JP3463675B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

スイッチング電源装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、スタンバイ出力を
有するスイッチング電源装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、商用交流を整流・平滑化して
得られた直流電流を、例えば１００ｋＨｚ程度の高周波
でスイッチングして変圧器により所望の電圧に高効率に
変換するようにしたスイッチング電源装置が広く用いら
れている。
【０００３】上記スイッチング電源装置における出力電
圧の制御方式としては、出力電圧の変化に応じてスイッ
チングパルスのデューティ比を制御するパルス幅変調(P
WM:Pulse Width Modulation)制御方式、スイッチングパ
ルスの周波数や位相を制御する共振等の周波数制御方式
や位相制御方式等が採用されている。
【０００４】また、一般に、テレビジョン受像機やホー
ムビデオシステムなどの電気機器に内蔵されるスイッチ
ング電源装置では、機器が動作状態で必要とする主電源
と待機状態で必要とするスタンバイ電源を供給するため
に、例えば図２に示すように、メイン電源回路とスタン
バイ電源回路が併設された構成となっている。
【０００５】すなわち、図２に示した従来のスイッチン
グ電源装置２００は、商用交流電源ＡＣにリレースイッ
チＳＷ１を介して接続されたメイン出力用のメイン電源
回路２４０と、上記メイン電源回路２４０とは独立した
スタンバイ出力用のスタンバイ電源回路２８０を備え
る。
【０００６】上記メイン電源回路２４０は、交流電源入
力を整流・平滑化する主整流平滑回路２１０による整流
平滑出力を主コンバータ回路２２０によりスイッチング
し、上記主コンバータ回路２２０によるスイッチング出
力が供給される主コンバータトランス２２５の出力をメ
イン出力回路２３０において整流平滑してメイン出力を
得るようになっている。
【０００７】また、上記スタンバイ電源回路２８０は、
上記交流電源入力を整流・平滑化する副整流平滑回路２
５０による整流平滑出力を副コンバータ回路２６０によ
りスイッチングし、上記副コンバータ回路２６０による
スイッチング出力が供給される副コンバータトランス２
６５の出力をスタンバイ出力回路２７０において整流平
滑してスタンバイ出力を得るようになっている。
【０００８】ここで、上記メイン電源回路２４０の主整
流平滑回路２１０は、整流回路２１１と力率改善回路
（ＰＦＣ）２１２と平滑コンデンサ２１３により構成さ
れている。すなわち、上記メイン電源回路２４０は、搭
載される機器が動作状態で必要とする主電源を供給する
ものであるから、出力電力が大きい。そこで、電力設備
などに悪影響を与える高調波電流を低減するために、力
率改善回路２１２が主整流平滑回路２１０に設けられて
いる。
【０００９】これに対して、上記スタンバイ電源回路２
８０は、搭載される機器が動作状態で待機状態で必要と
する例えばリモートコントロール回路にスタンバイ電源
を供給するものであるから、力率改善回路を必要としな
い程度の出力電力であり、上記スタンバイ電源回路２８
０の副整流平滑回路２５０が整流回路２５１と平滑コン
デンサ２５２により構成されている。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】上述の如き構成の従来
のスイッチング電源装置２００では、ＡＣ入力が遮断さ
れた場合に、ＡＣ入力電圧が低いほど、上記力率改善回
路２１２を備えるメイン電源回路２４０の主整流平滑回
路２１０の平滑コンデンサ２１３に蓄えられる電荷量に
比べて、力率改善回路の設けられていないスタンバイ電
源回路２８０の副整流平滑回路２５０の平滑コンデンサ
２５２に蓄えられる電荷量が小さくなるので、メイン電
源回路２４０の出力が停止する前に、スタンバイ電源回
路２８０の出力が停止してしまう。
【００１１】ところで、スイッチング電源装置を搭載す
る電子機器において、スタンバイ電源がメイン電源より
も先に停止してしまうことを望まない場合、例えば、Ａ
Ｃ入力の遮断時にスタンバイ電源により終了処理を行う
