JP3471296B2 - セメントスラリーの製造方法 - Google Patents

セメントスラリーの製造方法

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JP3471296B2 JP2000218005A JP2000218005A JP3471296B2 JP 3471296 B2 JP3471296 B2 JP 3471296B2 JP 2000218005 A JP2000218005 A JP 2000218005A JP 2000218005 A JP2000218005 A JP 2000218005A JP 3471296 B2 JP3471296 B2 JP 3471296B2
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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、土木構造物の空洞
充填、裏込め、軽量盛土、埋め立て等に利用される気泡
を含有するセメントスラリーの製造方法に関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】単位体積重量の軽いセメントスラリーと
して、気泡を含有するセメントスラリーが開発されてお
り、土木構造物の空洞充填、裏込め、軽量盛土、埋め立
て等に用いられている。このような気泡を含有するセメ
ントスラリーとして、セメントと水と気泡とを含有する
エアミルクと、セメントと水と細骨材と気泡とを含有す
るエアモルタルが知られている。 【0003】従来、気泡を含有するセメントスラリー
は、あらかじめ粉末状セメント組成物に水(混練水)を
加えて混練することにより、気泡を含有しないセメント
スラリーを作製した後、該セメントスラリーと気泡とを
混合することにより製造されている。 【0004】以下に、エアミルク、エアモルタルを製造
する場合を例として、従来の気泡を含有するセメントス
ラリーの製造方法について具体的に説明する。 【0005】はじめに、エアミルクを製造する場合に
は、まず、細骨材を含有しない粉末状セメント組成物、
すなわち、セメント粉体のみからなる、あるいはセメン
ト粉体と混和材とからなる粉末状セメント組成物に、水
(混練水)を加えて混練することによりセメントペース
ト(気泡を含有しないセメントスラリー)を作製する。 【0006】エアモルタルを製造する場合には、まず、
砂等の細骨材を含有する粉末状セメント組成物、すなわ
ち、セメント粉体と細骨材とからなる、あるいはセメン
ト粉体と細骨材と混和材とからなる粉末状セメント組成
物に、水(混練水)を加えて混練することによりセメン
トモルタル(気泡を含有しないセメントスラリー)を作
製する。 【0007】一方、セメントペースト又はセメントモル
タルを作製する工程とは別工程において、プレフォーム
式(事前発泡方式)より気泡を作製する。具体的には、
タンパク質系起泡剤あるいは合成界面活性剤系起泡剤等
の起泡剤に希釈水を加えたものと圧縮空気とを発泡機に
投入混合することにより気泡を作製する。この工程にお
いて、従来、日本道路公団の「気泡混合軽量土を用いた
軽量盛土工法の設計・施工指針」の起泡剤調書による
と、17〜25倍の発泡倍率で気泡を作製している。 【0008】なお、本明細書において、「発泡倍率」と
は、以下の式により定義されるものである。 「発泡倍率」=(「起泡剤の体積」+「希釈水の体積」
+「空気の体積」)/(「起泡剤の体積」+「希釈水の
体積」) 【0009】最後に、この気泡と前述のセメントペース
ト又はセメントモルタルとを混合することにより、エア
ミルク又はエアモルタルが製造される。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】上述したように、エア
ミルク、エアモルタルは、単位体積重量の軽いセメント
スラリーとして開発されたものであるが、以下に記載の
理由により、従来のエアミルク、エアモルタルの製造方
法により製造されるエアミルク、エアモルタルは、混練
水に加え希釈水を含むので、水量を減少させて軽量化す
る場合に希釈水分過剰に制約を受けるという問題点を有
している。また、従来のエアミルク、エアモルタルの製
造方法は、以下に記載の施工上の問題点も有している。 【0011】なお、エアミルクとエアモルタルの製造方
法の相違点は、製造工程において用いる粉末状セメント
組成物中に細骨材を含有しないか、含有するかの点のみ
