JP3467311B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リチウム二次電池に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より酸化物を正極として用いる固体
電気化学素子の代表的な例としてリチウム二次電池が知
られている。この場合使用される正極材料としては、例
えばV25 やV613(特開平4−328260
号)、LiCoO2 (特公昭63−59507号)、あ
るいはMnO2 系材料( M.M.Thackeray, M.H.Rossouw,
A.de Kock, A.P. de Harpe: Journal of Power Source
43-44 (1993) p.289 )が知られている。
【0003】一方、酸化物の一種であるV23 は、C
r添加により、室温付近で金属−半導体転移を起こすこ
とが知られており(D.B.McWhan and J.P.Remeika: Phys
icalReview B2 (1970) p.3734. )、このような酸化物
は主として温度センサーとして用いられている。また、
本出願人は、このような酸化物が高い導電性を示し、か
つ室温以上で半導体としての負性抵抗性を示すことに着
目して、これを突入電流抑制用の素子に使用できるこ
と、および制御回路を要することなく繰り返し動作時の
なめらかな電流制御が良好に行える電流制御素子を構成
できることを提案している(特開平4−348001
号)。
【0004】しかし、このCrを添加したV23 を固
体電気化学素子の正極材料として用いた例はない。
【0005】そこで、本発明者はこのCrを添加したV
23 に着目し、リチウムを対極とし、V23 を正極
としてその可能性を検討した結果、正極として機能する
ことを見い出した。さらに、上記の金属−半導体の相転
移に着目し、V23 の正極挙動を検討した結果、何ら
かの外的要因により温度上昇が発生し金属相から半導体
相へ転移した場合電流が停止することを見い出した。こ
の転移は、可逆的であることから、電極材料による電流
の自己制御が可能になることを意味し、過去にない新た
な正極材料になり得ることが明らかになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、室温
付近の温度で金属相を示す酸化物を用いたリチウム二次
電池を提供することにあり、短絡等の何らかの原因によ
り素子の温度上昇が起こった場合、自己制御により過電
流を遮断し素子の暴走および破壊を防ぐことができるリ
チウム二次電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
の本発明により達成される。 (1) (V1―xCr〔ここで、xは0.
002〜0.015である。〕で表される酸化物を正極
材料として用いたリチウム二次電池。 (2) 温度変化により、前記酸化物の金属相と半導体
相との可逆的な相転移が生じ、前記金属相では酸化還元
電流が流れ、温度上昇による前記金属相から半導体相へ
の転移によって酸化還元電流が停止し、この可逆的な相
転移によって前記酸化物による電流の自己制御が行われ
る上記(1)のリチウム二次電池。
【0008】
【作用】本発明者は、Crを添加したV23 の抵抗率
(Ωcm)の温度依存性に基づき、(V1-x Crx2
3 〔ここで、xは0.002〜0.015である。〕の
組成で、室温において金属相を示すことに着目した。そ
して、この金属相においてのみリチウムの脱離・挿入反
応が生じ、この反応に基づく酸化・還元電流が発生する
ことから、上記酸化物をリチウム二次電池の正極材料に
適用できることがわかった。
【0009】また、温度上昇により上記酸化物が金属相
から半導体相に転移すること、およびこの相転移が温度
変化により可逆的に起こることから、外的要因などによ
り温度が上昇した場合、リチウムの脱離・挿入反応が停
止して酸化・還元電流が停止し、素子機能が停止する自
己制御ないし自己修復型の新しいタイプの固体電気化学
素子としてのリチウム二次電池を構成しうることがわか
った。
【0010】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0011】本発明の固体電気化学素子であるリチウム
