JP3467234B2 - 水道原水中の硝酸性窒素の除去方法 - Google Patents

水道原水中の硝酸性窒素の除去方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硝酸性窒素を含む
井戸水や地下水などの水道原水を処理し、飲料水として
安全な水道水を生産する水道原水中の硝酸性窒素の除去
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】井戸水や地下水などに含まれる硝酸性窒
素及び亜硝酸性窒素は、飲料水として経口摂取した場
合、胎児や乳児のメトヘモグロビン血症を引き起こした
り、体内において強力な発がん物質であるニトロソアミ
ンを生成することから、水道水の水質基準項目として、
その濃度が規制されている。ところが、近年、農地にお
ける施肥過剰から、井戸水や地下水などの水道水源中の
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素濃度の上昇例が数多く報告
されるようになり、その効率的で確実な除去方法が強く
求められている。なお、亜硝酸性窒素は不安定で、硝酸
性窒素にまで容易に酸化されるため、その殆ど大部分が
硝酸性窒素として存在する。
【0003】ところで、井戸水や地下水など水中の硝酸
性窒素の除去方法としては、イオン交換法、電気透
析法、生物学的脱窒法、逆浸透膜法などがある。
【0004】このうち、イオン交換法は、陰イオン交換
樹脂を充填した塔に被処理水を通水し、樹脂のイオン交
換作用により、水中の硝酸性窒素(硝酸イオン)を除去
する方法である。この方法では、処理を継続することに
よって、樹脂のイオン交換作用が飽和状態になった時点
で定期的に処理を中断し、食塩溶液をイオン交換塔に通
水することにより、樹脂のイオン交換作用を再生すると
いう操作が不可欠である。この再生工程において、処理
水量に対して容量比で概ね数パーセントに相当する再生
廃液が発生する。この廃液中には高濃度の硝酸性窒素及
び塩類が含まれており、この処理が従来の技術では技術
的にも経済的にも困難で、この方法による硝酸性窒素の
除去処理の普及を妨げている。また、井戸の周辺環境に
よっては、水道原水としての被処理水中に農薬などの微
量化学物質やヒ素などの重金属、あるいは病原性微生物
などが混在する場合もある。このような場合には、イオ
ン交換のみでは安全で衛生的な水道水を供給できないた
め、膜ろ過や活性炭吸着などの方法を組み合わせる必要
があり、処理操作が複雑になると同時にコスト高ともな
る。
【0005】一方、電気透析法は、イオン交換樹脂より
形成した電気透析膜を、陽イオン交換膜と陰イオン交換
膜とを交互に配置して、濃縮水室と処理水室とを交互に
形成し、被処理水と濃縮水とを各々循環しながら、両端
から直流電圧を印加することにより、イオン交換膜を介
して電気的にイオンを分離し、水中の硝酸性窒素(硝酸
イオン)を除去する方法である。この方法においても、
前記イオン交換法と同様に、井戸の周辺環境によって
は、水道原水としての被処理水中に農薬などの微量化学
物質やヒ素などの重金属、あるいは病原性微生物などが
混在する場合がある。このような場合には、イオン交換
のみでは安全で衛生的な水道水を供給できないため、膜
ろ過や活性炭吸着などの方法を組み合わせる必要があ
り、処理操作が複雑になると同時にコスト高ともなる。
【0006】また、生物学的脱窒法は、脱窒菌を処理槽
内に保持するとともに、有機物を水素供与体として与
え、この脱窒菌の還元作用によって、硝酸イオンを窒素
ガスに還元し、空気中に排出することにより除去する方
法である。この脱窒反応を円滑に行わせるためには、重
量比で硝酸性窒素の約3倍の有機物が必要とされてい
る。通常の井戸水・地下水などの水道原水中には、水素
供与体としての有機物濃度が低く、反応に必要な量に満
たないため、人工的にエチルアルコールなどを添加す
る。また、原水中の硝酸性窒素濃度が変動した場合、水
素供与体としての有機物の添加量のコントロールが困難
で、不足した場合は硝酸性窒素の除去が不十分となり、
過剰となった場合は有機物が処理水中に流出し、水道水
として水質面で不適合となる恐れがあることや、病原性
