JP3468973B2 - 異硬度化繊維質クッション体およびその製造方法 - Google Patents

異硬度化繊維質クッション体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加圧方向に対して
高硬度化された部分と軟硬度化された部分とを備えると
ともに、一定方向に繊維配向した繊維質マットの複数枚
が一体化されて形成された異硬度化繊維質クッション体
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車シート(座席)等のクッ
ション体として、近年、ポリエステル繊維等のマットか
らなる一体成形された積層構造クッション体が用いられ
てきている。このような組成と構造を有するクッション
体は、一般に以下のようにして得られる。
【0003】すなわち、図5に例示されるとおり、熱溶
融するバインダー繊維を含むポリエステル繊維等の弾性
を有する繊維材料を予めマット状等の所定の形状に加工
したパッド材料(以下、単に「繊維質マット」とい
う。)21A〜21Eを、所定形状の成形型下型1の成
形面2に型の厚み方向(上型11方向)に積層する。次
いで、この成形型1、11のキャビティ内に高温の蒸気
を導入して加熱圧締することによって、積層された繊維
質マット21A〜21Eに含まれる上記バインダ−繊維
が溶融し、その結果、各繊維質マットが接着して一体成
形された積層構造繊維質クッション体が調製される(特
開平5−329937)。
【0004】近年、局所的に硬度が異なるクッション体
(異硬度化クッション体)が、種々の用途で用いられて
いる。特に自動車シート用クッション体においては、コ
ーナリング時の身体サポート性向上、乗り降り時のスム
ーズさの向上、および/または乗り(座り)心地性の改
善等の見地から、シートサイド部の硬度をシート中央部
よりも高くすることが要求されている。
【0005】従来、上記繊維材料からなる積層構造クッ
ション体を異硬度化する手段としては、異硬度化を所望
する部分の繊維質の密度を高める手段、すなわち、図6
に例示されるとおり、クッション体の高硬度化させる部
分に繊維質マット31A〜31Fを過剰に積層し、当該
繊維質部分42を他の繊維質部分41より高密度化させ
る手段がとられてきた(図7参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記高
密度化する手段によっては、図7の矢印によって表され
るように、高硬度化サイド部の通気性が低下するため、
上記加熱圧締工程時において当該部分(サイド部)42
の上記バインダ−繊維溶融不足による成形不良を招くお
それがあった。
【0007】本発明は、上記課題を解決するものであ
り、その目的とするところは、異硬度化(高硬度化)部
分の繊維密度を実質的に増加させることなく、加圧方向
に対して高硬度化された部分と軟硬度化された部分とを
備えるとともに、一定方向に繊維配向した複数枚の繊維
質マットが一体化されて形成された異硬度化繊維質クッ
ション体およびその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、加圧方向に対して高硬度化された部分
と軟硬度化された部分とを備え、一定方向に繊維配向し
た複数枚の繊維質マットが一体化されて形成された異硬
度化繊維質クッション体であって、その繊維質マットの
繊維配向方向を局所的に異ならせることによって高硬度
化部分と軟硬度化部分とが実現されている異硬度化繊維
質クッション体(以下、本発明のクッション体という)
を提供する。
【0009】一般に、一定方向に繊維配向した繊維質マ
ットの硬度は、当該マットの繊維配向方向に対する加圧
の方向に対応して異なる。本発明のクッション体では、
局所的に繊維配向方向が異なっているために、所定の加
圧方向に対して、高硬度化された部分と軟硬度化部分と
が実現される。このとき、従来のものとは異なり、局所
的に密度を変える必要がない。
【0010】本明細書において「繊維質マット」とは、
本発明のクッション体を構成する一定方向に繊維配向し
た種々の繊維質パッド材の総称であり、特定の形状に限
定されることを意図しない。ここで「繊維配向」とは、
本繊維質マットを構成する繊維軸のおおよその方向性を
いう。
【0011】本発明のクッション体の好ましい一態様で
は、高硬度化部分では繊維質マットが加圧方向に繊維配
向して配列されており、軟硬度化部分では繊維質マット
が加圧方向に直角に繊維配向して配列されている。ここ
でいう「加圧方向に配列する」ないし「加圧方向に直角
