JP3468309B2 - インクジェットプリンタ用インク - Google Patents

インクジェットプリンタ用インク

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JP3468309B2
JP3468309B2 JP5717694A JP5717694A JP3468309B2 JP 3468309 B2 JP3468309 B2 JP 3468309B2 JP 5717694 A JP5717694 A JP 5717694A JP 5717694 A JP5717694 A JP 5717694A JP 3468309 B2 JP3468309 B2 JP 3468309B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、出力装置に関するもの
であり、特に、インクジェットプリンタ用のインクに関
するものである。 【0002】 【従来の技術】コンピュータ等の情報機器の出力装置と
してはドットマトリックスプリンタ、熱転写プリンタ、
レーザープリンタ等様々な方式があり、その中で最近、
ランニングコストが安く、高精細でかつカラー化が容易
な方式としてインクジェット方式が注目されている。イ
ンクジェットプリンタ用のインクとしては、従来染料水
溶液が使用されてきたが、ノズルから飛ばされたインク
が記録紙に付着したとき、インクが記録紙で滲み、飛ば
されたときに形成したインク粒よりも大きなドットとな
ってしまったり、記録された画像の耐水性に問題があっ
た。 【0003】従来、この様なインクジェット用インクで
は、それら問題を解決するために多くのアイディアが提
案されてきた。a)水溶性染料を水と有機溶媒の混合溶剤
に溶解し、染料の濃度を5wt%以下とし、有機溶剤の添
加料を3〜30%の範囲としたもの(特開昭62-124166
) b)インク中に特定のジエーテル化合物を添加した
もの(特開昭62-32159) c)界面活性物質を吸着樹脂に
よって除去した水溶性直接染料、または酸性染料を使用
するもの(特開昭60-49070) d)インク中に染料及び造
膜させるためのエマルジョンを添加したもの(特開平4-
18462 ) e)染料によって染色された乳化重合または分
散重合粒子を用いるもの(特開平3-250069)等が提案さ
れている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】前述のインク(a)〜
(d) は、記録紙上でインクの滲みをある程度は低減させ
るが、記録紙繊維への毛細管現象によるインクの滲みを
完全に防ぐことは不可能であった。一方、前述のe)の方
式は、染色された重合粒子を用いている為に、滲みは発
生しないが、該方式で得られた粒子は、粒子の安定性が
悪く長時間放置すると染料が析出沈降したり、粒子表面
に浮き出してしまう。さらに、高濃度に染色することが
難しい為、十分な画像濃度が得られない。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、記録紙上での
インクの滲みを無くし、かつ、極めて良好な画像濃度を
得ることの可能なインクジェット用プリンタを提供する
ものである。すなわち本発明は、染料にて着色された
子径が0.1 〜1.0 μmの微小樹脂粒子が、水系媒体中に
10〜50wt%微分散してなる水系分散体であるインクジェ
ットプリンタ用インクに於いて、前記微小樹脂粒子が、
20〜1000eq/tonのイオン性基を含有するポ
リエステル樹脂からなり、かつ微小樹脂粒子中の微小樹
脂粒子に対する染料の含有量が2 〜20wt%であり、水系
分散体に0.1 〜10wt% のエチレングリコールまたはグリ
セリンまたは多価アルコール類が含有されてなり、イン
クの表面張力が25〜40dyn であることを特徴とするイン
クジェットプリンタ用インクである。 【0006】本発明は、高い画像濃度を得るという課題
に対して、染色が容易であるポリエステルを微小粒子と
して用いることによって解決をした。また、該ポリエス
テルは、エマルジョンであるために、記録紙に付着した
場合、滲みも少なくする効果もある。本発明のインク
は、インク全体の表面張力を25dyn 以上40dyn 以下の範
囲にすることを必須条件とする。この範囲内では、イン
クの分散媒である水が、容易に記録用紙に吸収され易
く、インクの滲みを極めて低下させる効果がある。ま
た、インクの表面張力が、25dyn 未満では、プリントヘ
ッドノズル上で、インクのだれが発生し、良好な印字が
困難となる。本発明に用いられる、ポリエステル微小粒
子は、エマルジョン状態であることが好ましいが、粒径
1ミクロン以下である。さらに本発明ポリエステル微
小粒子に用いられるポリエステル樹脂は、多価カルボン
酸類と多価アルコ−ル類からなる。ポリエステル樹脂に
用いられる多価カルボン酸類としては、例えば、テレフ
タル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフ
タルレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、ジフェン酸、スルホテレフタル酸、5−スルホイソ
フタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン
−2,7ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イ
ソフタル酸、スルホテレフタル酸、およびまたはそれら
の金属塩、アンモニウム塩などの芳香族ジカルボン酸、
p−オキシ安息香酸p−(ヒドロキシエトキシ)安息香
酸などの芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸
等の脂肪族ジカルボン酸、フマ−ル酸、マレイン酸、イ
タコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル
酸、等の不飽和脂肪族、および、脂環族ジカルボン酸等
を、また多価カルボン酸としては他にトリメリット酸、
トリメシン酸、ピロメリット酸等の三価以上の多価カル
ボン酸等を例示できる。 【0007】ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコ
−ル類としては脂肪族多価アルコ−ル類、脂環族多価ア
ルコ−ル類、芳香族多価アルコ−ル類等を例示できる。
脂肪族多価アルコ−ル類としては、エチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−
ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−
ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオ−ル、ポリエチレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレング
リコ−ル等の脂肪族ジオ−ル類、トリメチロ−ルエタ
ン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペンタエル
スリト−ル等のトリオ−ルおよびテトラオ−ル類等を例
示できる。 【0008】脂環族多価アルコ−ル類としては1,4−
シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメ
タノ−ル、スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ル
A、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加
物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカ
ンジオ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ル等を例示で
きる。芳香族多価アルコ−ル類としてはパラキシレング
リコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシレング
リコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,4−フ
ェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、ビス
フェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド
付加物およびプロピレンオキサイド付加物等を例示でき
る。 【0009】さらにポリエステルポリオ−ルとして、ε
−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られ
る、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類等を例示する
ことができる。これらの他、ポリエステル高分子末端の
極性基を封鎖する目的にて単官能単量体がポリエステル
に導入される場合がある。単官能単量体としては、安息
香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキ
シ安息香酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スル
ホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカ
ルボニル安息香酸、n-ドデシルアミノカルボニル安息香
酸、タ−シャルブチル安息香酸、ナフタレンカルボン
酸、4−メチル安息香酸、3メチル安息香酸、サリチル
酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル
酸、ステアリル酸、およびこれらの低級アルキルエステ
ル、等のモノカルボン酸類、あるいは脂肪族アルコ−
ル、芳香族アルコ−ル、脂環族アルコ−ル等のモノアル
コ−ルを用いることができる。 【0010】本発明においてはこれらのうち必要に応じ
て不飽和単量体を用い、他の成分もポリエステル樹脂の
ガラス転移温度、モノマ−との相溶性、等により適宜選
択される。 【0011】ポリエステルに導入されるイオン性基とし
ては、スルホン酸アルカリ金属塩基あるいはスルホン酸
アンモニウム塩基を有するモノあるいはジカルボン酸等
を好ましく用いることができるほか、例えばカルボン酸
アルカリ金属塩基あるいはカルボン酸アンモニウム塩基
を有する単量体、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホ
スフィン酸基もしくはそれらのアンモニウム塩、金属塩
等のアニオン性基、または第1級ないし第3級アミン基
等のカチオン性基単量体などをもちいることができる。 【0012】カルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカル
ボン酸アンモニウム塩基を導入する場合には、ポリエス
テルの重合末期にトリメリット酸等の多価カルボン酸を
系内に導入することにより高分子末端にカルボキシル基
を付加し、さらにこれをアンモニア、水酸化ナトリウム
等にて中和することによりカルボン酸塩の基に交換する
方法を用いることができる。また、スルホン酸アルカリ
金属塩基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基を有する
モノあるいはジカルボン酸を含有することによりこれら
のイオン性基をポリエステル樹脂に導入することができ
る。塩としてはアンモニウム系イオン、Li、Na、
K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩があげられ、特に好
ましいものはK塩またはNa塩である。本発明では5−
ナトリウムスルホイソフタル酸、あるいはメタナトリウ