微生物に対しては処理効果が期待できないことからなど
から、この方法による実例はなく、現状では研究段階に
あると言わざるを得ない。
【0007】さらに、逆浸透膜法は、水を選択的に透過
させる逆浸透膜の一次側に、ポンプ駆動で被処理水を加
圧して導入することにより、水中の硝酸イオンをはじ
め、各種イオン、農薬などの微量化学物質や病原性微生
物を同時に除去する方法である。この方法によれば、水
道水源としての井戸水や地下水の周辺環境にかかわら
ず、単独の方法で安全かつ衛生的な水道水を得ることが
できる。通常の井戸水や地下水では、この逆浸透膜を短
時間に目詰まりさせる濁り成分は殆ど存在しないので、
ろ過などの前処理は必要としない。ただし、長期間処理
を継続することによって、井戸水中に微量であるが存在
する鉄・マンガン・有機物などが膜表面に付着し、徐々
に膜の透水性を低下させるので、概ね3ケ月に1度程度
の頻度で、クエン酸やシュウ酸などの有機酸の溶液を用
い、膜の表面に付着した前記物質を溶解、洗浄して膜の
透水性を回復させる、いわゆる薬品洗浄が必要である。
【0008】この薬品洗浄時の廃液中には、約1%程度
の有機酸が含まれるため、公共用水域に放流するのに支
障のないように処理を行う必要がある。また、この方法
では、処理水量に対して容量比で15〜20%の濃縮排
水が生じる。この濃縮排水中には除去された硝酸性窒素
が濃縮されて存在するため、上記薬品洗浄排水と同様
に、公共用水域に放流するのに支障のないように処理を
行う必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、井戸水や地
下水からの硝酸性窒素を除去し、安全で衛生的な水道水
を提供するとともに、処理過程で生成する濃縮排水と薬
品洗浄排水を低コストで浄化処理することができる水道
原水中の硝酸性窒素の除去方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の水道原水中の硝酸性窒素の除去方法は、水
を選択的に透過させる逆浸透膜の一次側に、被処理水を
加圧して導入することにより硝酸性窒素を除去する水道
原水中の硝酸性窒素の除去方法において、処理工程で生
じる硝酸性窒素の濃縮排水に対し、脱窒菌と有機物を加
え、該脱窒菌の還元作用によって硝酸性窒素を窒素ガス
に還元するとともに、前記逆浸透膜の洗浄により生じる
薬品洗浄排水を、前記脱窒菌に必要な有機物源として使
用することを特徴とする。
【0011】この水道原水中の硝酸性窒素の除去方法
は、井戸水や地下水からの硝酸性窒素を逆浸透膜処理で
除去した際に発生する濃縮排水を生物学的脱窒法によっ
て処理する。その際、生物学的脱窒反応に必要な水素供
与体として、シュウ酸、クエン酸などの有機酸を使用し
て3〜4ケ月毎に実施する逆浸透膜の薬品洗浄排水を使
用する。この方法によって、濃縮排水中の硝酸性窒素は
生物学的に環境に対して無害な窒素ガスに還元され、水
中より除去されるとともに、薬品洗浄排水中のBOD成
分としての有機物は脱窒反応の水素供与体として利用さ
れ、炭酸ガスと水とに分解されることから、濃縮排水、
薬品洗浄排水ともに環境に負荷を与えない形にまで処理
することができ、公共用水域へ放流することが可能とな
る。さらに、薬品洗浄排水中の有機物を脱窒反応の水素
供与体として利用することにより、人為的に添加するメ
タノールなどの有機物源を低減することができ、運転コ
ストを低減することが可能となる。
【0012】この場合において、前記脱窒菌による還元
処理の前に、硝酸性窒素の濃縮排水を電気透析装置によ
り処理するとともに、該電気透析装置の電気透析膜の洗
浄により生じる薬品洗浄排水を、脱窒菌に必要な有機物
源として使用することができる。
【0013】これにより、人為的に添加するメタノール
などの有機物源をさらに低減するとともに、電気透析膜
の薬品洗浄排水を、逆浸透膜の薬品洗浄排水と共に公共
用水域に放流可能なレベルにまで処理することができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水道原水中の硝酸
性窒素の除去方法の実施の形態を図面に基づいて説明す
る。
【0015】図1に、本発明の水道原水中の硝酸性窒素
の除去方法の第1実施例を示す。図において、1は貯