に配列する」とは、幾何学的に厳密に解釈されるべきも
のではなく、「おおよそ一致する」ないし「おおよそ直
角となっている」ことを意味する。上記特徴を有する
と、高硬度化部分は他の軟硬度化部分と比較して、加圧
方向に対して顕著な異硬度化(高硬度化)が達成され得
る。
【0012】本発明のさらに好ましい一態様では、複数
枚の繊維質マットが実質的に同等品であることを特徴と
する。この態様によると、実質的に均一な繊維密度のま
ま、加圧方向に対して高硬度化された部分と軟硬度化さ
れた部分とを備え得る。
【0013】本発明の一態様では、両サイド部において
荷重方向に高硬度化されており、中央部において荷重方
向に軟硬度化されており、一定方向に繊維配向した複数
枚の繊維質マットが一体化されて形成された自動車シー
ト用の硬度化繊維質クッション体であって、両サイド部
においてその繊維質マットが荷重方向に繊維配向して配
列された部分を含んでおり、両サイド部の荷重面と中央
部において、その繊維質マットが荷重方向に直角に繊維
配向して配列されていることを特徴とする(以下、本発
明のシート用クッション体という)。本発明のシート用
クッション体は、上記特徴を有する結果、繊維密度を変
えることなく、シート座面の両サイド部において荷重方
向に高硬度化され、中央部において荷重方向に軟硬度化
されている。また、両サイド部の荷重面では、繊維質マ
ットが荷重面に沿って伸びているため、荷重面に直交方
向に伸びて高硬度化を実現する部分を被うことになり、
シートの座り心地を損ねない。
【0014】本発明の他の態様は、本発明のクッション
体の製造方法であって、成形型内において、繊維質マッ
トの配列方向を局所的に異ならせることで、高硬度化部
分と軟硬度化部分とを形成することを特徴とする製造方
法を提供することである(以下、本発明の製造方法とい
う)。本発明の製造方法によると局所的に繊維方向が変
えられて高硬度化部分と軟硬度化部分をもつクッション
体が一体に成形される。
【0015】本発明の一態様では、成形型内のシートの
両サイド部に相当する場所の一部においては、その繊維
質マットの繊維配向方向が荷重方向と一致するように配
列し、成形型内のシートの両サイド部の荷重面とシート
中央部に相当する場所においては、その繊維質マットの
繊維配向方向が荷重方向に直角となるように配列するこ
とを特徴とする方法である(以下、本発明のシート用ク
ッション体製造方法という)。本態様の製造方法による
と、サイド部で高硬度化され、中央部で軟硬度化されて
いるとともに、サイド部の荷重面でスムーズな面をもつ
自動車シート用クッション体が製造される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、典型的には以下のよう
に実施され得る。
【0017】本発明の実施に好ましい繊維質マットは、
クッション体の主構造をなすポリエステル系繊維と、こ
れを補型する役割で混入された当該主構造繊維よりも低
融点のポリエステル系繊維(バインダー繊維)とを含有
する繊維材料から製造された繊維質パッド材であり、加
熱成形可能である。必要に応じて低融点熱可塑性樹脂成
分が追加され得る。本繊維質マットとして市販のポリエ
ステル系繊維ファイバ−材料も好適に使用され得る。本
発明の実施にあたっては、一般的には、スラブ状のパッ
ド材が多用されるが、必要に応じて、種々の形状の繊維
質パッド材が用いられる。
【0018】本繊維質マットは、例えば、繊維をブラシ
で引っ掻き目付けを一定に揃え得るカード機械等によっ
て、延伸処理後にマット状に加工した繊維を数十枚重ね
合わせることによって得られる。従って、本繊維質マッ
トは、通常、その製造工程における種々の延伸/圧延に
よって、一定方向に繊維配向している。本発明の製造方
法において、用いる繊維質マットの材質若しくはプレ成
形形状が、所望のクッション体の用途および形状に応じ
て変更し得ることは、当該分野における周知事項であ
る。
【0019】(1).繊維質マットの成形型への配列 マット状に加工した繊維(繊維をブラシで引っ掻き、目
付を一定に揃えておく。)を数十枚積層して、所望の厚
みを有する繊維質マットを調製する。調製された繊維質
マットはそのままでは繊維の絡みが少ないため、取扱時
の型崩れ等を防止するため、必要に応じて、ニードルパ
ンチ加工等を施し得る。このようにして得られた繊維質
マット繊維は積層面に対してほぼ平行(マット面幅方
向)に配向していることを特徴とする。従って、得られ
たマットはその積層方向(マットの厚み方向)の加圧
(荷重)に対して柔らかく弾力性を有する反面、繊維配
