JP3462418B2 - 集積型バイオセンサおよびその製造方法 - Google Patents

集積型バイオセンサおよびその製造方法

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JP3462418B2
JP3462418B2 JP03389199A JP3389199A JP3462418B2 JP 3462418 B2 JP3462418 B2 JP 3462418B2 JP 03389199 A JP03389199 A JP 03389199A JP 3389199 A JP3389199 A JP 3389199A JP 3462418 B2 JP3462418 B2 JP 3462418B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、培養細胞や生体内
の微小部分から微量の試料を採取し、それを連続的に定
量分析するためのバイオセンサに関するものであり、医
療、食品検査などに適用できる集積型バイオセンサおよ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体を構成する細胞は直径10〜20μ
m前後の大きさであり、神経細胞間のネットワークを構
成するシナプス間隙は20nm程度である。そこで、神
経科学や分子生物学などの研究では、そのような微小領
域における生理活性物質をリアルタイムで計測し、生体
機能の解明へ応用する試みが数多くなされている。中で
も電気化学的な計測手法は、(A)感度が比較的高いた
め、微少量の計測に適している、(B)選択的な膜や酵
素などで修飾することにより、高選択的な測定が可能、
(C)簡便で低価格のセンサを作製可能、といった特長
を有していることから、脳細胞から放出されるような極
微量の生理活性物質を計測する上で実用的に極めて有効
な手段であるといえるので、盛んに研究が行われてい
る。電気化学的手法を用い、生体を生かしたままで生理
活性物質を測定する方法としては、炭素繊維電極などの
微小電極を直接生体内の特定領域に挿入して、その場計
測を行う方法と、マイクロダイヤリシスプローブ(微小
透析プローブ)と呼ばれる透析膜で覆われた、1〜5m
m程度の微小な二重管を生体中に挿入し、生理活性物質
を透析膜を介してサンプリングし、オンラインで電気化
学センサに送り込むことにより計測する方法が挙げられ
る。計測目的とする生理活性物質が電極上で直接電気化
学反応を行わない場合には、センサに生理活性物質と選
択的に反応し電気化学的に活性のある物質を生成させる
ことのできる酵素などを修飾した電極を用いる。このこ
とにより、電気化学的に低電位で不活性なグルコース、
ラクトースなどの糖類、乳酸、グルタミン酸などの神経
伝達物質においてもリアルタイムで計測可能となってい
る。一方、細胞1個から放出される神経伝達物質をもと
に、脳神経における情報伝達の仕組みを調べる場合にも
同様に高感度検出技術が必要とされている。これは、直
径数μmの微小な炭素繊維電極を用い、細胞に電極を近
接させることで電気化学的な計測が実現されており、カ
テコールアミンのような直接電極上で電気化学反応を行
うことのできる生理活性物質について報告されている。
例えば、T.J.Schroeder,J.A.Jankowski,K.T.Kawagoe,R.
M.Wightman,C.Lefrou and C.Amatore,Analytica1 Chemi
stry,64巻,3077−3083頁,1992年に記載されている。こ
のほか、走査型電気化学顕微鏡を利用して、上述のよう
な微小領域における酵素反応や免疫反応の検出が試みら
れている。このことは、例えばH.Shiku,T.Matsue,I.Uch
ida,Analytica1 Chemistry,68巻,1276−1278頁,1996年
に記載されている。電極上で直接電気化学反応を起こす
ことのできない生理活性物質を測定する場合では、上述
のように、酵素が固定化された薄膜電極を有する微少容
量のフローセルと微小なガラスキャピラリあるいはマイ
クロダイヤリシスプローブ(微小透析プローブ)を組み
合わせたセンサが作製されている。また、オンライン型
センサでは、シリコンやガラス基板上に、異方性エッチ
ング法やドライエッチング法といったマイクロマシン技
術により溝を形成し、薄膜電極を有する基板と融着して
流路を形成した後、内部の電極上に酵素を固定化した微
小センサが作製されている。このことは、例えば、Y.Mu
rakami,T.Takeuchi,K.Yokoyama,E.Tamiya andI.Karube,
Ana1ytica1 Chemistry,65巻,2731−2735頁,1993年に記
載されている。このようなマイクロマシン技術を用いて
作製されたセンサでは、速い応答性や微少量物質の高感
度測定が期待できる。このことは、例えば、丹羽、堀
内、鳥光らの化学センサ研究会予稿,13巻,73−76頁,1
997年に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】オンライン型センサ
は、高感度検出が可能であり、酵素を厚く修飾すること
で、酵素の失活による感度の劣化を抑えることができる
ため、長期安定性に優れているといえる。また、必要に
応じて補酵素などの添加についても、流路を複数形成
し、検出器の上流で合流させることにより容易に行うこ
とができる。また、オンライン型センサでは、検出した
い物質以外の妨害物質を選択的に取り除くために、電気
