JP3467075B2 - 硫酸バリウム及びその製造方法 - Google Patents

硫酸バリウム及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧料成分として好適
な粒子径及び形状を有し、使用感、隠ぺい性に優れ、高
い光拡散性と透明性を有する硫酸バリウム、並びにその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】硫酸バリウムは人体に無害で、隠ぺい性
が強いため、X線の造影剤、γ線吸収剤、白色顔料等と
して工業的に広く使用されている。しかしながら、化粧
品用としての利用、その中でも特にファンデーション等
に使用する場合には、従来の硫酸バリウムでは伸展性や
付着性が悪く、使用感に欠けていた。また、透明感にも
欠け、化粧後に素肌感覚が劣るという欠点を有してい
た。
【0003】一方、硫酸バリウムの結晶の生成とその加
温浸漬による結晶の成長に関しては、古くから数多くの
研究結果が報告されている。例えば、Bull. Chem. Soc.
Japan、27巻、3号、 121-125頁(1954)によれば、バ
リウム化合物と硫酸化合物の水溶液を瞬時に混合させる
回分式反応の場合、粒子の大きさと形状は混合原料の濃
度に支配され、濃度が薄くなるにつれて無定型、球形、
紡錘型、ダイアモンド型等に種々変形し、粒子の最大径
は0.013μmから2μm程度まで大幅に変わること
が示されている。しかしながら、この方法では本発明の
目的に合致する好適な粒子径や形状を有する粉体を得る
ことが難しかった。
【0004】また、バリウム化合物と硫酸化合物の溶液
を反応器に連続的に供給する連続式反応は従来数多く研
究されており、例えば特公昭54−23874号公報及
び特公昭62−34688号公報が知られている。これ
らはいずれも加温下で、比較的高濃度のバリウム化合物
と硫酸化合物の溶液を用いた硫酸バリウムの製造に関す
るものである。一方、Chem. Eng. Sci. 、43巻、8
号、1949−1954頁(1988)、AIChE J.、3
6巻、4号、511−522頁(1990)及びInd. E
ng. Chem. Res.、30巻、1号、196−201頁(1
991)では常温付近で比較的低濃度のバリウム化合物
溶液と硫酸化合物溶液が用いられていることが記載され
ている。しかしながら、これらの文献に報告されている
反応条件では、本発明の目的に合致するような好適な粒
子径や形状を有する粉体を得ることは難しいと考えられ
る。
【0005】上記の欠点を解決する手段として、特開昭
58−41718号公報には硫酸バリウムの粒径を大き
くする方法が、特開昭62−174238号公報には硫
酸バリウムの結晶形を板状または針状とする方法が、ま
た、特開平5−43226号公報には硫酸バリウム顔料
の製造方法が開示されている。しかし、これらはいずれ
も合成後の熱処理、鉱酸処理を必要とするために製造工
程が複雑であり、工業生産上好ましくない。また、この
ような後処理をしても、前期形骸を完全に除去すること
は困難で、得られた硫酸バリウム粒子の大きさ、形状と
も化粧料成分としては満足できるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、上記の
ように、化粧料成分として用いるのに好ましい硫酸バリ
ウム粒子の製造自体が困難であったり、あるいは製造工
程が複雑であるなどの問題点があった。従って、本発明
の目的は、硫酸バリウムをファンデーションなどの化粧
料成分として使用する場合に、好適な使用感や隠ぺい性
を付与できるように、適度に大きい粒子で、かつ特殊な
板状構造である硫酸バリウム、およびその連続的な製造
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる実情において本発
明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行なった結
果、板状面の発達、光拡散透過度及び白色度が良好な硫
酸バリウムが、使用感、隠ぺい性に優れ、高い光拡散性
と透明性を有することを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、水酸化バリウ
