら
れ、α−型窒化ケイ素の単位格子内に2個存在する大き
な空孔の一部に侵入型固溶する。
り、耐摩耗性や耐食性に優れた材料である。特に、α−
型窒化ケイ素の固溶体であるα−サイアロンは硬度が高
く耐摩耗性材料として優れている。α−型窒化ケイ素に
固溶してその構造を安定化する金属は、Li,Mg,C
a,Y,ランタニド金属(LaとCeを除く)が知ら
れ、α−型窒化ケイ素の単位格子内に2個存在する大き
な空孔の一部に侵入型固溶する。
【0003】Yを固溶したα−サイアロンは最も多く研
究され、本特許出願の発明者の一人(三友)等の発明
(特許1628374号)はすでに実用化されている。
その後、LaまたはCeは、上記の既知の金属と同時添
加するとその一部が固溶する事実が報告されている。た
とえば、CeをYと同時に添加すると、そのYとCeで
安定化されたα−サイアロンが得られる(Journal of E
uropean Ceramic Society, 8巻、3-9 頁(1991))。ただ
し、この材料の硬度は報告されていない。
究され、本特許出願の発明者の一人(三友)等の発明
(特許1628374号)はすでに実用化されている。
その後、LaまたはCeは、上記の既知の金属と同時添
加するとその一部が固溶する事実が報告されている。た
とえば、CeをYと同時に添加すると、そのYとCeで
安定化されたα−サイアロンが得られる(Journal of E
uropean Ceramic Society, 8巻、3-9 頁(1991))。ただ
し、この材料の硬度は報告されていない。
【0004】α−サイアロンの格子寸法は、固溶によっ
て大きな変化はないので、イオン半径の大きな金属ほど
原子密度が大きくなり高硬度であると予想される。した
がって、LaやCe単独で安定化されたα−サイアロン
を合成する目的で研究が進められて来た。最近になっ
て、高温から急冷するとCeで安定化されたα−サイア
ロン(Ce−α−サイアロン)が合成できることが報告
された(Journal of Materials Science Letters,15巻,
1435-1438頁(1996))。しかし、Ce−α−サイアロンの
含有率は20%程度であり、残りの大部分はβ−サイア
ロンであり、一部はAlNのポリタイプである21Rで
あった。
て大きな変化はないので、イオン半径の大きな金属ほど
原子密度が大きくなり高硬度であると予想される。した
がって、LaやCe単独で安定化されたα−サイアロン
を合成する目的で研究が進められて来た。最近になっ
て、高温から急冷するとCeで安定化されたα−サイア
ロン(Ce−α−サイアロン)が合成できることが報告
された(Journal of Materials Science Letters,15巻,
1435-1438頁(1996))。しかし、Ce−α−サイアロンの
含有率は20%程度であり、残りの大部分はβ−サイア
ロンであり、一部はAlNのポリタイプである21Rで
あった。
【0005】このように、LaまたはCeで安定化され
たα−サイアロンを主成分として高硬度である焼結体は
合成されていない。また、従来技術では、α−サイアロ
ンの合成は高温で行われ、21Rのように耐酸化性の低
い副生成物が混入することは避けられなかった。
たα−サイアロンを主成分として高硬度である焼結体は
合成されていない。また、従来技術では、α−サイアロ
ンの合成は高温で行われ、21Rのように耐酸化性の低
い副生成物が混入することは避けられなかった。
【0006】α−サイアロンは、Si3N4−AlN−A
l2O3−金属酸化物系の所定の割合の混合粉末を窒素雰
囲気中で高温に加熱し、焼結と同時に固溶反応を起こさ
せて焼結体が製造される。CeO2を酸化物として使用
した場合には、通常の焼結法ではα−サイアロンが合成
できない。また、高温から急冷してもCeで安定化され
たα−サイアロンを主成分とする焼結体は合成できない
うえ、21Rポリタイプの共存は避けられない。
l2O3−金属酸化物系の所定の割合の混合粉末を窒素雰
囲気中で高温に加熱し、焼結と同時に固溶反応を起こさ
せて焼結体が製造される。CeO2を酸化物として使用
した場合には、通常の焼結法ではα−サイアロンが合成
できない。また、高温から急冷してもCeで安定化され
たα−サイアロンを主成分とする焼結体は合成できない
うえ、21Rポリタイプの共存は避けられない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Ceで安定
化されたα−サイアロン以外にはβ−サイアロンおよび
粒界のガラス相のみから構成される高硬度で耐摩耗性に