化学的に活性な妨害物質の場合は前電解用電極を、酵素
反応を起こす妨害物質については、前電解用電極に酵素
を固定化する方法や、酵素を固定化した反応器を上流に
設け、妨害物質を100%分解する方法(例えば、O.Ni
wa,T.Horiuchi,R.Kurita and K.Torimitsu,Ana1.Chem.,
70巻,1126−1132頁,1998年)を用いていた。しかしなが
ら、試料と検出器の間に、前電解用電極等を設置した
り、酵素反応容器を設けると、試料と検出器の間の内容
積が増大し、応答速度が遅くなる。その結果、センサー
は速い時間分解能が得られないという問題があった。一
方、マイクロマシン技術を用いて作製されたオンライン
型センサは、内容積を極めて小さくできるため、従来の
オンライン型センサと比較すると速い応答を示す。しか
し、妨害物質を除去する場合、電解用電極の面積が小さ
いことや、反応器の容積が小さいことにより妨害物質を
100%除去することは困難であるという問題がある。
一方、選択性を向上させるのではなく、生体試料内の目
的物質を反応器で反応させ、生成物を電気化学的に検出
する場合においても、反応器中で目的物質を高い効率で
反応させる必要があるために容量が増大し、その結果セ
ンサの応答性が低下するという問題があった。
【0004】本発明の目的は、上記従来技術における問
題点を解決し、試料液との接触面積が大きく、異なる種
類の酵素を順に固定化することができ、一度に複数種類
の妨害物質を除去することが可能であり、かつ、効率良
く酵素反応を行うことができ、妨害物質を十分に高い濃
度で含む試料液を導入した場合においても、その影響を
受けることが少なく、目的物質のみを効率良く高精度に
検出することが可能な集積型バイオセンサ、および簡易
で生産性の高いバイオセンサの製造方法を提供すること
にある。
【0005】
【発明が解決しようとする手段】上記本発明の目的を達
成するために、特許請求の範囲に記載のような構成とす
るものである。すなわち、請求項1に記載のように、2
枚の絶縁性基板が張り合わされた面内に、試料を流すた
めの微小流路を有し、酵素を固定化した作用電極、参照
電極および対向電極が上記微小流路に接して形成された
電気化学セルと、上記酵素とは異なる酵素を固定化した
ビーズが上記電気化学セルの上流に充填された反応器と
を少なくとも備えた集積型バイオセンサにおいて、上記
微小流路内に、上記ビーズを捕集するためのフィルタを
有する集積型バイオセンサとするものである。なお、こ
こでいう微小流路とは、流路の幅が約400μm程度、
深さが約50μm程度の大きさの生体試料を流す流路を
意味するが、この微小流路の大きさは、使用目的によっ
て所望の大きさに設定することが可能である。また、請
求項に記載のように、請求項1に記載の集積型バイオ
センサにおいて、先端を細くしたサンプリング用キャピ
ラリまたは微小透析プローブを接続してなる集積型バイ
オセンサとするものである。
【0006】また、請求項に記載のように、第1の絶
縁性基板に、フォトリソグラフィとドライまたはウェッ
トエッチング法により、微小流路とフィルタを形成する
工程と、上記第1の絶縁性基板または第2の絶縁性基板
のいずれか一方に導電体薄膜を堆積し、フォトリソグラ
フィとドライまたはウェットエッチング法により、作用
電極、参照電極および対向電極を形成する工程と、上記
作用電極に酵素を固定化する工程と、ビーズに上記酵素
とは別の酵素を固定化する工程と、上記第1の絶縁性基
板または上記第2の絶縁性基板のいずれか一方に、サン
プリング用キャピラリまたは微小透析プローブの接続流
路をダイシングソーにより形成し、サンプリング用キャ
ピラリまたは微小透析プローブを上記接続流路に接続す
る工程と、上記第1の絶縁性基板と上記第2の絶縁性基
板を貼り合わせる工程と、上記ビーズを吸引または送液
により微小流路内に送り込み、上記フイルタで捕集して
反応器を形成する工程を含む集積型バイオセンサの製造
方法とするものである。
【0007】また、請求項に記載のように、第1の絶
縁性基板に、フォトリソグラフィとドライまたはウェッ
トエッチング法により、微小流路とフィルタを形成する
工程と、上記第1の絶縁性基板または第2の絶縁性基板
のいずれか一方にフォトリソグラフィを行い、導電体薄
膜を堆積し、リフトオフにより作用電極、参照電極およ
び対向電極を形成する工程と、上記作用電極に酵素を固
定化する工程と、ビーズに上記酵素とは別の酵素を固定
化する工程と、上記第1の絶縁性基板または上記第2の
絶縁性基板のいずれか一方に、サンプリング用キャピラ
リまたは微小透析プローブの接続流路をダイシングソー
により形成し、サンプリング用キャピラリまたは微小透
析プローブを上記接続流路に接続する工程と、上記第1
の絶縁性基板と上記第2の絶縁性基板を貼り合わせる工
程と、上記ビーズを吸引または送液により流路内に送り
込み、上記フイルタで捕集して反応器を形成する工程を
含む集積型バイオセンサの製造方法とするものである。
【0008】また、請求項に記載のように、第1の絶
縁性基板に、フォトリソグラフィによりレジストによる
微小流路とフィルタを形成する工程と、第2の絶縁性基
板に導電体薄膜を堆積し、フォトリソグラフィとドライ
またはウェットエッチング法により作用電極、参照電極
および対向電極を形成する工程と、上記作用電極に酵素
を固定化する工程と、ビーズに上記酵素とは別の酵素を
固定化する工程と、上記第1の絶縁性基板または上記第
