JP3470815B2 - 折畳コンテナ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、各種工業部品等を収納
し、輸送・運搬する際に使用する折畳可能な折畳コンテ
ナに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の折畳コンテナとして、従来、実
開昭６０−１６７７３３号公報、実開昭６３−１２６２
３５号公報等において、底板の相対向する１対の辺上に
設けた立上げ壁上に、ヒンジ部を介して側板が取付けら
れ、矩形フレーム状の上枠が両側板の外側を囲い摺動可
能に水平に配設され、その上枠の相対向する２辺部（側
板のない２辺部）に、ヒンジ部を介して２枚の板が連結
されてなる折畳側板が下側に向けて取付けられ、両折畳
側板が両側板の間で折畳み動作するように構成された折
畳コンテナが提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の折畳
コンテナは、両側の折畳側板の下縁部がフリーな状態と
なるため、そのままフリーの状態にした場合はコンテナ
の強度が低下し、強度を保持させるためには、両折畳側
板の下縁部と底板の２辺部との間に強固な嵌合機構を設
けて両部分を嵌合させる必要があり、嵌合機構などが複
雑になり、コンテナの折畳や組立て操作が複雑化する問
題があった。

【０００４】本発明は、上記に鑑みなされたものでその
目的は、充分な強度を有すると共に折畳と組立て操作を
容易に行うことができる折畳コンテナの提供にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の折畳コンテナは、矩形枠状の上枠と、底板の
両端に側板を連設しその側板の上端を前記上枠の相対向
する２辺部に支持させた内部材と、底板の両端に側板を
連設しその側板の上端を前記上枠の相対向する他の２辺
部に支持させた外部材とを備え、前記内部材は、一枚の
プラスチック段ボールを使って側板・底板・側板を一体
に連設すると共に前記上枠に側板上端を支持させたまま
コ字状の開形状と扁平な折り畳み状態とに変形可能とす
べく、プラスチック段ボールの厚さの一部を切断して折
曲自在にした水平なヒンジ部を少なくとも６本平行に形
成し、また、前記外部材は、一枚のプラスチック段ボー
ルを使って側板・底板・側板を一体に連設すると共に前
記上枠に側板上端を支持させたままコ字状の開形状と扁
平な折り畳み状態とに変形可能とすべく、プラスチック
段ボールの厚さの一部を切断して折曲自在にした水平な
ヒンジ部を少なくとも６本平行に形成し、さらに前記内
部材と外部材は、組立状態において、起立させた側板で
四方を囲い且つ外部材の底板上に内部材の底板が重なる
ようになし、一方、折り畳み状態において、先に畳んだ
内部材の下側に外部材が折り重なるようにしたことを特
徴とする。

【０００６】

【作用】本発明の折畳コンテナは、内部材と外部材の夫
々が底板と側板を一体に連設した構造になっているた
め、組立状態で底板と側板をつなぎ合わせる嵌合機構が
不要になる。また、請求項２に記載したように、前記内
部材と外部材に相互に係合可能な凸部と凹部又は凸部と
孔を設けて組立て時に両者を係合させるようにすれば、
内部材と外部材が一体化してずれないからコンテナの形
態が安定する。さらにまた請求項３に記載したように、
前記内部材の底板の長さを外部材の底板の幅より小さく
するようにすれば、側板と側板間に生じやすい隙間を極
めて少なくすることができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、図１は折畳コンテナの正面図を、図２はそ
の側面図を、図３はその平面図を示している。１はコン
テナの上枠であり、全体の平面形状が矩形の枠状に例え
ば合成樹脂で形成される。上枠１の内部には、後述の内
部材２と外部材３の保持部２ａ，３ａを嵌入するための
凹部１ａが全周にわたって水平に形成される。この凹部
１ａ内には、差し込まれる保持部の抜けを防止するため
に、係止突起が設けられる。

【０００８】また、上枠１の上面には複数のコンテナを
積み重ねる際に位置決めとなる凸条１ｂが枠の長手方向
に沿って突設される。また、上枠１には内側全周に内側
庇部１ｃが張り出すように設けられ、上枠１の下部には
立下り壁１ｄが下側全周に設けられる。さらに、側面側
の立下り壁１ｄの下端部には、折畳状態の外部材３を係
止し垂れ下がりを防止するための係止部１ｅが内側に突
出して設けられる（図６、図８）。

【０００９】２は内部材であり、一枚のプラスチック段
ボールを略コ字状に折り曲げて形成される。この内部材
２は、凹部１ａに差し込む保持部２ａと、保持部２ａに
続く側板２ｂと、側板２ｂに続く底板２ｃとから構成さ
れ、各部分は、プラスチック段ボールの厚さの一部を切
断して繰り返し折り曲げ可能としたヒンジ部を介して一
体的に形成される。そして、内部材２の両保持部２ａ
は、図４、図６に示すように、上枠１の両側部の凹部１
ａ内に差し込まれ、固定される。また、側板２ｂの中央
部にプラスチック段ボールの厚さの一部を切断した構造
の水平なヒンジ部２ｄが設けられ、側板２ｂはそのヒン
ジ部２ｄを内側に入れるように折畳み可能である。