ムまたはバリウム塩の溶液と、硫酸または硫酸塩の溶液
とを反応器に連続的に供給して下記(d)、(e)およ
(f)の条件 (d)バリウム化合物と硫酸化合物の溶液の原料濃度が
いずれも0.005〜0.1mol/リットル、 (e)バリウム化合物の硫酸化合物に対するモル比が1
/2〜2/1、 (f)反応温度が50〜100℃ で反応させ、反応液を20秒〜60分間滞留させた後、
生成した粒子を連続的に抜き出すことを特徴とする硫酸
バリウムの製造方 関する。
【0009】次に、本発明を詳細に説明する。本発明の
硫酸バリウムは、図1中の模式図(b)〜(d)に示さ
れるように、好ましくは全体的には板状で、かつA−B
断面が紡錘状の粒子構造を呈する。そして、その周囲長
面積比(板状面の周囲長の2乗/板状面の正射影面の面
積)は通常12.5〜40、好ましくは12.5〜20
である。この範囲より小さい値は幾何学的にとり得ない
(円で12.5)。この範囲より大きいと摩擦係数が大
きくなるため使用感が悪くなる傾向がある。ここで板状
面の正射影面の面積とは、板状面に対して投影された正
射影面の面積をいい、板状面の周囲長とは、板状面に対
して投影された正射影面の輪郭の長さをいう。なお、図
1中の模式図(a)は、従来の製造方法により得られる
硫酸バリウムであるが、このようにA−B断面が長方形
の完全な板状では、後述の光散乱透過度が本発明品より
低いものとなる。
【0010】ここで、周囲長面積比は、走査型電子顕微
鏡で撮影した写真より、例えば30個の粒子の周囲長面
積比(板状面の周囲長の2乗/板状面の正射影面の面
積)の平均値を算出して求めることができる。
【0011】また、本発明の硫酸バリウムは、濃度20
重量%、厚さ15μmの薄膜を形成したときの光散乱透
過度が55%以上、好ましくは60%以上である。この
範囲より小さいと光拡散性が低く、化粧膜にした場合鮮
映性抑制効果が乏しくなる傾向があり、化粧品用体質顔
料として好ましくない。
【0012】光散乱透過度は、分散媒を使用して硫酸バ
リウム粉末を20重量%加えて均一に混練し、アプリケ
ーターにより薄膜を形成させ、これを試料としてヘイズ
メーター(村上色彩技術研究所製、形式:HR−100
等)により、平行光線透過率(Tp)と散乱光透過率
(Td)を測定し、〔Td/(Tp+Td)〕×100
により求めることができる。
【0013】さらに、本発明の硫酸バリウムは、緑色顔
料を20重量%混合させたときの白色度が57以下であ
り、好ましくは55.5以下である。この範囲より大き
いと透明性が低く、化粧膜にした場合素肌感覚が劣る傾
向があり、化粧品用体質顔料として好ましくない。
【0014】白色度は、緑色顔料と硫酸バリウム粉末を
分散媒中に分散させ、濾過後、乾燥し、得られた混合粉
体を試料として分光光度計(日立製作所製、形式:U−
4000等)を用いて反射法にて測定し、混合粉体の色
をL、a、b値によって数値化するときのL値で与えら
れ得る。
【0015】また、本発明の硫酸バリウムは、そのアス
ペクト比(板状面の平均径/平均厚み)が3〜100で
あるのが好ましく、更に好ましくは5〜50である。こ
の範囲より小さいと摩擦係数が大きくなるため使用感が
悪くなる傾向があり、この範囲より大きいと薄片状にな
り物理的強度が低下する傾向がある。ここで、アスペク
ト比も上記の周囲長面積比と同様にして求めることがで
きる。
【0016】また、結晶の(020)面が良く発達して
おり、結晶のX線回折を行った場合、(020)面と
(021)面の回折ピーク強度比(I(020)
(021) )が、通常0.2〜5の値をとる。この範囲よ
り小さいとアスペクト比が小さくなりすぎる傾向があ
り、この範囲より大きいとアスペクト比が大きくなりす
ぎる傾向がある。このような硫酸バリウムは、伸び、付
き等の使用感がさらに良好で、隠ぺい力に優れ、高い光
拡散性及び透明性を有する。
【0017】さらに、また、その平均粒径(板状面の平
均径)は、通常3〜10μmであり、好ましくは3〜7
μmである。この範囲より小さいと、皮膚に塗布する
際、伸びが悪くなる傾向があり、この範囲より大きいと
塗布した後の付き、なじみが悪くなる傾向がある。