2の絶縁性基板のいずれか一方に、サンプリング用キャ
ピラリまたは微小透析プローブの接続流路をダイシング
ソーにより形成し、サンプリング用キャピラリまたは微
小透析プローブを、上記接続流路に接続する工程と、上
記第1の絶縁性基板と上記第2の絶縁性基板を貼り合わ
せる工程と、上記ビーズを吸引または送液により流路内
に送り込み、上記フィルタで捕集して反応器を形成する
工程を含む集積型バイオセンサの製造方法とするもので
ある。
【0009】また、請求項に記載のように、第1の絶
縁性基板に、フォトリソグラフィによりレジストによる
微小流路とフィルタを形成する工程と、第2の絶縁性基
板にフォトリソグラフィを行い、導電体薄膜を堆積し、
リフトオフにより作用電極、参照電極および対向電極を
形成する工程と、上記作用電極に酵素を固定化する工程
と、ビーズに上記酵素とは別の酵素を固定化する工程
と、上記第1の絶縁性基板または上記第2の絶縁性基板
のいずれか一方に、サンプリング用キャピラリまたは
小透析プローブの接続流路をダイシングソーにより形成
し、サンプリング用キャピラリまたは微小透析プローブ
を上記接続流路に接続する工程と、上記第1の絶縁性基
板と上記第2の絶縁性基板を貼り合わせる工程と、上記
ビーズを吸引または送液により流路内に送り込み、上記
フィルタで捕集して反応器を形成する工程を含む集積型
バイオセンサの製造方法とするものである。
【0010】本発明による集積型バイオセンサは、請求
項1または請求項2に記載のように、キャピラリもしく
微小透析プローブを接続するための二つの微小流路が
形成された第1の基板と、内部に作用電極、参照電極、
対向電極と、これら三つの電極上に、生体試料を流すた
めの流路を有する薄層電気化学セルが形成された第2の
基板とを、上記二つの微小流路が連続するように貼り合
わせた構造を有している。また、流路内には、酵素など
の触媒作用を有する物質が固定化されたビーズを充填し
た反応器と、同じく酵素などの触媒作用を有する物質が
固定化された電気化学セルが集積されている。反応器は
微小流路内上流にパッキングされたビーズと、それを捕
集するためのフィルタから構成されており、このビーズ
が酵素等の生体物質で修飾されている。この反応器にお
いて、生体試料内の妨害物質を酵素反応によって除去さ
れ反応効率を高めることができる。さらに、本センサに
は先端を細くしたサンプリング用のキャピラリ、あるい
は微小透析プローブとセンサ本体とが接続されている。
このような構造とすることにより、あらかじめ、ビーズ
への酵素などの修飾を多量に行っておくことができ、そ
の後、微小反応器に充填できるため、酵素反応を容易
に、かつ効率良く行うことができ、信頼性の高い反応器
が得られる。また、異なる物質を固定したビーズを順に
充填することができ、生体試料の流れの方向に層状にビ
ーズを充填することにより、微小反応器内で多段階の反
応を起こすことも可能であり、培養細胞や生体内の微小
部分から微量の試料を採取し、それを連続的に、効率良
く高精度に定量分析できる効果がある。
【0011】また、本発明による集積型バイオセンサの
製造方法は、請求項3ないし請求項に記載のように、
まず、二つの微小流路を形成し、第1の基板にサンプリ
ング用のキャピラリ、あるいは微小透析プローブを接続
する。流路の途中にはビーズの直径より小さいピッチを
有するフィルタを設ける。次に、第2の基板にフォトリ
ソグラフィ法により導電体薄膜からなる作用電極、参照
電極および対向電極を形成し、作用電極あるいは作用電
極の上流に特定物質と反応する酵素を修飾する。その
後、第1の基板と第2の基板とを貼り合わせ、最後に酵
素などの触媒作用を有する物質を固定したビーズを吸引
あるいは送液することによって流路内に送り込み、微小
反応器を形成することができ、高性能のバイオセンサを
簡便に、生産性良く実現できる効果がある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態の一
例を挙げ、図面を用いて、さらに具体的に説明する。な
お、本発明の技術的範囲は、以下の実施の形態のみに限
定されるものではない。 〈実施の形態1〉図1(a)は、本実施の形態1で例示
するオンラインバイオセンサの構成を示す模式図であ
る。図において、センサ本体は、流路を形成したガラス
基板2と、薄膜電極を形成したガラス基板1とを貼り合
わせ、サンプリング用キャピラリ5と、溶液を駆動する
ためのポンプと接続するための接続用キャピラリ6など
よりなる。流路の途中に、約10μm間隔で高さ、奥行
が約50μm、幅が約55μmのグレーティング状のマ
イクロマシンで作製されたビーズ充填用微小突起3〔図
1(c)〕を形成し、これをフイルタとして用い、図1
(b)に示すように、酵素を固定化したビーズ(球形、
直径は突起間隔より大きい)4を、上流から送液して突
起の部分で止めることにより、ビーズを微小流路内に充
填して、微小酵素反応器を作製する。なお、図1
(a)、(b)、(c)において、符号1はガラス基
板、2は流路を形成したガラス基板、3はマイクロマシ
ンで作製されたビーズ充填用微小突起(フィルタ)で、
酵素固定化ビーズを充填するためのグレーティング状の
フィルタ、4は酵素を固定化したビーズ、5、6は、そ
れぞれサンプリング用キャピラリ、シリンジと接続する
ための接続用キャピラリ、7は酵素〔下層に西洋わさび
ペルオキシダーゼ(HRP)を含むオスミウムポリビニ
ルピリジン誘導体膜を固定、上層にアセチルコリンエス
テラーゼとコリンオキシダーゼを固定10(図2参