優れたサイアロン焼結体の製造法を提供することを目的
とする。
化されたα−サイアロン以外にはβ−サイアロンおよび
粒界のガラス相のみから構成される高硬度で耐摩耗性に
優れたサイアロン焼結体の製造法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明者等は、Ce−α−サイアロンの反応過程を
検討し、固溶体の生成が核形成段階に大きく依存するこ
とを見出した。すなわち、従来の焼結法で合成できなか
ったのは、前記固溶体が熱力学的に安定でないためでな
く、核形成の駆動力が十分でなかったためであることを
明確にした。そして、所定の割合のSi3N4−AlN−
Al2O3−CeO2系の原料粉末に予め合成したα−サ
イアロン粉末を粒成長の核として添加するとCe−α−
サイアロンが成長するため、目的のサイアロン焼結体が
製造できた。
め、本発明者等は、Ce−α−サイアロンの反応過程を
検討し、固溶体の生成が核形成段階に大きく依存するこ
とを見出した。すなわち、従来の焼結法で合成できなか
ったのは、前記固溶体が熱力学的に安定でないためでな
く、核形成の駆動力が十分でなかったためであることを
明確にした。そして、所定の割合のSi3N4−AlN−
Al2O3−CeO2系の原料粉末に予め合成したα−サ
イアロン粉末を粒成長の核として添加するとCe−α−
サイアロンが成長するため、目的のサイアロン焼結体が
製造できた。
【0009】本発明は、Ce−α−サイアロンに相当す
る原料粉末にα−サイアロン粉末を核として添加し、高
温で焼結することによりCe−α−サイアロンを含有す
るサイアロン焼結体を製造するものである。
る原料粉末にα−サイアロン粉末を核として添加し、高
温で焼結することによりCe−α−サイアロンを含有す
るサイアロン焼結体を製造するものである。
【0010】すなわち、本発明は、Si3N4−AlN
−Al2O3−CeO2系の混合粉末に、α−サイアロン
粉末を0.2〜30重量%を加え、窒素雰囲気中におい
て1500〜2000℃で焼結することによりCeで安
定化されたα−サイアロンを含有するサイアロン焼結体
の製造法である。
−Al2O3−CeO2系の混合粉末に、α−サイアロン
粉末を0.2〜30重量%を加え、窒素雰囲気中におい
て1500〜2000℃で焼結することによりCeで安
定化されたα−サイアロンを含有するサイアロン焼結体
の製造法である。
【0011】また、本発明は、原料粉末中の窒化ケイ素
(Si3N4):窒化アルミニウム(AlN):アルミナ
(Al2O3):酸化セリウム(CeO2)がモル比で3
〜12:4〜6:0〜0.5:1の範囲内である上記の
サイアロン焼結体の製造法である。
(Si3N4):窒化アルミニウム(AlN):アルミナ
(Al2O3):酸化セリウム(CeO2)がモル比で3
〜12:4〜6:0〜0.5:1の範囲内である上記の
サイアロン焼結体の製造法である。
【0012】また、本発明は、Ceで安定化されたα−
サイアロン以外の物質がβ−サイアロンおよび粒界のガ
ラス相からなる上記のサイアロン焼結体の製造法であ
る。
サイアロン以外の物質がβ−サイアロンおよび粒界のガ
ラス相からなる上記のサイアロン焼結体の製造法であ
る。
【0013】また、本発明は、プラズマ焼結炉を用い、
1気圧以下の窒素中で1500〜1850℃において1
〜60分間焼結する上記のサイアロン焼結体の製造法で
ある。
1気圧以下の窒素中で1500〜1850℃において1
〜60分間焼結する上記のサイアロン焼結体の製造法で
ある。
【0014】また、本発明は、1気圧の窒素中で165
0〜1850℃で常圧焼結またはホットプレス焼結する
上記のサイアロン焼結体の製造法である。
0〜1850℃で常圧焼結またはホットプレス焼結する
上記のサイアロン焼結体の製造法である。
【0015】また、本発明は、加圧窒素下で焼結する際
に、2気圧の窒素中で1650〜1750℃、5気圧の
窒素中で1750〜1850℃、10気圧の窒素中で1
850〜2000℃の温度範囲のいずれかにおいてガス
圧焼結する上記のサイアロン焼結体の製造法である。
に、2気圧の窒素中で1650〜1750℃、5気圧の
窒素中で1750〜1850℃、10気圧の窒素中で1
850〜2000℃の温度範囲のいずれかにおいてガス
圧焼結する上記のサイアロン焼結体の製造法である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に述べ
る.原料粉末は、Si3N4−AlN−Al2O3−CeO
2 系とする。CeO2は高温で熱分解し、Ce2O3とな
り、他の3価のランタニド金属と同様に、ある組成範囲