二次電池の正極材料に用いられる酸化物は、以下の組成
のものである。
【0012】(V1-x Crx23
【0013】ここで、xは0.002〜0.015であ
り、さらには0.003〜0.010が好ましく、特に
は0.003〜0.008が好ましい。xを0.002
〜0.015の範囲とするのは、V23 が、この範囲
のCr添加量において、室温付近で金属相を発現し、か
つ温度上昇による金属−半導体の相転移が可能となるか
らである。これに対し、xが0.002未満となると、
相転移が起こらなくなり、xが0.015を超えると、
室温付近で半導体相となり、金属相においてのみ可能な
酸化還元電流を得ることができなくなる。上記の相転移
は、可逆的に起こり、従って温度を再び下降させ室温に
戻すことによって再復帰が可能となる。
【0014】こうした酸化・還元電流の発生は、Liの
脱離・挿入反応に基づくものである。このことは、X線
回折により求めた格子定数の値から上記酸化物の格子が
歪んでいること、および抵抗率(Ωcm)が2ケタ程度の
上昇を示すことから裏づけられる。すなわち上記組成の
酸化物は、p型であることから、還元によりホール濃度
が減少したものと予想される。
【0015】したがって、コランダム構造を持つ酸化物
については従来よりLi挿入反応についての報告はない
が、本発明者の研究結果から、金属相においてLi挿入
反応が起こっていることが明らかになった。
【0016】上記組成の酸化物は、室温付近の温度(0
〜40℃)で金属相を示すものであり、素子を構成して
使用する場合の温度も通常室温付近の温度であるが、一
般に−50〜100℃の温度域での使用が可能になる。
また、金属相から半導体相に転移する温度は、素子の安
定性および自己制御機能を発揮させる上で、室温を基準
とすれば、室温より40℃以上高い温度であることが好
ましく、特には、70℃以上高い温度であることが好ま
しい。この場合の温度の上限値には特に制限はないが、
室温より120〜130℃程度高い温度である。
【0017】さらに、xを0.003〜0.010の好
ましい範囲とすることによって、リチウム二次電池を構
成したときの放電容量が大きくなる。また金属相から半
導体相に転移する温度域で1ケタ以上の抵抗率(Ωcm)
の変化を示し、素子としたときの自己制御機能が十分発
揮される。
【0018】また、xを特に好ましい0.003〜0.
008の範囲とすることによって、リチウム二次電池と
したときの放電容量がさらに大きくなる。また、金属相
として存在する温度域が大きくなり、金属相を発現して
素子の良好な作動状態を示す温度から70℃以上の温度
上昇で自己制御機能を発揮する。すなわち、素子の安定
作動温度域が広くなり、かつ自己制御機能が十分発揮さ
れる。
【0019】なお、本発明に用いられる酸化物は、金属
相から半導体相に転移することによって、抵抗率(Ωc
m)が、一般に、10〜100倍程度、好ましくは30
〜100倍程度増加する。そして、半導体相では酸化・
還元電流が実質的に0である。
【0020】本発明に用いられる酸化物は、次のように
して得られる。原料としてV23、Cr23 を所定
の比で混合し、さらに、焼結助剤として、希土類酸化物
(例えばLa23 )やB23 あるいはFe、Sn等
の金属元素を上記混合物に対し0.1〜3wt% 添加す
る。この場合、VおよびCrの原料化合物としてはアル
コキシドを用いて、加水分解により酸化物としたものを
使用することが好ましく、より均一な組成のものが得ら
れる。また、Cr酸化物のかわりにCr硝酸塩やクロム
エトキシエチレートのような可溶性化合物を用いてもよ
い。なお、上記における原料酸化物の平均粒径は1〜2
μm 程度であり、アルコキシドを用いて得られるものの
平均粒径は0.3〜0.8μm 程度である。また混合は
乾式混合でも湿式混合でもよい。
【0021】次に、酸化物原料を焼成するが、H2 、あ
るいはN2 −H2 混合雰囲気、CO−CO2 を用いた雰
囲気等の還元性雰囲気下で行う公知のセラミックス焼成
プロセスに従えばよい。具体的には1300〜1600
℃の焼成温度とし、この温度に5〜20時間保持すれば
よい。
【0022】このようにして得られた焼結体は、焼結体
中のグレインサイズが1mm以下である。このときの下限
値に特に制限はないが、通常2μm 程度である。
【0023】上記の焼結体を得るに際し、酸化物原料を