照)〕を修飾した作用電極、8は参照電極用銀メッキ1
1(図2参照)を施した参照電極、9は対向電極であ
る。次に、本実施の形態におけるオンラインバイオセン
サの製造工程を示す。製造工程は、流路を有する基板
と、薄膜電極を有する基板の作製工程とに分けて説明す
る。まず、流路とフイルタを有する基板では、ガラスウ
ェハ上に、ポリイミド膜(東レ製)を約26μmの厚み
に塗布した。次に、シリコン系ポジ型フォトレジスト
(NTT−AT製、DLR)を1μm厚に塗布した。マ
スクアライナーにより紫外線露光、アルカリ現像を行っ
て、流路パターンレジストに転写した。この基板を反応
性イオンエッチング装置に装入し、酵素プラズマによ
り、ガラス基板が露出するまで、レジストをマスクとし
てポリイミドをエッチングした。次に、ガスをC26
変え、ポリイミドをマスクにして、ガラスのエッチング
を行った。エッチング条件は、圧力2Pa、パワー50
0Wとし、深さ約50μmの流路を形成した。また、残
ったポリイミド膜は、反応性イオンエッチング装置を用
いて、酸素プラズマにて除去した。最後に、この基板に
ダイシングソーを用いてキャピラリ接続用の溝を形成し
た。次いで、薄膜電極を有する基板の作製においては、
ガラス基板上に熱CVD法により炭素薄膜(膜厚:約1
00nm)を形成した。CVD法は、石英基板をガラス
管内において約700℃に加熱し、出発物質としてフタ
ロシアニンを用い、約400℃で昇華、ウェハ上で熱分
解させる方法を用いた。炭素膜が形成されたウェハ上
に、シリコン系レジスト(NTT−AT製)をスピナー
(ミカサ社製)により、4000回転で塗布した。その
後、フォトマスクをウェハに重ね、マスクアライナー
(PLA−501 Canon)を用いて、3電極のパターンを
露光した。露光時間は約15秒とし、露光後、ウェハを
アルカリ現像液中で約30秒間現像し、水洗、乾燥を行
った。現像後のウェハでは、電極部分のみがレジストパ
ターンに覆われているので、このレジスト付き基板を反
応性イオンエッチング装置(DEM451、アネルバ
製)に入れ、レジストパターンをマスクにして酸素プラ
ズマにより、レジストに覆われていない部分の炭素膜を
エッチングした。電極基板の作用電極7上に、西洋わさ
びペルオキシダーゼ(HRP)を含むオスミウムポリビ
ニルピリジン誘導体膜(Bioana1ytica1 Systems社製)
を形成した後、アセチルコリンエステラーゼとコリンオ
キシダーゼ(SIGMA社製)を含む牛血清アルブミン溶液
をグルタルアルデヒド(0.2%、関東化学)と混合
し、作用電極上に形成したHRPを含むオスミウムポリ
ビニルピリジン誘導体膜上に、酵素膜をさらに形成し2
層とした。また、参照電極8上には、参照物質として銀
をメッキした。その後、流路とフイルタを形成した基板
と、薄膜電極を有する基板を押し当て、位置合わせをし
た後、流路内に両側からサンプリング用と、ポンプ接続
用のキャピラリを接続し、光硬化性の接着剤を周囲から
しみこませ、その後、UV光を照射して接着剤を硬化
し、基板の接着、封止を行った。次に、直径約20μm
のガラスビーズを用意し、これをアセトン中でシランカ
ップリング剤により処理し、表面をアミノ化した。その
後、約0.1Mリン酸緩衝生理食塩水中でグルタルアル
デヒドにより、ビーズ上にコリンオキシダーゼとカタラ
ーゼ(SIGMA社製)を固定化した。コリンオキシダーゼ
とカタラーゼの仕込量は、活性比で2:1とした。酵素
固定化後、ビーズを水と共に、シリンジに吸い取り、シ
リンジをバイオセンサの溶液導入側〔図1(a)のフィ
ルタの上流側〕から送液し、ビーズを微小流路内に導入
した。ビーズはグレーテイング状のフィルタを通過する
ことができず、多くの液を流すことにより流路内にビー
ズが充填され、コリン酸化酵素とカタラーゼを固定化し
た超微小量反応器を形成することができた。作製したセ
ンサの大きさは、微小流路の幅が400μm程度、深さ
が50μm程度、キャピラリの外径が約375μm、セ
ンサの幅が約15mm、長さが約30mm程度の小型の
集積型バイオセンサを実現することができた。なお、セ
ンサの大きさは使用目的によって、それぞれ所望の大き
さに設定することが可能である。このバイオセンサを図
2に示すように、シリンジポンプ15のシリンジ12に
接続した。また、ポテンシオスタット16(Bioana1yti
ca1 Systems社製)の端子はそれぞれ、センサの作用電
極7、参照電極8、対向電極9の端子WE、RE、CE
に接続した。図3には、バイオセンサに、1μMのアセ
チルコリンを導入したとき、および1μMのアセチルコ
リンと、1μMのコリンを含む溶液を導入したときの状
態を示す。流速は約2μl/min.とし、作用電極には−
50mVの電位を印加した。バイオセンサのサンプリン
グ用キャピラリをリン酸緩衝生理食塩水溶液に入れ、吸
引しながらアセチルコリン濃度が1μMになるように標
準溶液を加えると、約20秒後に還元電流が流れ始め、
約30秒後に定常状態の1/2に達した。また、1μM
のアセチルコリンと1μMのコリンを含む溶液を導入し
た場合も、電流値の変化は観測されなかった。そこで、
1μMのコリンのみを含む溶液を導入すると還元電流の
増加は見られず、コリンがすべて微小反応器内で酸化さ
れ、生成した過酸化水素がカタラーゼにより消費され、
アセチルコリンのみが選択的に定量できることを示して
いる。アセチルコリンの濃度と、得られる電流の関係を
測定すると、濃度が約10nM以下で、アセチルコリン
が連続的に測定できることが分かった。インビボや培養