ようなシステムの場合、スタンバイ電源がメイン電源よ
りも先に停止してしまうことのないように、例えば次の
ような対策が施される。
【００１２】スタンバイ電源回路２８０の出力の保持時
間がメイン電源回路２４０の出力の保持時間と同等以上
になるように、上記スタンバイ電源回路２８０の副整流
平滑回路２５０の平滑コンデンサ２５２の容量を大きく
する。
【００１３】又は、上記スタンバイ電源回路２８０の副
整流平滑回路２５０にも力率改善回路を設けて、上記ス
タンバイ電源回路２８０の出力の保持時間がメイン電源
回路２４０の出力の保持時間と同等以上になるようにす
る。
【００１４】しかしながら、交流電源が供給されている
通常の動作状態では、上記副整流平滑回路２５０の平滑
コンデンサ２５２が過剰容量となり、又は、本来上記ス
タンバイ電源回路２８０の副整流平滑回路２５０には不
必要な力率改善回路を持つことになる。
【００１５】したがって、このような対策を施すこと
は、スイッチング電源装置の小型化、低コスト化、高信
頼性化を図る上で弊害となる。
【００１６】そこで、本発明の目的は、上述の如き従来
の問題点に鑑み、過剰容量や本来不必要な力率改善回路
を持つことなく、ＡＣ入力の遮断時にスタンバイ電源が
メイン電源よりも先に停止してしまうことのないように
したスイッチング電源装置を提供することにある。
【００１７】
【課題を解決するための手段】本発明に係るスイッチン
グ電源装置は、交流電源入力を整流平滑する主整流平滑
回路と、上記主整流平滑回路に接続された主コンバータ
回路と、上記主コンバータ回路によるスイッチング出力
が供給される主コンバータトランスと、上記主コンバー
タトランスの出力を整流平滑してメイン出力を得るメイ
ン出力回路と、上記交流電源入力を整流・平滑化する副
整流平滑回路と、上記副整流平滑回路に接続された副コ
ンバータ回路と、上記副コンバータ回路によるスイッチ
ング出力が供給される副コンバータトランスと、上記副
コンバータトランスの出力を整流平滑してスタンバイ出
力を得るスタンバイ出力回路と、上記主整流平滑回路と
副整流平滑回路へ供給される上記交流電源入力を切換え
るスイッチ手段と、上記主整流平滑回路により得られる
直流出力を上記副コンバータ回路に供給するバックアッ
プ回路と、上記副コンバータトランスのスイッチング出
力の一部を整流平滑して上記主コンバータ回路に供給す
る主コンバータ回路の起動回路とを有し、上記交流電源
入力が上記スイッチ手段により上記主整流平滑に供給さ
れている時に上記バックアップ回路により上記主整流平
滑回路から副整流平滑回路に直流出力が供給されように
したことを特徴とする。
【００１８】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【００１９】本発明に係るスイッチング電源装置は、例
えば図１に示すように構成される。この図１に示したス
イッチング電源装置１００は、リレースイッチＲＹ１，
ＲＹ２を介して商用交流電源ＡＣに選択的に接続される
メイン出力用のメイン電源回路１１０とスタンバイ出力
用のスタンバイ電源回路１２０を備える。
【００２０】上記メイン電源回路１１０は、商用交流電
源ＡＣからリレースイッチＲＹ１，ＲＹ２を介して供給
される交流電源入力を整流・平滑化する主整流平滑回路
１１１による整流平滑出力を主コンバータ回路１１２に
よりスイッチングし、上記主コンバータ回路１１２によ
るスイッチング出力が供給される主コンバータトランス
１１３の出力をメイン出力回路１１４において整流平滑
してメイン出力を得るようになっている。
【００２１】また、上記スタンバイ電源回路１２０は、
上記商用交流電源ＡＣからリレースイッチＲＹ１，ＲＹ
２を介して供給される交流電源入力を整流・平滑化する
副整流平滑回路１２１による整流平滑出力を副コンバー
タ回路１２２によりスイッチングし、上記副コンバータ
回路１２２によるスイッチング出力が供給される副コン
バータトランス１２３の出力をスタンバイ出力回路１２
４において整流平滑してスタンバイ出力を得るようにな
っている。
【００２２】ここで、上記メイン電源回路１１０の主整
流平滑回路１１１は、整流回路１１１Ａと力率改善回路
（ＰＦＣ）１１１Ｂと平滑コンデンサ１１１Ｃにより構