【００１０】３は外部材であり、上記と同様に、一枚の
プラスチック段ボールを略コ字状に折り曲げ、内部材２
の外側に密に組み付くように形成される。外部材３は、
内部材２と同様に、凹部１ａに差し込む保持部３ａと、
保持部３ａに固定壁部３ｅを介して続く側板３ｂと、側
板３ｂに続く底板３ｃとから構成され、各部分は、プラ
スチック段ボールの厚さの一部を切断して繰り返し折り
曲げ可能としたヒンジ部を介して一体的に形成される。
そして、外部材３の両保持部３ａは、図５、図７に示す
ように、上枠１の前後の辺部の凹部１ａ内に差し込ま
れ、固定される。なお、保持部３ａと側板３ｂの間に設
けられ上枠１の内側に固定される固定壁部３ｅは、図７
に示すように、折畳んだ状態の内部材２が収納可能な幅
で設けられる。また、側板３ｂの中央部にプラスチック
段ボールの厚さの一部を切断した構造の水平なヒンジ部
３ｄが設けられ、側板３ｂはそのヒンジ部３ｄを内側に
入れるように折畳み可能である。

【００１１】このように、内部材２と外部材３は、上枠
１の相対向する各々の２辺に、その保持部２ａ，３ａを
固定して取付けられ、コ字状の内部材２と外部材３は十
文字に交差するように配設され、各底板２ｃ，３ｃにお
いて独立した二重底を形成する。

【００１２】上記構成の折畳コンテナを折畳む場合、図
６に示すように、先ず、内部材２を、その側板２ｂの中
央のヒンジ部２ｄを内側に曲げ入れるようにして折畳
み、それを上枠１内の固定壁部３ｅの内側に入れる。

【００１３】次に、外部材３を、同様に、その側板３ｂ
の中央のヒンジ部３ｄを内側に曲げ入れるようにして折
畳み、それを上枠１の立下り壁１ｄ内に入れる。これ
で、コンテナは図８に示すように折畳まれ、外部材３は
係止部１ｅで係止されるため、折畳状態は良好に保持さ
れる。

【００１４】一方、コンテナを折畳状態から組立てる場
合、折畳時とは反対に、先ず、外部材３を、係止部１ｅ
の係止を外して引き下げ、ヒンジ部３ｄを開くようにし
て両側の側板３ｂを平坦な形状にし、コ字状に開く。次
に、内部材２を、同様に上枠１内から引き下げ、その両
ヒンジ部２ｄを開くようにして両側の側板２ｂを平坦な
形状にする。この状態で、内部材２の底板２ｃが外部材
３の底板３ｃに重ねられ、二重底を形成し、内部材２の
側板２ｂの両側端部は、外部材３の側板３ｂの内側に挟
まれ、隙間のない強固な箱が簡単に形成される。

【００１５】このように、内部材２と外部材３の底板２
ｃ，３ｃによって二重底が形成されるため、コンテナの
強度が高まり、重量物を運搬することも可能となる。ま
た、内部材２と外部材３の保持部２ａ，３ａが上枠１の
凹部１ａ内に水平に差し込み固定されているため、内部
材２と外部材３にかかる荷重を充分に保持することがで
きる。

【００１６】なお、内部材２と外部材３の底板２ｃ，３
ｃに、相互に係合可能な凸部と凹部、又は凸部と孔を設
けて係合させれば、組立て時の内部材２と外部材３のず
れを防止できる。また、内部材２の底板２ｃの長さを外
部材３の底板３ｃの幅より小さくすれば、側板２ｂと側
板３ｂ間に生じやすい隙間を極めて少なくすることがで
きる。

【００１７】さらに、図９に示すように、上枠１は、内
部材１２と外部材１３の上端部を曲げて形成することも
できる。

【００１８】即ち、プラスチック段ボールにより略コ字
状に折り曲げて形成される内部材１２は、側板１２ｂ
と、側板１２ｂに続く底板１２ｃとを有し、各部分は、
繰り返し折り曲げ可能なヒンジ部を介して一体的に形成
され、側板１２ｂの中央部に水平なヒンジ部１２ｄが設
けられ、側板１２ｂはヒンジ部１２ｄを内側に入れるよ
うに折畳み可能である。そして、側板１２ｂの上部に、
その延設部を外側に曲折されてなる断面コ字状の上枠部
１２ａがそれと一体に形成される。