【0018】平均粒径は、硫酸バリウム粉末を適当な分
散剤とともに水溶液に分散させ、粒度分布測定装置(堀
場製作所製、形式:LA−700等)により粒度分布を
測定し、その累積体積が50%となる粒径として算出す
ることができる。
【0019】上記条件を具備した硫酸バリウムは、本発
明の製造方法、即ちバリウム化合物の溶液と硫酸化合物
の溶液とを、反応器に連続的に供給し、生成した粒子を
連続的に抜き出す方法によって製造することが可能であ
る。ここで連続的とは、間欠的な態様を含めた一連の操
作を意味する。
【0020】本発明で用いるバリウム化合物は、水、ア
ルコール等の溶媒中でバリウムイオンを生じるものであ
れば特に制限されず、水酸化バリウム、及び塩化バリウ
ム、硫化バリウム、硝酸バリウム、酢酸バリウム等のバ
リウム塩類が挙げられる。好ましくは、水酸化バリウ
ム、塩化バリウム、硝酸バリウム、酢酸バリウムが挙げ
られる。さらに、反応中に生じる副産物の処理および入
手の容易さから、水酸化バリウムと塩化バリウムが最も
好ましい。
【0021】また、本発明で用いられる硫酸化合物は、
水、アルコール等の溶媒中で硫酸イオンを生じる化合物
であればよく、硫酸、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリ
ウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム
等が挙げられる。好ましくは、硫酸、硫酸ナトリウム、
硫酸水素ナトリウム、硫酸アンモニウムが挙げられる
が、入手の容易さおよび価格の面で、硫酸が最も好まし
い。
【0022】これらのバリウム化合物及び硫酸化合物
は、それぞれ水、アルコール等の溶媒に溶解してバリウ
ム化合物溶液及び硫酸化合物溶液として用いるが、アル
コールとしては、炭素数4以下のアルコール(例えば、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)
が望ましい。しかし、溶剤のコストや回収の必要性の有
無などから水溶液として用いることがより望ましい。こ
こで、不純物を低減させるためイオン交換水、蒸留水あ
るいは水道水がさらに好ましい。イオン交換水及び蒸留
水が最も好ましい。
【0023】バリウム化合物溶液の濃度及び硫酸化合物
溶液の濃度は、それぞれ通常0.005〜0.1mol
/リットルであり、好ましくは0.01〜0.08mo
l/リットルであり、より好ましくは0.02〜0.0
6mol/リットルである。反応液の濃度がこの範囲よ
り小さい場合、粒子が粗大となる傾向があり、また非常
に希薄であるため、工業的な製法として適しない。ま
た、特公昭54−23874号公報及び特公昭62−3
4688号公報に報告されているように、0.1mol
/リットルを越える濃度の溶液を用いると、過飽和度が
大きいために核発生が多くなり、微小な粒子が生成、場
合により凝集し、望ましい平滑性や透明性が得られな
い。
【0024】バリウム化合物の硫酸化合物に対するモル
比(バリウム化合物のモル数/硫酸化合物のモル数)
は、通常1/2〜2/1であり、好ましくは1/1.1
〜1.1/1である。モル比がこの範囲外であると収率
が低下するだけでなく、未反応の原料や副産物の除去操
作が煩雑となる傾向がある。また、バリウム化合物がこ
の範囲より過剰に存在するときは、光拡散性が悪くなる
傾向がある。一方、硫酸化合物が過剰の場合は、透明性
が劣化する傾向があるため、いずれも本発明の目的に適
さない。かかる濃度及びモル比の調整は、これらの条件
を満たすバリウム化合物及び硫酸化合物をそれぞれ調整
することにより行うのが好適である。
【0025】反応温度は50℃から100℃、好ましく
は70℃から95℃に設定すると、得られる硫酸バリウ
ムの性能が更に向上する。反応温度がこの範囲より低い
場合には、粒子が凝集し、望ましい平滑性や透明性が得
られにくい傾向があり、この範囲を越える温度では耐圧
用設備が必要となるために望ましくない。
【0026】本発明に係る方法を実施するにあたって
は、本発明の範囲を逸脱しない限り反応器との関係にお
いて様々な形式のものが可能である。
【0027】反応器には、槽型、管型、およびこれらの