成されている。すなわち、上記メイン電源回路１１０
は、搭載される機器が動作状態で必要とする主電源を供
給するものであるから、出力電力が大きい。そこで、電
力設備などに悪影響を与える高調波電流を低減するため
に、力率改善回路１１１Ｂが主整流平滑回路１１１に設
けられている。
【００２３】これに対して、上記スタンバイ電源回路１
２０は、搭載される機器が動作状態で待機状態で必要と
する例えばリモートコントロール回路にスタンバイ電源
を供給するものであるから、力率改善回路を必要としな
い程度の出力電力であり、上記スタンバイ電源回路１２
０の副整流平滑回路１２１が整流回路１２１Ａと平滑コ
ンデンサ１２１Ｂにより構成されている。
【００２４】ここで、このスイッチング電源装置１００
では、上記スタンバイ電源回路１２０の副コンバータト
ランス１２３の３次巻線１２３ｃに接続されたダイオー
ド１３１とコンデンサ１３２からなる起動回路１３０が
リレースイッチＳＷ１を介して上記メイン電源回路１１
０の主コンバータ回路１１２に接続されている。
【００２５】そして、上記メイン電源回路１１０の主整
流平滑回路１１１により得られる直流出力を上記スタン
バイ電源回路１２０の副コンバータ回路１２２に供給す
るバックアップ回路１４０が設けられている。上記バッ
クアップ回路１４０は、上記主整流平滑回路１１１と副
コンバータ回路１２２とを接続するバックアップダイオ
ード１４１とリターン抵抗１４２からなる。
【００２６】このような構成のスイッチング電源装置１
００では、商用交流電源ＡＣから交流電源が供給される
と、上記リレースイッチＲＹ１，ＲＹ２を介して供給さ
れる交流電源入力を副整流平滑回路１２１により整流・
平滑化し、その整流平滑出力が副コンバータ回路１２２
に供給されることにより、スタンバイ電源回路１２０が
動作を開始する。
【００２７】上記スタンバイ電源回路１２０では、上記
副整流平滑回路１２１による整流平滑出力が上記副コン
バータ回路１２２によりスイッチングされ、そのスイッ
チング出力が副コンバータトランス１２３の１次巻線１
２３ａに供給される。そして、上記副コンバータトラン
ス１２３の２に２次巻線１２３ｂに得られる出力をスタ
ンバイ出力回路１２４により整流平滑してスタンバイ出
力として図示しないセットに供給する。
【００２８】また、上記スタンバイ電源回路１２０は、
上記スタンバイ電源回路１２０の副コンバータトランス
１２３の３次巻線１２３ｃに得られる出力を起動回路１
３０に供給する。
【００２９】このスイッチング電源装置１００のメイン
電源回路１１０は、上記スタンバイ電源回路１２０から
スタンバイ出力が供給されているセット側でメイン電源
のオン命令が出されることにより、リレースイッチＲＹ
１，ＲＹ２，ＳＷ１が動作して、オン状態となる。
【００３０】すなわち、上記メイン電源回路１１０は、
商用交流電源ＡＣからリレースイッチＲＹ１，ＲＹ２を
介して供給される交流電源入力を主整流平滑回路１１１
により整流・平滑化し、その整流平滑出力が主コンバー
タ回路１１２に供給される。そして、上記主コンバータ
回路１１２は、上記起動回路１３０からリレースイッチ
ＳＷ１を介して供給される起動電流により起動され、上
記主整流平滑回路１１１の整流平滑出力をスイッチング
する動作を開始する。
【００３１】上記主整流平滑回路１１１による整流平滑
出力が上記主コンバータ回路１１２によりスイッチング
され、そのスイッチング出力が主コンバータトランス１
１３を介してメイン出力回路１１４に供給される。
【００３２】上記メイン出力回路１１４は、上記主コン
バータトランス１１３の出力を整流平滑してメイン出力
として図示しないセットに供給する。
【００３３】ここで、上記メイン電源回路１１０がオン
されると、上記スタンバイ電源回路１２０への交流電源
入力は無くなるが、上記メイン電源回路１１０の主整流
平滑回路１１１により得られる整流平滑出力が上記バッ
クアップ回路１４０を介して上記スタンバイ電源回路１
２０の副コンバータ回路１２２に供給される。そして、
上記スタンバイ電源回路１２０は、上記主整流平滑回路
１１１の整流平滑出力を上記副コンバータ回路１２２に
よりスイッチングし、上記副コンバータトランス１２３