であって、エアミルクとエアモルタルの製造方法はほぼ
同様である。したがって、以下に、例として、エアミル
クの従来の製造方法が有する問題点について詳細に説明
する。 【0012】従来のエアミルクの製造方法においては、
セメントペーストを作製する工程において、所定の流動
性を確保するために、セメント粉体重量に対して、50
%程度の混練水が最低限必要となっている。 【0013】例えば、粉末状セメント組成物に含有され
るセメント粉体が400kgの場合、200kg程度の
混練水が最低限必要であり、粉末状セメント組成物と水
とを混練する際に、ミルクプラント、モルタルミキサー
などの大型のミキサーが必要になっている。 【0014】そのため、セメントペーストを作製する際
に、ミルクプラント、モルタルミキサー等を設置するた
めの広いスペースが必要となっており、例えば、トンネ
ルの裏込めを行う場合などにおいては、打設箇所よりも
離れた箇所にこれら大型のミキサーを設置せざるを得な
いのが現状である。 【0015】その結果、打設箇所より離れた箇所で作製
されたセメントペーストを打設箇所までホースで圧送し
て、打設箇所直前にスタティクミキサーなどを用いて、
セメントペーストと気泡とを混合する、あるいは、打設
箇所より離れた箇所で、セメントペーストを作製するの
に用いた同じミキサーを用いて、セメントペーストと気
泡とを混合し、製造されたエアミルクを打設箇所までホ
ースで圧送するなどの手段を採用している。 【0016】このように、セメントペースト又はエアミ
ルクを、打設箇所から離れた箇所から打設箇所まで圧送
する必要があるため、セメントペースト又はエアミルク
の流動性を充分確保する必要がある。そのため、日本道
路公団では、セメントペースト又はエアミルクの、シリ
ンダー法(日本道路公団規格、「エアモルタル及びエア
ミルクの試験方法」JHSA 313−1992、コン
システンシー試験方法、シリンダー法)によるフロー値
を160mm以上にすることを推奨している。 【0017】従来、このようにセメントペースト又はエ
アミルクの流動性を高く設定するために、セメントペー
スト又はエアミルクに含有させる水分量を50〜80重
量%程度に設定している。また、気泡を作製する際に用
いる希釈水は混練水重量に対して10%程度となってい
る。その結果、製造されるエアミルクの水/セメント比
は50〜90%程度となっているのが現状である。 【0018】エアミルクの軽量化を目的として、エアミ
ルク中におけるセメント粉体の含有量を減少させた場合
には、エアミルクが硬化した後に充分な強度を得ること
ができないという問題点を有している。そこで、従来、
エアミルクの軽量化を目的として、エアミルク中に含有
される水分量を減少させるべく、以下のような試みがな
されている。 【0019】セメントペーストを作製する際の混練水を
減少させるために、高性能減水剤等を添加して、流動性
を確保しつつ、混練水を減少させる試みがなされている
が、この場合においても、製造されるエアミルクの水/
セメント比は40%程度が限界となっている。 【0020】また、セメントペースト又はエアミルク
を、打設箇所から離れた箇所から打設箇所まで圧送する
必要があるため、セメントペースト又はエアミルクを、
打設箇所から離れた箇所から打設箇所まで圧送する際
に、特に、圧送距離が長い場合においては、セメントペ
ースト又はエアミルクに材料分離が生じるという恐れが
ある。また、材料分離が進行し、水や気泡が分離した場
合には、セメントペースト又はエアミルクの流動性が悪
化してホース内に詰まりが発生するという恐れがある。 【0021】また、大型ミキサーで大量のセメントペー
スト又はエアミルクを作製するため、施工を一時中断す
る際に、ミキサー内にセメントペースト又はエアミルク
が大量に残され、これらが時間の経過とともに硬化す
る。また、ホースでセメントペースト又はエアミルクを
圧送するため、施工を一時中断する際に、ホース内に付
着したセメントペースト又はエアミルクが硬化する。そ
のため、施工を中断する毎に、ミキサーとホースを洗浄
しなければならず、施工効率が低下するという問題点を
有している。また、ミキサーとホースを洗浄する際に廃
水が発生するという問題点を有している。 【0022】そこで、本発明は上記問題点を解決し、流
動性を確保しつつ軽量化を図ることができるとともに、
大型ミキサーを必要とせず容易に製造することができ、
ホース内での材料分離や詰まりを生じさせることがな
く、施工中断時のミキサーやホースの洗浄が不要で施工
効率を向上させることができる、気泡を含有するセメン
