JP3467757B2 - 白血球除去フイルター - Google Patents

白血球除去フイルター

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JP3467757B2
JP3467757B2 JP19407593A JP19407593A JP3467757B2 JP 3467757 B2 JP3467757 B2 JP 3467757B2 JP 19407593 A JP19407593 A JP 19407593A JP 19407593 A JP19407593 A JP 19407593A JP 3467757 B2 JP3467757 B2 JP 3467757B2
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真二 大野
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Nipro Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血液中の白血球を除去す
るフイルターに関する。
【0002】
【従来の技術】頻回輸血患者の治療において、発熱・発
疹・悪寒・掻揚等の輸血後副作用を予防するために白血
球除去血輸血が適用され、その効果は広く知られてい
る。輸血後副作用は白血球に起因する免疫反応であるこ
とが解明されるに伴い、輸血時に白血球除去フイルター
を使用して患者の負担を軽減することが望まれている。
また、悪性腫瘍や自己免疫疾患のような白血球数の増加
している患者の治療においても白血球除去フイルターを
使用することが検討され、白血球除去フイルターの適用
範囲は拡大している。白血球除去フイルターは極細繊維
からなる不織布や多孔質体をハウジングに充填したもの
で、血液を通過させるだけで白血球を高率に除去する。
【0003】疎水性繊維からなる繊維状物質は血液成分
の分離除去用、体液中の悪性有形成分の除去等の素材と
して繁用されている。しかし、疎水性材料の欠点とし
て、血液は疎水性表面を濡らさないため、繊維状物質の
空間内への通過が困難であり、そのままでは血液の濾過
はできない。そのため疎水性繊維材料を生理食塩液等で
プライミングを行い材料を親水性にして使用している。
また、飽和含水率以上に水充填した製品形態にしてプラ
イミングの手間を省くことが提案されているが、製品重
量が大きくなり取扱いが不便になるという欠点があり好
ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は疎水性繊維か
らなる繊維状物質の欠点を改良した白血球除去フイルタ
ーを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】本発明は、繊維径が1〜10μmの疎水性
繊維にグルコシルオキシエチルメタクリレートを40〜
80重量%含有する共重合体で表面処理し、更に水分を
含有しない時の密度が0.05〜0.25g/cm3
繊維集合体とし、該繊維集合体の空間容積の20〜80
%を水分で占められていることを特徴とする白血球除去
フイルターを要旨とする。
【0007】本発明において、疎水性繊維の集合体とあ
るが、繊維集合体は多孔質体・不織布・織布・メツシユ
等をいい、疎水性繊維としてはポリエチレン・ポリプロ
ピレン・ポリエステル・ポリテトラフルオロエチレンが
挙げられる。グルコシルオキシエチルメタクリレートを
含有する共重合体膜は親水性繊維、疎水性繊維を問わず
繊維のフイラメント表面に容易に形成できる。しかしな
がら、親水性の繊維状物質は化学構造的に糖ユニツトと
結合しやすい性質をもつが、水に対して膨潤しやすく膜
形成後に機械的強度が低下するという欠点があり好まし
くない。そのため本発明では疎水性繊維を用いる。
【0008】本発明では疎水性繊維からなる繊維状物質
にグルコシルオキシエチルメタクリレートを40〜80
重量%含有する共重合体で表面処理されている。
【0009】グルコシルオキシエチルメタクリレートは
