JP3470741B2 - トロイダル式無段変速機用転動体およびその製造方法 - Google Patents

トロイダル式無段変速機用転動体およびその製造方法

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JP3470741B2 JP07060396A JP7060396A JP3470741B2 JP 3470741 B2 JP3470741 B2 JP 3470741B2 JP 07060396 A JP07060396 A JP 07060396A JP 7060396 A JP7060396 A JP 7060396A JP 3470741 B2 JP3470741 B2 JP 3470741B2
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    • F16HGEARING
    • F16H15/00Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members
    • F16H15/02Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members without members having orbital motion
    • F16H15/04Gearings providing a continuous range of gear ratios
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    • F16H15/32Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line
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    • F16H15/38Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces
    • F16H2015/383Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces with two or more sets of toroid gearings arranged in parallel

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの車両
やその他の回転動力源等において、無段変速機として使
用することが可能であるトロイダル式(転がり式)無段
変速機を構成する転動体およびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】自動車などの車両にお
いて使用される変速機としては、従来の3段や4段など
の有段変速機に代えて、無段変速機を採用する試みもな
されており、数年前より一部実用化されて市販されてい
るものもある(“新型車解説書 NISSANマーチ”
平成4年1月 日産自動車株式会社 編集発行C−9頁
〜C−48頁)。
【0003】この無段変速機は、連続的に変速するた
め、燃費,動力性能が向上すること、変速ショックがな
いこと、等の特徴を持っており、その構造によって、ベ
ルト式とトロイダル式の2つに大別される。
【0004】その中で、トロイダル式の無段変速機は、
図1に示すように、潤滑油を介して接触する金属製転動
体を用いた構造を有するものであって、このトロイダル
式無段変速機1は、入力軸2に接続したローディングカ
ム3および連結軸4を介して一体で回転する入力ディス
ク5,5を備えていると共に、歯車6,7を介して出力
軸8を回転させる出力ディスク9,9を備え、入力ディ
スク5,5と出力ディスク9,9との間にパワーローラ
10,10,10,10を設け、各パワーローラ10は
ボールベアリング11を介して各々支持体12により支
持された構造を有するものである。
【0005】そして、このトロイダル式無段変速機1で
は、入力ディスク5と出力ディスク9との間で挟まれた
パワーローラ10の傾きを変化させ、入出力ディスク
5,9の相対回転速度を変えて変速しつつ、入力軸2か
ら出力軸8へと動力を伝達する仕組みになっている(特
開平1−229158号など)。
【0006】このようなトロイダル式無段変速機1の金
属製転動体(5,9,10)においては、トルクを伝達
するために入力ディスク5に対しローディングカム3に
よって荷重を加えるようにしているので、転動面に高い
面圧が負荷されることから、転動体内部の深い位置に高
いせん断応力が発生する。そのため、有効硬化層深さが
2mm以下と浅い場合、最大せん断応力の深さに対する
安全率が小さくなり、転がり疲労寿命が低下してしまう
ことになる。そこで、従来の場合においては、機械構造
用鋼に浸炭焼き入れまたは浸炭窒化焼き入れ等の表面硬
化処理を施すことによって深い硬化層を得るようにして
いた(特開平7−71555号など)。
【0007】しかしながら、転動体の転動面では最大4
GPa程度にまで達する高い面圧を受けることから、最
