JP3472234B2 - エキシマレーザ及びエキシマランプ用のシリカガラス光学材料 - Google Patents

エキシマレーザ及びエキシマランプ用のシリカガラス光学材料

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JP3472234B2 JP2000084024A JP2000084024A JP3472234B2 JP 3472234 B2 JP3472234 B2 JP 3472234B2 JP 2000084024 A JP2000084024 A JP 2000084024A JP 2000084024 A JP2000084024 A JP 2000084024A JP 3472234 B2 JP3472234 B2 JP 3472234B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリカガラス光学材料
に関し、特に、波長155〜195nmのエキシマレーザ及びエ
キシマランプを光源とする光線用のシリカガラス光学材
料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のようなシリカガラス光学材料は、
波長155〜195nmのエキシマレーザ装置及びエキシマラン
プを光源とする光洗浄用照射装置、集積回路作成用露光
装置(光リソグラフィー装置)等に組み込まれるレン
ズ、プリズム、ウインドウ、リフレクター、フォトマス
ク、チューブ等に用いられている。従来、シリコンウエ
ハ上に集積電子回路パターンを描画する光リソグラフィ
ー装置の光源としてg線やi線などの水銀ランプによる紫
外線が用いられてきたが、半導体素子の微細化が高まる
に従い前記g線やi線では解像度に限界があり、より波長
の短いエキシマレーザが注目され、KrFエキシマレーザ
(248nm)を利用した光リソグラフィー装置が開発され
実施段階に入っている。
【0003】しかしながら、半導体素子の集積度は近い
将来さらに高まることが予測され、それには線幅0.1μm
以下の微細パターンを描画できる光源が必要とされる。
前記光源としてはArFエキシマレーザ(193nm)を主に、
ArClエキシマレーザ(175nm)、F2エキシマレーザ(157
nm)等の波長155〜195nmの高出力の真空紫外線が考えら
れ、その開発が始まっている。ところが、前記高出力真
空紫外線は従来の光リソグラフィー装置で使用する紫外
線よりさらに高出力であるところから、その照射を受け
た光学材料は透過率の低下、屈折率の上昇、歪みの発
生、蛍光の発生、場合によってはマイクロクラックの発
生等のダメージが急激に起こり光学材料として使用でき
なくなる。
【0004】また、現在、半導体素子の洗浄処理法とし
てArFエキシマレーザ(193nm)、F2エキシマレーザ(15
7nm)、Xe2エキシマランプ(172nm)、ArClエキシマラ
ンプ(175nm)等の波長155〜195nmの高出力真空紫外線
を用いたドライ洗浄法が開発されつつあるが、この洗浄
処理装置ではウインドウやチューブに大型の光学材料が
必要である。ところが、光学材料が大型化すると高出力
真空紫外線によるダメージは一段と大きくなり、光学材
料として使用できなくなる。こうした事情から、前記高
出力真空紫外線であるエキシマレーザまたはエキシマラ
ンプに対してダメージの少ない光学材料の開発が熱望さ
れていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような要望を満
足する光学材料としては、特開平6−227827号公
報に開示されたものが知られている。すなわち、上記公
報に開示された光学材料は、ガラス形成原料を火炎加水
分解させて得られる石英ガラス微粒子を基材に堆積・成
長させて形成された多孔質石英ガラス体を加熱して得ら
れる透明石英ガラスにおいて、該透明石英ガラス中のOH
含有量が10ppm以下であって、ハロゲンを400ppm以上含
有し、かつ水素を含有することを特徴とするものであ
る。
【0006】また、上記要望に応える光学材料として本
発明者は、特公平6−48734号公報で水素ガス濃度
