JP3465931B2 - 釣り用リール - Google Patents

釣り用リール

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JP3465931B2
JP3465931B2 JP22409493A JP22409493A JP3465931B2 JP 3465931 B2 JP3465931 B2 JP 3465931B2 JP 22409493 A JP22409493 A JP 22409493A JP 22409493 A JP22409493 A JP 22409493A JP 3465931 B2 JP3465931 B2 JP 3465931B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、正回転により釣り糸を
巻取り、逆回転により釣り糸を繰り出すスプールを備
え、スプールからの釣り糸の繰出し量を計測する計測手
段を備え、スプールの回転時に前記計測手段で計測され
る釣り糸の繰出し量が予め設定された値に達したことを
判別すると、スプールの回転を停止させる制御を行う制
御装置を備えている釣り用リールの改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のように構成された釣り用リ
ールとして実開平1‐94063号公報(従来例1と称
する)、及び、特開平2‐150228号公報(従来例
2と称する)に示されるものが存在し、従来例1では、
スプールを正回転方向に駆動する電動モータを備え、電
動モータの駆動で仕掛が水面近傍まで引き上げられると
電動モータの駆動を停止して釣り糸の過剰な巻取りを抑
制するよう構成され、従来例2では切り状態のクラッチ
機構を入り操作する電磁ソレノイドを備え、スプールの
逆転で釣り糸が所定量繰り出されると(仕掛が棚の深度
に達すると)、電磁ソレノイドの駆動により、クラッチ
機構を入り操作して釣り糸の繰出しを停止するよう構成
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来例1の制御では、
船釣りにおいて仕掛が船縁に接近した際に自動的に釣り
糸の巻取りが停止するので、仕掛が穂先竿に接触して穂
先竿を折損する等の不都合が無く、しかも、手がえしを
早め、釣り人に煩わしさを感じさせることも無いという
面を有する。尚、この停止のタイミングは釣り竿を立て
た状態で仕掛が手元に達する程度となるよう釣り糸の繰
出し量の値が設定されている。
【0004】又、従来例2の制御では、船釣りにおいて
仕掛を水中に投入した後には、仕掛が所定の深度に達す
ると自動的に釣り糸の繰出しが停止して過剰な釣り糸の
繰出しを阻止して適切な棚の深度に仕掛を送り込めると
いう面を有するものとなっている。
【0005】しかし、電動リールを用いた釣りでは、餌
の取換え、撒餌の補給等を行う際には、高速でスプール
を正回転させて釣り糸の巻取りを行うのが普通であり、
このように高速でスプールを正回転方向に駆動した状態
で、前述のように電動モータの駆動を停止させる制御を
行っても、スプールの慣性の作用によってスプールがオ
ーバーランする結果、目標とする値より過剰に釣り糸を
巻き取ってしまい、釣り竿を立てて仕掛を手元に寄せる
場合に釣り人の手の届かないレベルに仕掛が位置する状
態に陥ることも多く、能率の面から改善の余地がある。
【0006】特に、この種の制御ではスプールに対して
巻回される釣り糸の慣性の作用からもオーバーランを生
じやすく、このオーバーランを発生すると、スプールの
回転停止後に、クラッチ機構を切り操作して更に釣り糸
の繰出し操作を必要とすることもあり、煩わしいものと
なる。
【0007】又、船釣りでは仕掛を所定の深度に迅速に
送り込むため、重いオモリを用いることも多く、このよ
うに重いオモリを用いた場合には、仕掛が棚の深度に達
し、スプールの回転を停止させる制御を行っても、オモ
リの慣性の作用、及び、スプールの回転を停止させる機
械系の動作の遅れからスプールがオーバーランしてしま
い、目標とする深度より深い深度に仕掛が送り込まれ、
釣果を低下させる原因となり改善の余地がある。
【0008】本発明の目的は、釣り糸の繰出し量に基づ
き、この繰出し量が予め設定された値となる状態で精度
高くスプールの回転を停止させる釣り用リールを合理的
に構成する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴(請求項