向方向(マット面幅方向)への圧縮に対しては、弾力に
乏しい特性を有する。
【0020】次に、加熱圧締機能を備えた成形型の下型
成形面上に、上記繊維質マットを、その繊維配向方向が
成形型下型の成形面に対してほぼ平行状態(横方向)、
すなわち加圧方向に対してほぼ直角に配向するように積
層状に配列する。このとき、積層される各繊維質マット
の積層位置や形状はおおよそであればよく、正確である
ことを要しない。
【0021】次いで、成形型内の高硬度化部分に相当す
る場所に、上記繊維質マットを、その繊維配向方向が成
形型下型の成形面に対してほぼ直交状態(縦方向)、す
なわち加圧方向となるように配列する。このとき、上記
縦方向で配列される繊維質マットの配列箇所や形状はお
およそであればよく、正確であることを要しない。さら
に、クッション体形状を成形できるように上記繊維質マ
ットを上記横方向で積層する。
【0022】(2).異硬度化クッション体の一体成形 上記(1)において繊維質マットを積層充填した成形型
下型に成形型上型を圧締し、充填物が所定の形状となる
ように加圧する。次いで、スチームまたは熱風を型キャ
ビティー内部に導入して、加熱圧締処理を行なう。この
処理によって、型内部に配列されている各繊維質マット
のバインダー繊維が溶融し、各マットが相互に接着す
る。所定時間の加熱圧締後、成形型を冷却処理し、充填
物を固化させる。その後、成形型を開放し、一体化され
て形成された本発明のクッション体を得る。
【0023】以下の表1は、同質のポリエステル系繊維
ファイバー材料(帝人株式会社製品、商品名「エル
ク」)から成る繊維質マットを用いて上記のとおりに繊
維配向方向を異ならせることによって高硬度化部分と軟
硬度化部分とが実現されることを、当該高硬度化部分と
軟硬度化部分との圧縮硬度(直径200mmの平板治具
によってクッション体の厚みを25%圧縮した際の荷重
で示す)の差異によって示したものである。
【0024】
【表1】
【0025】表1から明らかなように、本発明によれ
ば、投入する繊維質マットの量を増加させて繊維密度を
上げることなく、所望の部位を高硬度化し得る。
【0026】
【実施例】以下の実施例において、自動車シート用のク
ッション体を得る場合について本発明をさらに詳細に説
明するが、これらはなんら本発明を限定するものではな
い。
【0027】(成形型の調製)図1に示すように、自動
車座席の座部用クッション体を成形するための下型1と
上型11とを調製した。この下型1および上型11は、
クッション体用のキャビティを成形するための凹凸状の
成形面2、12を有している。なお、下型1の成形面上
の凹部5は、自動車シート座部用クッション体70にお
いて異硬度化(高硬度化)が所望されるサイド部72に
相当する部分であり(図4参照)、上型11の成形面上
の凸部15は、当該クッション体裏面のフレーム溝61
に相当する部分である(図3参照)。
【0028】図1に示すように、上型11および下型1
のいずれにも蒸気吸排気口4、14、および蒸気室3、
13を設け、さらに成形面2、12上には蒸気を吹き出
すための細孔(図示せず)を多数設けた。これにより、
一方の蒸気吸排気口から吹き込んだ蒸気が、成形面上の
細孔より噴出し、キャビティ内を経て、他方の蒸気吸排
気口から排気され得る。
【0029】(繊維質マットの調製および下型への配
置)本発明のクッション体70を製造するために用いる
繊維質マット6A、6B、7A〜7C、8A、8B、9
A、9B、10A、10Bは、いずれも帝人株式会社製
のポリエステル系繊維ファイバー材料(製品名「エル
ク」)から成るスラブ状繊維質マットを、所望のサイズ
に加工して調製した。これら繊維質マット6A、6B、
7A〜7C、8A、8B、9A、9B、10A、10B
は、いずれも一定の方向(マット面幅方向)に繊維配向
しているので、マットの厚み方向への荷重に対して柔軟
な弾力性を有している。これら繊維質マットの繊維の密
度は同一である。これら繊維質マットは、主構造をなす
ポリエステル系繊維の他に、低融点ポリエステル系バイ
ンダー繊維を含有するものである。
【0030】図1に示すように、下型1の成形面2上に
所望の構造となるように上記繊維質マット6A、6B、
7A〜7C、8A、8B、9A、9B、10A、10B
を配置した。すなわち、成形面2上の全体に渡るように
幅広の繊維質マット6Aを配置し、その上にシート中央
部用の繊維質マット7A〜7Cを配置する。ここで、こ
れら繊維質マットの繊維方向は、成形面2に対してほぼ
平行(横方向)である。
【0031】次いで、シートサイド部の異硬度(高硬