混合する場合、バインダー(例えば商品名エルバサイト
2014(デュポン製)等の有機系バインダー)を加え
て混合する造粒法によってもよい。
【0024】本発明の固体電気化学素子であるリチウム
二次電池は、上記の酸化物焼結体を正極材料として用い
たものである。
【0025】具体的には、上記の酸化物焼結体の粉末
を、そのままあるいはバインダー(例えばテトラフルオ
ロエチレン)とともに混合して加圧成形し、ペレット化
したものを正極として用いることができる。この場合の
バインダー量は酸化物焼結体の粉末の5〜20wt% 程度
とする。
【0026】また、上記の酸化物焼結体の粉末を、バイ
ンダー(例えばポリビニルアルコール)や溶媒(例えば
アセトン)を含むビヒクル中に分散させたスラリーを
得、これをAl等の金属などで構成される集電体上に塗
布し、乾燥させたものを正極として用いてもよい。この
場合のバインダー量は酸化物焼結体の粉末の5〜20wt
% 程度とする。
【0027】さらには、集電体上に、上記の酸化物焼結
体の層と他の正極活物質(好ましくはLiCoO2 等)
の層とを積層した複合体を正極としてもよい。このとき
の積層順はいずれであってもよい。
【0028】また、積層粒子を形成し、これを正極材料
としてもよい。このときの積層粒子は、他の正極活物質
にLiCoO2 を用いる場合、これを核として上記の酸
化物焼結体の層で被包するものとすればよい。さらに
は、このような積層粒子あるいはLiCoO2 粒子を上
記の酸化物焼結体のペレットや層中に含有させたものを
正極として用いてもよい。
【0029】上記の正極と組み合わせて用いられる負極
は、金属リチウム、リチウムアルミニウム等のリチウム
合金や、リチウムイオンをドープ・脱ドープできる物
質、例えば、導電性高分子(ポリアセチレン、ポリチオ
フェン、ポリパラフェニレン等)、熱分解炭素、ピッ
チ、コークス、タール等から焼成した炭素、セルロー
ス、フェノール樹脂等の高分子より焼成した炭素など
や、リチウムイオンをインサーション・デサーションで
きる無機化合物(WO2 ,MoO2 等)等の物質単独、
あるいはこれらの複合体を挙げることができる。
【0030】電解液には有機電解液を用いることができ
る。有機電解液の溶媒として、プロピレンカーボネー
ト、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ
−ブチロラクトン等のエステル類や、テトラヒドロフラ
ン、2−メチルテトラヒドロフランなどの置換テトラヒ
ドロフラン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジメト
キシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタ
ン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラ
ン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、
酢酸メチル等が挙げられ、これらの1種あるいは2種以
上の混合溶媒として使用される。
【0031】また、電解質として、過塩素酸リチウム、
ホウフッ化リチウム、リンフッ化リチウム、6フッ化砒
素リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、
ハロゲン化リチウム、塩化アルミン酸リチウム等のリチ
ウム塩が挙げられ、これらの1種あるいは2種以上を混
合して使用される。
【0032】また、このような電解液に代えて、固体電
解質を使用してもよい。
【0033】電池の形状についても特に制限はなく、円
筒形、角形、コイン形、ボタン形等種々の形状にするこ
とができる。
【0034】本発明におけるリチウム二次電池は、放電
容量が15〜30mAh/g であり、特に前記組成において
xが0.003〜0.010の好ましい範囲にあると
き、20mAh/g 以上の放電容量が得られる。また充放電
効率は90%以上であり、二次電池として優れた性能を
有するものである。
【0035】このときの放電容量は、充電上限電圧を
4.1V とし、上限電圧に達した後、充電時間を10時
間として4.1V で定電圧充電を行い、次の放電の下限