1)は冒頭に記したように、正回転により釣り糸(4)
を巻取り、逆回転により釣り糸(4)を繰り出すスプー
ル(5)を備え、前記スプール(5)からの前記釣り糸
(4)の繰出し量を計測する計測手段(S)を備え、前
記スプール(5)の回転時に前記計測手段(S)で計測
される前記釣り糸(4)の繰出し量が予め設定された値
に達したことを判別すると、前記スプール(5)の回転
を停止させる制御を行う制御装置(15)を備えている
釣り用リールであって、前記スプール(5)の回転時に
おいて前記釣り糸(4)の繰出し量が前記値に達する以
前に前記スプール(5)の回転を規制する制御を開始し
て、前記スプール(5)の回転停止時における前記釣り
糸(4)の繰出し量を前記値に一致、若しくは、略一致
させる補正手段(A)と、前記スプール(5)を正回転
方向に駆動する電動モータ(10)とを備え、前記電動
モータ(10)の駆動速度を設定する速度選択スイッチ
(16)の設定位置に基づいて、この設定位置が高速側
であるほど動作開始を早めるように前記補正手段(A)
の制御動作開始点を設定し、前記電動モータ(10)に
供給する電力の低減によって前記スプール(5)の回転
速度を減ずる制御の後、前記電動モータ(10)に対す
る電力供給を断って前記スプール(5)の回転停止を行
うよう前記補正手段(A)の制御動作をさせる点にあ
り、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0010】本発明の特徴(請求項2)は、正回転によ
り釣り糸(4)を巻取り、逆回転により釣り糸(4)を
繰り出すスプール(5)を備え、前記スプール(5)か
らの前記釣り糸(4)の繰出し量を計測する計測手段
(S)を備え、前記スプール(5)の回転時に前記計測
手段(S)で計測される前記釣り糸(4)の繰出し量が
予め設定された値に達したことを判別すると、前記スプ
ール(5)の回転を停止させる制御を行う制御装置(1
5)を備えている釣り用リールであって、前記スプール
(5)の回転時において前記釣り糸(4)の繰出し量が
前記値に達する以前に前記スプール(5)の回転を規制
する制御を開始して、前記スプール(5)の回転停止時
における前記釣り糸(4)の繰出し量を前記値に一致、
若しくは、略一致させる補正手段(A)と、前記スプー
ル(5)を正回転方向に駆動する電動モータ(10)と
を備え、前記補正手段(A)の制御動作開始点に達した
際には、前記スプールの駆動速度を最低速度まで減じる
と共に、前記最低速度を所定時間保持してスプールの回
転速度を低速状態に安定させた後、前記電動モータ(1
0)に供給する電力の低減によって前記スプール(5)
の回転速度を減ずる制御の後、前記電動モータ(10)
に対する電力供給を断って前記スプール(5)の回転停
止を行うよう前記補正手段(A)の制御動作を設定した
点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0011】
【作用】上記特徴によると、スプールの回転状態で、ス
プールからの繰出し量が予め設定された値に達する以前
に補正手段がスプールの回転を規制する制御を開始する
ので、例えば、スプールの慣性の作用に起因するオーバ
ーランの時間だけ以前に制御を開始すること、あるい
は、スプールの回転を阻止するに必要とする機械的動作
の時間だけ以前に制御を開始することにより、スプール
が完全に停止した状態では釣り糸の繰出し量を目標とす
る値に一致、若しくは、略一致させることが可能とな
る。
【0012】つまり、従来例では、スプールからの釣り
糸の繰出し量が所定の値に達したタイミングで制御を開
始するのに対して、本発明ではスプールのオーバーラ
ン、制御動作のタイムラグを考慮して、釣り糸の繰出し
量が所定の値に達する以前に制御を開始するのでスプー
ルが高速で回転する状況下でも釣り糸が所望量繰り出さ
れた状態でスプールの回転を停止できるものとなる。ま
た、電動モータが停止する以前に電動モータの駆動速度
が減速するので、オーバシュートを一層阻止できるもの
となると同時に、スプールの回転停止時におけるショッ
クを小さくするものとなる。
【0013】請求項3によると、稀土類元素を含まない
永久磁石を用いたものと比較して、決まった値の電力の
供給による電動モータの駆動時でも、高速、高トルクで
の釣り糸の巻上げが可能になると共に、永久磁石の磁束