の２に２次巻線１２３ｂに得られる出力をスタンバイ出
力回路１２４により整流平滑してスタンバイ出力として
図示しないセットに供給する。
【００３４】そして、このスイッチング電源装置１００
において、上記メイン電源回路１１０がオンされている
状態で、商用交流電源ＡＣからの交流電源入力が遮断さ
れた場合、上記メイン電源回路１１０の主整流平滑回路
１１１の平滑コンデンサ１１１Ｃよりバックアップを受
けることににより、上記スタンバイ電源回路２８０の出
力の保持時間は、上記メイン電源回路２４０の出力の保
持時間と同等以上になる。
【００３５】すなわち、上記スタンバイ電源回路２８０
は、主整流平滑回路１１１の平滑コンデンサ１１１Ｃと
副整流平滑回路１２１の平滑コンデンサ１２１Ｂの合成
容量を有することになり、ＡＣ入力の遮断時にメイン電
源回路２４０より確実に後に出力を停止する。
【００３６】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るスイ
ッチング電源装置では、主整流平滑回路により得られる
整流平滑出力をバックアップ回路を介して副コンバータ
回路に供給するようにしたことにより、過剰容量や本来
不必要な力率改善回路を持つことなく、ＡＣ入力の遮断
時に、スタンバイ電源の出力をメイン電源よりも確実に
後に停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るスイッチング電源装置の構成を示
す回路図である。
【図２】従来のスイッチング電源装置の構成を示す回路
図である。
【符号の説明】
１００ スイッチング電源装置、１１０ メイン電源回
路、１１１ 主整流平滑回路、１１１Ａ，１２１Ａ 整
流回路、１１１Ｂ 力率改善回路（ＰＦＣ）、１１１
Ｃ，１２１Ｂ 平滑コンデンサ、１１２ 主コンバータ
回路、１１３ 主コンバータトランス、１１４ メイン
出力回路、１２０ スタンバイ電源回路、１２１ 副整
流平滑回路、１２２ 副コンバータ回路、１２３ 副コ
ンバータトランス、１２４ スタンバイ出力回路、１３
０ 起動回路、１４０ バックアップ回路、１４１ バ
ックアップダイオード、１４２ リターン抵抗、ＲＹ
１，ＲＹ２，ＳＷ１ リレースイッチ、ＡＣ 商用交流
電源

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 交流電源入力を整流平滑する主整流平滑
    回路と、 上記主整流平滑回路に接続された主コンバータ回路と、 上記主コンバータ回路によるスイッチング出力が供給さ
    れる主コンバータトランスと、 上記主コンバータトランスの出力を整流平滑してメイン
    出力を得るメイン出力回路と、 上記交流電源入力を整流・平滑化する副整流平滑回路
    と、 上記副整流平滑回路に接続された副コンバータ回路と、 上記副コンバータ回路によるスイッチング出力が供給さ
    れる副コンバータトランスと、 上記副コンバータトランスの出力を整流平滑してスタン
    バイ出力を得るスタンバイ出力回路と、 上記主整流平滑回路と副整流平滑回路へ供給される上記
    交流電源入力を切換えるスイッチ手段と、 上記主整流平滑回路により得られる直流出力を上記副コ
    ンバータ回路に供給するバックアップ回路と、 上記副コンバータトランスのスイッチング出力の一部を
    整流平滑して上記主コンバータ回路に供給する主コンバ
    ータ回路の起動回路とを有し、 上記交流電源入力が上記スイッチ手段により上記主整流
    平滑に供給されている時に上記バックアップ回路により
    上記主整流平滑回路から副整流平滑回路に直流出力が供
    給されようにしたことを特徴とするスイッチング電源装
    置。
  2. 【請求項２】 上記バックアップ回路は、上記主整流平
    滑回路と副整流平滑回路とを接続するダイオート゛と抵抗
    からなることを特徴とする請求項１記載のスイッチング
    電源装置。
  3. 【請求項３】 上記主整流平滑回路は、力率改善回路を
    備えることを特徴とする請求項１記載のスイッチング電
    源装置。
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