槽、2は保安フィルター、3は逆浸透膜処理装置、4は
洗浄薬品貯槽、5は濃縮排水貯槽、6は生物学的脱窒反
応槽、7は逆浸透膜の薬品洗浄排水槽、8はpH計セン
サー、9はORP計センサー、10は逆浸透膜処理水、
11は濃縮排水の処理水をそれぞれ示している。
【0016】この硝酸性窒素の除去方法は、硝酸性窒素
を含有する井戸水や地下水をポンプにより揚水し、一旦
貯槽1に蓄えた後、ポンプにより定量的に数ミクロン〜
数十ミクロンの目開きを有する保安フィルター2を介し
て逆浸透膜処理装置3に加圧して送水する。
【0017】逆浸透膜処理装置3は、逆浸透膜をユニッ
ト化した逆浸透膜エレメントを数組収納した圧力容器
(逆浸透膜ベッセル)と圧力計、流量計、水質計器より
構成されている。
【0018】水道原水としての地下水のように溶解塩類
が低濃度の場合、その浸透圧は低いので、逆浸透膜処理
装置への加圧力としては概ね0.5〜1.5MPa程度
でよい(低圧逆浸透膜処理)。加圧して逆浸透膜処理す
ることにより、硝酸性窒素の60〜80%程度が除去さ
れる。逆浸透膜処理によってカルシウム、マグネシウム
などのミネラル成分も除去されることから、重炭酸イオ
ンが遊離の炭酸ガスに変換され処理水中に溶解すること
により、処理水の水素イオン濃度指数(pH)が低下す
る。したがって、水道水として給水する前に逆浸透膜処
理水から曝気等の手段により遊離炭酸を空中に脱気する
とともに、必要なミネラル分を添加し、さらに塩素滅菌
を行う。
【0019】逆浸透膜処理水と混合して給水可能な水源
が存在する場合には、塩素滅菌以外の後処理を省略する
ことができる。逆浸透膜処理水として回収可能な水量
は、処理対象としての井戸水や地下水の硬度成分、ケイ
酸濃度によって左右されるが、通常の水質の場合、概ね
75〜85%程度であり、逆浸透膜処理装置へ加圧送水
した水量の15〜25%が濃縮排水として排出される。
この濃縮排水中には、除去された硝酸性窒素が4〜6倍
に濃縮されて存在し、無処理で放流すると、放流先水域
において富栄養化現象を起こしたり、農業用水として利
用された場合には、窒素過多による作物の立ち枯れや倒
伏などの障害を発生させる恐れがある。したがって、こ
の濃縮排水から硝酸性窒素を除去する必要があり、本実
施例では、一旦貯槽5に貯留した後、ポンプで定量的に
生物学的脱窒反応槽6に送り、生物学的脱窒法による脱
窒菌の作用により、硝酸性窒素を窒素ガスに還元し、水
中より除去する。
【0020】脱窒反応槽6内には、還元雰囲気で脱窒菌
を増殖させて保持する。脱窒菌の保持方法としては、水
中に細菌を浮遊状態で保持する方法(浮遊法)や、上記
浮遊方式の脱窒反応槽内に粒状あるいはペレット状の担
体を投入して、これらの表面に脱窒菌を保持する方法
(担体法)、あるいは、脱窒反応槽内に粒状やペレット
状、ひも状等の充填材を設置して、これらの表面に脱窒
菌を保持する方法(固定床法)等があるが、本発明で
は、これらの方法をいずれも採用することができる。
【0021】一方、逆浸透膜処理においては、除去され
た硬度成分が濃縮排水中で炭酸カルシウムなどのスケー
ル成分として析出するのを防止する目的で、硫酸や塩酸
などの酸を注入し、濃縮排水のpHを低下させる。生物
学的脱窒反応の至適pH範囲は、概ね中性付近にあるの
で、反応槽6内のpHを至適範囲に維持するために苛性
ソーダ溶液などのアルカリを添加する。この場合、反応
槽6内に設置したpH計センサー8と連動させて、アル
カリ溶液の注入ポンプを制御することにより、反応槽6
内のpHを自動的に制御・調整することが可能である。
【0022】また、生物学的脱窒反応を連続的に進行さ
せるためには、反応槽6で生物学的に除去される硝酸性
窒素重量の約3倍重量の有機物を添加する必要がある。
この有機物源としては、メタノールが比較的安価である
ことから、反応槽6へ連続的にメタノールを添加する。
本実施例では、反応槽6内のORP(酸化還元電位)
が、概ね−150mV付近にあるとき、脱窒反応がスム
ーズに進行し硝酸性窒素の除去が良好に行われたことか
ら、反応槽6内に設置したORP計センサー9と連動さ
せて、メタノールの注入ポンプを制御することにより、
脱窒反応をスムーズに進行させることができる。
【0023】また、生物学的脱窒反応には一定量のリン