トスラリーの製造方法を提供することを目的とする。 【0023】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく種々検討を行った結果、本発明のセメントス
ラリーの製造方法を発明するに到った。なお、発明に到
った経緯については後述する。 【0024】本発明のセメントスラリーの製造方法は、
少なくとも起泡剤と水とを用い、5〜8倍の発泡倍率で
気泡を作製する工程と、該気泡と、粉末状セメント組成
物とを混合する工程とを有することを特徴とする。 【0025】 【0026】 【0027】ここで、上記の本発明のセメントスラリー
の製造方法を発明するに到った経緯について説明する。 【0028】本発明者は、混練水を不要にすることによ
り、すなわち、セメントペースト又はセメントモルタル
(気泡を含有しないセメントスラリー)を作製せずに、
粉末状セメント組成物と気泡とを直接混練することによ
り、上記課題をすべて解決できることに想い到った。 【0029】すなわち、粉末状セメント組成物と気泡と
を直接混練する場合には、混練水が不要となるため、水
/セメント比を低減することができ、エアミルク、エア
モルタルの軽量化を図ることができる。また、粉末状セ
メント組成物と気泡とを直接混練する場合には、大型ミ
キサーが不要になり、セメントペースト等をホースで圧
送する必要がなくなるので、ホース内での材料分離や詰
まりの問題がなくなるとともに、施工中断時のミキサー
やホースの洗浄が不要となるため、施工効率を向上させ
ることができる。 【0030】そこで、本発明者は、粉末状セメント組成
物と気泡とを直接混練するべく、種々検討を行った結
果、気泡を作製する際の発泡倍率を最適化することによ
り、粉末状セメント組成物と気泡とを直接混練すること
ができるとともに、充分な流動性を有し、硬化後に充分
な強度を有し、水/セメント比が低減されたエアミル
ク、エアモルタルを製造できることを見出した。 【0031】気泡を作製する際の発泡倍率を8倍より高
くした場合には、気泡に含有される水分量が少なく、粉
末状セメント組成物と気泡との混練が不可能な場合や、
混練が可能であっても気泡が破壊されて(消泡して)、
製造されるエアミルク、エアモルタルの軽量化を図るこ
とができないことを見出した。 【0032】また、気泡を作製する際の発泡倍率を5倍
未満とした場合には、気泡に含有される水分量が多く、
製造直後に、あるいは時間の経過とともにエアミルク、
エアモルタルの材料分離が発生することを見出した。 【0033】これに対して、気泡を作製する際の発泡倍
率を5〜8倍とした場合においては、粉末状セメント組
成物と気泡とを直接混練することができるとともに、製
造されるエアミルク、エアモルタルが、水/セメント比
が低減されたものになり、充分な流動性を有し、硬化後
に充分な強度を有することを見出した。 【0034】具体的には、気泡を作製する際の発泡倍率
を5〜8倍とした場合においては、製造されるエアミル
ク、エアモルタルは、フロー値が100〜200mmと
充分流動性が良く、また硬化後に充分な強度を有するも
のになるとともに、水/セメント比が21〜40%とな
り、従来は減水剤を用いた場合においても水/セメント
比は40%程度が限界であったのに対して、本発明では
減水剤を用いることなく従来よりも水/セメント比を低
減することができ、エアミルク、エアモルタルを軽量化
できることを見出した。 【0035】なお、従来は、セメントペースト、セメン
トモルタル又はエアミルク、エアモルタルをホースで圧
送する必要があったため、エアミルク、エアモルタルの
フロー値を160mm以上にする必要があったが、本発
明においては、セメントペースト等をホースで圧送する
必要がないので、エアミルク、エアモルタルは、従来ほ
ど高い流動性を有する必要はなく、充填性が悪化せず、
施工上問題がない程度の流動性(具体的には、フロー値
100mm以上)を有するものであればよい。 【0036】 【発明の実施の形態】次に、本発明に係る実施形態につ
いて詳細に説明する。 【0037】エアミルク、エアモルタルを製造する場合
を例として、本発明に係る実施形態の、気泡を含有する
セメントスラリーの製造方法について詳細に説明する。
本実施形態において、粉末状セメント組成物と気泡とを
直接混合することにより、エアミルク、エアモルタルが
製造される。 【0038】はじめに、気泡の作製方法について説明す
る。本実施形態において、プレフォーム式(事前発泡方
式)により、発泡倍率が5〜8倍となるように、クリー