系の神経伝達物質の測定において、測定対象のアセチル
コリンと共に、コリンが存在する。コリンの濃度を変え
て測定を行うと、100μM間でのコリンを10分間連
続的に注入しても電流値が増加せず、脳神経系の神経伝
達物質の測定に使用できることが判明した。
【0013】〈比較例1〉実施の形態1で示した高い選
択性を有するアセチルコリンセンサは、市販のフローセ
ルに、アセチルコリンエステラーゼと、コリン酸化酵素
/西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)を含むオスミ
ウムポリビニルピリジン誘導体膜で修飾した炭素電極を
組み込み、その上流側にコリン酸化酵素と、カタラーゼ
を固定化したビーズを充填したチューブを接続すること
により実現できる(例えば、Niwa,Horiuchi,Kurita,Tor
imitsu,Ana1ytica1 Chemistry,Vol.70,1126−1132頁、1
998年)。しかしながら、この方法でセンサを構築し測
定を行うと、流速6μl/min.で測定を行ってサンプル
導入開始から、還元電流が流れ始めるまで5分程度の時
間が必要で、時間分解能が劣ることが分かった。これは
通常の方法では、酵素反応器をマイクロリットル以下に
微小化することが困難なことや、反応器とフローセルを
接続すると、その間に数マイクロリットル程度の接続に
伴う容積ができ、これらが応答性を低下させる原因とな
る。
【0014】〈比較例2〉センサの製造工程において、
微小反応器内にビーズを先に充填し、流路、電極をそれ
ぞれ有する基板を接着した後、シランカップリング剤、
グルタルアルデヒド、およびコリンオキシダーゼとカタ
ラーゼの混合溶液を順に流すことにより、酵素を固定す
ることもできる。しかしながら、複数個のセンサを作製
して、同様な測定を行った場合、応答感度に再現性が得
られなかった。これは、この方法では、液がすべてのビ
ーズ上を通過せず、酵素の固定にむらが生じることによ
ると考えられる。
【0015】〈実施の形態2〉 図3に本実施の形態の測定系を示す。本実施の形態で
は、サンプリング用のキャピラリに換えて微小透析プロ
ーブ(透析膜で覆われた1〜5mm程度の微小な二重
管)を用いたバイオセンサについて述べる。センサは、
実施の形態1と同様に、流路を有する基板、およびビー
ズを充填した微小反応器と、薄層電気化学セルを有する
薄膜電極から構成される。サンプリング用に、マイクロ
ダイヤリシスプローブを接続し、微小反応器内のビーズ
には、実施の形態1と同様な方法により酵素を固定し
た。ビーズに固定する酵素には、コリンオキシダーゼと
カタラーゼを混合したものを用いた。作用電極上の下層
には、HRPを含むポリビニルピリジンオスミウム錯体
を、上層には、アセチルコリンエステラーゼとコリンオ
キシダーゼを固定した。微小透析プローブをアセチルコ
リンおよびコリンを含む混合溶液に挿入し、コリンの濃
度を200μMまで変化させて、アセチルコリンの計測
を行った。この結果、コリン濃度を増加させても、応答
電流値の変化は観測されなかった。つまり、これはコリ
ンが高濃度であっても微小反応器内においてすべて消費
され、アセチルコリンのみを選択的に計測していること
を示している。したがって、この結果より、本実施の形
態におけるセンサは、細胞から放出される神経伝達物質
の選択的な計測に十分使用可能であるといえる。また、
本センサ作製上の特徴から、ビーズは流れの方向に対し
て層状に充填できるため、この場合、先にカタラーゼを
固定化したビーズを充填し、ついで、コリンオキシダー
ゼを固定化したビーズを充填することで、コリンおよび
酵素反応により発生する過酸化水素に対する選択性をさ
らに高めるということや、複数の異なる酵素を固定する
ことができるため、一度に複数種類の妨害物質を除去す
ることが可能となる。
【0016】〈実施の形態3〉 本実施の形態として例示するGABA(γ−アミノ酪
酸)センサは、実施の形態1と同様に、流路を有する基
板、およびビーズを充填した微小反応器と薄層電気化学
セルを有する薄膜電極を作製し、微小透析プローブおよ
びキャピラリを接続した。微小反応器に充填するビーズ
にはギャバーゼを、作用電極にはグルタメートオキシダ
ーゼおよびHRPを含むポリビニルピリジンオスミウム
錯体膜を固定した。流速が約4μl/min.で、10μM
のGABA(γ−アミノ酪酸)、100μMのα−ケト
グルタル酸を混合した溶液を導入したところ、1nAの
還元電流が得られた。微小反応器の性能比較のため、ビ
ーズを充填しない平坦な酵素リアクタを有するセンサに
より同様な測定を行ったところ、0.5nAしか得られ
なかった。このように検出電流の増加が見られたのは、
液との接触面積が大きいガラスビーズを用いたためにG
ABAとα−ケトグルタル酸が効率よく反応し、グルタ
ミン酸が多く生成したことによるものと考えられる。
【0017】〈実施の形態4〉本実施の形態として例示
するGABA(γ−アミノ酪酸)のセンサは、実施の形
態1と同様に、流路を有する基板、およびビーズを充填
した微小反応器と、薄層電気化学セルを有する薄膜電極
を作製し、キャピラリを接続した。微小反応器に充填す
るビーズにはグルタメートオキシデースとカタラーゼ
を、作用電極にはギャバーゼ、グルタメートオキシダー
ゼおよびHRPを含むポリビニルピリジンオスミウム錯
体膜を固定した。図4に、本実施の形態の測定系を示
す。シリンジ(A)13にはα−ケトグルタル酸を、シ
リンジ(B)14にはα−ケトグルタル酸、GABAお