電圧を3.1V として求めたものである。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0037】実施例1 V23 200g にCr23 をCr/(V+Cr)の
原子比(すなわち前記組成におけるx)が0.004と
なるように添加し、混合した。上記のV23には、V2
5 を水素気流中600℃で1時間の条件で還元して
得られたもの、あるいはブトキシドV(CH33 等の
アルコキシドを加水分解して得られたものを用いた。ま
たCrには、上記のCr酸化物のほか、これに代え、硝
酸塩等の塩やクロムエトキシエチレートCr(OC2
4 OC253 のような有機溶媒に可溶性のものを用
いた。これらは、いずれも平均粒径が1μm 程度であっ
た。なお、このほか、バナジウムブトキシドおよびクロ
ムエトキシエチレートをエタノール中で加水分解して、
上記の混合物を得た。この場合の平均粒径は0.3〜
0.8μm 程度であった。上記のいずれの方法も通常の
セラミック手法により実施した。
【0038】上記のいずれかの方法によるV化合物とC
r化合物との混合物に対し、焼結助剤としてLa23
あるいはB23 を1.2g 加えた。
【0039】こうして得られたいずれかの混合物を、所
定の工程に従い、H2 還元性雰囲気あるいはN2 −H2
混合雰囲気あるいはCO−CO2 を用いた還元性雰囲気
中で1350〜1600℃の温度で10時間保持して焼
成し、焼結体サンプルNo. 1を得た。
【0040】焼結体サンプルNo. 1において、x=0.
002、0.008、0.015、0.02になるよう
にCrを添加するほかは同様にして焼結体サンプルを作
製した。順にサンプルNo. 2、No. 3、No. 4、No. 5
とする。また、Crを添加しないx=0の焼結体サンプ
ルも作製した(焼結体サンプルNo. 6)。
【0041】これらの焼結体サンプルNo. 1〜No. 6に
ついて抵抗率(Ωcm)の温度依存性を調べた。
【0042】結果を図1に示す。
【0043】図1より、x=0.002、0.004、
0.008、0.015のサンプルでは、室温付近で金
属相を示し、かつ温度上昇により金属相から半導体相に
転移することがわかる。これに対し、x=0のサンプル
では相転移が起こらず、x=0.02のサンプルでは室
温付近で半導体相を示すことがわかる。
【0044】以上の結果に基づき、Crを所定量添加し
たV23 において、室温付近で金属相が発現すること
がわかった。さらに、この金属相に起因する性質を検討
したところ、金属相でLi挿入反応が生じることがわか
った。
【0045】実際、x=0.004のサンプルNo. 1に
ついて検討したところ、X線回折により求めた格子定数
から格子に歪みが生じていること、および還元によるホ
ール濃度の減少によると予想される抵抗率(Ωcm)の2
ケタ程度の上昇が生じることが明らかになり、これによ
り上記のLi挿入反応が起こっていることを確認した。
【0046】従って、リチウム二次電池の正極材料とし
て、これらのサンプルを適用できることがわかった。
【0047】なお、焼結体サンプルは上記のいずれの製
法によっても同様の結果を示した。
【0048】実施例2 実施例1の焼結体サンプルNo. 1において、x=0.0
03となるようにCrを添加するほかは同様にして焼結
体サンプルNo. 7を作製した。
【0049】このサンプルNo. 7についても、サンプル
No. 1と同様に、室温付近の温度で金属相を示すこと、
室温+100℃程度の温度で金属相から半導体相への転
移が生じることが確認された。
【0050】実施例3 実施例1で作製したサンプルNo. 1を正極材料としてリ
チウム二次電池を作った。
【0051】正極は以下のように作製し、負極にはリチ
ウム金属を用いた。また、電解液は、電解質にLiCl
4 、溶媒にプロピレンカーボネート/ジメトキシエタ
ン(容量比1/1)の混合溶媒を用いて調製した1Mの
LiClO4 溶液とした。
【0052】正極の作製 正極活物質としてサンプルNo. 1を用い、これをポリテ
トラフルオロエチレンと、この順で20:1の重量比と
なるように混合し、その後加圧成形を行って直径15mm
のペレットを作製した。
【0053】このようにして作った電池を電池Aとす
る。また、電池Aにおいて、正極材料としてサンプルN
o. 1のかわりに、実施例1で作製したサンプルNo.