度)化を所望する部分に相当する2か所の凹部5上に繊
維質マット8A、9A、10Aおよび8B、9B、10
Bをそれぞれ縦方向(すなわち、これら繊維質マットの
繊維配向がシート座面に対して縦方向となる方向)で配
置した。さらに、これら繊維質マット7A〜7C、8
A、8B、9A、9B、10A、10Bを覆うように、
幅広の繊維質マット6Bを配置した。なお、上記中央部
に配置した繊維質マット7A〜7Cとサイド部に配置し
た繊維質マット8A、8B、9A、9B、10A、10
Bとは、上記のとおり、両者の繊維配向が相反していれ
ばよく、配置すべき繊維質マットの形状および配置位置
は、必ずしも正確であることを要せず、おおよその形状
および位置でよい。
【0032】(加熱圧締による異硬度化クッション体の
一体成形)図2に示すように、下型1に上型11を圧締
し、所定形状になるように加圧した。その後、下型1の
下部にある蒸気吸排気口4から蒸気室3へ蒸気を圧送
し、上記細孔より成形面2に至った蒸気により、キャビ
ティに積層配置された上記各繊維質マット6A、6B、
7A〜7C、8A、8B、9A、9B、10A、10B
を加熱した。その結果、各繊維質マット6A、6B、7
A〜7C、8A、8B、9A、9B、10A、10B
は、それらに含まれるバインダー繊維の溶融によって、
キャビティの形状に接着した。その後、所定の時間冷却
し、溶融したバインダー繊維を固化させた。
【0033】次いで、下型1と上型11を開放し、脱型
して、図4に示す一体成形されたクッション体70を取
り出した。
【0034】得られたクッション体70は、図3に示す
ように、他の繊維質部分62とは異なる繊維配向で配置
した上記繊維質マット8A、9A、10Aまたは8B、
9B、10Bからなる繊維質部分63を含むサイド部7
2(図4)が、シートの中央部(着座部)71に比べて
所望の硬さに異硬度化していた。本実施例によって得ら
れたクッション体の中央部71と高硬度に異硬度化した
サイド部72との密度および硬度の計測値、ならびに、
図6に示した従来品、すなわち繊維質マットを同一方向
に積層して得られた異硬度化クッション体40の低密度
繊維質部分41と高密度繊維質部分42との密度および
硬度の計測値を表2に示した。ここで、25%硬度は、
直径200mmの平板治具によってクッション体の厚み
を25%圧縮した際の荷重であり、部分硬度は、先端が
直径20mmの半球形状を有する治具をクッション体に
15mm押し込んだ際の荷重である。
【0035】
【表2】
【0036】表2から明らかなように、従来の方式(図
6、図7)では、異硬度化繊維質部分42の密度を30
%上げたにもかかわらず、硬度の変化は顕著ではない。
他方、本発明の製造方法によって得られたクッション体
70は、異硬度化繊維質部分63の密度を変えることな
く、非常に高い硬度を得ることができた。さらに、上記
繊維質部分63に隣接するシート表層部を含む繊維質部
分62は、柔らかい弾力性を有しているため、異硬度化
繊維質部分63の露出による凹凸感を生じず、クッショ
ン体70の外観品質(触感を含む)を損ねることはな
い。
【0037】上記実施例によれば、クッション体の高硬
度化する部分へ積層状に配置する繊維質パッド材量を増
大する必要がないので、積層配置作業効率の悪化、コス
ト増、およびクッション体の重量増を来すことなく、所
望の部位が高硬度化した自動車シート用繊維質クッショ
ン体が得られる。さらには、サイド部と他の一般部との
間に繊維密度(通気性)の差異がないので、加熱圧締工
程時において、低通気性繊維質部分(サイド部)の上記
バインダ−繊維溶融不足による成形不良および高通気性
繊維質部分(一般部)の繊維質の劣化を招くおそれがな
い。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、繊維密度を高めること
なく、所望の部位が異硬度化(高硬度化)した繊維質ク
ッション体を提供することができる。
【0039】本発明の製造方法によれば、繊維質クッシ
ョン体の異硬度化部分とその他の部分との間の繊維密度
の差異(通気性の差異)によるクッション体成形不良を
回避し、高い生産効率で繊維質異硬度化クッション体を
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における、成形型下型への繊維
質マットの積層配置図である。
【図2】本発明の実施例における、圧締工程図である。
【図3】本発明の実施例における、脱型した成形品の断
面図である。
【図4】本発明の実施例における、成形品の斜視図であ