ムスルホ安息香酸を用いることが好ましい。またカルボ
ン酸塩の基とスルホン酸塩の基を使用しても良い。 【0013】本発明におけるポリエステル樹脂のより具
体的な例として、以下に示される。 a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)エチレングリコ−ル0〜90mol%、プロピレングリコ
−ル100〜10mol% とから得られるポリエステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)2,3−ブタンジオ−ル5〜80mol%、エチレングリ
コ−ル20〜95mol% とから得られるポリエステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)トリシクロデカン骨格を有するモノあるいは多価アル
コ−ル類5〜30mol% とから得られるポリエステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)ヒドロキシメチルトリシクロデカン5〜30mol% とから得られるポリエステル樹脂、または 【0014】a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する
多価カルボン酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)トリシクロデカンジメタノ−ル5〜30mol% とから得られるポリエステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)シクロヘキサン骨格を有するモノあるいは多価アルコ
−ル類5〜30mol% とから得られるポリエステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)シクロヘキサンジオ−ル5〜30mol% とから得られるポリエステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)水添ビフェノ−ル5〜30mol% とから得られるポリエステル樹脂、または 【0015】a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する
多価カルボン酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)水添ビスフェノ−ルA5〜30mol% とから得られるポリエステル樹脂、または a)ナフタレン骨格を有するモノあるいは二価以上のカル
ボン酸1〜20mol%を含む芳香族系単量体を80mol%以
上含有する多価カルボン酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜100mol
%、 c)脂環族系単量体0〜30mol%を含有する多価アルコ−
ル類、 とから得られるポリエステル樹脂等を例示することがで
きる。さらに、ここに示される、「a)芳香族系単量体」
はテレフタル酸あるいはイソフタル酸であることが好ま
しい。テレフタル酸とイソフタル酸の比率は、テレフタ
ル酸含有率/イソフタル酸含有率=90〜40/10〜
60[mol%]が好ましく、さらに、テレフタル酸含有率
/イソフタル酸含有率=80〜50/20〜50[mol
%]、またさらにテレフタル酸含有率/イソフタル酸含
有率=85〜60/15〜40[mol%]が好ましい。 【0016】イオン性基含有単量体をポリエステル樹脂
に導入し、ポリエステル樹脂にイオン性基を与えた場
合、ポリエステル樹脂が水分散性を発現する。イオン性
基含有単量体としては前述したスルホン酸アルカリ金属
塩基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基を有するモノ
あるいはジカルボン酸等を好ましく用いることができる
ほか、例えばカルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカル
ボン酸アンモニウム塩基を有する単量体、硫酸基、リン
酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基もしくはそれらの
アンモニウム塩、金属塩等のアニオン性基、または第1
級ないし第3級アミン基等のカチオン性基単量体などを
もちいることができる。 カルボン酸アルカリ金属塩基
あるいはカルボン酸アンモニウム塩基を導入する場合に
は、ポリエステルの重合末期にトリメリット酸等の多価
カルボン酸を系内に導入することにより高分子末端にカ
ルボキシル基を付加し、さらにこれをアンモニア、水酸
化ナトリウム等にて中和することによりカルボン酸塩の
基に交換する方法を用いることができる。 【0017】これらイオン性基の含有量は、スルホン酸
基およびまたはその塩の基をふくめ、該ポリエステル樹
脂に対し、20〜1000m当量/1000g、好まし
くは20〜500m当量/1000g、なお好ましくは
50〜200m当量/1000g、である。イオン性基
の含有量が所定の量より少ない場合には十分なる水分散
性が得られない。本発明における(着色)微粒子のイン
ク中の含有量は、10〜50Wt.%の範囲である。含
有量が10Wt.%未満では必要な画像濃度が得られ
ず、含有量が50Wt.%を越えるときは、インク(分
散体)の粘度が上昇し、ノズルでのインクの吐出を困難
にする可能性が大となる。また樹脂微粒子に対する染料
の含有量は、好ましくは2〜20Wt.%の範囲であ
る。2Wt.%未満では、良好な画像濃度が得られず、
また20Wt.%を越えると、分散体が不安定となりや
すい。染料としては「常温にて水に不溶の染料」を用い
ることが好ましい。これらは一般に分散染料、あるいは
油溶性染料に分類されるものである。より具体的な例を
挙げれば、・C.I.Disperse Yellow
198・C.I.Disperse Yellow 42
・C.I.Solvent Yellow 162・C.