が少なくとも5×1016(molecules/cm)以上、OH基
濃度が100wtppm以上のレーザ光用光学部材を、また特公
平6−27013号公報で水素ガス濃度が少なくとも5
×1016(molecules/cm)以上、OH基濃度が50wtppm以
上、仮想温度に基づく屈折率変動分布でOH基の濃度分布
に基づく屈折率変動分布を打ち消し、実質的に屈折率変
動分布のない合成シリカガラス光学体を提案した。
【0007】しかしながら、前記光学材料を例えば、直
径200mm×厚さ30mmを超える大型光学素子とすると、含
有する水素分子、OH基濃度及びハロゲンに不均一分布が
起こりやすく、エキシマレーザ、エキシマランプ照射下
において、透過率、屈折率が変化し光学特性の低下が起
こる。また、OH基濃度が100wtppm以上と高濃度でシリカ
ガラス光学材料に含まれると、真空紫外域で初期透過率
が低くなり、耐久性の低下が起こる。つまり、前記公報
で提案された光学材料は155〜195nm域の初期透過率が低
く、耐久性も不足していたという問題があった。また、
特開平6−227827号公報に開示された光学材料で
は、ハロゲン全般を用いているが、ハロゲンの中でもCl
等にあっては、紫外線照射により欠陥を生成しやすく、
目的とするスペクトル領域で透過率等、光学材料の性能
を劣化させるという大きな問題点を抱えていた。
【0008】そこで、本発明者等は鋭意研究を続けた結
果、光学材料に含まれる不純物濃度を上記公報記載の光
学材料よりさらに高純度とし(特にMoおよびWの濃度を
低濃度とし)、OH基濃度、水素分子濃度を特定の範囲と
し、かつそれらの濃度分布を均一にした上で、ハロゲン
の中からFを特に選択し、しかも該F濃度を上記従来技術
より少ない量の特定範囲量とすることで、透過率が高
く、屈折率変動幅Δnが小さく、エキシマレーザやエキ
シマランプの長時間照射に対する耐久性にも優れた合成
シリカガラス光学材料が得られることを見出した。ま
た、前記合成シリカガラス光学材料中のOH基濃度と水素
分子濃度を前記範囲よりさらに狭い範囲に限定すること
で特に波長155〜195nmのエキシマレーザに対しても初期
透過率が高く、耐久性も高く維持できることをも見出
し、本発明を完成したものである。
【0009】すなわち、本発明は、波長155〜195nmのエ
キシマレーザ、エキシマランプに対して初期透過率が高
く、屈折率変動幅Δnが小さく、しかも長時間照射下で
の耐久性に優れたシリカガラス光学材料を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の下
記(1)〜(10)のいずれかに記載の構成により達成
される。 (1) 波長155〜195nmのエキシマレーザ及びエキシマ
ランプからの光線用シリカガラス光学材料であって、超
高純度であり、OH基を1〜100wtppm、H2を5×1016〜5
×1019分子/cm、及びFを10〜10,000wtppmを含有し、
F以外のハロゲンを実質的に含有せず、MoおよびWの含有
量が各0.1wtppb以下であり、かつ屈折率変動幅Δnが3
×10-6〜3×10-7であることを特徴とするシリカガラス
光学材料。 (2) OH基濃度変動幅ΔOHが30wtppm以内、かつF濃度
変動幅ΔFが50wtppm以内である上記(1)のシリカガラ
ス光学材料。 (3) H2濃度変動幅ΔH2が3×1017分子/cm3以内で
ある上記(1)または(2)のシリカガラス光学材料。 (4) OH基を12〜100wtppm、H2を3×1017〜1×1019
分子/cmを含有する上記(1)ないし(3)のいずれ
かのシリカガラス光学材料。 (5) Fを10〜380wtppmを含有する上記(1)ないし
(4)のいずれかのシリカガラス光学材料。 (6) 不純物として、Li、NaおよびKが各5wtppb以
下、CaおよびMgが各1wtppb以下、Cr、FeおよびNiが各
0.1wtppb以下含有する超高純度である上記(1)ないし
(5)のいずれかのシリカガラス光学材料。 (7) 7.6eV吸収帯を生成する酸素欠損型欠陥の濃度
が1×1017個/cm以下である上記(1)ないし(6)