形式が組合わさった反応器、のいずれも使用することが
できる。さらに、リサイクル型、ループ型反応器も使用
可能である。槽型反応器を用いる際、反応液の滞留時間
は20秒から60分が望ましく、1分から30分がさら
に望ましい。滞留時間がこの範囲より短時間の場合、極
めて大きい過飽和度になるため、硫酸バリウムの結晶は
樹枝状となり、望ましい平滑性や透明性が得られにくい
傾向がある。また、滞留時間がこの範囲を越えると、過
飽和度が低く抑えられ、また凝集粒子の割合が増加する
ため粗大な粒子になり、伸び、付き等の使用感や光散乱
性が劣化する傾向がある。
【0028】また、反応器の攪拌は、反応液が混合すれ
ば良く、攪拌レイノルズ数(攪拌速度×(攪拌翼径)2
液動粘度)が100以上が望ましく500以上がさらに
望ましい。管型反応器の場合も、レイノルズ数(平均線
速度×管径/液動粘度)が1000以上であることが望
ましく、2000以上がさらに望ましい。攪拌レイノル
ズ数あるいはレイノルズ数がこの範囲より小さい場合、
粒子の成長が遅くなるため、望ましい粒径が得られにく
い傾向がある。槽型反応器の攪拌翼は、タービン翼、プ
ロペラ翼、アンカー翼などいずれも良く、形式を問わな
い。反応槽内の溶媒としては、イオン交換水、蒸留水、
水道水等が用いられる。
【0029】以上の種々の条件において、本発明の好適
な態様を例示するとすれば、下記(1)〜(3)の条件
を同時に満足することが最も望ましい。 (1)バリウム化合物として水酸化バリウム又は塩化バ
リウムを用い、また硫酸化合物として硫酸を用い、それ
ぞれの水溶液の濃度がいずれも0.02〜0.06mo
l/リットル、(2)バリウム化合物と硫酸化合物のモ
ル比が1/1.1〜1.1/1、(3)反応温度が70
〜95℃。
【0030】
【実施例】次いで本発明の実施例および比較例を挙げて
本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例等に
限定されるものではない。尚、本実施例および比較例に
おいて、平均粒径、アスペクト比、周囲長面積比、X線
ピーク比、光散乱透過度及び白色度の評価は下記の如く
して行った。
【0031】平均粒径 本発明で合成された硫酸バリウム懸濁物を、常温付近ま
で冷却した。次にこの懸濁物をポリアクリル酸ナトリウ
ム(商品名:ポイズ530)の0.1%水溶液に分散さ
せ、粒度分布測定装置(堀場製作所製、形式:LA−7
00)により測定した。累積体積が50%となる粒径を
もって平均粒径とした。
【0032】アスペクト比、周囲長面積比 本発明で合成された硫酸バリウム懸濁物を常温付近まで
冷却し、5Cの濾紙で濾過後、120℃で3時間以上乾
燥して硫酸バリウムの粉末を得た。次に、この硫酸バリ
ウム粉末を、走査型電子顕微鏡(日本電子製、形式:J
SM−T−100)で観察し、写真撮影した。写真よ
り、30個の粒子のアスペクト比(=板状面の平均径/
平均厚み)及び周囲長面積比(=板状面の周囲長の2乗
/板状面の正射影面の面積)の平均値を算出した。
【0033】X線ピーク比 硫酸バリウム粉末を理学電気製(形式:RAD−20
0)X線回折装置を用いCuKα線、40kV、80m
AでX線回折を行い、結晶の(020)面と(021)
面の強度比( I(020) / I(021) )を算出した。
【0034】光散乱透過度 分散媒としてアミノ変性型シリコーン油(トーレシリコ
ーン社製、商品名:SF8417)を使用し、硫酸バリ
ウム粉末を20重量%加えて均一に混練し、アプリケー
ターにより約15μmの薄膜をガラス板状に形成させ
る。さらに、これをヘイズメーター(村上色彩技術研究
所製、形式:HR−100)により、平行光線透過率
(Tp)と散乱光透過率(Td)を測定し、〔Td/
(Tp+Td)〕×100を光散乱透過度とした。
【0035】白色度 緑色顔料CrO(OH)2(大東化成製、商品名:ギネグ
リーン)0.1gと硫酸バリウム粉末0.5gとをエタ
ノール50ml中に1時間以上マグネチックスターラー
により分散させ、濾過後、混合粉体を100℃で2時間
以上乾燥した。得られた混合粉体のうち0.5gを粉体
用セルに充填し、分光光度計(日立製作所製、形式:U
−4000)を用いて反射法にて測定した。混合粉体の