ム状の気泡を発生させる。具体的には、タンパク質系起
泡剤あるいは合成界面活性剤系起泡剤等の起泡剤に希釈
水を加えたものと圧縮空気とを発泡機に投入混合するこ
とにより、発泡倍率が5〜8倍のクリーム状の気泡を作
製する。 【0039】発泡機は、内部にビーズなどの粒状部材、
金網などの網状部材等により多数の空隙が形成されたも
のであり、粒状部材、網状部材等により多数の空隙が形
成された部分に起泡剤と希釈水と圧縮空気とを通過させ
ることにより、気泡を発生させることが可能な構造にな
っている。 【0040】本実施形態において、気泡を構成する各気
泡粒子が、10〜1000μm程度の粒子径を有する微
細な粒子となるように気泡を作製することが以下の理由
により望ましい。気泡粒子の粒子径が1000μmより
大きい場合には、消泡しやすく、又気泡が分散しにくい
ため、得られるエアミルク、エアモルタルが不均一にな
る恐れがある。また、気泡粒子の粒子径が10μm未満
の場合には気泡の作製が困難になる。 【0041】また、本実施形態において、発泡機を用い
た気泡の発生は、0〜60℃程度の範囲内で行うことが
できる。したがって、工程を簡略化するために、外気温
と同程度の温度、例えば5〜35℃程度の範囲で気泡を
発生させればよい。なお、本実施形態において、気泡を
発生する際に用いる起泡剤又は希釈水のいずれかに分散
剤、減水剤、流動化剤等の添加物を添加してから気泡の
作製を行ってもよい。 【0042】一方、気泡を作製する工程とは別工程にお
いて、本実施形態のエアミルク、エアモルタルの製造方
法において用いる粉末状セメント組成物の作製を行う。 【0043】エアミルクを製造する場合には、セメント
粉体と混和材とを混合することにより、細骨材を含有し
ない粉末状セメント組成物を作製する。なお、エアミル
クを製造する場合には、混和材を含有させず、セメント
粉体をそのまま粉末状セメント組成物とすることもでき
る。 【0044】エアモルタルを製造する場合には、セメン
ト粉体と砂等の細骨材、あるいはセメント粉体と細骨材
と混和材を混合することにより、細骨材を含有する粉末
状セメント組成物を作製する。 【0045】エアミルク、エアモルタルを製造する際に
用いるセメント粉体としては、普通セメント、早強セメ
ント、超早強セメント、白色セメント、及び耐硫酸塩セ
メントなどのポルトランドセメント、並びに、これらの
少なくとも1種と、高炉スラグ、並びに/又はフライア
ッシュなどとの混合物からなる混合セメントなどを用い
ることができる。 【0046】上記のようにして作製した気泡と粉末状セ
メント組成物とを直接混合することにより、エアミル
ク、エアモルタルが製造される。本実施形態において
は、混練水を用いずに、粉末状セメント組成物と気泡と
を直接混合するため、従来のようにミルクプラントやモ
ルタルミキサーのような大型ミキサーを用いる必要がな
い。 【0047】したがって、例えば、打設箇所近辺におい
て、連続ミキサー(コンティニアスミキサー)に粉末状
セメント組成物と気泡とを同時に投入し、連続的に混合
することによって、連続的にエアミルク、エアモルタル
の製造を行うことができる。なお、連続ミキサーへの気
泡の投入は、発泡機で連続的に気泡を発生させ、発生さ
せた気泡をホースで圧送することにより行うことができ
る。 【0048】以上の本実施形態のセメントスラリーの製
造方法により製造されるエアミルク、エアモルタルは、
従来に比較して、水/セメント比が低減され、軽量化さ
れたものとなる。 【0049】本実施形態において、気泡を作製する際の
発泡倍率を5〜8倍とした場合、製造されるエアミル
ク、エアモルタルの水/セメント比が21〜40%とな
り、従来は減水剤を用いた場合においても水/セメント
比は40%程度が限界であったのに対して、本実施形態
では減水剤を用いることなく従来よりも水/セメント比
が低減されたエアミルク、エアモルタルを製造すること
ができる。また、このとき製造されるエアミルク、エア
モルタルは、フロー値が100〜200mmと充分流動
性を有するものとなり、また、硬化後に充分な強度を有
するものとなる。 【0050】なお、従来は、セメントペースト、セメン
トモルタル又はエアミルク、エアモルタルをホースで圧
送する必要があったため、エアミルク、エアモルタルの
フロー値を160mm以上にする必要があったが、本実
施形態の場合においては、セメントペースト等をホース
で圧送する必要がないので、エアミルク、エアモルタル
は、従来ほど高い流動性を有する必要はなく、充填性が