密度が高いので、請求項4のように電力の低減時には、
この電力低減に敏感に反応して駆動速度が低下するもの
となる。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【発明の効果】従って、釣り糸の繰出し量に基づき、こ
の繰出し量が予め設定された値となる状態で精度高くス
プールの回転を停止させ、手がえし良く釣りを行え、し
かも、釣果も向上する釣り用リールが合理的に構成され
たのである。
【0018】特に、制御動作開始のタイミングを変更す
るものでは、一層高い精度でスプールの回転を停止させ
(請求項2)、電動モータを用いるものでも、クラッチ
機構を用いるものでも最適なタイミングでスプールの回
転を停止させ(請求項3,6)、スプールの回転停止を
ショックを発生させずに滑らかに完了するものとなる
(請求項4)。
【0019】又、電動モータの永久磁石を稀土類元素を
含むもので構成したものでは(請求項5)、モータの大
型化や消費電力の増加を招来すること無く強い巻上げ力
を得るものとなり、図11に示す如く、トルクに対する
回転数変動が少ないことから、負荷が作用した場合に
も、巻上げ速度が低下しない良さがあり、回転数が殆ど
零に近い状態での停動トルク1760g−cm(同図の
回転数を表す実線が横軸と交差する点)が、従来のフェ
ライトモータの停動トルク900g−cm(同図の回転
数を表す破線が横軸と交差する点)の2倍あり、巻上げ
開始が円滑になる。又、伝動手段の減速比を従来より小
さく設定して、より高速な巻上げ速度を実現することが
可能となり、更に、フェライトモータの同じトルクを得
る場合に消費電力を小さくできる等の効果を奏する。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1乃至図3に示すように、左右のサイドケース
1,1夫々の間に、螺軸2の回転で左右方向に往復駆動
される糸案内具3を備えたレベルワインド機構、及び、
釣り糸4を巻取るスプール5夫々を配置すると共に、右
側のサイドケース1の外部にドラグ操作具6、ハンドル
7、クラッチレバー8夫々を備え、又、左右のサイドケ
ース1,1の上部同士の間に制御ケース9を備え、又、
スプール5の内部にスプール5を巻き取り方向に駆動す
る電動モータ10を内蔵して釣り用リールとして電動リ
ールを構成する。
【0021】前記電動モータ10の駆動力を減速してス
プール5に伝える遊星式の減速装置11をスプール5に
内蔵すると共に、ハンドル7と連結するハンドル軸12
からの駆動力をドラグ機構D、及び、クラッチ機構Cを
介してスプール5に伝える伝動系を備え、更に、スプー
ル5の回転力を前記螺軸2の入力ギヤ2Aに伝える複数
の伝動ギヤ13を備えている。又、前記クラッチ機構C
は、スライド作動によって前記減速装置11の出力系に
備えた係合部と係脱自在なクラッチスリーブ14で構成
されると共に、このクラッチスリーブ14は前記クラッ
チレバー8によって係合位置(クラッチ入り位置)と分
離位置(クラッチ切り位置)とに切換え操作される。
【0022】前記制御ケース9には、マイクロプロセッ
サを備えて成る制御装置15、電池B、及び、スプール
5の回転量を求めるよう一対のリードスイッチ等で成る
感磁型のセンサS(計測手段の一例)を内装すると共
に、電動モータ10の駆動速度を「高」「中」「低」の
3段に設定する速度選択スイッチ16、電動モータ10
の駆動と停止とを行うスタートスイッチ17、複数の制
御スイッチ18、及び、液晶ディスプレイ19夫々を備
えている。
【0023】前記左側のサイドケース1の内部にはスプ
ール5に形成されたギヤ5Aと噛合し、スプール5と連
係して回転するホイール20が内装され、前記センサS
は、このホイール25に取付けたマグネットMの磁気の
作用を受けてスプール5の回転量をカウントするよう構
成されている。
【0024】尚、このリールでは空の状態のスプール5
に対して釣り糸4を巻回する際に、スプール5に巻き取
られる釣り糸4の長さと、スプール5の回転量との関係
を求め、この関係に基づくデータをマップデータの形に
変換して制御装置15のメモリ(図示せず)に保持し、
このように保持されたデータとスプール5の回転量とに
基づいてスプール5からの釣り糸4の繰り出し量を求め
る動作を行えるよう構成されている。
【0025】図4に示すように、電動モータ10の回転
子10Aに磁力を作用させる磁石10Bに稀土類元素を
含む強磁性体を用いて高速で高いトルクの駆動力を得る