内で固溶体を形成することができる。その組成範囲は、
モル比でそれぞれ3〜12:4〜6:0〜0.5:1と
する。この組成比の範囲外では、焼結体内にα−サイア
ロンは生成せず、β−サイアロンまたはβ−Si3 N4
が主成分の焼結体となる。
る.原料粉末は、Si3N4−AlN−Al2O3−CeO
2 系とする。CeO2は高温で熱分解し、Ce2O3とな
り、他の3価のランタニド金属と同様に、ある組成範囲
内で固溶体を形成することができる。その組成範囲は、
モル比でそれぞれ3〜12:4〜6:0〜0.5:1と
する。この組成比の範囲外では、焼結体内にα−サイア
ロンは生成せず、β−サイアロンまたはβ−Si3 N4
が主成分の焼結体となる。
【0017】さらに、原料を上記組成範囲内に制御して
高温焼結してもα−サイアロンは生成しない。Ce−α
−サイアロンが生成しないのは、Ce3+イオンの半径が
大きすぎるためその構造が不安定であると考えられて来
た。そこで、予め合成したα−サイアロンを0.2〜3
0重量%添加するとCeが固溶したα−サイアロンがそ
の上に成長する。
高温焼結してもα−サイアロンは生成しない。Ce−α
−サイアロンが生成しないのは、Ce3+イオンの半径が
大きすぎるためその構造が不安定であると考えられて来
た。そこで、予め合成したα−サイアロンを0.2〜3
0重量%添加するとCeが固溶したα−サイアロンがそ
の上に成長する。
【0018】本発明で明らかにしたように、核形成のた
めに大きな活性化エネルギーが必要であり、核形成段階
が律速であったために生成できなかつたものと考えられ
る。核はα−サイアロンであればよい。添加するα−サ
イアロンが0.2重量%以下では添加の効果がなく、3
0重量%以上では製品が高価となる。望ましい量は3〜
10重量%である。
めに大きな活性化エネルギーが必要であり、核形成段階
が律速であったために生成できなかつたものと考えられ
る。核はα−サイアロンであればよい。添加するα−サ
イアロンが0.2重量%以下では添加の効果がなく、3
0重量%以上では製品が高価となる。望ましい量は3〜
10重量%である。
【0019】Ce−α−サイアロンは高硬度と予想され
るので、焼結体内の含有率は高いほど望ましい。しか
し、現状では結晶相としてα−サイアロンのみの焼結体
は得られない。残りはβ−サイアロンおよび粒界に残存
するガラス相となる。従来の報告のように、高温焼結で
熱分解が進むと、α−サイアロンやβ−サイアロンのみ
でなく耐酸化性や耐摩耗性の劣る21R等のポリタイプ
が副生する。この21Rの生成を抑制するには、焼結過
程で熱分解が進行するのを抑制するため十分な窒素ガス
圧下で加熱する必要がある。
るので、焼結体内の含有率は高いほど望ましい。しか
し、現状では結晶相としてα−サイアロンのみの焼結体
は得られない。残りはβ−サイアロンおよび粒界に残存
するガラス相となる。従来の報告のように、高温焼結で
熱分解が進むと、α−サイアロンやβ−サイアロンのみ
でなく耐酸化性や耐摩耗性の劣る21R等のポリタイプ
が副生する。この21Rの生成を抑制するには、焼結過
程で熱分解が進行するのを抑制するため十分な窒素ガス
圧下で加熱する必要がある。
【0020】焼結法は、焼結および反応が十分進行し、
かつ21Rの生成が抑制できればよいが、プラズマ焼
結、ホットプレス、常圧焼結、ガス圧焼結が適当であ
る。プラズマ焼結は急速加熱が可能なので、比較的低温
・短時間の焼結で高密度化できる。プラズマ焼結は、1
気圧以下の窒素中で1500〜1850℃、好ましくは
1600〜1850℃に1〜60分焼結するが、低温ほ
ど長時間加熱する必要がある。1600〜1700℃で
は45〜60分、1700〜1800℃では10〜30
分、1850℃では1〜10分程度である。
かつ21Rの生成が抑制できればよいが、プラズマ焼
結、ホットプレス、常圧焼結、ガス圧焼結が適当であ
る。プラズマ焼結は急速加熱が可能なので、比較的低温
・短時間の焼結で高密度化できる。プラズマ焼結は、1
気圧以下の窒素中で1500〜1850℃、好ましくは
1600〜1850℃に1〜60分焼結するが、低温ほ
ど長時間加熱する必要がある。1600〜1700℃で
は45〜60分、1700〜1800℃では10〜30
分、1850℃では1〜10分程度である。
【0021】ホットプレスや常圧焼結法では、1気圧の
窒素中で1650〜1850℃で焼結する。ガス圧焼結
では、高温で焼結するほど雰囲気の窒素圧を高圧にする
必要がある。2気圧の窒素中で1650〜1750℃、
5気圧の窒素中で1750〜1850℃、10気圧の窒