悪化せず、施工上問題がない程度の流動性(具体的に
は、フロー値100mm以上)を有するものであればよ
い。 【0051】本実施形態のセメントスラリーの製造方法
によれば、気泡を作製する際の発泡倍率を5〜8倍にす
ることにより、粉末状セメント組成物と気泡とを直接混
練することができるので、大型ミキサーが不要になり、
セメントペースト等をホースで圧送する必要がなくなる
ので、ホース内での材料分離や詰まりの問題がなくなる
とともに、施工中断時のミキサーやホースの洗浄が不要
となるため、施工効率を向上させることができる。 【0052】また、本実施形態において、起泡剤又は希
釈水のいずれかにあらかじめ分散剤、減水剤、流動化剤
等の添加剤を添加してから気泡を発生させてもよく、こ
の場合には、粉末状セメント組成物と気泡とを混合する
際に、粉末状セメント組成物の分散性をより向上させる
ことができるので、用いる希釈水の量(水/セメント
比)をさらに低減することができる。 【0053】また、本実施形態のセメントスラリーの製
造方法により、充分な流動性を有し、硬化後に充分な強
度を有するとともに、水/セメント比が低減され、軽量
化されたエアミルク、エアモルタルを提供することがで
きる。 【0054】 【実施例】以下に、本発明に係る実施例について詳述す
る。 【0055】(試験1〜6、従来例) [エアミルクの製造条件]試験1〜6として、成分配合
比(組成)と気泡を発生させる際の発泡倍率を変えて、
それ以外の条件は同一条件で、セメント粉体に気泡を直
接混合させてエアミルクの製造を行った。 【0056】なお、セメント粉体としては住友大阪セメ
ント(株)製の高炉B種セメントを用い、起泡剤として
は住友大阪セメント(株)製の合成界面活性剤系起泡
剤、商品名「スミシールドAS−1」を用いた。また、
混練容器に気泡に所定量入れ、ハンドミキサーを使用し
ながらセメント粉体を混入することにより、セメント粉
体と気泡との混合を行った。 【0057】表1に、試験1〜6におけるエアミルクの
組成、水/セメント比、発泡倍率を示す。なお、いずれ
においても製造されるエアミルクの設定密度を600k
g/m3とした。 【0058】また、参考のために、表1に、従来例とし
て、日本道路公団の「気泡混合軽量土を用いた軽量盛土
工法の設計・施工指針」の暫定配合表に記載されている
通常配合のエアミルクの組成、水/セメント比、発泡倍
率を合わせて記載している。 【0059】 【表1】 【0060】[エアミルクの性能評価]試験1〜6にお
いて、製造されたエアミルクの性能の評価を行い、得ら
れた結果を表2に示す。なお、評価項目及び評価の方法
は下記の通りとした。 【0061】(1)フロー値 製造直後のエアミルクのフロー値の測定を行った。な
お、フロー値は、シリンダー(内径8cm×高さ8c
m)法(日本道路公団規格、「エアモルタル及びエアミ
ルクの試験方法」JHSA 313−1992、コンシ
ステンシー法、シリンダー法)に基づいて測定した。 【0062】(2)28日強度 製造直後のエアミルクを所定の形状(直径5cm×高さ
10cmの円柱状)に成形して供試体を作製し、28日
後の該供試体の強度の測定を行った。強度の測定は、地
盤工学会基準「一軸圧縮強度試験(JIS A 121
6)」に基づいて測定した。 【0063】(3)材料分離 上記(2)の28日強度の試験を行う際に、作製した供
試体を3時間後、及び24時間後に観察し、材料分離が
発生していないかどうかを目視により検査した。また、
表2の備考欄には、エアミルクを製造する際に問題点が
あった場合に、問題点を記載している。 【0064】また、得られた結果をもとに判定を行い、
判定結果を表2に合わせて記載している。なお、判定は
以下の基準に基づいて行った。 ○:フロー値が100mm以上、28日強度が0.1N
/mm2以上で、24時間以内に材料分離を起こさな
い、良好な性能を有するエアミルクを問題なく製造でき
たもの △:24時間以内に材料分離を起こさないエアミルクを
製造することはできたが、フロー値が100mm未満又
は28日強度が0.1N/mm2未満となり、良好な性
能を有するエアミルクを製造することができなかったも
の ×:エアミルクを製造することができなかったもの、あ
るいは製造することはできたものの24時間以内に材料
分離を起こしたもの 【0065】 【表2】 【0066】表2に示すように、気泡を発生する際の発
泡倍率を5〜8倍の範囲に設定した試験3〜5において
は、エアミルク製造時に問題点はなく、フロー値が10
0〜200mmと充分流動性が良く、28日強度が0.