色をL、a、b値によって数値化し、L値によって硫酸
バリウム粉体の白色度を評価した。
【0036】実施例1 槽径75mm、有効容積360mlのガラス製セパラブ
ルフラスコにイオン交換水を360ml仕込み、テフロ
ン製三日月翼で攪拌しながら95℃に昇温した。次に、
孔径0.2μmのメンブレンフィルター(酢酸セルロー
ス膜、東洋濾紙製)で濾過し、あらかじめ95℃に加温
した0.02M水酸化バリウム水溶液と0.02M硫酸
水溶液とを各々36ml/minの流量(バリウム化合
物と硫酸化合物のモル比は1/1)で連続的に滴下し、
95℃で反応させた。反応器のオーバーフロー口より生
成した懸濁物を連続的に抜き出した。生成した懸濁物を
サンプリングし、10分間マグネチックスターラーで攪
拌しながら常温付近まで冷却した。さらに、5Cの濾紙
で濾過後、120℃で3時間乾燥させて、板状でかつ断
面が紡錘状の構造の硫酸バリウムの粉末を得た。
【0037】こうして得られた粉末は、平均粒径4.4
7μm、アスペクト比5、周囲長面積比16、X線ピー
ク比0.3、光散乱透過度67.1%、白色度53.9
であった。
【0038】実施例2 槽径75mm、有効容積360mlのガラス製セパラブ
ルフラスコにイオン交換水を360ml仕込み、テフロ
ン製三日月翼で攪拌しながら70℃に昇温した。次に、
孔径0.2μmのメンブレンフィルター(酢酸セルロー
ス膜、東洋濾紙製)で濾過し、あらかじめ70℃に加温
した0.06M水酸化バリウム水溶液と0.06M硫酸
水溶液とを各々18ml/minの流量(バリウム化合
物と硫酸化合物のモル比は1/1)で連続的に滴下し、
70℃で反応させた。反応器のオーバーフロー口より生
成した懸濁物を連続的に抜き出した。このとき、水酸化
バリウム水溶液と硫酸水溶液とをY字管で予備混合させ
てから反応器に供給した。生成した懸濁物をサンプリン
グし、10分間マグネチックスターラーで撹拌しながら
常温付近まで冷却した。さらに、5Cの濾紙で濾過後、
120℃で3時間乾燥させて板状でかつ断面が紡錘状の
構造の硫酸バリウムの粉末を得た。
【0039】こうして得られた粉末は、平均粒径4.0
7μm、アスペクト比20、周囲長面積比40、X線ピ
ーク比1、光散乱透過度65.5%、白色度54.9で
あった。
【0040】実施例3 内径10mmのジャケット付きガラス製管型反応器を5
0℃に昇温した。次に、孔径0.2μmのメンブレンフ
ィルター(酢酸セルロース膜、東洋濾紙製)で濾過し、
あらかじめ50℃に加温した0.005M硝酸バリウム
水溶液と0.01M硫酸ナトリウム水溶液とを各々25
0ml/minの流量(バリウム化合物と硫酸化合物の
モル比は1/2)で連続的に供給し、50℃で反応させ
た。反応器の出口より生成した懸濁物を連続的に抜き出
した。生成した懸濁物をサンプリングし、10分間マグ
ネチックスターラーで撹拌しながら常温付近まで冷却し
た。さらに、5Cの濾紙で濾過後、120℃で3時間乾
燥させて板状でかつ断面が紡錘状の構造の硫酸バリウム
の粉末を得た。
【0041】こうして得られた粉末は、平均粒径9.4
0μm、アスペクト比15、周囲長面積比20、X線ピ
ーク比2、光散乱透過度56.0%、白色度50.1で
あった。
【0042】実施例4 槽径75mm、有効容積360mlのガラス製セパラブ
ルフラスコに水道水を360ml仕込み、テフロン製三
日月翼で攪拌しながら100℃に昇温した。次に、孔径
0.2μmのメンブレンフィルター(酢酸セルロース
膜、東洋濾紙製)で濾過し、あらかじめ100℃に加温
した0.10M塩化バリウム水溶液と0.05M硫酸水
溶液とを各々180ml/minの流量(バリウム化合
物と硫酸化合物のモル比は2/1)で連続的に液中に供
給し、100℃で反応させた。反応器のオーバーフロー
口より生成した懸濁物を連続的に抜き出した。生成した
懸濁物をサンプリングし、10分間マグネチックスター
ラーで撹拌しながら常温付近まで冷却した。さらに、5
Cの濾紙で濾過後、120℃で3時間乾燥させて板状で
かつ断面が紡錘状の構造の硫酸バリウムの粉末を得た。
【0043】こうして得られた粉末は、平均粒径5.4
1μm、アスペクト比12.5、周囲長面積比40、X
線ピーク比5、光散乱透過度65.5%、白色度54.