のいずれかのシリカガラス光学材料。 (8) Cl含有量が10wtppm以下である上記(1)ない
し(7)のいずれかのシリカガラス光学材料。 (9) エキシマレーザまたはエキシマランプからの光
線の光路長が30mm以上である光学素子に用いる上記
(1)ないし(8)のいずれかのシリカガラス光学材
料。 (10) OH基を1〜100wtppm、H2を5×1016〜5×10
19分子/cm、及びFを50〜10,000wtppm含有し、そして
OH基量をa、F量をbとしたとき、aとbの合計量が
100wtppm以上であり、かつb/aが1〜1000を満足する
上記(1)ないし(9)のいずれかのシリカガラス光学
材料。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、超高純度、OH基含有、
フッ素F含有、溶存水素ガス、MoおよびW濃度、屈折率変
動幅Δnの6つの物性組合せにより、さらなる初期透過
率、耐エキシマレーザ性、耐エキシマランプ性の向上お
よびエキシマレーザ及びエキシマランプを用いての加工
精度の向上を達成した。
【0012】6つの物性組合せが必要である理由として
以下のとおりである。上記超高純度とは、上記公報記載
の光学材料より更に純度が高く、不純物金属含有濃度が
下記の範囲であるものをいい、シリカガラス中の不純物
金属濃度を少なくすることにより真空紫外域での透過率
の向上と紫外線照射時のエネルギー吸収を少なくでき
る。Li、Na、Kは各々5wtppb以下、Ca、Mgは各々1wtpp
b以下、Cr、FeおよびNiは、各々0.1wtppb以下、Moおよ
びWは各々0.1wtppb以下であること。Li、Na、K、Ca、Mg
は各種耐熱性セラミックスの不純物として含有されてお
り、シリカガラス製造時に汚染元素となりやすく、Cr、
Fe、Ni、Mo、Wはプラントの構造材の組成物、特にMoとW
は耐熱性金属元素として使用されており、やはり汚染元
素となりやすい。
【0013】OH基は、ガラス網目構造の終端部であり適
量含有することにより構造をリラックスさせ、Si-O-Si
の結合角度を安定値に近づける。しかしながらOH基が高
濃度に含有されると真空紫外域での透過率低下の原因と
なる。したがって、OH基含有量は1〜100wtppm、特に単
位面積当たりの照射エネルギー密度が高く条件の厳しい
155〜195nmのエキシマレーザ用では12〜100wtppmが良
い。
【0014】Fは、OH基と同様にガラス網目構造終端部
となる。またFは、他のハロゲンと異なり高濃度で含有
させても真空紫外域での透過率低下の原因とならない。
しかしOH基を全く含ませずFのみ高濃度で含有するガラ
スは加熱処理により分解し、F2ガス発生や酸素欠損型生
成による7.6eV(約165nm)吸収帯を生ずる。したがっ
て、OH基とFを同時に含有させガラスの熱分解と酸素欠
損型欠陥の生成を抑制することが重要となる。この観点
からは、OH基量をa、F量をbとしたとき、aとbの合計量
が100wtppm以上であり、かつb/aが1〜1000を満足する
ことが好ましい。上記b/aの値は特に10〜100が好まし
い。この場合、OH基を1〜100wtppm、特に12〜100wtpp
m、Fを50〜10,000wtppm、特に50〜380wtppm含有してい
ることが好ましい。なお、本発明の光学材料において
は、F以外のハロゲンを実質的に含有せず、特に、Clに
あっては、エキシマレーザやエキシマランプの照射によ
ってガラスの真空紫外域(エキシマレーザの波長域)で
の透過率の低下を生じさせるので、その含有量が10wtpp
m以下であることが好ましい。
【0015】溶存水素ガスすなわち光学材料内の水素分
子H2は、紫外線照射によるE'センター(イープライムセ
ンターと呼び約215nm吸収帯を示す)やNBOHセンター
(ノンブリッジング、オキシジェン、ホールセンターと
呼び約260nm及び約630nm吸収帯を示すとされている)の
生成を抑制する作用(S.Yamagata,Mineralogical Journ
al,Vol15,No.8,1991,pp.333-342に示す)があり、その