1N/mm2以上となり、28日後に充分な強度を有
し、材料分離も起こさない、良好な性能を有するエアミ
ルクを製造することができた。 【0067】なお、試験3〜5において製造されたエア
ミルクは、表1に示すように、水/セメント比が21〜
40%であり、従来例の水/セメント比の82〜92%
に比較して小さく、軽量化されたものとなっている。 【0068】また、表1に示すように、試験3、4にお
いては、水/セメント比が21〜30%であり、試験3
〜5の中においても特に、水/セメント比が低減されて
おり、従来は減水剤を用いた場合においても水/セメン
ト比は40%程度が限界であったのに対して、水/セメ
ント比が大きく低減されたものになっている。なお、試
験3、4において、製造されたエアミルクのフロー値は
100〜160mmと充分流動性を有するものであっ
た。 【0069】これに対して、気泡を発生する際の発泡倍
率を12.5倍にした試験1においては、気泡に含有さ
れる水(希釈水)の分量が少ないため、セメント粉体と
気泡とを混練することができず、エアミルクを製造する
ことができなかった。 【0070】また、気泡を発生する際の発泡倍率を8.
5倍にした試験2においては、セメント粉体と気泡とを
混練することができ、エアミルクを製造することができ
るものの、セメント粉体と気泡とを混合する際に著しく
気泡が破壊され(消泡し)、その結果、製造されたエア
ミルクの流動性が低くなり、フロー値の測定時にエアミ
ルクがシリンダーに付着して測定不能となった。また、
試験2においては、気泡が破壊された(消泡した)た
め、実測密度が設定密度の600kg/m3を大きく超
えて990kg/m3となり、エアミルクの軽量化がな
されなかった。 【0071】一方、気泡を発生する際の発泡倍率を4.
0倍にした試験6においては、気泡に含有される水(希
釈水)の分量が大きく、3時間後に材料分離が発生し
た。以上の結果から、気泡を発生する際の発泡倍率を5
〜8倍にすることが望ましいことが判明した。 【0072】(試験7〜9)[エアモルタルの製造条件
及び性能評価]試験7〜9として、上記試験4の組成で
セメントの一部を細骨材に置き換えて、エアモルタルの
製造を行った。なお、細骨材としては、住友大阪セメン
ト(株)製の商品名「スミクレー」(比表面積:550
0cm2/g)を用いた。 【0073】試験4及び試験7〜9におけるセメント及
び細骨材の配合量、細骨材/セメント重量配合比を表3
に示す。また、製造されたエアミルク又はエアモルタル
の28日強度を測定し、得られた結果を表3に示す。な
お、28日強度の測定方法は前記試験1〜6における2
8日強度の測定方法と同一である。 【0074】 【表3】 【0075】表3に示すように、エアモルタルについて
も本発明により良好なものが得られることが判明した。 【0076】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のセメント
スラリーの製造方法によれば、混練水が不要となるた
め、エアミルク、エアモルタルの水/セメント比を低減
することができ、エアミルク、エアモルタルの軽量化を
図ることができる。 【0077】また、本発明のセメントスラリーの製造方
法によれば、気泡を作製する際の発泡倍率を5〜8倍に
することにより、粉末状セメント組成物と気泡とを直接
混練することができるので、大型ミキサーが不要にな
り、セメントペースト等をホースで圧送する必要がなく
なるので、ホース内での材料分離や詰まりの問題がなく
なるとともに、施工中断時のミキサーやホースの洗浄が
不要となるため、施工効率を向上させることができる。 【0078】また、本発明のセメントスラリーの製造方
法により、充分な流動性を有するとともに、水/セメン
ト比が低減され、軽量化されたエアミルク、エアモルタ
ルを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内沢 司 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪 セメント株式会社 セメント・コンクリ ート研究所 関東技術センター内 (72)発明者 川上 明大 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪 セメント株式会社 セメント・コンクリ ート研究所 関東技術センター内 (56)参考文献 特開 平4−260674(JP,A) 特開 平5−254959(JP,A) 特開 平11−100286(JP,A) 特開 平11−43383(JP,A) 特開 昭52−4530(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 38/00 - 38/10

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくとも起泡剤と水とを用い、5〜8
    倍の発泡倍率で気泡を作製する工程と、 該気泡と、粉末状セメント組成物とを混合する工程とを
    有することを特徴とするセメントスラリーの製造方法。
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