よう構成してあり、又、スプール5のドラム部の内周5
Bをテーパ面に形成すると共に、この面の最も大径部と
連なる位置にゴム等の可撓性素材の水抜き用の弁体Vを
開閉自在に形成し、更に、このドラム部の孔部に嵌合固
定される糸止めピン21を形成している。
【0026】尚、この電動モータ10と従来からのフェ
ライト磁石を用いたフェライトモータとの性能を比較す
ると、図11に示す如く(この電動モータ10の特性は
実線、フェライトモータの特性は破線で表されてい
る)、同じトルクを得る場合に本電動モータ10は消費
電力が小さく、回転数が高くなるという良好な面を現出
している。
【0027】図5に示すように、ハンドル軸12に形成
したラチェットホイール22とストッパー23とでハン
ドル軸12の逆転を阻止する機構を構成し、この機構は
レバー24の操作によって機能する状態とラチェットホ
イール22から離間してハンドル軸12の逆転を許容す
る状態とに切換え自在に構成されている。
【0028】図5に示すように、クラッチスリーブ14
を係合支持するヨーク25を一対の支軸26,26に沿
ってスライド移動自在に備え、このヨーク25をクラッ
チ入り側に付勢するコイルバネ27を支軸26夫々に外
嵌し、又、このヨーク25との接触で該ヨーク25をク
ラッチ切り位置に操作するカム部28A,28Aを形成
したプレート状のクラッチプレート28をリール本体の
フレーム部1Aにスライド自在に備え、又、このクラッ
チプレート28をピン29、及び、ディスク30夫々を
介してクラッチレバー8と連係している。
【0029】このクラッチプレート28は一対のフォー
ク部28B,28Bを備えると共にスプール5の軸芯と
平行姿勢の軸体31周りで揺動、かつ、スプール軸5の
軸芯と直交する方向へスライド自在に構成され、この軸
体31周りで一側方に揺動させる第1バネ32、及び、
クラッチレバー8と一体揺動するディスク30に作用す
る第2バネ33夫々でクラッチ入り方向に付勢され、こ
のクラッチプレート28はクラッチ入り位置と、クラッ
チ切り位置とに切換え操作自在に構成されている。
【0030】又、クラッチプレート28の一方のフォー
ク部28Bをスプール5の軸芯と平行姿勢に屈曲成形し
て係合片34を形成し、クラッチ機構Cの切り操作時
に、この係合片34を保持する保持部材35がリール本
体のフレーム部1Aに軸36周りで揺動自在に支承され
ている。この保持部材35は係合姿勢と、係合解除姿勢
とに揺動自在に構成される共に、バネ37で係合方向に
付勢され、又、アクチュエータとしての電動モータ38
からの駆動力が減速装置39を介して伝えられるアーム
40を、その駆動時に保持部材35に接当させて、保持
部材35を係合解除方向に向けて姿勢変更するよう構成
している。尚、この電動モータ38も回転子(図示せ
ず)に磁力を作用させる磁石(図示せず)に稀土類元素
を含む強磁性体を用いて高速で高いトルクの駆動力を得
るよう構成してある。
【0031】又、図8に示すように、制御系が構成さ
れ、この系ではセンサS、速度選択スイッチ16、スタ
ートスイッチ17、制御スイッチ18夫々からの信号を
制御装置15に入力する系が形成されると共に、液晶デ
ィスプレイ19への出力系、及び、リール外部の電源か
らの電力をスプール駆動用の電動モータ10、クラッチ
入り操作用の電動モータ38への電力を制御するスイッ
チング素子41、42への出力系を備え、又、前記減速
装置39のアーム40が所定の回転位相に達したことを
検出するリミットスイッチ43からの信号が入力する系
を備え、更に、スプール駆動用の電動モータ10に対し
ては、昇圧回路45からの電力が切換えスイッチ46を
介して供給できるよう形成されている。
【0032】電池Bは制御装置の動作と液晶ディスプレ
イ19の表示動作とを行うよう構成され、この電池の消
耗を抑制する目的から、液晶ディスプレイ19に表示さ
れる釣り糸4の繰出し量が5メートル以下の状態で30
分制御が行われない場合には制御装置15への電力供給
を自動的に阻止し、又、液晶ディスプレイ19に表示さ
れる釣り糸4の繰出し量が5メートル以上の状態で30
分制御が行われない場合には液晶ディスプレイ19の表
示を停止し、この後、2時間30分制御が行われない場
合には制御装置15への電力供給を自動的に阻止する動
作を行う。
【0033】前記昇圧回路45は、仕掛の餌の取換時、
あるいは、撒餌の補給時など魚が掛かっていない軽負荷