含有量は、5×1016〜5×1019分子/cm、特に3×10
17〜1×1019分子/cmであることが好ましい。
【0016】光学材料が、上記特開平6−227827
号公報に開示された光学材料のようにフォトマスクのよ
うな厚さ(レーザが通過する光路長)たかだか2〜3mm
程度の製品に用いられる場合には問題にならないが、厚
さが30mm以上の製品すなわちレンズのような光学素子で
は、屈折率変動幅Δnが大きいと、それを用いての加工
精度が低下するため、上記Δnはできるだけ小さい方が
よい。しかし、特に上記したように、Fを高濃度でドー
プさせると、濃度分布によりΔnが増大してしまうとい
う問題が新たに知見された。そこで、本発明の光学材料
においては、後述する製造方法で説明する処理を行うこ
とによって、屈折率変動幅Δnを3×10-6〜3×10-7
いう小さな値に設定した。このように、Δnの値が小さ
いということは、材料の密度変動も小さいことを意味
し、その結果、水素ガスを均一濃度で溶存させることが
可能となる。Δnが3×10-6以下ということは、前提と
して少なくとも1方向脈理フリーであることが必要とな
る。Δn値が大きなガラスではOH基やFの濃度分布が不均
一であり、飽和水素ガス濃度はこれらOH基やFの濃度に
影響されているものと推定している。以上から、本発明
の光学材料では、OH基濃度変動幅ΔOHが30wtppm以内、
かつF濃度変動幅ΔFが50wtppm以内であることが好まし
く、また、H2濃度変動幅ΔH2が3×1017分子/cm以下
であることが好ましい。また、7.6eV吸収帯を生成する
酸素欠損型欠陥の濃度は、1×1017個/cm以下である
ことが好ましい。
【0017】次に、以上説明した本発明のシリカガラス
光学材料の製造方法について説明する。本発明のシリカ
ガラス光学材料を製造するには、まず珪素化合物を原料
とする火炎加水分解法によるOH基含有白色スート体を合
成する。上記珪素化合物としては、上記珪素化合物とし
ては、SiCl4、SiHCl3、SiH2Cl2、SiCH3Cl3、Si(CH3)2Cl
2、SiF4、SiHF3、SiH2F2 等を用いることができる。火
炎としては、酸水素火炎、プロパン酸素火炎等を用いる
ことができる。ついで、得られたOH基含有白色スート体
をフッ素含有ガス雰囲気熱処理によりフッ素ドープ処理
する。フッ素含有ガスとしては、SiF4、CHF3、SF6等を
0.1〜100 vol.%含有するガスを用いることが好まし
い。処理温度は400〜1200℃、圧力は0.1〜10 kgf/cm2
とすることが好ましい。この後、上記白色スート体の透
明ガラス化処理を行う。この処理は、0.1 kgf/cm2以下
の減圧雰囲気(Heを含有しても良い)下で、温度1400〜
1600℃で行うことが好ましい。続いて、火炎加熱による
棒状透明シリカガラス体への成型及び帯溶融回転攪拌処
理を行う。これらの処理は、USP2904713、USP3128166、
USP3128169、USP3483613等に示された方法を用いて行う
ことができる。とくに、上記したように、屈折率変動幅
Δnが3×10-6〜3×10-7となるように十分に行う。この
後、歪除去のためのアニール処理を行う。この処理の雰
囲気としては、一般的には大気が用いられており、その
他不活性ガス雰囲気も用いることができる。処理温度
は、900〜1200℃で、1〜100時間程度保持し、その後500
℃以下まで1℃/hr〜10℃/hrにて徐冷却する。最後
に、水素分子含有雰囲気熱処理による水素ガスドープ処
理を行う。水素分子含有雰囲としては、水素ガス100%
又はAr等の希ガスと水素ガスとの混合ガス雰囲気を用い
ることが好ましい。処理温度は100〜800℃、特に200〜4
00℃であることが好ましい。上記温度範囲より高温であ
ると還元作用が強くなり、酸素欠損型欠陥を生成させ、
低温であると水素ガスの透明ガラス体への拡散溶存への
時間がかかりすぎる。処理圧力は、大気圧の約1 kgf/c
m2から100 kgf/cm2が好ましい。水素ガス100%で1 kgf
/cm2での透明ガラス体の水素ガス飽和溶存濃度は約1×