よびグルタミン酸を含んだリン酸緩衝溶液を入れてお
き、これらを流速16μl/min.で導入した。ここで、
α−ケトグルタル酸は100μM、グルタミン酸、GA
BAは10μMとして測定を行った。その結果、4nA
の応答電流が得られた。10μMのグルタミン酸のみを
含んだリン酸緩衝溶液をセンサに導入した場合では、応
答電流は得られなかったため、微小反応器においてグル
タミン酸はすべて消費されていると考えられる。比較例
として、平坦な酵素リアクタを用いて、10μMのグル
タミン酸のみを同様に測定したところ、2nAの応答電
流が得られた。よって、GABA、グルタミン酸の混合
溶液から得られた応答電流はGABAにのみ起因するも
のであり、GABAのみを検出できたのは、表面積の大
きいガラスビーズ上に酵素を固定化したことで反応効率
が高まり、グルタミン酸がすべて微小反応器内で消費さ
れたためである。
【0018】〈実施の形態5〉本実施の形態では、一方
の基板に形成した流路の凹部内に電極を形成して微小流
路を構成した。図5(a)〜(g)、図6(h)〜
(n)に、ビーズを充填した微小反応器を有する集積型
バイオセンサの製造工程を示す。はじめに、ガラス基板
17〔図5(a)〕上に、クロム薄膜18〔図5
(b)〕を100nm厚にスパッタし、その上に、ポジ
型厚膜フォトレジスト(JSR製)19〔図5(c)〕
を塗布した。その後、フォトマスクをウェハに重ね、マ
スクアライナー(PLA−501 Canon社製)を用いて、ビー
ズが充填される部分、電極が形成される部分、フィルタ
部のパタンを露光した。露光時間は15秒とした。露光
後、ウェハをアルカリ現像液で30秒間現像し、その
後、水洗、乾燥を行って、レジストパターンを形成した
〔図5(d)〕。さらに、塩素と酸素の混合プラズマに
よりクロム薄膜18をドライエッチングで除去した〔図
5(e)〕。その後、このクロム薄膜とフォトレジスト
19が付いた基板を、フッ酸溶液中で2時間、ウェット
エッチングを行い、ビーズが充填される部分、電極が形
成される部分、およびビーズ充填用微小突起(フィル
タ)21を形成した〔図5(f)〕。このフィルタ21
は、約10μm間隔で、高さ、奥行きがそれぞれ約50
μm、幅が約55μmの大きさに形成した〔図5
(g)〕。残ったレジストは酸素プラズマで、クロム薄
膜は塩素と酸素の混合プラズマで除去した後、ポジ型厚
膜フォトレジスト19(同上)をスピンコートした〔図
6(h)〕。このウェハにフォトマスクを重ね、マスク
アライナーを用いて、三つの電極部分を露光、アルカリ
現像を行い、電極パターンを電極が形成される凹部に形
成した〔図6(i)〕。このバターン上に、マグネトロ
ンスパッタ装置(日本シード社製)により、クロム薄膜
23、金薄膜22を順にスパッタした〔図6(j)〕。
その後、不要部分をメチルエチルケトン溶液中で超音波
をかけながら除去(リフトオフ)し、三つの電極を作製
した〔図6(k)〕。次に、実施の形態1と同様な方法
で、作用電極上に、HRPを含むオスミウムポリビニル
ピリジン誘導体膜を形成した後、アセチルコリンエステ
ラーゼとコリンオキシデースを含む牛血清アルブミン溶
液と、グルタルアルデヒド(0.2%)の混合溶液によ
り酵素膜(下層に西洋わさびペルオキシダーゼ(HR
P)を含むオスミウムポリビニルピリジン誘導体膜を固
定、上層にアセチルコリンエステラーゼとコリンオキシ
ダーゼを固定)10を形成し、金電極上には参照電極用
銀メッキ11を施し、参照電極8とした〔図6
(l)〕。サンプリング用キャピラリ5、接続用キャピ
ラリ6を接続する流路を有するガラス基板24は、ガラ
ス基板上に低融点ガラスを(#7570:コーニング社
製)を0.2μm厚にスパッタした後、ポジ型フォトレ
ジストを20μm厚に塗布し、パターンを露光、現像、
リンスして突起部分および電極部分の上部に当たる部分
が露出したパターンを形成した。この基板をフッ酸緩衝
溶液に浸漬し、低融点ガラスとその下のガラスを20μ
mエッチングした。ついで、キャピラリを接続するため
の溝をダイシングソーにより形成した。この溝にキャピ
ラリを取り付けた後、上記図6(l)工程の各々の電極
が形成された基板と重ね合わせ、実施の形態1と同様な
方法により接着した〔図6(m)〕。接着後、実施の形
態1と同様な方法により、酵素が固定化されたビーズを
充填した〔図6(n)〕。以上の方法により作製したセ
ンサを用いて、実施の形態1と同様に、アセチルコリン
の測定を行ったところ、コリンが微小反応器において完
全に除去され、アセチルコリンのみを選択的に測定する
ことができた。
【0019】〈実施の形態6〉本実施の形態では、一方
の基板に各々の電極を形成し、他方の基板にレジストパ
ターンによる流路とフィルタを形成することによりバイ
オセンサを構成した。すなわち、ガラス基板上に、ポジ
型フォトレジスト(TSR−V3:東京応化工業製)を
塗布し、露光、現像、リンスを行い、電極パターンを作
製した。この上に、クロム、金を順にスパッタした後、
不要部分をメチルエチルケトン溶液により除去し、三つ
の金電極を形成した。次に、実施の形態1と同様な方法
で、作用電極上に、HRPを含むオスミウムポリビニル
ピリジン誘導体膜を形成した後、アセチルコリンエステ
ラーゼとコリンオキシデースを含む牛血清アルブミン溶
液とグルタルアルデヒド(0.2%)の混合溶液により
酵素膜を形成した。また、金電極上に、銀メッキしたも
のを参照電極とした。一方、微小流路およびフィルタを
有する基板は、ポジ型厚膜レジスト(JSR製)を約2