I.Disperse Red 92・C.I.Disp
erse Red 60・C.I.Solvent Re
d 49・C.I.Disperse Violet 2
6・C.I.Disperse Violet 35・
C.I.Disperse Blue 60・C.I.D
isperse Blue 49・C.I.Disper
se Blue 87・C.I.Solvent Blu
e 25・C.I.Solvent Blue 35・
C.I.Solvent Blue 38・C.I.So
lvent Blue 70・C.I.Solvent
Black 3等がある。これらは特に耐光堅牢度、昇
華堅牢度、色相、彩度に優れるものであり、プロセスカ
ラ−用三原色として好ましいものである。他に色相の微
調整のために公知の染顔料を併用してもよい 【0018】本発明における微粒子分散体の平均粒子径
は1.0μm以下であることが必須であり、好ましくは
0.5μm以下である。微粒子分散体の粒子系がこの範
囲を越える場合には分散安定性が悪化する場合がある。
また平均粒子径は、少なくとも0.1 μm以上のものがよ
い。微粒子分散体の粒子系がこの範囲を越える場合には
インクの滲みが大きくなる場合がある。 【0019】かかるポリエステル樹脂に微粒子分散体は
以下に述べる方法にて得ることができる。すなわち、イ
オン性基を含有した場合、本発明におけるポリエステル
樹脂は水分散性を発現する。水分散性とは一般にエマル
ジョンあるいはコロイダルディスパ−ジョンと称される
状態を意味するものである。イオン性基は水系媒体中に
おいて解離し、ポリエステル樹脂と水との界面に電気二
重層を形成する。ポリエステル樹脂が微細なミクロ粒子
として水系内に存在する場合には電気二重層の働きによ
りミクロ粒子間には静電的な反発力が生じ、ミクロ粒子
が水系内にて安定的に分散する。 【0020】イオン性基含有ポリエステル樹脂の水分散
体は、イオン性基含有ポリエステル樹脂と水溶性有機化
合物とをあらかじめ混合後に水を加える方法、イオン性
基含有ポリエステル樹脂と水溶性有機化合物と水とを一
括して混合加熱する方法等により得ることができる。ま
たその際に界面活性剤等を併用することもできる。水溶
性有機化合物としてはエタノ−ル、イソプロパノ−ル、
ブタノ−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等を用いることができる。水溶性有
機化合物はイオン性基含有ポリエステル樹脂を水分散化
した後に共沸等により除去することができるものが好ま
しい。 【0021】本発明のポリエステル樹脂は染料にて微小
された場合においても耐光堅牢度が良好である。染料を
ポリエステル樹脂に含有させる方法としては高温分散染
色法を用いることができる。染料原体を樹脂に直接練り
込む方法は、加熱による染料のダメ−ジを考慮したばあ
いに好ましい方法ではない。本発明のポリエステル樹脂
はイオン性基の作用により水中にて良好なる安定分散性
を示すため、粒子状を保持したまま高濃度な染色が可能
である。また、エマルジョン化時に、ポリエステル樹脂
を溶剤で溶解した時に染料を添加しても良い。本発明の
インクジェットプリンタ用インクは、水中に分散された
微小ポリエステル粒子を、10〜50wt%で含まれる。
また、本発明インクジェットプリンタ用インクは、微小
ポリエステル粒子の他に、必要に応じて、分散剤、分散
安定助剤である、界面活性剤や高分子分散安定剤を添加
しても良い。また、粒子の湿潤性を高めるために、エチ
レングリコール、グリセリン、各種多価アルコール類を
添加する。更に、インク中に混入する金属イオンを封鎖
するために、各種キレート化剤等を添加しても良い。さ
らに、インクの保存安定性を向上するために、各種殺菌
剤や防カビ剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等も添加して
も良い。 【0022】 【実施例1】 (ポリエステル樹脂の合成)温度計、撹拌機を備えたオ
−トクレ−ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト 140重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 140重量部、 5ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル 1
1重量部、 エチレングリコ−ル 102重量部、 ネオペンチルグリコール 172重量部、 を仕込み180〜230℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。ついで反応系を240℃まで昇温
し、系の圧力1〜10mmHgとして60分間反応を続
けた結果、共重合ポリエステル樹脂を得た。次に、得ら
れたポリエステル樹脂150重量部、メチルエチルケト