1017 〜 4×10 17分子/cm3、10 kgf/cm2、100 kgf/cm
2では各々 1×1018 〜 4×1018、1×10 19 〜 4×1019
子/cm3である。なお、得られた材料は、外表面を研削
し所望の形状とされる。
【0018】
【実施例】まず、四塩化珪素SiCl4を原料とし、酸水素
炎加水分解法により、OH基含有白色スート体を合成し
た。ついで、得られたOH基含有白色スート体を、SiF4 5
0%含有ガス雰囲気で、1 kg/cm2(ほぼ大気圧と同
じ)、700〜1200℃の範囲の条件下での加熱処理による
フッ素ドープ処理を行った。このとき、熱処理温度を処
理時間を種々変えて、表1および2に示したように各実
施例および各比較例のシリカガラス光学材料のOH基およ
びF量を変化させた。続いて、各白色スート体を、0.00
1 kgf/cm2以下の真空(減圧)雰囲気下で、温度1400〜
1600℃で加熱して透明ガラス化した。この後、プロパン
ガス火炎加熱により、材料を軟化させて、断面形状がほ
ぼ円形の棒状材料とした。この棒状材料の長さは約2m
であり、直径は約60mmとした。この棒状材料の両端を
保持し、プロパンガス火炎加熱に局所的に加熱しながら
捻り、帯溶融回転攪拌処理を行った。加熱は、材料が20
00℃程度になるように行った。この帯溶融回転攪拌処理
により、各材料を1方向脈理フリーの透明ガラス体とし
た。なお、比較例3は、この帯溶融回転攪拌処理を行わ
なかったこと以外は、組成等が実施例3の材料と同一の
ものである。この後、透明ガラス体を寸法、直径300m
m、厚さ約70mmに加熱成型し、次いで電気炉内に設置
し、大気雰囲気下、1150℃、20時間保持後、4℃/hrに
て800℃まで徐冷し、その後、電気炉電源を切り自然冷
却してアニール処理を行った。次に、透明ガラス体をス
テンレススチールジャケット、タングステンメッシュヒ
ータの電気炉内に設置し、水素100%雰囲気下、400℃加
圧下にて水素ガスドープを行った。このとき、圧力を1
kgf/cm2または10 kgf/cm2と変化させて、各材料の溶
存水素量を表に示したように変化させた。最後に、透明
ガラス体の外表面を研削し、実施例および比較例の直径
250mm、厚さ50mmの円柱体のサンプルを得た。比較例1で
は、実施例1と同一の条件にてOH基含有白色スート体を
合成した後、SiF4100%ガス雰囲気、1 kgf/cm2、1100
℃の条件にて加熱処理を行いFドープOH基フリーとした
以外は実施例1や2と同一の条件で回転撹拌処理、水素
ドープ処理を行ってサンプルを得た。
【0019】比較例2では、水素ガスドープ処理を行わ
なかったこと以外は実施例3や4と同様にしてサンプル
を得た。得られたガラスは、水素ガスを溶存していない
ガラスであった。
【0020】比較例3では、上記したように回転撹拌処
理を行わなかったこと以外は、比較例2と同様条件でサ
ンプルを得た。
【0021】比較例4では、Fドープ処理を行わず、そ
の代りにCl2 100%ガス雰囲気にてClドープを行った以
外は実施例2と同様にしてサンプルを得た。得られたガ
ラスはClを900 wtppm含んでいた。
【0022】比較例5では、単にFドープ処理を行わな
っかたこと以外は実施例と同様にしてサンプルを得た。
得られたガラスはOH基を300 wtppm含んでいた。上記実
施例および比較例のサンプルにつき、上記のOH基濃度の
他、OH基濃度変動幅ΔOH、F濃度及びF濃度変動幅Δ
F、Cl濃度、溶存水素濃度及び溶存水素濃度変動幅Δ
H2、酸素欠損型欠陥濃度、屈折率変動幅Δn、歪量、
レーザおよびランプからの光線照射前後の透過率、並び
にレーザ及びランプ照射後の均質性、すなわちΔn値と
歪量を測定した。その結果を各表に示した。また、実施
例1,2,4,5及び比較例3のサンプルのガラスの不
純物含有量を表5に示した。上記実施例及び比較例の各
物性値等の測定法は下記の方法による。
【0023】(i) OH基濃度の測定法 D.M. DODD and D.B. FRASE R, Optical determination