0μm厚に塗布し、パターンを露光、現像、リンスし
て、ビーズ充填用フィルタと、薄膜電極部分の上部に当
たる部分のガラスが露出したレジストパターンを形成し
た。この場合、流路の深さに合わせてビーズ径を約10
μm、ビーズ充填用フィルタの間隔を約5μmとしてい
る。このウェハを、ダイシングソーにより所定の形状に
切断し、キャピラリを接続した。この後、実施の形態1
と同様な方法により、電極を有する基板と接着し、ビー
ズを充填してバイオセンサとした。以上の方法により作
製したバイオセンサを用いて、実施の形態と同様に、ア
セチルコリンの測定を行ったところ、これまでに作製し
たセンサに比べて流路の深さが浅いために、試料導入の
線速度が増加したために応答速度が向上し、また、ビー
ズ径を小さくしたことで試料との接触面積がさらに増大
したために、より安定してアセチルコリンの選択的な応
答が得られることが分かった。実施の形態1、5、6に
示したように、流路は基板をドライエッチングまたはウ
ェットエッチングすることによって、またはレジストパ
ターンを利用することによって形成することができる。
また、電極はドライエッチング、ウェットエッチング、
リフトオフのいずれの方法によっても形成できる。流路
の形成法と電極の形成法との組み合わせは、上記実施の
形態の組み合わせに限ったものでないことは言うまでも
ない。
【0020】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
る集積型バイオセンサは、 (1)妨害物質を除去するために、酵素等の触媒活性を
示す物質が固定されたガラスビーズを充填した微小反応
器を有するものであって、ビーズは液との接触面積が大
きいため、効率良く酵素反応を行うことができ、選択的
に妨害物質を短時間で除去することが可能である。これ
はビーズを充填しない反応器と比較して効果が大きい。 (2)実際に神経細胞近傍の液に含まれる妨害物質と比
較して十分に高い濃度の試料を導入した場合において
も、その影響を受けずに目的物質のみを検出できること
から、脳神経系の神経伝達物質の測定に十分使用可能で
ある。 (3)ビーズは送液あるいは吸引によって流れの方向に
対して層状に充填されるため、異なる種類の酵素を順に
固定化することができ、これにより一度に複数種類の妨
害物質を除去することが可能である。また、基板を貼り
合わせた後、酵素を固定化したビーズを充填するため、
センサ作製プロセスに高温を用いることができる利点が
ある。 (4)多数のビーズの間を溶液が流れることにより、反
応器の上流で合流させた複数の溶液を効率良く混合する
ことができるため、その生成物を効率良く得られる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1で例示した集積型バイオ
センサの構成を示す模式図。
【図2】本発明の実施の形態1で例示した集積型バイオ
センサの構成を示す模式図。
【図3】本発明の実施の形態1、2で例示した集積型バ
イオセンサの構成を示す模式図。
【図4】本発明の実施の形態4で例示した集積型バイオ
センサの構成を示す模式図。
【図5】本発明の実施の形態5で例示した集積型バイオ
センサの製造過程を示す工程図。
【図6】本発明の実施の形態5で例示した集積型バイオ
センサの製造過程を示す工程図。
【符号の説明】
1…ガラス墓板 2…流路を形成したガラス基板 3…マイクロマシンで作製されたビーズ充填用微小突起
(フィルタ) 4…酵素を固定化したビーズ 5…サンプリング用キャピラリ 5a…マイクロダイヤリシスプローブ(微小透析プロー
ブ) 6…接続用キャピラリ 7…作用電極 8…参照電極 9…対向電極 10…下層に西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)を
含むオスミウムポリビニルピリジン誘導体膜を固定、上
層にアセチルコリンエステラーゼとコリンオキシダーゼ
を固定 10a…下層に西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)
を含むオスミウムポリビニルピリジン誘導体膜を固定、
上層にギャバーゼとグルタメートオキシダーゼを固定 11…参照電極用銀メッキ 12…シリンジ 13…シリンジA 14…シリンジB 15…シリンジポンプ 16…ポテンシオスタット 17…ガラス基板 18…クロム薄膜 19…ポジ型厚膜フォトレジスト(JSR製) 20…レジストパターン 21…ビーズ充填用微小突起(フィルタ) 22…金薄膜 23…クロム薄膜 24…キャピラリ接続後のガラス基板 25…リン酸緩衝溶液+1μMアセチルコリン(+1μ
Mコリン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 雅夫 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 鳥光 慶一 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−90214(JP,A) 特開 平8−327594(JP,A) 特開 平10−38844(JP,A) 特開 平8−242891(JP,A) 特開 昭63−279153(JP,A) 特開 平4−318451(JP,A) 特開 昭60−244853(JP,A) 特開 平11−83784(JP,A) 特開2000−97899(JP,A) 特開 平9−127039(JP,A) 特開 平9−292360(JP,A) 特開 平5−322832(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/26 - 27/49