糖ユニツトを側鎖にもつビニル化合物をいう。糖ユニツ
トは糖の還元末端のグルコシド炭素原子に結合した水酸
基の水素原子がはずれた基であり、単糖又はオリゴ糖の
残基が挙げられる。
【0010】グルコシルオキシエチルメタクリレートを
含有する共重合体はグルコシルオキシエチルメタクリレ
ート・ヒドロキシエチルメタクリレート・メタクリル酸
メチル・スチレン等から合成されている。
【0011】本発明においてグルコシルオキシエチルメ
タクリレートの共重合体中の含量が40重量%未満では
フイルターとしての親水性が低くなることから好ましく
ない。この含量が80重量%を超える場合は共重合体を
合成しにくくなることから好ましくない。
【0012】本発明においてグルコシルオキシエチルメ
タクリレートを含有する共重合体を表面処理する方法は
コーテイング・加熱処理・放射線グラフト重合・紫外線
グラフト重合等で行う。
【0013】本発明において、疎水性繊維からなる繊維
状物質の繊維径は1〜10μmである。繊維径が1μm
未満では繊維の強力が低くなりすぎてフイルターを製造
しにくくなるので好ましくなく、10μmを超えると、
繊維空間が大きくなり白血球除去率が低下することから
好ましくない。
【0014】本発明において、水分を含有しない時の密
度が0.05〜0.25g/cm3の繊維集合体を用い
る。この密度が0.05g/cm3 未満では繊維空間が
大きくなり白血球除去率が低下することから好ましくな
く、0.25g/cm3 を超えると、血液処理速度が落
ちるので好ましくない。
【0015】なお水分を含有しない時とはいわゆる絶対
乾燥にした状態である。すなわち100℃以上の温度で
繊維を乾燥し、重量変化がなくなった状態の時を言う。
【0016】本発明において飽和含水量とは、疎水性繊
維からなる繊維集合体の空間内に水分を保持できる最大
容積を言い、繊維集合体の空間内の空気を水に置換した
総容積である。フイルターとして繊維集合体の水分量が
飽和含水量の20%未満であると空間内に存在する空気
の量が大きくなりプライミング操作を要することから好
ましくなく、飽和含水量の80%を超えると水分量が過
剰になりハウジングから水漏れを起こすことから好まし
くない。
【0017】上記フイルターを使用する方法は、例え
ば、血小板製剤を血液回路を用いてフイルターに導入
し、フイルター処理後の血小板を分離バツグに採取し、
これを患者に輸血する方法をとることができる。また、
十数単位の血小板製剤をプールして別のバツグに収容し
て、ベツドサイドでフイルターに通過させて患者に輸血
することもできる。必要があれば、フイルターを使用前
に洗浄したり、使用後の回収操作を行ってもよい。
【0018】
【作用】本発明の白血球除去フイルターは疎水性繊維か
らなる繊維状物質の水分量を飽和含水量の20〜80%
に保持することにより、生理食塩液によるプライミング
操作は不要であり、疎水性繊維材料の欠点である空気抜
け不良が改善される。また、飽和含水率以上に水充填し
た製品形態に比較して小さい製品重量で取扱いを容易に
する。
【0019】
【発明の効果】本発明の白血球除去フイルターは以上の
ような構成であるので、生理食塩液によるプライミング
操作は不要であり、飽和含水率以上に水充填した製品形
態に比較して小さい製品重量で取扱いを容易にする。
【0020】
【実施例】本発明の効果を実施例により示す。以下の実
験で評価項目となる白血球除去率・血小板回収率・赤血
球回収率は次式により算定した。 白血球除去率={1−(瀘過後白血球数)/(瀘過前白
血球数)}×100 血小板回収率=(瀘過後血小板数)/(瀘過前血小板
数)×100 赤血球回収率=(瀘過後Ht値)/(瀘過前Ht値)×
100
【0021】(実施例1)グルコシルオキシエチルメタ
クリレート320g、メタクリル酸メチル80g、イソ
プロピルアルコール500g、水500gを混合し、ア
ゾイソブチルニトリル(AIBN)30gを添加して窒
素ガス気流中で攪拌しながら、70℃で4時間重合反応
を行い共重合体を得た。
【0022】共重合体の組成は側鎖の糖を加水分解後フ
エノール硫酸法で糖を定量した結果グルコシルオキシエ