of OH in fused silica, Journal of Applied Physic
s, Vol. 37(1966)P.3911文献記載の測定法。 (ii) OH基濃度変動幅及び平均値の測定法 直径250mm、厚さ50mmの円柱状シリカガラス光学材料に
おいて、回転対称軸方向からみて直径方向に10mm間隔に
て25点のOH基濃度測定を行う。25点のOH基濃度の最大値
と最小値から光学材料全体におけるOH基濃度変動幅(Δ
OH)を、25点のOH基濃度の算術平均値からOH基平均濃度
を計算する測定法。 (iii) 水素分子濃度の測定法。 V.K. KHOTIMCHENKO,et al., Determining the conten
t of hydrogen dissolved in quartz glass using the
methods of Raman scattering and mass spectrometry,
Journal of Applied Spectroscopy, Vo.46, No.6(198
7) pp632〜635の文献記載の測定法。 (iv) 水素分子濃度変動幅及び平均値の測定法。 直径250mm、厚さ50mmの円柱状シリカガラス光学材料に
おいて、回転対称軸方向からみて直径方向に10mm間隔に
て25点のH2濃度測定を行う。25点のH2濃度の最大値と最
小値から光学材料全体におけるH2濃度変動幅(ΔH2
を、25点のH2濃度の算術平均値からH2平均濃度を計算す
る測定法。 (v) 塩素濃度の測定法。 HF水溶液により分解後、AgNO3添加による比濁法による
測定法。 (vi) フッ素濃度の測定法。 NaOH水溶液にて分解後、イオン電極法により測定する。 (vii) フッ素濃度変動幅及び平均値の測定法。 直径250mm、厚さ50mmの円柱状シリカガラス光学材料に
おいて、回転対称軸方向からみて直径方向に10mm間隔に
て25点のF濃度測定を行う。25点のF濃度の最大値と最小
値から光学材料全体におけるフッ素濃度変動幅(ΔF)
を、25点のF濃度の算術平均値から濃度平均値を計算す
る方法。 (viii) シリカガラス中の不純物測定 Na、K、Mg、Ca、Feは原子吸光光度法による測定法、L
i、Cr、Ni、Mo、Wはプラズマ質量分析法により測定(IC
P-MS法)。 (ix) 屈折率変動幅(Δn)の測定法 He-Neレーザ(633nm)を光源とする光干渉法による測定
法。ただし、直径230mmエリアにおける値を示す。 (x) 複屈折量(歪量)の測定法。 偏光板歪計を用いたレターデーション測定法。ただし、
直径230mmエリアにおける値を示す。 (xi) ArFエキシマレーザ照射後の193nmの透過率の測定
法。 サイズ30×20×厚さ10 mm、両面鏡面研磨仕上したサン
プルに波長193nm、波長半長値幅3nm、パルス寿命半値幅
17 nsec、エネルギー密度30 mJ/cm2 /shot、周波数200
Hzで照射ショット数1×106 shotのレーザ照射した直後
3分後の193nmでの透過率を測定する測定法。 (xii) Xe2エキシマランプ照射後の波長172nmの透過率の
測定法。 サイズ30×20×厚さ10 mm、両面鏡面研磨仕上したサン
プルに波長172nm、波長半値幅14nm、ランプエネルギー
密度10 mW/cm2で14日間照射した直後3分後の172nmでの
透過率を測定する測定法。 (xiii) 酸素欠損型欠陥濃度の測定法。 H.Hosono, et al., Experimental evidence for the S
i-Si bond model of the 7.6 eV band in SiO2 glass,
Physical Review B, Vol. 44, No.21, (1991)pp. 12043
-12045の文献記載の測定法。
【表1】[実施例]
【表2】[実施例]
【表3】[比較例]
【表4】[比較例]
【表5】[不純物分析値] 表から明らかなように、実施例2、3、4は特に耐ArFエキシ
マレーザ性に優れており、また、これらの実施例2、3、
4は特に耐Xe2エキシマランプ性にも優れていた。また実
施例1〜6のガラスはエキシマ光照射後もΔn値は3×10