0であった。
【0044】比較例1 槽径75mm、有効容積360mlのガラス製セパラブ
ルフラスコにイオン交換水を360ml仕込み、テフロ
ン製三日月翼で攪拌しながら90℃に昇温した。次に、
孔径0.2μmのメンブレンフィルター(酢酸セルロー
ス膜、東洋濾紙製)で濾過し、あらかじめ90℃に加温
した0.20M水酸化バリウム水溶液と0.20M硫酸
水溶液とを各々18ml/minの流量(バリウム化合
物と硫酸化合物のモル比は1/1)で連続的に滴下し、
90℃で反応させた。反応器のオーバーフロー口より生
成した懸濁物を連続的に抜き出した。生成した懸濁物を
サンプリングし、10分間マグネチックスターラーで撹
拌しながら常温付近まで冷却した。さらに、5Cの濾紙
で濾過後、120℃で3時間乾燥させて1次粒子が板状
でかつ断面が矩形の構造の硫酸バリウムの粉末を得た。
【0045】こうして得られた粉末は、平均粒径2.3
7μmの凝集物であり、1次粒子のアスペクト比10、
周囲長面積比60、X線ピーク比4、光散乱透過度6
3.8%であったが、白色度が64.0と高かった。
【0046】比較例2 内径10mmのジャケット付きガラス製管型反応器を9
0℃に昇温した。次に、孔径0.2μmのメンブレンフ
ィルター(酢酸セルロース膜、東洋濾紙製)で濾過し、
あらかじめ90℃に加温した0.01M水酸化バリウム
水溶液と0.005M硫酸水溶液とを各々250ml/
minの流量(バリウム化合物と硫酸化合物のモル比は
1/5)で連続的に供給し、90℃で反応させた。反応
器の出口より生成した懸濁物を連続的に抜き出した。生
成した懸濁物をサンプリングし、10分間マグネチック
スターラーで撹拌しながら常温付近まで冷却した。さら
に、5Cの濾紙で濾過後、120℃で3時間乾燥させて
板状でかつ断面が紡錘状の構造の硫酸バリウムの粉末を
得た。
【0047】こうして得られた粉末は、平均粒径2.7
8μm、アスペクト比30、周囲長面積比60、X線ピ
ーク比7、光散乱透過度67.6%であったが、白色度
が61.5と高かった。
【0048】比較例3 槽径75mm、有効容積360mlのガラス製セパラブ
ルフラスコにイオン交換水を360ml仕込み、テフロ
ン製三日月翼で攪拌しながら25℃に調製した。次に、
孔径0.2μmのメンブレンフィルター(酢酸セルロー
ス膜、東洋濾紙製)で濾過し、あらかじめ25℃に調製
した0.02M水酸化バリウム水溶液と0.02M硫酸
水溶液とを各々6ml/minの流量(バリウム化合物
と硫酸化合物のモル比は1/1)で連続的に滴下し、2
5℃で反応させた。反応器のオーバーフロー口より生成
した懸濁物を連続的に抜き出した。生成した懸濁物をサ
ンプリングし、10分間マグネチックスターラーで撹拌
しながら常温付近まで冷却した。さらに、5Cの濾紙で
濾過後、120℃で3時間乾燥させて1次粒子が板状で
かつ断面が紡錘状の構造の硫酸バリウムの粉末を得た。
【0049】こうして得られた粉末は、平均粒径3.9
0μmの凝集物であり、1次粒子のアスペクト比10、
周囲長面積比20、X線ピーク比1、光散乱透過度6
3.0%であったが、白色度60.5と高かった。
【0050】比較例4 槽径75mm、有効容積360mlのガラス製セパラブ
ルフラスコにイオン交換水を360ml仕込み、テフロ
ン製三日月翼で攪拌しながら40℃に調製した。次に、
孔径0.2μmのメンブレンフィルター(酢酸セルロー
ス膜、東洋濾紙製)で濾過し、あらかじめ40℃に調製
した0.025M塩化バリウム水溶液と0.025M硫
酸水溶液とを各々36ml/minの流量(バリウム化
合物と硫酸化合物のモル比は1/1)で連続的に滴下
し、40℃で反応させた。反応器のオーバーフロー口よ
り生成した懸濁物を連続的に抜き出した。生成した懸濁
物をサンプリングし、10分間マグネチックスターラー
で撹拌しながら常温付近まで冷却した。さらに、5Cの
濾紙で濾過後、120℃で3時間乾燥させて1次粒子が
板状でかつ断面が紡錘状の構造の硫酸バリウムの粉末を
得た。
【0051】こうして得られた粉末は、平均粒径7.4