チルメタクリレートの含量は80重量%であった。
【0023】これを溶媒(イソプロピルアルコールと水
が重量比で50:50の液)で希釈し0.2%の架橋剤
(メタクリル酸メチルとイソプロピルアルコール重量比
で50:50の液)を添加した。
【0024】繊維径2.1μmのポリエステル不織布を
上記の液に1時間浸した後、100℃で20分間の加熱
処理をした。
【0025】次いで、不織布に115℃、30分の高圧
蒸気処理を行い、繊維空間内に水を充填した。余計の水
分を除去するために100℃で15分間乾燥した。乾燥
前後の重量を測定し水分量を算定した結果、飽和含水量
の40%であった。
【0026】こうして得た不織布6gを容量10ccの
ハウジングに充填し、濃厚血小板を10ml/分の速度
で瀘過した。瀘過前後の白血球数及び血小板数を測定し
た結果、白血球除去率が99.9%、血小板回収率が9
5%であった。
【0027】(比較例1)実施例1と同じ条件で共重合
体を合成し、繊維径2.1μmのポリエステル不織布を
処理した。
【0028】次いで、不織布に115℃で30分間の高
圧蒸気処理を行い、繊維空間内に水を充填した。余計の
水分を除去するために100℃で40分間乾燥した。乾
燥前後の重量を測定し水分量を算定した結果、飽和含水
量の10%であった。
【0029】こうして得た不織布2.5gを容量10c
cのハウジングに充填し、濃厚血小板200ccを10
ml/分の速度で瀘過した。瀘過前後の白血球数及び血
小板を測定した結果、白血球除去率が99.1%、血小
板回収率が60%であった。
【0030】(実施例2)実施例1と同じ条件で共重合
体を合成し、繊維径2.5μmのポリエステル不織布を
処理した。
【0031】次いで、不織布に115℃で30分間の高
圧蒸気処理を行い、繊維空間内に水を充填した。余計の
水分を除去するために100℃で5分間乾燥した。乾燥
前後の重量を測定し水分量を算定した結果、飽和含水量
の65%であった。
【0032】こうして得た不織布15gを容量20cc
のハウジングに充填し、新鮮血400ccを10ml/
分の速度で瀘過した。瀘過前後のHt値・白血球数・血
小板数を測定した結果、赤血球回収率が90%、白血球
除去率が99.1%、血小板回収率が90%であった。
【0033】(比較例2)実施例1と同じ条件で共重合
体を合成し、繊維径2.5μmのポリエステル不織布を
処理した。
【0034】次いで、不織布に115℃で30分間の高
圧蒸気処理を行い、繊維空間内に水を充填した。余計の
水分を除去するために100℃で50分間乾燥した。乾
燥前後の重量を測定し水分量を算定した結果、飽和含水
量の5%であった。
【0035】こうして得た不織布3.5gを容量10c
cのハウジングに充填し、新鮮血400ccを10ml
/分の速度で瀘過した。瀘過前後のHt値・白血球数・
血小板数を測定した結果、赤血球回収率が85%、白血
球除去率が99.5%、血小板回収率が40%であっ
た。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維径が1〜10μmの疎水性繊維にグ
    ルコシルオキシエチルメタクリレートを40〜80重量
    %含有する共重合体で表面処理し、更に水分を含有しな
    い時の密度が0.05〜0.25g/cmの繊維集合
    体とし、該繊維集合体の空間容積の20〜80%を水分
    で占められていることを特徴とする白血球除去フィルタ
    ー。
  2. 【請求項2】 繊維径が1〜10μmのポリエステル繊
    維にグルコシルオキシエチルメタクリレートを40〜8
    0重量%含有する共重合体で表面処理し、更に水分を含
    有しない時の密度が0.05〜0.25g/cm の繊
    維集合体とし、該繊維集合体の空間容積の20〜80%
    を水分で占められていることを特徴とする生理食塩液に
    よるプライミング不要な白血球除去フィルター。
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