大せん断応力発生深さZo近傍位置では微小な塑性変形
が起こり、転動面が陥没して変速性能が損なわれたり、
最大せん断応力発生深さZo近傍位置を起点とする亀裂
が発生して剥離に至ったりすることがあるという問題点
があったことから、このような問題点を解決することが
課題としてあった。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記した課題にかんがみてな
されたものであって、機械構造用鋼を素材とし、浸炭焼
き入れまたは浸炭窒化焼き入れまたは高周波焼き入れ等
の表面硬化処理を行った後にバニシング加工を施すこと
で転動面の陥没を低減し、長寿命のトロイダル式無段変
速機用転動体を提供することを目的としているものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるトロイダ
ル式無段変速機用転動体は、請求項1に記載しているよ
うに、潤滑油を介して接触する複数個の金属製転動体を
用いたトロイダル式無段変速機において、機械構造用鋼
を素材とし且つ浸炭焼き入れまたは浸炭窒化焼き入れ後
にバニシング加工が施されていて、最大せん断応力深さ
Zo位置での硬度がHV750以上860以下となって
いる構成としたことを特徴としている。
【0010】同じく、本発明に係わるトロイダル式無段
変速機用転動体は、請求項2に記載しているように、潤
滑油を介して接触する複数個の金属製転動体を用いたト
ロイダル式無段変速機において、機械構造用鋼を素材と
し且つ高周波焼き入れ後にバニシング加工が施されてい
て、最大せん断応力深さZo位置での硬度がHV750
以上860以下となっている構成としたことを特徴とし
ている。
【0011】同じく、本発明に係わるトロイダル式無段
変速機用転動体は、請求項3に記載しているように、潤
滑油を介して接触する複数個の金属製転動体を用いたト
ロイダル式無段変速機において、機械構造用鋼を素材と
し且つ浸炭焼き入れまたは浸炭窒化焼き入れ後さらに高
周波焼き入れした後にバニシング加工が施されていて、
最大せん断応力深さZo位置での硬度がHV750以上
860以下となっている構成としたことを特徴としてい
る。
【0012】また、本発明に係わるトロイダル式無段変
速機用転動体の製造方法は、請求項4に記載しているよ
うに、潤滑油を介して接触する複数個の金属製転動体を
用いたトロイダル式無段変速機において前記転動体を製
造するに際し、素材として機械構造用鋼を用いて転動体
形状に成形したあと浸炭焼き入れまたは浸炭窒化焼き入
れを施し、その後バニシング加工を施して転動体の最大
せん断応力深さZo位置での硬度がHV750以上86
0以下であるようにする構成としたことを特徴としてい
る。
【0013】同じく、本発明に係わるトロイダル式無段
変速機用転動体の製造方法は、請求項5に記載している
ように、潤滑油を介して接触する複数個の金属製転動体
を用いたトロイダル式無段変速機において前記転動体を
製造するに際し、素材として機械構造用鋼を用いて転動
体形状に成形したあと高周波焼き入れを施し、その後バ
ニシング加工を施して転動体の最大せん断応力深さZo
位置での硬度がHV750以上860以下であるように
する構成としたことを特徴としている。
【0014】同じく、本発明に係わるトロイダル式無段
変速機用転動体の製造方法は、請求項6に記載している
ように、潤滑油を介して接触する複数個の金属製転動体
を用いたトロイダル式無段変速機において前記転動体を
製造するに際し、素材として機械構造用鋼を用いて転動
体形状に成形したあと浸炭焼き入れまたは浸炭窒化焼き
入れを施し、さらに高周波焼き入れを施し、その後バニ
シング加工を施して転動体の最大せん断応力深さZo位
置での硬度がHV750以上860以下であるようにす
る構成としたことを特徴としている。
【0015】そして、本発明に係わるトロイダル式無段
変速機用転動体の製造方法の実施態様においては、請求
項7に記載しているように、バニシング加工は、ボール
またはローラを押しつけて転がすことにより材料を加工
硬化させて強化し、予め、実働時と同等の最大せん断応
力τ0を実働時と同等のZo位置付近に発生させる条件
で行うことにより、Zo位置近傍に微小な塑性変形およ
び残留オーステナイトの加工誘起変態を実働前に生じさ
せてZo深さ近傍を強化させて転動面陥没による寸法精
度の低下を抑制して転動疲労寿命を向上させるものであ
るようにしたことを特徴としている。
【0016】
【発明の作用】本発明に係わるトロイダル式無段変速機
用転動体は、潤滑油を介して接触する複数個の金属製転
動体を用いたトロイダル式無段変速機において、機械構
造用鋼を素材とし、且つ、請求項1に記載の発明では浸
炭焼き入れまたは浸炭窒化焼き入れ後に、また、請求項
2に記載の発明では、高周波焼き入れ後に、さらにま
た、請求項3に記載の発明では、浸炭焼き入れまたは浸
炭窒化焼き入れ後さらに高周波焼き入れした後に、バニ
シング加工が施されていて、最大せん断応力深さZo位
置での硬度がHV750以上860以下となっているこ
とを特徴とするものであり、また、本発明に係わるトロ