【００１９】また、同様の外部材１３は、側板１３ｂ
と、側板１３ｂに続く底板１３ｃとを有し、各部分は、
繰り返し折り曲げ可能なヒンジ部を介して一体的に形成
され、側板１３ｂの中央部に水平なヒンジ部１３ｄが設
けられ、側板１３ｂはヒンジ部１３ｄを内側に入れるよ
うに折畳み可能である。そして、側板１３ｂの上部に固
定壁部１３ｅが設けられ、その固定壁部１３ｅの上部
に、その延設部を外側に曲折してなる断面コ字状の上枠
部１３ａがそれと一体に形成される。

【００２０】内部材１２と外部材１３は、コンテナの矩
形平面の相対する２辺に上枠部１２ａ，１３ａを位置さ
せ、底板１２ｃを上に、底板１３ｃを下に重ね合せて配
設される。そして、組み立てられた内部材１２と外部材
１３の上枠部１２ａ，と１３ａの４つの角部には、Ｌ字
状の補強連結具１４が外側から組み付けられ、箱の角部
が連結されてコンテナが完成する。このコンテナも、上
記と同様に簡単に折畳むことができる。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように本発明の折畳コンテ
ナによれば、内部材と外部材の夫々が底板と側板を一体
に連設した構造になっているため、組立状態で底板と側
板をつなぎ合わせる嵌合機構が一切不要であり、また、
内部材と外部材の底板同士が重なって二重底となるた
め、プラスチック段ボール製のコンテナでも必要十分な
強度を発揮する。そしてさらに、内部材と外部材の夫々
が、一枚構造のプラスチック段ボールに厚さの一部を切
断したヒンジ部を少なくとも６本形成して作られている
ため、構造が単純でコストが安い、等の効果がある。

【００２２】また、請求項２のように、前記内部材と外
部材に相互に係合可能な凸部と凹部又は凸部と孔を設け
て組立て時に両者を係合させるようにすれば、内部材と
外部材が一体化してずれないからコンテナの形態が安定
する。

【００２３】また、請求項３のように前記内部材の底板
の長さを外部材の底板の幅より小さくするようにすれ
ば、側板と側板間に生じやすい隙間を極めて少なくする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例を示す折畳コンテナの正面
図である。

【図２】 同側面図である。

【図３】 同平面図である。

【図４】 図２のＩＶ−ＩＶ断面図である。

【図５】 図１のＶ−Ｖ断面図である。

【図６】 折畳み状態の断面図である。

【図７】 折畳み状態の断面図である。

【図８】 折畳み完了状態の断面図である。

【図９】 他の実施例の折畳コンテナの部分斜視図であ
る。

【図１０】 内部材の斜視図である。

【符号の説明】 １ …上枠 ２ …内部材 ２ａ…保持部 ２ｂ…側板 ２ｃ…底板 ２ｄ…ヒンジ部 ３ …外部材 ３ａ…保持部 ３ｂ…側板 ３ｃ…底板 ３ｄ…ヒンジ部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−214738（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−106641（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−49422（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65D 6/00

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 矩形枠状の上枠と、 底板の両端に側板を連設しその側板の上端を前記上枠の
   相対向する２辺部に支持させた内部材と、 底板の両端に側板を連設しその側板の上端を前記上枠の
   相対向する他の２辺部に支持させた外部材とを備え、 前記内部材は、一枚のプラスチック段ボールを使って側
   板・底板・側板を一体に連設すると共に前記上枠に側板
   上端を支持させたままコ字状の開形状と扁平な折り畳み
   状態とに変形可能とすべく、プラスチック段ボールの厚
   さの一部を切断して折曲自在にした水平なヒンジ部を少
   なくとも６本平行に形成し、 また、前記外部材は、一枚のプラスチック段ボールを使
   って側板・底板・側板を一体に連設すると共に前記上枠
   に側板上端を支持させたままコ字状の開形状と扁平な折
   り畳み状態とに変形可能とすべく、プラスチック段ボー
   ルの厚さの一部を切断して折曲自在にした水平なヒンジ
   部を少なくとも６本平行に形成し、 さらに前記内部材と外部材は、組立状態において、起立
   させた側板で四方を囲い且つ外部材の底板上に内部材の
   底板が重なるようになし、一方、折り畳み状態におい
   て、先に畳んだ内部材の下側に外部材が折り重なるよう
   にしたことを特徴とする折畳コンテナ。
2. 【請求項２】 前記内部材と外部材に相互に係合可能な
   凸部と凹部又は凸部と孔を設けて組立て時に両者を係合
   させるようにしたことを特徴とする請求項１記載の折畳
   コンテナ。
3. 【請求項３】 前記内部材の底板の長さを外部材の底板
   の幅より小さくしたことを特徴とする請求項１又は２記
   載の折畳コンテナ。