-6以下、歪量も1nm/cm以下と高均質性を示した。
【0024】一方、比較例1では、OH基を含有せず、Fを
1600 wtppm含有するガラスであったため、各種加熱処理
によりガラスが分解してFガスを発生し、7.6eV吸収帯
を示す酸素欠損型欠陥を生成し、耐エキシマ光性が不良
であった。
【0025】比較例2では、水素ガスを溶存していない
ガラスであるため、耐エキシマ光性が悪かった。
【0026】比較例3では、帯溶融回転攪拌処理を行わ
なかったため、ΔOH、ΔF、ΔH2の値が他と比較して大
きくなっており、Δnの値も大きい数値である。また耐
エキシマ光性もガラスの部位によって変化が大きかっ
た。
【0027】比較例4では、Clを900 wtppm含みFフリ
ーのものであるため、エキシマ光照射によって光の透過
率が激減してしまった。
【0028】比較例5では、FもClも含有せず、OH基
を300 wtppmという過剰に含むものであるため、紫外線
吸収端が長波長側へシフトしており、耐エキシマ光性も
不良であった。
【0029】比較例6では、a+bが55wtppmと不足し
たため、耐エキシマ光性が悪く、歪量も大きいものであ
った。
【0030】比較例7では、b/aが0.3と過小であるた
め、特に耐Xe2エキシマランプ性が不良であった。以上
により、本発明のシリカガラス光学材料の効果が明らか
である。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長155〜195nmのエキシマレーザ及びエ
    キシマランプからの光線用シリカガラス光学材料であっ
    て、超高純度であり、OH基を1〜100wtppm、H2を5×10
    16〜5×1019分子/cm、及びFを10〜10,000wtppmを含
    有し、F以外のハロゲンを実質的に含有せず、MoおよびW
    の含有量が各0.1wtppb以下であり、かつ屈折率変動幅Δ
    nが3×10-6〜3×10-7であることを特徴とするシリカ
    ガラス光学材料。
  2. 【請求項2】 OH基濃度変動幅ΔOHが30wtppm以内、か
    つF濃度変動幅ΔFが50wtppm以内である請求項1のシリ
    カガラス光学材料。
  3. 【請求項3】 H2濃度変動幅ΔH2が3×1017分子/cm3
    以内である請求項1または2のシリカガラス光学材料。
  4. 【請求項4】 OH基を12〜100wtppm、H2を3×1017〜1
    ×1019分子/cmを含有する請求項1ないし3のいずれ
    かのシリカガラス光学材料。
  5. 【請求項5】 Fを10〜380wtppmを含有する請求項1な
    いし4のいずれかのシリカガラス光学材料。
  6. 【請求項6】 不純物として、Li、NaおよびKが各5wtp
    pb以下、CaおよびMgが各1wtppb以下、Cr、FeおよびNi
    が各0.1wtppb以下含有する超高純度である請求項1ない
    し5のいずれかのシリカガラス光学材料。
  7. 【請求項7】 7.6eV吸収帯を生成する酸素欠損型欠陥
    の濃度が1×1017個/cm以下である請求項1ないし6
    のいずれかのシリカガラス光学材料。
  8. 【請求項8】 Cl含有量が10wtppm以下である請求項1
    ないし7のいずれかのシリカガラス光学材料。
  9. 【請求項9】 エキシマレーザまたはエキシマランプか
    らの光線の光路長が30mm以上である光学素子に用いる請
    求項1ないし8のいずれかのシリカガラス光学材料。
  10. 【請求項10】 OH基を1〜100wtppm、H2を5×1016
    5×1019分子/cm、及びFを50〜10,000wtppm含有し、
    そしてOH基量をa、F量をbとしたとき、aとbの合
    計量が100wtppm以上であり、かつb/aが1〜1000を満
    足する請求項1ないし9のいずれかのシリカガラス光学
    材料。
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