が必須であるが、通常の硝酸性窒素を含有する地下水を
逆浸透膜処理した場合は、濃縮排水中にリンは殆ど存在
しないことから、本実施例では濃縮排水中の硝酸性窒素
濃度の1/5程度のリンを重量比で添加することによ
り、脱窒反応をスムーズに進行させることができた。
【0024】ところで、硝酸性窒素を含有する井戸水や
地下水を連続的に逆浸透膜処理した場合、硝酸性窒素の
みならず地下水中に含まれる微量の鉄・マンガン、ケイ
酸、炭酸カルシウム、細菌なども同時に除去されること
から、これらが逆浸透膜の表面に徐々に付着し、前記逆
浸透膜ベッセル前後の圧力損失を上昇させる。この圧力
損失が所定値を超えた時点で、シュウ酸やクエン酸など
有機酸の数%溶液を逆浸透膜ベッセルに送り、所定時間
浸漬することにより、逆浸透膜の表面に付着している鉄
やマンガン、ケイ酸、炭酸カルシウム、細菌などを洗浄
除去し、逆浸透膜ベッセルの圧力損失を低下させ、その
能力を回復させる。この操作を薬品洗浄と称しており、
本実施例では、概ね4ケ月に1度の頻度で2%濃度のク
エン酸溶液を使用して薬品洗浄を実施した。
【0025】この操作で発生する薬品洗浄排水中には、
逆浸透膜表面より洗い流された鉄やマンガン、ケイ酸、
炭酸カルシウム、細菌の他、2%濃度のクエン酸に起因
する高濃度の有機物が含まれており、この処分のために
は、廃酸として有料で産業廃棄物として専門業者に処分
を委託するか、もしくは逆浸透膜処理装置を設置した現
地において何らかの処理を行う必要がある。
【0026】本実施例では、この薬品洗浄排水を薬品洗
浄排水貯槽7に一旦貯留し、脱窒反応に必要な有機物源
として、前記ORP計センサー9と連動させた注入ポン
プによって脱窒反応槽6に流入させたところ、メタノー
ルの添加を必要とせず、逆浸透膜処理の濃縮排水中の硝
酸性窒素を脱窒反応により良好に除去することができ
た。
【0027】下記表1に、逆浸透膜の薬品洗浄排水を必
要な有機源として使用した本実施例の濃縮排水の処理結
果と、メタノールを単独で使用した従来の濃縮排水の処
理結果を示す。
【0028】
【表1】
【0029】かくして、本実施例の水道原水中の硝酸性
窒素の除去方法では、井戸水や地下水からの硝酸性窒素
を逆浸透膜処理で除去する浄水処理において、処理工程
で発生する濃縮排水を生物学的脱窒反応によって処理す
る際に、脱窒反応に必要な水素供与体として、概ね3〜
4ケ月毎に有機酸を使用して実施する逆浸透膜の薬品洗
浄排水を使用する。これにより、濃縮排水中の硝酸性窒
素は、環境に対して無害な窒素ガスに還元されて、水中
より除去されるとともに、薬品洗浄排水中のBOD成分
としての有機物は、脱窒反応の水素供与体として利用さ
れ、炭酸ガスと水とに分解され、その結果、濃縮排水と
薬品洗浄排水は、共に環境に負荷を与えない形にまで処
理され、公共用水域へ放流することが可能となる。さら
に、薬品洗浄排水中の有機物を脱窒反応の水素供与体と
して利用することにより、人為的に添加するメタノール
などの有機物源を低減することができ、運転コストを低
減することができる。
【0030】次に、図2に、本発明の水道原水中の硝酸
性窒素の除去方法の第2実施例を示す。図において、1
は貯槽、2は保安フィルター、3は逆浸透膜処理装置、
4は洗浄薬品貯槽、5は濃縮排水貯槽、6は生物学的脱
窒反応槽、7は逆浸透膜の薬品洗浄排水槽、8はpH計
センサー、9はORP計センサー、10は逆浸透膜処理
水、11は濃縮排水の処理水をそれぞれ示している。
【0031】この第2実施例の硝酸性窒素の除去方法で
は、逆浸透膜処理で生じた濃縮排水を、電気透析処理装
置12でさらに脱塩処理し、電気透析処理水は貯槽1に
返送して再利用することが可能である。なお、濃縮排水
中のケイ酸濃度が高く、貯槽1に返送すると逆浸透膜処
理でケイ酸スケールが生成する恐れがある場合には、電
気透析処理水14は外部に放流する。
【0032】電気透析装置12でさらに5〜6倍に濃縮
された排水は、電気透析濃縮排水貯槽13に貯留された
後、第1実施例と同様に生物学的脱窒反応槽6において
処理される。この場合、電気透析膜も逆浸透膜と同様
に、定期的にクエン酸やシュウ酸などの有機酸溶液を使
用して薬品洗浄を行う。そこで、第2実施例の硝酸性窒