素中で1850〜2000℃の温度範囲が望ましい。
窒素中で1650〜1850℃で焼結する。ガス圧焼結
では、高温で焼結するほど雰囲気の窒素圧を高圧にする
必要がある。2気圧の窒素中で1650〜1750℃、
5気圧の窒素中で1750〜1850℃、10気圧の窒
素中で1850〜2000℃の温度範囲が望ましい。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げてさらに具体的に本発明
を説明する。 実施例1〜3 市販されているβ型微粉末(電気化学製、SN−P21
FC)から沈降法および遠心分級により平均粒径0.2
5ミクロンの微粉を分離した。この粉末13モルに窒化
アルミニウム9モルと酸化セリウム(CeO2)2モル
を加えた。さらに、この粉末に表1に示す各実施例ごと
の量のY−α−サイアロン粉末(宇部興産製、SN−S
Y5)を添加し、ヘキサンを溶媒として分散した後、窒
化ケイ素製の遊星型ボールミルで2時間混合した。
を説明する。 実施例1〜3 市販されているβ型微粉末(電気化学製、SN−P21
FC)から沈降法および遠心分級により平均粒径0.2
5ミクロンの微粉を分離した。この粉末13モルに窒化
アルミニウム9モルと酸化セリウム(CeO2)2モル
を加えた。さらに、この粉末に表1に示す各実施例ごと
の量のY−α−サイアロン粉末(宇部興産製、SN−S
Y5)を添加し、ヘキサンを溶媒として分散した後、窒
化ケイ素製の遊星型ボールミルで2時間混合した。
【0023】混合物を乾燥後、黒鉛型の内部にBNを塗
布し、上下にカーボン膜つけ300気圧のプレス圧下に
おいて、1気圧の窒素中で放電プラズマを発生させて加
熱焼結した。加熱および冷却速度は約300℃/分であ
った。
布し、上下にカーボン膜つけ300気圧のプレス圧下に
おいて、1気圧の窒素中で放電プラズマを発生させて加
熱焼結した。加熱および冷却速度は約300℃/分であ
った。
【0024】焼結体の相対密度は99%以上であった。
焼結体内の結晶相は粉砕した試料をX線回折で調べ、す
べてα−サイアロンやβ−サイアロンのみであることを
確認した。硬度は、ダイヤモンド(ビッカース)圧子を
1kgの荷重で押し込んで測定した。結果は、表1に示
すように、すべて窒化ケイ素系材料の15〜16GPa
より高い値が得られた。
焼結体内の結晶相は粉砕した試料をX線回折で調べ、す
べてα−サイアロンやβ−サイアロンのみであることを
確認した。硬度は、ダイヤモンド(ビッカース)圧子を
1kgの荷重で押し込んで測定した。結果は、表1に示
すように、すべて窒化ケイ素系材料の15〜16GPa
より高い値が得られた。
【0025】
【表1】
【0026】実施例4〜6
市販されているα型微粉末(宇部興産製、SN−E1
0)、実施例1に使用した窒化アルミニウムと酸化セリ
ウム(CeO2 )およびアルミナ(住友化学製、AKP
−20)を所定比に混合した。さらに、この粉末に所定
量のY−α−サイアロン(宇部興産製、SN−SY5)
を添加し、ヘキサンを溶媒として分散した後、窒化ケイ
素製の遊星型ボールミルで2時間混合した。混合物を乾
燥後、表2に示す焼結法で処理した。
0)、実施例1に使用した窒化アルミニウムと酸化セリ
ウム(CeO2 )およびアルミナ(住友化学製、AKP
−20)を所定比に混合した。さらに、この粉末に所定
量のY−α−サイアロン(宇部興産製、SN−SY5)
を添加し、ヘキサンを溶媒として分散した後、窒化ケイ
素製の遊星型ボールミルで2時間混合した。混合物を乾
燥後、表2に示す焼結法で処理した。
【0027】
【表2】
【0028】ホットブレス法ではBNを塗布した黒鉛型
に充填し、200気圧のプレス圧を加えた。雰囲気の窒
素圧は、ホットプレスおよび常圧焼結では1気圧、ガス
圧焼結では10気圧とした。加熱速度は30℃/分であ
った。焼結法および焼結条件は表2に示した。結果は表
3に示すように、高硬度のCe−α−サイアロンが得ら
れた。
に充填し、200気圧のプレス圧を加えた。雰囲気の窒
素圧は、ホットプレスおよび常圧焼結では1気圧、ガス
圧焼結では10気圧とした。加熱速度は30℃/分であ
った。焼結法および焼結条件は表2に示した。結果は表
3に示すように、高硬度のCe−α−サイアロンが得ら
れた。
【0029】
【表3】
【0030】比較例
実施例1および4の原料粉末にα−サイアロン粉末を添
加せず、実施例1と同じ条件でプラズマ焼結すると、相
対密度が99%以上の焼結体となった。X線回折で結晶
組成を調べると、β−サイアロンのみであった。このよ
うに、核となるα−サイアロンを添加しないとCe−α
−サイアロンは全く生成しなかった。