時に電源より高い電圧の電力を電動モータ10に供給し
て高速での釣り糸の巻上げを可能にするものであり、前
記複数の制御スイッチ18の何れかの操作により、切換
えスイッチ46を操作して高い電圧の電力を電動モータ
10に供給できるよう構成されている。
【0034】又、この制御系では、スプール5を駆動す
る電動モータ10を制御するスイッチング素子41に間
歇的に制御信号が出力するよう構成し、この間歇信号の
ON時間とOFF時間の比率、即ち、デューティサイク
ルの調節で、該電動モータ10に対する電力を変更して
電動モータ10の駆動速度の変更を行えるものとなって
いる。
【0035】このリールではクラッチ機構Cの切り状態
でスプール5を逆回転させて仕掛を海中に降下させた際
に、仕掛を所定に深度(棚)に正確に設定する制御動作
(自動棚停止と称する)と、電動モータ10の駆動でス
プール5を正回転させて釣り糸4を巻き上げた場合に、
仕掛が水面近傍位置に達した際に所定の深度で正確に電
動モータ10の駆動を停止する動作(船縁停止と称す
る)とを行うよう制御動作が設定され、この動作を以下
に説明する。
【0036】即ち、クラッチ機構Cを切り操作した場合
には、図5及び図6に示す如く、バネ32の付勢力に起
因するクラッチ操作部材28の軸体31周りでの姿勢変
更で係合片34と保持部材35とを係合状態に設定して
クラッチ切り状態を保持し、スプール5が逆回転可能な
状態に達する。
【0037】この状態において仕掛が投入され自動棚停
止制御が開始されると、図9のフローチャートに示すよ
うに、センサSからの信号を入力して釣り糸4の繰出し
量と、スプール5の回転速度を求めると共に、スプール
5の速度に基づいてクラッチ機構Cを入り操作する電動
モータ38の駆動を開始するための制御動作開始点を求
める(#101ステップ〜#104ステップ)。
【0038】尚、この制御動作開始点は、電動モータ3
8の駆動開始からクラッチ機構Cが入り状態に達するま
でのタイムラグ、及び、スプール5の慣性に基づくスプ
ール5のオーバーランを考慮して、釣り糸4の繰出し量
が前記所定の値に達する以前に電動モータ38の駆動を
開始するよう設定されるものであり、この開始点は、タ
イムラグの値(時間)における釣り糸の繰り出し量をス
プール5の回転速度等に基づいて求め、この繰出し量
を、予め設定された値(棚の深度)から減じ、この減じ
た結果の値に仕掛が達したタイミングを制御動作開始点
に設定している(釣り糸の繰出し量を基準にした制御動
作)。
【0039】因みに、現在の釣り糸4の繰出し量と、ス
プール5の回転速度(釣り糸の繰出し速度)とに基づ
き、スプール5からの釣り糸4の繰出し量が、予め設定
された値(棚の深度)に達する時間を予想し、この時間
と前記タイムラグの値とが一致するタイミングに設定し
ても良い(時間を基準にした制御動作)。
【0040】次に、センサSからの信号によって釣り糸
の繰出し量(仕掛の深度)が制御動作開始点に達したこ
とが判別されると電動モータ38(アクチュエータ)の
駆動でクラッチ機構Cを入り操作し、スプール5の逆回
転の阻止で釣り糸4の繰出しが停止し、この結果、極め
て正確に所定の深度に仕掛を送り込んだ状態に達する
(#105ステップ、#106ステップ)。
【0041】この制御動作の#104ステップ、#10
5ステップを併せて補正手段Aが構成され、又、このリ
ールではスプール5からの釣り糸4の繰り出し量を液晶
ディスプレイ23に出力する制御系を備え、この制御系
の動作によってスプール5からの釣り糸4の繰出し量を
求めるよう制御動作が設定されている。
【0042】又、このクラッチ機構Cの入り操作時に
は、図7に示す如く、電動モータ38を更に駆動し続け
てリミットスイッチ43からの信号で減速装置39のア
ーム40が所定位相に達したことを検出すると電動モー
タ38の回転を停止してアーム40を待機姿勢に設定す
る。因みに、クラッチ切り状態でハンドル6を巻き上げ
方向に回転操作した場合にはラチェットホイール15に
形成した接当ピン44(図5参照)が、係合片34と対
向する側のフォーク部28Bに接当してクラッチ操作部
材28を、係合片34が保持部材35から離脱する姿勢
に切り換えてクラッチ機構Cを入り操作するよう構成さ
れている。
【0043】次に、船縁停止制御では、電動モータの駆
動によってスプール5が正回転し、釣り糸4が巻き上げ
られている状態では、図10のフローチャートに示すよ
うに、センサSからの信号を入力して釣り糸4の繰出し