る。
【図5】従来の積層構造クッション体の成形のための成
形型下型への繊維質マットの積層配置図である。
【図6】従来の積層構造異硬度化クッション体の成形の
ための成形型下型への繊維質マットの積層配置図であ
る。
【図7】サイド部が異硬度化した自動車座席用クッショ
ン体従来品の断面図である。
【符号の説明】
1 下型 2、12 成形面 3、13 蒸気室 4、14 蒸気吸排気口 6A、6B、7A、7B、7C、8A、8B、9A、9
B、10A、10B、21A、21B、21C、21
D、21E、31A、31B、31C、31D、31
E、31F 繊維質マット 63 異硬度化繊維質部分 70 クッション体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 真文 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラ コ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−208470(JP,A) 特開 平8−56772(JP,A) 特開 平5−31268(JP,A) 実開 平3−31538(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B68G 5/00 - 7/12 B32B 1/00 - 35/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧方向に対して高硬度化された部分と
    軟硬度化された部分とを備え、一定方向に繊維配向した
    複数枚の繊維質マットが一体化されて形成された異硬度
    化繊維質クッション体であって、 その繊維質マットの繊維配向方向を局所的に異ならせる
    ことによって高硬度化部分と軟硬度化部分とが実現され
    ていることを特徴とする異硬度化繊維質クッション体。
  2. 【請求項2】 前記高硬度化部分では、前記繊維質マッ
    トが加圧方向に繊維配向して配列されており、 前記軟硬度化部分では、前記繊維質マットが加圧方向に
    直角に繊維配向して配列されていることを特徴とする請
    求項1に記載の異硬度化繊維質クッション体。
  3. 【請求項3】 前記複数枚の繊維質マットが実質的に同
    等品であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    異硬度化繊維質クッション体。
  4. 【請求項4】 両サイド部において荷重方向に高硬度化
    されており、中央部において荷重方向に軟硬度化されて
    おり、一定方向に繊維配向した複数枚の繊維質マットが
    一体化されて形成された自動車シート用異硬度化繊維質
    クッション体であって、 両サイド部において、その繊維質マットが荷重方向に繊
    維配向して配列された部分を含んでおり、 両サイド部の荷重面と中央部において、その繊維質マッ
    トが荷重方向に直角に繊維配向して配列されていること
    を特徴とする自動車シート用異硬度化繊維質クッション
    体。
  5. 【請求項5】 加圧方向に対して高硬度化された部分と
    軟硬度化された部分とを備え、一定方向に繊維配向した
    複数枚の繊維質マットが一体化されて形成された異硬度
    化繊維質クッション体の製造方法であって、 成形型内において、繊維質マットの配列方向を局所的に
    異ならせることで、高硬度化部分と軟硬度化部分とを形
    成することを特徴とする異硬度化繊維質クッション体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 両サイドにおいて荷重方向に高硬度化さ
    れており、中央部において荷重方向に軟硬度化されてお
    り、一定方向に繊維配向した複数枚の繊維質マットが一
    体化されて形成された自動車シート用異硬度化繊維質ク
    ッション体の製造方法であって、 成形型内のシートの両サイド部に相当する場所の一部に
    おいては、その繊維質マットの繊維配向方向が荷重方向
    と一致するように配列し、 成形型内のシートの両サイド部の荷重面とシート中央部
    に相当する場所においては、その繊維質マットの繊維配
    向が荷重方向に直角となるように配列することを特徴と
    する自動車シート用異硬度化繊維質クッション体の製造
    方法。
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