素の除去方法では、この電気透析膜の薬品洗浄排水を、
逆浸透膜の薬品洗浄排水と併せて、生物学的脱窒反応に
必要な有機物源として利用する。これにより、人為的に
添加するメタノールなどの有機物源をさらに低減すると
ともに、電気透析膜の薬品洗浄排水を、逆浸透膜の薬品
洗浄排水と共に公共用水域に放流可能なレベルにまで処
理することができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の水道原水中の硝酸性窒素の除去
方法によれば、濃縮排水中の硝酸性窒素は生物学的に環
境に対して無害な窒素ガスに還元され、水中より除去さ
れるとともに、薬品洗浄排水中の有機物は脱窒反応の水
素供与体として利用され、炭酸ガスと水とに分解される
ことから、濃縮排水、薬品洗浄排水ともに環境に負荷を
与えない形にまで処理することができ、公共用水域へ放
流することができる。さらに、薬品洗浄排水中の有機物
を脱窒反応の水素供与体として利用することにより、人
為的に添加するメタノールなどの有機物源を低減するこ
とができ、運転コストを低減することができる。
【0034】また、前記脱窒菌による還元処理の前に、
硝酸性窒素の濃縮排水を電気透析装置により処理すると
ともに、該電気透析装置の電気透析膜の洗浄により生じ
る薬品洗浄排水を、脱窒菌に必要な有機物源として使用
することにより、人為的に添加するメタノールなどの有
機物源をさらに低減するとともに、電気透析膜の薬品洗
浄排水を、逆浸透膜の薬品洗浄排水と共に公共用水域に
放流可能なレベルにまで処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水道原水中の硝酸性窒素の除去方法の
第1実施例を示す説明図である。
【図2】本発明の水道原水中の硝酸性窒素の除去方法の
第2実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 被処理水(地下水貯槽) 2 保安フィルター 3 逆浸透膜処理装置 4 洗浄薬品貯槽 5 逆浸透膜濃縮排水貯槽 6 生物学的脱窒反応槽 7 薬品洗浄排水槽 8 pH計センサー 9 ORP計センサー 10 逆浸透膜処理水 11 逆浸透膜濃縮排水処理水 12 電気透析処理装置 13 電気透析濃縮排水貯槽 14 電気透析処理水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 1/44 C02F 1/44 H 1/469 9/00 501H 9/00 501 502F 502 502L 503A 503 504A 504 1/46 103 (56)参考文献 特開 平11−114596(JP,A) 特開 平9−103799(JP,A) 特開 平9−75990(JP,A) 特開 昭62−258795(JP,A) 特開 平2−164500(JP,A) 特開 平4−227099(JP,A) 特開 平2−31893(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/34 101 C02F 9/00 501 - 504

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を選択的に透過させる逆浸透膜の一次
    側に、被処理水を加圧して導入することにより硝酸性窒
    素を除去する水道原水中の硝酸性窒素の除去方法におい
    て、処理工程で生じる硝酸性窒素の濃縮排水に対し、脱
    窒菌と有機物を加え、該脱窒菌の還元作用によって硝酸
    性窒素を窒素ガスに還元するとともに、前記逆浸透膜の
    洗浄により生じる薬品洗浄排水を、前記脱窒菌に必要な
    有機物源として使用することを特徴とする水道原水中の
    硝酸性窒素の除去方法。
  2. 【請求項2】 前記脱窒菌による還元処理の前に、硝酸
    性窒素の濃縮排水を電気透析装置により処理するととも
    に、該電気透析装置の電気透析膜の洗浄により生じる薬
    品洗浄排水を、脱窒菌に必要な有機物源として使用する
    ことを特徴とする請求項1記載の水道原水中の硝酸性窒
    素の除去方法。
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