3μmの凝集物であり、1次粒子のアスペクト比10、
周囲長面積比16、X線ピーク比1であったが、光散乱
透過度は52.6%と低く、白色度は53.9であっ
た。
【0052】本発明の態様を更に挙げると、次のような
ものになる。 (1)下記(a)、(b)、(c)の性状を有し、かつ
全体的には板状でかつ断面が紡錘状の粒子構造を有する
硫酸バリウム。(a)板状構造を呈し、かつその周囲長
面積比(板状面の周囲長の2乗/板状面の正射影面の面
積)が12.5〜40、(b)濃度20重量%、厚さ1
5μmの薄膜を形成したときの光散乱透過度が55%以
上、(c)緑色顔料を20重量%混合させたときの白色
度が57以下 (2)粒子のアスペクト比が3〜100であり、X線回
折による結晶の(020)面と(021)面との回折ピ
ーク強度比(I(020) /I(021) )が0.2〜5である
ことを特徴とする前記(1)記載の硫酸バリウム。 (3)平均粒径が3〜10μmであることを特徴とする
前記(1)または(2)記載の硫酸バリウム。
【0053】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、平均粒径が
3〜10μmで、板状でかつ断面が紡錘状の構造を呈
し、アスペクト比3〜100、周囲長面積比が12.5
〜40、結晶の(020)面と(021)面のX線ピー
ク比が0.2〜5の硫酸バリウムを安定して連続的に製
造することが可能である。当該方法により得られる本発
明の硫酸バリウムは光散乱透過度が55%以上、かつ、
白色度が57以下の物性を有し、使用感、隠ぺい性に優
れ、化粧品用体質顔料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来法又は本発明の製造方法により得
られる硫酸バリウム粒子の斜視図と断面図を模式的に示
す図である。(a)は従来法によるもので、(b)〜
(d)は本発明の製造方法によるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−257016(JP,A) 特開 平4−5215(JP,A) 特開 昭52−50994(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01F 11/46 A61K 7/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化バリウムまたはバリウム塩(以
    下、これらをバリウム化合物という)の溶液と、硫酸ま
    たは硫酸塩(以下、これらを硫酸化合物という)の溶液
    とを反応器に連続的に供給して下記(d)、(e)およ
    (f)の条件 (d)バリウム化合物と硫酸化合物の溶液の原料濃度が
    いずれも0.005〜0.1mol/リットル、 (e)バリウム化合物の硫酸化合物に対するモル比が1
    /2〜2/1、 (f)反応温度が50〜100℃ で反応させ、反応液を20秒〜60分間滞留させた後、
    生成した粒子を連続的に抜き出すことを特徴とする硫酸
    バリウムの製造方法。
  2. 【請求項2】 バリウム化合物の溶液と、硫酸化合物
    溶液とを反応器に連続して供給して下記(g)、(h)
    および(i)の条件 (g)バリウム化合物と硫酸化合物の溶液の原料濃度が
    いずれも0.02〜0.06mol/リットル、 (h)バリウム化合物の硫酸化合物に対するモル比が1
    /1.1〜1.1/1 (i)反応温度が70〜95℃ で反応させ、反応液を20秒〜60分間滞留させた後、
    生成した粒子を連続的に抜き出す請求項1記の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 バリウム化合物が水酸化バリウムおよび
    塩化バリウムから選ばれる1種または混合物であり、硫
    酸化合物が硫酸である請求項または記載の製造方
    法。
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