イダル式無段変速機用転動体の製造方法は、潤滑油を介
して接触する複数個の金属製転動体を用いたトロイダル
式無段変速機において前記転動体を製造するに際し、素
材として機械構造用鋼を用いて転動体形状に成形したあ
と、請求項4に記載の発明では、浸炭焼き入れまたは浸
炭窒化焼き入れを施し、また、請求項5に記載の発明で
は、高周波焼き入れを施し、さらにまた、請求項6に記
載の発明では、浸炭焼き入れまたは浸炭窒化焼き入れを
施し、さらに高周波焼き入れを施し、その後バニシング
加工を施して転動体の最大せん断応力深さZo位置での
硬度がHV750以上860以下であるようにすること
を特徴とするものであるが、このような構成とした理由
について作用と共に説明する。なお、以下の説明におい
て、トロイダル式無段変速機の実働時の最大面圧のとき
に転動体内に発生する水平および垂直方向に働く最大せ
ん断応力をτ0、最大せん断応力の発生深さをZoで表
わす。
【0017】図1に例示したようなトロイダル式無段変
速機の転動体の転動面では、高い面圧が繰り返し負荷さ
れるため、内部のZo位置(Zo≧0.2mm)にせん
断応力の最大値τ0がくる。そのため、Zo位置近傍で
は微小な塑性変形が起こり、転動面が陥没して変速性能
が損なわれたり、最大せん断応力発生深さZo位置近傍
を起点とする亀裂が発生して、剥離を招く原因となる。
【0018】一方、バニシング加工は、ボールまたはロ
ーラを鋼材に押しつけ、転がすことにより材料を加工硬
化させ、強化する作用があるが、予め、実働時と同等の
最大せん断応力τ0を実働時と同等のZo位置付近に発
生させるような条件(工具先端半径、押しつけ荷重)で
行うことにより、Zo位置近傍に微小な塑性変形および
残留オーステナイトの加工誘起変態を実働前に生じさ
せ、Zo深さ近傍を強化させ、転動面陥没による寸法精
度の低下を抑制し、転動疲労寿命を向上させる作用があ
る。
【0019】次に、転動体の最大せん断応力発生深さ
(Zo位置の硬さ):HV750≦ビッカース硬さ≦H
V860とした限定理由について述べると、Zo位置で
の硬さがHV750未満であると、実働時に塑性変形を
生じるため、内部亀裂の発生や陥没を十分に低減できな
いためである。一方、Zo位置での硬さがHV860を
こえると、過度に塑性変形や加工硬化が生じるため、材
料が脆化し、曲げ疲労強度および転動疲労強度が低下
し、寿命が短いものになってしまうためである。
【0020】
【発明の効果】本発明に係わるトロイダル式無段変速機
用転動体では、潤滑油を介して接触する複数個の金属製
転動体を用いたトロイダル式無段変速機において、機械
構造用鋼を素材とし、且つ、請求項1に記載の発明で
は、浸炭焼き入れまたは浸炭窒化焼き入れ後に、また、
請求項2に記載の発明では、高周波焼き入れ後に、さら
にまた、請求項3に記載の発明では、浸炭焼き入れまた
は浸炭窒化焼き入れ後さらに高周波焼き入れした後に、
バニシング加工が施されていて、最大せん断応力深さZ
o位置での硬度がHV750以上860以下となってい
る構成としたから、転動体の実働以前に、Zo位置近傍
に微小な塑性変形および残留オーステナイトの加工誘起
変態を生じさせることが可能となり、Zo深さ近傍をさ
らに強化することが可能となって実働時における転動面
の陥没を大幅に低減することが可能となり、転動面の陥
没による寸法精度の低下を抑制することが可能となり、
かつまた、内部起点の剥離や割れの発生を著しく低減す
ることが可能となって、転動疲労寿命をより一層向上さ
せたトロイダル式無段変速機用転動体とすることが可能
であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0021】そして、請求項1に記載しているような浸
炭焼き入れまたは浸炭窒化焼き入れを採用したときで
も、また、請求項2に記載しているような高周波焼き入
れを採用したときでも、あるいは請求項3に記載してい
るような浸炭焼き入れまたは浸炭窒化焼き入れ後さらに
高周波焼き入れを採用したときでも、それぞれの焼き入
れ方法がもつ特長を活かしたうえで、いずれのときに
も、転動疲労寿命をより一層向上させたトロイダル式無
段変速機用転動体とすることが可能であるという著大な
る効果がもたらされる。
【0022】また、本発明に係わるトロイダル式無段変
速機用転動体の製造方法では、潤滑油を介して接触する
複数個の金属製転動体を用いたトロイダル式無段変速機
において前記転動体を製造するに際し、素材として機械
構造用鋼を用いて転動体形状に成形したあと、請求項4
に記載の発明では、浸炭焼き入れまたは浸炭窒化焼き入
れを施し、また、請求項5に記載の発明では、高周波焼
き入れを施し、さらにまた、請求項6に記載の発明で
は、浸炭焼き入れまたは浸炭窒化焼き入れを施し、さら
に高周波焼き入れを施し、その後バニシング加工を施し
て転動体の最大せん断応力深さZo位置での硬度がHV
750以上860以下である構成としたから、請求項1
ないし3に記載したごとき転動寿命がより一層向上した
トロイダル式無段変速機用転動体を製造することが可能
であるという著大なる効果がもたらされる。
【0023】