量と、スプール5の回転速度を求めると共に、スプール
5の速度に基づいてクラッチ機構C入り操作用の電動モ
ータ38の駆動を開始するための制御動作開始点を求め
る(#201ステップ〜#204ステップ)。
【0044】尚、この制御動作開始点は、電動モータ1
0の駆動を停止した後にスプール5の慣性に基づくスプ
ール5のオーバーランを考慮して、釣り糸4の繰出し量
が前記所定の値に達する(所定の値まで減ずる)以前に
電動モータ10への電力の制御を開始するものであり、
この開始点は、オーバーランによる釣り糸の繰り出し量
を、予め設定された値(船縁の深度)から減じ、このよ
うに減じられた結果の値に仕掛が達したタイミングを制
御動作開始点に設定している(釣り糸の繰出し量を基準
にした制御動作)。
【0045】因みに、現在の釣り糸4の繰出し量と、ス
プール5の回転速度(釣り糸の繰出し速度)とに基づ
き、スプール5からの釣り糸4の繰出し量が、予め設定
された値(船縁の深度)に達する時間を予想して、この
予想時間とスプール5の回転速度等とに基づいて制御動
作開始点を設定しても良い(時間を基準にした制御動
作)。
【0046】次に、センサSからの信号によって釣り糸
4の繰出し量(仕掛の深度)が制御動作開始点に達した
ことが判別されると電動モータ10への電力を0.2秒
停止した後、30ミリ秒毎に電力の供給と停止とを繰り
返して電動モータ10の駆動速度を減速し、この減速状
態で釣り糸の繰出し量が所定値に達した時点で電動モー
タ10への電力供給を完全に停止してスプールの回転を
停止し、この結果、極めて正確に所定の深度まで仕掛を
引き上げた状態で停止するものとなる(#205ステッ
プ〜#109ステップ)。この制御動作の#204ステ
ップ、#205ステップを併せて補正手段Aが構成され
ている。
【0047】尚、この船縁停止制御は、前記昇圧回路4
5からの高い電圧の供給による電動モータ10の駆動で
スプール5が高速で巻取り操作された際にも、前述と同
様の制御動作により所定のタイミングで釣り糸の巻上げ
を停止できるものとなっている。
【0048】〔別実施例〕本発明は上記実施例以外に、
以下のようにも構成できる。 (イ) 図12に示すように、船縁停止制御において実
施例の制御の#206、#207ステップの制御に代え
て、電動モータに供給する電力を徐々に減少させてスプ
ールに制動力を作用させた後、電動モータへの電力供給
を完全に停止するよう制御動作を設定する(#301ス
テップ〜#309ステップ)。この制御では、#304
ステップ、#305ステップで補正手段Aが構成されて
いる。
【0049】(ロ) 図13に示すように、速度選択ス
イッチの設定位置に基づいて、設定位置が高速側である
ほど動作開始を早めるように制御動作開始点を設定し
(#401ステップ、#402ステップ)、この制御動
作開始点に達すると別実施例(イ)と同様に、電動モー
タに供給する電力を徐々に減少させてスプールに制動力
を作用させた後、電動モータへの電力供給を完全に停止
するよう制御動作を設定する(#404ステップ〜#4
06ステップ)。この制御では、#402ステップ、#
303ステップで補正手段Aが構成されている。
【0050】(ハ) 図14に示すように、船縁停止の
制御において、実施例と同様に制御動作開始点を設定し
(#501ステップ〜#504ステップ)、制御動作開
始点に達した際には、スプールの駆動速度を最低速度ま
で減ずると共に、この減速状態を数秒程度の短い時間保
持してスプールの回転速度を低速状態に安定させ、この
後、電動モータに供給する電力を徐々に減少させてスプ
ールに制動力を作用させた後、電動モータへの電力供給
を完全に停止するよう制御動作を設定する(#505ス
テップ〜#510ステップ)。この制御では、#504
ステップ、#305ステップで補正手段Aが構成されて
いる。
【0051】(ニ) スプールの回転系にブレーキシュ
ー等を接触させ、機械的にスプールの回転速度を減ずる
操作を行った後にスプールの回転を機械的に停止させる
よう構成する。
【0052】(ホ) 仕掛を棚の深度で停止させる制御
を、手動で巻上げを行う構造の釣り用リールに適用す
る。
【0053】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動リールの平面図
【図2】電動リールの駆動系等の概略図
【図3】電動リールの縦断側面図
【図4】スプールの断面図