3、No. 5、No. 6および実施例2で作製したサンプル
No. 7を各々用いて同様に電極を作った。これらを順に
電池B〜Eとする。
【0054】これらの電池A〜Eについてそれぞれ放電
容量を求めた。放電容量は、充電上限電圧を4.1V と
し、上限電圧に達した後、4.1V で定電圧充電を10
時間行い、下限電圧を3.1V として求めた。なお、測
定は室温(25℃)で行った。
【0055】これらの結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】表1より、本発明の効果は明らかである。
【0058】上記電池のうち、本発明の電池A、B、E
について、これらの電池の正極を局所的に加熱したとこ
ろ、素子の温度が室温より100℃程度上昇した。この
ときいずれの電池でも電流が流れなくなり、素子機能が
停止した。その後、素子の温度を室温に戻したところ、
再び機能が回復した。
【0059】実施例4 実施例3の電池Aにおいて、正極として以下のように作
製したものを用いるほかは同様に電池Fを作った。
【0060】正極の作製 正極活物質として実施例1のサンプルNo. 1を用い、こ
の微粉末(平均粒径0.5μm 程度)を80wt% 含有す
るスラリーを調製した。このときの溶媒にはアセトンを
100ml用い、さらにバインダーとしてポリビニルアル
コールを用い、スラリー中にバインダーが5wt% 含有さ
れるように添加した。
【0061】このスラリーを20μm 厚のAl集電体上
に100μm 厚(乾燥膜厚)となるように塗布し乾燥し
て正極を作製した。
【0062】この電池Fについて、実施例1と同様にし
て放電容量を求めたところ、電池Aと同等であった。ま
た、電流の自己制御機能も同様に示した。
【0063】実施例5 実施例4の電池Fにおいて、正極を以下の複合材料にか
えるほかは同様に電池Gを作った。
【0064】正極の作製 電池Fの正極と同様にして、Al集電体上に乾燥膜厚で
100μm のサンプルNo. 1を含む塗膜を形成した。さ
らに、LiCoO2 の微粉末(平均粒径2μm程度)を
60wt% 含有するスラリーを調製し、このスラリーを用
いて、上記塗膜上に乾燥膜厚で100μm となるように
塗布し乾燥して正極を作製した。なお、LiCoO2
含有するスラリーの溶媒はアセトンとし、これを80ml
用いた。また、スラリー中にはバインダーとしてフッ化
ビニリデンを10wt% となるように添加した。
【0065】この電池Fについて、実施例1と同様にし
て放電容量を求めたところ、放電容量は70mAh/g であ
った。また、前記同様、電流の自己制御機能も示した。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、室温で金属相を示す正
極材料を用いてリチウム二次電池を得ることができる。
この材料は、温度上昇により金属相から半導体への相転
移を示すので、半導体相に転移することによって電流が
流れなくなる性質をもつ。また温度を室温まで戻すこと
によって復帰可能である。このため、過電流の自己制御
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】V23 に対するCr添加量をかえたサンプル
の抵抗率の温度依存性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−348001(JP,A) 特開 平3−170336(JP,A) 特開 平1−128355(JP,A) 特開 平1−128354(JP,A) 特開 平2−207454(JP,A) 特開 平2−148653(JP,A) 特開 平1−231271(JP,A) 特開 昭61−116757(JP,A) 特開 昭61−116756(JP,A) 特開 昭61−206168(JP,A) 特開 昭61−239565(JP,A) 特開 昭60−212959(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/58 H01M 4/02 H01M 10/40 H01C 7/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (V1―xCr〔ここで、x
    は0.002〜0.015である。〕で表される酸化物
    を正極材料として用いたリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 温度変化により、前記酸化物の金属相と
    半導体相との可逆的な相転移が生じ、前記金属相では酸
    化還元電流が流れ、温度上昇による前記金属相から半導
    体相への転移によって酸化還元電流が停止し、この可逆
    的な相転移によって前記酸化物による電流の自己制御が
    行われる請求項1のリチウム二次電池。
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