【実施例】この実施例においては、先に説明した図1の
トロイダル式無段変速機1に適用した場合について述べ
る。すでに説明したように、図1に示すトロイダル式無
段変速機1は、金属製転動体である入力ディスク5,出
力ディスク9およびパワーローラ10を1組とし、必要
とされる動力伝達能力により1組ないしは複数組(本実
施例の場合は2組)から構成される。
【0024】これらの金属製転動体である入力ディスク
5,出力ディスク9およびパワーローラ10において、
いずれも表1および表2に示すように機械構造用鋼(J
ISに制定された機械構造用炭素鋼であるSC、機械構
造用合金鋼であるSNC、SNCM、SCr、SCN、
SMn、SMnCなどがある)を用い、この実施例で
は、SCM420H、SCM440H、S55Cを使用
した。
【0025】鋼材を部品形状に機械加工した後、SCM
420Hには図2に示す表面硬化熱処理条件の浸炭焼き
入れまたは図3に示す表面硬化熱処理条件の浸炭窒化焼
き入れを施し、S55Cには図4に示す表面硬化熱処理
条件の高周波焼き入れを施し、SCM440Hには図5
に示す表面硬化熱処理条件の浸炭焼き入れおよび高周波
焼き入れまたは図6に示す表面硬化熱処理条件の浸炭窒
化焼き入れおよび高周波焼き入れを行った。
【0026】そして、各条件で表面硬化処理を行った
後、同じく表1および表2に示す条件でバニシング加工
を施し、さらに、転動面の表面粗さをRa=0.03μ
m程度に仕上げて、表3および表4に示すバニシング後
転動面Zo位置での硬度を有する入出力ディスク5,9
およびパワーローラ10の作製を行った。
【0027】次に、これらの転動体を図1に示した様に
組み付けてトロイダル式無段変速機1とし、表5に示す
試験条件で耐久試験を実施した。
【0028】このときの試験結果(陥没深さ,剥離寿
命)を同じく表3および表4に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】表1ないし表4より明らかなように、本発
明の実施例1〜10に示すごとく浸炭焼き入れまたは浸
炭窒化焼き入れ後に予めバニシング加工を施すことでZ
o位置近傍部分を強化させておくことによって、耐久試
験100時間経過後においても転動面の陥没が著しく少
なく、剥離や割れなどの不具合の発生が大幅に低減さ
れ、転動疲労寿命や曲げ疲労強度に優れるものにできる
ことが確かめられた。
【0035】また、本発明実施例11〜13に示すごと
く高周波焼き入れ後に予めバニシング加工を施すことに
よっても、転動面の陥没深さおよび寿命は浸炭焼き入れ
または浸炭窒化焼き入れ後に予めバニシング加工を施し
たものと同等に優れたものであり、処理時間の短縮が可
能であることを確認した。
【0036】さらに、本発明実施例14〜19に示すご
とく浸炭焼き入れまたは浸炭窒化焼き入れ後さらに高周
波焼き入れを実施した後に予めバニシング加工を施す
と、Zo位置近傍での硬度がさらに向上して転動面の陥
没がより一層低減することが認められた。
【0037】これに対し、比較例1〜5に示すごとくバ
ニシング加工を実施しない場合には、実働時に最大面圧
が付加されて転動面が陥没し、最大せん断応力発生深さ
Zo位置近傍を起点とする亀裂が発生して短時間で剥離
や割れが生ずるものとなっていた。
【0038】また、比較例6,8,10,12,16の
ように、バニシング加工時の押しつけ荷重が小さい場合
には実働時に最大面圧が付加され、バニシング加工時以
上に塑性変形を生じるため十分な陥没低減が行えず、長
寿命化が図れないことが認められた。
【0039】さらに、比較例7,9,11,13〜1
5,17のように、バニシング加工時の押しつけ荷重が
大きいと、過度に塑性変形および加工硬化を生じるた
め、材料が脆化して、曲げ疲労強度,ピッチング強度が
低下し、短寿命で剥離したり、あるいは転動体に割れを
生じたりするものとなっていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】トロイダル式(転がり式)無段変速機の構造を
例示する断面説明図である。
【図2】本発明の実施例および比較例で採用したガス浸
炭による表面硬化熱処理条件を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例および比較例で採用したガス浸
炭窒化による表面硬化熱処理条件を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例および比較例で採用した高周波
加熱による表面硬化熱処理条件を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例および比較例で採用したガス浸
炭および高周波加熱による表面硬化熱処理条件を示す説
明図である。
【図6】本発明の実施例および比較例で採用したガス浸