【図5】クラッチ操作系の側面図
【図6】保持部材に対する係合片の係合状態を示す拡大
側面図
【図7】保持部材から係合片が分離した状態を示す拡大
側面図
【図8】制御系のブロック回路図
【図9】自動棚停止制御の動作を表すフローチャート
【図10】船縁停止制御の動作を表すフローチャート
【図11】電動モータの性能を示すグラフ
【図12】別実施例(イ)の制御動作のフローチャート
【図13】別実施例(ロ)の制御動作のフローチャート
【図14】別実施例(ハ)の制御動作のフローチャート
【符号の説明】
4 釣り糸 5 スプール 10 電動モータ 15 制御装置 A 補正手段 C クラッチ機構 S 計測手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01K 89/015 A01K 89/017

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正回転により釣り糸(4)を巻取り、逆
    回転により釣り糸(4)を繰り出すスプール(5)を備
    え、前記スプール(5)からの前記釣り糸(4)の繰出
    し量を計測する計測手段(S)を備え、前記スプール
    (5)の回転時に前記計測手段(S)で計測される前記
    釣り糸(4)の繰出し量が予め設定された値に達したこ
    とを判別すると、前記スプール(5)の回転を停止させ
    る制御を行う制御装置(15)を備えている釣り用リー
    ルであって、 前記スプール(5)の回転時において前記釣り糸(4)
    の繰出し量が前記値に達する以前に前記スプール(5)
    の回転を規制する制御を開始して、前記スプール(5)
    の回転停止時における前記釣り糸(4)の繰出し量を前
    記値に一致、若しくは、略一致させる補正手段(A)
    と、 前記スプール(5)を正回転方向に駆動する電動モータ
    (10)とを備え、前記電動モータ(10)の駆動速度を設定する 速度選択
    スイッチ(16)の設定位置に基づいて、この設定位置
    が高速側であるほど動作開始を早めるように前記補正手
    段(A)の制御動作開始点を設定し、 前記電動モータ(10)に供給する電力の低減によって
    前記スプール(5)の回転速度を減ずる制御の後、前記
    電動モータ(10)に対する電力供給を断って前記スプ
    ール(5)の回転停止を行うよう前記補正手段(A)の
    制御動作をさせる ことを特徴とする釣り用リール。
  2. 【請求項2】 正回転により釣り糸(4)を巻取り、逆
    回転により釣り糸(4)を繰り出すスプール(5)を備
    え、前記スプール(5)からの前記釣り糸(4)の繰出
    し量を計測する計測手段(S)を備え、前記スプール
    (5)の回転時に前記計測手段(S)で計測される前記
    釣り糸(4)の繰出し量が予め設定された値に達したこ
    とを判別すると、前記スプール(5)の回転を停止させ
    る制御を行う制御装置(15)を備えている釣り用リー
    ルであって、 前記スプール(5)の回転時において前記釣り糸(4)
    の繰出し量が前記値に達する以前に前記スプール(5)
    の回転を規制する制御を開始して、前記スプール(5)
    の回転停止時における前記釣り糸(4)の繰出し量を前
    記値に一致、若しくは、略一致させる補正手段(A)
    と、 前記スプール(5)を正回転方向に駆動する電動モータ
    (10)を備え、前記補正手段(A)の制御動作開始点に達した際には、
    前記スプールの駆動速度を最低速度まで減じると共に、
    前記最低速度を所定時間保持してスプールの回転速度を
    低速状態に安定させた後、 前記 電動モータ(10)に供給する電力の低減によって
    前記スプール(5)の回転速度を減ずる制御の後、前記
    電動モータ(10)に対する電力供給を断って前記スプ
    ール(5)の回転停止を行うよう前記補正手段(A)の
    制御動作を設定したことを特徴とする釣り用リール。
  3. 【請求項3】 前記電動モータ(10)を永久磁石と回
    転子とで構成すると共に、この永久磁石に稀土類元素を
    含む強磁性体を用いてある請求項1又は2記載の釣り用
    リール。
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