加せず、実施例1と同じ条件でプラズマ焼結すると、相
対密度が99%以上の焼結体となった。X線回折で結晶
組成を調べると、β−サイアロンのみであった。このよ
うに、核となるα−サイアロンを添加しないとCe−α
−サイアロンは全く生成しなかった。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭62−46966(JP,A)
特開 平2−263764(JP,A)
特開 平8−208341(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C04B 35/599
Claims (6)
- 【請求項1】 Si 3 N 4 −AlN−Al 2 O 3 −C
eO 2 系の混合粉末に、α−サイアロン粉末を0.2〜
30重量%を加え、窒素雰囲気中において焼結すること
を特徴とするCeで安定化されたα−サイアロンを含有
するサイアロン焼結体の製造法。 - 【請求項2】 原料粉末中の窒化ケイ素(Si3N4):
窒化アルミニウム(AlN):アルミナ(Al2O3):
酸化セリウム(CeO2)がモル比で3〜12:4〜
6:0〜0.5:1の範囲内である請求項1記載のサイ
アロン焼結体の製造法。 - 【請求項3】 Ceで安定化されたα−サイアロン以外
の物質がβ−サイアロンおよび粒界のガラス相からなる
請求項1記載のサイアロン焼結体の製造法。 - 【請求項4】 プラズマ焼結炉を用い、1気圧以下の窒
素中で1500〜1850℃において1〜60分間焼結
する請求項1記載のサイアロン焼結体の製造法。 - 【請求項5】 1気圧の窒素中で1650〜1850℃
で常圧焼結またはホットプレス焼結する請求項1記載の
サイアロン焼結体の製造法。 - 【請求項6】 加圧窒素下で焼結する際に、2気圧の窒
素中で1650〜1750℃、5気圧の窒素中で175
0〜1850℃、10気圧の窒素中で1850〜200
0℃の温度範囲のいずれかにおいてガス圧焼結する請求
項1記載のサイアロン焼結体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000081828A JP3472802B2 (ja) | 2000-03-17 | 2000-03-17 | サイアロン焼結体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000081828A JP3472802B2 (ja) | 2000-03-17 | 2000-03-17 | サイアロン焼結体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001261447A JP2001261447A (ja) | 2001-09-26 |
JP3472802B2 true JP3472802B2 (ja) | 2003-12-02 |
Family
ID=18598706
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000081828A Expired - Lifetime JP3472802B2 (ja) | 2000-03-17 | 2000-03-17 | サイアロン焼結体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3472802B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7074346B2 (en) | 2003-02-06 | 2006-07-11 | Ube Industries, Ltd. | Sialon-based oxynitride phosphor, process for its production, and use thereof |
US11479463B2 (en) | 2019-08-02 | 2022-10-25 | King Fahd University Of Petroleum And Minerals | Method of forming a βSiAlON by spark plasma sintering |
-
2000
- 2000-03-17 JP JP2000081828A patent/JP3472802B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001261447A (ja) | 2001-09-26 |
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