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚の絶縁性基板が張り合わされた面内
    に、試料を流すための微小流路を有し、酵素を固定化し
    た作用電極、参照電極および対向電極が上記微小流路に
    接して形成された電気化学セルと、上記酵素とは異なる
    酵素を固定化したビーズが上記電気化学セルの上流に充
    填された反応器とを少なくとも備えた集積型バイオセン
    において、上記微小流路内に、上記ビーズを捕集する
    ためのフィルタを有することを特徴とする集積型バイオ
    センサ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の集積型バイオセンサにお
    いて、先端を細くしたサンプリング用キャピラリまたは
    微小透析プローブを接続してなることを特徴とする集積
    型バイオセンサ。
  3. 【請求項3】第1の絶縁性基板に、フォトリソグラフィ
    とドライまたはウェットエッチング法により、微小流路
    とフィルタを形成する工程と、 上記第1の絶縁性基板または第2の絶縁性基板のいずれ
    か一方に導電体薄膜を堆積し、フォトリソグラフィとド
    ライまたはウェットエッチング法により、作用電極、参
    照電極および対向電極を形成する工程と、 上記作用電極に酵素を固定化する工程と、 ビーズに上記酵素とは別の酵素を固定化する工程と、 上記第1の絶縁性基板または上記第2の絶縁性基板のい
    ずれか一方に、サンプリング用キャピラリまたは微小透
    析プローブの接続流路をダイシングソーにより形成し、
    サンプリング用キャピラリまたは微小透析プローブを上
    記接続流路に接続する工程と、 上記第1の絶縁性基板と上記第2の絶縁性基板を貼り合
    わせる工程と、 上記ビーズを吸引または送液により微小流路内に送り込
    み、上記フイルタで捕集して反応器を形成する工程を含
    むことを特徴とする集積型バイオセンサの製造方法。
  4. 【請求項4】第1の絶縁性基板に、フォトリソグラフィ
    とドライまたはウェットエッチング法により、微小流路
    とフィルタを形成する工程と、 上記第1の絶縁性基板または第2の絶縁性基板のいずれ
    か一方にフォトリソグラフィを行い、導電体薄膜を堆積
    し、リフトオフにより作用電極、参照電極および対向電
    極を形成する工程と、 上記作用電極に酵素を固定化する工程と、 ビーズに上記酵素とは別の酵素を固定化する工程と、 上記第1の絶縁性基板または上記第2の絶縁性基板のい
    ずれか一方に、サンプリング用キャピラリまたは微小透
    析プローブの接続流路をダイシングソーにより形成し、
    サンプリング用キャピラリまたは微小透析プローブを上
    記接続流路に接続する工程と、 上記第1の絶縁性基板と上記第2の絶縁性基板を貼り合
    わせる工程と、 上記ビーズを吸引または送液により流路内に送り込み、
    上記フイルタで捕集して反応器を形成する工程を含むこ
    とを特徴とする集積型バイオセンサの製造方法。
  5. 【請求項5】第1の絶縁性基板に、フォトリソグラフィ
    によりレジストによる微小流路とフィルタを形成する工
    程と、 第2の絶縁性基板に導電体薄膜を堆積し、フォトリソグ
    ラフィとドライまたはウェットエッチング法により作用
    電極、参照電極および対向電極を形成する工程と、 上記作用電極に酵素を固定化する工程と、 ビーズに上記酵素とは別の酵素を固定化する工程と、 上記第1の絶縁性基板または上記第2の絶縁性基板のい
    ずれか一方に、サンプリング用キャピラリまたは微小透
    析プローブの接続流路をダイシングソーにより形成し、
    サンプリング用キャピラリまたは微小透析プローブを、
    上記接続流路に接続する工程と、 上記第1の絶縁性基板と上記第2の絶縁性基板を貼り合
    わせる工程と、 上記ビーズを吸引または送液により流路内に送り込み、
    上記フィルタで捕集して反応器を形成する工程を含むこ
    とを特徴とする集積型バイオセンサの製造方法。
  6. 【請求項6】第1の絶縁性基板に、フォトリソグラフィ
    によりレジストによる微小流路とフィルタを形成する工
    程と、 第2の絶縁性基板にフォトリソグラフィを行い、導電体
    薄膜を堆積し、リフトオフにより作用電極、参照電極お
    よび対向電極を形成する工程と、 上記作用電極に酵素を固定化する工程と、 ビーズに上記酵素とは別の酵素を固定化する工程と、 上記第1の絶縁性基板または上記第2の絶縁性基板のい
    ずれか一方に、サンプリング用キャピラリまたは微小透
    析プローブの接続流路をダイシングソーにより形成し、
    サンプリング用キャピラリまたは微小透析プローブを上
    記接続流路に接続する工程と、 上記第1の絶縁性基板と上記第2の絶縁性基板を貼り合
    わせる工程と、 上記ビーズを吸引または送液により流路内に送り込み、
    上記フィルタで捕集して反応器を形成する工程を含むこ
    とを特徴とする集積型バイオセンサの製造方法。
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