ン150重量部、テトラヒドロフラン150重量部、染
料 C.I.Solvent Blue 70 のコン
クケ−キ 15重量部を80℃にて溶解した後75℃の
水600部を添加し、粒子径約0.15μmの共重合ポ
リエステル樹脂の水系ミクロ分散体を得た。さらに得ら
れた水系ミクロ分散体を蒸留用フラスコに入れ、留分温
度が100℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加え固
形分濃度を20%とした。得られた水系ミクロ分散体
は、表面張力が約60dyn であるため、表面張力を低下さ
せるために、更に、エチレングリコールを添加し、エチ
レングリコール濃度が分散媒である水の、10%になる
ようにした。この表面張力を測定したところ40dyn で
あった。 【0023】この様にして得た水系ミクロ分散体をイン
クジェットプリンター(SHARP社製IOー735
X)のインクとして使用した。使用した紙は、インクジ
ェット用としての加工のされていないものを使用した。
その結果、本発明によるインクを用いた場合インクの滲
みは全く無かった。また得られた画像の濃度は極めて高
く、鮮明な画像であった。また製作した水系ミクロ分散
体は、室温で3カ月以上放置しても沈澱物の発生や、染
料の析出等は発生せず極めて良好な安定性を示した。 【0024】 【比較例1】比較例として、スチレンによる分散体を製
作した。スチレン重合体を乳化重合して製作し、平均粒
子系約0.1 μmの単分散体を得た。次に得られたスチレ
ン分散体を実施例1と同様に、C.I.Solvent
Blue 70を界面活性剤(一方社油脂工業製、ミ
グノール802)で分散した染液で染色した。このとき
の温度は、130℃であり、染色時間は2時間であっ
た。このようにして製作した分散体は、その微小濃度も
低く、さらに分散体の安定性が悪く室温で3カ月以上放
置した場合、染料の析出が見られた。 【0025】 【比較例2】更に比較例として通常インクジェットイン
クに使用されている水溶性染料を用いてインクの滲みを
見た。使用した水溶性染料は C.I.Acid Blue 1、 を水に溶解しインクとした。その結果、専用紙を用いた
場合は、良好であるが、普通紙を用いた場合は、本発明
とはことなり、大きく滲んでしまった。また耐光性の比
較も行った。プリントアウトしたそれぞれのインクは紫
外線フェードメーター(カーボンアーク)63℃で20
時間照射した前後の色差を測定した。その結果本発明に
よるインクはΔEが1〜3であったのに対して、水溶性
染料によるインクはΔEが8〜40と大きく退色した。 【0026】 【比較例3】表面張力の違いを検討するために、実施例
1で製作した水系ミクロ分散体のエチレングリコールを
添加しなかったインク( 表面張力65dyn)とエチレング
リコールを添加したインクEG( 表面張力40dyn)を用意し
た。それぞれのインクは、SHARP社製プリンタIO
−735Xで印字した。このとき、BとEBのインクを2
ドットずつ交互に印字し、その境界でのインクの滲み程
度を観察したところ、エチレングリコールを添加し表面
張力を低下させたインクEGは、インクの滲みが小さかっ
た。これに対してエチレングリコールを添加せず表面張
力の高いインクは、境界でインクEGと混ざりあってし
まった。 【0027】 【発明の効果】本発明の微小樹脂粒子を含む特定の表面
張力を有するインクが、滲みの起こりにくい、鮮明な画
像を提供しうることが判った。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−45272(JP,A) 特開 昭62−95366(JP,A) 特開 平7−97540(JP,A) 特開 平7−102200(JP,A) 特開 平7−133455(JP,A) 特開 平7−150098(JP,A) 特開 平7−196965(JP,A) 特許3345959(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 染料にて着色された粒子径が0.1 〜1.0
    μmの微小樹脂粒子が、水系媒体中に10〜50wt%微分散
    してなる水系分散体であるインクジェットプリンタ用イ
    ンクに於いて、前記微小樹脂粒子が、20〜1000e
    q/tonのイオン性基を含有するポリエステル樹脂か
    らなり、かつ微小樹脂粒子中の微小樹脂粒子に対する染
    料の含有量が2 〜20wt%であり、水系分散体に0.1 〜10w
    t%のエチレングリコールまたはグリセリンまたは多価ア
    ルコール類が含有されてなり、インクの表面張力が25〜
    40dyn であることを特徴とするインクジェットプリンタ
    用インク。
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