JP3464194B2 - 模様箔及びその製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、金箔、銀箔、アル
ミ箔等の金属箔に直接型で地模様を施した模様箔及びそ
の製造方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、金属箔に模様等を施す場合は、箔
面にコーティングを施した後、コーティング面に模様等
を印刷するか、或いは透明材に模様等を印刷し、透明材
で箔を挾んでいた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】金属箔は非常に薄く、
特に金箔は箔面に直接模様等を施すことには不可能であ
り、従来は上記のように箔面にコーティングを施した
後、コーティング面に模様等を印刷するか、或いは透明
材に模様等を印刷し、透明材で箔を挾んで使用する等、
間接的に模様等を施していたのである。したがって、模
様は塗料によるもので、模様ばかりが目立って箔自体の
素地を生かした地模様ではなかった。

【０００４】上記点により本発明は、箔の素地を生か
し、箔面に型により地模様を形成することを可能とした
模様箔及びその製造方法を提供しようとするものであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明模様箔は、金属箔の箔面に、表裏同一の模様が他
の面より荒れた凸面で形成されていることを特徴とする
ものである。又、本発明模様箔の製造方法は、金属箔を
薄紙又はフィルムで挾み、版面に任意デザインの型模様
が施された型で加圧した後、薄紙又はフィルムを外し、
金属箔の型による圧接面の両面に、薄紙又はフィルムの
剥離時に他の面より荒れた凸面の模様を形成することを
特徴とするものである。

【０００６】本発明模様箔は、箔面に荒れた凸面の模様
が形成されているため、荒れた凸面は光沢が当然鈍くな
り、周囲の箔面とのコントラストによりつや消しが施さ
れたと同様の外観となり模様が現出する。

【０００７】又、本発明方法は、金属箔を薄紙又はフィ
ルムで挾んだ後に型で加圧するため、金属箔は加圧で破
れることはない。そして、型で加圧することにより金属
箔の型による圧接面は、両面が金属箔の箔面と薄紙又は
フィルム面が密に付着しているため、薄紙又はフィルム
を金属箔から外す時は、圧接面は他の面より強く剥がす
ような感じになり、この剥離により箔面が荒れた凸面に
形成され、周囲の箔面と比べ光沢が鈍いつや消し風の面
となる。よって、型に任意デザインの型模様を施せば、
型模様通りの模様が箔面に現出する。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づき説明する。図１は本発明模様箔の一実施の形
態を示す平面図、図２は同上の部分拡大断面図である。
而して、図中１は金箔、銀箔、アルミ箔等の金属箔であ
り、その一方の面及び他方の面に模様２が形成されてい
る。

【０００９】模様２は文字、図形、絵模様等が含まれ
る。模様２の面は荒れた凸面に形成され（図２）、光沢
が鈍く、つや消し風に現出する。

【００１０】次に、本発明模様箔の製造方法の一実施の
形態を図面に基づき説明する。図３乃至図６は本発明方
法の行程を示し、図３乃至図６に於いて、図１及び図２
と相当する箇所にはそれと同一符号を付してある。本発
明方法は、金属箔１を両面から薄紙又はフィルム３で挾
み、その上部と下部にクッション材４を当て、上方から
型５で加圧するが（図３）、加圧は金属箔１を一回に約
１０枚ずつ纏めて行う。

【００１１】すなわち、各金属箔１の間に薄紙又はフィ
ルム３が介在され、最上面と最下面にクッション材４が
設けられる。そして、上部と下部をクッション材４で挾
まれた状態で治具６で固定し、上方より下面に型５を取
り付けた加圧機７をセットする（図４）。

【００１２】又、型５は版面に凸状に任意デザインの型
模様８が施されている。又、クッション材４は厚紙等を
使用する。このクッション材４により平均した圧力が加
えられる。加圧機７は圧力調節と温度調節が可能で、こ
の加圧機７により型５は加熱され、薄紙又はフィルム３
等が湿っていると、加圧時に金属箔１が破れることを防
止できる。

【００１３】そして、型５で加圧した後（図５）、治具
６から外し、クッション材４を除き、金属箔１を交互に
挾み込んだ薄紙又はフィルム３から金属箔１を外せば、
他の面より剥離し難く、箔面の両面に凸面模様２が現出
する（図６、図７）。模様２面は周囲の面に比べ荒れた
面となり、光沢が鈍くなってつや消し風の外観を呈す
る。加工された金属箔１は箔用合紙（図示せず）に一枚
ずつ挾み込み製品とする。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、金属箔の箔面に型通り
の荒れた凸面模様が地模様としてつや消し風に現出する
ので、従来のような塗料による模様形成と異なり、模様
ばかりが目立つことはなく、箔の素地を生かした地模様
となり、箔の品位を損なうことはない。又、箔面は一挙
に両面に模様が現出するので、絵柄等の場合は何れの面
も使用も可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明模様箔の一実施の形態を示す平面図であ
る。

【図２】本発明模様箔の一実施の形態を示す部分拡大断
面図である。

【図３】本発明方法の製造工程を示す斜視図である。

【図４】本発明方法の製造工程を示す正面図である。

【図５】本発明方法の製造工程を示す斜視図である。

【図６】本発明方法の製造工程を示す斜視図である。

【図７】本発明方法の製造工程を示す部分拡大断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 金属箔 ２ 模様 ３ 薄紙又はフィルム ４ クッション材 ５ 型 ６ 治具 ７ 加圧機 ８ 型模様

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B44C 1/14 B21D 33/00 B44C 3/02 B44F 1/02

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属箔の箔面に、表裏同一の模様が他の
   面より荒れた凸面で形成されていることを特徴とする模
   様箔。
2. 【請求項２】 金属箔を薄紙又はフィルムで挾み、版面
   に任意デザインの型模様が施された型で加圧した後、薄
   紙又はフィルムを外し、金属箔の型による圧接面の両面
   に、薄紙又はフィルムの剥離時に他の面より荒れた凸面
   の模様を形成することを特徴とする模様箔の製造方法。