炭窒化および高周波加熱による表面硬化熱処理条件を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 トロイダル式(転がり式)無段変速機 5 入力ディスク(転動体) 9 出力ディスク(転動体) 10 パワーローラ(転動体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾 谷 敬 造 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社 内 (72)発明者 田 中 一 彦 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社 内 (56)参考文献 特開 平7−71555(JP,A) 特開 平5−78782(JP,A) 特開 平7−279974(JP,A) 特開 平6−159463(JP,A) 特開 平7−208568(JP,A) 特開 平4−191327(JP,A) 特開 平8−49755(JP,A) 特開 平9−79337(JP,A) 特開 平9−79338(JP,A) 特開 平8−338493(JP,A) 特開 平8−326862(JP,A) 特開 昭61−209818(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 13/00 - 15/56 F16H 51/00 - 55/30 F16C 19/00 - 19/56 F16C 33/30 - 33/66 C23C 8/00 - 12/02 B21D 53/10 B24B 39/00 - 39/06

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑油を介して接触する複数個の金属製
    転動体を用いたトロイダル式無段変速機において、機械
    構造用鋼を素材とし且つ浸炭焼き入れまたは浸炭窒化焼
    き入れ後にバニシング加工が施されていて、最大せん断
    応力深さZo位置での硬度がHV750以上860以下
    となっていることを特徴とするトロイダル式無段変速機
    用転動体。
  2. 【請求項2】 潤滑油を介して接触する複数個の金属製
    転動体を用いたトロイダル式無段変速機において、機械
    構造用鋼を素材とし且つ高周波焼き入れ後にバニシング
    加工が施されていて、最大せん断応力深さZo位置での
    硬度がHV750以上860以下となっていることを特
    徴とするトロイダル式無段変速機用転動体。
  3. 【請求項3】 潤滑油を介して接触する複数個の金属製
    転動体を用いたトロイダル式無段変速機において、機械
    構造用鋼を素材とし且つ浸炭焼き入れまたは浸炭窒化焼
    き入れ後さらに高周波焼き入れした後にバニシング加工
    が施されていて、最大せん断応力深さZo位置での硬度
    がHV750以上860以下となっていることを特徴と
    するトロイダル式無段変速機用転動体。
  4. 【請求項4】 潤滑油を介して接触する複数個の金属製
    転動体を用いたトロイダル式無段変速機において前記転
    動体を製造するに際し、素材として機械構造用鋼を用い
    て転動体形状に成形したあと浸炭焼き入れまたは浸炭窒
    化焼き入れを施し、その後バニシング加工を施して転動
    体の最大せん断応力深さZo位置での硬度がHV750
    以上860以下であるようにすることを特徴とするトロ
    イダル式無段変速機用転動体の製造方法。
  5. 【請求項5】 潤滑油を介して接触する複数個の金属製
    転動体を用いたトロイダル式無段変速機において前記転
    動体を製造するに際し、素材として機械構造用鋼を用い
    て転動体形状に成形したあと高周波焼き入れを施し、そ
    の後バニシング加工を施して転動体の最大せん断応力深
    さZo位置での硬度がHV750以上860以下である
    ようにすることを特徴とするトロイダル式無段変速機用
    転動体の製造方法。
  6. 【請求項6】 潤滑油を介して接触する複数個の金属製
    転動体を用いたトロイダル式無段変速機において前記転
    動体を製造するに際し、素材として機械構造用鋼を用い
    て転動体形状に成形したあと浸炭焼き入れまたは浸炭窒
    化焼き入れを施し、さらに高周波焼き入れを施し、その
    後バニシング加工を施して転動体の最大せん断応力深さ
    Zo位置での硬度がHV750以上860以下であるよ
    うにすることを特徴とするトロイダル式無段変速機用転
    動体の製造方法。
  7. 【請求項7】 バニシング加工は、ボールまたはローラ
    を押しつけて転がすことにより材料を加工硬化させて強
    化し、予め、実働時と同等の最大せん断応力τ0を実働
    時と同等のZo位置付近に発生させる条件で行うことに
    より、Zo位置近傍に微小な塑性変形および残留オース
    テナイトの加工誘起変態を実働前に生じさせてZo深さ
    近傍を強化させて転動面陥没による寸法精度の低下を抑
    制して転動疲労寿命を向上させるものである請求項4な
    いし6のいずれかに記載のトロイダル式無段変速機用転
    動体の製造方法。
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